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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171458
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】燃料フィルタ
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/54 20190101AFI20221104BHJP
   F02M 37/34 20190101ALI20221104BHJP
   F02M 37/20 20060101ALI20221104BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20221104BHJP
   B01D 29/13 20060101ALI20221104BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20221104BHJP
   B01D 24/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
F02M37/54
F02M37/34
F02M37/20 H
B01D35/02 E
B01D29/14 B
B01D29/10 520Z
B01D29/10 530B
B01D29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078120
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000178675
【氏名又は名称】ヤマシンフィルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】納冨 洋一
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA11
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC23
4D116BC25
4D116BC27
4D116BC44
4D116BC47
4D116BC75
4D116BC76
4D116BC77
4D116DD05
4D116FF11B
4D116KK04
4D116QA16C
4D116QA16D
4D116QA16F
4D116QA51C
4D116QA51D
4D116QA51F
4D116QA53C
4D116QA53D
4D116QA53F
4D116QA54C
4D116QA54D
4D116QA54F
4D116QB02
4D116QB05
4D116QB12
4D116QB23
4D116QB26
4D116QB41
4D116UU01
4D116UU20
4D116VV02
4D116VV07
(57)【要約】
【課題】エア抜き用のポンプを用いることなく、ハウジングの内部空間からエアを排出することができる。
【解決手段】上端に開口部を有し、他端が覆われた略筒形状のフィルタケースと、開口部を覆うようにフィルタケースに設けられる金属製のヘッドと、を有するハウジングと、ハウジングの内部空間に設けられた略筒状の濾材を有するフィルタエレメントと、を備える。ヘッドは、燃料が流入する流入口を有し、燃料をハウジングとフィルタエレメントとの間の第1空間に流入させる第1燃料流路部と、第1空間に流入し、濾材を通過した燃料が流出する流出口を有する管状の第2燃料流路部と、が設けられている。第1燃料流路部には、1以上の弁が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に開口部を有し、他端が覆われた略筒形状のフィルタケースと、前記開口部を覆うように前記フィルタケースに設けられる金属製のヘッドと、を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部空間に設けられた略筒状の濾材を有するフィルタエレメントと、
を備えた燃料フィルタにおいて、
前記ヘッドは、燃料が流入する流入口を有し、前記燃料を前記ハウジングと前記フィルタエレメントとの間の第1空間に流入させる第1燃料流路部と、前記第1空間に流入し、前記濾材を通過した前記燃料が流出する流出口を有する管状の第2燃料流路部と、が設けられており、
前記第1燃料流路部には、1以上の弁が設けられている
ことを特徴とする燃料フィルタ。
【請求項2】
前記弁は、燃料が弁体を押し上げることで前記弁が開く逆止弁である
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料フィルタ。
【請求項3】
前記弁は、第1弁及び第2弁を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フィルターカバーに燃料入口からケーシング内に開口する第1の燃料通路と、第1の燃料通路から分岐しプライミングポンプが取り付けられたケーシング内に開口する第2の燃料通路とを設け、第1の燃料通路のケーシング内への開口部に開閉弁を介装し、運転時には開閉弁を開き第1の燃料通路からケーシング内に燃料を流入させ、プライミング時には開閉弁を閉じて第2の燃料通路へ流入させるプライミングポンプ付き燃料フィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-184986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プライミングポンプは、エレメントの交換等によりケーシングにエアが溜まった場合に、タンク側から吸引された燃料と一緒にエアをケーシングから排出するのに用いられる。