(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171490
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】サーバ装置、システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221104BHJP
G06F 16/9035 20190101ALI20221104BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078166
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】520496235
【氏名又は名称】株式会社World Life Mapping
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】下田 彬
(72)【発明者】
【氏名】ガニエ マーク智也
(72)【発明者】
【氏名】津川 幹尚
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175HA01
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】ユーザの現在の位置情報を用いて滞在時間を推定しながら他のユーザとマッチングをする場合と比較して、ユーザの希望通りにマッチング相手との交流を行うことが可能なサーバ装置等を提供する。
【解決手段】本発明のサーバ装置は、ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶する時間帯記憶部と、ユーザが希望する交流の継続時間を記憶する継続時間記憶部と、時間帯および継続時間に基づいて、ユーザ同士をマッチングするマッチング部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶する時間帯記憶部と、
前記ユーザが希望する前記交流の継続時間を記憶する継続時間記憶部と、
前記時間帯および前記継続時間に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするマッチング部と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記マッチング部は、
前記ユーザが指定する予定確定時間までに、前記交流の予定時間を確定する
請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記マッチング部は、前記交流の予定時間を確定するとともに、前記ユーザと交流をする他のユーザを選定し、
前記他のユーザの選定後、前記他のユーザよりもマッチングに適した新たなユーザが現れた場合、前記交流の予定時間は変更せず、前記ユーザのマッチング相手を前記新たなユーザに変更する
請求項2記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記マッチング部は、前記他のユーザのマッチング相手が前記ユーザ以外に存在する場合に、前記ユーザのマッチング相手を前記新たなユーザに変更する
請求項3記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記時間帯において、前記ユーザが前記交流を複数回希望することを受け付け、
前記マッチング部は、前記ユーザと前記他のユーザをマッチングした後、前記ユーザと前記他のユーザとの前記交流の時間を除き、かつ既にマッチングされた前記他のユーザをマッチング相手の候補から除いて、前記ユーザのマッチングを行う
請求項1乃至4のいずれか1項記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記マッチング部は、
前記ユーザ同士の前記時間帯の重複度と、
前記ユーザ同士の前記継続時間の一致度と
に基づいて、前記ユーザ同士のマッチングをする
請求項1乃至5のいずれか1項記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記ユーザ同士の前記交流を円滑にする情報を出力する情報出力部を有し、
前記情報出力部は、
前記交流をするユーザ全員に情報を出力する第1情報出力と、
前記交流をするユーザのうちの一部のユーザに情報を出力する第2情報出力と
を出力する
請求項1乃至6のいずれか1項記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記第2情報出力は、前記ユーザ同士の前記時間帯および前記継続時間の少なくとも一方に基づいて、前記交流の終了を促す情報を前記一部のユーザに出力する
請求項7記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記情報出力部は、
前記交流の開始前に情報を出力する第3情報出力と、
前記交流の実行中に情報を出力する第4情報出力と
を出力する
請求項7または8記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記第4情報出力は、前記第3情報出力と比較して情報量が少ない
請求項9記載のサーバ装置。
【請求項11】
端末と、サーバ装置と、を備えるシステムであって、
前記サーバ装置は、
ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶する時間帯記憶部と、
前記ユーザが希望する前記交流の継続時間を記憶する継続時間記憶部と、
前記時間帯および前記継続時間に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするマッチング部と、
を備える、システム。
【請求項12】
ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶するステップと、
前記ユーザが希望する前記交流の継続時間を記憶するステップと、
前記時間帯および前記継続時間に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするステップと
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項13】
ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶する時間帯記憶部と、
前記時間帯に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするマッチング部と、
を備え、
前記マッチング部は、
前記ユーザが指定する予定確定時間までに、前記交流の予定時間を確定する
サーバ装置。
【請求項14】
ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶するステップと、
前記時間帯に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするステップと、
前記ユーザが指定する予定確定時間までに、前記交流の予定時間を確定するステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、交流をする時間があり、趣味嗜好が合う他のユーザを紹介することができ、交流が成功する確率を向上させることができる交流支援サーバ装置が開示されている。ここで、ユーザ端末装置の実行環境で実行される利用アプリケーションは、所定の時間間隔毎に、GPS受信部から取得した現在地の座標を当該ユーザのUIDと共にサーバ装置宛に送信し、現在地の座標が現在地DBに格納される。滞在時間推定部は、行動履歴DBに格納されている履歴に応じて各ユーザの現在地における滞在時間を推定する。マッチング判定部は、嗜好性DBに登録されているユーザ間の嗜好性に応じたマッチングと、推定された滞在時間に応じたマッチングを行い、マッチングに応じたコンテンツをマッチング通知部が生成し、ユーザ端末装置宛に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1記載の技術は、ユーザの現在の位置情報を用いて滞在時間を推定しながら他のユーザとマッチングをするため、ユーザのマッチングに対する希望が十分に考慮されていない。そのため、ユーザの希望に沿ったマッチングを行うことができないという課題があった。
【0005】
そこで、本発明では、ユーザの希望に沿ったマッチングを行うことが可能なサーバ装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶する時間帯記憶部と、前記ユーザが希望する前記交流の継続時間を記憶する継続時間記憶部と、前記時間帯および前記継続時間に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするマッチング部と、を備える、サーバ装置である。
また、前記マッチング部は、前記ユーザが指定する予定確定時間までに、前記交流の予定時間を確定するとよい。
また、前記マッチング部は、前記交流の予定時間を確定するとともに、前記ユーザと交流をする他のユーザを選定し、前記他のユーザの選定後、前記他のユーザよりもマッチングに適した新たなユーザが現れた場合、前記交流の予定時間は変更せず、前記ユーザのマッチング相手を前記新たなユーザに変更するとよい。
また、前記マッチング部は、前記他のユーザのマッチング相手が前記ユーザ以外に存在する場合に、前記ユーザのマッチング相手を前記新たなユーザに変更するとよい。
また、前記時間帯において、前記ユーザが前記交流を複数回希望することを受け付け、前記マッチング部は、前記ユーザと前記他のユーザをマッチングした後、前記ユーザと前記他のユーザとの前記交流の時間を除き、かつ既にマッチングされた前記他のユーザをマッチング相手の候補から除いて、前記ユーザのマッチングを行うとよい。
また、前記マッチング部は、前記ユーザ同士の前記時間帯の重複度と、前記ユーザ同士の前記継続時間の一致度とに基づいて、前記ユーザ同士のマッチングをするとよい。
また、前記ユーザ同士の前記交流を円滑にする情報を出力する情報出力部を有し、前記情報出力部は、前記交流をするユーザ全員に情報を出力する第1情報出力と、前記交流をするユーザのうちの一部のユーザに情報を出力する第2情報出力とを出力するとよい。
