(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171497
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】バッテリシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20221104BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20221104BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/02 G
H02J1/00 304E
H02J1/00 304H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078188
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】520321535
【氏名又は名称】株式会社知財事業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】大賀 信幸
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5G165DA02
5G165EA02
5G165EA07
5G165GA09
5G165JA04
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA04
5G503EA05
5G503FA06
5G503FA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1台のバッテリを複数のバッテリコアと制御部から構成することにより、バッテリコアごとの充放電を可能とすることで、利便性の高いバッテリシステムを提供する。
【解決手段】バッテリシステムBは、複数のバッテリコア1と、複数のバッテリコアからの出力を制御するための制御部2とを備える。各バッテリコアは、定常状態で所定の電力を出力する。制御部は、複数のバッテリコアのうち、いずれか1つから選択的に電力を出力させ、当該バッテリコアの電力消費により出力が不足する前に次のバッテリコアから電力を出力させるように切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリコアと、
前記複数のバッテリコアからの出力を制御するための制御部とを備え、
各バッテリコアは、定常状態で所定の電力を出力し、
前記制御部は、前記複数のバッテリコアのうち、いずれか1つから選択的に電力を出力させ、当該バッテリコアの電力消費により出力が不足する前に次のバッテリコアから電力を出力させるように切り替えることを特徴とする、バッテリシステム。
【請求項2】
前記制御部は、バッテリコアの出力を検知し、電力を出力させるバッテリコアを選択する、請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項3】
前記複数のバッテリコアは、個別に取り外し可能であり、
前記制御部は、前記取り外されたバッテリコア以外の前記複数のバッテリコアから、電力を出力させるように切り替えることを特徴とする、請求項1または2に記載のバッテリシステム。
【請求項4】
前記請求項1~3に記載のバッテリシステムを搭載した電気機器を含む電力システムであって、
電力消費により出力が不足する前記バッテリコアを取り外し、
前記取り外したバッテリコアを電力消費装置から切り離して充電可能である、電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を蓄電する複数のバッテリユニットを備えるバッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、二次電池、蓄電池等で称呼される、電力を繰り返し充放電できるバッテリがある。このようなバッテリは、携帯電話やノートパソコン、デジタルカメラやビデオ、携帯音楽プレイヤーなど、小型の電子・電気機器の電源として利用されている。
【0003】
ところで、近年の脱炭素社会を実現するため、ガソリンをエネルギー源とする自動車をハイブリッド車や電気自動車といった「電動車」にするという流れがある。そのような背景もあり、電動車の充放電に関する技術革新が大きく進んでいる。
【0004】
例えば、特許1に記載には、外部の電力系統に接続可能な少なくとも1つの電力変換器と、前記電力変換器に接続されたDCバスと、前記DCバスに接続された複数のDC/DC変換器と、蓄電池に接続可能な複数のコネクタと、前記複数のDC/DC変換器のそれぞれに接続され、対応するDC/DC変換器と前記コネクタとの接続を切り替える複数の切替器と、前記電力変換器、前記DC/DC変換器、および前記切替器を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のDC/DC変換器のうちで電流の供給を行っていないDC/DC変換器があり、かつ、前記複数のDC/DC変換器から供給している電流の総量が電流閾値以下であるか否かを判定し、前記電流の供給を行っていないDC/DC変換器があり、かつ、前記電流の総量が前記電流閾値以下である場合には、前記電流の供給を行っていないDC/DC変換器と、充電を開始する蓄電池に接続された前記コネクタとの接続を、前記切替器により切り替え、前記電流の供給を行っていないDC/DC変換器から、前記充電を開始する蓄電池に、充電電流の供給を開始し、前記判定、前記切り替えおよび前記充電電流の供給開始を繰り返して、前記複数のコネクタのそれぞれに接続された蓄電池を順次充電するように構成され、前記充電電流の電流量は、前記電力変換器から供給可能な最大電流量から所定の電流量を減じた電流量であり、前記所定の電流量は、前記電流閾値以上である、充電装置が記載されている。
【0005】
この充電装置によれば、効率的かつ短時間で複数の蓄電池の充電を完了でき、かつ、蓄電池の良好な状態を維持することができる充電装置および充電方法を提供することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の充電装置は、複数の蓄電池(バッテリ)を効率的に充電するものではあり、複数のバッテリの使用(放電)は、各バッテリを搭載した電気自動車ごとに行われる。すなわち、1台の電気自動車は1つのバッテリを備え、効率よくバッテリを充電することを目的とするものである。
