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  • 特開-電子製品ケースの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171513
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】電子製品ケースの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/28 20060101AFI20221104BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20221104BHJP
   B05D 3/02 20060101ALI20221104BHJP
   B05D 3/06 20060101ALI20221104BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20221104BHJP
   B05D 3/10 20060101ALI20221104BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B05D1/28
B05D7/24 301M
B05D3/02 Z
B05D3/06 102Z
B05D7/24 301P
B05D3/12 C
B05D3/10 E
B29C45/14
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106174
(22)【出願日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】202110474499.X
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521281368
【氏名又は名称】曹祖銘
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】曹祖銘
【テーマコード(参考)】
4D075
4F206
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AB01
4D075AC06
4D075AC09
4D075AC21
4D075AC23
4D075AC25
4D075AC44
4D075AC45
4D075AE03
4D075BB02X
4D075BB05Z
4D075BB06Z
4D075BB20Z
4D075BB21X
4D075BB28Z
4D075BB46Z
4D075BB56Z
4D075BB85Z
4D075BB87Z
4D075CA02
4D075CA03
4D075CA07
4D075CA13
4D075CA34
4D075CA47
4D075CA48
4D075CB07
4D075CB21
4D075DA23
4D075DB13
4D075DB31
4D075DC21
4D075EA05
4D075EA33
4D075EA35
4F206AD05
4F206AD08
4F206AD20
4F206AH42
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB13
4F206JF05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子製品のケースの製作プロセスにおいて、工程が複雑で製品の良率が低いなどのコスト問題を解決するための、電子製品ケースの製造方法を提供する。
【解決手段】工程A:基材層の表面にインクまたはペンキを塗布し、昇温ベーキングまたはUV照射固化を行い遮蔽層に接着材転写またはエンボス加工によってテクスチャ層を形成する工程と、工程B:PVDによってテクスチャ層の表面にメッキ層を形成する工程と、工程C:ケースの種類に応じて、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、光学透明粘着剤、紫外線粘着剤のうちのいずれか1つを用いて、メッキ層に粘着層を形成することによって、フィルムシートを得る工程と、工程D:粘着層にてフィルムシートを透明ケースの内面に貼合すること、またはフィルムシートの粘着層側の表面において射出形成を実行することによって、電子製品ケースを得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子製品ケースの製造方法であって、
工程A:基材層の表面にインクまたはペンキを塗布し、昇温ベーキングまたはUV(Ul
traViolet:紫外線)ランプ照射固化を行うことによって、基材層の表面に遮蔽
層を形成し、遮蔽層に接着材転写(adhesive transfer)またはエンボ
ス加工によってテクスチャ層を形成する工程と、
工程B:PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長
)の電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によってテクスチャ層の表面にメ
ッキ層を形成する工程と、
工程C:ケースの種類に応じて、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA(Optical
ly Clear Adhesive:光学透明粘着剤)、UV(UltraViole
t:紫外線)粘着剤のうちのいずれか1つを用いて、メッキ層に粘着層を形成することに
よって、フィルムシートを得る工程と、
工程D:粘着層にてフィルムシートを透明ケースの内面に貼合すること、またはフィルム
シートの粘着層側の表面において射出形成を実行することによって、電子製品ケースを得
る工程と、
を含むことを特徴とする電子製品ケースの製造方法。
【請求項2】
工程Aにおいて、基材層の表面に遮蔽層を形成する前に、基材層の表面において1層の離
型層を加工し、工程Dにおいて、フィルムシートと透明ケースの内面とを貼合してから、
離型層にて基材層を遮蔽層から剥離させる、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品
ケースの製造方法。
【請求項3】
工程Aにおける基材層は、色彩のある基材であり、色彩のある基材は基材層に遮蔽層を形
成する必要がない、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項4】
工程Bにおいて、さらにスクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷
、インクジェットプリント、噴射塗装、浸染、コーティングのうちの1つまたは複数の組
み合わせの着色方式によってメッキ層上において半透明色彩層を実現することができ、工
程Cにおいて、OCA貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリーン印刷、噴射塗装
のうちのいずれか1つによって半透明色彩層に粘着層を形成する、ことを特徴とする請求
項1又は2に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項5】
工程Dにおける透明ケースは、射出成形によって製作され、射出成形したケースの表面に
1層の指紋防止・耐摩擦硬度塗料を塗布してから、昇温ベーキングを行って、さらにUV
固化成膜を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項6】
工程Dにおける透明ケースは、透明ガラスが、CNC(Computerized Nu
merical Control:コンピューター数値制御)加工された後、高温軟化し
、金型にて成形され、焼き戻されることによって製成される、ことを特徴とする請求項1
に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項7】
更なる透明ケースは、プラスチック複合板材が、高温軟化し、金型にて成形され、スプレ
ー塗布または噴射塗布、または電気メッキによりその表面(非貼合面)に1層の指紋防止
・耐摩擦硬度塗料を被覆し、そしてCNC加工されることによって製成される、ことを特
徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項8】
更なる透明ケースは、肉厚透明ガラスが、CNC加工さることにより、その中間部分が空
洞にされ、そしてポリッシングされ、それから焼き戻されることによって製成される、こ
とを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項9】
工程Dにおける透明ケースとフィルムシートとの貼合加工の方式は、透明ケースを貼合面
が上向に貼合金型の下型に置いて、フィルムシートを透明ケースの上方にフィルムシート
とケースの間に隙間が残されるように置いて、貼合金型内におけるフィルムシートの上下
方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキューム処理して、また加熱の方式によっ
て貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼合するフィルムシートの他側面に対し空
気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上下圧差によってフィルムシートと透明ケ
ースの内面とを貼合させる、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方
法。
【請求項10】
工程Aにおける遮蔽層は、スクリーン印刷、噴射塗装、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、
デジタル印刷、インクジェットプリント、浸染、コーティング、遮蔽材転移のうちの1つ
または複数の組み合わせによって基材層の表面に製作される、ことを特徴とする請求項1
に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項11】
工程Aにおけるテクスチャ層は、テクスチャ金型のUV転写、テクスチャ付エンボスロー
ルのうちのいずれか1つによって遮蔽層に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載
の電子製品ケースの製造方法。
【請求項12】
工程Cにおける粘着層は、ケースの種類によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA
、UV粘着剤のうちのいずれか1つによって粘着される、ことを特徴とする請求項1に記
載の電子製品ケースの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品ケースの製造方法に関し、具体的には主として電子製品ケースの製造
方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子製品ケース、特によくある携帯電話のケースは主にPET材料をフィルムの基材
として採用しています。色、模様、テクスチャを持つフィルムを透明なケースに貼り付け
、OCA光学接着剤を貼り合わせて電子製品の外郭を作ります。上記の密着プロセスにより
形成された電子製品の外装は、フィルムを直接曲げてから貼り合わせる必要があります。
既存のプロセスは加温方式を用いてPETシートを軟化点にまで加温して引張貼付すること
ができない(OCA光学ゴムの耐熱は90℃で、PET材料の軟化温度は150℃前後である)。ま
た、既存の密着プロセスは、嵌合後のハウジングの回転角の位置にあります。基材が軟化
されていない場合、直接に密着構造の複雑な電子製品の外装を行うと、回転角やR角の位
