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特開2022-17150マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル、マイクロ発光ダイオードディスプレイ装置、および指紋識別方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017150
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル、マイクロ発光ダイオードディスプレイ装置、および指紋識別方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/12 20060101AFI20220118BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20220118BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220118BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20220118BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H01L31/12 E
H01L33/48
G06F3/041 412
G06F3/042 472
G06T1/00 400G
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020183513
(22)【出願日】2020-11-02
(31)【優先権主張番号】16/926,902
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】謝 錦全
(72)【発明者】
【氏名】毛 新惟
【テーマコード(参考)】
5B047
5F142
5F889
【Fターム(参考)】
5B047AA25
5B047AA27
5B047BB01
5B047BC01
5B047BC04
5B047BC12
5B047CB22
5F142BA32
5F142CB23
5F142CD02
5F142CG32
5F142DB02
5F142DB18
5F142DB22
5F142DB24
5F142GA01
5F889AA10
5F889AB01
5F889AC16
5F889CA06
5F889FA06
5F889FA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】指紋検出機能付きマイクロLEDディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】マイクロLEDディスプレイ装置は、マイクロLEDディスプレイパネル10、読み出し回路、およびコントローラを含む。マイクロLEDディスプレイパネル10は、基板40、および基板上に配置された駆動層41を含む。駆動層は、マイクロLED、およびフォトセンサを含む。マイクロLEDがユーザの指に光を放射したとき、フォトセンサが感知信号を生成する。コントローラは、出力信号に従って指紋判定動作を実行して、指の指紋を検出する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、および
前記基板上に配置された駆動層を含み、
前記駆動層は、
マイクロLED、および
フォトセンサを含み、
前記マイクロLEDがユーザの指に光を放射したとき、前記フォトセンサが感知信号を生成するマイクロLEDディスプレイパネル。
【請求項2】
前記駆動層上に配置されたカバーガラス、および
前記カバーガラスと前記駆動層との間に配置され、前記フォトセンサの上に配置された導光板を含む導光層をさらに含む請求項1に記載のマイクロLEDディスプレイパネル。
【請求項3】
前記マイクロLEDは、第1の半導体層上に形成される発光層を含み、
前記フォトセンサは、第2の半導体層に形成され、
前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層の上に形成され、
前記マイクロLEDは、表示信号を受信し、前記表示信号に従って発光するように構成される請求項1に記載のマイクロLEDディスプレイパネル。
【請求項4】
前記マイクロLEDは、第1の半導体層上に形成される発光層を含み、
前記フォトセンサは、金属層、ゲート絶縁層、活性層、および電極層を含み、
前記マイクロLEDは、表示信号を受信し、前記表示信号に従って発光するように構成される請求項1に記載のマイクロLEDディスプレイパネル。
