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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017144
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ケアマスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220118BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020134211
(22)【出願日】2020-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】520297861
【氏名又は名称】光畑 麻美
(72)【発明者】
【氏名】光畑 麻美
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】快適にマスクを着用でき、芳香浴を可能にすること
【解決手段】外側部と内側部の素材を工夫し、二重構造にし、肌あたり性と型崩れ防止性を向上させた。各縫い代が二重構造の内側に来るようにし、肌あたりをよくした。マスク本体を左片と右片を結合することによって構成し、立体形状とし、呼吸のための空間を確保した。左片と右片の縫い代部分を剥離しないように縫合し、立体形状を補強する機能を持たせることとした。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体と耳掛け部を有し、
前記耳掛け部は前記マスク本体に接続され、耳にかけることにより前記マスク本体を保持し、
前記マスク本体は竹と綿の混紡の竹繊維製であり、外側部と内側部の二重構造であり、前記外側部と前記内側部は内外縫合部により剥離しないように固定されており、
前記マスク本体は覆い部と密着部を有し、
前記覆い部は球面の一部を切り取った曲面状であり、装着時に口と鼻孔の前に空間を確保し、外気を透過させ呼吸器に空気を供給し、
前記外側部及び前記内側部は、装着したときに目に近い端である上端とあごに近い端である下端と、右片と左片と、左右縫合部と縫い代を有し、
前記右片と前記左片は、合同または鏡像対称であり、縫合線と、円弧状の縁を有し、
前記縫合線は、前記縁に沿って、前記縁より内側に一定の距離を保って引かれた線であり、
前記左右縫合部は、前記縫合線で前記右片と前記左片を縫合し、
前記縫い代は前記縁から前記縫合線までの部分であり、前記縫合線から前記耳掛け部の方向に逆向きに折り返されており、
前記マスク本体は、
前記縁が同じ位置にくるように、前記外側部の前記右片と前記左片を重ね、前記縫合線で縫合し、前記縫合線を中心として見開きとなるように前記右片と前記左片を開いた見開き外側部と
前記縁が同じ位置にくるように、前記内側部の前記右片と前記左片を重ね、前記縫合線で縫合し、前記縫合線を中心として見開きとなるように前記右片と前記左片を開いた見開き内側部とを前記縫い代が互いに背面に向くように前記見開き外側部と前記見開き内側部を重ねたものを、
前記上端と前記下端に沿って縫合し筒状にし、前記筒状の内面と外面を逆に返した前記二重構造であり、
前記内外縫合部は前記左右縫合部から前記縫い代の範囲内に、少なくとも1つ設けられており、
前記外側部と前記内側部を縫合する、
ことを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記マスク本体は30%~35%の竹と65%~70%の綿の混紡の前記竹繊維製であることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記内側部は装着時に顔面に向く方向の部分であり、平織りストライプ生地製であり、
前記外側部は前記内側部の反対の方向の部分であり、平織りメッシュタイプ生地製であることを特徴とする、
請求項1または2に記載のマスク。
【請求項4】
前記縫い代の幅は2mm以上10mm以下であることを特徴とする、