置にフィルムがシワになります。また、PETの物理特性により複雑な構造引張要求を満足
できないため、複雑な構造製品の外観装飾が制限されている。同時に上述のPET材料と密
着プロセスを採用し、設備投資が高く、工程が複雑で、光学級PET材料のコストが高く、
製品はPET材料の透過率の影響で透過性に偏りがあります。前述の既存の電子製品の外装
に使用されるフィルムの原材料(PET材料と光学OCAゴム)は光学等級であり、それらは全
部輸入に依存しており、フィルムの原材料の調達コストは非常に高い。市場環境の影響を
受けて、既存のフィルムの原材料は時々供給不足、価格の高騰が現れ、企業の生産経営に
不便をもたらし、企業の原材料調達コストを高めています。従って,前述の電子製品のケ
ースの製作プロセスについてさらに研究し,改善する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的の一つは、上記不足に対して、電子製品ケースの製造方法を提供することで
ある。従来の技術では、同じプロセスが高引張、複雑な構造の密着を満足できないこと、
筐体の回転角の密着位置には階層、しわ、反発、気泡などの技術問題と密着設備の投資が
高く、工程が複雑で、製品の良率が低いなどのコスト問題を解決する。
【0004】
上記の問題を解決するために、本発明は以下の技術方案を採用する。
電子製品ケースの製造方法は、以下の工程を含む。
工程A:基材層の表面にインクまたはペンキを塗布し、昇温ベーキングまたはUV(Ul
traViolet:紫外線)ランプ照射固化を行うことによって、基材層の表面に遮蔽
層を形成すること。そして遮蔽層に接着材転写(adhesive transfer)
またはエンボス加工によってテクスチャ層を形成すること。
工程B:PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)
の電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によってテクスチャ層の表面にメッ
キ層を形成すること。
工程C:ケース類によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA(Optically
Clear Adhesive:光学透明粘着剤)、UV(UltraViolet:
紫外線)粘着剤のうちのいずれか1つを用いて、メッキ層に粘着層を形成することによっ
て、フィルムシートを得ること。
工程D:粘着層にてフィルムシートを透明ケースの内面に貼合すること、またはフィルム
シートの粘着層側の表面において射出形成を実行することによって、電子製品ケースを得
ること。また、製品要求に応じて基材は保留または剥離されてもよい。
【0005】
工程Aにおいて、基材層の表面に遮蔽層を形成する前に、基材層の表面において1層の離
型層を加工する。工程Dにおいて、フィルムシートと透明ケースの内面とを貼合してから
、離型層にて基材層を遮蔽層から剥離させる。
【0006】
工程Aにおける基材層は、色彩のある基材とされてもよい。色彩のある基材とされる場合
、基材層に遮蔽層を形成する必要がない。
【0007】
工程Bにおいて、さらにスクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷
、インクジェットプリント、噴射塗装、浸染、コーティングのうちの1つまたは複数の組
み合わせの着色方式によってメッキ層上において半透明色彩層を実現することができる。
そして、工程Cにおいて、OCA貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリーン印刷
、噴射塗装のうちのいずれか1つによって半透明色彩層に粘着層を形成することができる
【0008】
工程Dにおける透明ケースは、射出成形によって製作される。射出成形したケースの表面
に1層の指紋防止・耐摩擦硬度塗料を塗布してから、昇温ベーキングを行って、さらにU
V固化成膜を実行する。
【0009】
工程Dにおける透明ケースは、透明ガラスが、CNC(Computerized Nu
merical Control:コンピューター数値制御)加工された後、高温軟化し
、金型にて成形され、焼き戻されることによって製成される。
【0010】
更なる透明ケースは、肉厚透明ガラスが、CNC加工さることにより、その中間部分が空
洞にされ、そしてポリッシングされ、それから焼き戻されることによって製成される。
【0011】
更なる透明ケースは、プラスチック複合板材が、高温軟化し、金型にて成形され、スプレ
ー塗布または噴射塗布、または電気メッキによりその表面(非貼合面)に1層の指紋防止
・耐摩擦硬度の塗料を被覆し、そしてCNC加工されることによって製成される。
【0012】
工程Aにおける遮蔽層は、スクリーン印刷、噴射塗装、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、
デジタル印刷、インクジェットプリント、浸染、コーティング、遮蔽材転移のうちの1つ
または複数の具組み合わせによって基材層において製作されてなる。
【0013】
工程Aにおけるテクスチャ層は、テクスチャ金型のUV転写、テクスチャ付エンボスロー
ルのうちのいずれか1つによって遮蔽層において形成される。
【0014】
工程Cにおける粘着層は、ケース類によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA、U
V粘着剤のうちのいずれか1つによって粘着される。
【0015】
工程Dにおける透明ケースとフィルムシートとの貼合加工の方式は、透明ケースを貼合面
が上向に貼合金型の下型に置いて、フィルムシートを透明ケースの上方にフィルムシート
とケースの間に隙間が残されるように置いて、貼合金型内におけるフィルムシートの上下
方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキューム処理して、また加熱の方式によっ
て貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼合するフィルムシートの他側面に対し空
気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上下圧差によってフィルムシートと透明ケ
ースの内面とを貼合させる。
【0016】
本発明の有益な効果は、先行技術に比べて以下の通りである。
1)このように製成されるケースは、基材に対して剥離可能である。したがって、基材は
単にキャリアとして使用されるので、基材に対して光学的要求はなく、フィルムシートの
原材は例えば先進国由来の、高額的光学レベル基材に制限されなく、例えば一般的なコス
ト的非光学基材ですむ。これによって、材料の供給課題を解決でき、材料の納付が保障さ
れ、大幅に原材料の価格を低減できる。
2)低温熱変形・ハイストレッチ基材を使用することによって、従来におけるPET材料
の物理的特性によるハイストレッチ・複雑構成への貼合不可能という課題を解決できる。
また、基材は、熱変形後に延伸し引張っては、しわ、分層、反発、気泡などの問題を克服
することができる。電子製品の構成・外形のデザインが多様化可能となる。
3)剥離可能な基材製造の場合、基材が剥離された後、製品がさらに薄くできる。
4)元々PET材料の透過率はほぼ91%~93%であるが、本願製造方法によるフィル
ムシートの中間層は基材がないため、製品の透過率は従来より7%~9%アップできる。
これによって、得られるケースは透過性がさらに良く、色彩およびテクスチャがたっぷり
で美しい。
5)剥離不可能な基材の場合、本願製造方法による製品は、各種類の化粧層が基材と透明
的ケースの間に挟み込まれるとなって、製成品の環境性および耐気候性上のテスト結果が
さらに向上できる。剥離不可能な基材は、色彩のある基材とする場合、遮蔽層を使用しな
くてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る電子製品ケースの製造方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、具体的な実施形態に関連して本発明をさらに説明する。
電子製品ケースの製造方法による電子製品ケースの具体的製造工程は以下の通りである。
工程1:基材の一側面に1層の離型層を塗布する。若しくは基材との付着力が調整可能な
1層の遮蔽層を形成する。基材層に離型層を形成する場合、離型層にスクリーン印刷、噴
射塗装、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷、インクジェットプリント、浸染
、コーティング、遮蔽材転移のうちの1つまたは複数のくみ合わせによって遮蔽層を形成
する。離型層を形成しない場合、直接に前述した方式により基材層において遮蔽層を形成
する。剥離不可能な基材は、色彩のある基材とする場合、遮蔽層を形成しなくてもよい。
工程2:そして、遮蔽層上においてUV転写またはエンボス印刷によってテクスチャ層を
形成する。テクスチャ層が要らない場合、工程3に進めばよい。
工程3:テクスチャ層上においてPVD電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタによ
って真空コーティングを行ってメッキ層を形成する。これは、電子製品ケースの艶やかな
色彩外観を向上するための好ましい工程であるが、メッキ層がいらない場合、直接に工程
4に進めばよい。
工程4:メッキ層上においてスクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル
印刷、インクジェットプリント、浸染、コーティングの方式によって半透明色彩層を形成
する。半透明色彩層が要らない場合、直接に工程5に進めばよい。
工程5:半透明色彩層上においてOCA貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリー
ン印刷、噴射塗装のうちのいずれか1つによって半透明色彩層に1層の粘着剤を塗布して
粘着層を形成することによって、フィルムシートを得る。なお、前記粘着層は、ケース類
によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA、UV粘着剤のうちのいずれか1つによ
って粘着されてもよい。
工程6:粘着層によってフィルムシートを透明ケースの内面に貼合し、または直接にフィ
ルムシートの粘着層側の表面において射出成形を実行することによって電子製品ケースを
製成する。また、製品要求に応じて基材の保留または剥離を選択できる。
前記工程6において、直接にフィルムシートの粘着層側の表面に射出成形を実行する方式
は、金型のキャビティに工程5で得られたフィルムシートを置いて、型を合わせて、フィ
ルムシートの粘着層側の表面において射出材料粒をスクリュー加熱液化によって金型のキ
ャビティ内に注入して電子製品ケースを形成する。スクリュー温度は230~360℃と
する。動作手順は、フィルムシート配置→型合わせ→粘着層側表面の粘着剤注入→冷却→
型開き→製品取出となる。
【0019】
工程6における透明ケースは、3種類の方式を用いて製成することが可能である。
1.材料粒の射出成形によって形成する。射出成形してなるケースの表面に指紋防止・耐
摩擦硬度塗料を塗布する。そして昇温ベーキングを行い、UVランプ固化成膜を実行する

2.透明ケースは、透明ガラスを用いて製成することもできる。具体的には2種類の方式
がある。1つは3D透明ガラスケースである。この場合は、透明ガラスが、CNC加工さ
れてから、高温軟化し、金型にて成形された後、焼き戻しされることによって製成される
。もう1つは肉厚透明ガラスを使用する。この場合は、CNC加工方式によって中間の余
