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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171495
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】共通券システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20221104BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221104BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221104BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/10
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078186
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】511265279
【氏名又は名称】株式会社グッドフェローズ
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】磯部 昌美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049BB21
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】役割の分担および構成要素としての役割を明確にすることで、共通券を組成しやすくし、透明で公平性のある金額配分が可能となる共通券システムを提供すること。
【解決手段】オーソリティーサーバ1の制御部1Aにより、利用施設の利用有効期限の日時を設定し共通券情報の登録をして記憶部1Bに格納するとともにセラー端末2に販売権を委託し、前記オーソリティーサーバ1の前記記憶部1Bは、共通券情報の販売額情報と全販売手数料情報を送受信部1Cより受信してプーリングし、オーソリティーサーバ1は、前記プーリングした販売額情報と全販売手数料情報を、オーソリティーサーバ1と、セラー端末2と、ノミニー端末3と、プロモーション端末4と、システム運営端末5とへ、分配精算方式に合わせてそれぞれに分配してクリアリングする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲスト端末と、共通券情報の組成と前記共通券情報から上がる販売額の精算とに係る情報処理を行うオーソリティーサーバと、前記共通券情報の販売を許可された販売委託先のセラー端末と、前記共通券情報を利用可能な少なくとも一つ以上の施設に係るノミニー端末と、前記共通券情報のプロモーションを行うに当たっての情報制御を行うプロモーション端末と、共通券精算システムの運営を行うシステム運営端末とが、通信ネットワークを介して接続された共通券システムであって、
前記セラー端末は、販売手数料情報と前記共通券情報の販売額情報とを前記オーソリティーサーバに送信し、
前記ノミニー端末は、運営費情報と前記ゲスト端末より取得した前記共通券情報の利用実績情報とを前記オーソリティーサーバに送信し、
前記プロモーション端末は、プロモーション費用情報を前記オーソリティーサーバに送信し、
前記システム運営端末は、前記共通券精算システムのシステム利用料情報を送受信部より送信し、
前記オーソリティーサーバは、
前記共通券情報の販売額情報と、前記共通券情報の利用実績情報と、販売/運営にかかる全販売手数料情報を記憶部に記憶するプーリング手段と、
前記販売額情報と前記全販売手数料情報とを、前記セラー端末と前記ノミニー端末と前記プロモーション端末と前記システム運営端末とに分配精算するクリアリング手段と
を備えたことを特徴とする共通券システム。
【請求項2】
複数の分配精算方式に対応できる前記クリアリング手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の共通券システム。
【請求項3】
前記共通券情報には、IDが付記されていることを特徴とする請求項1または2に記載の共通券システム。
【請求項4】
前記共通券情報は、QRコードもしくはバーコードを含む2次元コード、3次元コード、RFチップを利用したRFIDタグの少なくともいずれかから着券アプリより読み取ることで取得されることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項記載の共通券システム。
【請求項5】
