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特開2022-171475電池スタック用プレート及び電池スタック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171475
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】電池スタック用プレート及び電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20221104BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221104BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20221104BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20221104BHJP
   H01M 50/502 20210101ALI20221104BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20221104BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20221104BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20221104BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M10/48 301
H01M50/204 401D
H01M50/298
H01M50/502
H01M10/613
H01M10/6555
H01M50/569
H05K7/20 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078145
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森岡 怜史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 素宜
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】瀧下 隆太
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】柳原 真一
【テーマコード(参考)】
5E322
5H030
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB10
5E322AB11
5H030FF22
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA03
5H040AA28
5H040AT04
5H040DD08
5H040DD26
5H043AA09
5H043AA19
5H043BA16
5H043CA08
5H043FA04
5H043FA32
5H043JA01
(57)【要約】
【課題】積層される複数の蓄電モジュール間に変形することなく挟装することができる電池スタック用プレート及び電池スタック。
【解決手段】電池スタック用プレートは、積層される複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝63が、第1の板側面に凹設された板状のハウジング61と、第1の板側面に対向する第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴65と、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴65,65の間にそれぞれ対応するように嵌合溝63の底部63aから板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴93と、を備え、複数の蓄電モジュール間に挟装される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層される複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、第1の板側面に凹設された板状のハウジングと、
前記第1の板側面に対向する第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴と、
隣接する二つの前記第1の肉ぬすみ穴の間にそれぞれ対応するように前記嵌合溝の底部から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴と、を備え、
前記複数の蓄電モジュール間に挟装される電池スタック用プレート。
【請求項2】
前記第1の板側面と交差する第3の板側面から板厚方向に貫通するように切欠き形成された凹部と、
前記凹部に対応するように前記第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第3の肉ぬすみ穴と、
前記凹部に対応するように前記嵌合溝の底部から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第4の肉ぬすみ穴と、を備え、