【請求項5】
前記マイクロLEDは、第1の半導体層上に形成される発光層を含み、
前記フォトセンサは第2の半導体層に形成され、
前記マイクロLEDは、表示信号を受信し、前記表示信号に従って発光するように構成される請求項1に記載のマイクロLEDディスプレイパネル。
【請求項6】
前記駆動層は、
表示信号を前記マイクロLEDに送信するように構成され、金属層、ゲート絶縁層、活性層、第1の電極層を含み、前記マイクロLEDは前記第1の電極層上に形成される、第1のトランジスタ、
前記マイクロLEDと第1のスイッチの上に形成された透明フィルム、および
前記透明フィルム上に形成され、且つ前記フォトセンサに結合され、金属層、ゲート絶縁層、活性層、第2の電極層を含む第2のトランジスタをさらに含み、
前記フォトセンサは前記第2の電極層上に形成される請求項1に記載のマイクロLEDディスプレイパネル。
【請求項7】
前記駆動層は、
表示信号を前記マイクロLEDに送信するように構成され、金属層、ゲート絶縁層、活性層、第1の電極層を含み、前記マイクロLEDは前記第1の電極層上に形成される、第1のトランジスタ、および
前記フォトセンサに結合され、前記金属層、前記ゲート絶縁層、前記活性層、前記第1の電極層を含む第2のトランジスタをさらに含み、
前記フォトセンサは前記第1の電極層上に形成される請求項1に記載のマイクロLEDディスプレイパネル。
【請求項8】
マイクロLEDディスプレイ装置であって、
複数の第1の駆動信号を提供するように構成された第1のゲートドライバ、
複数の表示信号を提供するように構成されたソースドライバ、
複数の第2の駆動信号を提供するように構成された第2のゲートドライバ、および
前記複数の第1の駆動信号、前記複数の表示信号、および前記複数の第2の駆動信号によって制御されたマイクロLEDディスプレイパネルを含み、前記マイクロLEDディスプレイパネルは、
基板、および
前記基板上に配置され、複数のセルを含む駆動層を含み、
各セルは、前記複数の第1の駆動信号の1つ、前記複数の表示信号の1つ、および前記複数の第2の駆動信号の1つを受信し、各セルは、
マイクロLED、および
光を検出し、前記検出した光に従って感知信号を生成するように構成されたフォトセンサ、
前記マイクロLEDディスプレイパネルに結合され、前記感知信号に従って出力信号を生成するように構成された読み出し回路、および
前記第1のゲートドライバ、前記ソースドライバ、および前記第2のゲートドライバを制御し、且つ前記出力信号に従って指紋判定動作を実行するように構成されたコントローラを含み、
前記マイクロLEDの少なくとも1つがユーザの指に光を放射したとき、前記フォトセンサの少なくとも1つは、前記指からの反射光に従って前記対応する感知信号を生成し、前記コントローラは、前記出力信号に従って指紋判定動作を実行して、前記指の指紋を検出するマイクロLEDディスプレイ装置。
【請求項9】
マイクロLEDパネルは複数のセルを含み、各セルはマイクロLEDを含むマイクロLEDパネル用の指紋識別方法であって、
指が前記マイクロLEDディスプレイパネルの領域に接近したときに応じて、前記マイクロLEDディスプレイパネル上の前記指の位置を取得するステップ、
前記マイクロLEDディスプレイパネルの前記領域にある前記セルのマイクロLEDを駆動して発光させるステップ、
前記マイクロLEDによって放射された光に応じて前記指の指紋を取得するステップ、および
前記取得した指紋が所定のパターンと一致するか否かを判定するステップを含む指紋識別方法。
【請求項10】
前記取得した指紋が前記所定のパターンに一致することに応じて、特定の機能を実行するステップをさらに含む請求項9に記載の指紋識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイ装置に関するものであり、特に、指紋検出機能付きマイクロLEDディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯用電子機器および電子取引の開発に伴い、個人識別および個人情報セキュリティがますます重要になっている。人間の指紋の一意性と不変性により、指紋識別技術は優れた安全性と高い信頼性を提供する。指紋識別機能付きの従来の電子機器には、指紋検出用の特定のパネルがある。特定のパネルの配置は、電子機器の大きさを増加させる。また、特定のパネルは入力インターフェースとして機能できない。指紋識別機能を備えた他のいくつかの従来の電子装置では、光電子感知パネルがディスプレイパネル上に配置される。しかしながら、ディスプレイパネルから放射された光は、光電子感知パネルによって遮断される可能性があり、その結果、ディスプレイパネルの輝度が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
