(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171444
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】卓上試料前処理装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/10 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
G01N35/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078092
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】596035765
【氏名又は名称】二九精密機械工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊串 達夫
(72)【発明者】
【氏名】加柴 睦朗
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC02
2G058ED02
2G058ED19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の小型容器やマイクロプレートから自動的に分注操作を連続して行うことができる卓上試料前処理装置で、装置の清掃や操作が容易でかつ低いランニングコストで運用する。
【解決手段】複数の小型容器やマイクロピペットチップ群を保持することができる小型プレート群に対して、あらかじめ決められた位置で容易に脱着が可能で、これらの小型プレート群にはノズル制御に関する情報が関連づけられたIDが割り振られており、IDとそれに関連づけられた情報を読み取った制御装置がX又はY軸及びZ軸を移動するニードルノズルとマイクロピペットチップノズルとを有するノズルヘッド群を用いて分注・混合操作を連続して行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロチューブやマイクロプレートなど小型容器内の溶液を吸引及び吐出する機構,並びに横又は縦軸及び垂直軸方向へ自在に移動する移動機構を有する複数ノズルヘッドを備えた試料前処理装置であって,前記複数ノズルヘッドが同時に移動し,前記ノズルヘッド群は、マイクロピペットチップが脱着できる機構を有したノズルヘッドと、少なくとももう一つはニードルノズルが装着されていること特徴とする卓上試料前処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載する試料前処理装置であって,この試料前処理装置が排出及び吸引する対象の容器群は、機能毎に個々の容器が設置できる小型プレートに取り付けられており、またマイクロピペットチップ群は専用の小型プレートに取り付けられており、これらの小型プレート群は機能毎に決められた位置を有していることを特徴とする卓上試料前処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載する試料前処理装置であって、あらかじめ小型プレート群の容器群は、容器位置情報や容器種類情報など分注動作に必要な情報が関連付けられたIDが割り当てられており、この割り当てられたIDを制御装置の画面から選択することで、選択した小型プレート群に対する分注動作の設定を自動的に行うことを特徴とする卓上試料前処理装置。
【請求項4】
前記小型プレート群の名称と、容器位置や種類など分注制御に必要な情報を記憶できる小型で高速読み取りが可能な媒体と、この媒体を取り付けた小型プレート群と、これらの媒体を読み取る機構を有することにより小型容器群やマイクロピペットチップ群の設定を自動的に行うことを特徴とする請求項2に記載する卓上試料前処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,小型容器に収められている、たとえば検体及び試薬など、液体を複数の分注ノズルで所望のマイクロプレートの穴(ウェル)やマイクロチューブなど小型容器に順次吸引排出することで、所望の試料液の調製を自動で行う、安全キャビネット内でも設置可能な卓上サイズの試料前処理装置、並びに、それを用いた分注処理操作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
試料の前処理のためにマイクロプレートの穴やマイクロチューブなど小型容器に含まれる試薬や検体の液体を分注し、混合する作業を行うことが求められる場合がある。例えば,患者から採取した微小量の細胞片に含まれる目的の細菌やウィルスの核酸を特定するためのPCR装置で分析する場合、検体を収容する容器から検体溶液を,反応試薬容器群から反応試薬を検査容器に分注し、混合した試料を用いる。
【0003】
前処理作業は、たとえば3種類の検査試薬を複数の容器から、それぞれ6.5μL、6.5μL、2.0μLを分注して混合した試薬溶液と5μLの検体溶液とを分注する。このように検体や試薬の分注量はマイクロリットルオーダと容量が非常に少ない。さらに、検体が感染性の場合、前処理操作は安全区画で作業を行う必要がある。
【0004】