前記第4の肉ぬすみ穴における並び方向の開口幅及び穴深さが、前記第3の肉ぬすみ穴における並び方向の開口幅及び穴深さよりも狭い並び方向の開口幅と浅い穴深さとを有して形成された請求項1に記載の電池スタック用プレート。
【請求項3】
前記凹部に収容される電池用温度センサと、
前記電池用温度センサが一方の端末に接続される電線と、
を備える請求項2に記載の電池スタック用プレート。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の電池スタック用プレートを備えた電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池スタック用プレート、及び電池スタック用プレートを備えた電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から各種の蓄電装置が提案されており、例えば、特許文献1に開示された蓄電装置は、積層された複数の蓄電モジュールと、蓄電モジュールの間に配置された複数の板状部材とを備えている。
複数の蓄電モジュール及び複数の板状部材は、一対の絶縁板の間に配置されると共に拘束具により拘束力が加えられることにより、略直方体形状に形成された積層体(電池スタック)を構成している。
【0003】
蓄電モジュールは、樹脂枠と、複数の電池セルと、複数の集電板とを有する。板状部材は、隣り合う蓄電モジュール同士を電気的に導通する導電部分(導電性プレート)と、外周に配置された絶縁部分(電池スタック用プレート)とを有する。板状部材は、絶縁部分が蓄電装置の外周面に位置することで、蓄電装置の周面から導電性部材が露出する露出量を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-198211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような積層される複数の蓄電モジュール間に挟装される板状部材の絶縁部分は、複数の蓄電モジュール間を所定間隔に保持する為、例えば絶縁樹脂材料により所定の板厚を有する矩形の平板状に射出成形される。しかしながら、平板状の絶縁部分は、肉厚が大きいと射出成形時にヒケやそり等の成形不良を生じる可能性がある。
そこで、平板状の絶縁部分の板面(表裏面)に複数の肉ぬすみを設けることで、板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚とを確保しながら肉厚を小さくしてヒケやそり等の成形不良を防止することが考えられる。しかしながら、積層面である絶縁部分の板面に複数の肉ぬすみを設けた場合、絶縁部分の板面には複数の肉ぬすみによる凹凸が形成される。そこで、複数の肉ぬすみが設けられた板状部材の絶縁部分は、積層体を構成するため拘束具により拘束力が加えられた際に、蓄電モジュールの被挟持面に傷付きを生じさせたり、傾きによる積層面の浮きを生じさせたりする可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、積層される複数の蓄電モジュール間に良好に挟装することができる電池スタック用プレート及び電池スタックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 積層される複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、第1の板側面に凹設された板状のハウジングと、前記第1の板側面に対向する第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴と、隣接する二つの前記第1の肉ぬすみ穴の間にそれぞれ対応するように前記嵌合溝の底部から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴と、を備え、前記複数の蓄電モジュール間に挟装される電池スタック用プレート。
【0008】
上記(1)の構成の電池スタック用プレートによれば、導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が第1の板側面に凹設された板状のハウジングは、ハウジングの第2の板側面に並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴と、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴の間にそれぞれ対応するように嵌合溝の底部に並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴とによって、板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚とを確保しながら肉厚を小さくしてヒケやそり等の成形不良を防止することができる。特に、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴の底部と嵌合溝の底部との間における厚肉箇所に、第2の肉ぬすみ穴が形成されることで、ヒケが生じやすい厚肉箇所のヒケを防止することができる。そこで、積層面である電池スタック用プレートの板面(表裏面)は、凹凸のない平坦面となる。
従って、複数の蓄電モジュール間に導電性プレートと共に配置された本構成の電池スタック用プレートは、略直方体形状の積層体である電池スタックを構成するため拘束具により拘束力が加えられた際、蓄電モジュールの被挟持面に傷付きを生じさせたり、傾きによる積層面の浮きを生じさせたりすることが防止される。