請求項1から請求項3のうちのいずれか1の請求項に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに係り、例えば、睡眠時芳香浴ケアマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の衛生マスクを毎日の睡眠時に着用する事は有効ではなく風邪や空気が乾燥した時のみ、必要性を感じた際に着用している為、予防効果や睡眠導入をサポートする目的での使用には至らなかった。
従来の技術では衛生マスク本体に、心身の健全化および効果を促す各種の植物性のアロマオイルを吸着させている。また、不繊布をマスク本体に合体させて、その効果を得ている。
(例えば、特許文献1の図1参照)。
【0003】
しかし、特許文献1記載の技術では、短い時間ではアロマテラピー効果を実感させることはできたが長時間の着用が考慮されておらず、例えば、睡眠時など長時間着用することは苦痛であった。また、従来のマスクでは以下の問題がある。
a)睡眠時に着用するマスクは長時間、肌にふれる為天然素材で肌に負担がかからない生地を選び着用する事が望ましいが、生地が柔らかい素材になる為、立体構造等でも形が崩れてしまい蒸れや息苦しさから、長時間の着用は困難になる。
b)睡眠導入に効果的な香療法として空間に精油を噴霧する事や綿花やハンカチなどの天然素材に塗布し枕元に置いておく方法を試みるが何れも寝返りにより枕元から紛失する事があり、また同室内で就寝する人がいる場合は香り成分の好みや体質に合わない場合がある為、安易にこの方法では芳香する事が出来ない。
c)芳香が可能である従来技術の衛生マスク等は綿、不織布、化学繊維(麻や竹などのレーヨン)、合成樹脂等で成形され長時間の使用において肌に直接触れる素材により接触性皮膚炎や摩擦による肌荒れや痛み、痒みの原因やまた、夏では蒸れによる雑菌の繁殖により尋常性ざ瘡による肌荒れ等の炎症を起こす原因にもなる。
d)感染症が流行した場合は長時間のマスクの着用が必要となり健常者、発達障害の方、介護を有する方も含めて衛生マスクの長時間の着用において、顔の神経感覚は繊細で敏感である為、生地や構造による肌への圧迫感や不快感からくる頭痛などの身体的ストレスの要因の1つになる可能性がある。発達障害の方ではマスクを着用する事に恐怖感があり着用できない事例も起きている。
e)個々の顔の大きさによりマスク着用時の動作で上下のズレが生じやすく、耳の背面で接触する部位にゴムや紐類等により力が加わることで摩擦や、痛み、かぶれを起こす事がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3122783号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、快適にマスクを着用でき、芳香浴を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)マスク本体と耳掛け部を有し、前記耳掛け部は前記マスク本体に接続され、耳にかけることにより前記マスク本体を保持し、前記マスク本体は竹と綿の混紡の竹繊維製であり、外側部と内側部の二重構造であり、前記外側部と前記内側部は内外縫合部により剥離しないように固定されており、前記マスク本体は覆い部と密着部を有し、前記覆い部は球面の一部を切り取った曲面状であり、装着時に口と鼻孔の前に空間を確保し、外気を透過させ呼吸器に空気を供給し、前記密着部は前記覆い部から伸び、頬周辺に密着し、前記外側部及び前記内側部は、装着したときに目に近い端である上端とあごに近い端である下端と、右片と左片と、左右縫合部と縫い代を有し、前記右片と前記左片は、合同または鏡像対称であり、縫合線と、円弧状の縁を有し、前記縫合線は、前記縁に沿って、前記縁より内側に一定の距離を保って引かれた線であり、前記左右縫合部は、前記縫合線で前記右片と前記左片を縫合し、前記縫い代は前記縁から前記縫合線までの部分であり、前記縫合線から前記耳掛け部の方向に逆向きに折り返されており、前記マスク本体は、前記縁が同じ位置にくるように、前記外側部の前記右片と前記左片を重ね、前記縫合線で縫合し、前記縫合線を中心として見開きとなるように前記右片と前記左片を開