計部分をホローして、ポリシングし、焼き戻しすることによって製成される。
3.透明ケースは、プラスチック複合板材が、高温軟化し、金型にて成形され、スプレー
塗布または噴射塗布または電気メッキによってその表面に1層の指紋防止・耐摩擦硬度の
塗料を被覆し、そしてCNC加工されることによって製成されてもよい。
【0020】
工程1に記載のような上記方法における基材は、シート材または巻き材である。基材層は
、剥離可能および剥離不可能という2種類材料が採用可能である。PC(ポリカーボネー
ト樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル
)+PC、PP(ポリプロピレン)、およびPVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチ
レン)、ABS、PMMA、TPU(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー)、TPE(
サーモプラスチック・エラストマー)等の材質としてもよい。
【0021】
本実施例において剥離可能基材層とする場合、遮蔽層と基材層との間に離型層を増設し、
または基材との付着力を調整可能な遮蔽層を形成する。離型層は、ウレタン、ポリエステ
ル材料からなるものとする。また、フィルムシートと透明ケースの内面とを貼合した後、
基材層と離型層または遮蔽層とを剥離する。本実施例において、上記方法の工程によれば
、遮蔽層は、インクまたはペンキを基材層の表面に塗布し、そしてベーキングまたはUV
照射固化によって形成される。テクスチャ層は粘着剤転写またはエンボス方式によって遮
蔽層において形成される。PVD電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によ
ってテクスチャ層の表面にメッキ層を形成する。半透明色彩層は半透明パターン層とする
。また、スクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷、インクジェッ
トプリント、噴射塗装、浸染、コーティングのうちの1つまたは複数の組み合わせの着色
方式によってメッキ層において半透明色彩層を実現することができる。粘着層は、OCA
貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリーン印刷、噴射塗装のうちのいずれか1つ
によって半透明色彩層に粘着層を形成することができる。
【0022】
本実施例において、透明ケースとフィルムシートとの貼合加工の方式は、透明ケースを貼
合面が上向に貼合金型の下型に置いて、フィルムシートを透明ケースの上方にフィルムシ
ートとケースの間に隙間が残されるように置いて、貼合金型内におけるフィルムシートの
上下方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキューム処理して、また加熱の方式に
よって貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼合するフィルムシートの他側面に対
し空気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上下圧差によってフィルムシートと透
明ケースの内面とを貼合させる。
【0023】
本発明の上記実施例において、上記のように製成される電子製品ケースの多種類の加工工
芸について以下のように説明する。
まず、上記のフィルムシートにおける遮蔽層の加工方式は、10種類の方式によって加工
することができる。
第1種類は、スクリーン印刷である。スクリーン印刷機によって、遮蔽インクをスクリー
ンマスク内に入れて、スクレーパでインクをスクリーンマスクから基材または離型層の表
面に漏らして、昇温ベーキングまたはUVランプ固化の方式によってインクを固化させて
遮蔽層を形成する。ベーキング時間は30~90分間とする。ベーキング温度は60℃~
110℃とする。印刷回数は2~6回とする。UV固化のエネルギーは800~5000
mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0024】
第2種類は、噴射塗装である。スプレーガンでペンキを直接に基材または離型層の表面に
噴射し、昇温ベーキングまたはUVランプ固化の方式によってインクを固化させて遮蔽層
を形成する。そのベーキング時間は30~90分間とする。ベーキングの温度は60℃~
110℃とする。噴射塗装の回数は1~3回とする。UV固化のエネルギーは800~5
000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0025】
第3種類は、平版印刷である。CTP(Computer To Plate)製版機によ
って、ユーザの遮蔽要求に応じてPS板に対しスクリーンスポット露光を実行することに
よって、所定印刷のスクリーンスポットを得る。そして、露光されたPS板を平版印刷機
台上に組み込んで、インクをPS板上に移転して、PS板をゴム布上に移して、ゴム布に
よってさらにインクを基材層または離型層上に転移する。そして、UVランプによって露
光して、固化させることによって遮蔽層を形成する。印刷回数は3~7回とする。~回の
固化条件は800~5000mJ/cm2とする。
【0026】
第4種類は、凹版印刷である。色彩要求に応じて彫刻、腐食、電子彫刻によって凹版を作
る。凹版を凹版印刷機に組み込んで、凹版全面にインクを塗布して、インクスクレーパに
よって空白部分のインクを凹溝だけに残されるようにきれいに取り除く。そして大きな圧
力でインクを基材層または離型層に移転して、UVランプ露光によってインクを固化させ
て遮蔽層を形成する。そのエネルギーは1000~3000mJ/cm2とし、固化時間
は1~3sとする。
【0027】
第5種類は、凸版印刷である。ユーザの遮蔽要求に応じて木板、平版において感光ポリマ
ーを用いて凸版を製成する。凸版印刷機のインク供給装置によって均一にインクを配布し
て、インクローラによってインクをスクリーンマスク上に移転して、そしてスクリーンマ
スクによって遮蔽インクを基材または離型層上に移転する。そして、昇温ベーキングまた
はUVランプ露光によって固化させて遮蔽層を形成する。ベーキング時間は3~5分間と
する。ベーキング温度は60℃~110℃とする。UV固化のエネルギーは1000~3
000mJ/cm2とし、固化時間は1~3sとする。
【0028】
第6種類は、デジタル印刷である。その操作方式は以下のとおりである。図文情報をコン
ピュータに出力して、コンピュータ上で創意、修正して、ユーザの所望の色とパターンに
編成して、RIP処理を行って、モノクロ画素のデジタル信号にして、レーザーコントロ
ーラに伝送して、相応のレーザービームを発出して、印刷ロールに対しスキャンを実行す
る。感光材料によって製成される印刷ドラム (スクリーンマスクなし)は、感光された
後、インク液またはインク粉を吸付する図文が形成され、メッキ層の表面に転写されるこ
とによって、半透明色彩層を形成する。
【0029】
第7種類は、インクジェットプリントである。ユーザの色要求に応じて圧電インクジェッ
トまたはホットインクジェット方式によってペンキを直接にメッキ層の表面に噴出して半
透明色彩層を形成する。
【0030】
第8種類は、浸染である。その操作方式は以下のとおりである。基材を浸染溝に入れて、
染浴(染浴)循環または被染物運動によって、染料を漸次的に基材層または離型層上に染
める。そして取出して、昇温ベーキング方式によって染料を固化させて遮蔽層を形成する
。ベーキング時間は30~90分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とし、浸染
回数は1~3回とする。
【0031】
第9種類は、コーティングである。その操作方式はコーティング設備を用いて、異なる塗
料の特性によって、ピン棒、アニロールロール、コンマ状スクレーパ、スリット式噴射ヘ
ッド等の方式を用いて遮蔽塗料を均一に基材層または離型層上に塗布することができる。
昇温ベーキングまたはUVランプ固化方式によって塗料を固化させて遮蔽層を形成する。
ベーキング時間は3~5分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とする。UV固化
のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は1~3sとする。
【0032】
第10種類は、遮蔽層転移である。転移粘着剤を用いて遮蔽材料上における遮蔽層をUV
転写設備によって基材層または離型層に移転して、UVランプ露光によって固化させて遮
蔽層を形成する。その固化エネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は
2~5sとする。
【0033】
上記のフィルムシートにおける遮蔽層上のテクスチャ層は、また、3種類の方式によって
それぞれ加工することができる。
【0034】
第1種類は、シート状基材のUV転写によるテクスチャ製作方式である。その操作方式は
以下の通りである。UV粘着剤をテクスチャのある金型に入れて、それに基材(遮蔽面が
下向きに)を置いて、ローラープレスによってUVテクスチャ全面に均一に1層のUV粘
着剤を塗布する。そして、UVランプによって露光する。3~5s露光固化後、基材を拾
って、UV粘着剤テクスチャを遮蔽層に転写する。テクスチャ層材料はアクリル酸エステ
ル(UV粘着剤)とする。固化エネルギーは1000~3500mJ/cm2とする。
【0035】
第2種類は、巻き状基材のUV転写によるテクスチャ製作方式である。その操作方式は以
下の通りである。コーティング機によってUV粘着剤を均一に遮蔽層に塗布して、テクス
チャのあるドラムで塗布した粘着剤に完全に密閉結合させて、直接にUVランプによって
露光を実行する。1~3s露光固化後、基材とテクスチャドラムとが分離する。最後に、
巻き状遮蔽層の上面においてUVテクスチャが得られた後、材料がフィルム被覆され、巻
き戻される。テクスチャ層の材料はアクリル酸エステル(UV粘着剤)とする。固化のエ
ネルギーは1000~3500mJ/cm2とする。
【0036】
第3種類は、巻き状基材エンボスの製作方式である。その操作方式は以下の通りである。
コーティング機によってポリウレタン粘着剤を均一に遮蔽層に塗布して、60~120℃
のベーキング2~5分間で粘着剤成膜して、160℃で高温テクスチャのあるドラムを用
いて直接に成膜粘着剤をテクスチャ押出して、基材とテクスチャドラムを分離する。最後
に、巻き状遮蔽層の上面においてUVテクスチャが得られた後、材料がフィルム被覆され
、巻き戻される。
【0037】
上述フィルムシートにおけるメッキ層の加工方式は、また、下記の2種類によってそれぞ
れ加工することができる。
第1種類は、PVD電子ビーム蒸着である。その操作方式は以下の通りである。基材をコ
ーティング設備内に入れて、コーティング設備内の空气をバキューム処理して、8.0×
10-2~2.0×10-4pa真空で電子ビームで直接に加熱し、フィルム材料を蒸発
させる。これによって、蒸発用フィルム材料が蒸発し、基材のテクスチャ面へ堆積する。
テクスチャ面にメッキ層を堆積形成する。この操作方式は、製品の色彩や製品性能の需要
によって多種類のメッキ層の重合使用が可能である。
【0038】
第2種類は、マグネトロンスパッタである。その操作方式は以下の通りである。基材をコ
ーティング設備内に入れて、コーティング設備内の空气をバキューム処理して、8.0×
10-2~2.0×10-4pa真空でイオン源によって基材表面を衝撃する。そして、
電場を用いて気体を放電させて気体電離を発生させる。その正イオンが磁場下で陰極ター