指紋検出機能付きマイクロLEDディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイパネルの例示的な実施形態が提供される。マイクロLEDディスプレイパネルは、基板および駆動層を含む。駆動層は、基板上に配置される。駆動層は、マイクロLEDとフォトセンサを含む。マイクロLEDがユーザの指に光を放射したとき、フォトセンサが感知信号を生成する。
【0005】
マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイ装置の例示的な実施形態が提供される。マイクロLEDディスプレイ装置は、第1のゲートドライバ、ソースドライバ、第2のゲートドライバ、マイクロLEDディスプレイパネル、読み出し回路、およびコントローラを含む。第1のゲートドライバは、複数の第1の駆動信号を提供するように構成される。ソースドライバは、複数の表示信号を提供するように構成される。 第2のゲートドライバは、複数の第2の駆動信号を提供するように構成される。マイクロLEDディスプレイパネルは、複数の第1の駆動信号、複数の表示信号、および複数の第2の駆動信号によって制御される。マイクロLEDディスプレイパネルは、基板および駆動層を含む。 駆動層は、基板上に配置される。駆動層は複数のセルを含む。 各セルは、複数の第1の駆動信号の1つ、複数の表示信号の1つ、および複数の第2の駆動信号の1つを受信する。各セルは、マイクロLEDおよびフォトセンサを含む。フォトセンサは、光を検出し、検出した光に従って感知信号を生成するように構成される。読み出し回路は、マイクロLEDディスプレイパネルに結合され、感知信号に従って出力信号を生成するように構成される。コントローラは、第1のゲートドライバ、ソースドライバ、および第2のゲートドライバを制御し、且つ出力信号に従って指紋判定動作を実行するように構成される。マイクロLEDの少なくとも1つがユーザの指に光を放射したとき、フォトセンサの少なくとも1つは、指からの反射光に従って対応する感知信号を生成し、且つコントローラは、出力信号に従って指紋判定動作を実行して、指の指紋を検出する。
【0006】
マイクロ発光ダイオード(LED)パネル用の指紋識別方法の例示的な実施形態が提供される。マイクロLEDパネルは複数のセルを含み、各セルはマイクロLEDを含む。指紋識別方法は、指がマイクロLEDディスプレイパネルの領域に接近したときに応じて、マイクロLEDディスプレイパネル上の指の位置を取得するステップ、マイクロLEDディスプレイパネルの領域にあるセルのマイクロLEDを駆動して発光させるステップ、マイクロLEDによって放射された光に応じて指の指紋を取得するステップ、および取得した指紋が所定のパターンと一致するか否かを判定するステップを含む。
【0007】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明及び例を読むことで、より完全に理解することができる。
図1図1は、マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイ装置の例示的な実施形態を示している。
図2図2は、セルの回路構造の1つの例示的な実施形態を示している。
図3図3は、セルの回路構造のもう1つの例示的な実施形態を示している。
図4A図4Aは、マイクロLEDディスプレイパネルの例示的な実施形態の断面図を示している。
図4B図4Bは、例示的な実施形態による、導光層上の導光板を示す概略図である。
図5図5は、マイクロLEDパネルの駆動層の1つの例示的な実施形態の断面図を示している。
図6図6は、マイクロLEDパネルの駆動層のもう1つの例示的な実施形態の断面図を示している。
図7図7は、マイクロLEDパネルの駆動層のもう1つの例示的な実施形態の断面図を示している。
図8図8は、指紋識別方法の例示的な実施形態のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上述の説明では、本発明を実施するベストモードを開示している。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のものであり、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参考にして決定される。
【0010】