前処理試料数が少量の場合、一連の操作を手作業で行う場合がある。その場合、前処理作業には分注量が少量のため熟練した技術が必要である。そのため、前処理試料調製には熟練担当者で行う必要がある。
【0005】
一方、熟練担当者を介さない方法として自動前処理装置がある。自動前処理装置は、複数の検体や種々の試薬を収容する複数の容器を収納する容器群と、容器内から分注を行う複数のノズルヘッド、ノズルで吸引排出を行う分注ポンプ、及びノズルを所定位置に横又は縦軸及び垂直軸移動させる機構とポンプや移動機構を制御する制御部を有する。このような前処理装置においては、高いキャリーオーバ精度が必要な検体の分注にはマイクロピペットチップを用い、検体ほどキャリーオーバ精度を要求されないが分注精度は要求される試薬等の分注にはニードルノズルを用いていた。こうした装置では、マイクロピペットチップヘッドとニードルノズルヘッドがそれぞれ独立した動作を行っているため、それぞれのノズルヘッドの動作が干渉しないように、それぞれのノズルヘッドの動作範囲を合わせた設置面積を確保する必要があり、感染性の検体を取り扱う場合、広い専用安全区画の確保や、大型の安全キャビネットを準備する必要があった。
【0006】
分注精度を確保しつつ装置の設置面積を小さくするため、分注容量に応じて、分注精度が異なる複数のマイクロピペットチップが装着可能な複数のノズルヘッドを有し、複数のノズルヘッドが同時に横又は縦軸及び垂直軸を移動する機構を用いて、分注精度に応じてノズルを使い分けることを可能にしている。こうした前処理装置においては、きわめて高いキャリーオーバの精度を確保する必要がある検体と検体ほどはキャリーオーバ精度を要求されていない試薬も同様に分注動作毎に、複数のチップを消費する。分注操作過程で大量の廃棄チップが発生するため、使用したマイクロピペットチップは廃棄部に廃棄されるようになっているが、廃棄チップの廃棄処理忘れにより装置内でチップが散乱したり、あふれたりする可能性があった。また、検体が感染性溶液の場合は、散乱したチップにより装置内が汚染されたりする可能性があった。しかも、多量のチップを用いるため、潜在的なリスクから発生するマイクロピペットチップの脱落が発生していた。さらに、使用済みチップに感染性のチップが混在するため、廃棄チップすべてを感染性廃棄物として処理しなければならず、マイクロピペットチップの消耗費用のほかに感染性廃棄物としての処理費用がかさむという課題を有していた。
【0007】
小ロットの前処理作業においては、検査内容や検査装置によって試薬の種類や容器が異なることがあり、その場合、対応する検体容器群や分注先容器群の種類が変わる。前記の前処理装置は、同じ検体容器群や試薬容器群を用いて分注動作を繰り返し自動で動作する、もしくは大量の検体とその試薬との分注を迅速に作業できるようになっているため、試薬や検体などの種類や容器群が変わる毎に、個々の容器に対してノズルヘッド群の動作位置の設定を個別に変える必要があった。この操作は熟練者でないと行うことができず、そのためユーザに大きな負担をかけるとともに、迅速な変更を行うことができない課題を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000-105248
【特許文献2】WO2018-038019
【特許文献3】特開2008-39471
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、装置の設置面積を小さくするとともに、消耗品であるマイクロピペットチップの使用量を抑えながら高いキャリーオーバ精度を保つことができる卓上試料前処理装置を提供することである。
【0010】
第2の目的は、汎用の安全キャビネット内に出し入れを可能とするために、容易に装置本体の清浄作業ができる構造を有する卓上試料前処理装置を提供することである。
【0011】
第3の目的は、分注対象の試薬や検体の容器群が変わった場合、一連の分注動作の変更が容易に設定できる卓上試料前処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は,複数のノズルが配列されたノズルヘッド群と前記ノズル群を介して液体の吸引吐出を行う吸引吐出機構と、液体が収められている容器群やマイクロピペットチップ群と前記ノズルヘッド群との間を相対的に縦又は縦軸及び垂直軸が移動可能とする移動機構と、前記ノズルヘッド群のうち、1つはマイクロピペットチップが装着可能なノズルヘッドを有し、このノズルヘッドに対してマイクロピペットチップを相対的に装着離脱可能になるように設けた機構を有し、前記複数ノズルヘッドのうち残りのノズルヘッド群は固定ニードルノズルを有し、この固定ニードルノズルを洗浄する機構を有し、前記ノズル群の移動や吸引排出と洗浄を制御する制御機構を有している試料前処理装置である。
【0013】
ここで容器群としては、一列状又は行列状に複数のマイクロチューブなど小型容器がカートリッジ状プレートに収容されているか、所定の行列状に配置されたマイクロプレート、たとえば16穴や256穴のプレートである。
【0014】
ここでマイクロピペットチップ群はプレートにチップ群が一列又は行列状に一定間隔に配置されて挿入された状態である。
【0015】