前記販売/運営にかかる全販売手数料情報は、共通券精算組合の管理費情報、前記販売手数料情報、前記運営費情報、前記プロモーション費用情報、前記システム利用料情報のすべてもしくはその一部を含むことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項記載の共通券システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば共通券システムに係り、特に、水族館、遊園地、テーマパーク、展望施設、スキー場、博物館等のチケット施設の共通券システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水族館、遊園地、テーマパーク、展望施設、スキー場、博物館等のチケット施設では、アナログ形式による共通券発行/管理の仕組みが存在する。共通券は、紙で管理を行い、各社の
販売実績、利用実績に関しては自己申告のもと、運営がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、改札口を開閉するゲート装置と、共通券に記録されている情報を読みとる読取装置と、時刻情報を出力する時計装置と、前回の索道利用時刻を共通券毎に記憶する手段とを含み、改札ごとにそのときの時刻と前回の利用時刻との時間差を算出し、この時間差があらかじめ定められた所定時間を超えている場合にゲート装置によって改札口を開く、スキーリフトやスキートーなどの索道の自動改札装置に関する技術思想が存在する。また、この自動改札装置は、複数の会社の運営する索道のいずれをも利用しうる共通券に対して適用され、会社毎にその利用回数を記憶するメモリを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭57-93491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来においては、自由でかつ訴求度の高い商品造成を行う場合、きめ細かくルールを作成し、実際に実施しなければならないところ、公平性の観点から、自由な共通券組成のための共通券精算組合の業務のハードルが高くなっている。しかも、共通券精算組合の運営は、販売実績、利用実績等の様々な要素がグロス管理となっている。また、販売実績及び利用有無に関する管理業務を各社アナログ作業として行っているため、金額配分が透明性及び公平性を欠くものとなっている面が否めない。
【0006】
たとえば、特許文献1においては、複数の会社の運営する索道のいずれをも利用しうる共通券に対して適用され、会社毎にその利用回数を記憶するメモリを有する等、販売実績及び利用有無に関する管理業務を各社アナログ作業として行っているため、金額配分が不透明であって、かつ公平性に欠けるものとなってしまっている。
【0007】
本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、きめ細かくルールを作成することに対しての解決方法として、役割の分担および構成要素としての役割を明確にして、共通券を組成しやすくし、透明で公平性のある金額配分が可能となる共通券システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、本発明の各態様に用いられる用語の定義について説明する。
販売とは、チケットの権利における金銭の受け渡しを指す(チケットの現物の受け渡しは関係しない)ものと定義される。
共通券情報とは、複数の施設のチケットを組み合わせ、造成された電子情報とおよび/またはその電子情報から印刷された商品情報を指すものと定義される。
発券とは、チケット情報の受け渡しを行ったことを指すものと定義される。
利用とは、チケット情報を使用したことを指すものと定義される。
交換とは、委託先の共通券情報(チケット引換券)から施設のチケット情報に引き換えたことを指すものと定義される。
着券とは、施設への入場(入場ゲートを通過)した情報を指すものと定義される。
【0009】
次に、代表的な役割の定義について説明する。ただし、関係する各社が複数の役割を担うことがある。
オーソリティーとは、共通券情報の発行する権利を保持、管理している組合、団体などを指すものと定義される。オーソリティーは、プールした共通券情報の売り上げを精算し、利用実績に応じた施設へ配分する。
セラーとは、共通券情報の販売を許可された販売委託先を指すものと定義される。
ノミニーとは、共通券情報が利用できる施設(施設運営者)を指すものと定義される。
プロモーション会社とは、共通券情報のプロモーションを行う会社を指すものと定義される。
ゲストとは、共通券情報を購入し使用する消費者を指すものと定義される。
システム会社とは、使用するAPIの作成と、共通券システムのプラットフォームの作成および、共通券精算システムの運営を行う共通券システム運営(提供)会社を指すものと定義される。
