(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171418
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】香気提供物品および飲料製品
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20221104BHJP
A23L 2/00 20060101ALN20221104BHJP
【FI】
B65D25/20 Z
A23L2/00 B
A23L2/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078038
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517110346
【氏名又は名称】株式会社第一精工舎
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉部 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 良二
(72)【発明者】
【氏名】敦澤 裕紀
【テーマコード(参考)】
3E062
4B117
【Fターム(参考)】
3E062AA04
3E062AB02
3E062AC03
3E062BA20
3E062BB06
3E062BB10
4B117LC02
4B117LE10
4B117LL01
4B117LP20
4B117LT05
(57)【要約】
【課題】簡単な手間で飲料とともに香りを提供することができる香気提供物品および飲料製品を提供する。
【解決手段】香気提供物品100は、飲料が充填された容器Cの蓋部10に装着されるように構成され、香料を含有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料が充填された容器の蓋部に装着されるように構成され、香料を含有する、
ことを特徴とする香気提供物品。
【請求項2】
前記蓋部の一部に係合する係合部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の香気提供物品。
【請求項3】
前記蓋部は、タブの操作によってセンターパネルに形成される開口部を有し、前記香気提供物品は、前記開口部を覆わないように前記蓋部に装着される、
ことを特徴とする請求項2に記載の香気提供物品。
【請求項4】
前記タブは、ステイオンタブ式のタブである、
ことを特徴とする請求項3に記載の香気提供物品。
【請求項5】
前記係合部は、前記タブに係合する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の香気提供物品。
【請求項6】
前記係合部は、前記タブを受け入れる一対の溝を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の香気提供物品。
【請求項7】
前記タブからの前記香気提供物品の脱落を防止するラッチ部を更に備える、
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の香気提供物品。
【請求項8】
前記開口部に入らない寸法を有する、
ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の香気提供物品。
【請求項9】
前記蓋部は、前記容器の胴部の上端に巻き締められた巻締部を含み、
前記係合部は、前記巻締部に係合する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の香気提供物品。
【請求項10】
前記香料は、香料オイルを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の香気提供物品。
【請求項11】
前記香料は、食品添加物以外の成分を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の香気提供物品。
【請求項12】
飲料が充填された容器と、
前記容器の蓋部に装着されるように構成された請求項1乃至11のいずれか1項に記載の香気提供物品と、
を含むことを特徴とする飲料製品。
【請求項13】
前記飲料は、アルコール分が1容量%未満の飲料である、
ことを特徴とする請求項12に記載の飲料製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香気提供物品および飲料製品に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、フルーツ等の香りを放つフレーバーカップが開示されている。このフレーバーカップは、水を飲む際に使用することが予定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】[令和3年3月15日検索]、インターネット<URL:https://www.therightcup.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
香りを放つカップは、そのカップに対して飲料を注いだ上で飲用に供される。したがって、このようなカップは、飲料をカップに移す手間や、使用後に洗浄する手間を使用者に強いるほか、洗浄によって香りの提供能力が低下しうる。また、飲料をカップに注いだ後に香りを変更した場合には、所望の香りを放つカップに飲料を移し替える必要がある。
【0005】
本発明は、簡単な手間で飲料とともに香りを提供することができる香気提供物品および飲料製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面は、香気提供物品に係り、前記香気提供物品は、飲料が充填された容器の蓋部に装着されるように構成され、香料を含有する。
【0007】
本発明の第2の側面は、飲料製品に係り、前記飲料製品は、飲料が充填された容器と、前記容器の蓋部に装着されるように構成された、第1の側面に係る香気提供物品と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な手間で飲料とともに香りを提供することができる香気提供物品および飲料製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態の香気提供物品が容器の蓋部に装着された飲料製品を例示する図。
【
図2】第1実施形態の香気提供物品の正面図、背面図を示す図。
【
図3】第1実施形態の香気提供物品の上面図、底面図、左側面図および右側面図。
【
図4】第1実施形態の香気提供物品をタブとともに例示する図。
【
図5】第2実施形態の香気提供物品が容器の蓋部に装着された飲料製品を例示する図。
【
図6】第2実施形態の香気提供物品の正面図、背面図を示す図。
【
図7】第2実施形態の香気提供物品の上面図、底面図、左側面図および右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