【0009】
(2) 前記第1の板側面と交差する第3の板側面から板厚方向に貫通するように切欠き形成された凹部と、前記凹部に対応するように前記第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第3の肉ぬすみ穴と、前記凹部に対応するように前記嵌合溝の底部から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第4の肉ぬすみ穴と、を備え、前記第4の肉ぬすみ穴が、前記第3の肉ぬすみ穴よりも狭い並び方向の開口幅と浅い穴深さとを有して形成された上記(1)に記載の電池スタック用プレート。
【0010】
上記(2)の構成の電池スタック用プレートによれば、凹部が第3の板側面から板厚方向に貫通するように切欠き形成された板状のハウジングは、凹部に対応するように第2の板側面に並んで形成された有底の複数の第3の肉ぬすみ穴と、凹部に対応するように嵌合溝の底部に並んで形成された有底の複数の第4の肉ぬすみ穴とを有する。そして、これら第3の肉ぬすみ穴と第4の肉ぬすみ穴とによって、凹部両側のハウジング部分における板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚とを確保しながら肉厚を小さくしてヒケを防止することができる。特に、凹部と嵌合溝の底部との間に第4の肉ぬすみ穴が形成されることで、そりが生じやすい凹部の嵌合溝側のハウジング部分におけるそりを防止することができる。
【0011】
(3) 前記凹部に収容される電池用温度センサと、前記電池用温度センサが一方の端末に接続される電線と、を備える上記(2)に記載の電池スタック用プレート。
【0012】
上記(3)の構成の電池スタック用プレートによれば、電線の一方の端末がハウジングの凹部に収容された電池用温度センサに接続され、電線の他方の端末が温度検出回路に電気的に接続されることで、蓄電モジュールの温度を検知することができる。また、ハウジングの凹部に収容される電池用温度センサが、ハウジングの板面の表面に対して面一に収容されることで、積層面である電池スタック用プレートの板面(表裏面)は、凹凸のない平坦面となる。
従って、複数の蓄電モジュール間に導電性プレートと共に配置された本構成の電池スタック用プレートは、略直方体形状の積層体である電池スタックを構成するため拘束具により拘束力が加えられた際、蓄電モジュールの被挟持面に傷付きを生じさせたり、傾きによる積層面の浮きを生じさせたりすることが防止されると共に、蓄電モジュールの温度を検知することができる。
【0013】
(4) 上記(1)~(3)の何れか一つに記載の電池スタック用プレートを備えた電池スタック。
【0014】
上記(4)の構成の電池スタックによれば、積層される複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される板状部材は、隣り合う蓄電モジュール同士を電気的に導通する導電性プレートと、導電性プレートの側縁部にそれぞれ適宜嵌合された電池スタック用プレートとで構成される。
従って、複数の蓄電モジュール間に導電性プレートと共に配置された本構成の電池スタックは、拘束具により拘束力が加えられた際、蓄電モジュールの被挟持面に傷付きが生じたり、電池スタック用プレートの板面に傾きにより浮きが生じたりすることが防止される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、積層される複数の蓄電モジュール間に良好に挟装することができる電池スタック用プレート及び電池スタックを提供することができる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る電池スタックの要部分解斜視図である。
図2】(a)は図1に示した第1板状部材の分解斜視図であり、(b)は図1に示した第2板状部材の分解斜視図である。
図3図2の(a)に示した電池用温度センサを有する電池スタック用プレートの分解斜視図である。
図4図3に示したハウジングの反対側から視た斜視図である。
図5図3に示したハウジングの水平断面図及び要部拡大図である。
図6図5に示したハウジングの変形例に係るハウジングを示す要部拡大断面図である。
図7図2の(a)に示した接続端子を有する電池スタック用プレートの分解斜視図である。
図8図7に示したハウジングの水平断面図及び要部拡大図である。
図9図2の(b)に示したダミーの電池スタック用プレートにおけるハウジングの水平断面図である。
図10】参考例に係る電池スタックのハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池スタック1の要部分解斜視図である。図2の(a)は図1に示した第1板状部材20の分解斜視図であり、(b)は図1に示した第2板状部材30の分解斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る電池スタック1は、積層される複数枚(本実施形態では4枚)の蓄電モジュール10と、複数の蓄電モジュール10間にそれぞれ配置される第1及び第2板状部材(板状部材)20,30とを備える。そして、電池スタック1は、一対の絶縁板(図示せず)の間に配置されると共に拘束具(図示せず)によって略直方体形状に構成される。