また、前記第2情報出力は、前記ユーザ同士の前記時間帯および前記継続時間の少なくとも一方に基づいて、前記交流の終了を促す情報を前記一部のユーザに出力するとよい。
また、前記情報出力部は、前記交流の開始前に情報を出力する第3情報出力と、前記交流の実行中に情報を出力する第4情報情報出力とを出力するとよい。
また、前記第4情報出力は、前記第3情報出力と比較して情報量が少ないとよい。
【0007】
さらに他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、端末と、サーバ装置と、を備えるシステムであって、前記サーバ装置は、ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶する時間帯記憶部と、前記ユーザが希望する前記交流の継続時間を記憶する継続時間記憶部と、前記時間帯および前記継続時間に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするマッチング部と、を備える、システムである。
【0008】
さらに他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶するステップと、前記ユーザが希望する前記交流の継続時間を記憶するステップと、前記時間帯および前記継続時間に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするステップとをコンピュータに実行させる、プログラムである。
【0009】
さらに他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、ユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶する時間帯記憶部と、前記時間に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするマッチング部と、を備え、前記マッチング部は、前記ユーザが指定する予定確定時間までに、前記交流の予定時間を確定するサーバ装置である。
【0010】
さらに他の観点から捉えるとユーザが他のユーザと交流が可能な時間帯を記憶するステップと、前記時間帯に基づいて、前記ユーザ同士をマッチングするステップと、前記ユーザが指定する予定確定時間までに、前記交流の予定時間を確定するステップと、をコンピュータに実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザの希望に沿ったマッチングを行うことが可能なサーバ装置等を提供する等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】管理装置の構成例を説明するための図である。
【
図3】チャット時間情報を説明するための図である。
【
図4】時間入力画像および詳細入力画像を示す図である。
【
図5】システムの概略動作を示すフローチャートである。
【
図6】マッチング処理を示すフローチャートである。
【
図7】マッチング待機DB及びマッチング決定DBを示す図である。
【
図10】再決定処理の詳細を説明するための図である。
【
図11】マッチング処理に用いられるスコアを説明するための図である。
【
図13】ファシリテート処理を説明するための図である。
【
図14】管理装置のハードウェア構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の他の実施の形態について説明する。
<情報処理システム1>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成例を示した図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、管理装置10と、端末30、40、50とを有する。管理装置10および端末30、40、50は、ネットワーク90を介して互いに接続されている。
【0014】
管理装置10は、コンピュータ装置によって構成される。この管理装置10は、情報処理システム1におけるサーバとして機能する。本実施の形態の管理装置10は、端末30、40、50の間におけるマッチングサービスを提供するのに必要な各種制御を実行する。
【0015】
端末30、40、50の各々は、スマートフォン、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルデバイス、あるいは携帯電話等のコンピュータ装置によって構成される。端末30、40、50は、情報処理システム1におけるクライアントとして機能する。なお、以下の説明においては、端末30、40、50の各々を区別しないときは、端末30等ということがある。
【0016】
ここで、端末30、40、50は、それぞれ情報処理システム1のユーザであるユーザA、ユーザB、およびユーザCによって操作される。なお、図示の例においては、3つの端末30、40、50が示されているが、その数は特に限定されず、端末30、40、50以外の端末を含んでもよい。
【0017】
ネットワーク90は、装置間のデータ交換に用いられる通信ネットワークである。図示のネットワーク90は、インターネットにより構成されるが、特に限定されない。ネットワーク90は、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)であってもよい。また、ネットワーク90の通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用してもよい。
【0018】
情報処理システム1は、管理装置10が特定のサービスを提供することにより、端末30等を操作するユーザがそのサービスを利用することを可能とする。更に説明すると、情報処理システム1は、管理装置10が一のユーザと他のユーザとを結び付けるマッチングサービスを提供することにより、その結び付いたユーザ同士で音声や文字等などによる交流をする機会を提供するものである。本実施の形態の情報処理システム1においては、ユーザが他のユーザと交流する時間帯や交流の継続時間を指定しながら予約することができる。また、この予約においては交流をする相手の指定はユーザから受け付けず、管理装置10が交流をする相手を決定する。このことにより、情報処理システム1がユーザにとって新たな出会いの場を提供する。
【0019】
なお、情報処理システム1は、端末30等のユーザが、他のユーザと気軽にマッチングでき、交流(コミュニケーション)を楽しむWebアプリケーションプラットフォームである。また、情報処理システム1によって、Webクライアントアプリケーションが提供される。付言すると、情報処理システム1によって、端末30等のユーザにSNS(Social Networking Service)が提供される。
【0020】
<マッチング>
本実施の形態におけるマッチングは、端末30等における一の端末と他の端末との組み合わせを決定することである。さらに説明をすると、マッチングは、端末30等における一の端末と他の端末との間で音声や文字等を介した通信、すなわちユーザ同士の交流を行うための管理装置10による処理である。以下の説明では、マッチングとして端末30等における2つの端末を組み合わせることを主として説明するが、3つ以上の端末を組み合わせてもよい。
【0021】
<チャット>
チャットは、ユーザ同士で行う交流の一態様であり、ネットワーク90を通じて、端末30等における個々の端末間で行う双方向の通信をいう。ここで、チャットは、音声等をリアルタイムにやり取りすることを含む。以下の説明では、チャットとして、音声を用いた、所謂ボイスチャットを実行することを説明するが、これに限定されない。例えば、音声ととともに静止画や動画を含む画像を用いたビデオチャット等も採用することができる。あるいは、テキストを用いたテキストチャット、あるいはこれら複数の種別のチャットを組み合わせてチャットを実行してもよい。なお、ボイスチャットには、所謂電話も含めてもよい。さらに説明をすると、端末30等をスマートフォンとし、ネットワーク90を例えば携帯電話のキャリアが管理するキャリア網として、所謂電話としての通話をボイスチャットとして捉えてもよい。
【0022】
<管理装置10>
図2は、管理装置10の構成例を説明するための図である。
次に、
図1および
図2を参照しながら管理装置10の構成例について説明をする。
【0023】
管理装置10は、ユーザ情報管理部110と、予約管理部130と、マッチング管理部150と、チャット実行部170と、ファシリテート実行部190とを有する。なお、ユーザ情報管理部110、予約管理部130、マッチング管理部150、チャット実行部170およびファシリテート実行部190の各々は、情報処理システム1のサブシステムとして捉えることができる。
【0024】
ユーザ情報管理部110は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を端末30等から受け付け登録する。ユーザ情報管理部110は、取得したユーザ情報に基づいて、ユーザごとにアカウントを作成する。
【0025】
ユーザ情報管理部110は、ユーザ情報記憶部111と、性格判定部113と、フレンド設定部115とを有する。ここで、ユーザ情報記憶部111は、ユーザ情報として、例えばユーザ名、趣味、年齢、出身地、職業、生年月日、血液型、利用者の画像などを端末30等から受け付け記憶する。性格判定部113は、端末30等においてビッグファイブ(Big Five)などの性格診断を実行し、診断の結果をユーザの性格傾向に関する情報として記憶する。フレンド設定部115は、ユーザ同士の特別な関係であり、例えばチャットを行った後も互いにメッセージの送受信を可能とする関係であるフレンドの登録管理を行う。
【0026】
予約管理部130は、ユーザによるマッチングの予約に関する情報を端末30等から受け付け管理する。この予約管理部130は、時間帯記憶部131と、継続時間記憶部133と、予定確定時間記憶部135と、詳細情報記憶部137とを有する。すなわち、図示の例における予約管理部130は、チャットの時間に関する情報であるチャット時間情報(交流時間情報)として、チャットの時間帯、継続時間および予定確定時間を受け付け、記憶する。