ゲットを高速で衝撃し、陰極ターゲットの原子または分子をスパッタリングさせて陽極に
ある基板に飛ばす。そのテクスチャ表面にメッキ層をメッキ層を堆積形成する。該操作方
式は、製品の色彩や製品性能の需要によって多種類のメッキ層の重合使用が可能である。
【0039】
上記のフィルムシートにおける半透明色彩層は、半透明パターンを有する。下記の9種類
の方式によってそれぞれ加工することができる。
第1種類は、スクリーン印刷である。ユーザの色の要求に応じて、スクリーン印刷機によ
って、半透明インクをスクリーンマスク内に入れて、スクレーパでインクをスクリーンマ
スクから基材または離型層の表面に漏らして、昇温ベーキングまたはUVランプ固化の方
式によってインクを固化させて半透明色彩層を形成する。ベーキング時間は30~90分
間とする。ベーキング温度は60℃~110℃とする。印刷回数は1~3回とする。UV
固化のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0040】
第2種類は、平版印刷である。CTP製版機によって、ユーザの色彩要求に応じてPS板
に対しスクリーンスポット露光を実行するとともに、色彩要求によってインクを調整する
。そして、露光されたPS板を平版印刷機台上に組み込んで、インクをPS板上に移転し
て、PS板をゴム布上に移して、ゴム布によってさらにインクを基材層または離型層上に
転移する。そして、UVランプによって露光して、固化させることによって半透明色彩層
を形成する。印刷回数は2~7回とする。毎回の固化条件は800~5000mJ/cm
2とする。
【0041】
第3種類は、凹版印刷である。色彩要求に応じて彫刻、腐食、電子彫刻によって凹版を作
る。凹版を凹版印刷機に組み込んで、凹版全面にインクを塗布して、インクスクレーパに
よって空白部分のインクを凹溝だけに残されるようにきれいに取り除く。そして大きな圧
力でインクを基材層または離型層に移転して、UVランプ露光によってインクを固化させ
て遮蔽層を形成する。そのエネルギーは1000~3000mJ/cm2とし、固化時間
は1~3sとする。
【0042】
第4種類は、凸版印刷である。色彩要求に応じて木板、平版において感光ポリマーを用い
て凸版を製成する。凸版印刷機のインク供給装置によって均一にインクを配布して、イン
クローラによってインクをスクリーンマスク上に移転して、そしてスクリーンマスクによ
って遮蔽インクを基材または離型層上に移転する。そして、昇温ベーキングまたはUVラ
ンプ露光によって固化させて半透明色彩層を形成する。ベーキング時間は3~5分間とす
る。ベーキング温度は60℃~110℃とする。UV固化のエネルギーは1000~30
00mJ/cm2とし、固化時間は1~3sとする。
【0043】
第5種類は、デジタル印刷である。その操作方式は以下のとおりである。図文情報をコン
ピュータに出力して、コンピュータ上で創意、修正して、ユーザの所望の色とパターンに
編成して、RIP処理を行って、モノクロ画素のデジタル信号にして、レーザーコントロ
ーラに伝送して、相応のレーザービームを発出して、印刷ロールに対しスキャンを実行す
る。感光材料によって製成される印刷ドラム (スクリーンマスクなし)は、感光された
後、インク液またはインク粉を吸付する図文が形成され、メッキ層の表面に転写されるこ
とによって、半透明色彩層を形成する。
【0044】
第6種類は、インクジェットプリントである。ユーザの色の要求に応じて圧電インクジェ
ットまたはホットインクジェット方式によってペンキを直接にメッキ層の表面に噴出して
半透明色彩層を形成する。
【0045】
第7種類は、噴射塗装である。ユーザの色彩要求に応じてスプレーガンでペンキを直接に
メッキ層表面に噴出する。昇温ベーキングまたはUVランプ露光固化方式によってインク
を固化させて半透明色彩層を形成する。そのベーキング時間は30~90分間とする。ベ
ーキングの温度は60℃~110℃とする。噴射塗装の回数は2~5回とする。UV固化
のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0046】
第8種類は、浸染である。その操作方式は以下のとおりである。基材を浸染溝に入れて、
染浴(染浴)循環または被染物運動によって、染料を漸次的にメッキ層上に染める。そし
て取出して、昇温ベーキング方式によって染料を固化させて半透明色彩層を形成する。浸
染回数は1~3回とする。侵染時間は5~15分間/回とする。ベーキング時間は30~
90分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とする。
【0047】
第9種類は、コーティングである。その操作方式は以下の通りである。コーティング設備
を用いて、異なる塗料の特性によって、ピン棒、アニロールロール、コンマ状スクレーパ
、スリット式噴射ヘッド等の方式を用いて遮蔽塗料を均一に基材層または離型層上に塗布
することができる。昇温ベーキングまたはUVランプ固化方式によって塗料を固化させて
遮蔽層を形成する。ベーキング時間は3~5分間とし、ベーキング温度は60℃~110
℃とする。UV固化のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は1~
3sとする。
【0048】
上記フィルムシートにおける粘着層は、下記の4種類の方式によってそれぞれ製作するこ
とができる。
第1種類は、OCA貼合方式である。直接にOCAを購入して平版貼合機を用いてOCA
を半透明色彩層に貼合して粘着層を形成する。
【0049】
第2種類は、コーティング機を用いて、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、熱溶融粘着剤など
の粘着剤特性によってピン棒、アニロールロール、コンマ状スクレーパ、スリット式噴射
ヘッド等のコーティング方式を用いて粘着剤を均一に半透明色彩層上に塗布することがで
きる。昇温ベーキング固化方式によって塗料を固化させて粘着層を形成する。ベーキング
時間は2~5分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とする。
【0050】
第3種類は、UV粘着剤を使用する。具体的に、ピン棒、スクリーン印刷または噴射塗装
の方式によって、UV粘着剤を半透明色彩層に塗布して、粘着剤の自流が整ってから、真
空貼合機によって直接に透明ケースに貼合する。貼合後にUVランプ露光固化を利用する
。その固化エネルギーは1000~3000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとす
る。
【0051】
第4種類はスクリーン印刷機によって感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、熱溶融粘着剤などを
スクリーンマスク内に入れて、スクレーパでインクをスクリーンマスクから半透明色彩層
の表面に漏らして、また、昇温ベーキング固化方式によって粘着剤を固化させて粘着層を
形成する。ここで、ベーキング時間は2~5分間、ベーキング温度は60℃~110℃と
する。
【0052】
上記の透明ケースは、下記の3種類の加工方式を使用することができる。
1.3D構成の透明ガラスケースのそのまま使用である。または3.5D構成の透明ガラ
スによってケースを製作する。ここで、3D透明ガラスケースは、透明ガラスとしてもよ
く、CNC加工により外形を加工する。そして、高温軟化し、金型にて成形され、そして
ガラス焼き戻しを実行する。一方、3.5D構成の透明ガラスは肉厚玻璃としてもよく、
その中間部分をCNC加工により空洞にして、ポリッシングを実行し、ガラス焼き戻しを
行う。
【0053】
2.透明ケースの射出成形である。その操作方式は下記の通りである。射出成形材料粒を
スクリュー加熱液化の方式によって金型のキャビティ内に注入する。スクリュー温度は2
30~360℃とする。動作手順は、型合わせ→粘着剤注入→冷却→型開き→製品取出と
なる。指紋防止・耐摩擦硬度の塗料を用いて射出成形のケース面(非貼合面)にスプレー
塗布または噴射塗布して、そして、昇温ベーキングしてから、UVランプ固化成膜によっ
て表面性を生成する。ベーキング時間は3~5分間とし、ベーキング温度は50℃~10
0℃とする。UV固化のエネルギーは2000~4000mJ/cm2とし、固化時間は
2~5sとする。
【0054】
3.透明ケースのダイカストである。異なる材料の物理性によって、高温で材料を溶融さ
せた後、プロファイル金型に入れて、冷却させる。そして、取出して、供給口に入れて、
CNC加工を実行する。
【0055】
上記透明ケースとフィルムシートとの間の貼合加工の方式は以下の通りである。
透明ケースを貼合面が上向きに配置されるように貼合金型の下型に置いて、フィルムシー
トを透明ケースの上方にフィルムシートとケースの間に隙間が残されるように置いて、貼
合金型内におけるフィルムシートの上下方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキ
ューム処理して、また加熱の方式によって貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼
合するフィルムシートの他側面に対し空気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上
下圧差によってフィルムシートと透明ケースの内面とを貼合させる。貼合粘着剤の特性に
よって製品貼合後にそれぞれ加熱または加圧を行ってもよく、これによって粘着剤の粘性
を向上する。
【0056】
また、本発明の上記実施形態の説明では、特に、顧客の外観効果に対する要求が異なるた
め、使用する原材料と接着剤、印刷用インクの特性によって異なる加工条件の違いがある
ことを説明する必要がある。上記以外にも、本明細書で述べられた「一実施形態」、「別
の実施形態」、「実施形態」などは、本実施形態に関連して説明された具体的な特徴、構
造、または特徴が本明細書で概括的に説明された少なくとも一実施形態に含まれることを
意味する。明細書の複数の場所で同じ表現が現れることは、必ずしも同じ実施形態を指す
ものではない。さらに、いずれかの実施形態に関連して具体的な特徴、構造または特徴を
説明する場合、他の実施形態に関連してこのような特徴、構造または特徴を実現すること
が主張される。本発明の複数の解釈的実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は
他の多くの修正および実施形態を設計することができ、これらの修正および実施形態は本
出願の開示の請求範囲内にあることを理解されたい。より具体的には、本明細書の開示お
よび特許請求の範囲において、主題の組み合わせレイアウトの構成要素および/またはレ
イアウトは、様々な変形および改善され得る。構成部品やレイアウトの変形や改良に加え
て、当業者にとっては、他の用途も明らかになるであろう。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子製品ケースの製造方法であって、
工程A:基材層の表面にインクまたはペンキを塗布し、昇温ベーキングまたはUV(Ul
traViolet:紫外線)ランプ照射固化を行うことによって、基材層の表面に遮蔽
層を形成し、遮蔽層に接着材転写(adhesive transfer)またはエンボ
ス加工によってテクスチャ層を形成する工程と、
工程B:PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長
)の電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によってテクスチャ層の表面にメ
ッキ層を形成する工程と、