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る共通券システムは、ゲスト端末と、共通券情報の組成と前記共通券情報から上がる販売額の精算とに係る情報処理を行うオーソリティーサーバと、前記共通券情報の販売を許可された販売委託先のセラー端末と、前記共通券情報を利用可能な少なくとも一つ以上の施設に係るノミニー端末と、前記共通券情報のプロモーションを行うに当たっての情報制御を行うプロモーション端末と、共通券精算システムの運営を行うシステム運営端末とが、通信ネットワークを介して接続された共通券システムであって、前記セラー端末は、販売手数料情報と前記共通券情報の販売額情報とを前記オーソリティーサーバに送信し、前記ノミニー端末は、運営費情報と前記ゲスト端末より取得した前記共通券情報の利用実績情報とを前記オーソリティーサーバに送信し、前記プロモーション端末は、プロモーション費用情報を前記オーソリティーサーバに送信し、前記システム運営端末は、前記共通券精算システムのシステム利用料情報を送受信部より送信し、前記オーソリティーサーバは、前記共通券情報の販売額情報と、前記共通券情報の利用実績情報と、販売/運営にかかる全販売手数料情報を記憶部に記憶するプーリング手段と、前記販売額情報と前記全販売手数料情報とを、前記セラー端末と前記ノミニー端末と前記プロモーション端末と前記システム運営端末とに分配精算するクリアリング手段とを備えて構成される。
【0011】
前記全販売手数料情報は、共通券情報の組成手数料などの共通券精算組合の管理費情報と、セラーの販売手数料情報と、各施設の運営費用情報と、プロモーション会社の共通券情報の広告などのプロモーション費用情報と、システム会社のAPIの作成費用や共通券システムのプラットフォームの作成費用や委託先券種の紐付けなどの共通券精算システムの運営費用などのシステム利用料情報とを特徴としてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様として、上記第1の態様において、複数の分配精算方式に対応できる前記クリアリング手段をさらに具備することとしてもよい。
【0013】
本発明の第3の態様として、上記第1もしくは第2の態様において、前記共通券情報には、IDが付記されているとしてもよい。
【0014】
本発明の第4の態様として、上記第1~第3の態様のうちのいずれかの態様において、前記共通券情報は、QRコードもしくはバーコードを含む2次元コード、3次元コード、RFチップを利用したRFIDタグの少なくともいずれかから着券アプリより読み取ることで取得されるものとしてもよい。
【0015】
本発明の第5の態様として、上記第1~第4の態様のうちのいずれかの態様において、前記販売/運営にかかる全販売手数料情報は、共通券精算組合の管理費情報、前記販売手数料情報、前記運営費情報、前記プロモーション費用情報、前記システム利用料情報のすべてもしくはその一部を含むものとしてもよい。
【0016】
本発明の各態様に係る共通券システムは、オーソリティーサーバは、PCなどの端末でもよい。また、セラー端末、ノミニー端末、プロモーション端末、システム運営端末の各機能は、クラウドサーバで実現されることを特徴としてもよい。
【0017】
本発明の各態様に係る共通券システムは、クラウドサーバで実現する場合に、オーソリティーサーバ、セラー端末、ノミニー端末、プロモーション端末、システム運営端末のそれぞれの記憶部は、クラウドサーバの第1の記憶部、第2の記憶部、第3の記憶部、第4の記憶部、第5の記憶部に分けることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の各態様によれば、役割の分担および構成要素としての役割を明確にすることで、共通券を組成しやすくし、共通券の販売額と関係する会社や組合の手数料などの費用も含め、透明で公平性のある複数の分配精算方式を提供し、販売実績を向上させる共通券システムを構築可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの共通券情報発行に関連する各端末の連携図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシステムの共通券情報販売からあがる販売額と販売/運営にかかる全販売手数料に関連する端末の連携図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシステムの共通券情報販売からあがる販売額と販売/運営にかかる全販売手数料の分配に関連する端末の連携図である。
図4】本発明の一実施形態に係るシステムの共通券情報組成からユーザの施設利用までのイメージ図である
図5】本発明の一実施形態に係るシステムの共通券情報販売から販売額と全販売手数料の分配の流れを示すイメージ図である。
図6】本発明の一実施形態に係るシステムの発行者委託先券種と施設委託先券種の紐付きを示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るシステムの共通券情報のデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る共通券システムについて詳細に説明する。
【0021】
