(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171549
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】プログラム編集装置、ロボットシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
B25J 9/22 20060101AFI20221104BHJP
G05B 19/42 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B25J9/22 A
G05B19/42 P
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006362
(22)【出願日】2022-01-19
(62)【分割の表示】P 2021552738の分割
【原出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】新村 星太郎
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 豪
【テーマコード(参考)】
3C269
3C707
【Fターム(参考)】
3C269AB33
3C269BB09
3C269CC09
3C269MN07
3C269MN26
3C269QB02
3C269QC01
3C269QD02
3C269QE01
3C269QE02
3C269QE10
3C269QE17
3C269QE18
3C269QE22
3C269QE26
3C269SA01
3C269SA05
3C707BS12
3C707JU02
3C707JU14
3C707MS16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】動作プログラムが意図せず変更されてしまうことを効果的に防止するロボット教示システムを提供する。
【解決手段】ロボット1を動作させるための動作プログラムを編集可能なプログラム編集装置20と、教示内容を入力可能な教示入力部14を有し、少なくともプログラム編集装置20に接続される操作装置とを備え、プログラム編集装置20は、プログラム編集装置20において動作プログラムに所定の教示命令が追加されたときに、教示入力部14による教示操作を有効に切り替えるとともに、教示入力部14において入力された教示内容に基づいて動作プログラムを編集するロボット教示システム100である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットを動作させるための動作プログラムを編集可能なプログラム編集装置と、
教示内容を入力可能な教示入力部を有し、少なくとも前記プログラム編集装置に接続可能な操作装置とを備え、
前記プログラム編集装置は、前記動作プログラムに所定の教示命令が追加されたときに、前記教示入力部による教示操作を有効に切り替えるとともに、該教示入力部において入力された前記教示内容に基づいて前記動作プログラムを編集するロボット教示システム。
【請求項2】
前記プログラム編集装置が、前記動作プログラムを表示する表示部を備える請求項1に記載のロボット教示システム。
【請求項3】
前記プログラム編集装置が、前記表示部に表示された前記教示命令の位置に、前記教示内容を追加する請求項2に記載のロボット教示システム。
【請求項4】
前記プログラム編集装置は、前記教示入力部に前記教示内容が入力されたときには、入力された前記教示内容が追加された前記動作プログラムを前記表示部に表示する請求項2または請求項3に記載のロボット教示システム。
【請求項5】
前記プログラム編集装置は、命令毎に規定されたアイコンの羅列によって前記動作プログラムを前記表示部に表示する請求項2から請求項4のいずれかに記載のロボット教示システム。
【請求項6】
前記プログラム編集装置は、該プログラム編集装置において編集している前記動作プログラムから前記教示命令が削除されたときに、前記教示入力部による教示操作を無効に切り替える請求項1から請求項5のいずれかに記載のロボット教示システム。
【請求項7】
教示内容を入力可能な教示入力部を有する操作装置の接続を取得する接続ステップと、
ロボットの動作プログラムに所定の教示命令の追加を受け付ける教示命令追加ステップと、
前記教示命令が追加されたときに、前記操作装置の前記教示入力部による教示操作を有効にする教示操作有効ステップと、
前記教示入力部において入力された前記教示内容に基づいて前記動作プログラムを編集する編集ステップとを含み、少なくとも1つのプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