図1は、マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイ装置の例示的な実施形態を示している。図1に示されるように、マイクロLEDディスプレイ装置1は、マイクロLEDディスプレイパネル10、コントローラ11、ゲートドライバ12と13、ソースドライバ14、および読み出し回路15を含む。マイクロLEDディスプレイパネル10は、行および列上に配置されてアレイを形成する複数のセル100を含む。各セル100は、マイクロLED(図2に示されるマイクロLED22または図3に示されるマイクロLED32など)およびフォトセンサ(図2に示されるフォトセンサ23または図3に示されるフォトセンサ33など)を含む。ソースドライバ14は、複数のデータ線DLを介して表示信号S14をそれぞれ提供し、同じ列のセルは同じデータ線DLに結合される。ゲートドライバ13は、複数のワード線WLを介してマイクロLEDディスプレイパネル10に駆動信号S13をそれぞれ提供し、同じ行のセルは同じワード線WLに結合される。読み出し回路15は複数のビット線BLを介してマイクロLEDディスプレイパネル10に結合され、同じ列のセルは同じビット線に結合される。コントローラ11は、アドレス信号ADD10に従ってゲートドライバ12およびソースドライバ14を制御して、駆動信号S12のタイミングおよび表示信号S14のタイミングを決定する。コントローラ11は、アドレス信号ADD11に従ってゲートドライバ13を制御して、駆動信号S13のタイミングも決定する。読み出し回路15は、ビット線BLを介してセル100によって生成された感知信号S100を受信し、受信した感知信号S100に従って出力信号S15を生成する。1つの感知信号は、対応するセルによって感知された光のレベルを示す。読み出し回路15は、出力信号S15をコントローラ11に送信する。コントローラ11は、出力信号S15に従って、指紋判定動作またはタッチ判定動作を実行することができる。
【0011】
図2は、セルの回路構造の1つの例示的な実施形態を示している。実施形態によれば、図1のセル100のそれぞれは、 図2に示されたセル100Aの回路構造を有する。図2に示すように、セル100Aは、スイッチ20と21、マイクロLED22、およびフォトセンサ23を含む。実施形態では、フォトセンサ23は、フォトダイオード230により実現される。スイッチ20は、トランジスタ200を含む。トランジスタ200のゲート電極は、対応するスキャン線SLに結合され、その入力電極(ソースまたはドレイン)は、対応するデータ線DLに結合され、且つその出力端子(ドレインまたはソース)は、マイクロLED22のアノードに結合される。マイクロLED22のカソードは、接地GNDに結合される。スイッチ21は、トランジスタ210を含む。トランジスタ210のゲート電極は、対応するワード線WLに結合され、その入力電極(ソースまたはドレイン)は、フォトダイオード230のカソードに結合され、且つその出力電極(ドレインまたはソース)は、対応するビット線BLに結合される。
【0012】
図3は、セルの回路構造のもう1つの例示的な実施形態を示している。実施形態によれば、図1のセル100のそれぞれは、 図3に示されたセル100Bの回路構造を有する。図3に示すように、セル100Bは、スイッチ30と31、マイクロLED32、およびフォトセンサ33を含む。実施形態では、フォトセンサ33は、フォトダイオード330により実現される。スイッチ30は、トランジスタ300と301を含む。トランジスタ300のゲート電極は、対応するスキャン線SLに結合され、その入力電極(ソースまたはドレイン)は、対応するデータ線DLに結合され、且つその出力端子(ドレインまたはソース)は、ノードN30に結合される。トランジスタ301のゲート電極はノードN30に結合され、その入力電極(ソースまたはドレイン)は、ノードN30および供給電力Vddに結合され、且つその出力端子(ドレインまたはソース)は、マイクロLED32のアノードに結合される。マイクロLED32のカソードは、接地GNDに結合される。スイッチ31は、トランジスタ310~312を含む。トランジスタ310のゲート電極は、リセット信号RSTを受信し、その入力電極(ソースまたはドレイン)は、リセット電圧Vrstを受け、且つその出力電極(ドレインまたはソース)は、フローティングノードN31でフォトダイオード330のカソードに結合される。フォトダイオード330のアノードは接地GNDに結合される。トランジスタ311のゲート電極は、フローティングノードN31に結合され、その入力電極(ソースまたはドレイン)は供給電力Vddに結合され、その出力電極(ドレインまたはソース)はノードN32に結合される。トランジスタ312のゲート電極は、対応するワード線WLに結合され、その入力電極(ソースまたはドレイン)は、ノードN32に結合され、且つその出力電極(ドレインまたはソース)は、対応するビット線BLに結合される。