いた見開き外側部と前記縁が同じ位置にくるように、前記内側部の前記右片と前記左片を重ね、前記縫合線で縫合し、前記縫合線を中心として見開きとなるように前記右片と前記左片を開いた見開き内側部とを前記縫い代が互いに背面に向くように前記見開き外側部と前記見開き内側部を重ねたものを、前記上端と前記下端に沿って縫合し筒状にし、前記筒状の内面と外面を逆に返した前記二重構造であり、前記内外縫合部は前記左右縫合部から前記縫い代の範囲内に、少なくとも1つ設けられており、前記外側部と前記内側部を縫合する、ことを特徴とするマスクを提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記マスク本体は30%~35%の竹と65%~70%の綿の混紡の前記竹繊維製であることを特徴とする請求項1に記載のマスクを提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記内側部は装着時に顔面に向く方向の部分であり、平織りストライプ生地製であり、前記外側部は前記内側部の反対の方向の部分であり、平織りメッシュタイプ生地製であることを特徴とする、請求項1または2に記載のマスクを提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記縫い代の幅は2mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3のうちのいずれか1の請求項に記載のマスクを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装着時に口と鼻孔の前に空間を確保し、竹と綿の混紡の竹繊維製なので、快適にマスクを着用でき、芳香浴を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】三面図である。
図2】展開図である。
図3】正面図である。
図4】斜視図である。
図5】側面図(内部の状態を示したもの)である。
図6】左右の縫合を説明した図である。
図7】内外の縫合を説明した図である。
図8】耳掛けの取り付けを説明した図である。
図9】耳掛けの説明図である。
図10】マスク斜視図である。
図11】マスク側面図(内部の状態を示したもの)である。
図12】マスク本体を表した図である。
図13】マスク本体の展開図である。
図14】内側部と外側部を重ねた図である。
図15】マスク本体を筒状に構成する図である。
図16】耳掛け部の取り付けを表した図である。
図17】マスクの正面図である。
図18】耳掛け部を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のマスク100における好適な実施の形態について、図1から図9及び、図10から図18を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
図10から図18に振られた符号と、図1から図9に振られた符号は独立であり、別の意味を有する場合がある。以下、図10から図18を使い説明する。
外側部34と内側部31の素材を工夫し、二重構造にし、肌あたり性と型崩れ防止性を向上させた。各縫い代46が二重構造の内側に来るようにし、肌あたりをよくした。マスク本体21を左片44と右片43を結合することによって構成し、立体形状とし、呼吸のための空間23を確保した。左片44と右片43の縫い代46部分を剥離しないように縫合し、立体形状を補強する機能を持たせることとした。
【0010】
図10は、本実施形態が適用されるマスク斜視図である。マスク100は、マスク本体21と耳掛け部22を有する。マスク100は、睡眠時芳香浴ケアマスクとして使用できる。
【0011】
〔耳掛け部22〕
耳掛け部22はマスク本体21の密着部37に接続され、耳にかけることによりマスク本体21を保持する。耳掛け部22は弾性体38と紐39を互いに結び合わせた構造になっている。弾性体38は紐状のゴムである。弾性体38の略中央部に、紐結び目391がくる。また、弾性体結び目381が紐39の略中央部に来る。そのため、弾性体結び目381と紐結び目391の位置を調整することにより、使用者に適当な長さに調整することができる(図18参照)。