【0020】
蓄電モジュール10は、例えば複数の電池セルと、複数の集電板と、樹脂枠とを有した矩形平板状に構成されている。電池セルは、水酸化ニッケルなどによって形成された正極合材層と、水素吸着合金などによって形成された負極合材層と、ポリオレフィン系樹脂から形成された多孔質フィルムなどから形成されたセパレータと、電解液とを有して構成されている。
なお、蓄電モジュール10は、単体の電池セルにより構成することもでき、電池セルの構成も上記構成に限らずに公知の種々の電池構成を採り得ることは云うまでもない。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態の第1板状部材20は、導電性プレート40と、導電性プレート40の両側縁部42にそれぞれ嵌合された電池スタック用プレート50及び電池スタック用プレート60と、を備えた矩形平板状に構成されている。
また、第2板状部材30は、導電性プレート40と、導電性プレート40の両側縁部42にそれぞれ嵌合された電池スタック用プレート50及び電池スタック用プレート70と、を備えた矩形平板状に構成されている。
【0022】
導電性プレート40は、アルミニウム合金や銅などの金属によって細長い矩形板状に形成され、長手方向の両側縁部42が薄い板厚の凸片状とされている。導電性プレート40の両側縁部42は、電池スタック用プレート50,60,70の嵌合溝53,63,73にそれぞれ嵌合される。
導電性プレート40は、隣り合う蓄電モジュール10同士を電気的に導通する導電部であり、隣接する蓄電モジュール10を冷却するヒートシンクを兼ねている。
【0023】
図3は、図2の(a)に示した電池用温度センサ90を有する電池スタック用プレート60の分解斜視図である。図4は、図3に示したハウジング61の反対側から視た斜視図である。図5は、図3に示したハウジング61の水平断面図及び要部拡大図である。
本実施形態に係る電池スタック用プレート60は、図3に示すように、細長い矩形板状のハウジング61と、電池用温度センサ90と、電池用温度センサ90が一方の端末に接続される電線95と、を備えた構成とされる。
【0024】
電池用温度センサ90は、ハウジング61に装着されて隣り合う蓄電モジュール10の板面の間に介装されることで、これら蓄電モジュール10の温度を検知するものである。一方の端末が電池用温度センサ90に接続された電線95の他方の端末は、コネクタ等を介して図示しない温度検出回路に電気的に接続される。
【0025】
ハウジング61は、絶縁樹脂材料により所定の板厚tを有する細長い矩形板状に射出成形される。
ハウジング61の第1の板側面である長手方向に沿う一方の板側面には、図3に示すように、導電性プレート40の側縁部42に嵌合するための嵌合溝63が凹設されている。嵌合溝63が導電性プレート40の側縁部42に嵌合したハウジング61の板面の表面は、導電性プレート40の板面の表面に対して面一になるように構成されている。
【0026】
また、ハウジング61の第1の板側面に対向する第2の板側面である長手方向に沿う他方の板側面には、図5に示すように、第2の板側面から板厚方向と直交する方向(図5中、上方向)に向かって並んで複数の第1の肉ぬすみ穴65が形成されている。複数の第1の肉ぬすみ穴65は、並び方向の開口幅W1を有して所定間隔で第2の板側面に並んで略直方体状に形成された有底の穴である。そこで、複数の第1の肉ぬすみ穴65の間には、所定ピッチP1を有するリブ64が形成される。
【0027】
更に、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴65,65の間にそれぞれ対応する嵌合溝63の底部63aには、図5に示すように、嵌合溝63の底部63aから板厚方向と直交する方向(図5中、下方向)に向かって並んで有底の複数の第2の肉ぬすみ穴93が形成されている。
【0028】
また、ハウジング61の第1の板側面と交差する長手方向の一端部側(図5中、右端部側)における第3の板側面には、図3示すように、電池用温度センサ90を収容するためのセンサ収容部67が凹設されている。センサ収容部67は、ハウジング61の第3の板側面から板厚方向に貫通するように切欠き形成された凹部である。
【0029】
電池用温度センサ90は、両側面に形成したガイド溝91がセンサ収容部67の両側壁に突設されたガイドリブ67aに挿入案内される。そして、係止凸部92が係止凹部67bに係止されることで、電池用温度センサ90がセンサ収容部67に保持される。
【0030】
更に、ハウジング61の長手方向の一端部側(図5中、右端部側)における第2の板側面には、センサ収容部67に対応するように第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで複数の第3の肉ぬすみ穴69が形成されている。第3の肉ぬすみ穴69は、並び方向の開口幅W2を有して所定間隔で第2の板側面に並んで略直方体状に形成された有底の穴である。そこで、複数の第3の肉ぬすみ穴69の間には、所定ピッチP2を有するリブ68が形成される。
【0031】
また、ハウジング61の長手方向の一端部側における嵌合溝63には、センサ収容部67に対応するように嵌合溝63の底部63aから板厚方向と直交する方向に向かって並んで複数の第4の肉ぬすみ穴66が形成されている。第4の肉ぬすみ穴66は、並び方向の開口幅W3を有して所定間隔で嵌合溝63の底部63aに並んで略直方体状に形成された有底の穴である。そこで、複数の第4の肉ぬすみ穴66の間には、所定ピッチP3を有するリブ62が形成される。