前記教示命令の位置に前記教示内容を追加する教示内容追加ステップを含む請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記動作プログラムを表示部に表示させる動作プログラム表示ステップを含む請求項7または請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記動作プログラム表示ステップが、命令毎に規定されたアイコンの羅列によって前記動作プログラムを前記表示部に表示させる請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記動作プログラムから前記教示命令が削除されたときに、前記操作装置の前記教示操作を無効にする教示操作無効ステップを含む請求項7から請求項10のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
ロボットを動作させるための動作プログラムを編集可能なプログラム編集装置であって、
教示内容を入力可能な教示入力部を有する操作装置の接続を受付ける受付部と、
前記動作プログラムに所定の教示命令が追加されたときに、前記操作装置の前記教示入力部による教示操作を有効に切り替えるとともに、該教示入力部において入力された前記教示内容に基づいて前記動作プログラムを編集する制御部とを備えるプログラム編集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット教示システム、プログラムおよびプログラム編集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作者により加えられる力を内蔵したセンサによって検出し、検出された力の大きさおよび方向に応じてロボットの位置および姿勢を変更するダイレクトティーチが知られている(例えば、特許文献1参照。)。操作者は、ロボットの手首先端に取り付けられたハンドルを把持して、ロボットに力を加え、必要な位置においてハンドル近くに設けられた教示ボタンを押下することにより教示操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダイレクトティーチによるロボットの操作は、教示中のみならず自動運転中にも行われるので、ロボットに力を加えるハンドル近くに教示ボタンが設けられていると、自動運転中にも教示ボタンを操作してしまうことが起こり得る。教示ボタンを使った教示操作時以外において教示ボタンが操作されて動作プログラムが意図せず変更されてしまう不都合を防止するために、教示ボタンの有効、無効を切り替えるスイッチを別途設けることが考えられる。
【0005】
しかし、このようなスイッチを設ける場合には、教示開始時に教示ボタンを有効にするスイッチ操作および教示終了時に教示ボタンを無効にするスイッチ操作が追加されるため、ユーザにとって煩わしさが増大する。したがって、ユーザの操作の煩わしさを増大させることなく、動作プログラムが意図せず変更されてしまうことを効果的に防止することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ロボットを動作させるための動作プログラムを編集可能なプログラム編集装置と、教示内容を入力可能な教示入力部を有し、少なくとも前記プログラム編集装置に接続される操作装置とを備え、前記プログラム編集装置は、該プログラム編集装置において前記動作プログラムに所定の教示命令が追加されたときに、前記教示入力部による教示操作を有効に切り替えるとともに、該教示入力部において入力された前記教示内容に基づいて前記動作プログラムを編集するロボット教示システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態に係るロボット教示システムを示す全体構成図である。
【
図2】
図1のロボット教示システムにおいてモニタに表示される動作プログラムの編集画面例を説明する図である。
【
図3】
図1のロボット教示システムにおいて用いられる外部入力教示命令を表すアイコンの一例を示す図である。
【
図4】
図3のアイコンをプログラムラインに追加した図である。
【
図5】
図1のロボット教示システムの操作装置において教示操作をすることにより、
図4のアイコンの直前に教示内容が追加された図である。
【
図6】既存の動作プログラムの途中位置に外部入力教示命令を追加する場合を説明する図である。
【
図7】
図6により、既存の動作プログラムの途中位置に外部入力教示命令が追加された状態を示す図である。
【
図8】
図7において追加された外部入力教示命令の直前に教示内容が追加された図である。
【
図9】
図5のアイコンの他の例である括弧型のアイコンを説明する図である。
【
図10】
図9の括弧型のアイコンの開始点と終点との間に教示内容を追加した図である。
【
図11】
図9の括弧型のアイコンの外側に外部入力教示命令が取り出された図である。
【
図12】アイコンに代えてテキスト形式の命令による動作プログラムの一例を示す図である。
【
図13】
図12の動作プログラムの途中位置に、テキスト形式の外部入力教示命令が追加された図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施形態に係るロボット教示システム100について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るロボット教示システム100は、