【0027】
時間帯記憶部131は、ユーザが他のユーザとのチャットを希望する時間帯を受け付け、記憶する。図示の例における時間帯記憶部131は、例えば7月17日20時~7月17日23時30分など、チャットを開始可能な日時(時間帯の開始時間)とチャットを終了したい日時(時間帯の終了時間)とを受け付け、記憶する。
【0028】
継続時間記憶部133は、ユーザが希望する他のユーザとのチャットを継続する時間の長さである継続時間を受け付け、記憶する。図示の例における継続時間記憶部133は、例えば20分、30分、40分など、予め設定された複数の継続時間のうち、いずれかの指定を受け付け、記憶する。
【0029】
予定確定時間記憶部135は、チャットの予約が確定するユーザの希望タイミングである予定確定時間を受け付け、記憶する。予定確定時間は、例えば7月17日13時などと設定される。なお、予定確定時間は、上記チャットを希望する時間帯の開始時刻よりも前の日時が設定される。
【0030】
詳細情報記憶部137は、ユーザが希望する他のユーザとのチャットの態様についての指示を受け付け、記憶する。図示の例においては、ユーザが時間帯の中で行いたいチャットの回数(チャット回数)、ユーザが1回のチャットで同時に話をしたい他のユーザの人数(チャット人数)、例えば趣味、雑談、ビジネスなどチャットの目的(チャット目的)、マッチングの際に他のユーザとの相性度と時間の希望とのいずれを優先するか(優先度)を受け付け、記憶する。
【0031】
マッチング管理部150は、相性度などマッチングのためのスコアであるユーザマッチングスコアX2の算出等を行いながら、ユーザ同士のマッチング処理を実行する。マッチング管理部150は、相性度算出部151と、重複度算出部153と、一致度算出部155と、マッチング実行部157とを有する。
【0032】
相性度算出部151は、ユーザ同士の相性度を算出する。ここで、相性度は、ユーザと他のユーザとが情報処理システム1でチャットを行うときのチャットのしやすさを示す指標、言い替えるとユーザ同士の関係性を示す指標である。相性度算出部151は、ユーザ情報管理部110および予約管理部130が記憶するユーザの趣味、ユーザの性格傾向、チャットの目的などに基づいて、相性度を算出する。付言すると、相性度算出部151は、ユーザ同士のチャット目的が一致しているか否か、チャット人数が一致しているか否か、性格傾向が一致しているか否かなどに基づいて相性度を算出する。また、相性度算出部151は、ユーザの年齢、出身地、職業などに基づいて相性度を算出してもよい。なお、相性度算出部151は、対象とするユーザのチャット時間情報以外の情報に基づいて、ユーザ同士の関係性を示す指標を算出するものとして捉えられる。
【0033】
重複度算出部153は、時間帯の重複度を算出する。ここで、重複度は、ユーザと他のユーザとにおけるチャット(交流)が可能な時間帯が重複している程度を示す指標である。重複度は、例えば重複する時間帯が長いほど大きくなる指標である。さらに説明をすると、重複度は、例えば、対象とするユーザおよび他のユーザそれぞれの時間帯が重複する時間(重複時間)の長さを、対象とするユーザの時間帯の長さで除した値であり、例えば0~1の数値となる。また、重複度は、対象とするユーザの時間帯と、他のユーザの時間帯との差でもよい。また、重複度は、対象とするユーザおよび他のユーザそれぞれの交流可能な時間帯が重複する時間の長さを用いてもよい。
【0034】
一致度算出部155は、継続時間の一致度を算出する。ここで、一致度は、ユーザと他のユーザとにおけるチャットの継続時間が一致している程度を示す。一致度は、例えば継続時間の差が小さいほど大きくなる指標である。さらに説明をすると、一致度は、例えば対象とするユーザおよび他のユーザそれぞれの継続時間のうち共通する時間の長さを、対象とするユーザの継続時間で除した値であり、例えば0~1の数値で判断される。また、一致度は、対象とするユーザの継続時間と、他のユーザの継続時間との差でもよい。
【0035】
ここで、一致度は、継続時間の差ではなく割合を用いることがより好ましい。仮に、一致度を継続時間の差とすると、例えば各ユーザの継続時間が1000分および800分のように継続時間そのものが長い(大きい)場合、ユーザの継続時間と他のユーザの継続時間が一致している部分が短く(小さく)ても、継続時間の差の数値が大きくなることがある。そこで、一致度は、上記のように割合とすることが好ましい。なお、一致度は、例えば共通する時間の長さを対象とするユーザの継続時間で除した値であるが、ユーザの継続時間を他のユーザの継続時間で除した値としてもよい。この場合、値が1に近いほど、一致度が大きくなる。このように、ユーザの交流可能な時間帯と交流の継続時間の2つの時間指標を用いてマッチングを行うため、ユーザの希望に沿ったマッチングを行うことが可能となる。
【0036】
マッチング実行部157は、予め定めたタイミングでチャットを行う端末(ユーザ)同士の組みあわせの決定を行う。マッチング実行部157は、ユーザ同士の相性に従って、組み合わせを決定する。ここで、ユーザ同士の相性は、上記の相性度、重複度および一致度に基づいて算出される(詳細は後述)。そして、マッチング実行部157は、ユーザから受け付けた予定確定時間に、ユーザのマッチング相手、すなわちユーザ同士の組み合わせを確定させる。さらに説明をすると、マッチング実行部157は、ユーザ同士の組み合わせとともに、ユーザ同士がチャットを行う時間である予定時間を決定する。
【0037】
チャット実行部170は、ユーザ同士のチャットを実行するための処理としてチャット処理を行う。チャット実行部170は、音声管理部171と、テキスト管理部173と、チャット時間管理部175とを有する。
【0038】
音声管理部171は、端末30等に向けてユーザが発話することで入力された音声情報を取得し、取得した音声情報を相手ユーザの端末30等に出力させる。なお、音声管理部171は、ユーザの音声を加工処理する、所謂ボイスチェンジャー機能を有してもよい。
テキスト管理部173は、端末30等を操作することでユーザによって入力された文字情報を取得し、相手ユーザの端末30等に取得した文字情報を表示させる。
【0039】
チャット時間管理部175は、チャットの時間を管理する。すなわち、チャット時間管理部175は、マッチング実行部157によって決定されたチャットの開始時間になるとチャットを開始し、チャットの終了時間になるとチャットを終了する。
【0040】
ここで、本実施の形態においては、チャット時間、すなわちチャットが行われる時間が、例えば20分などと予め定められている。チャット時間を予め定めて制限し、所謂締め切り効果が得られることにより、ユーザが積極的にチャットを行うことが期待される。また、ユーザによっては、チャットをどのように終了させるかが気になり、心理的な負担を感じることがある。本実施の形態においては、上記のようにチャットが終了するタイミングが予め定められ、強制的にチャットが終了する。このことにより、ユーザの上記負担が低減され得る。
【0041】
ファシリテート実行部190は、チャット(会話)を円滑にする情報である円滑情報の出力を行う。詳細は後述するが、ファシリテート実行部190は、ユーザ同士のチャットがより円滑になるように、チャットの話題の提供やチャットを進める際の注意事項を、文字列を含む画像(ファシリテート画像)として端末30等に表示させる。図示のファシリテート実行部190は、ユーザ情報判定部191と、チャット分析部193と、情報出力部195とを有する。このように、ユーザ同士のチャットを円滑にするファシリテートを実行することで、ユーザの希望に沿ったマッチングを行うことが可能となる。
【0042】
ユーザ情報判定部191は、ユーザ情報管理部110が取得するデータに基づいて、ユーザの属性の判定をする。ユーザ情報判定部191は、例えば、ユーザの性格傾向が外向的であるか内向的であるかなどの判定をする。
チャット分析部193は、チャット実行部170が取得するデータに基づいて、進行しているチャットの分析を行う。具体的には、チャット分析部193は、チャットのボイスデータ等を取得し、チャットにおいて沈黙が続いているのか否か、一部のユーザに発話が偏っているか否か、話題の一つが終了した区切りであるか否かなどが判断される。チャット分析部193は、例えば、端末30等に入力されたユーザの音声データから音声認識により作成されたテキストデータ等を、自然言語処理することによりチャットの分析を行う。
【0043】
情報出力部195は、ファシリテート画像を出力する出力先とタイミングとを切り替えながら、端末30等にファシリテート画像を出力する。このように情報出力部195がファシリテート画像の出力先およびタイミングを切り替えることにより、チャットがより円滑に進められる。図示の情報出力部195は、出力先決定部197と、タイミング決定部199とを有する。
【0044】
出力先決定部197は、ファシリテート画像を出力する出力先を、チャットを行っている複数のユーザの全体とする第1情報出力か、あるいは一部とする第2情報出力かで切り替える。さらに説明をすると、出力先決定部197は、例えば2人のユーザがチャットを行っている場合において、2人(全体)に同一のファシリテート画像を出力する第1情報出力と、1人のユーザ(一部)にファシリテート画像を出力し、もう1人のユーザにはそのファシリテート画像を出力しない第2情報出力とを切り替える。
【0045】
タイミング決定部199は、ファシリテート画像を出力するタイミングを、チャットの実行タイミングとともに切り替える。すなわち、タイミング決定部199は、チャットが開始される前であるチャット前(第3情報出力)、チャットが実行されている最中であるチャット中(第4情報出力)、チャットが実行された後であるチャット後(第5情報出力)のタイミングで切り替えながら、端末30等にファシリテート画像を出力する。
【0046】
<管理装置10の動作の概略>
次に、管理装置10の概略動作について説明をする。まず、ユーザ情報管理部110が、ユーザが操作する端末30等からユーザ情報を受け付け記憶する。そして、ユーザがチャットを希望する場合においては、ユーザが端末30等を操作することにともない、予約管理部130がチャットの予約の指示を受け付け記憶する。そして、ユーザ情報管理部110に記憶されたユーザ情報および予約管理部130に記憶された予約に関する情報に従い、マッチング管理部150がマッチング処理を実行する。そして、予定されたチャットの開始時間となると、チャット実行部170がマッチング管理部150によって決定された端末30等同士の間でチャットを実行する。また、ファシリテート実行部190が、ファシリテート画像を端末30等に出力する。