本発明の一実施形態に係る共通券システムは、役割ごとの端末を実施例として説明しているが、各役割がクラウドサーバにあってもよい。また、複数の役割を1つの会社/組合/組織が実行しても良い。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る共通券システムの共通券情報発行に関連する各端末の連携図である。図1に示すように、複数の施設の共通券情報の組成と発行の権利に係る管理を行うためのオーソリティーサーバ1と、共通券情報の販売をゲストに行うことに関連する情報の処理を行うセラー端末2と、ゲストが共通券情報を利用する施設のノミニー端末3と、オーソリティーサーバ1とノミニー端末3との委託先券種情報の紐付けを行うシステム運営端末5と、施設を利用するゲストのゲスト端末6とが通信ネットワークを経由して送受信可能に接続されている。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態に係る共通券システムの共通券情報の販売からあがる販売額と販売/運営にかかる全販売手数料に関連する端末の連携図である。図2に示すように、オーソリティーサーバ1と、セラー端末2と、ノミニー端末3と、共通券情報のプロモーションを行うことに関連する情報の処理を行うプロモーション端末4と、システム運営端末5とが通信ネットワークを経由して送受信可能に接続されている。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に係る共通券システムの共通券情報の販売からあがる販売額と販売/運営にかかる全販売手数料の分配に関連する端末の連携図である。図3に示すように、オーソリティーサーバ1と、セラー端末2と、ノミニー端末3と、共通券情報のプロモーションを行うことに関連する情報の処理を行うプロモーション端末4と、システム運営端末5とが通信ネットワークを経由して送受信可能に接続されている。なお、図3で「分配」と指標されているのは、各端末間で分配(金)の授受が行われることが意味されるものではなく、分配金の分配に伴う情報、或いは該分配を実効有らしめるための情報の授受を示すものである。
【0025】
図1図2図3に示すように、オーソリティーサーバ1は、制御部1Aと、記憶部1Bと、送受信部1Cと、表示部1Dと、入出力部1Eとを備え、セラー端末2は、制御部2Aと、記憶部2Bと、送受信部2Cと、表示部2Dと、入出力部2Eとを備え、ノミニー端末3は、制御部3Aと、記憶部3Bと、送受信部3Cと、表示部3Dと、入出力部3Eとを備え、プロモーション端末4は、制御部4Aと、記憶部4Bと、送受信部4Cと、表示部4Dと、入出力部4Eとを備え、システム運営端末5は、制御部5Aと、記憶部5Bと、送受信部5Cと、表示部5Dと、入出力部5Eとを備えて構成されている。
【0026】
ゲスト端末6は、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、PCなどの通信ネットワークに接続可能な携帯端末をいう。
【0027】
オーソリティーサーバ1は、記憶部1Bに記憶された共通券情報を、送受信部1Cより送信する。こうして送信された共通券情報は、プロモーション端末4において、通信ネットワークを経由して送受信部4Cにより受信され、記憶部4Bに記憶される。送受信部4C、表示部4D、入出力部4Eは、共通券情報のプロモーションを行うことに関連する情報の処理を担う。
【0028】
図4は、本発明の一実施形態に係る共通券システムの共通券情報組成からユーザの施設利用までのイメージ図である。図4に示すように、共通券情報の発行を移譲されたオーソリティーサーバ1は、各施設側(施設A、施設B、施設C、施設D)のノミニー端末3より施設情報を受け取る。そうして得られた施設情報をもとに共通券情報の組成が行われると、かかる共通券情報の組成に係る情報は、共通券情報の販売委託のための情報として、セラー端末2に対して送信される。セラー端末2は、こうして受信した共通券情報の販売委託のための情報を、ゲスト端末6に対して送信する。
【0029】
ノミニー端末3は、記憶部3Bに記憶された施設の料金、利用可能期間情報など共通券情報の発行権を移譲するために必要な施設情報を、制御部3Aと、送受信部3Cと、表示部3Dと、入出力部3Eとにより、通信ネットワークを経由してオーソリティーサーバ1の送受信部1Cに対して送信する。オーソリティーサーバ1は、ノミニー端末3から受信した施設情報を記憶部1Bに記憶する。
【0030】
オーソリティーサーバ1では、制御部1A、表示部1D、入出力部1Eにより、記憶部1Bに記憶された施設情報のうち、共通券情報を移譲された複数のノミニー端末3の施設情報をもとに、商品企画された共通券情報が組成される。こうして組成された共通券情報は、記憶部1Bに記憶される。
【0031】
上記で商品企画とは、価格の設定、利用必須施設の設定、自由選択施設の設定、施設数の個数設定、来場(乗車)回数選択設定、期間の設定を行ったうえで共通券情報を組成することをいう。
【0032】
オーソリティーサーバ1は、記憶部1Bに記憶された共通券情報を、送受信部1Cより送信し、委託先のセラー端末2は、当該送信された共通券情報を通信ネットワークを経由して送受信部2Cより受信し、記憶部2Bに記憶する。また、共通券情報の組成手数料などの共通券精算組合の管理費情報を記憶部2Bに記憶(プーリング)する。
【0033】
ゲスト端末6は、代金の授受がなされたことが確認される旨の情報と引き換えに、QRコード(登録商標)やバーコードなどの2次元コード、3次元バーコード、共通券QRコード等を含み得る、セラー端末2の記憶部2Bに記憶された共通券情報を、表示部2D、入出力部2E、送受信部2Cを経由して受領する。