【0032】
ここで、第4の肉ぬすみ穴66の並び方向の開口幅W3及び穴深さは、第3の肉ぬすみ穴69の並び方向の開口幅W2及び穴深さよりも小さくされている。即ち、第4の肉ぬすみ穴66が、第3の肉ぬすみ穴69よりも狭い並び方向の開口幅と浅い穴深さとを有して形成されている。
【0033】
そして、リブ62の所定ピッチP3がリブ68の所定ピッチP2と同じに設定されることにより、リブ62のリブ幅がリブ68のリブ幅よりも広くなる。また、第4の肉ぬすみ穴66の底部とセンサ収容部67との間の肉厚S3が、第3の肉ぬすみ穴69の底部とセンサ収容部67との間の肉厚S2よりも厚くなる。そこで、センサ収容部67の嵌合溝63側のハウジング部分は、板厚方向にそり難くなる。
【0034】
上述したように、本実施形態に係る電池スタック用プレート60によれば、導電性プレート40の側縁部42に嵌合するための嵌合溝63が第1の板側面に凹設された板状のハウジング61は、ハウジング61の第2の板側面に並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴65と、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴65,65の間にそれぞれ対応するように嵌合溝63の底部63aに並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴93とによって、板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚tとを確保しながら肉厚を小さくしてヒケやそり等の成形不良を防止することができる。特に、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴65,65の底部と嵌合溝63の底部63aとの間における厚肉箇所に、第2の肉ぬすみ穴93が形成されることで、ヒケが生じやすい厚肉箇所のヒケを防止することができる。そこで、積層面である電池スタック用プレート60の板面(表裏面)は、凹凸のない平坦面となる。
【0035】
従って、複数の蓄電モジュール10の間に導電性プレート40と共に配置された本構成の電池スタック用プレート60は、略直方体形状の積層体である電池スタック1を構成するため図示しない拘束具により拘束力が加えられた際、蓄電モジュール10の被挟持面に傷付きを生じさせたり、傾きによる積層面の浮きを生じさせたりすることが防止される。
【0036】
また、本実施形態に係る電池スタック用プレート60によれば、センサ収容部67が第3の板側面から板厚方向に貫通するように切欠き形成された板状のハウジング61は、センサ収容部67に対応するように第2の板側面に並んで形成された有底の複数の第3の肉ぬすみ穴69と、センサ収容部67に対応するように嵌合溝63の底部63aに並んで形成された有底の複数の第4の肉ぬすみ穴66とを有する。そして、これら第3の肉ぬすみ穴69と第4の肉ぬすみ穴66とによって、センサ収容部67両側のハウジング部分における板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚tとを確保しながら肉厚を小さくしてヒケを防止することができる。特に、センサ収容部67と嵌合溝63の底部63aとの間に第4の肉ぬすみ穴66が形成されることで、そりが生じやすいセンサ収容部67の嵌合溝63側のハウジング部分におけるそりを防止することができる。
【0037】
また、電池スタック用プレート60は、電線95の一方の端末がハウジング61のセンサ収容部67に収容された電池用温度センサ90に接続され、電線95の他方の端末が図示しない温度検出回路に電気的に接続されることで、蓄電モジュール10の温度を検知することができる。
【0038】
図6は、図5に示したハウジング61の変形例に係るハウジング61Aを示す要部拡大断面図である。なお、変形例に係るハウジング61Aは、上述したハウジング61と同様の構成部分については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
図6に示すように、変形例に係るハウジング61Aは、上述したハウジング61の有底の複数の第2の肉ぬすみ穴93に代えて、複数の第2の肉ぬすみ穴93Aが形成されている。即ち、複数の第2の肉ぬすみ穴93Aは、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴65,65の間にそれぞれ対応する嵌合溝63の底部63aに、嵌合溝63の底部63aから板厚方向と直交する方向(図6中、下方向)に向かって並んで形成されており、第1の肉ぬすみ穴65に連通している。
【0040】
即ち、本発明に係る第2の肉ぬすみ穴は、上記厚肉箇所のヒケを防止するために必要な穴深さに応じて、第1の肉ぬすみ穴65に連通する第2の肉ぬすみ穴93Aや、有底の第2の肉ぬすみ穴93等の種々の構成を採りうるものである。
【0041】
図7は、図2の(a)に示した接続端子80を有する電池スタック用プレート50の分解斜視図である。図8は、図7に示したハウジング51の水平断面図及び要部拡大図である。