【0047】
<チャット時間情報>
図3は、チャット時間情報を説明するための図である。
次に、
図3を参照しながらチャット時間情報について説明をする。上記のように本実施の形態における管理装置10は、チャット時間情報の指示を受け付け、マッチング処理を行う。以下においては、
図3に示すユーザAおよびユーザBがマッチングされる例を用いて、チャット時間情報、すなわち時間帯、継続時間および予定確定時間について説明をする。
【0048】
図3に示す例においては、ユーザAが希望する時間帯は、20時~23時30分である(符号T11参照)。さらに説明をすると、ユーザAが希望する時間帯の開始時間は20時であり、終了時間は23時30分である。また、ユーザAが希望する継続時間は30分である(符号T13参照)。また、ユーザAが希望する予定確定時間は12時である(符号T15参照)。
【0049】
また、ユーザBが希望する時間帯は、22時30分~24時である(符号T21参照)。さらに説明をすると、ユーザBが希望する時間帯の開始時間は22時30分であり、終了時間は24時である。また、ユーザBが希望する継続時間は40分である(符号T23参照)。また、ユーザBが希望する予定確定時間は21時である(符号T25参照)。
【0050】
ここで、ユーザA及びユーザBがそれぞれ希望する時間帯の重複時間は22時30分~23時30分である(符号T31参照)。この重複時間の中から実際にチャットが予定される時間、すなわち予定時間が決定される。さらに説明をすると、管理装置10のマッチング実行部157は、予め定められた条件に従い、重複時間の範囲内で予定時間を決定する。図示の例においては、マッチング実行部157が、重複時間の範囲内において最も早いタイミングで予定時間を決定する。この例においては、22時30分~23時が予定時間となる(符号T41参照)。
【0051】
また、管理装置10のマッチング実行部157が、マッチングの結果を確定するタイミングは、ユーザAの予定確定時間(符号T15参照)と、ユーザBの予定確定時間(符号T25参照)のうち、いずれか早いタイミングとなる。図示の例においては、ユーザAの予定確定時間は12時であり、ユーザBの予定確定時間は21時である。したがって、より早いユーザAの予定確定時間である12時にマッチング実行部157がマッチングを確定する。言い替えると、ユーザAの予定確定時間である12時以前においては、マッチングの結果は確定していない状態である。
【0052】
本実施の形態の情報処理システム1においては、ユーザが将来の時間帯を指定しながらチャットの予約ができる。このことにより、ユーザが自身のスケジュールを立てやすくなる。ここで、本実施の形態においては、ユーザから予定確定時間を受け付け、遅くとも予定確定時間までにはチャットの予定時間が確定する。このことにより、予定確定時間が経過した後においては、ユーザが実際にチャットを行う予定時間以外の時間を確保しておく必要がなくなる。図示のユーザAにおいては、チャットを希望する時間帯として入力したスケジュール20時~23時30分(符号T11参照)のうち、予定時間である22時30分~23時(符号T41参照)以外の時間である20時~22時30分および23時~23時30分の時間を他のスケジュールにあてることができる。
【0053】
ここで、チャットの予約をするユーザの数は、一般的には時間の経過にともない増えていく。したがって、ユーザにとってより相性のよい他のユーザは、時間が経過するほど出現しやすくなる。しかしながら、相性のよい他のユーザは必ず出現するものではない。そこで、本実施の形態においては、実際にチャットが開始される前のタイミングである予定確定時間にマッチングを行う。このことにより、ユーザのマッチング相手が見つからない状況が抑制される。このように、ユーザの時間に対する希望に沿ったマッチングを行うことが可能となる。
【0054】
さて、本実施の形態とは異なり、ユーザからチャットを行うことが可能な時間帯および継続時間についての指定を受け付けず、ユーザが実際にチャットを行う開始時間と終了時間との指定のみを受け付ける態様も想定される。しかしながら、この態様においては、チャットを行う開始時間と終了時間が一致するユーザのみがマッチング相手の候補となるため、候補となるユーザの数が少なくなり、相性のよいユーザ同士のマッチングが成立する確率が相対的に低くなる。そこで、本実施の形態においては、チャットの継続時間についての希望(符号T13参照)とともに、継続時間よりも長い時間帯についての希望(符号T11参照)を受け付ける。このことにより、実際にチャットを行う予定時間が設定される際の自由度が高まり、より相性のよいユーザ同士のマッチングが成立する確率が高まる。
【0055】
また、例えばイベントを開催する開催者にとっては、情報処理システム1を利用することでイベントの管理が容易となる。情報処理システム1によれば相性のよいユーザ同士のマッチングが成立する確率が高くなるため、仮にイベントにおいてマッチングを行う期間を相対的に長く設定したとしても、マッチング相手が見つからないという状況が回避され得る。したがって、イベントの開催者がマッチングを行う期間を相対的に長く設定することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態においては、チャットの継続時間の指定を受け付けることによって、ユーザの好みに合わせたチャットの設定をすることができる。ここで、例えば初対面の人とのコミュニケーションに不安を持つユーザは、他のユーザとのチャットの継続時間が短いことを望む場合がある。また、例えばじっくり他のユーザと話をしたいユーザは、他のユーザとの継続時間が長いことを望む場合がある。そこで、情報処理システム1においては、ユーザからの継続時間の希望を受け付け、受け付けた継続時間に従って予定時間を決定する。このように、ユーザの時間に対する希望に沿ったマッチングを行うことが可能となる。
【0057】
なお、例えば
図3に示す例において、ユーザAおよびユーザBが希望する時間帯の重複時間は22時30分から23時30分である(符号T31参照)。ここで、重複時間の全体である1時間をチャット時間として設定すると、例えば30分という相対的に短い時間でチャットを望むユーザA(符号T13参照)にとって心理的な負担が大きくなり得る。そこで、本実施の形態においては、算出された重複時間の中から、ユーザが希望する継続時間に応じて、予定時間を確定する。このように、ユーザの時間に対する希望に沿ったマッチングを行うことが可能となる。
【0058】
さて、一般的には、ユーザからマッチングの希望条件を多く受け付けるほど、受け付けた希望条件を満たす他のユーザの人数は減ることから、他のユーザとのマッチングが困難になる。そこで、本実施の形態においては、時間帯および継続時間の希望を受け付けるが、時間帯についての希望は満たす一方で、継続時間とは一致しない予定時間を設定することがある。
【0059】
ここで、時間帯および継続時間のそれぞれについて説明をする。まず、時間帯について説明をすると、仮にユーザの希望の時間帯から外れてチャットの予定時間が決定されると、ユーザはチャットの前後のスケジュールを調整することが必要となる。一方で、継続時間においては、仮に希望の継続時間から外れて予定時間が決定されたとしても、ユーザがチャットの前後のスケジュールを調整することは不要である。さらに説明をすると、マッチングされた他のユーザとの相性が良ければ、継続時間の希望からずれた予約時間が設定されたとしても、ユーザの不満度は大きくならない傾向がある。
【0060】
そこで、本実施の形態においては、マッチング相手との相性がよいなど、所定の条件を満たす場合には、ユーザ同士の継続時間に差があってもマッチングを行うことがある。すなわち、ユーザが希望する継続時間と異なる長さで予定時間が決定されることがある。なお、継続時間に差がある場合の処理としては、特に限定されるものではないが、例えば各ユーザが希望する継続時間のうち、最も短い継続時間で予定時間を設定する処理や、各ユーザが希望する継続時間の平均値で予定時間を設定する処理などがある。
【0061】
<時間入力画像310および詳細入力画像350>
図4は、時間入力画像310および詳細入力画像350を示す図である。
次に、
図4を参照しながら、時間入力画像310および詳細入力画像350について説明をする。
【0062】
時間入力画像310および詳細入力画像350は、ユーザが端末30等を操作することにともない、予約管理部130によって端末30等に表示される。ユーザは、時間入力画像310および詳細入力画像350を介して、チャットの予約をすることができる。
【0063】
時間入力画像310は、時間帯の入力を受け付ける時間帯入力画像311と、継続時間の入力を受け付ける継続時間入力画像313と、予定確定時間の入力を受け付ける予定確定時間入力画像315とを有する。
【0064】
図示の時間帯入力画像311は、希望する時間帯の開始時間および終了時間の入力をそれぞれ受け付ける。時間帯入力画像311を介して入力された指示は、予約管理部130の時間帯記憶部131によって記憶される。
【0065】
図示の継続時間入力画像313は、20分、30分、40分など、予め設定された継続時間のうち、いずれかの指示を受け付ける。継続時間入力画像313を介して入力された指示は、予約管理部130の継続時間記憶部133によって記憶される。
【0066】
図示の予定確定時間入力画像315は、希望する予定確定時間の入力を受け付ける。ユーザが予定確定時間入力画像315を介して入力された指示は、予約管理部130の予定確定時間記憶部135によって記憶される。なお、予定確定時間入力画像315においては、時間帯入力画像311に入力された希望時間帯における開始時間以降の時間の入力を受け付けない態様としてもよい。
【0067】