ここでノズルヘッド群は、マイクロピペットチップが装着可能なノズルヘッドと固定ニードルノズルが装着されたノズルヘッドとが少なくともそれぞれ1つずつ配置され、これらのノズル群が横又は縦軸及び垂直軸方向に移動できるようになった状態である。
【0016】
ニードルノズルが装着されたノズルヘッドは、たとえば、ニードル長15mm内径1mm外形1.6mmのニードルを有し、流体の吸引吐出ができるように例えばシリンジポンプと配管で結合されており、配管内の空気の移動で流体がニードルを介して吸引吐出できる。このニードルヘッドに装着されたニードルノズルは、分注の対象が変わるごとに、ニードルノズル内外の洗浄作業を行うことで繰り返し使用が可能である。洗浄工程では、たとえばノズル洗浄エリアにニードルノズルを移動させ、洗浄液で満たされた容器の中にニードルノズルを挿入し、ニードル表面を洗浄液に浸漬させるとともに、ニードル内壁も洗浄液で洗い流し、最後に表面に残った液を吸引する動作を行う。
【0017】
マイクロピペットチップ用ノズルヘッドに対して相対的にチップ装着と切離が可能になるような機構として、前記プレートのチップ上にチップノズルヘッドが降下することでチップをヘッドに挿入し、その後上昇することで、チップをノズルヘッドに装着させる。チップを脱離する機構として、チップを保持するクランプのところにノズルヘッドに取り付けられたチップを横方向から移動させ、チップがクランプされた位置でノズルヘッドを上昇させることによりノズルヘッドとチップとを分離する。分離されたチップは、自動的にクランプ下のチップ回収容器に収納されるようになっており、この回収容器には収納チップがいっぱいになったことを表示できることが好ましい。
【0018】
前記ニードルノズルが装着されたノズルヘッドは,ニードルノズル先端の位置がマイクロピペットチップを取り付けたチップノズルヘッド先端より高い位置にあり,かつマイクロピペットチップを取り外した状態でのノズルヘッド先端より低い位置に配置され,マイクロピペットチップが取り付けられた状態で吸引排出する場合は、ニードルノズルが容器突起物には接触しない位置に取り付けられているが、マイクロピペットチップを取り外した状態では、マイクロピペットノズルが容器突起物には接触しないように配置されることのより、ニードルノズルが吸引排出できる構造が望ましい。また、ノズルヘッド群のノズルは各ノズルにそれぞれ別に独立した垂直軸方向移動機構を有している構成であってもかまわない。
【0019】
本発明において、高いキャリーオーバ精度が求められる、例えば検体は、マイクロピペットチップを装着したノズルで分注を行い、比較的キャリーオーバの精度は低いが正確な分注量が要求される、たとえば試薬の分注においては、分注精度が高く繰り返し使用が可能なニードルノズルを用いて分注を行う。
【0020】
前記分注や洗浄を行うポンプは、ノズルヘッドの数だけそれぞれ独立したポンプを使用しても、ノズルヘッド群と単一のポンプとの間に切り替えバルブを取り付けて、バルブ切り替えすることにより単一のポンプでそれぞれのノズルヘッドの分注を行っても良い。
【0021】
装置床面積は、一般的な安全キャビネット内に収納できるように、たとえば幅600mm奥行き500mm高さ600mm以内に収まるのが望ましい。外気からの汚染やキャリーオーバを回避するため、安全キャビネットに収納するのではなく、試料前処理装置全体を密閉構造にし,HEPAフィルター等でろ過された空気のみが流入排出される専用構造に収納しても良い。
【0022】
第2の発明は、検体や試薬の容器群やマイクロピペットチップ群があらかじめ用途ごとに分類された小型プレートに収納されており、前記プレート群があらかじめ決められた位置で容易に脱着可能な保持機構を有する卓上試料前処理装置である。たとえば、
図3のように容器群やマイクロピペットチップ群を、試薬セットと、検体セット、及びマイクロピペットチップセットと言うようにそれぞれ機能毎のプレートに収納する。卓上試料前処理装置の洗浄作業を行うときは、各プレート群と本体とを分離し、装置本体とプレート群とを別々に洗浄後、プレート群を再び本体に取り付ける。
【0023】
前記プレート群は、容器群を配置したプレートではなく,マイクロプレートでも構わない。
【0024】
第3の発明は、前記プレート群を、たとえば試薬セット、検体セット、マイクロプレートセット、マイクロピペットチップセットという機能別に分類し、それぞれのプレートに固有のIDを割り当てておき、そのIDにプレートに関連づけられた容器やチップの種類、数量、位置などの情報をあらかじめ制御装置に記憶させておく。制御装置の画面上では、前記プレート群から選択するメニューにIDが表示できるようになっており、操作者は、たとえば試薬の分注と検体の分注並びにそれらの混合といった一連の動作で、使用する試薬容器群やマイクロピペットチップの種類とその数量などの情報をIDを用いて選択することで、使用するプレート群の分注動作を決定することができる試料前処理装置である。前記プレート群のIDは操作者が判断するのではなく、プレート群のID情報を記憶させておいたバーコードやICタグといった記憶機構をプレート群に取り付けておき、制御装置に前記記憶機構の情報を読み取ることによって、プレート群の分注動作情報を自動で読み取ることができるようにしても良い。