【0013】
上述の実施形態によれば、セルのマイクロLED22/32がユーザの指に光を放射したとき、セルのフォトセンサ23/33は、指からの反射光を感知し、対応する感知信号S100は、反射光に従って、フォトセンサ23/33およびスイッチ21/31の動作を介して生成される。従って、いくつかのセルが指に光を放射したとき、指からの各反射光に応じてこれらのセルが生成した感知信号S100は、指の指紋を示すことができる。読み出し回路15は、セルからの感知信号S100に従って出力信号S15を生成し、コントローラ11は、出力信号S15に従って指紋判定動作を実行して、指の指紋を判定し、指紋を識別する。
【0014】
図4Aは、図1に示された断面線A-Aに沿ったマイクロLEDディスプレイパネル10の例示的な実施形態の断面図を示している。図4Aに示されるように、LEDディスプレイパネル10は、基板40、駆動層41、導光層42、およびカバーガラス43を含む。基板40は、マイクロLEDディスプレイパネル10用に提供される。駆動層41は、基板40上に形成される。図2の実施形態では、各セル100のスイッチ20と21、マイクロLED22、およびフォトセンサ23は、駆動層41に形成される。図3の実施形態では、各セル100のスイッチ30と31、マイクロLED32、およびフォトセンサ33は、駆動層41に形成される。導光層42は、駆動層41上に形成される。導光層42は、複数の導光板を含み、各導光板は、1つのセルのフォトセンサと重なる。カバーガラス43は、導光層42上に形成される。マイクロLEDディスプレイ装置1が動作するとき、ユーザのタッチペンまたは指がカバーガラス43の外側にタッチまたは接触し、タッチ判定動作または指紋判定動作をすることができる。
【0015】
図5は、マイクロLEDパネル10の駆動層41の1つの例示的な実施形態の断面図を示している。駆動層41を説明するために、図5は基板40および導光層42も示す。また、図5は、1つのセル100の駆動層41の断面図のみを示している。その他のセルの断面図は、図5に示された断面図と同じである。図5に示すように、金属層50は、基板40上に形成される。本実施形態では、基板40は、領域400~403に分割される。ゲート絶縁層51は、基板40上に形成される。ゲート絶縁層51の部分51Aは、金属層50を覆う。活性層52は、ゲート絶縁層51の部分51Aの上に形成される。電極層53は、基板40と接触したゲート絶縁層51の一部の上、且つさらに活性層52上に形成される。電極層53は、基板40の領域401と402にそれぞれ対応する2つの部分53Aと53Bを含む。図5に示すように、電極層53の部分53Aは、活性層52を覆う。絶縁層54は、電極層53の部分53Aの上に形成される。半導体層55は、電極層53の部分53Bの上に形成される。次いで、平坦化層56は、基板40上に形成され、電極層53の部分53B、絶縁層54、および半導体層55を覆う。
【0016】
図5に示すように、透明膜57は、平坦化層56の平面側に形成される。本実施形態では、透明膜57は、領域570~572に分割される。金属層58は、透明膜57上に形成される。ゲート絶縁層59は、透明膜57上に形成される。ゲート絶縁層59の部分59Aは、金属層58を覆う。活性層60は、ゲート絶縁層59の部分59Aの上に形成される。電極層61は、平坦化層56と接触したゲート絶縁層59の一部の上、且つさらに活性層60上に形成される。電極層61は、透明層57の領域570と571にそれぞれ対応する2つの部分61Aと61Bを含む。図5に示すように、電極層61の部分61Aは、活性層60を覆う。絶縁層62は、電極層61の部分61Aの上に形成される。半導体層63は、電極層61の部分61Bの上に形成される。次いで、平坦化層64は、平坦化層56上に形成され、電極層61、絶縁層62、および半導体層63を覆う。導光層42の導光板420は、半導体層63と重なる。
【0017】
図2の実施形態では、マイクロLED22は、半導体層55上に形成された発光層550を含み、金属層50、活性層52、および電極層53の部分53Aは、マイクロLED22に結合されたスイッチ20のトランジスタ200を形成する。半導体層63は、フォトセンサ23のフォトダイオード230を含む。金属層58、活性層60、および電極層61の部分61Aは、スイッチ21のトランジスタ210を形成する。図5に示すように、導光板420と各セルの半導体層63との間の配置に従って、マイクロLEDパネル10に入射する光は、導光板420を介してフォトダイオード230に導かれることができる。
