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特開2022-171582酸化物ストリップ音響閉じ込め構造を有する横方向励起フィルムバルク音響共振器(XBAR)
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  • 特開-酸化物ストリップ音響閉じ込め構造を有する横方向励起フィルムバルク音響共振器(XBAR) 図1
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  • 特開-酸化物ストリップ音響閉じ込め構造を有する横方向励起フィルムバルク音響共振器(XBAR) 図14
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171582
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】酸化物ストリップ音響閉じ込め構造を有する横方向励起フィルムバルク音響共振器(XBAR)
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20221104BHJP
   H03H 9/64 20060101ALI20221104BHJP
   H03H 3/08 20060101ALI20221104BHJP
   H03H 9/145 20060101ALI20221104BHJP
   H03H 9/17 20060101ALI20221104BHJP
   H03H 9/54 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H03H9/25 Z
H03H9/25 C
H03H9/64 Z
H03H3/08
H03H9/145 C
H03H9/17 F
H03H9/54 Z
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022067578
(22)【出願日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】63/182,465
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/187,932
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/191,897
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/208,503
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/542,290
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514326649
【氏名又は名称】レゾナント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】RESONANT INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】コウラキス ジョン パンデリス
(72)【発明者】
【氏名】マクヒュー ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ダイヤー グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ブライアント
(72)【発明者】
【氏名】イリエフ フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】コスケラ ジュリウス
(72)【発明者】
【氏名】ターナー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】フェンツィ ニール
【テーマコード(参考)】
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5J097AA01
5J097AA16
5J097BB02
5J097BB11
5J097BB15
5J097DD01
5J097DD28
5J097DD29
5J097EE05
5J097EE08
5J097EE09
5J097EE10
5J097FF04
5J097FF05
5J097GG03
5J097GG04
5J097HA02
5J097HA03
5J097KK03
5J097KK04
5J097KK09
5J108AA07
5J108BB01
5J108BB08
5J108DD09
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE13
5J108KK02
5J108MM11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】音響共振器、フィルタ及び音響共振器の製造方法を提供する。
【解決手段】音響共振器400は、基板420と、圧電板410と、圧電板の一部が基板のキャビティにまたがっているダイアフラム415と、を含む。圧電板の前面上のインターデジタル変換器(IDT)430は、第一、第二のバスバー432、434から夫々延びるインターリーブされた第一、第二のセットのインターデジタル変換器(IDT)フィンガを含む。IDTフィンガはダイアフラム上にある。IDTフィンガの重なり合う部分が音響共振器のアパーチャを画定する。第一の誘電体ストリップ452は、アパーチャの第一のマージンでIDTフィンガと重なり、第一のマージンと第一のバスバーとの間の第一のギャップに延びる。第二の誘電体ストリップ454は、アパーチャの第二のマージンでIDTフィンガと重なり、第二のマージンと第二のバスバーとの間の第二のギャップに延びる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響共振器であって、
基板と、
前記基板に支持された圧電板と、
前記圧電板の一部が基板のキャビティにまたがっているダイアフラムと、
前記圧電板の前面上のインターデジタル変換器(IDT)であって、前記IDTは、第一及び第二のバスバーからそれぞれ延びるインターリーブされた第一及び第二のセットのインターデジタル変換器(IDT)フィンガを備え、
インターリーブされた前記IDTフィンガがダイアフラム上にあり、かつ
インターリーブされた前記IDTフィンガの重なり合う部分が、前記音響共振器のアパーチャを画定する、IDTと、
前記アパーチャの第一のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の第一のギャップに延びる第一の誘電体ストリップと、
前記アパーチャの第二のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第二のマージンと前記第二のバスバーとの間の第二のギャップに延びる第二の誘電体ストリップと、