本実施形態に係る電池スタック用プレート50は、図7に示すように、細長い矩形板状のハウジング51と、接続端子80と、接続端子80が一方の端末に接続される電線85と、絶縁カバー52と、を備えた構成とされる。
【0042】
接続端子80は、銅または銅合金等の導電性金属材料からなるもので、L字形状の板状に形成されている。この接続端子80は、L字形状の一端に電線接続部81を有しており、L字形状の他端に電気接続部83を有している。
電線接続部81は、電線85の一方の端末に、溶接等により電気的に接続される。電線85の他方の端末は、コネクタ等を介して図示しない温度検出回路に電気的に接続される。また、電気接続部83は、導電性プレート40の側縁部42に、溶接等により電気的に接続される。
【0043】
ハウジング51は、絶縁樹脂材料により所定の板厚tを有する細長い矩形板状に射出成形される。
ハウジング51の第1の板側面である長手方向に沿う一方の板側面には、図8に示すように、導電性プレート40の側縁部42に嵌合するための嵌合溝53が凹設されている。嵌合溝53が導電性プレート40の側縁部42に嵌合したハウジング51の板面の表面は、導電性プレート40の板面の表面に対して面一になるように構成されている。
【0044】
また、ハウジング51の長手方向の一端部側における一方の板面(図7中、上面)には、図7に示すように、電線85の一方の端末及び接続端子80を収容するための収容凹部56が設けられている。
収容凹部56は、接続端子80を収容する端子収容部56aと、電線85の一方の端末を収容する電線収容部56bと、を有する。
【0045】
端子収容部56aには、嵌合溝53に嵌合された導電性プレート40の側縁部42に対して接続端子80の電気接続部83を当接させるための切欠き部57が形成されている。そこで、接続端子80は、端子収容部56aに収容されることで、電気接続部83が導電性プレート40の側縁部42に当接した状態となり、溶接作業が容易となる。
電線収容部56bには、V字状に屈曲された電線85の一方の端末が収容されることで、電線85の他方の端末に引張り力が作用した際、電線接続部81との接続部に引張り力が作用するのを防止できる。
【0046】
更に、ハウジング51の第1の板側面に対向する第2の板側面である長手方向に沿う他方の板側面(図8中、下方の板側面)には、図7及び図8に示すように、第2の板側面から板厚方向と直交する方向(図8中、上方向)に向かって並んで複数の第1の肉ぬすみ穴55が形成されている。複数の第1の肉ぬすみ穴55は、並び方向の開口幅W1を有して所定間隔で第2の板側面に並んで略直方体状に形成された有底の穴である。そこで、複数の第1の肉ぬすみ穴55の間には、所定ピッチP1を有するリブ54が形成される。
【0047】
更に、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴55,55の間にそれぞれ対応する嵌合溝53の底部53aには、図8に示すように、嵌合溝53の底部53aから板厚方向と直交する方向(図8中、下方向)に向かって並んで有底の複数の第2の肉ぬすみ穴93が形成されている。
【0048】
また、嵌合溝53における長手方向の一端部側(図8中、左端部側)の底部53aには、図8に示すように、板厚方向と直交する方向(図5中、下方向)に向かって並んで複数の肉ぬすみ穴59が形成されている。複数の肉ぬすみ穴59は、所定間隔で第1の板側面に凹設された嵌合溝53の底部53aに並んで略直方体状に形成された有底の穴である。そこで、複数の肉ぬすみ穴59の間には、リブ58が形成される。
【0049】
図7に示すように、絶縁樹脂材料により射出成形された絶縁カバー52は、収容凹部56に収容された電線85の一方の端末及び接続端子80を覆うため、ハウジング51を板厚方向から挟持するように装着される。そして、絶縁カバー52は、ハウジング51の板面の表面に対して面一に収容凹部56を覆う。
【0050】
絶縁カバー52は、ハウジング51に対する仮係止位置と本係止位置の間で移動可能にハウジング51に装着される。仮係止位置における絶縁カバー52は、収容凹部56に収容された接続端子80の電気接続部83を覆わずに露出させた状態とする。また、本係止位置における絶縁カバー52は、収容凹部56に収容された接続端子80を完全に覆った状態とする。
【0051】
上述したように、本実施形態に係る電池スタック用プレート50によれば、導電性プレート40の側縁部42に嵌合するための嵌合溝53が第1の板側面に凹設された板状のハウジング51は、ハウジング51の第2の板側面に並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴55と、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴55,55の間にそれぞれ対応するように嵌合溝53の底部53aに並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴93とによって、板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚tとを確保しながら肉厚を小さくしてヒケやそり等の成形不良を防止することができる。特に、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴55,55の底部と嵌合溝53の底部53aとの間における厚肉箇所に、第2の肉ぬすみ穴93が形成されることで、ヒケが生じやすい厚肉箇所のヒケを防止することができる。そこで、積層面である電池スタック用プレート50の板面(表裏面)は、凹凸のない平坦面となる。