【0034】
ゲスト端末6は、共通券情報を、上記と代替させて、QRコードやバーコードなどの2次元コード、3次元コード、RFチップを利用したRFIDタグ、等から(たとえば着券アプリにより)読み取ることで取得するようにしてもよい。
【0035】
また、ゲストは実体的に、上記タイミングで紙媒体の共通券情報を入手するものであってもよいが、情報処理の流れとしては、ゲスト端末6の上記挙動となる。
【0036】
セラー端末2はゲスト端末6(モバイル端末、紙媒体も含む)との間で共通券情報の販売に係る情報の授受/処理を行い、利用権を譲渡することに関係する情報の授受/処理を行う。ゲスト端末6は共通券情報により、各施設(施設A、施設B、施設C、施設D)を利用する際の情報処理に関連する。ノミニー端末3は、ゲスト端末6よりの共通券情報を確認し、ゲスト端末6による施設の利用の可否の判断と、利用状況の集計とに関する情報処理を行う。例えば、共通券情報によっては、施設の使用回数等の制限が異なっているものもある。また、利用権利はあるのに、施設Bに対して、ゲストが共通券情報を利用しない場合も、利用していないという情報をオーソリティーサーバ1は入手する。また、ノミニー端末3において、各施設の運営費用に係る情報は制御部3Aのプーリング機能により制御され、記憶部3Bに記憶(プーリング)される。この記憶部3Bに記憶された各施設の運営費用に係る情報は、送受信部3Cにより、通信ネットワークを経由して、オーソリティーサーバ1に対して送信される。オーソリティーサーバ1は、この各施設の運営費用に係る情報を送受信部1Cにより受信する。この受信された各施設の運営費用に係る情報は、制御部1Aのプーリング機能により制御され、記憶部1Bにプーリングされる。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態に係る共通券システムの共通券情報の販売から販売額と全販売手数料の分配の流れを示すイメージ図である。図5に示すように、セラー端末2は、記憶部2Bに記憶されたゲスト端末6より支払われた共通券情報の販売額情報と、販売手数料情報とを、制御部2Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部2Bに記憶(プーリング)するとともに、セラー端末2の送受信部2Cにより、通信ネットワークを経由して、オーソリティーサーバ1に対して送信する。オーソリティーサーバ1は、こうして受信された共通券情報の販売額情報及び販売手数料情報を送受信部1Cより受信し、制御部1Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部1Bにプーリングする。
【0038】
また、オーソリティーサーバ1は、共通券情報の組成手数料などの共通券精算組合の管理費情報を、制御部1Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部1Bにプーリングする。ノミニー端末3は、施設A、施設C、施設Dのゲスト端末6の施設利用情報を記憶部3Bに保存し、この施設利用情報を、送受信部3Cにより、通信ネットワークを経由してオーソリティーサーバ1に対して送信する。オーソリティーサーバ1は、送受信部1Cよりこの施設利用情報を受信し、制御部1Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部1Bにプーリングする。
【0039】
施設利用情報は、共通券情報の使用有無に係る情報、使用回数に係る情報、使用料に係る情報、乗車した乗物の種類に係る情報、チケット代金に係る情報、利用者人数に係る情報、来場者人数に係る情報、施設の経費や運営費に係る情報などのうちの少なくともいずれかを含んで構成される。
【0040】
プロモーション端末4は、記憶部4Bに記憶した共通券情報の広告などのプロモーション費用情報を、制御部4Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部4Bに記憶(プーリング)するとともに、送受信部4Cにより、通信ネットワークを経由して、オーソリティーサーバ1に対して送信する。オーソリティーサーバ1は、このプロモーション費用情報送受信部1Cより受信し、制御部1Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部1Bにプーリングする。
【0041】
システム運営端末5は、記憶部5Bに記憶された本実施形態に係る共通券システムで使用するAPIの作成費用、共通券システムのプラットフォームの作成費用、委託先券種の紐付け費用、共通券精算システムの運営費用などのうち少なくともいずれかを含むシステム利用料情報を、制御部5Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部5Bに記憶(プーリング)するとともに、送受信部5Cにより、通信ネットワークを経由してオーソリティーサーバ1に対して送信する。オーソリティーサーバ1は、このシステム利用料情報を送受信部1Cより受信し、制御部1Aのプーリング機能により制御したうえで、記憶部1Bにプーリングする。