詳細入力画像350は、時間帯入力画像311に入力された時間帯の中で希望する交流回数を示すチャット回数の入力を受け付けるチャット回数入力画像351と、希望するチャット人数を受け付けるチャット人数入力画像353と、チャットする目的を受け付ける目的入力画像355と、相性度と時間(スケジュール)の優先度を受け付ける優先度入力画像357とを有する。
【0068】
図示のチャット回数入力画像351は、1回、2回、3回など、予め設定された回数のうち、いずれかの指示を受け付ける。図示のチャット人数入力画像353は、1人、2人、3人など、予め定められた人数のうち、いずれかの指示を受け付ける。図示の目的入力画像355は、趣味、雑談、ビジネス、その他など予め定められた目的のうち、いずれかの指示を受け付ける。なお、チャット回数入力画像351が受け付けるチャット回数は、交流回数の一例である。
【0069】
優先度入力画像357は、優先度の入力を促す入力案内画像361と、相性度とスケジュールとのいずれを優先するかの優先度を示すゲージ画像363と、ゲージ画像363における位置を移動させることで優先度を決定するスライダ画像365とを有する。図示の優先度入力画像357は、ゲージ画像363の位置を移動させることで、優先度の指示を受け付ける。さらに説明をすると、ゲージ画像363が左側に移動することで、ユーザ同士の相性度をより優先させる優先度が設定される。また、ゲージ画像363が右側に移動することで、スケジュール(時間マッチング度)をより優先させる優先度となる。
【0070】
チャット回数入力画像351、チャット人数入力画像353、目的入力画像355、優先度入力画像357を介して入力された指示は、予約管理部130の詳細情報記憶部137によって記憶される。
【0071】
<情報処理システム1の概略動作>
図5は、情報処理システム1の概略動作を示すフローチャートである。
次に、
図5を参照しながら情報処理システム1の概略動作について説明をする。なお、管理装置10は、ユーザAおよびユーザBが端末30および端末40をそれぞれ操作することにともない、ユーザAおよびユーザBのユーザ登録を予め完了しているものとする。
【0072】
まず、端末30は、時間入力画像310および詳細入力画像350を介して、ユーザAからチャットについての希望(指示)の条件を受け付け、管理装置10に出力する(S501)。そして、管理装置10の予約管理部130が指示を受け付け、記憶する(S502)。
【0073】
次に、端末40が、時間入力画像310および詳細入力画像350を介して、ユーザBからチャットについての希望の条件を受け付け、管理装置10に出力する(S503)。そして、管理装置10の予約管理部130が指示を受け付け、記憶する(S504)。
【0074】
次に、マッチング管理部150がマッチング処理を実行する(S505)。そして、マッチング管理部150が、マッチング処理で決定された予定時間を端末30および端末40に出力する(S506)。チャット実行部170は、チャットの予定時間になると端末30および端末40における通信を可能とし、ユーザAおよびユーザBにおけるチャットを実行する(S507)。
【0075】
<マッチング処理>
図6は、マッチング処理を示すフローチャートである。
次に、
図6を参照しながら、マッチング管理部150が行うマッチング処理について説明する。
【0076】
図示のマッチング管理部150は、仮のマッチング処理である仮決定処理を行ったあとに、仮決定処理でマッチングされたユーザ同士の組み合わせを確定させる処理である本決定処理を行う。さらに説明をすると、マッチング管理部150は、予め定められた時間間隔で設定されたマッチング処理タイミングごと(例えば、16時、17時など1時間ごとに設定)に、仮決定処理を繰り返し行う。そして、仮決定処理で組み合わされたユーザが希望する予定確定時間のうち、最も早い予定確定時間になると、仮決定処理でマッチングされたユーザ同士の組み合わせを本決定処理する。なお、詳細は後述するが、マッチング管理部150は、本決定処理で組み合わせが確定されていたユーザ同士の組み合わせを再度行う再決定処理を行うことがある。
【0077】
さて、マッチング管理部150は、
図6に示すようにマッチング処理を行う。まず、マッチング管理部150は、マッチング処理タイミングであるか否かを判断する(S601)。マッチング処理タイミングである場合(S601でYES)、マッチング管理部150は、仮決定処理を行い、仮決定されたユーザの組み合わせを記憶する(S602)。
【0078】
そして、マッチング管理部150は、仮決定されたユーザの各々が希望する予定確定時間のうち最も早い予定確定時間であるか否かを判断する(S603)。予定確定時間である場合(S603でYES)、マッチング管理部150は、本決定処理を行う(S604)。なお、マッチング管理部150は、本決定処理されたユーザ同士の組み合わせを記憶するとともに、ユーザに対して予定時間を通知する(上記S506参照)。
【0079】
ここで、上記のようにマッチング処理タイミングごとに仮決定処理を繰り返すことにより、新たなユーザが予約してマッチング待機DB161にユーザが追加された場合や、既に予約をしていたユーザが予約をキャンセルしてマッチング待機DB161からユーザが削除された場合においても、各ユーザにとって相性のよいマッチング相手を見つけることが可能となる。
【0080】
<データベース>
図7は、マッチング待機DB161及びマッチング決定DB163を示す図である。なお、
図7(a)は、マッチング処理タイミングである17:00における仮決定処理が実行された後のマッチング待機DB161を示す。
図7(b)は、18:30における本決定処理が実行された後のマッチング決定DB163を示す。
【0081】
次に
図7を参照しながら、マッチング待機DB(データベース)161及びマッチング決定DB163について説明をする。
マッチング管理部150は、マッチング待機DB161およびマッチング決定DB163を記憶し、これらに基づいてマッチング処理を行う。
【0082】
図7(a)に示すマッチング待機DB161は、マッチング処理がなされるユーザに関する情報を記憶する。図示のマッチング待機DB161は、上記時間入力画像310および詳細入力画像350を介して入力された以下の情報を記憶する。具体的には、マッチング待機DB161は、ユーザ名、マッチング優先スコアX1、チャットの目的、ユーザの趣味、同時に何人と交流したいか(チャット人数)、希望する時間帯で何回交流したいか(チャット回数)、1回あたり何分交流したいか(継続時間)、交流可能開始時間(時間帯の開始時間)、交流可能終了時間(時間帯の開始時間)、希望条件の入力時間、予定確定時間を記憶する。また、マッチング待機DB161は、仮のマッチング相手(仮決定されたマッチング相手)および仮の予定時間(仮決定された予定時間)を記憶する。
【0083】
また、
図7(b)に示すマッチング決定DB163は、本決定処理されたユーザに関する情報を記憶する。図示のマッチング決定DB163は、本決定処理されたユーザのユーザマッチングスコアX2、チャットの目的、予定時間の通知が済んでいるか否か、予定時間および予定確定時間を記憶する。なお、予定時間の通知が済んでいない状態とは、本決定処理がされた後であって、ユーザから受け付けた予定確定時間よりも前の状態である。さらに説明をすると、予定時間の通知は、各ユーザから受け付けた予定確定時間に実行される。なお、本決定処理がされることにともない、マッチング処理がなされた両ユーザ(全ユーザ)に予定時間が通知されてもよい。
【0084】
<仮決定処理>
図8は、仮決定処理を示すフローチャートである。
次に、
図7および
図8を参照しながら、マッチング管理部150が行う仮決定処理について説明する。
仮決定処理において、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161に含まれる各ユーザのマッチング優先スコアX1(後述)を算出する(S801)。そして、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161に含まれるユーザを、マッチング優先スコアX1が高い順に並べ替える(S802)。
【0085】
次に、マッチング管理部150は、マッチング優先スコアX1が高いユーザ(
図7の例においてはユーザA)と、マッチング待機DB161に含まれる他のユーザ全員とのユーザマッチングスコアX2を算出する(S803)。そして、マッチング管理部150は、仮のマッチング相手との仮の予定時間を決定する(S804)。このとき、マッチング管理部150は、最もユーザマッチングスコアX2が高いユーザ(
図7の例においてはユーザF)を仮のマッチング相手とし、さらにこの仮のマッチング相手との仮の予定時間を決定する。
【0086】
そして、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161を更新する(S805)。具体的には、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161に含まれる直前のマッチング処理タイミング(図示の例では16:00)に決定された仮のマッチング相手および仮の予定時間のデータを削除し、今回決定されたマッチング相手および仮の予定時間を、17:00に決定された仮のマッチング相手および仮の予定時間とする。また、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161におけるマッチング相手として決定されたユーザ(この例においてはユーザF)のデータにおいて、17:00に決定された仮のマッチング相手(この例においてはユーザA)および仮の予定時間のデータを更新する。
【0087】
次に、マッチング管理部150は、マッチング優先スコアX1が次に高いユーザが存在するか判断する(S806)。マッチング優先スコアX1が次に高いユーザが存在する場合(S806においてYES)、マッチング管理部150は、そのユーザに対して上記処理を実行する(S803、S804、S805)。
【0088】
また、マッチング優先スコアX1が次に高いユーザが存在しない場合(S806においてNO)、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161に含まれるユーザのうち、希望する交流回数(チャット回数)が複数回であるユーザ、すなわち複数回希望のユーザ(