工程C:ケースの種類に応じて、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA(Optical
ly Clear Adhesive:光学透明粘着剤)、UV(UltraViole
t:紫外線)粘着剤のうちのいずれか1つを用いて、メッキ層に粘着層を形成することに
よって、フィルムシートを得る工程と、
工程D:粘着層にてフィルムシートを透明ケースの内面に貼合すること、またはフィルム
シートの粘着層側の表面において射出形成を実行することによって、電子製品ケースを得
る工程と、を含み、
工程Aにおいて、基材層の表面に遮蔽層を形成する前に、基材層の表面において1層の離
型層を加工し、工程Dにおいて、フィルムシートと透明ケースの内面とを貼合してから、
離型層にて基材層を遮蔽層から剥離させる
ことを特徴とする電子製品ケースの製造方法。
【請求項2】
電子製品ケースの製造方法であって、
工程A:基材層の表面にインクまたはペンキを塗布し、昇温ベーキングまたはUV(Ul
traViolet:紫外線)ランプ照射固化を行う工程と、
工程B:PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長
)の電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によってテクスチャ層の表面にメ
ッキ層を形成する工程と、
工程C:ケースの種類に応じて、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA(Optical
ly Clear Adhesive:光学透明粘着剤)、UV(UltraViole
t:紫外線)粘着剤のうちのいずれか1つを用いて、メッキ層に粘着層を形成することに
よって、フィルムシートを得る工程と、
工程D:粘着層にてフィルムシートを透明ケースの内面に貼合すること、またはフィルム
シートの粘着層側の表面において射出形成を実行することによって、電子製品ケースを得
る工程と、
を含み、
工程Aにおける基材層は、色彩のある基材であり、色彩のある基材は基材層に遮蔽層を形
成する必要がない、
ことを特徴とする電子製品ケースの製造方法。
【請求項3】
工程Bにおいて、さらにスクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷
、インクジェットプリント、噴射塗装、浸染、コーティングのうちの1つまたは複数の組
み合わせの着色方式によってメッキ層上において半透明色彩層を実現することができ、工
程Cにおいて、OCA貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリーン印刷、噴射塗装
のうちのいずれか1つによって半透明色彩層に粘着層を形成する、ことを特徴とする請求
に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項4】
工程Dにおける透明ケースは、射出成形によって製作され、射出成形したケースの表面に
1層の指紋防止・耐摩擦硬度塗料を塗布してから、昇温ベーキングを行って、さらにUV
固化成膜を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項5】
工程Dにおける透明ケースは、透明ガラスが、CNC(Computerized Nu
merical Control:コンピューター数値制御)加工された後、高温軟化し
、金型にて成形され、焼き戻されることによって製成される、ことを特徴とする請求項1
に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項6】
更なる透明ケースは、プラスチック複合板材が、高温軟化し、金型にて成形され、スプレ
ー塗布または噴射塗布、または電気メッキによりその表面(非貼合面)に1層の指紋防止
・耐摩擦硬度塗料を被覆し、そしてCNC加工されることによって製成される、ことを特
徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項7】
更なる透明ケースは、肉厚透明ガラスが、CNC加工さることにより、その中間部分が空
洞にされ、そしてポリッシングされ、それから焼き戻されることによって製成される、こ
とを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項8】
工程Dにおける透明ケースとフィルムシートとの貼合加工の方式は、透明ケースを貼合面
が上向に貼合金型の下型に置いて、フィルムシートを透明ケースの上方にフィルムシート
とケースの間に隙間が残されるように置いて、貼合金型内におけるフィルムシートの上下
方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキューム処理して、また加熱の方式によっ
て貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼合するフィルムシートの他側面に対し空
気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上下圧差によってフィルムシートと透明ケ
ースの内面とを貼合させる、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方
法。
【請求項9】
工程Aにおける遮蔽層は、スクリーン印刷、噴射塗装、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、
デジタル印刷、インクジェットプリント、浸染、コーティング、遮蔽材転移のうちの1つ
または複数の組み合わせによって基材層の表面に製作される、ことを特徴とする請求項1
に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項10】
工程Aにおけるテクスチャ層は、テクスチャ金型のUV転写、テクスチャ付エンボスロー
ルのうちのいずれか1つによって遮蔽層に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載
の電子製品ケースの製造方法。
【請求項11】
工程Cにおける粘着層は、ケースの種類によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA
、UV粘着剤のうちのいずれか1つによって粘着される、ことを特徴とする請求項1に記
載の電子製品ケースの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品ケースの製造方法に関し、具体的には主として電子製品ケースの製造
方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子製品ケース、特によくある携帯電話のケースは主にPET材料をフィルムの基材
として採用しています。色、模様、テクスチャを持つフィルムを透明なケースに貼り付け
、OCA光学接着剤を貼り合わせて電子製品の外郭を作ります。上記の密着プロセスにより
形成された電子製品の外装は、フィルムを直接曲げてから貼り合わせる必要があります。
既存のプロセスは加温方式を用いてPETシートを軟化点にまで加温して引張貼付すること
ができない(OCA光学ゴムの耐熱は90℃で、PET材料の軟化温度は150℃前後である)。ま
た、既存の密着プロセスは、嵌合後のハウジングの回転角の位置にあります。基材が軟化
されていない場合、直接に密着構造の複雑な電子製品の外装を行うと、回転角やR角の位
置にフィルムがシワになります。また、PETの物理特性により複雑な構造引張要求を満足
できないため、複雑な構造製品の外観装飾が制限されている。同時に上述のPET材料と密
着プロセスを採用し、設備投資が高く、工程が複雑で、光学級PET材料のコストが高く、
製品はPET材料の透過率の影響で透過性に偏りがあります。前述の既存の電子製品の外装
に使用されるフィルムの原材料(PET材料と光学OCAゴム)は光学等級であり、それらは全
部輸入に依存しており、フィルムの原材料の調達コストは非常に高い。市場環境の影響を
受けて、既存のフィルムの原材料は時々供給不足、価格の高騰が現れ、企業の生産経営に
不便をもたらし、企業の原材料調達コストを高めています。従って,前述の電子製品のケ
ースの製作プロセスについてさらに研究し,改善する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的の一つは、上記不足に対して、電子製品ケースの製造方法を提供することで
ある。従来の技術では、筐体の回転角の密着位置には階層、しわ、反発、気泡などの技術
問題と密着設備の投資が高く、工程が複雑で、製品の良率が低いなどのコスト問題を解決
する。
【0004】
上記の問題を解決するために、本発明は以下の技術方案を採用する。
電子製品ケースの製造方法は、以下の工程を含む。
工程A:基材層の表面にインクまたはペンキを塗布し、昇温ベーキングまたはUV(Ul
traViolet:紫外線)ランプ照射固化を行うことによって、基材層の表面に遮蔽
層を形成すること。そして遮蔽層に接着材転写(adhesive transfer)
またはエンボス加工によってテクスチャ層を形成すること。
工程B:PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)
の電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によってテクスチャ層の表面にメッ
キ層を形成すること。
工程C:ケース類によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA(Optically
Clear Adhesive:光学透明粘着剤)、UV(UltraViolet:
紫外線)粘着剤のうちのいずれか1つを用いて、メッキ層に粘着層を形成することによっ
て、フィルムシートを得ること。
工程D:粘着層にてフィルムシートを透明ケースの内面に貼合すること、またはフィルム
シートの粘着層側の表面において射出形成を実行することによって、電子製品ケースを得
ること。また、製品要求に応じて基材は保留または剥離されてもよい。
【0005】
工程Aにおいて、基材層の表面に遮蔽層を形成する前に、基材層の表面において1層の離
型層を加工する。工程Dにおいて、フィルムシートと透明ケースの内面とを貼合してから
、離型層にて基材層を遮蔽層から剥離させる。
【0006】
工程Aにおける基材層は、色彩のある基材とされてもよい。色彩のある基材とされる場合
、基材層に遮蔽層を形成する必要がない。
【0007】
工程Bにおいて、さらにスクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷
、インクジェットプリント、噴射塗装、浸染、コーティングのうちの1つまたは複数の組
み合わせの着色方式によってメッキ層上において半透明色彩層を実現することができる。
そして、工程Cにおいて、OCA貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリーン印刷
、噴射塗装のうちのいずれか1つによって半透明色彩層に粘着層を形成することができる
【0008】
工程Dにおける透明ケースは、射出成形によって製作される。射出成形したケースの表面
に1層の指紋防止・耐摩擦硬度塗料を塗布してから、昇温ベーキングを行って、さらにU
V固化成膜を実行する。
【0009】
工程Dにおける透明ケースは、透明ガラスが、CNC(Computerized Nu
merical Control:コンピューター数値制御)加工された後、高温軟化し
、金型にて成形され、焼き戻されることによって製成される。
【0010】