マスク本体21の左右両端の部分は約10mmの幅で裏側に折り返され、弾性体38は折り返された部分に縫合されている。紐39も同様である。紐39はライクラ(製品名)を使用している。
【0012】
〔マスク本体21〕
図12はマスク本体21を表した図である。
マスク本体21は竹と綿の混紡の竹繊維製であり、外側部34と内側部31の二重構造であり、外側部34と内側部31は内外縫合部33により剥離しないように固定されている。
図10はマスク斜視図である。
マスク本体21は、覆い部36と密着部37を有する。
覆い部36と密着部37も外側部34と内側部31の二重構造である。
マスク本体21は竹繊維製である。竹繊維は30%~35%の竹と65%~70%の綿の混紡とすると好適である。
内側部31は装着時に顔面に向く方向の部分である。
外側部34は内側部31の反対の方向の部分である。詳しくは後述する。
【0013】
〔覆い部36〕
覆い部36は球面の一部を切り取った曲面状であり、装着時に口と鼻孔の前に空間23を確保し、外気を透過させ呼吸器に空気を供給する。覆い部36はマスク100の略中央部に位置する。覆い部36に香油を塗布することにより、空間23的拡散領域による芳香浴が楽しめる(図11参照)。
【0014】
〔密着部37〕
密着部37は覆い部36から伸び、頬周辺に密着し、吸気の際に、外気がマスク本体21の隙間から空間23に入ることを阻害する。呼気の場合は、頬周辺から離れてもよい。このようにすることにより、呼吸が楽に行える効果がある(図11参照)。
【0015】
〔外側部34・内側部31〕
図13はマスク本体の展開図である。
内側部31は装着時に顔面に向く方向の部分であり、平織りストライプ生地製である。
肌に直接触れる内側部31の生地を竹繊維バングロ(製品名)のストライプ仕様(繊維の密度が濃い部分と薄い部分が交互に縦に織られている)の生地を使い肌に触れる生地の密度を軽減する事で摩擦や接触部分を減らし、また通気性も保持できる事で蒸れなどを軽減する事が可能としている。
外側部34は内側部31の反対の方向の部分であり、平織りメッシュタイプ生地製である。
外側部34は竹繊維バングロ(製品名)を使用している。
平織りメッシュ生地にすることにより、通気性が上がり、生地に張りがあり形状が崩れにくい素材となっている。
生地に張りがある為、呼気をマスク100の円弧にそって下へ排出する事が可能になっている。
そのため、マスク100の中で呼気が滞らず呼気による顔の温度の上昇を抑えることが可能になっている(図11参照)。
外側部34及び内側部31は、装着したときに目に近い端である上端41とあごに近い端である下端42と、右片43と左片44と、左右縫合部45と縫い代46を有する。
【0016】
〔右片43・左片44〕
右片43はマスク100正面から見て、マスク本体21の右側を構成する部分である。
左片44はマスク100正面から見て、マスク本体21の右側を構成する部分である。
右片43と左片44は、合同または鏡像対称であり、縫合線51と、円弧状の縁52を有する。なお、マスク本体の二重構造を裏返す過程(後述)があるので、右片43と左片44は展開図では左右逆に表される。
縫合線51は、縁52に沿って、縁52より内側に一定の距離511を保って引かれた仮想線である。
縫合線51は、縫合の便宜等のために、実際に線を引いてもよい。
縫い代46は縁52から縫合線51までの部分であり、縫合線51から耳掛け部22方向に逆向きに折り返されている(図14参照)。
【0017】
〔左右縫合部45〕
左右縫合部45は、縫合線51で右片43と左片44を縫合したものである。
【0018】
〔縫い代46〕
縫い代46は縁52から縫合線51までの部分であり、右片43と左片44が縫合され、見開き状態にされた際には、縫合線51から耳掛け部22方向に逆向きに折り返されている。これにより、内外縫合部33で縫合する際に、縫い代46が左右に広がった状態が保たれ、縫い代46が中央から片側だけに来たり、丸まったりした状態で、縫合してしまうことがない。本実施形態では、縫い代46の幅は8mmとしている。