図7の例においてはユーザC)の時間処理を行う(S807)。具体的には、マッチング管理部150は、交流希望回数が複数回であるユーザの交流可能開始時間(時間帯の開始時間)から交流可能終了時間(時間帯の開始時間)の間で、既に決まったマッチング相手との仮の予定時間以外の時間を、そのユーザが会話可能な時間として設定する。
【0089】
そして、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161において、複数回希望のユーザ、およびまだマッチング相手が決まっていないユーザに対して、ユーザマッチングスコアX2を算出する(S808)。そして、マッチング管理部150は、仮のマッチング相手との仮の予定時間を決定(S809)し、仮のマッチング相手および仮の予定時間としてマッチング待機DB161を更新する(S810)。
【0090】
ここで、上記のように交流希望回数が複数回であるユーザ(図示の例においてはユーザC)の処理について説明をする。交流希望回数が複数回であるユーザにおいては、上記のように既に決まったマッチング相手との仮の予定時間を除いて、再度マッチング処理が行われる。このことにより、再度行われるマッチング処理で、既に行ったマッチング処理の仮の予定時間と重複してマッチングされることが回避される。また、既に決まったマッチング相手は、新たなマッチング相手の候補から除いて、再度マッチング処理が行われる。このことにより、再度行われるマッチング処理において、既に決まったマッチング相手と再びマッチングされることが回避される。
【0091】
交流希望回数が複数回であるユーザの処理は、特に限定されるものではないが例えば次のように行われてもよい。すなわち、既に決まったマッチング相手との仮の予定時間以外の時間を希望の時間帯とする仮想のユーザ(例えばユーザC´、後述する
図7(a)参照)が、マッチング待機DB161に追加され、この仮想のユーザにおいて上記のマッチング処理を行ってもよい。さらに説明をすると、交流希望回数が複数回であるユーザ(図示の例においてはユーザC)が希望するチャット回数を1回減らし、かつ既に決まった仮の予定時間を除いたユーザの情報を、マッチング待機DB161に新たに追加してもよい。いわば、ユーザCとは別の新たなユーザがマッチング待機DB161に追加してもよい。このように、新たなユーザを追加する処理を行うことにより、交流希望回数が複数回であるユーザを他の複数のユーザとマッチングさせるための処理が簡略化される。
【0092】
なお、新たに追加されるユーザのマッチング優先スコアX1は、マッチング待機DB161に含まれるユーザで最も低いマッチング優先スコアX1よりも低くなるように設定されてもよい。すなわち、新たに追加されるユーザのマッチング優先スコアX1は、マッチング待機DB161において最も下位となるように設定されてもよい。また、新たに追加されるユーザのマッチング優先スコアX1は、そのユーザ(図示の例においてはユーザC)のマッチング優先スコアX1から予め定めた数値を減算することで設定されてもよい。
【0093】
<本決定処理>
マッチング管理部150は、マッチング待機DB161に含まれるいずれかのユーザの予定確定時間になると、そのユーザおよびマッチング相手のユーザの予定を本決定処理する。具体的には、マッチング管理部150は、確定されたユーザの組み合わせをマッチング待機DB161から削除し、
図7(b)に示すマッチング決定DB163に追加する。また、マッチング管理部150は、マッチング決定DB163に追加されたユーザに対して、決定された予定時間の通知をする(上記S506参照)。
【0094】
ここで、図示の例においては、マッチング管理部150が予定確定時間に通知するのは予定時間のみであり、マッチング相手を特定するための情報は通知しない。さらに説明をすると、ユーザに対しては、チャットの開始時間または開始時間の直前までマッチング相手が通知されない。このことにより、どのようなユーザとマッチングされたのかを楽しみにするユーザの期待感を増加させることができる。
【0095】
<再決定処理>
図9は、再決定処理を示すフローチャートである。
図10は、再決定処理の詳細を説明するための図である。
次に
図9および
図10を参照しながら、再決定処理について説明をする。なお、
図10(a)に示すマッチング待機DB161およびマッチング決定DB163は一部データの記載を省略している。また、
図10(b)に示すマッチング決定DB163においては、本決定処理の結果、ユーザAおよびユーザFと、ユーザBおよびユーザEと、ユーザCおよびユーザGとがそれぞれ組み合わされているものとする。
【0096】
図9に示すように、マッチング管理部150は再決定処理を行う。ここで、再決定処理は、既にマッチングが完了し予定時間を通知済みであるユーザにおいて、より相性が良いなど予め定めた条件を満たす他のユーザとのマッチングの可能性を探るための処理である。なお、この再決定処理は、マッチング待機DB161及びマッチング決定DB163に基づいて行われる。
【0097】
まず、マッチング管理部150は、現在の時刻が予定時間よりも前であるか否かを判断する(S901)。予定時間よりも前である場合(S901でYES)、マッチング管理部150は、マッチング決定DB163に含まれるユーザのチャットを希望する時間帯の設定処理を行う(S902)。具体的には、マッチング管理部150は、
図10(b)に示すマッチング決定DB163に含まれるユーザ、すなわち既にマッチング処理が行われたユーザのうち、予定時間を通知済みであるユーザ(例えば、ユーザA)の通知した予定時間(例えば、21:15-21:45)を、そのユーザが希望する時間帯として設定する。このことにより、通知済みの予定時間を維持したまま、新たなマッチング相手を探す処理が行われる。
【0098】
次に、マッチング管理部150は、対象とするユーザ(例えば、ユーザA)と、マッチング待機DB161に含まれるユーザ各々とのユーザマッチングスコアX2を算出する(S903)。そして、マッチング管理部150は、算出されたユーザマッチングスコアX2が閾値aよりも大きいかを判断する(S904)。この閾値は、既に組み合わされていたユーザ(例えば、ユーザF)とのユーザマッチングスコアX2よりも所定の値だけ大きい値(例えば、ユーザマッチングスコアX2の120%以上)として設定される。
【0099】
ユーザマッチングスコアX2が閾値aよりも大きい場合(S903でYES)、すなわち予め定めた条件を満たすユーザマッチングスコアX2となるユーザが存在する場合、マッチング管理部150は、マッチング相手の変更処理を行う(S905)。
【0100】
図10の例においては、ユーザAおよびユーザFのユーザマッチングスコアX2(A,F)が6である。そして、仮にこのユーザマッチングスコアX2(A,F)の120%以上を条件として設定した場合、閾値aは7.2となる。そして、ユーザマッチングスコアX2が閾値a7.2を超えたマッチング相手が見つかった場合には、予定が取り消され、マッチング相手が変更される。
【0101】
図示の例においては、ユーザAの新たなマッチング相手としてユーザK(図中符号C1参照)が見つかり、ユーザFの新たなマッチング相手としてユーザL(図中符号C2参照)が見つかったものとする。この場合においては、ユーザAおよびユーザFは、変更された新たなマッチング相手とそれぞれ組み合わされてマッチング決定DB163に記憶される。なお、閾値aを超えたマチング相手が見つからない場合には、マッチング相手は変更されない。また、マッチング相手を新たに組み替えられるのは、既にマッチングがなされた両ユーザ(全ユーザ)に新たなマッチング相手が見つかることを条件としてもよい。
【0102】
なお、ユーザBおよびユーザEの組み合わせにおいては、ユーザBにのみに予定時間を通知済みである。この場合においては、予定時間を通知済みのユーザBに対してのみ、マッチング待機DB161に含まれる他のユーザとのユーザマッチングスコアX2を計算してもよい。ここで、ユーザBおよびユーザEの組み合わせにおいてユーザマッチングスコアX2は4.3であることから、120%以上を条件として設定した場合、閾値aは5.16である。そして、マッチング待機DB161に含まれる他ユーザとのX2の最大値は、ユーザOのX2(B,O)である5.6とする。この場合、ユーザBのマッチング相手をユーザOへと変更し(図中符号C3参照)、元のマッチング相手であるユーザEはマッチング待機DB161に戻す処理が行われる。
【0103】
なお、上記のように図示の例においては、各ユーザのマッチング相手は予定確定時間に通知しない。したがって、上記のように再決定処理にともない他のユーザにマッチング相手が変更されたとしても、ユーザへの通知することが不要となる。
【0104】
また、上記の再決定処理は、再決定処理を行うこと、または再決定処理を行ったことを、ユーザに通知することなく実行するものであるが、ユーザに通知するものであってもよい。また、再決定処理は、ユーザからの同意を条件として実行されるものであってもよい。このように、既にマッチングが完了し予定時間を通知済みであるユーザにおいて、より相性が良いなど予め定めた条件を満たす他のユーザがいる場合は、予定時間を変更せずに再度マッチング処理が行われる。そのため、ユーザの希望に沿ったマッチングが可能となる。
【0105】
<スコア>
図11は、マッチング処理に用いられるスコアを説明するための図である。
次に、
図11を参照しながら、マッチング処理に用いられるスコアの例を説明する。
【0106】
まず、
図11(a)に示すように、マッチング管理部150は、マッチング待機DB161に基づいて、各ユーザのマッチング優先スコアX1を算出する。図示のマッチング優先スコアX1においては、前日までにマッチング成立失敗による加算、当日の前回マッチング処理失敗による加算、マッチング処理タイミングと予定確定時間の近さ、利用登録した時間の早さなどによって算出される。このように、マッチング処理の履歴やユーザの利用状況などに基づいてマッチング優先スコアX1を算出することで、ユーザがマッチングに対して不満を持つことが抑制される。このマッチング優先スコアX1は、対象とするユーザのマッチング処理を優先するための指標である。マッチング優先スコアX1が大きいユーザほど、マッチング待機DB161において上位となるなど、優先的にマッチング処理が行われる。