更なる透明ケースは、肉厚透明ガラスが、CNC加工さることにより、その中間部分が空
洞にされ、そしてポリッシングされ、それから焼き戻されることによって製成される。
【0011】
更なる透明ケースは、プラスチック複合板材が、高温軟化し、金型にて成形され、スプレ
ー塗布または噴射塗布、または電気メッキによりその表面(非貼合面)に1層の指紋防止
・耐摩擦硬度の塗料を被覆し、そしてCNC加工されることによって製成される。
【0012】
工程Aにおける遮蔽層は、スクリーン印刷、噴射塗装、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、
デジタル印刷、インクジェットプリント、浸染、コーティング、遮蔽材転移のうちの1つ
または複数の具組み合わせによって基材層において製作されてなる。
【0013】
工程Aにおけるテクスチャ層は、テクスチャ金型のUV転写、テクスチャ付エンボスロー
ルのうちのいずれか1つによって遮蔽層において形成される。
【0014】
工程Cにおける粘着層は、ケース類によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA、U
V粘着剤のうちのいずれか1つによって粘着される。
【0015】
工程Dにおける透明ケースとフィルムシートとの貼合加工の方式は、透明ケースを貼合面
が上向に貼合金型の下型に置いて、フィルムシートを透明ケースの上方にフィルムシート
とケースの間に隙間が残されるように置いて、貼合金型内におけるフィルムシートの上下
方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキューム処理して、また加熱の方式によっ
て貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼合するフィルムシートの他側面に対し空
気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上下圧差によってフィルムシートと透明ケ
ースの内面とを貼合させる。
【0016】
本発明の有益な効果は、先行技術に比べて以下の通りである。
1)このように製成されるケースは、基材に対して剥離可能である。したがって、基材は
単にキャリアとして使用されるので、基材に対して光学的要求はなく、フィルムシートの
原材は例えば先進国由来の、高額的光学レベル基材に制限されなく、例えば一般的なコス
ト的非光学基材ですむ。これによって、材料の供給課題を解決でき、材料の納付が保障さ
れ、大幅に原材料の価格を低減できる。
)基材は、熱変形後に延伸し引張っては、しわ、分層、反発、気泡などの問題を克服す
ることができる。電子製品の構成・外形のデザインが多様化可能となる。
3)剥離可能な基材製造の場合、基材が剥離された後、製品がさらに薄くできる。
4)元々PET材料の透過率はほぼ91%~93%であるが、本願製造方法によるフィル
ムシートの中間層は基材がないため、製品の透過率は従来より7%~9%アップできる。
これによって、得られるケースは透過性がさらに良く、色彩およびテクスチャがたっぷり
で美しい。
5)剥離不可能な基材の場合、本願製造方法による製品は、各種類の化粧層が基材と透明
的ケースの間に挟み込まれるとなって、製成品の環境性および耐気候性上のテスト結果が
さらに向上できる。剥離不可能な基材は、色彩のある基材とする場合、遮蔽層を使用しな
くてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る電子製品ケースの製造方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、具体的な実施形態に関連して本発明をさらに説明する。
電子製品ケースの製造方法による電子製品ケースの具体的製造工程は以下の通りである。
工程1:基材の一側面に1層の離型層を塗布する。若しくは基材との付着力が調整可能な
1層の遮蔽層を形成する。基材層に離型層を形成する場合、離型層にスクリーン印刷、噴
射塗装、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷、インクジェットプリント、浸染
、コーティング、遮蔽材転移のうちの1つまたは複数のくみ合わせによって遮蔽層を形成
する。離型層を形成しない場合、直接に前述した方式により基材層において遮蔽層を形成
する。剥離不可能な基材は、色彩のある基材とする場合、遮蔽層を形成しなくてもよい。
工程2:そして、遮蔽層上においてUV転写またはエンボス印刷によってテクスチャ層を
形成する。テクスチャ層が要らない場合、工程3に進めばよい。
工程3:テクスチャ層上においてPVD電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタによ
って真空コーティングを行ってメッキ層を形成する。これは、電子製品ケースの艶やかな
色彩外観を向上するための好ましい工程であるが、メッキ層がいらない場合、直接に工程
4に進めばよい。
工程4:メッキ層上においてスクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル
印刷、インクジェットプリント、浸染、コーティングの方式によって半透明色彩層を形成
する。半透明色彩層が要らない場合、直接に工程5に進めばよい。
工程5:半透明色彩層上においてOCA貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリー
ン印刷、噴射塗装のうちのいずれか1つによって半透明色彩層に1層の粘着剤を塗布して
粘着層を形成することによって、フィルムシートを得る。なお、前記粘着層は、ケース類
によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA、UV粘着剤のうちのいずれか1つによ
って粘着されてもよい。
工程6:粘着層によってフィルムシートを透明ケースの内面に貼合し、または直接にフィ
ルムシートの粘着層側の表面において射出成形を実行することによって電子製品ケースを
製成する。また、製品要求に応じて基材の保留または剥離を選択できる。
前記工程6において、直接にフィルムシートの粘着層側の表面に射出成形を実行する方式
は、金型のキャビティに工程5で得られたフィルムシートを置いて、型を合わせて、フィ
ルムシートの粘着層側の表面において射出材料粒をスクリュー加熱液化によって金型のキ
ャビティ内に注入して電子製品ケースを形成する。スクリュー温度は230~360℃と
する。動作手順は、フィルムシート配置→型合わせ→粘着層側表面の粘着剤注入→冷却→
型開き→製品取出となる。
【0019】
工程6における透明ケースは、3種類の方式を用いて製成することが可能である。
1.材料粒の射出成形によって形成する。射出成形してなるケースの表面に指紋防止・耐
摩擦硬度塗料を塗布する。そして昇温ベーキングを行い、UVランプ固化成膜を実行する

2.透明ケースは、透明ガラスを用いて製成することもできる。具体的には2種類の方式
がある。1つは3D透明ガラスケースである。この場合は、透明ガラスが、CNC加工さ
れてから、高温軟化し、金型にて成形された後、焼き戻しされることによって製成される
。もう1つは肉厚透明ガラスを使用する。この場合は、CNC加工方式によって中間の余
計部分をホローして、ポリシングし、焼き戻しすることによって製成される。
3.透明ケースは、プラスチック複合板材が、高温軟化し、金型にて成形され、スプレー
塗布または噴射塗布または電気メッキによってその表面に1層の指紋防止・耐摩擦硬度の
塗料を被覆し、そしてCNC加工されることによって製成されてもよい。
【0020】
工程1に記載のような上記方法における基材は、シート材または巻き材である。基材層は
、剥離可能および剥離不可能という2種類材料が採用可能である。PC(ポリカーボネー
ト樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル
)+PC、PP(ポリプロピレン)、およびPVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチ
レン)、ABS、PMMA、TPU(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー)、TPE(
サーモプラスチック・エラストマー)等の材質としてもよい。
【0021】
本実施例において剥離可能基材層とする場合、遮蔽層と基材層との間に離型層を増設し、
または基材との付着力を調整可能な遮蔽層を形成する。離型層は、ウレタン、ポリエステ
ル材料からなるものとする。また、フィルムシートと透明ケースの内面とを貼合した後、
基材層と離型層または遮蔽層とを剥離する。本実施例において、上記方法の工程によれば
、遮蔽層は、インクまたはペンキを基材層の表面に塗布し、そしてベーキングまたはUV
照射固化によって形成される。テクスチャ層は粘着剤転写またはエンボス方式によって遮
蔽層において形成される。PVD電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によ
ってテクスチャ層の表面にメッキ層を形成する。半透明色彩層は半透明パターン層とする
。また、スクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷、インクジェッ
トプリント、噴射塗装、浸染、コーティングのうちの1つまたは複数の組み合わせの着色
方式によってメッキ層において半透明色彩層を実現することができる。粘着層は、OCA
貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリーン印刷、噴射塗装のうちのいずれか1つ
によって半透明色彩層に粘着層を形成することができる。
【0022】
本実施例において、透明ケースとフィルムシートとの貼合加工の方式は、透明ケースを貼
合面が上向に貼合金型の下型に置いて、フィルムシートを透明ケースの上方にフィルムシ
ートとケースの間に隙間が残されるように置いて、貼合金型内におけるフィルムシートの
上下方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキューム処理して、また加熱の方式に
よって貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼合するフィルムシートの他側面に対
し空気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上下圧差によってフィルムシートと透
明ケースの内面とを貼合させる。
【0023】
本発明の上記実施例において、上記のように製成される電子製品ケースの多種類の加工工
芸について以下のように説明する。
まず、上記のフィルムシートにおける遮蔽層の加工方式は、10種類の方式によって加工
することができる。
第1種類は、スクリーン印刷である。スクリーン印刷機によって、遮蔽インクをスクリー
ンマスク内に入れて、スクレーパでインクをスクリーンマスクから基材または離型層の表
面に漏らして、昇温ベーキングまたはUVランプ固化の方式によってインクを固化させて
遮蔽層を形成する。ベーキング時間は30~90分間とする。ベーキング温度は60℃~
110℃とする。印刷回数は2~6回とする。UV固化のエネルギーは800~5000
mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0024】
第2種類は、噴射塗装である。スプレーガンでペンキを直接に基材または離型層の表面に
噴射し、昇温ベーキングまたはUVランプ固化の方式によってインクを固化させて遮蔽層
を形成する。そのベーキング時間は30~90分間とする。ベーキングの温度は60℃~