これは、中心部分の強度が増し、マスク100形状の型崩れを防ぐ幅となり、更に程よい幅は見た目のマスク100形状のデザイン性を阻害しないことによる。
【0019】
また、2mmに満たない幅の縫い代46では、呼吸は遮らないがマスク100中心部分の強度が弱くなり型崩れが起きる原因となり、10mmを超える幅では、口元前方を殆ど遮る形状となり呼吸を遮りやすく、又幅が増える事で見た目の形状のバランスが崩れ、デザイン性が乏しくなる。したがって縫い代46の幅は2mm以上、10mm以下が好適である。
【0020】
〔見開き内側部32・見開き外側部35〕
図14は内側部31と外側部34を重ねた図である。
見開き内側部32は、内側部31そのものであるが、マスク100製作の過程で、変形された一形状を説明の便宜のため名付けたものである。
見開き内側部32は、縁52が同じ位置にくるように、内側部31の右片43と左片44を重ね、縫合線51で縫合し、縫合線51を中心として見開きとなるように右片43と左片44を開いたものである。
見開き外側部35は、外側部34そのものであるが、マスク100製作の過程で変形された一形状を説明の便宜のため名付けたものである。
見開き外側部35は、縁52が同じ位置にくるように、外側部34の右片43と左片44を重ね、縫合線51で縫合し、縫合線51を中心として見開きとなるように右片43と左片44を開いたものである。
見開き内側部32と見開き外側部35を縫い代46が互いに背面に向くように見開き外側部35及と見開き内側部32を重ねたものを、上端41と下端42に沿って縫合し筒状にする。
図15はマスク本体を筒状に構成する図である。
縫合した筒状には、装着時の横向両端に、縫合されていない開口する部分がある。開口する一端より、作業者が筒状の内部に横方から手また指を挿入して、手を入れた逆方向の端の内面をつまみ、開口する部分より引っ張り出し、筒状の内面と外面を反転させる。
【0021】
〔内外縫合部33〕
図15図16を参照して説明する。
内外縫合部33は左右縫合部45から縫い代46の範囲内に、少なくとも1つ設けられており、外側と内側を縫合する部分である。内外縫合部33は、外側部34と内側部31が剥離しないように固定する。内外縫合部33は左右縫合部45に沿って、数mm程度離れたところに左右縫合部45に沿って両側に縦方向に2本設けられている。
内外縫合部33は覆い部36の立体形状を維持する強度を与え、洗濯による型崩れなどを防止し、また、吸気により、内側部31が外側部34から剥離することを防止する。従って、これらが可能であれば、例えば、縫合する部分は縦方向1本でもよく、筒状の内部に存在する縫い代46の範囲内で、上下に延びる波状やジクザク状に縫合してもよいし、連続せずに飛び飛びに縫合してもよい。また、接着剤などを浸透させて外側と内側を固定してもよい。
【0022】
次に、以上のように構成された実施形態の動作について説明する。
図11はマスク側面図(内部の状態を示したもの)である。
装着の仕方は通常のマスクと同様である。
マスク本体21を口、鼻を覆う適当な位置に移動させ、耳掛け部22によりマスク100を固定する。
上述の通り、耳掛け部22の長さは調整が可能である。弾性体結び目381及び、紐結び目391を適当な長さに調節する。耳掛け部22は弾性体38を有するので、マスク本体21を顔面に適当な力で押し当て、支持することができる。
マスク本体21の素材として竹繊維のバングロを使用する事で肌への負担が少ない。
【0023】
覆い部36は球面の一部を切り取った曲面状であり、装着時に口と鼻孔の前に空間23を確保し、外気を透過させ呼吸器に空気を供給する。そのため覆い部36の内側部31に口元に空間23を作る事が可能になり息苦しさや圧迫感がない。
【0024】
図17はマスクの正面図である。
A-A断面図を参照して、覆い部36の中心部は内側部31と外側部34に加えて内側部31の縫い代46と外側部34の縫い代46で形状が維持される。すなわち、内外縫合部33では、中央部から見て左側だけで、生地が4枚重なった状態になっている。