を備える、音響共振器。
【請求項2】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれは、前記IDTの全長にわたって延びる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項3】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの厚さtsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.008td≦ts≦0.06td
によって関係付けられる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項4】
前記アパーチャの前記第一及び第二のマージンのそれぞれの幅dolと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.6td≦dol≦3.0td
によって関係付けられる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項5】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの幅dsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
4.0td≦ds≦15.0td
によって関係付けられる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項6】
前記第一及び第二の誘電体ストリップの一方又は両方の幅ds、幅dol及び厚さtsの少なくとも1つは、前記IDTの長さに沿って変化する、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項7】
前記第一のストリップが、
前記第一のマージンにある第一の部分と、
前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の前記第一のギャップにある第二の部分と、
を備え、
前記第一の部分と前記第二の部分とが隣接していない、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項8】
前記圧電板及び前記IDTは、前記IDTに印加される無線周波信号が前記圧電板の一次剪断音響モードを励起するように構成される、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項9】
前記圧電板は、Zカットニオブ酸リチウム及びZカットタンタル酸リチウムのうちの1つである、請求項8に記載の音響共振器。
【請求項10】
フィルタであって、
基板と、
前記基板に支持された圧電板と、
複数のダイアフラムであって、各ダイアフラムは、前記基板のそれぞれのキャビティにまたがる前記圧電板のそれぞれの部分を備える、複数のダイアフラムと、
前記圧電板の前面上の導体パターンであって、前記導体パターンは複数の音響共振器のインターデジタル変換器(IDT)を備え、各IDTは、第一及び第二のバスバーからそれぞれ延びるインターリーブされた第一及び第二のセットのインターデジタル変換器(IDT)フィンガを備え、
インターリーブされた前記IDTフィンガがダイアフラム上にあり、かつ
インターリーブされた前記IDTフィンガの重なり合う部分が、前記各音響共振器のアパーチャを画定する、導体パターンと、
を備える、フィルタであって、
前記複数の音響共振器の少なくとも1つは、
前記アパーチャの第一のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の第一のギャップに延びる第一の誘電体ストリップと、
前記アパーチャの第二のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第二のマージンと前記第二のバスバーとの間の第二のギャップに延びる第二の誘電体ストリップと、
をさらに備える、フィルタ。
【請求項11】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれは、前記IDTの全長にわたって延びる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項12】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの厚さtsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.008td≦ts≦0.06td
によって関係付けられる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項13】
前記アパーチャの前記第一及び第二のマージンのそれぞれの幅dolと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.6td≦dol≦3.0td
によって関係付けられる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項14】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの幅dsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
4.0td≦ds≦15.0td
によって関係付けられる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項15】
前記第一及び第二の誘電体ストリップの一方又は両方の幅ds、幅dol及び厚さtsの少なくとも1つは、前記IDTの長さに沿って変化する、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項16】
前記第一の誘電体ストリップが、
前記アパーチャの前記第一のマージンにある第一の部分と、
前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の前記第一のギャップにある第二の部分と、
を備え、
前記第一の部分と前記第二の部分とが非隣接でない、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項17】
前記圧電板及び各IDTは、各IDTに印加されるそれぞれの無線周波信号が前記圧電板のそれぞれの一次剪断音響モードを励起するように構成される、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項18】
前記圧電板は、Zカットニオブ酸リチウム及びZカットタンタル酸リチウムのうちの1つである、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項19】
音響共振器の製造方法であって、