【0042】
オーソリティーサーバ1の制御部1Aは、記憶部1Bにプーリングされた、共通券情報の販売額情報と、販売/運営にかかる全販売手数料情報とを、定められた方式により、オーソリティーサーバ1と、セラー端末2と、ノミニー端末3と、プロモーション端末4と、システム運営端末5とに、分配精算するクリアリング機能を備える。
【0043】
セラー端末2は、オーソリティーサーバ1より分配精算された金額情報を送受信部2Cによって受信し、記憶部2Bに記憶された販売額情報と、販売手数料情報とを制御部2Aによってクリアリングする。
【0044】
ノミニー端末3は、オーソリティーサーバ1より分配精算された金額情報を送受信部3Cによって受信し、記憶部3Bに記憶された施設利用情報を制御部3Aによってクリアリングする。
【0045】
プロモーション端末4は、オーソリティーサーバ1より分配精算された金額情報を送受信部4Cによって受信し、記憶部4Bに記憶されたプロモーション費情報を、制御部4Aによってクリアリングする。
【0046】
システム運営端末5は、オーソリティーサーバ1より分配精算された金額情報を送受信部5Cによって受信し、記憶部5Bに記憶されたシステム利用料情報を、制御部5Aによってクリアリングする。
【0047】
分配精算方式として、以下の3つを例として挙げる。しかし、他の方式であってもよいものとする。
1)発行精算方式(ノミニー端末3が、ゲスト端末6より共通券情報を入手し、チケットに交換することに対する精算方式で、交換後はキャンセル不可である。共通券IDが採番された時点で債権債務が発生する分配精算方式である。)
2)発券精算方式(ゲスト端末6が、セラー端末2より共通券情報を入手したことに対する販売実績に基づく精算方式で、ゲスト端末が共通券情報を入手後でもキャンセル可である。共通券IDが採番された時点で債権債務が発生するが、施設で共通券情報からチケットに交換する前まで売上金額ステータスは可変となる分配精算方式である。)
3)着券精算方式(ノミニー端末3が、ゲスト端末6による施設の使用実績に基づく情報による精算方式であり、共通券情報(チケット)が使用されて初めて債権債務が発生する。)
【0048】
たとえば、3)の着券精算方式の場合、オーソリティーサーバ1は、ノミニー端末3より共通券情報の使用有無、使用回数、手数料、使用料、乗車した乗り物の種類(例えば、ゴンドラ、リフトに応じて分配ポイントが異なる)などの施設利用情報を取得し、記憶部1Bにプーリングされた販売額情報から、着券精算方式の分配率により分配精算された金額情報を、送受信部1Cにより、通信ネットワークを経由してノミニー端末3に対して送信する。ノミニー端末3は、送受信部3Cより上記施設利用情報を受信し、記憶部3Bに記憶された施設利用情報を制御部3Aによりクリアリングする。
【0049】
共通券情報に造成するチケットの種類には、1回券、回数券、1日券、2日以上有効な複数日券、スキーシーズン中有効等のシーズン券、年間パスポート等がある。セラー端末2は、チケットの発券(販売)の都度又は「一日1回」などの特定のタイミングで、発券(販売)データを、送受信部2Cにより、通信ネットワークを経由して、オーソリティーサーバ1に対して送信する。発券(販売)データを受信したオーソリティーサーバ1では、記憶部1Bに売上金額データと販売手数料データとがプーリングデータ(販売額情報及び販売手数料情報)として蓄積される。一方、チケットが使用されると、ノミニー端末3において使用(着券)の都度又は一日1回等の設定したインターバルで、着券(使用)実績情報が、送受信部3Cにより通信ネットワークを経由してオーソリティーサーバ1に対して送信される。オーソリティーサーバ1では、受信した着券(使用)実績情報が記憶部1Bにクリアリングデータ(施設利用情報)として蓄積される。
【0050】
販売(発券)して蓄積されたプーリングデータ及び着券クリアリングデータを元に精算分配が計算/処理される。共通券情報(チケット)は一般に有効期限が到来後に初めて確定値が算出される。シーズン券や年間パスポートなどのように有効期限が長期に渡る共通券情報(チケット)については、指定の期間で何度か仮確定し、シーズン終了後に確定値が算出されて精算されるようにしてもよい。
【0051】
また、事前に着券1回に付き幾らと単価が決まった分配計算もあるが、スキー場リフトのように天候によって1日券の総乗車回数が変動するような共通券情報(チケット)の場合は、総乗車回数から単価を割り出して分配計算する方式であってもよい。
【0052】
図6は、本発明の一実施形態に係る発行者委託先券種と施設委託先券種との紐付きを示す図である。図6に示すように、発行者登録、発行者共通券委託先登録、施設登録に使用される。同図において、発行者IDは、「09001」であるとして指標されており、これは「共通券組合A」を示し、施設Aの施設IDは、「00903」であるとして指標され、施設Bの施設IDは「00912」であるとして指標される。共通券組合A(ID09001)の委託先として特定される先が「○△周遊バス」である場合の委託先IDは「1000」であり、共通券大人の券種IDは、「00001」であるとして指標される。施設Aの委託先〇△周遊バス組合Aの委託先IDは、「1100」であり、大人の券種IDは「00101」であるとして指標される。施設Bの組合Aの委託先IDは「1000」であり、共通大人Aの券種IDは「00011」であるとして指標される。