さらに、左片44と右片43の両方で覆い部36を維持するので、覆い部36の中心部は計8枚の生地で形状が維持され、強固に立体形状が維持される効果がある。
覆い部36の内側に極少量の精油などの芳香成分を立体構造の口元付近に直接、生地に塗布して使用する事で自分だけの芳香浴が可能になる。
【0026】
香療法として睡眠時に着用できる芳香浴が可能な衛生マスクを使用する事で、口腔内の乾燥を防ぎ口腔トラブルを予防し、芳香浴で睡眠導入へ速やかに移行できる。またマスクを着用する事が困難な発達障害の方や介護を有する方が個々の好みの香り成分をマスクに塗布する事で安心感を与え恐怖感や緊張感を和らげることで感染症拡大予防時のマスク着用を可能にする為の効果を期待できる。
(a)睡眠時用の立体構造衛生マスクの生地として竹繊維のバングロを使用する事で肌の負担がなく、蒸れにくく口元に空間を作る事が可能になり息苦しさや圧迫感がなくなった。
(b)竹繊維のバングロは天然素材100%の生地になり極少量の精油などの芳香成分を立体構造の口元付近に直接、生地に塗布して使用する事で自分だけの芳香浴が可能になった。
(c)肌に直接触れる内側の生地を竹繊維バングロのストライプ仕様(繊維の密度が濃い部分と薄い部分が交互に縦に織られている)の生地を使い肌に触れる生地の密度を軽減する事で摩擦や接触部分を減らし、また通気性も保持できる事で蒸れなどを軽減する事が可能になった。
(d)竹繊維バングロの生地を使用する事で個々の芳香浴(いわゆる自分だけの香り療法)が簡単になり健常者のストレス緩和や、発達障害の方や介護を必要とされている方のストレス緩和として好みの香りを塗布する事でマスクの着用を誘導する為のトレーニングに使用が可能になる。
(e)左右の内側と外側の4枚の生地から成り立つ立体構造は鼻の上部に生地がのり、顎下まで湾曲線を描く形状で上下のズレが生じにくくなり、左右の生地を中心部(すなわち、左右縫合部)で縫い合わせ、さらに内側と外側の生地も中心部で縫い合わせる事で一体感が生まれ左右のズレも生じにくくなった。その為、耳にかかる負荷が軽減され又、耳紐にはライクラを使用する事で伸縮性のある柔らかい素材の為、摩擦抵抗が少なくさらに負担が軽減され、個々の顔のサイズに合わせる事が可能な紐の結び方によりマスク着用時の耳への問題を解決する事ができた。
マスクについて、天然の抗菌力で菌増殖の抑制できる。脱臭効果によりマスク特有の匂いを防いでいつも爽快である。
これについては、実験により検証済(7名のモニターにより3日間、洗濯をせずに室内に干して繰り返し使用しても臭くならなかった)である。
【0027】
以上説明したように本実施形態のマスクによれば、装着時に口と鼻孔の前に空間を確保し、竹と綿の混紡の竹繊維製なので快適にマスクを着用でき、芳香浴を可能にすることができる。
【0028】
(2)実施形態の詳細
以下、図1から図9を用いて説明する。
マスクは平織りメッシュ生地の左外側、右外側と平織りストライプ生地の左内側、右内側の計4枚の扇型の生地から成り立つ
図1について〕
マスク三面図(正面図、右側面図、平面図)
として、形状の寸法を表す
図2について〕
図面内の記号について下記に表す。
(1)左外側生地(平織りメッシュ生地)
(2)左外側生地(1)の折り返し縫い代部分
(3)左内側生地(平織りストライプ生地)
(4)左内側生地の折り返し縫い代部分
(5)右外側生地(平織りメッシュ生地)
(6)右外側生地(1)の折り返し縫い代部分
(7)右内側生地(平織りストライプ生地)
(8)右内側生地(3)の折り返し縫い代部分
(9)耳掛け部(紐の取り付け部分)
B.マスク中心部
C.頬側部(1)と(3)の合わせ位置
C’.ステッチ部
D.頬側部(5)と(7)の合わせ位置
D’.ステッチ部
E.顎側部(1)と(3)の合わせ位置
E’.ステッチ部
F.顎側部(5)と(7)の合わせ位置
F’.ステッチ部
【0029】
図3について〕
AーA断面部分は図2で示す(1)から(8)の8枚の生地で成り立ち、縫い代巾を8mmにする事で立体形状を支える為の強度が上がり型崩れをおこしにくくする構造となる。
マスク中心部Bより左右各8mmの縫い代巾(重なり合う左片4枚、右片4枚の生地)は口元全面を塞がず、扇型の曲線形状により呼吸を遮らずに重なり合う生地は香油の浸透性を向上させ蒸発しにくいことで芳香拡散時間を維持する。