しかしながら、プライミングポンプを設ける分だけ製造コストが上昇してしまう。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、エア抜き用のポンプを用いることなく、ハウジングの内部空間からエアを排出することができる燃料フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料フィルタは、例えば、上端に開口部を有し、他端が覆われた略筒形状のフィルタケースと、前記開口部を覆うように前記フィルタケースに設けられる金属製のヘッドと、を有するハウジングと、前記ハウジングの内部空間に設けられた略筒状の濾材を有するフィルタエレメントと、を備えた燃料フィルタにおいて、前記ヘッドは、燃料が流入する流入口を有し、前記燃料を前記ハウジングと前記フィルタエレメントとの間の第1空間に流入させる第1燃料流路部と、前記第1空間に流入し、前記濾材を通過した前記燃料が流出する流出口を有する管状の第2燃料流路部と、を有し、前記第1燃料流路部には、1以上の弁が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る燃料フィルタによれば、ヘッドには、燃料を流入口からハウジングとフィルタエレメントとの間の第1空間に流入させる第1燃料流路部が設けられており、第1燃料流路部には1以上の弁が設けられている。これにより、エア抜き用のポンプを用いることなく、ハウジングの内部空間からエアを排出することができる。
【0008】
前記弁は、燃料が弁体を押し上げることで前記弁が開く逆止弁であってもよい。これにより、弁の開閉による圧力損失を小さくすることができる。
【0009】
前記弁は、第1弁及び第2弁を含んでもよい。これにより、弁を介する毎に燃料フィルタの内圧を上昇させ、エアをより排出しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エア抜き用のポンプを用いることなく、ハウジングの内部空間からエアを排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態である燃料フィルタ1を含む燃料供給装置100の概略を示す図である。
図2】燃料フィルタ1の概略を示す断面図である。
図3】弁30が設けられたヘッド20の概略を示す断面図である。
図4】弁30が設けられたヘッド20の概略を示す断面図である。
図5】弁30Aが設けられたヘッド20の概略を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、燃料に含まれる塵埃、水分等を除去する燃料フィルタである。以下の実施の形態では、建設機械に設けられた燃料フィルタを例に説明するが、燃料フィルタが設けられるのは建設機械に限られず、燃料フィルタは自動車等に設けられていてもよい。
【0013】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施形態である燃料フィルタ1を含む燃料供給装置100の概略を示す図である。燃料供給装置100は、主として、燃料フィルタ1と、ポンプ101と、配管102、103、104とを有する。燃料供給装置100は、燃料タンク(図示省略)の下流側に設けられている。
【0014】
燃料供給装置100は、通常燃料タンクよりも高い位置に設けられている。したがって、燃料タンクに貯留された燃料を燃料フィルタ1に供給するため、ポンプ101が燃料フィルタ1の下流側に設けられている。ポンプ101が稼働すると、燃料は、配管102から燃料フィルタ1に供給され、燃料フィルタ1で濾過されて、配管103から排出される。その後、燃料は、ポンプ101及び配管104を通って内燃機関に供給される。
【0015】
図2は、燃料フィルタ1の概略を示す断面図である。燃料フィルタ1は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング50と、フィルタエレメント40と、を有する。
【0016】
フィルタケース10は、樹脂又は金属で形成されており、有底略筒形状(ここでは、有底略円筒形状)のケース本体11と、略筒形状の筒状部13とを有する。ケース本体11は、上端に開口部を有し、下端が底面11aにより覆われている。なお、本実施の形態において、金属は、例えばステンレスであり、耐腐食性の高い様々な種類の金属を含む。
【0017】
フィルタケース10の底面11a近傍の空間は貯水部であり、底面11aにはドレンプラグ16が設けられている。
【0018】
フィルタケース10の上端は、開口端12である。開口端12を覆うようにヘッド20が設けられている。筒状部13には、ヘッド20の筒状部22に設けられたねじ部22aが螺合されるねじ部13aが設けられている。
【0019】
なお、ケース本体11と筒状部13とは1部品であってもよい。また、筒状部13は必須ではない。筒状部13を有しない場合には、ケース本体11の上端にある開口端近傍に、ねじ部22aが螺合されるねじ部を設ければよい。
【0020】
ヘッド20は、フィルタエレメント40の上側(+z側)に設けられており、フィルタエレメント40に燃料を供給し、又はフィルタエレメント40で濾過された燃料を排出する。ヘッド20は、金属で形成されている。
【0021】
ヘッド20には、配管102が取り付けられる取付部28と、配管103が取り付けられる取付部29とが設けられている。取付部28の穴28aは第1穴21a(後述)と連通し、取付部29の穴29aは第2穴21d(後述)と連通する。