図1に示されるように、ロボット1の手首ユニット6に装着される操作装置10と、ロボット1および操作装置10に接続され、ロボット1を制御する制御装置(プログラム編集装置)20とを備えている。
ロボット1は、操作者により操作装置10に加えられる力を検出するセンサを内蔵し、センサにより検出された力の大きさおよび方向に応じてロボット1の位置および姿勢を変更するダイレクトティーチにより動作可能である。
【0009】
ロボット1は、
図1に示す例では、垂直6軸多関節型ロボットであり、床面等の被設置面fに設置されるベース2と、ベース2に対して第1軸線A回りに回転可能に支持された旋回胴3とを備えている。また、ロボット1は、旋回胴3に第2軸線B回りに回転可能に支持された第1アーム4と、第1アーム4に第3軸線C回りに回転可能に支持された第2アーム5と、第2アーム5の先端に支持された3軸の手首ユニット6とを備えている。
【0010】
手首ユニット6には最先端の回転軸線(第6軸)X回りに回転可能なフランジ7が備えられている。操作装置10は、フランジ7に固定されるブラケット11と、ブラケット11に固定されたハンドル12,13と、ハンドル12,13を握る手によって操作可能な位置に配置されたイネーブルスイッチ15および教示ボタン(教示入力部)14を備えている。
【0011】
本実施形態に係るプログラム編集装置である制御装置20は、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを備えている。また、制御装置20は、教示操作盤21を備えている。教示操作盤21は、動作プログラムを表示可能なモニタ(表示部)22と、教示命令等を入力可能なタッチパネル23とを備えている。また、教示操作盤21はキーパッド24を備えていてもよい。
【0012】
制御装置20は、教示操作盤21のタッチパネル23あるいはキーパッド24から入力した内容をモニタ22上のプログラムラインに表示することにより動作プログラムを編集可能である。また、制御装置20は、教示操作盤21のプログラムラインに外部入力教示命令(所定の教示命令)を入力したときには、ロボット1の手首ユニット6に装着されている操作装置10の教示ボタン14による教示操作を有効に切り替える。そして、制御装置20は、教示ボタン14による教示操作を有効に切り替えた後には、教示ボタン14による教示操作が無効に切り替えられるまで、教示ボタン14によって入力された教示内容に基づいて動作プログラムを編集する。
【0013】
例えば、制御装置20は、操作者が動作プログラムを編集しようとするときには、教示操作盤21において編集モードを選択する。編集モードが選択されると、モニタ22に、
図2に示されるように、ロボット1の3次元モデル、プログラムラインおよび動作プログラムを構成する種々の命令を表すアイコンが表示される。アイコンはタッチパネル23あるいはキーパッド24によって選択可能であり、選択したアイコンをプログラムラインに追加して、アイコンを羅列していくことにより動作プログラムを編集することができる。
【0014】
編集している動作プログラム、すなわち、プログラムライン内に外部入力教示命令が存在しない状態では、制御装置20は、手首ユニット6の先端に装着されている操作装置10の教示ボタン14による教示操作を無効に設定している。したがって、この状態で操作装置10を操作し教示ボタン14を押下しても、教示内容の入力は行われない。ただし、操作装置10に設けられたイネーブルスイッチ15を押下している間は、ハンドル12,13に加えられた力に応じたダイレクトティーチにより、ロボット1の位置および姿勢を変更する操作は有効に維持される。
【0015】
教示ボタン操作による教示を行う場合には、操作者は、例えば、モニタ22に表示されているアイコンの中から、
図3に示されるような外部入力教示命令を表すアイコン30を選択する。そして、
図4に示されるように、選択したアイコン30をプログラムライン40に追加する。これにより、制御装置20は、操作装置10の教示ボタン14が押下されることによって送信する信号を認識するようになり、操作装置10の教示ボタン14からによる教示操作が有効に切り替えられる。
【0016】
教示ボタン14による教示操作が有効に切り替えられた状態においては、操作者がイネーブルスイッチ15を押下した状態で、ハンドル12,13に力を加えてロボット1を所望の位置および姿勢に変更し、教示ボタン14を押下することにより、操作装置10は制御装置へ所定の信号を送信することによって、教示点の教示が行われる。すなわち、教示ボタン14が押下された時点でのロボット1の位置および姿勢を記録した教示点への動作命令がプログラムライン40に追加される。
【0017】
動作命令のプログラムライン40への追加位置は、