110℃とする。噴射塗装の回数は1~3回とする。UV固化のエネルギーは800~5
000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0025】
第3種類は、平版印刷である。CTP(Computer To Plate)製版機によ
って、ユーザの遮蔽要求に応じてPS板に対しスクリーンスポット露光を実行することに
よって、所定印刷のスクリーンスポットを得る。そして、露光されたPS板を平版印刷機
台上に組み込んで、インクをPS板上に移転して、PS板をゴム布上に移して、ゴム布に
よってさらにインクを基材層または離型層上に転移する。そして、UVランプによって露
光して、固化させることによって遮蔽層を形成する。印刷回数は3~7回とする。~回の
固化条件は800~5000mJ/cm2とする。
【0026】
第4種類は、凹版印刷である。色彩要求に応じて彫刻、腐食、電子彫刻によって凹版を作
る。凹版を凹版印刷機に組み込んで、凹版全面にインクを塗布して、インクスクレーパに
よって空白部分のインクを凹溝だけに残されるようにきれいに取り除く。そして大きな圧
力でインクを基材層または離型層に移転して、UVランプ露光によってインクを固化させ
て遮蔽層を形成する。そのエネルギーは1000~3000mJ/cm2とし、固化時間
は1~3sとする。
【0027】
第5種類は、凸版印刷である。ユーザの遮蔽要求に応じて木板、平版において感光ポリマ
ーを用いて凸版を製成する。凸版印刷機のインク供給装置によって均一にインクを配布し
て、インクローラによってインクをスクリーンマスク上に移転して、そしてスクリーンマ
スクによって遮蔽インクを基材または離型層上に移転する。そして、昇温ベーキングまた
はUVランプ露光によって固化させて遮蔽層を形成する。ベーキング時間は3~5分間と
する。ベーキング温度は60℃~110℃とする。UV固化のエネルギーは1000~3
000mJ/cm2とし、固化時間は1~3sとする。
【0028】
第6種類は、デジタル印刷である。その操作方式は以下のとおりである。図文情報をコン
ピュータに出力して、コンピュータ上で創意、修正して、ユーザの所望の色とパターンに
編成して、RIP処理を行って、モノクロ画素のデジタル信号にして、レーザーコントロ
ーラに伝送して、相応のレーザービームを発出して、印刷ロールに対しスキャンを実行す
る。感光材料によって製成される印刷ドラム (スクリーンマスクなし)は、感光された
後、インク液またはインク粉を吸付する図文が形成され、メッキ層の表面に転写されるこ
とによって、半透明色彩層を形成する。
【0029】
第7種類は、インクジェットプリントである。ユーザの色要求に応じて圧電インクジェッ
トまたはホットインクジェット方式によってペンキを直接にメッキ層の表面に噴出して半
透明色彩層を形成する。
【0030】
第8種類は、浸染である。その操作方式は以下のとおりである。基材を浸染溝に入れて、
染浴(染浴)循環または被染物運動によって、染料を漸次的に基材層または離型層上に染
める。そして取出して、昇温ベーキング方式によって染料を固化させて遮蔽層を形成する
。ベーキング時間は30~90分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とし、浸染
回数は1~3回とする。
【0031】
第9種類は、コーティングである。その操作方式はコーティング設備を用いて、異なる塗
料の特性によって、ピン棒、アニロールロール、コンマ状スクレーパ、スリット式噴射ヘ
ッド等の方式を用いて遮蔽塗料を均一に基材層または離型層上に塗布することができる。
昇温ベーキングまたはUVランプ固化方式によって塗料を固化させて遮蔽層を形成する。
ベーキング時間は3~5分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とする。UV固化
のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は1~3sとする。
【0032】
第10種類は、遮蔽層転移である。転移粘着剤を用いて遮蔽材料上における遮蔽層をUV
転写設備によって基材層または離型層に移転して、UVランプ露光によって固化させて遮
蔽層を形成する。その固化エネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は
2~5sとする。
【0033】
上記のフィルムシートにおける遮蔽層上のテクスチャ層は、また、3種類の方式によって
それぞれ加工することができる。
【0034】
第1種類は、シート状基材のUV転写によるテクスチャ製作方式である。その操作方式は
以下の通りである。UV粘着剤をテクスチャのある金型に入れて、それに基材(遮蔽面が
下向きに)を置いて、ローラープレスによってUVテクスチャ全面に均一に1層のUV粘
着剤を塗布する。そして、UVランプによって露光する。3~5s露光固化後、基材を拾
って、UV粘着剤テクスチャを遮蔽層に転写する。テクスチャ層材料はアクリル酸エステ
ル(UV粘着剤)とする。固化エネルギーは1000~3500mJ/cm2とする。
【0035】
第2種類は、巻き状基材のUV転写によるテクスチャ製作方式である。その操作方式は以
下の通りである。コーティング機によってUV粘着剤を均一に遮蔽層に塗布して、テクス
チャのあるドラムで塗布した粘着剤に完全に密閉結合させて、直接にUVランプによって
露光を実行する。1~3s露光固化後、基材とテクスチャドラムとが分離する。最後に、
巻き状遮蔽層の上面においてUVテクスチャが得られた後、材料がフィルム被覆され、巻
き戻される。テクスチャ層の材料はアクリル酸エステル(UV粘着剤)とする。固化のエ
ネルギーは1000~3500mJ/cm2とする。
【0036】
第3種類は、巻き状基材エンボスの製作方式である。その操作方式は以下の通りである。
コーティング機によってポリウレタン粘着剤を均一に遮蔽層に塗布して、60~120℃
のベーキング2~5分間で粘着剤成膜して、160℃で高温テクスチャのあるドラムを用
いて直接に成膜粘着剤をテクスチャ押出して、基材とテクスチャドラムを分離する。最後
に、巻き状遮蔽層の上面においてUVテクスチャが得られた後、材料がフィルム被覆され
、巻き戻される。
【0037】
上述フィルムシートにおけるメッキ層の加工方式は、また、下記の2種類によってそれぞ
れ加工することができる。
第1種類は、PVD電子ビーム蒸着である。その操作方式は以下の通りである。基材をコ
ーティング設備内に入れて、コーティング設備内の空气をバキューム処理して、8.0×
10-2~2.0×10-4pa真空で電子ビームで直接に加熱し、フィルム材料を蒸発
させる。これによって、蒸発用フィルム材料が蒸発し、基材のテクスチャ面へ堆積する。
テクスチャ面にメッキ層を堆積形成する。この操作方式は、製品の色彩や製品性能の需要
によって多種類のメッキ層の重合使用が可能である。
【0038】
第2種類は、マグネトロンスパッタである。その操作方式は以下の通りである。基材をコ
ーティング設備内に入れて、コーティング設備内の空气をバキューム処理して、8.0×
10-2~2.0×10-4pa真空でイオン源によって基材表面を衝撃する。そして、
電場を用いて気体を放電させて気体電離を発生させる。その正イオンが磁場下で陰極ター
ゲットを高速で衝撃し、陰極ターゲットの原子または分子をスパッタリングさせて陽極に
ある基板に飛ばす。そのテクスチャ表面にメッキ層をメッキ層を堆積形成する。該操作方
式は、製品の色彩や製品性能の需要によって多種類のメッキ層の重合使用が可能である。
【0039】
上記のフィルムシートにおける半透明色彩層は、半透明パターンを有する。下記の9種類
の方式によってそれぞれ加工することができる。
第1種類は、スクリーン印刷である。ユーザの色の要求に応じて、スクリーン印刷機によ
って、半透明インクをスクリーンマスク内に入れて、スクレーパでインクをスクリーンマ
スクから基材または離型層の表面に漏らして、昇温ベーキングまたはUVランプ固化の方
式によってインクを固化させて半透明色彩層を形成する。ベーキング時間は30~90分
間とする。ベーキング温度は60℃~110℃とする。印刷回数は1~3回とする。UV
固化のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0040】
第2種類は、平版印刷である。CTP製版機によって、ユーザの色彩要求に応じてPS板
に対しスクリーンスポット露光を実行するとともに、色彩要求によってインクを調整する
。そして、露光されたPS板を平版印刷機台上に組み込んで、インクをPS板上に移転し
て、PS板をゴム布上に移して、ゴム布によってさらにインクを基材層または離型層上に
転移する。そして、UVランプによって露光して、固化させることによって半透明色彩層
を形成する。印刷回数は2~7回とする。毎回の固化条件は800~5000mJ/cm
2とする。
【0041】
第3種類は、凹版印刷である。色彩要求に応じて彫刻、腐食、電子彫刻によって凹版を作
る。凹版を凹版印刷機に組み込んで、凹版全面にインクを塗布して、インクスクレーパに
よって空白部分のインクを凹溝だけに残されるようにきれいに取り除く。そして大きな圧
力でインクを基材層または離型層に移転して、UVランプ露光によってインクを固化させ
て遮蔽層を形成する。そのエネルギーは1000~3000mJ/cm2とし、固化時間
は1~3sとする。
【0042】
第4種類は、凸版印刷である。色彩要求に応じて木板、平版において感光ポリマーを用い
て凸版を製成する。凸版印刷機のインク供給装置によって均一にインクを配布して、イン
クローラによってインクをスクリーンマスク上に移転して、そしてスクリーンマスクによ
って遮蔽インクを基材または離型層上に移転する。そして、昇温ベーキングまたはUVラ
ンプ露光によって固化させて半透明色彩層を形成する。ベーキング時間は3~5分間とす
る。ベーキング温度は60℃~110℃とする。UV固化のエネルギーは1000~30
00mJ/cm2とし、固化時間は1~3sとする。
【0043】
第5種類は、デジタル印刷である。その操作方式は以下のとおりである。図文情報をコン
ピュータに出力して、コンピュータ上で創意、修正して、ユーザの所望の色とパターンに
編成して、RIP処理を行って、モノクロ画素のデジタル信号にして、レーザーコントロ
ーラに伝送して、相応のレーザービームを発出して、印刷ロールに対しスキャンを実行す
る。感光材料によって製成される印刷ドラム (スクリーンマスクなし)は、感光された
後、インク液またはインク粉を吸付する図文が形成され、メッキ層の表面に転写されるこ
とによって、半透明色彩層を形成する。
【0044】
第6種類は、インクジェットプリントである。ユーザの色の要求に応じて圧電インクジェ
ットまたはホットインクジェット方式によってペンキを直接にメッキ層の表面に噴出して
半透明色彩層を形成する。
【0045】
第7種類は、噴射塗装である。ユーザの色彩要求に応じてスプレーガンでペンキを直接に
メッキ層表面に噴出する。昇温ベーキングまたはUVランプ露光固化方式によってインク
を固化させて半透明色彩層を形成する。そのベーキング時間は30~90分間とする。ベ
ーキングの温度は60℃~110℃とする。噴射塗装の回数は2~5回とする。UV固化
のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとする。
【0046】
第8種類は、浸染である。その操作方式は以下のとおりである。基材を浸染溝に入れて、
染浴(染浴)循環または被染物運動によって、染料を漸次的にメッキ層上に染める。そし
て取出して、昇温ベーキング方式によって染料を固化させて半透明色彩層を形成する。浸
染回数は1~3回とする。侵染時間は5~15分間/回とする。ベーキング時間は30~