図1には、第1実施形態の香気提供物品100が容器Cの蓋部10に装着された飲料製品が例示的に示されている。容器Cには、飲料が充填されている。蓋部10は、例えば、飲料が充填された容器Cの胴部20の上端に巻き締められた巻締部16と、巻締部16によって支持されたセンターパネル18とを含みうる。香気提供物品100は、容器Cの蓋部20に装着されるように構成され、香料を含有する。香気提供物品100は、例えば、香料を含有する樹脂材料によって構成されうる。蓋部10は、タブ12の操作によってセンターパネル18に形成される開口部14を有し、香気提供物品100は、開口部14を覆わないように蓋部10に装着されうる。タブ12は、例えば、ステイオンタブ式のタブでありうる。なお、香気提供物品100は、容器Cの蓋部10に装着されない状態で購買者に提供されてもよいし、蓋部10に装着された状態で購買者に提供されてもよい。
【0012】
図2(a)、(b)には、それぞれ第1実施形態の香気提供物品100の正面図、背面図が示されている。
図3(a)、(b)、(c)、(d)には、それぞれ第1実施形態の香気提供物品100の上面図、底面図、左側面図および右側面図が示されている。
【0013】
図2(b)および
図3(b)に例示されるように、香気提供物品100は、蓋部10の一部に係合する係合部110を備えうる。
図1および
図4に例示されるように、係合部110は、タブ12に係合するように構成されうる。
図2(b)および
図3(b)に例示されるように、一例において、係合部110は、タブ12を受け入れる一対の溝を含みうる。該一対の溝は、互いに対向するように配置され、タブ12の側部を受け入れるように構成されうる。
図2(b)、
図3(b)および
図4に例示されるように、香気提供物品100は、タブ12からの香気提供物品100の脱落を防止するラッチ部120を更に備えてもよい。ラッチ部120は、タブ12の開口の内縁に引っかかるように配置されうる。
【0014】
香気提供物品100が蓋部10の開口部14を通して容器C内に入り込むことを防止するために、香気提供物品100は、開口部14に入らない寸法を有することが好ましい。
【0015】
図5には、第2実施形態の香気提供物品100が容器Cの蓋部10に装着された飲料製品が例示的に示されている。第2実施形態として言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。
図6(a)、(b)には、それぞれ第2実施形態の香気提供物品100の正面図、背面図が示されている。
図7(a)、(b)、(c)、(d)には、それぞれ第2実施形態の香気提供物品100の上面図、底面図、左側面図および右側面図が示されている。
【0016】
容器Cの蓋部10は、容器Cの胴部20の上端に巻き締められた巻締部16と、巻締部16によって支持されたセンターパネル18とを含みうる。香気提供物品100は、容器Cの蓋部10に装着されるように構成され、香料を含有する。香気提供物品100は、例えば、香料を含有する樹脂材料によって構成されうる。蓋部10は、タブ12の操作によってセンターパネル18に形成される開口部14を有し、香気提供物品100は、開口部14を覆わないように蓋部10に装着されうる。タブ12は、例えば、ステイオンタブ式のタブでありうる。なお、香気提供物品100は、容器Cの蓋部10に装着されない状態で購買者に提供されてもよいし、蓋部10に装着された状態で購買者に提供されてもよい。
【0017】
図5、
図6(b)および
図6(b)に例示されるように、香気提供物品100は、蓋部10の一部に係合する係合部130を備えうる。係合部130は、蓋部10の巻締部16に係合するように構成されうる。
図5、
図6(b)および
図6(b)に例示されるように、香気提供物品100は、取っ手140を備えてもよい。
【0018】
第1および第2実施形態において、香気提供物品100が含有する香料は、例えば、香料オイルでありうる。香料は、日本国の食品衛生法で定められた食品添加物に該当する香料(以下、食品用香料)を含んでもよい。あるいは、香気提供物品100は、飲料を収容する容器Cを構成せず、飲料に触れるものではないので、香気提供物品100が含有する香料は、該食品添加物以外の成分を含んでもよい。したがって、本発明の香気提供物品では、香料の選択の自由度が高いという利点がある。
【0019】
食品用香料には、天然物から抽出した天然香料と化学的に合成された合成香料とがある。天然香料は、日本国の食品衛生法では、「動植物より得られる物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物」と定義され、使用できる動植物名が例示として「天然香料基原物質リスト」に記載されている。また、合成香料のほとんどは食品に存在するものと同一成分を化学合成した化合物であり、「食品衛生法施行規則別表第1」のなかで指定されている。
【0020】
食品用香料は、単品で使用されることは少なく、通常、多数の香料化合物を組み合わせた調合製品が用いられる。調合製品の形態としては、水溶性香料、油溶性香料、乳化香料、粉末香料などがある。水溶性香料は、香料ベースを水溶性溶剤である含水アルコール、プロピレングリコールなどで抽出・溶解したものである。油溶性香料は、香料ベースを植物油などで溶解したものである。乳化香料は、乳化剤や安定剤を使用し、香料ベースを水に乳化させ微粒子状態にしたものである。粉末香料は、香料ベースをデキストリンや天然ガム質、糖、でんぷんなどの賦形剤とともに乳化させた後、噴霧乾燥させて粉末化したり乳糖などに香料ベースを付着させたりしたものである。飲料には、通常、水溶性香料と乳化香料とが用いられる。このような香料では、飲料に香料を均一に溶解/分散させるため、疎水性の香料化合物の使用量に制限があったり、乳化剤による香りへの影響があったりしうる。
【0021】
容器Cに充填される飲料は、アルコール分が1容量%以上の飲料でありうる。あるいは、容器Cに充填される飲料は、アルコール分が1容量%未満の飲料である。
【0022】
1つの例おいて、容器Cに充填される飲料は、アルコール分が1容量%未満の飲料であり、香気提供物品100は、アルコール香気成分を含みうる。
【0023】
他の例において、容器Cに充填される飲料は、レモンハイであり、香気提供物品100は、レモン香気成分を含みうる。
【0024】
更に他の例において、容器Cに充填される飲料は、ジントニック風味でアルコール分が1容量%未満の飲料であり、香気提供物品100は、ジェニパーベリー香気成分を含みうる。
【0025】
以上のように、第1および第2実施形態に代表される香気提供物品は、飲料が充填された容器に香気提供物品を装着するという簡単な手間で飲料とともに香りを提供することができる。また、このような香気提供物品は、洗浄の手間をなくし、または低減するために有利である。また、このような香気提供物品は、容器内の飲料を飲み切る前に香気提供物品を他の香気を放つ香気提供物品に変更するという自由度を提供することができる。
【0026】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
C:容器、10:蓋部、12:タブ、14:開口部、16:巻締部、18:センターパネル、20:胴部、100:香気提供物品、110:係合部、120:ラッチ部、130:係合部、140:取っ手