図4について〕
図面内の記号について下記に表す。
(9)縦幅65mm巾にする事で頬とマスクとの隙間が出来ず、左右上下に動きにくく密着する事で顔からマスクがズレない。又、正面からの見た目の形状が良くなり顔の曲線に沿って美しく見えデザイン性を高める。
H.マスク中心部にステッチを施す事により外側メッシュ生地と内側ストライプ生地が一体(固定)となり、呼吸による吸入時に起こる口元への生地の貼りつきを防ぎ立体形状の強度を上げ型崩れを防ぐ。
図5について〕
図面内の記号について下記に表す。
(10)左右合計巾260mmが頬全体を包み込み曲線を描く事で顔の形状に沿いやすくマスクは左右上下に動きにくく密着する事で顔からマスクがズレない。又、正面からの見た目の形状が良くなり顔の曲線に沿って美しく見えデザイン性を高める。
(11)およそ半径102mmの曲線(図1より)と(図2でのAーA断面図の構造)により香油の空間的拡散領域を保持する事ができる。(図3について参照)
又、マスクと顎の隙間を作る事で呼気を素早く排出する事で呼気による熱の滞りを防止する為、夏場における熱中症対策にも役立つ。
【0030】
図6について〕[縫製方法]
1.(1)と(5)をBで同じ形状になるように重ね合わせBより8mm内側にステッチGを施す。
(外側生地平織りメッシュ)
2.(3)と(7)をBで同じ形状になるように重ね合わせBより8mm内側にステッチGを施す。
(内側生地平織りストライプ)
3.(1)と(5)の2枚で出来た外側メッシュ生地をパーツ1としBを中心にステッチ部Gで折り返し縫い代部分を左右に開く。
同じく(3)と(7)の2枚で出来た内側ストライプ生地をパーツ2としBを中心にステッチ部Gで折り返し縫い代部分を左右に開く。
図7について〕[縫製方法]
外側メッシュ生地パーツ1と内側ストライプ生地パーツ2をBを中心に同一記号のC-C,D-D,
E-E,F-Fを重ね合わせ生地の端から5mm内側のステッチ部C‘-C’,D‘-D’,E‘-E’,F‘-F’を縫い合わせ筒状を作る。この時、パーツ1、パーツ2の中心部の折り返した縫い代部を外側にして向かい合わせる。
図8について〕[縫製方法]
図7で示す筒状を(9)の耳側開口部よりひっくり返し、パーツ1とパーツ2の中心Bの縫い代部(2),(6),(4),(8)を左右に広げ、
図3のAーA断面図で示すHのステッチを施す。
これによりパーツ1とパーツ2を縫い合わせて固定する。
耳掛け部分(9)を筒状の内側に10mm巾に折り返し、鼻側(上)と顎側(下)に各1本(ポリエステル製ライクラの紐を12mm~13mm)を折り返し部分に差し込みステッチIを施し取り付ける。
【0031】
〔生地の特性〕
マスク生地は竹レーヨンなどの化学繊維とは異なり天然の竹を使用する混紡繊維である。
パーツ1外側メッシュ生地及びパーツ2内側ストライプ生地において、天然の竹繊維(30%~35%の竹と65%~70%の綿の混紡)を使用する。
パーツ1において平織りメッシュタイプ生地は、通常の平織りよりも通気性があり張りのある生地となり型崩れしにくく、睡眠時の着用において呼吸を遮らない。
パーツ2において平織りストライプ生地は糸の密度の濃淡によりストライプ模様となり、通常の平織りよりも柔らかく通気性に優れている。
内側生地は直接、肌に触れる為、長時間のマスク使用時の呼気や汗による蒸れを無くし肌への負担が軽減され、化学繊維を使用しない為、肌に優しく(石油などの残留物質が無い)接触性皮膚炎等の炎症を起こしにくくする。
〔竹繊維の性質〕
マスクで使用する竹繊維はバングロ社の生地を使用する。
《期待出来る効果》
・遠赤外線効果により肌や喉を潤す
(免疫サポート)
・外気からの熱伝導率が低く夏涼しくて冬温かい
・中性の電荷により帯電を防ぎ静電気防止&抑制で身体のストレス軽減
・天然の抗菌力で菌増殖の抑制
・脱臭効果によりマスク特有の匂いを防いでいつも爽快
・天然のみの繊維(ノン・レーヨン)となり残留薬品などによるアレルギーの心配がない
【0032】
■検証済