図5に示されるように、外部入力教示命令を表すアイコン30が表示されている位置である。教示ボタン14を押下して動作命令が追加されたときには、外部入力教示命令を表すアイコン30は、例えば、1つ後ろに移動させられる。この場合のアイコン30は、次に教示ボタン14を押下した際の、動作命令が追加される位置を示している。操作装置10のハンドル12,13に力を加えてロボット1を移動させ、教示ボタン14を押下することを繰り返すことにより、外部入力教示命令を表すアイコン30の位置に、動作命令を表すアイコン31が順次追加され、アイコン30,31を複数羅列させた動作プログラムが編集される。
【0018】
また、既に存在している動作プログラム中に教示ボタン操作による教示によって動作命令を追加する場合には、
図6に示されるように、モニタ22に表示されている動作プログラムの動作命令を追加しようとする位置に、外部入力教示命令を表すアイコン30を追加する。これにより、
図7に示されるように、教示ボタン14を押す毎に、外部入力教示命令を表すアイコン30の位置に、教示ボタン操作による教示による動作命令が追加されていき、アイコン30は、1つの動作命令が追加されると、1つずつ後ろに移動する。
【0019】
そして、教示ボタン操作による教示操作を終了するときには、教示操作盤21のタッチパネル23あるいはキーパッド24を操作してプログラムライン40から外部入力教示命令を表すアイコン30を削除する。これにより、制御装置20は操作装置10の教示ボタン14が押下されることにより送信される信号を認識しなくなり、操作装置10の教示ボタン14による以降の入力操作が無効となる。プログラムライン40からの外部入力教示命令を表すアイコン30の削除し忘れを防止するために、外部入力教示命令を表すアイコン30がプログラムライン40に存在している間は、自動運転できないようにしてもよい。
【0020】
このように、本実施形態に係るロボット教示システム100によれば、教示操作盤21の操作により動作プログラムの編集を行うことができる。また、教示操作盤21のモニタ22のプログラムライン40に外部入力教示命令を追加することにより、操作装置10の教示ボタン14を用いた動作プログラムの編集を行うことができる。
【0021】
すなわち、操作者が、外部入力教示命令を表すアイコン30をプログラムライン40に追加するだけで、教示ボタン14の押下による動作命令の挿入箇所を明確にすると同時に、教示ボタン操作による教示を有効にすることができる。また、教示ボタン操作による教示終了時に、外部入力教示命令を表すアイコン30をプログラムライン40から削除することにより、教示ボタン操作による教示を無効にすることができる。
【0022】
これにより、プログラムライン40に外部入力教示命令を表すアイコン30を追加したプログラム編集中以外における教示ボタン14による動作プログラムの編集が禁止される。その結果、操作者が自動運転中に意図せず動作プログラムを変更してしまう不都合の発生を防止することができる。
【0023】
そして、教示ボタン操作による教示を有効にするという操作を、プログラムライン40へのアイコンの追加という通常のプログラム編集操作によって実施することができる。プログラム編集操作とは異なるスイッチ操作等によって、教示ボタン操作による教示の有効と無効とを切り替える作業を操作者が行う必要がないので、操作者の煩わしさを増大させずに済むという利点がある。
【0024】
また、教示ボタン操作による教示による動作命令の挿入箇所に外部入力教示命令を表すアイコン30を挿入することにより教示ボタン操作による教示を有効にするので、動作プログラムの任意の位置から教示ボタン操作による教示による動作命令を追加することができる。
そして、操作装置10の教示ボタン14を押下することにより、モニタ22上に表示されている動作プログラムが、外部入力教示命令を表すアイコン30の位置に教示ボタン操作による教示による動作命令が追加された動作プログラムに更新される。
【0025】
これにより、操作者は、教示ボタン操作による教示によって編集した動作プログラムをリアルタイムに確認することができる。例えば、操作者が教示ボタン操作による教示において誤った教示点を教示してしまった場合に、動作プログラム上の外部入力教示命令を表すアイコン30を探すことにより、最後に追加した誤った動作命令を瞬時に探すことができ、迅速に修正することができる。
【0026】
なお、本実施形態においては、単に、教示ボタン14を押下することにより教示ボタン14が押下された時点でのロボット1の位置および姿勢を記録した教示点への動作命令が追加される場合について説明した。これに代えて、教示ボタン14の押下方法を変更することによって、異なる態様で動作命令を追加できることにしてもよい。
【0027】
例えば、
図5および
図8のように、外部入力教示命令を表すアイコン30の位置に動作命令を表すアイコン31を挿入する場合には、教示ボタン14を押してすぐ(例えば、1秒以内)に放す(以下、短押しという。)ことにすればよい。
一方、教示ボタン14を押して1秒後に放す(以下、長押しという。)ことにより、
図9に示されるように、外部入力教示命令の位置に、開始点と終点とを表す、例えば、括弧型のアイコン32を表示することにしてもよい。括弧型のアイコン32が、外部入力教示命令を表すアイコン30の位置に挿入されると、アイコン30は括弧型のアイコン32に挟まれる位置に移動されることにしてもよい。括弧型のアイコン32は、例えば、溶接命令であって、開始点と終点との間に溶接の経由点を教示することができる。