【0018】
図6は、マイクロLEDパネル10の駆動層41のもう1つの例示的な実施形態の断面図を示している。駆動層41を説明するために、図6は基板40およびカバーガラス42も示している。また、図6は、1つのセル100の駆動層41の断面図のみを示している。その他のセルの断面図は、図6に示された断面図と同じである。この実施形態では、基板40は、4つの部分40A~40Dに分割される。図6に示されるように、金属層65は、基板40の上に形成される。金属層65は、基板40の領域40A、40B、および40Cにそれぞれ対応する3つの部分65A、65B、および65Cを含む。ゲート絶縁層66は、基板40上に形成される。ゲート絶縁層66は、基板40の領域40A、40B、および40Cにそれぞれ対応する部分66A、66B、および66Cを含むいくつかの部分を含む。ゲート絶縁層66の部分66Aは、金属層65の部分65Aを覆う。ゲート絶縁層66の部分66Bは、金属層65の部分65Bを覆う。ゲート絶縁層66の部分66Cは、金属層65の部分65Cを覆う。活性層67は、ゲート絶縁層66上に形成される。具体的には、活性層67の部分67Aは、ゲート絶縁層66の部分66Aの上に形成され、活性層67の部分67Bは、ゲート絶縁層66の部分66Bの上に形成され、且つ活性層67の部分67Cは、ゲート絶縁層66の部分66Cの上に形成される。電極層68は、基板40と接触したゲート絶縁層66の一部の上、且つさらに活性層67上に形成される。図6に示すように、電極層68の部分68Aは、活性層67の部分67Aを覆い、電極層68の部分68Bは、活性層67の部分67Bを覆い、且つ電極層68の部分68Cは、活性層67の部分67Cを覆う。絶縁層69は、電極層68の部分68A、68B、および68Cの上に形成される。半導体層70は、電極層68の部分68Dに形成される。平坦化層71は、基板40上に形成され、且つ電極層68の部分68D、絶縁層69、および半導体層70を覆う。
【0019】
電極層68の部分68Aは、互いに分離された2つのセクション(section)68ALと68ARに分割される。電極層68の部分68Bは、互いに分離されたセクション68BLと68BRに分割される。電極層68の部分68Cは、互いに分離された2つのセクション68CLと68CRに分割される。セクション68BLはセクション68ARと接続される。 セクション68CLはセクション68BRと接続される。セクション68CRは、電極層68のセクション68Dと接続される。
【0020】
図3の実施形態では、マイクロLED32は、半導体層70上に形成された発光層700を含み、金属層65の部分65C、活性層67の部分67C、および電極層68の部分68Cは、マイクロLED32に結合されたスイッチ30のトランジスタ301を形成する。金属層65の部分65A、ゲート絶縁層66の部分66A、活性層67の部分67A、および電極層68の部分68Aは、金属層65の部分65Aを電極68の部分68Aのセクション68ALと金属線で接続することにより、フォトセンサ30のフォトダイオード330を形成する。金属層65の部分65B、活性層67の部分67B、および電極層68の部分68Bは、スイッチ31のトランジスタ311を形成する。図6に示すように、各セルの導光板420の配置に従って、マイクロLEDパネル10に入射した光は、導光板420を介してフォトダイオード330に導かれることができる。
【0021】
図7は、マイクロLEDパネル10の駆動層41のもう1つの例示的な実施形態の断面図を示している。駆動層41を説明するために、図7は、基板40およびカバーガラス42も示している。また、図7は、1つのセル100の駆動層41の断面図のみを示している。他のセルの断面図は、図7に示される断面図と同じである。この実施形態では、基板40は、4つの部分40A~40Dに分割される。図7に示されるように、金属層72は、基板40の上に形成される。金属層72は、基板40の領域40Bおよび40Cにそれぞれ対応する2つの部分72Aおよび72Bを含む。ゲート絶縁層73は、基板40上に形成される。ゲート絶縁層73は、基板40の領域40Bおよび40Cにそれぞれ対応する部分73Aおよび73Bを含むいくつかの部分を含む。ゲート絶縁層73の部分73Aは、金属層72の部分72Aを覆う。ゲート絶縁層73の部分73Bは、金属層72の部分72Bを覆う。活性層74は、ゲート絶縁層73上に形成される。