【0052】
また、電池スタック用プレート50は、ハウジング51の収容凹部56に収容された電線85の一方の端末が導電性プレート40の側縁部42に電気的に接続された接続端子80に接続され、電線85の他方の端末が図示しない電圧検出回路に電気的に接続されることで、蓄電モジュール10の電圧を検知することができる。また、絶縁カバー52は、ハウジング51の板面の表面に対して面一に収容凹部56を覆うので、積層面である電池スタック用プレート50の板面(表裏面)は、凹凸のない平坦面となる。
【0053】
従って、複数の蓄電モジュール10の間に導電性プレート40と共に配置された本実施形態の電池スタック用プレート50は、略直方体形状の積層体である電池スタック1を構成するため図示しない拘束具により拘束力が加えられた際、蓄電モジュール10の被挟持面に傷付きを生じさせたり、傾きによる電池スタック用プレート50の板面の浮きを生じさせたりすることが防止されると共に、蓄電モジュール10の電圧を検知することができる。
【0054】
図9は、図2の(b)に示したダミーの電池スタック用プレート70におけるハウジング71の水平断面図及び要部拡大図である。
本実施形態に係る電池スタック用プレート70は、図9に示すように、細長い矩形板状のハウジング71を備えた構成とされる。電池スタック用プレート70は、隣り合う蓄電モジュール10の板面の間に介装されることで、これら蓄電モジュール10の間隔を所定間隔に保持するためのダミープレートであり、接続端子80や電池用温度センサ90等の機能部品は設けられていない。
【0055】
ハウジング71は、絶縁樹脂材料により所定の板厚tを有する細長い矩形板状に射出成形される。
ハウジング71の第1の板側面である長手方向に沿う一方の板側面には、図2の(b)及び図9に示すように、導電性プレート40の側縁部42に嵌合するための嵌合溝73が凹設されている。嵌合溝73が導電性プレート40の側縁部42に嵌合したハウジング71の板面の表面は、導電性プレート40の板面の表面に対して面一になるように構成されている。
【0056】
また、ハウジング71の第1の板側面に対向する第2の板側面である長手方向に沿う他方の板側面(図9中、下方の板側面)には、図9に示すように、第2の板側面から板厚方向と直交する方向(図9中、上方向)に向かって並んで複数の第1の肉ぬすみ穴75が形成されている。複数の第1の肉ぬすみ穴75は、開口幅W1を有して所定間隔で第2の板側面に並んで略直方体状に形成された有底の穴である。そこで、複数の第1の肉ぬすみ穴75の間には、所定ピッチP1を有するリブ74が形成される。
【0057】
更に、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴75,75の間にそれぞれ対応する嵌合溝73の底部73aには、図9に示すように、嵌合溝73の底部73aから板厚方向と直交する方向(図9中、下方向)に向かって並んで有底の複数の第2の肉ぬすみ穴93が形成されている。
【0058】
上述したように、本実施形態に係る電池スタック用プレート70によれば、導電性プレート40の側縁部42に嵌合するための嵌合溝73が第1の板側面に凹設された板状のハウジング71は、ハウジング71の第2の板側面に並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴75と、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴75,75の間にそれぞれ対応するように嵌合溝73の底部73aに並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴93とによって、板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚tとを確保しながら肉厚を小さくしてヒケやそり等の成形不良を防止することができる。特に、隣接する二つの第1の肉ぬすみ穴75,75の底部と嵌合溝73の底部73aとの間における厚肉箇所に、第2の肉ぬすみ穴93が形成されることで、ヒケが生じやすい厚肉箇所のヒケを防止することができる。そこで、積層面である電池スタック用プレート70の板面(表裏面)は、凹凸のない平坦面となる。
【0059】
従って、複数の蓄電モジュール10の間に導電性プレート40と共に配置された本実施形態の電池スタック用プレート70は、略直方体形状の積層体である電池スタック1を構成するため図示しない拘束具により拘束力が加えられた際、蓄電モジュール10の被挟持面に傷付きを生じさせたり、傾きによる電池スタック用プレート70の板面の浮きを生じさせたりすることが防止される。
【0060】
そして、図1に示したように、導電性プレート40の両側縁部42にそれぞれ嵌合された電池スタック用プレート50及び電池スタック用プレート60を有する2枚の第1板状部材20と、導電性プレート40の両側縁部42にそれぞれ嵌合された電池スタック用プレート50及び電池スタック用プレート70を有する第2板状部材30とが、4枚の蓄電モジュール10の間にそれぞれ配置されて電池スタック1が構成される。
【0061】