1.モニター7名により3日間、洗濯をせずに室内に干して繰り返し使用しても臭くならなかった。
又、マスク着香油の持続力も確認出来た。
〔マスクによる芳香浴について〕
これまでの芳香マスクは生地に直接、香りを塗布せず
マスクの布地に袋状にした素材やポリエステル類の素材と形状を組み合わせて芳香させる製品があり、
香油を付けた物をマスクに付属させる事でマスクそのものが重たくなり顔や耳に負担がかかる事や
呼吸が安易では無い事で手軽に長時間、使用する事が困難である。これらの問題を解決する為、安易に芳香浴が出来る素材として天然の竹繊維とマスク形状を考案した。
芳香させる従来製品のマスクは
精油を布地に直接、塗布出来ない理由として
1.精油はプラスチック等を溶かす性質があり化学繊維などに塗布する事でマスクを溶かす可能性や有害物質を発生させるリスクがある等
2.抗菌作用の無い不織布や、ガーゼなどの素材は布地そのものに抗菌力や脱臭力が無い為、菌が繁殖しやすく雑菌臭と芳香成分が混ざり長時間の使用では芳香マスクとして香油成分を取り入れる香療法の効果的な使用にならず不衛生かつ、本来の芳香マスクの主旨と異なる等
が考えられる
【0033】
これらの問題解決として
天然の竹繊維の性質を利用し生地に直接、香油を塗布する事が可能となり又抗菌力により
雑菌臭を防ぎ、本来の芳香浴、香療法を楽しむ事が可能となる。
洗濯が出来る事で、その時の気分や体調に合わせた精油を自分のタイミングで塗布する事ができる。
※香油は植物成分100%の精油、主に食品添加物又は化粧品類の精油を使用する。
【0034】
〔竹繊維と形状により天然の機能性を持ったマスクの特徴について〕
1.天然100%の素材で敏感な肌を優しく包み込む
2.通気性が良く呼吸がしやすい
3.夏涼しく蒸れにくく冬は暖かく潤う
4.軽くて顔への負担が少なく肌たるみの原因となる顔凝りの軽減
5.伸縮性のある柔らかいライクラを耳紐に使用し、2箇所に片結びを作る事で紐の長さの調整が可能になり耳が痛くならない
6.竹繊維の持つ天然の抗菌&脱臭力
7.静電気抑制でストレス軽減
8.口元の空間により、喋りやすくリップ等が取れにくい。
9.顎とマスクに隙間を作り息を吐きやすく、熱をこもらせない。
10.竹繊維は生地が丈夫で繰り返し洗え、型崩れを起こしにくい
11.天然繊維100%と口元に空間を作った立体構造により実現できた芳香浴。
紐の長さを調整出来るように
上の紐に下の紐を片結び、下の紐に上の紐を片結びし、それぞれの結び目を左右に滑らせる事で長さを調整できる。
【0035】
以上説明したように本実施形態のマスクによれば、装着時に口と鼻孔の前に空間を確保し、竹と綿の混紡の竹繊維製なので快適にマスクを着用でき、芳香浴を可能にすることができる。
【0036】
以上、本発明のマスク100における実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、左片44、右片43、外側部34、内側部31等を縫合していたが、接着剤等で固定してもよい。この場合量産が容易になる。筒状の内面と外面を反転させる工程を省いてもよい。その場合は、見開き外側部35と見開き内側部32の縫い代46が同方向に来るようにして、上端41と下端42を縫合する。これにより、製造の省力化ができる。なおこの場合は、使用者は縫い代46がない方向を顔面に向けて装着することになる。また、マスク顎先から耳掛け部迄の角度を12~15度にする事で正面及び側面がシャープな印象を与え小顔に見えるデザインとなる。
【符号の説明】
【0037】
21 マスク本体
22 耳掛け部
23 空間
31 内側部
32 見開き内側部
34 外側部
35 見開き外側部
36 覆い部
37 密着部
38 弾性体
39 紐
41 上端
42 下端
43 右片
44 左片
45 左右縫合部
46 縫い代
51 縫合線
52 縁
100 マスク
381 弾性体結び目
391 紐結び目
511 一定の距離
図1
図2
図3
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図6
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