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば,高いキャリーオーバの精度が必要な液体、たとえば検体、にだけマイクロピペットチップを用いて分注し,分注精度は要求されるが、比較的高いキャリーオーバの精度が要求されない試薬等の液体分注には繰り返し使用可能なニードルノズルを使うことができる。これにより、必要なキャリーオーバ精度や分注精度を確保したままマイクロピペットチップの消費量を50%以上減らすことができる。これにより,試料前処理操作のランニングコストを減少させることができるだけでなく、装置内コンタミの防止やたとえば感染性の溶液を分注した場合,管理や廃棄コストが大きい感染性廃棄物の廃棄量も低減することができる。並びに、使用チップ数量が減るため潜在的なチップ脱落の発生も低減することができる。
【0026】
また、ニードルノズルヘッドとマイクロピペットチップノズルヘッドとを同時に横又は縦軸を移動させる機構と小型専用トレイ群を用いることにより、装置の小型化が可能となるため、試料前処理作業に大型の部屋や設備を準備する必要がなくなり、設備費用の削減や省スペース化が可能となる。また、安全キャビネットから別の場所に装置を移動させて使用する際,装置の洗浄が不可欠であるが、装置本体と小型プレートが容易に分離できることにより、装置洗浄の手間と時間を大幅に短縮することができるだけでなく、装置を安全キャビネット内外へ移動させるとき、洗浄の容易さから試料前処理装置稼働率の向上も見込むことができる。
【0027】
試薬や検体の容器の種類が変わっても、プレート群IDを選択する操作により、試料前処理装置の動作条件を容易に変えることができるようになるため、試料前処理装置の設定操作に熟練作業者を必要としなくなる。そのため、熟練者でない作業者に試料前処理作業をまかせることができるため、前処理作業者の効率が向上し、作業者の多能工化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実勢形態に係る試料前処理の主要部を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す試料前処理のノズル部分を取り出して示す拡大斜視図である。
【
図3】
図1に示す試料前処理の容器群のレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0029】
以下,添付図面に示す実施例に基づき,本発明の実施形態を説明する。
マイクロピペットチップヘッド28は,横及び縦軸駆動部4を介して装置内を移動する。マイクロピペットチップを装着する際は,マイクロピペットチップヘッドステージ1によりマイクロピペットチップヘッド28を下降させてヘッドにチップを装着させる。マイクロプピペットチップノズルで吸引及び吐出する際は同様に,所定位置にマイクロピペットチップヘッド28を横又は縦軸及び垂直軸移動して,マイクロピペットチップヘッド28に装着させたマイクロピペットチップを用いてマイクロピペット用シリンジポンプ9により溶液の吸引及び吐出を行う。
【0030】
ニードルノズル27は,マイクロピペットチップヘッド28の横に取り付けられており,マイクロピペットチップヘッド28と同様に横及び縦軸駆動部4を介して装置内を移動する。ニードルノズル27もマイクロピペットチップノズルと同様に試料容器(マイクロプチューブやマイクロプレート)に吸引及び吐出する際は,所定位置に移動し,ニードルノズル用シリンジポンプ8により,ニードルノズル27を用いて溶液の吸引及び吐出を行う。
【0031】
試薬は,ニードルノズル27を用いて,任意の試薬容器30から検体を入れるマイクロプレート22の穴の中に、あらかじめ定めた容量の試薬を分注する。分注後ニードルノズル洗浄漕15にてニードルノズル27を洗浄し,別の試薬容器30の液体の分注を開始する。必要な試薬の分注をニードルノズル27の一連の動作で分注を行う。
【0032】
高いキャリーオーバ精度が必要な検体は、マイクロピペットチップノズルが,任意の検体セットの任意の容器から任意のマイクロプレート22の穴に分注する。分注が完了するとマイクロピペットチップをチップ保持機構17によりチップが取り外され,チップ回収容器18に蓄積される。
【0033】
試薬容器30や検体容器34は、試薬セット19や検体セット21として、マイクロピペットチップ32はマイクロピペットチップセット20として
図3のようにプレートに挿入されている。前記プレート群やマイクロプレート22はそれぞれ識別できるIDを有しており、前記プレート群はそれぞれ定められた位置に固定脱着できるようにホルダーにて設置されている。
【0034】
分注操作は、プレート選択領域38に示されているプレート選択メニュー37から目的のプレートIDを選択し、検体分注穴選択メニュー39で各検体を分注先マイクロプレートの穴に分注する位置を検体分注順序42で設定し、各試薬や検体の分注量を試薬分注量入力メニュー40及び検体分注量入力メニュー41で入力する。開始ボタンを押すと、あらかじめ選択した検体数に応じて各試薬の総吸引量が計算され、ニードルノズル27が試薬を吸引し、指示された順にマイクロプレート22の穴にそれぞれ個別に排出される。その後検体がマイクロピペットノズルで吸引されて、指示されたマイクロプレート22の穴へ分注される。