90分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とする。
【0047】
第9種類は、コーティングである。その操作方式は以下の通りである。コーティング設備
を用いて、異なる塗料の特性によって、ピン棒、アニロールロール、コンマ状スクレーパ
、スリット式噴射ヘッド等の方式を用いて遮蔽塗料を均一に基材層または離型層上に塗布
することができる。昇温ベーキングまたはUVランプ固化方式によって塗料を固化させて
遮蔽層を形成する。ベーキング時間は3~5分間とし、ベーキング温度は60℃~110
℃とする。UV固化のエネルギーは800~5000mJ/cm2とし、固化時間は1~
3sとする。
【0048】
上記フィルムシートにおける粘着層は、下記の4種類の方式によってそれぞれ製作するこ
とができる。
第1種類は、OCA貼合方式である。直接にOCAを購入して平版貼合機を用いてOCA
を半透明色彩層に貼合して粘着層を形成する。
【0049】
第2種類は、コーティング機を用いて、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、熱溶融粘着剤など
の粘着剤特性によってピン棒、アニロールロール、コンマ状スクレーパ、スリット式噴射
ヘッド等のコーティング方式を用いて粘着剤を均一に半透明色彩層上に塗布することがで
きる。昇温ベーキング固化方式によって塗料を固化させて粘着層を形成する。ベーキング
時間は2~5分間とし、ベーキング温度は60℃~110℃とする。
【0050】
第3種類は、UV粘着剤を使用する。具体的に、ピン棒、スクリーン印刷または噴射塗装
の方式によって、UV粘着剤を半透明色彩層に塗布して、粘着剤の自流が整ってから、真
空貼合機によって直接に透明ケースに貼合する。貼合後にUVランプ露光固化を利用する
。その固化エネルギーは1000~3000mJ/cm2とし、固化時間は2~5sとす
る。
【0051】
第4種類はスクリーン印刷機によって感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、熱溶融粘着剤などを
スクリーンマスク内に入れて、スクレーパでインクをスクリーンマスクから半透明色彩層
の表面に漏らして、また、昇温ベーキング固化方式によって粘着剤を固化させて粘着層を
形成する。ここで、ベーキング時間は2~5分間、ベーキング温度は60℃~110℃と
する。
【0052】
上記の透明ケースは、下記の3種類の加工方式を使用することができる。
1.3D構成の透明ガラスケースのそのまま使用である。または3.5D構成の透明ガラ
スによってケースを製作する。ここで、3D透明ガラスケースは、透明ガラスとしてもよ
く、CNC加工により外形を加工する。そして、高温軟化し、金型にて成形され、そして
ガラス焼き戻しを実行する。一方、3.5D構成の透明ガラスは肉厚玻璃としてもよく、
その中間部分をCNC加工により空洞にして、ポリッシングを実行し、ガラス焼き戻しを
行う。
【0053】
2.透明ケースの射出成形である。その操作方式は下記の通りである。射出成形材料粒を
スクリュー加熱液化の方式によって金型のキャビティ内に注入する。スクリュー温度は2
30~360℃とする。動作手順は、型合わせ→粘着剤注入→冷却→型開き→製品取出と
なる。指紋防止・耐摩擦硬度の塗料を用いて射出成形のケース面(非貼合面)にスプレー
塗布または噴射塗布して、そして、昇温ベーキングしてから、UVランプ固化成膜によっ
て表面性を生成する。ベーキング時間は3~5分間とし、ベーキング温度は50℃~10
0℃とする。UV固化のエネルギーは2000~4000mJ/cm2とし、固化時間は
2~5sとする。
【0054】
3.透明ケースのダイカストである。異なる材料の物理性によって、高温で材料を溶融さ
せた後、プロファイル金型に入れて、冷却させる。そして、取出して、供給口に入れて、
CNC加工を実行する。
【0055】
上記透明ケースとフィルムシートとの間の貼合加工の方式は以下の通りである。
透明ケースを貼合面が上向きに配置されるように貼合金型の下型に置いて、フィルムシー
トを透明ケースの上方にフィルムシートとケースの間に隙間が残されるように置いて、貼
合金型内におけるフィルムシートの上下方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキ
ューム処理して、また加熱の方式によって貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼
合するフィルムシートの他側面に対し空気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上
下圧差によってフィルムシートと透明ケースの内面とを貼合させる。貼合粘着剤の特性に
よって製品貼合後にそれぞれ加熱または加圧を行ってもよく、これによって粘着剤の粘性
を向上する。
【0056】
また、本発明の上記実施形態の説明では、特に、顧客の外観効果に対する要求が異なるた
め、使用する原材料と接着剤、印刷用インクの特性によって異なる加工条件の違いがある
ことを説明する必要がある。上記以外にも、本明細書で述べられた「一実施形態」、「別
の実施形態」、「実施形態」などは、本実施形態に関連して説明された具体的な特徴、構
造、または特徴が本明細書で概括的に説明された少なくとも一実施形態に含まれることを
意味する。明細書の複数の場所で同じ表現が現れることは、必ずしも同じ実施形態を指す
ものではない。さらに、いずれかの実施形態に関連して具体的な特徴、構造または特徴を
説明する場合、他の実施形態に関連してこのような特徴、構造または特徴を実現すること
が主張される。本発明の複数の解釈的実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は
他の多くの修正および実施形態を設計することができ、これらの修正および実施形態は本
出願の開示の請求範囲内にあることを理解されたい。より具体的には、本明細書の開示お
よび特許請求の範囲において、主題の組み合わせレイアウトの構成要素および/またはレ
イアウトは、様々な変形および改善され得る。構成部品やレイアウトの変形や改良に加え
て、当業者にとっては、他の用途も明らかになるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子製品ケースの製造方法であって、
工程A:基材層の表面にインクまたはペンキを塗布し、昇温ベーキングまたはUV(Ul
traViolet:紫外線)ランプ照射固化を行うことによって、基材層の表面に遮蔽
層を形成し、遮蔽層に接着材転写(adhesive transfer)またはエンボ
ス加工によってテクスチャ層を形成する工程と、
工程B:PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長
)の電子ビーム蒸着またはマグネトロンスパッタの方式によってテクスチャ層の表面にメ
ッキ層を形成する工程と、
工程C:ケースの種類に応じて、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA(Optical
ly Clear Adhesive:光学透明粘着剤)、UV(UltraViole
t:紫外線)粘着剤のうちのいずれか1つを用いて、メッキ層に粘着層を形成することに
よって、フィルムシートを得る工程と、
工程D:粘着層にてフィルムシートを透明ケースの内面に貼合すること、またはフィルム
シートの粘着層側の表面において射出形成を実行することによって、電子製品ケースを得
る工程と、を含み、
工程Aにおいて、基材層の表面に遮蔽層を形成する前に、基材層の表面において1層の離
型層を加工し、工程Dにおいて、フィルムシートと透明ケースの内面とを貼合してから、
離型層にて基材層を遮蔽層から剥離させる、
ことを特徴とする電子製品ケースの製造方法。
【請求項2】
工程Bにおいて、さらにスクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、デジタル印刷
、インクジェットプリント、噴射塗装、浸染、コーティングのうちの1つまたは複数の組
み合わせの着色方式によってメッキ層上において半透明色彩層を実現することができ、工
程Cにおいて、OCA貼合、コーティング、UV粘着剤固化、スクリーン印刷、噴射塗装
のうちのいずれか1つによって半透明色彩層に粘着層を形成する、ことを特徴とする請求
項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項3】
工程Dにおける透明ケースは、射出成形によって製作され、射出成形したケースの表面に
1層の指紋防止・耐摩擦硬度塗料を塗布してから、昇温ベーキングを行って、さらにUV
固化成膜を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項4】
工程Dにおける透明ケースは、透明ガラスが、CNC(Computerized Nu
merical Control:コンピューター数値制御)加工された後、高温軟化し
、金型にて成形され、焼き戻されることによって製成される、ことを特徴とする請求項1
に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項5】
更なる透明ケースは、プラスチック複合板材が、高温軟化し、金型にて成形され、スプレ
ー塗布または噴射塗布、または電気メッキによりその表面(非貼合面)に1層の指紋防止
・耐摩擦硬度塗料を被覆し、そしてCNC加工されることによって製成される、ことを特
徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項6】
更なる透明ケースは、肉厚透明ガラスが、CNC加工さることにより、その中間部分が空
洞にされ、そしてポリッシングされ、それから焼き戻されることによって製成される、こ
とを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項7】
工程Dにおける透明ケースとフィルムシートとの貼合加工の方式は、透明ケースを貼合面
が上向に貼合金型の下型に置いて、フィルムシートを透明ケースの上方にフィルムシート
とケースの間に隙間が残されるように置いて、貼合金型内におけるフィルムシートの上下
方の空気を1pa以下の真空状態になるまでバキューム処理して、また加熱の方式によっ
て貼合するフィルムシートを軟化させてから、貼合するフィルムシートの他側面に対し空
気または高圧気体を注入し、フィルムシートの上下圧差によってフィルムシートと透明ケ
ースの内面とを貼合させる、ことを特徴とする請求項1に記載の電子製品ケースの製造方
法。
【請求項8】
工程Aにおける遮蔽層は、スクリーン印刷、噴射塗装、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、
デジタル印刷、インクジェットプリント、浸染、コーティング、遮蔽材転移のうちの1つ
または複数の組み合わせによって基材層の表面に製作される、ことを特徴とする請求項1
に記載の電子製品ケースの製造方法。
【請求項9】
工程Aにおけるテクスチャ層は、テクスチャ金型のUV転写、テクスチャ付エンボスロー
ルのうちのいずれか1つによって遮蔽層に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載
の電子製品ケースの製造方法。
【請求項10】
工程Cにおける粘着層は、ケースの種類によって、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、OCA
、UV粘着剤のうちのいずれか1つによって粘着される、ことを特徴とする請求項1に記
載の電子製品ケースの製造方法。