【0053】
オーソリティーサーバ1及びノミニー端末3において、全体的にはユニークなIDで管理されるのに対し、オーソリティーサーバ1及びノミニー端末3で管理される委託先ID及び券種IDは、それぞれの端末内で個別のIDにより管理される。
【0054】
ID:00903の施設Aのノミニー端末3は、送受信部3Cより、記憶部3Bに記憶された、ID:「00903」と、委託先ID:「1100」と、施設情報とを、通信ネットワークを経由して、オーソリティーサーバ1に対して送信する。ID:00912の施設Bのノミニー端末3は、送受信部3Cにより、記憶部3Bに記憶された、ID:「00912」と、委託先ID:「1000」と、施設情報とを、通信ネットワークを経由して、オーソリティーサーバ1に対して送信する。
【0055】
オーソリティーサーバ1は、制御部1A、表示部1D、入出力部1Eにおいて、送受信部1Cより受信したID:「00903」、ID:「00912」の施設情報と、委託先ID:「1100」、委託先ID:「1000」とにより、商品企画された共通券情報を組成し、こうして組成された共通券情報は記憶部1Bに記憶される。
【0056】
システム運営端末5は、送受信部5Cより受信したオーソリティーサーバ1のID:「09001」、委託先ID:「1000」、券種ID:「00001」と、ノミニー端末3のID:「00903」、委託先ID:「1100」、券種ID:「0010」と、ノミニー端末3のID:「0912」、委託先ID:「1000」、券種ID:「0011」との紐づけを、表示部5D、入出力部5E、制御部5Aにおいて行い、記憶部5Bに保存する。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係るシステムの共通券情報のデータ構成を示す図である。同図に示すように、商品企画された共通券情報は、基本情報として、会社、発行者、委託先、商品コード、商品名称、商品名称フリガナ、商品番号等の情報(のすべてもしくは一部)をもって構成される。券種情報は、施設名、委託先名、商品名、基準単価、主要施設であるかないか、販売単価、利用可能施設数等の情報(のすべてもしくは一部)をもって構成される。オーソリティーサーバ1は、表示部1D、入出力部1E、制御部1Aにより、共通券情報を組成し、記憶部1Bに記憶する。
【0058】
さらに、共通券情報には、例えば大型テーマパークに追加して、周辺3施設中のうちの2施設を利用できる共通券等の利用施設設定と、例えば固定日指定が10月末まで有効、購入日からの相対日が例えば購入後1ヶ月有効、初回利用日からの相対日が例えば初回施設利用日から3日間有効、等の有効期間設定を行う(図示せず)。
【0059】
オーソリティーサーバ1は、制御部1A、表示部1D、入出力部1Eによって、記憶部1Bに記憶された共通券情報の販売先のセラー端末2の選択に基づいて、共通券情報の販売の可不可に係る情報を設定し、記憶部1Bにかかる設定結果に係る情報を記憶する。
【0060】
共通券情報の販売を許可されたセラー端末2は、オーソリティーサーバ1の送受信部1Cより、通信ネットワークを経由して送信された共通券情報を送受信部2Cで受信し、記憶部2Bに記憶する。
【0061】
オーソリティーサーバ1は、表示部1E及び入出力部1Eにより、共通券情報の精算の締めの期間に係る情報、分配精算方式の条件に係る情報等の設定を行い、記憶部1Bに記憶する。
【0062】
オーソリティーサーバ1、セラー端末2、ノミニー端末3は、共通券情報の販売実績情報、利用実績情報、着券実績情報を確認することができ、共通券情報の販売枠の調整に係る情報制御も可能である。ノミニー端末3は、場内券(単独チケット)情報及び共通券情報の双方ともに表示部3Dに表示でき、リアルタイムに確認が行える。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態では、役割の分担および構成要素としての役割を明確にすることで、共通券情報を組成しやすくし、透明で公平性のある金額配分が可能となる共通券システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 オーソリティーサーバ
2 セラー端末
3 ノミニー端末
4 プロモーション端末
5 システム運営端末
6 ゲスト端末
1A、2A、3A、4A、5A、6A 制御部
1B、2B、3B、4B、5B、6B 記憶部
1C、2C、3C、4C、5C、6C 送受信部
1D、2D、3D、4D、5D、6D 表示部
1E、2E、3E、4E、5E、6E 入出力部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7