【0107】
また、
図11(b)に示すように、図示のユーザマッチングスコアX2は、会話嗜好及び属性の一致などに基づき算出されるスコア(相性度)と、互いのユーザの会話可能な時間帯から計算されるスコア(時間マッチング度)との積で求められる。ここで、会話嗜好及び属性の一致などに基づき算出されるスコアは、会話目的の一致、会話可能な時間(時間帯)の長さ、会話希望時間長さ(継続時間)の一致率、性格傾向の相性、趣味の一致などによって算出される。さらに、特に限定されるものではないが、例えばユーザマッチングスコアX2の計算式は、
図11(c)のように表されてもよい。このユーザマッチングスコアX2は、対象とするユーザの組み合わせを評価する指標である。ユーザマッチングスコアX2が大きいユーザほど、相性がよい組み合わせとなる。
【0108】
ここで、上述のように、
図4に示す優先度入力画像357のゲージ画像363の位置を移動させることにより、相性度および時間マッチング度についての優先度が変化する。ここで、相性度をより優先させる優先度においては、ユーザマッチングスコアX2の算出において、相性度の重み付けが大きく設定され、時間マッチング度の重み付が小さく設定される。また、時間マッチング度をより優先させる優先度においては、ユーザマッチングスコアX2の算出において、相性度の重み付けが小さく設定され、時間マッチング度の重み付が小さく設定される。このように、ユーザの希望に沿った優先度の指示を受けることで、ユーザの満足度が向上する。
【0109】
ここで、会話目的の一致、性格傾向の相性、趣味の一致は、相性度算出部151によって相性度として算出される。会話希望時間長さ(継続時間)の一致率は、一致度算出部155によって一致度として算出される。時間マッチング度は、重複度算出部153によって重複度として算出される。
【0110】
<チャット処理>
図12は、チャット処理を説明するための図である。
次に、
図12を参照しながら、チャット処理について説明をする。
チャット実行部170は、マッチング実行部157によって算出されたマッチングの結果に従い、チャット処理を実行する。
【0111】
図12に示すボイスチャット画像370においては、相手ユーザを示す相手ユーザ画像371と、フレンドになる意向を示す指示を受け付けるフレンド意向画像372と、ボイスチャットが成立していることを示すボイス画像373と、チャットが終了するまでの時間を示す終了時間画像379と、チャットを終了する操作を受け付けるチャット終了受付画像381と、ユーザのプロフィールメッセージを示すユーザプロフ画像383と、チャットを円滑にするための画像であるファシリテート画像385とを有する。
【0112】
ここで、図示の例においては、相手ユーザ画像371にマッチング相手のユーザ情報が表示される。この相手ユーザ画像371が表示されることにより、ユーザがマッチング相手の情報を参考に会話をすることが可能となる。また、図示の例においては、チャット時間管理部175によって終了時間画像379が表示される。この終了時間画像379が表示されることにより、残された時間にあわせてユーザがマッチング相手との会話の内容を調整することができる。
【0113】
なお、ボイスチャット画像370は、チャットを行う仮想空間である所謂チャットルーム(チャット部屋)として捉えることができる。また、ユーザは、チャット終了受付画像381を操作することによりチャットルームを退出することが可能である。このことにより、チャットの終了時間前であってもユーザがマッチング相手とのチャットを終了させることができる。
【0114】
ここで、図示の例においては、円滑情報の一例としてファシリテート画像385が表示される。このファシリテート画像385は、マッチングしたユーザ同士のチャットにおいて、ユーザ同士の会話が円滑になるように、会話を補助あるいは誘導するメッセージを、テキストや音声としてユーザに向けて出力することの一例である。
【0115】
さらに説明をすると、ユーザ同士がチャットでやりとりをする間、チャット分析部193により進行中のチャットの分析が実行される。そして、チャット分析部193の分析に従って、情報出力部195がファシリテート画像385を端末30等に出力する。
【0116】
ファシリテート画像385の表示の内容は、チャットが円滑になるものであり、発話の回数が相対的に増加することや、発話の無い時間が相対的に短くなるものなどが例示されるがこれに限定されない。詳細は後述するが、例えば、マッチングの情報等に基づいて、マッチングしたユーザ同士の共通しているユーザ情報を通知する内容や、その他の話題を提供する内容等であってもよい。このように、情報出力部195がファシリテート画像385を端末30等に出力するため、マッチングしたユーザ同士は気軽にチャットを行うことができる。チャットに対するユーザの心理的な障壁を低くすることが可能となる。よって、チャットが盛り上げるためにユーザの希望に沿わないマッチングを行う必要がなくなる。そのため、ユーザの希望に沿ったマッチングを行うことが可能となる。
【0117】
<ファシリテート処理>
図13は、ファシリテート処理を説明するための図である。
まず、上記のように情報出力部195は、出力先決定部197およびタイミング決定部199を有し、ファシリテート画像385の出力先およびタイミングを切り替える。このことにより、チャットがより円滑になる。さらに説明をすると、ファシリテート画像385は、例えば初対面の人とのコミュニケーションに不安を持つユーザ、チャットにおける沈黙の時間を回避したいユーザ、あるいはチャットにおいて相手の反応を無視して話を進めてしまうユーザなどをサポートする。
【0118】
図13に示すように、出力先決定部197は、ファシリテート画像385を出力する出力先を、チャットを行っているユーザの全体(全員)とする第1情報出力と、チャットを行っているユーザの一部とする第2情報出力とで切り替える。また、タイミング決定部199は、ファシリテート画像385を出力するタイミングを、ファシリテート画像385をチャット前に出力する第3情報出力と、チャット中に出力する第4情報出力と、チャット後に出力する第5情報出力とで切り替える。
【0119】
ここで、ユーザの全体に出力する第1情報出力においては、ユーザ情報などに基づいて、チャットするユーザに共通する情報を出力する。第1情報出力としては、例えば、共通する趣味や話題の提供などがある。図示の例における第1情報出力としては、「お二人は『好きなスポーツ』が共通しています。例えば『サッカーチーム』について話をしてみてはどうですか?」という文字列がファシリテート画像385として出力される。
【0120】
また、ユーザの一部に出力する第2情報出力においては、ユーザ情報などに基づいて、チャットをするユーザに共通しない情報を出力する。第2情報出力としては、例えば、ユーザの性格の違いやユーザの継続時間の違いに関連する情報をファシリテート画像385として出力する。第2情報出力における性格の違いに関する情報としては、例えば「あなたはアグレッシブに話を進めていくタイプですが、お相手はゆっくり咀嚼して話すタイプで、あなたがアグレッシブに話をしすぎると、自己開示しにくくなります」という文字列が出力される。なお、この例におけるマッチング相手のユーザには「お相手はガンガン話を進めるタイプですが、何も悪気があってそうするわけではありません、気にせず勇気を持って、ご自身の言いたいことを言ってみましょう」という別の情報が出力される。付言すると、この例は、対象ユーザとマッチング相手のユーザとの両方のユーザ情報に基づいて、片方のユーザが立ち振る舞うべき姿勢に関するアドバイスを出力するものとして捉えることができる。
【0121】
また、第3情報出力においては、「お二人は『好きなスポーツ』が共通しています。例えば『サッカーチーム』について話してみましょう」のような情報が出力されてもよい。また、第4情報出力においては、「『サッカーチーム』について話しましょう!」のような情報が出力されてもよい。また、第5情報出力においては、「今日中にメッセージを送りましょう!盛り上がった『サッカーチーム』についてコメントしてはどうですか?」のような情報が出力されてもよい。
【0122】
ここで、チャット前の第3情報出力においては、ユーザ情報や事前に通知しておくべき情報に基づいて、マッチング相手の性格情報や、マッチング相手のチャットの目的等の情報が出力される。
【0123】
チャット中の第4情報出力においては、時間関連情報や、進行しているチャットの分析結果に合わせた情報が出力される。第4情報出力としては、例えば沈黙時間が長い場合は共通の話題の情報が出力される。この第4情報出力としては、チャット分析部193が話題の一つが終了した区切りと判断したタイミングで話題の情報を出力するとよい。
【0124】
また、第4情報出力としては、例えば話をする時間がユーザ間で偏りがあり、自分の話ばかりしているユーザには、「話をしっかり聞いてみましょう」という情報を出力してもよい。また、第4情報出力としては、例えば会話中に片方に話すことを躊躇するような素振り(例えば、返答までの時間が長い)が検出されることや、感情の不快が検出(例えば、声のトーンなどの分析情報に基づいて、話す速度の上昇や返答までの時間が短くなることを検知)される場合、その相手のユーザに対しの情報を出力してもよい。具体的には、例えば「少し落ち着いて話してみましょう」や「『同意の言葉』から発言をスタートしましょう!」などの情報を出力してもよい。
【0125】
ここで、チャット中に出力する第4情報出力は、チャット前の第3情報出力あるいはチャット後の第5情報出力と比較して表示される情報量が少ない。これはチャットを実行しているユーザにとって、大量の情報が出力されても理解をすることが難しいためである。また、チャット中に出力する第4情報出力およびチャット後の第5情報出力は、チャット前の第3情報出力とは異なり、会話内容の分析に基づいて出力が行われる。すなわち、チャット中に出力する第4情報出力およびチャット後の第5情報出力においては、チャットの内容に応じて、出力される情報を変化させることが可能となる。
【0126】