【0008】
本発明に係るバッテリシステムの発明者は、上記のような充電システムに鑑み、1台のバッテリを複数のバッテリコアと制御部から構成することにより、バッテリコアごとの充放電を可能とすることで、利便性のバッテリシステムを提供できるとの知見を得た。さらに、当該バッテリシステムは、バッテリコアごとに取り外し可能とすることで、バッテリコアを取り外した充電も可能とできる。
【0009】
(1)本発明に係るバッテリシステムは、複数のバッテリコアと、前記複数のバッテリコアからの出力を制御するための制御部とを備え、各バッテリコアは、定常状態で所定の電力を出力し、前記制御部は、前記複数のバッテリコアのうち、いずれか1つから選択的に電力を出力させ、当該バッテリコアの電力消費により出力が不足する前に次のバッテリコアから電力を出力させるように切り替えることを特徴とする。
【0010】
このバッテリシステムによれば、制御部が、いずれか1つから選択的に電力を出力させ、当該バッテリコアの電力消費により出力が不足する前に次のバッテリコアから電力を出力させるように切り替えることにより、バッテリコアごとに放電が行われる。これにより、各バッテリコアごとの取り換えが可能となり、利便性の高いバッテリシステムを提供できる。
【0011】
(2)前記したバッテリシステムにおいて、前記制御部は、バッテリコアの出力を検知し、電力を出力させるバッテリコアを選択してもよい。そのようにすれば、バッテリコアごとに出力の可否を検知して出力が可能となるため、確実なバッテリの供給が可能となる。
【0012】
(3)前記したバッテリシステムにおいて、前記複数のバッテリコアは、個別に取り外し可能であり、前記制御部は、前記取り外されたバッテリコア以外の前記複数のバッテリコアから、電力を出力させるように切り替えるようにしてもよい。そのようにすれば、バッテリシステムは、バッテリコアが取り外された状態でも機能し、取り外したバッテリコアを充電しながら、他のバッテリコアから電力を供給することができる。
【0013】
(4)本発明に係る電力システムは、前記したバッテリシステムを搭載した電気機器を含む電力システムであって、電力消費により出力が不足する前記バッテリコアを取り外し、前記取り外したバッテリコアを電力消費装置から切り離して充電可能であってもよい。そのようにすれば、バッテリコアが取り外された状態でも他のバッテリコアから電力消費装置に電力を供給することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利便性の高いバッテリシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るバッテリシステムBおよび電力システムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1に示すように、バッテリシステムBは、複数のバッテリコア1と、前記複数のバッテリコア1からの出力を制御するための制御部2とを備える。本実施形態において、複数のバッテリコア1は、並列に接続されており、各バッテリコア1から一対の端子Tとに電力を供給できる。制御部2は、各バッテリコア1に接続しており、各バッテリコア1を独立して制御することができる。
【0020】
バッテリコア1は、定常状態で所定の電力を出力する。バッテリコア1は、電力を充放電する、いわゆる蓄電池だけでもよいし、少なくとも1つの蓄電池にMCU(Micro Controller Unit)やMPU(Micro Processor Unit)などを含む制御装置を備えたバッテリモジュールであってもよい。
【0021】
制御部2は、CPU(演算装置)、メモリ等を含み各バッテリコア1と一対の端子Tとの接続を制御する。すなわち、制御部2は、各バッテリコア1を一対の端子TとをON/OFFすることができる。また、本実施形態において、制御部2は、各バッテリコア1の出力を検出することができ、各バッテリコア1の電力消費量を測定することができる。これにより、制御部2は、バッテリコア1の電力消費により出力が不足する前に次のバッテリコア1から電力を出力させるように切り替えることができる。
【0022】
図2に示すように電力システムは、バッテリシステムBと、電力消費装置Uを含む。電力消費装置Uは、家電製品や、スマートフォン、電気自動車等の電力を消費する機器である。バッテリシステムBは、このような電力消費装置Uに組み込まれ、電力源として機能する。バッテリシステムBは、電力消費装置Uに応じて直流電力、交流電力および電圧値を変えることができるように、AD-DC変換、DC-DC変換のコンバータ等(図示しない)を備える。
【0023】
図3に示すように、バッテリシステムBは、各バッテリコア1を取り外し可能に構成されている。本実施形態において、バッテリシステムBは、箱状に形成されており、概略直方体の外形を有する複数のバッテリコア1を収容する。バッテリシステムBは、少なくとも1つのバッテリコア1を取り外した状態であっても他のバッテリコア1から外部に電力を供給できる。なお、バッテリシステムBは、バッテリコア1が取り付けられた状態を維持するロック機構を備えていてもよい。その場合、バッテリコア1は、ロック機構を解除した状態で取り外される。
【0024】
バッテリシステムBは、制御部2が、各バッテリコア1が出力される回数が均等になるように電力を出力させるバッテリコア1を選択するようにしてもよい。
【0025】
以上、本実施形態に係るバッテリシステムBと電力システムとについて説明した。ただし、バッテリシステムBと電力システムとは上記の実施形態に限定されず、発明の目的を達成する範囲で他の構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、家電製品や、スマートフォン、電気自動車等の電力を消費する機器電力供給に利用できる。
【符号の説明】
【0027】
B バッテリシステム
T 端子
U 電力消費装置U
1 バッテリコア
2 制御部