【0022】
また、ヘッド20には、弁30が設けられている。弁30は、複数の弁31、32(一方が本発明の第1弁に相当し、他方が本発明の第2弁に相当する)を有する。また、筒状部23には、開口端23aを覆うように蓋部33が設けられている。筒状部23と蓋部33とにより、ヘッド20に第3空間S3が形成される。ヘッド20及び弁30については、後に詳述する。
【0023】
フィルタケース10は、板状部14を有する。板状部14にフィルタエレメント40が載置され、ねじ部22aがねじ部13aに螺合されてヘッド20がフィルタケース10に取り付けられると、ヘッド20の筒状部24がフィルタエレメント40に挿入され、ハウジング50の内部でフィルタエレメント40が固定される。
【0024】
ハウジング50内の空間は、フィルタエレメント40によって2つの空間に分けられる。この2つの空間のうち、ハウジング50とフィルタエレメント40との間が第1空間S1であり、フィルタエレメント40の内部が第2空間S2である。
【0025】
フィルタエレメント40は、主として、濾材41と、内筒42と、外筒43と、プレート44、45とを有する。
【0026】
濾材41は、板状の材料をひだ折りして(プリーツ状にして)略筒状(ここでは、略円筒形状)にすることにより形成される。濾材41は、燃料中の塵埃及び水分を取り除く。
【0027】
濾材41の内周面に沿って内筒42が設けられており、濾材41の外周面に沿って外筒43が設けられている。内筒42及び外筒43には、燃料が通過可能が孔が多数設けられている。なお、内筒42及び外筒43は必須ではない。
【0028】
濾材41には、上側(+z側)の端を覆うようにプレート44が設けられ、下側(-z側)の端を覆うようにプレート45が設けられている。プレート44は、中央に筒状部44aが設けられている。この筒状部44aの内部に筒状部24が挿入されることで、ヘッド20にフィルタエレメント40が設けられる。
【0029】
図2において、燃料の流れを二点鎖線の矢印で示す。燃料タンク(図示せず)から燃料フィルタ1に導かれる燃料は、濾過される前の状態である。燃料は、第1穴21a等を通って、第1空間S1に流入する。
【0030】
第1空間S1の内部に流入した燃料は、フィルタエレメント40で塵埃と水分とが取り除かれる。フィルタエレメント40で濾過され、第2空間S2に流入した燃料は、フィルタエレメント40からヘッド20の第2穴21d(後述)へ流出する。第2穴21dへ流出した燃料は、燃料フィルタ1から流出し、エンジン(図示せず)に導かれる。
【0031】
水は油より比重が大きいため、フィルタエレメント40で除去された水分は、フィルタケース10の底面11a近傍の空間内に溜まる。
【0032】
次に、ヘッド20及び弁30について詳細に説明する。図3、4は、弁30が設けられたヘッド20の概略を示す断面図である。図3は弁30が閉じている状態を示し、図4は弁30が開いている状態を示す。
【0033】
ヘッド20には、略板状の本体部21を有する。本体部21には、第1穴21aと、横孔21bと、孔21cと、第2穴21dとが設けられている。
【0034】
第1穴21aは、本体部21の径方向に沿って設けられた穴である。第1穴21aの開口部は、燃料が流入する流入口21eである。
【0035】
横孔21bは、第1穴21aの底面近傍に設けられており、第1穴21aの側面を貫通する。横孔21bは、第1穴21aと第3空間S3とを連通する。孔21cは、本体部21を貫通する孔である。ヘッド20がフィルタケース10に取り付けられた状態において、孔21cは、第3空間S3と第1空間S1とを連通する。
【0036】
第1穴21a、横孔21b及び孔21c(本発明の第1燃料流路部に相当する)は、流入口21eから流入した燃料を第1空間S1に流入させる。
【0037】
第2穴21dは、本体部21の径方向に沿って設けられた穴である。第2穴21dの開口部は、燃料が流入する流出口21fである。第2穴21dと、筒状部24に設けられた穴24aとは、それぞれの底面近傍で連通している。第2穴21d及び穴24a(本発明の第2燃料流路部に相当する)は、濾材41を通過して第2空間S2に流入した燃料を、ハウジング50の外に流出させる。
【0038】
弁31、32は、リフト式の逆止弁であり、それぞれ弁体31a、32aを有する。弁体31a、32aは、それぞれ、本体部21に、上下方向に移動可能に設けられている。
【0039】
弁体31aが本体部21の上側の面21g(弁31の弁体に相当する)に当接すると、弁体31aが横孔21bを覆う。弁体31aは、横孔21bを覆う位置と、横孔21bを覆わない位置との間で上下動可能である。
【0040】
弁体32aが本体部21の下側の面21h(弁32の弁体に相当する)に当接すると、弁体32aが横孔21bを覆う。弁体32aは、孔21cを覆う位置と、孔21cを覆わない位置との間で上下動可能である。
【0041】
燃料が流れていないときには、図3に示すように、弁体31aが面21gに当接して弁31が閉じており、弁体32aが面21hに当接して弁32が閉じている。例えば、弁32が閉じている状態では、第1穴21aの負圧が-7.6kPaであり、空間S1の負圧が-14.5kPaである。
【0042】
ポンプ101が稼働して燃料が流れると、第1穴21aの負圧に対して空間S1の負圧が大きいため、図4の二点鎖線に示すように、燃料が弁体31aを押し上げて弁31を開き、第3空間S3に流入する。第3空間S3に流入した燃料は、弁体32aを押し下げて弁32を開く。弁32が開くことにより、燃料が第3空間S3から第1空間S1に流入する。
【0043】