具体的には、活性層74の部分74Aは、ゲート絶縁層73の部分73Aの上に形成され、且つ活性層74の部分74Bは、ゲート絶縁層73の部分73Bの上に形成される。電極層75は、基板40と接触したゲート絶縁層73の一部の上、且つさらに活性層74上に形成される。図7に示すように、電極層75の部分75Bは、活性層74の部分74Aを覆い、且つ電極層75の部分75Bは、活性層74の部分74Bを覆う。絶縁層76は、電極層75の部分75Bおよび75Cの上に形成される。半導体層77は、電極層75の部分75Aに形成される。半導体層78は、電極層75の部分75Dに形成される。平坦化層79は、基板40上に形成され、且つ電極層75の部分75Aと75D、絶縁層76、および半導体層77と78を覆う。
【0022】
電極層75の部分75Bは、互いに分離された2つのセクション75BLと75BRに分割される。電極層75の部分75Cは、互いに分離されたセクション75CBLと75CBRに分割される。セクション75BLは、電極層75の部分75Aと接続される。セクション75CLは、セクション75BRと接続される。セクション75CRは、電極層75の部分75Dと接続される。
【0023】
図3の実施形態では、マイクロLED32は、半導体層78上に形成された発光層780を含み、金属層72の部分72B、活性層74の部分74B、および電極層75の部分75Cは、マイクロLED32に結合されたスイッチ30のトランジスタ301を形成する。半導体層77は、フォトダイオード330を含む。金属層72の部分72A、活性層74の部分74A、および電極層75の部分75Bは、スイッチ31のトランジスタ311を形成する。図7に示すように、各セルの導光板420の配置に従って、マイクロLEDパネル10に入射した光は、導光板420を介してフォトダイオード330に導かれることができる。
【0024】
上述の実施形態によれば、マイクロLED、マイクロLED用のスイッチ、フォトセンサ、およびフォトセンサ用のスイッチは、同じ基板上に形成される。言い換えれば、本実施形態で提供されるマイクロLEDパネル10は、同一基板40上に形成されたマイクロLED、マイクロLED用のスイッチ、フォトセンサ、およびフォトセンサ用のスイッチを含む。マイクロLEDのサイズが小さいため、マイクロLEDパネル10は、タッチ入力イベントを検出するためのタッチパネルとしてだけでなく、指紋を検出するための識別パネルとしても機能することができる。また、マイクロLEDパネル10は、ゲートドライバ14および読み出し回路15の動作により、マルチフィンガー識別を提供する。
【0025】
上述の実施形態では、図4Bに示されるように、導光層42内に形成された導光板420がある。導光板の位置を明確に示すために、図4Bはセル100A/100Bのフォトセンサ23/33およびカバーガラス43も示し、5つのフォトセンサ23/33および5つの導光板420が説明用に示される。図4Bでは、フォトセンサは、図5の半導体層63に形成された図2のフォトダイオード230、図6の領域40Aに形成された図3のフォトダイオード330、または図7の半導体層77に形成された図3のフォトダイオード330を含むことができる。図4Bおよび図5図7に示すように、導光板420は、フォトダイオード230、330上にそれぞれ配置される。言い換えれば、各導光板420は、1つのフォトダイオード230、330上に配置され、これにより、導光板420は、マイクロLEDパネル10に入射する光44を対応するフォトダイオード230、330に導くことができる。例えば、マイクロLED22/32がユーザの指45に光44Aを放射したとき、指45からの反射光44Bは、対応する導光板420を介してフォトダイオード410に導かれる。
【0026】
図8は、指紋識別方法の例示的な実施形態のフローチャートを示している。指紋認証方法は、図2に示される回路構成を有するセルを用いて説明される。図8に示すように、マイクロLEDディスプレイ装置1が用いられる電子機器が待機モードのとき、全てのセルのマイクロLED22は発光せず、フォトセンサ23はマイクロLEDディスプレイ装置1の周囲光を検出し、検出された周囲光に応じて、対応する感知信号S100を生成するように動作する(ステップS80)。待機モードでは、ユーザの指がマイクロLEDディスプレイパネル10に接近したとき、マイクロLEDディスプレイパネル10の指に近い領域でフォトセンサによって検出される光は少なくなる。従って、コントローラ11は、マイクロLEDディスプレイパネル10上の指の位置を取得するために、感知信号S100から導出された出力信号S15に従って、マイクロLEDディスプレイパネル10のどの領域がより少ない光によって放射されたかを判定することができる(ステップS81)。