【0028】
また、外部入力教示命令を表すアイコン30が括弧型のアイコン32の内側に配置されている状態で、教示ボタン14の短押しにより、
図10に示されるように、外部入力教示命令の位置に動作命令を表すアイコン31が追加されることにしてもよい。このとき、アイコン30は、例えば、後ろに1つ移動されることにしてもよい。また、外部入力教示命令を表すアイコン30が括弧型のアイコン32の内側に配置されている状態で、教示ボタン14の長押しにより、例えば、アイコン32の終点の位置を教示するようにしてもよい。終点の教示後に、
図11に示されるように、外部入力教示命令を表すアイコン30を括弧型のアイコン32の外側に移動させることにしてもよい。
【0029】
教示ボタン14を押すことにより追加される動作命令やその位置は、アプリケーション毎に規定されていればよい。例えば、アーク溶接のアプリケーションであれば、アーク溶接命令あるいは溶接中の経由点への移動命令であり、ハンドリングのアプリケーションであれば、教示点への移動命令あるいはハンドの開閉命令であってもよい。外部入力教示命令を表すアイコン30を選択する際に、詳細設定画面を表示し、教示ボタン14を押下した際に追加される動作命令を設定できることにしてもよい。また、動作命令追加後の、外部入力教示命令の移動個所は、アプリケーションによって異なっていてもよい。例えば、動作の終点から始点の教示を行うアプリケーションでは、動作命令追加後に、外部入力教示命令は前に移動してもよい。
【0030】
また、本実施形態においては、プログラムをアイコンの羅列によって表示する場合を例示したが、これに代えて、
図12に示されるように、テキスト形式で表示する場合に適用してもよい。例えば、
図12においてモニタ22下部に表示されている「命令」キーを押すことにより、追加可能な命令のリストを表示させ、表示されたリスト中から、外部入力教示命令を選択することにしてもよい。これにより、
図12および
図13に示されるように、動作プログラム中のカーソル位置に、外部入力教示命令を表すテキストが追加され、教示ボタン14による教示操作が有効に切り替えられる。
【0031】
また、本実施形態においては、操作装置10に単一の教示ボタン14が備えられている場合について例示したが、複数の教示ボタン14を備えていてもよい。また、教示操作盤21のモニタ22に編集している動作プログラムを表示する場合を例示したが、制御装置20または操作装置10がモニタ22を備えていてもよい。
【0032】
また、ロボット1として6軸多関節型ロボットを例示したが、他の任意の形式のロボットに適用してもよい。また、アイコンとしては、例示したアイコン以外の任意のアイコンを採用してもよい。
【0033】
また、本実施形態においては、ダイレクトティーチおよびフランジ7に固定されている操作装置10を例示したが、フランジ7に固定されていない操作装置を使用してロボット1を動かし、教示する形態を採用してもよい。この場合、操作装置は、有線または無線で制御装置20と接続されていて、操作装置にはロボット1を手動操作するためのボタンが付いており、ボタンを押すと、ロボット1が動作する実施形態でもよい。この操作装置には、操作装置10と同様に教示ボタンが付いており、今までの実施形態と同様に操作ができる。
【0034】
また、上記においては、本実施形態に係るロボット教示システムについて説明したが、コンピュータ(1以上のプロセッサ)により実行可能なプログラムとして構成してもよい。
具体的には、本実施形態に係るプログラムは、教示内容を入力可能な教示ボタン14を有する操作装置10が接続されたという情報を取得する接続ステップを含む。また、教示操作盤21から、ロボット1の動作プログラムに所定の教示命令の追加を受け付ける教示命令追加ステップを含む。また、教示命令が追加されたときに、操作装置10の教示ボタン14による教示操作を有効にする教示操作有効ステップを含む。そして、教示ボタン14において入力された教示内容に基づいて動作プログラムを編集する編集ステップを含む。
【0035】
また、本実施形態に係るプログラムは、教示命令の位置に教示内容を追加する教示内容追加ステップを含んでいてもよい。
また、動作プログラムを表示部に表示させる動作プログラム表示ステップを含んでいてもよく、動作プログラム表示ステップが、命令毎に規定されたアイコンの羅列によって動作プログラムを表示部に表示させてもよい。
また、動作プログラムから教示命令が削除されたときに操作装置10の教示操作を無効にする教示操作無効ステップを含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ロボット
10 操作装置
14 教示ボタン(教示入力部)
20 制御装置(プログラム編集装置)
22 モニタ(表示部)
30,31 アイコン
100 ロボット教示システム
【手続補正書】