燃料が流れている間、弁31、32は開閉を繰り返す。まず、弁31、32を設けることにより、燃料フィルタ1の内圧(第1空間S1及び第3空間S3の圧力)が上昇し、弁31、32が閉じる。弁31、32が閉じても、ポンプ101は稼働しているため、燃料は流れ続ける(図3、4の二点鎖線参照)。
【0044】
ハウジング50の内部には、様々な理由によりエアが溜まる。例えば、フィルタエレメント40の交換後には、ハウジング50の内部にエアが溜まる。このイニシャルエアは、フィルタエレメント40の上端から、フィルタエレメント40の高さの1/2~1/3の高さまで覆う。また、燃料と一緒にエアがハウジング50の内部に流入する場合もある。
【0045】
弁31、32が閉じている場合は、燃料フィルタ1の内圧が高いため、ポンプ101が燃料を吸い込むときに、エアも一緒に吸いこまれる。その結果、燃料と共にエアが第2空間S2から第2穴21dに流出し、ハウジング50からエアが排出される。
【0046】
燃料及びエアが吸い出されて燃料フィルタ1の内圧が下がると、再び弁31、32が開き、第1空間S1に燃料が供給される。このように、燃料フィルタ1の内圧が繰り返し変動し、これにより弁31、32が開閉を繰り返す。そして、弁31、32が閉じたときにエアが排出されることが繰り返し行われることで、ハウジング50内のエアが徐々に減少する。
【0047】
本実施の形態によれば、ヘッド20に弁31、32をもうけることで、エア抜き用のポンプを用いることなく、ハウジングの内部空間からエアを排出することができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、弁31、32がリフト式の逆止弁であるため、弁31、32の開閉による圧力損失を小さくすることができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、弁体31a、32aが平板状の部分が弁体(面21g、21h)に当接することで弁31、32が閉じるリフト式の逆止弁であったが、弁体や弁座の形状や弁の種類はこれに限られない。例えば、弁体がボール形状であり、流体がボールを押し上げて弁を開くボール式の逆止弁であってもよい。つまり、本発明の弁は、燃料が弁体を押し上げることで弁が開く逆止弁であることが望ましい。燃料が弁体を移動させる逆止弁であれば、弁体が容易に移動する、つまり小さな力で弁の開閉が可能であるため、圧力損失を小さくすることができる。
【0050】
なお、弁31、32は逆止弁でなくてもよいが、圧力損失を小さくするためには、燃料が弁体を移動させる逆止弁とすることが望ましい。
【0051】
また、本実施の形態では、弁31、32がリフト式の逆止弁であったが、弁31と弁32とが異なる種類の弁でもよい。例えば、弁31をリフト式の逆止弁とし、弁32をボール式の逆止弁としてもよい。
【0052】
また、本実施の形態では、弁31、32が隣接しているが、弁31、32の配置はこれに限られない。弁31、32は、第1空間S1の上流側に設けられていればよい。
【0053】
<変形例>
なお、上記実施の形態では、燃料フィルタに弁を2つ設けたが、弁の数は2個に限られない。例えば、弁は1つでもよいし、3つ以上でもよい。以下、弁を1つ設ける変形例について説明する。
【0054】
図5は、変形例に係る弁30Aが設けられたヘッド20の概略を示す断面図である。弁30Aは、弁31を有する(弁32を有しない)。弁31が開くと、燃料は第3空間S3に流入し、そのまま孔21cを通って第1空間S1に流入する(図5の2点鎖線参照)。
【0055】
本変形例では、弁31が1つであるため、圧力損失をさらに小さくすることができる。ただし、弁を複数設けることで、弁を介する毎に燃料フィルタ内部の負圧が大きくなり、エアを排出する力が強くなることが期待できるため、ヘッド20に弁を複数設けることが望ましい。
【0056】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成の追加、削除、置換等をすることが可能である。
【0057】
また、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、「略円筒形状」とは、厳密に円筒形状の場合には限られず、例えば円筒形状と同一視できる場合を含む概念である。また、例えば、単に直交、平行、一致等と表現する場合において、厳密に直交、平行、一致等の場合のみでなく、略平行、略直交、略一致等の場合を含むものとする。
【0058】
また、「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、端近傍という場合に、端の近くのある範囲の領域であって、端を含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。
【符号の説明】
【0059】
1 :燃料フィルタ
10 :フィルタケース
11 :ケース本体
11a :底面
12 :開口端
13 :筒状部
13a :ねじ部
14 :板状部
16 :ドレンプラグ
20 :ヘッド
21 :本体部
21a :第1穴
21b :横孔
21c :孔
21d :第2穴
21e :流入口
21f :流出口
21g、21h:面
22、23、24:筒状部
22a :ねじ部
23a :開口端
24a :穴
28、29:取付部
28a、29a:穴
30、30A、31、32:弁
31a、32a:弁体
33 :蓋部
40 :フィルタエレメント
41 :濾材
42 :内筒
43 :外筒
44、45:プレート
44a :筒状部
50 :ハウジング
100 :燃料供給装置
101 :ポンプ
102、103、104:配管
図1
図2
図3
図4
図5