指の位置を取得した後、コントローラ11は、ゲートドライバ12およびソースドライバ14を制御して、マイクロLEDディスプレイパネル10の所定の領域のマイクロLED22を駆動して発光させる(ステップS82)。指からの反射光はフォトセンサ23の少なくとも1つに送られ、出力信号S15は反射光に応じて生成される。そして、コントローラ11は、読み出し回路15からの出力信号S15に従って、指の指紋を取得する(ステップS83)。言い換えれば、コントローラ11は、マイクロLED22によって放射された光に応じて指の指紋を取得する。また、コントローラ11は、出力信号S15に従って指紋判定動作を実行し、取得した指紋が所定のパターンと一致するか否かを判定することにより、ユーザを特定する(ステップS84)。検出された指紋が所定のパターンと一致するとコントローラ11が判定した場合、識別は成功し、且つコントローラ11は特定の機能を実行し、例えば、コントローラ11は、電子機器のウェイクアップ動作を有効、および/または電子機器の特定のアプリケーションを有効にする(ステップS85)。検出された指紋が所定のパターンと一致しないとコントローラ11が判定した場合、識別は成功せず、方法はステップS82に戻る。本実施形態では、電子機器は、携帯電話、ラップトップ、タブレット、デジタルカメラ、または識別機能を有する任意の電子機器であることができる。ステップS80で検出された周囲光は、通常のタッチ判定動作中に生成される出力信号S15のベースラインとなるため、タッチ判定がマイクロLEDディスプレイ装置1の周囲光の影響を受けないことができ、よってタッチ判定の精度を高める。
【0027】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0028】
1 マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイ装置
10 マイクロLEDディスプレイパネル
11 コントローラ
12、13 ゲートドライバ
14 ソースドライバ
15 読み出し回路
20、21 スイッチ
22 マイクロLED
23 フォトセンサ
30、31 スイッチ
32 マイクロLED
33 フォトセンサ
40 基板
40A~40D 基板の4つの部分
41 駆動層
42 導光層
43 カバーガラス
44A 光
44B 反射光
45 指
50 金属層
51 ゲート絶縁層
51A ゲート絶縁層の部分
52 活性層
53 電極層
53A、53B 電極層53の2つの部分
54 絶縁層
55 半導体層
56 平坦化層
57 透明膜
58 金属層
59 ゲート絶縁層
59A ゲート絶縁層59の部分
60 活性層
61 電極層
61A、61B 電極層61の2つの部分
62 絶縁層
63 半導体層
64 平坦化層
65 金属層
65A~65C 金属層65の3つの部分
66 ゲート絶縁層
66A~66C ゲート絶縁層の3つの部分
67 活性層
67A~67C 活性層67の3つの部分
68 電極層
68A~68D 電極層68の4つの部分
68AL、68AR 部分68Aの2つのセクション
68BL、68BR 部分68Bの2つのセクション
68CL、68CR 部分68Cの2つのセクション
69 絶縁層
70 半導体層
71 平坦化層
72 金属層
72A、72B 金属層72の2つの部分
73 ゲート絶縁層
73A、73B ゲート絶縁層73の2つの部分
74 活性層
74A、74B 活性層74の2つの部分
75 電極層
75A~75D 電極層75の4つの部分
75BL、75BR 部分75Bの2つのセクション
75CL、75CR 部分75Cの2つのセクション
76 絶縁層
77、78 半導体層
79 平坦化層
100、100A、100B 画素ユニット
200、210 トランジスタ
230 フォトダイオード
300、301 トランジスタ
310~312 トランジスタ
330 フォトダイオード
400~403 基板40の3つの領域
420 導光板
550 発光層
570~572 透明膜57の3つの領域
700、780 発光層
ADD10、ADD11 アドレス信号
BL ビット線
DL データ線
GND 接地
N30 ノード
N31 フローティングノード
N32 ノード
RST リセット信号
S12 駆動信号
S13 駆動信号
S14 表示信号
S15 出力信号
S100 感知信号
SL スキャン線
Vdd 供給電力
Vrst リセット電圧
WL ワード線
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8