【提出日】2022-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに関するプログラムを表示可能な表示部と、
前記表示部への所定の命令の入力を受付けた後に、操作装置の操作内容に関する情報を取得し、該情報に基づいて前記プログラムを編集する制御部と、を備えるプログラム編集装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記表示部への所定の命令の入力を受付けたときに、前記操作装置の操作を有効にさせる、請求項1に記載のプログラム編集装置。
【請求項3】
前記操作装置の接続を受付ける受付部を備える、請求項1又は請求項2に記載のプログラム編集装置。
【請求項4】
前記所定の命令が、
前記表示部に表示された前記プログラムに入力され、
前記制御部は、
前記所定の命令が入力された位置に応じて、前記情報に基づいて前記プログラムの編集を実行する、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記所定の命令の削除を受付けたときに、前記情報の取得を無効にさせる、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記所定の命令の削除を受付けたときに、前記操作装置の操作を無効にさせる、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項7】
前記表示部は、
前記所定の命令が入力された位置に応じて、前記情報に基づいて編集されたプログラムを表示する、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項8】
前記操作装置が、
入力部を有し、
前記制御部は、
前記入力部において入力された情報に基づいて、前記プログラムを編集する、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項9】
前記所定の命令が、第1のアイコンで表現され、
前記プログラムが、ロボットへの命令毎に規定された第2のアイコンで表現される、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項10】
前記操作装置が、ロボットに設けられる、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項11】
前記プログラムを編集することは、前記情報に基づいて、プログラムを追加、削除、変更することの少なくともいずれかを含む、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項12】
ロボットに関するプログラムを表示可能な表示部と、
前記表示部に所定の命令が入力されているか否かに基づいて、操作装置の操作内容に関する情報の取得を行うか否かを決定する制御部と、を備えるプログラム編集装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記表示部に前記所定の命令が入力されている場合に、前記情報の取得を行い、
前記表示部に前記所定の命令が入力されていない場合に、前記情報の取得を行わない、請求項12に記載のプログラム編集装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記表示部に前記所定の命令が入力されている場合に、前記操作装置の操作を有効にさせ、
前記表示部に前記所定の命令が入力されていない場合に、前記操作装置の操作を無効にさせる、請求項12又は請求項13に記載のプログラム編集装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記表示部に前記所定の命令が入力されている間、前記情報に基づいて前記プログラムを編集する、請求項12乃至請求項14の何れか1項に記載のプログラム編集装置。
【請求項16】
少なくとも1つのロボットと、
請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載のプログラム編集装置と、を備える、ロボットシステム。
【請求項17】
少なくともロボットに関するプログラムの編集画面を表示部に表示させるステップと、
少なくとも前記編集画面への所定の命令の入力を受付けた後に、操作装置の操作内容に関する情報の取得を行うステップと、
前記情報に基づいて前記プログラムを編集するステップと、を含み、
少なくとも1つのプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項18】
少なくともロボットに関するプログラムの編集画面を表示部に表示させるステップと、
前記編集画面に所定の命令が入力されているかに基づいて、操作装置の操作内容に関する情報の取得を行うかを決定するステップと、を含み、
少なくとも1つのプロセッサに実行させるためのプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、プログラム編集装置、ロボットシステムおよびプログラムに関するものである。