従って、本実施形態の電池スタック1によれば、積層される4枚の蓄電モジュール10の間にそれぞれ配置される第1及び第2板状部材20,30は、隣り合う蓄電モジュール10同士を電気的に導通する導電性プレート40と、導電性プレート40の側縁部42にそれぞれ適宜嵌合された電池スタック用プレート50,60,70とで構成される。
従って、本構成の電池スタック1は、図示しない拘束具により拘束力が加えられた際、蓄電モジュール10の被挟持面に傷付きが生じたり、電池スタック用プレート50,60,70の板面に傾きにより浮きが生じたりすることが防止される。
【0062】
図10は、参考例に係る電池スタックのハウジング61Bの斜視図である。なお、ハウジング61Bは、上述したハウジング61と同様の構成部分については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
図10に示すように、参考例に係るハウジング61Bは、絶縁樹脂材料により所定の板厚tを有する細長い矩形板状に射出成形される。
ハウジング61Bの第1の板側面である長手方向に沿う一方の板側面には、導電性プレート40の側縁部42に嵌合するための嵌合溝63が凹設されている。
【0064】
ハウジング61Bの一方の板面(図10中、上面)には、複数の肉ぬすみ65B,69Bが長手方向に沿って所定間隔で設けられている。複数の肉ぬすみ65B,69Bは、矩形状の開口を有する有底の穴である。そこで、複数の肉ぬすみ穴65B,69Bの間には、所定ピッチを有するリブ64B,68Bが形成される。
【0065】
このように、平板状のハウジング61Bの板面に複数の肉ぬすみ65B,69Bを設けることで、ハウジング61Bは、板厚方向の圧縮強度と見かけ上の板厚tとを確保しながら肉厚を小さくしてヒケやそり等の成形不良を防止することができる。
しかしながら、積層面であるハウジング61Bの板面に複数の肉ぬすみ65B,69Bを設けた場合、図10に示すように、ハウジング61Bの板面には複数の肉ぬすみ65B,69B及びリブ64B,68Bによる凹凸が形成される。そこで、複数の肉ぬすみ65B,69Bが設けられた電池スタックのハウジング61Bは、積層体を構成するため図示しない拘束具により拘束力が加えられた際に、蓄電モジュール10の被挟持面に傷付きを生じさせたり、傾きによるハウジング61Bの板面の浮きを生じさせたりする可能性がある。
【0066】
上述したように、本発明によれば、積層される複数の蓄電モジュール10間に良好に挟装することができる電池スタック用プレート50,60,70及び電池スタック1を提供することができる。
【0067】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0068】
ここで、上述した本発明に係る電池スタック用プレート及び電池スタックの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 積層される複数の蓄電モジュール(10)間にそれぞれ配置される導電性プレート(40)の側縁部(42)に嵌合するための嵌合溝(53、63、73)が、第1の板側面に凹設された板状のハウジング(51、61、71)と、
前記第1の板側面に対向する第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第1の肉ぬすみ穴(55、65、75)と、
隣接する二つの前記第1の肉ぬすみ穴(55、65、75)の間にそれぞれ対応するように前記嵌合溝(53、63、73)の底部(53a、63a、73a)から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された複数の第2の肉ぬすみ穴(93)と、を備え、
前記複数の蓄電モジュール(10)間に挟装される電池スタック用プレート(50、60、70)。
[2] 前記第1の板側面と交差する第3の板側面から板厚方向に貫通するように切欠き形成された凹部(センサ収容部67)と、
前記凹部(センサ収容部67)に対応するように前記第2の板側面から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第3の肉ぬすみ穴(69)と、
前記凹部(センサ収容部67)に対応するように前記嵌合溝(63)の底部(63a)から板厚方向と直交する方向に向かって並んで形成された有底の複数の第4の肉ぬすみ穴(66)と、を備え、
前記第4の肉ぬすみ穴(66)における並び方向の開口幅(W3)及び穴深さが、前記第3の肉ぬすみ穴(69)における並び方向の開口幅(W2)及び穴深さよりも狭い並び方向の開口幅と浅い穴深さとを有して形成された請求項1に記載の電池スタック用プレート(60)。
[3] 前記凹部(センサ収容部67)に収容される電池用温度センサ(90)と、
前記電池用温度センサ(90)が一方の端末に接続される電線(95)と、
を備える上記[2]に記載の電池スタック用プレート(60)。
[4] 上記[1]~[3]の何れか一つに記載の電池スタック用プレート(50、60、70)を備えた電池スタック(1)。
【符号の説明】
【0069】
1…電池スタック
10…蓄電モジュール
20…第1板状部材
30…第2板状部材
40…導電性プレート
42…側縁部
60…電池スタック用プレート
61…ハウジング
63…嵌合溝
63a…底部
65…第1の肉ぬすみ穴
93…第2の肉ぬすみ穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10