なお、第2情報出力においては、例えば「チャット予定のユーザは頑固な人なので、粘り強く話をしましょう」というような情報を出力してもよい。また、第2情報出力においては、各ユーザの継続時間の指定が、「20分」と「30分」とでユーザごとに異なる場合に、クロージングを促す、すなわちチャットを終わらすことを促す情報を出力してもよい。なお、このチャットを終わらすことを促す情報は、より長い継続時間を指定したユーザにのみ出力してもよい。すなわち、継続時間の指定を「30分」としたユーザに対してのみ、チャットを終わらすことを促す情報を出力し、相手ユーザが無理なくチャットを終わらせることを補助してもよい。
【0127】
また、第2情報出力の他の例としては、上司と部下などユーザの立場の違いに応じて、言葉遣いの注意喚起等が行われてもよい。例えば、上司と部下の関係にあるユーザ同士のチャットにおいて、会話内容を分析し、部下であるユーザに対して、注意して敬語を使うよう促す情報を出力してもよい。
【0128】
<管理装置10のハードウェア構成>
図14は、管理装置10のハードウェア構成例を示した図である。
図14に示すように、管理装置10は、CPU101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、通信I/F105とを備える。
【0129】
CPU101は、ROM103等に記憶された各種プログラムをRAM102にロードして実行することにより、管理装置10の上記各機能を実現する。
RAM102は、CPU101の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM103は、CPU101が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD104は、ユーザの情報等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
通信I/F105は、ネットワーク90(
図1参照)を介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0130】
ここで、CPU101によって実行されるプログラムは、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、管理装置10へ提供しうる。また、CPU101によって実行されるプログラムは、管理装置10を介して端末30等へダウンロードしてもよい。例えば、管理装置10の上記各機能を実現するプログラムを、アプリケーションソフトウェアとして端末30等へダウンロードしてもよい。そして、ユーザは、端末30等にて、ダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをインストールして、マッチングサービスの利用を開始する。
【0131】
<変形例>
上記の説明においては、マッチング優先スコアX1が高いユーザから順に他のユーザとのユーザマッチングスコアX2を計算し、ユーザマッチングスコアX2が最も高い他のユーザをマッチング相手とすることを説明したが、これに限定されない。例えば、全ユーザ同士の組み合わせにおいてユーザマッチングスコアX2を全て計算し、ユーザマッチングスコアX2の総和が最も大きくなる組み合わせとなるようマッチング相手を決定してもよい。
【0132】
また、上記の説明においては、相性度を用いてマッチング処理を行うことを説明した。ここで、相性度の算出手法は、特に限定されるものではなく、周知の技術を用いることができる。例えば、ユーザ情報として記憶される複数の属性のうち、一致しているものを1ポイントとし、他のユーザごとに一致しているポイントを求め、ポイントが高い順に相性度が高いユーザとしてもよい。
【0133】
また、上記の説明においては、相性度と一致率と重複度とに基づいてマッチング相手を決定することを説明したが、これに限定されない。例えば、相性度とは無関係にマッチングを行ってもよい。さらに説明をすると、相性度には基づかず、チャットの時間に関する希望に基づいてマッチングを行う態様としてもよい。この態様においては、ユーザと属性が大きく異なるユーザがマッチング相手となるなど、ユーザにとって意外性のあるマッチング相手が決定され得る。
【0134】
また、上記の説明とは異なり、ユーザから予定確定時間を受け付けない態様でもよい。例えば、チャット開始の5分前など、所定のタイミングなどに、予定時間およびチャット相手が決定され通知する態様でもよい。このことにより、マッチング処理が簡略化される。
【0135】
また、上記の説明とは異なり、時間帯や予定確定時間に、日付情報が含まれてもよい。日付情報を受け付けることにより、ユーザが当日だけでなく、翌日以降のマッチングについてもリクエストすることができる。
【0136】
また、チャット時間になってもマッチングしたユーザがチャットを開始しない場合、すなわちマッチングされたユーザによるキャンセルが発生した場合、マッチング相手にキャンセルをされたユーザ同士においてマッチング処理を行ってもよい。なお、例えば5分前など、予め定めたタイミングで、チャットを開始する意思を確認する通知をユーザに送り、ユーザによる確認が取れない場合には、そのユーザはキャンセルをしたものとして再度マッチング処理を行ってもよい。
【0137】
また、マッチング相手の候補とチャット人数の希望が一致しない場合においては、人数が少ないチャット人数に合わせてチャットに参加する人数を決定してもよい。例えば、対象とするユーザが希望するチャット人数が2人とする。そして、他に2人まで、特定の時間にチャットできるマッチング相手の候補のうち、他のユーザで希望人数が2人以上の人の中から、お互いに時間的にチャット可能なユーザを選んでもよい。もし、この条件を満たすユーザがいない場合には、2人の組み合わせでのマッチングを行う。
【0138】
また、上記の説明においては、画像によってファシリテートを行うことを説明したが、音声などによってファシリテートを行う構成であってもよい。
また、ユーザのマッチング処理を行った結果、重複時間が希望する継続時間よりも短い場合には、予定時間を継続時間よりも短く設定されることを許容しても良い。
【0139】
また、上記の説明においては、ファシリテートを行う際に、ユーザから受け付けた継続時間に基づいてチャットを終わらすことを促す情報を出力することを説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザから受け付けた時間帯、重複時間、予定時間、あるいはこれらと継続時間の組み合わせに基づいて、チャットを終わらすことを促す情報を出力してもよい。
【0140】
また、上記の説明においては、所定時間ごとに再決定処理と仮決定処理とを繰り返し、それを予定確定時間まで行うことを説明したがこれに限定されない。例えば、再決定処理と仮決定処理とを行うことなく、予定確定時間到達した際にユーザマッチングスコアX2等を実行し、マッチング相手を決定してもよい。
【0141】
また、上記の説明においては、個人と個人のマッチングを説明したがこれに限定されない。管理装置10が提供するマッチングサービスとしては、一の利用者と他の利用者とを結び付けるものであればよく、異性や同性との出会いを求める利用者同士を結び付けること、企業と人材とを結び付けることなどが存在する。また、展示会などのイベントにおいて、イベント開催期間中(例えば5日間)に、仕事を依頼する発注者側と仕事を受ける受注者側とを結び付けること、すなわち企業同士の面談(商談)の一つとしてマッチングを行ってもよい。
【0142】
また、ボイスチェンジャー機能としては、ユーザのマイクに対する音声入力に対して、Web Audio API等を使用して音声のピッチシフト加工をした音声データを、ユーザ同士の音声通信に用いてもよい。また、ボイスチェンジャー機能は、チャットの進行中に外すことを許可してもよい。すなわち、チャットが進行するに従い、相手ユーザと自然にチャットしたいと考えるユーザが、ボイスチェンジャー機能を利用している状態から、利用しない状態に切り替えられるようにしてもよい。
【0143】
また、チャット分析部193は、次のようなシステムであってもよい。すなわち、チャット分析部193は、ユーザの入力音声の音量データ、または、音声入力データからインターネットの音声認識API等を利用して得られた、その内容を表すテキストデータの特徴データ、およびテキストベースのチャットでのやりとりの内容を表すテキストデータの特徴データ、等からなるデータ群から、会話がひと段落するタイミング等の検知を行うシステムであってもよい。テキストデータの特徴データとは、自然言語処理の技術等を用いて得られる文章の文書ベクトル等のことである。チャット分析部193による、会話がひと段落するタイミング等の検知を行う処理の例を以下にいくつか示す。
【0144】
まず、ユーザの入力音声の音量データから、一定時間その音量が閾値を下回る状態が続いた場合に、ユーザが音声を入力していないことを検知することができる。システムはこの処理により、ユーザが会話を止めたことを検知し、その結果を出力する。
【0145】
また、テキストデータの特徴データや、ユーザの入力音声の音量データ等のデータについて、機械学習の技術を用いて、会話がひと段落するタイミング(前述)が訪れる際のデータの特徴分布であるかどうかを判定する。具体的には、ある会話の内容(テキストデータの文書ベクトル)、またはユーザの入力音声の音量データ等の入力パラメータに対して、その会話がなされた直後のタイミングが「会話がひと段落する等のタイミング」であるか否かを判定するクラス分類問題として捉える。つまり、この問題に対して教師あり学習により最適化された分類器により、会話がひと段落する等のタイミングである確率の高さを表す数値を出力され、その出力値が閾値を超えた場合に、入力に用いられた会話の直後のタイミングが、会話がひと段落する等のタイミングであると判定し、その結果を出力する。
【0146】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【0147】
情報処理システム1は、システムの一例である。管理装置10は、サーバ装置の一例である。マッチング実行部157は、マッチング部の一例である。詳細情報記憶部137は、複数回受付部の一例である。
【符号の説明】
【0148】
1…情報処理システム、10…管理装置、110…ユーザ情報管理部、130…予約管理部、131…時間帯記憶部、133…継続時間記憶部、135…予定確定時間記憶部、157…マッチング実行部