圧電板の前面にインターデジタル変換器(IDT)を形成するステップであって、前記IDTは、第一及び第二のバスバーからそれぞれ延びるインターリーブされた第一及び第二のセットのインターデジタル変換器(IDT)フィンガを備え、
インターリーブされた前記IDTフィンガは、基板のキャビティにまたがっている前記圧電板の一部を備えるダイアフラム上にあり、かつ
インターリーブされた前記IDTフィンガの重なり合う部分が、前記音響共振器のアパーチャを画定する、ステップと、
第一及び第二の誘電体ストリップを形成するステップであって、
前記第一の誘電体ストリップは、前記アパーチャの第一のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の第一のギャップに延び、
前記第二の誘電体ストリップは、前記アパーチャの第二のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第二のマージンと前記第二のバスバーとの間の第二のギャップに延びる、ステップと、
を含む、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(著作権及びトレードドレスの通知)
本特許文書の開示の一部分は、著作権の保護を受ける材料を含む。本特許文書は、所有者のトレードドレスである事項又はトレードドレスとなり得る事項を図示及び/又は記載することができる。著作権及びトレードドレスの所有者は、その特許開示が米国特許商標庁の特許出願書類又は記録内にあるので、当該特許開示を任意の者が複製することに異議はないが、それ以外は何であれ、全ての著作権及びトレードドレス権を保有するものである。
【0002】
(関連出願情報)
本特許は、以下の仮特許出願、すなわち、2021年4月30日に出願された「OXIDE STRIP ACOUSTIC CONFINEMENT STRUCTURES FOR Z-CUT LN」と題する第63/182,465号、2021年5月12日に出願された「DUAL OXIDE STRIP ACOUSTIC CONFINEMENT STRUCTURES FOR Z-CUT LN」と題する第63/187,932号、2021年5月21日に出願された「BEST PRACTICES FOR OXIDE STRIP ACOUSTIC CONFINEMENT STRUCTURES」と題する第63/191,897号、及び2021年6月9日に出願された「CHIRPED WIDE OXIDE STRIP ACOUSTIC CONFINEMENT STRUCTURES」と題する第63/208,503号の優先権を主張する。これらの出願の内容は、参照によりここに組み込まれるものとする。
【0003】
本開示は、弾性波共振器を用いた無線周波フィルタに関し、特に通信機器に使用するためのフィルタに関する。
【背景技術】
【0004】
無線周波(RF)フィルタは、一部の周波数を通過させ、他の周波数を阻止させるように構成された2ポートデバイスであり、「通過」は比較的低い信号損失で送信することを意味し、「阻止」はブロックすること又は大幅に減衰させることを意味する。フィルタを通過する周波数の範囲は、フィルタの「通過帯域」と呼ばれる。このようなフィルタによって阻止される周波数の範囲は、フィルタの「阻止帯域」と呼ばれる。一般的なRFフィルタは、少なくとも1つの通過帯域と、少なくとも1つの阻止帯域を有する。通過帯域又は阻止帯域の特定の要件は、特定の用途に依存する。例えば、「通過帯域」は、フィルタの挿入損失が1dB、2dB、又は3dBなどの定義された値よりも良好な周波数範囲として定義されてもよい。「阻止帯域」は、フィルタの拒否が用途に応じて20dB、30dB、40dB、又はそれ以上などの定義された値よりも大きい周波数範囲として定義されてもよい。
【0005】
RFフィルタは、情報が無線リンクを介して送信される通信システムで使用されている。例えば、RFフィルタは、セルラーベースステーション、携帯電話及びコンピューティングデバイス、衛星トランシーバ及び地上局、IoT(モノのインターネット)デバイス、ラップトップコンピュータ及びタブレット、固定ポイント無線リンク、及び他の通信システムのRFフロントエンドで見られる。RFフィルタは、レーダ、電子及び情報戦システムでも使用されている。
【0006】
RFフィルタは、通常、特定の用途ごとに、挿入損失、拒否、絶縁、電力処理、直線性、サイズ及びコストなどの性能パラメータ間の最良の妥協点を実現するために多くの設計上のトレードオフを必要とする。特定の設計及び製造方法と機能強化は、これらの要件の1つ又は幾つかを同時に実現できる。
【0007】
無線システムにおけるRFフィルタの性能の強化は、システム性能に幅広い影響を与える可能性がある。RFフィルタの改善を活用して、セルサイズの拡大、バッテリ寿命の延長、データレートの向上、ネットワーク容量の拡大、コストの削減、セキュリティの強化、信頼性の向上などのシステム性能の改善を実現できる。これらの改善は、無線システムの多くのレベルで、例えば、RFモジュール、RFトランシーバ、モバイル又は固定サブシステム、又はネットワークレベルなどで、個別でも、組み合わせてでも実現できる。
【0008】
現在の通信システム用の高性能RFフィルタは、一般に、表面弾性波(SAW)共振器、バルク弾性波(BAW)共振器、フィルムバルク弾性波共振器(FBAR)、及びその他のタイプの音響共振器を含む弾性波共振器を組み込んでいる。しかしながら、これらの既存技術は、将来の通信ネットワークで提案されているより高い周波数及び帯域幅での使用には適していない。
【0009】
通信チャネルの帯域幅をより広くしたいという要望は、必然的に高い周波数の通信帯域を使用することになる。モバイル電話ネットワークの無線アクセス技術は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)によって標準化されてきた。第五世代(5G)モバイルネットワークの無線アクセス技術は、5G NR(new radio)規格で定義されている。5G NR規格では、いくつかの新しい通信帯域が定義されている。この新しい通信帯域のうちの2つが、3300MHz~4200MHzの周波数帯域を使用するn77と、4400MHz~5000MHzの周波数帯域を使用するn79である。帯域n77及び帯域n79は両方とも時分割多重(TDD)を採用しており、帯域n77及び/又は帯域n79で動作する通信機器は、アップリンクとダウンリンクの両方の送信で同じ周波数を使用する。帯域n77と帯域n79のバンドパスフィルタは、通信機器の送信電力に対応できるものでなければならない。5GHz及び6GHzのWiFi帯域も高い周波数と広い帯域を必要とする。5G NR規格では、24.25GHz~40GHzの周波数を有するミリ波通信帯域も定義されている。
【0010】
横方向励起フィルムバルク音響共振器(XBAR)は、マイクロ波フィルタに使用するための音響共振器構造である。XBARは、「TRANSVERSELY EXCITED FILM BULK ACOUSTIC RESONATOR」と題する特許文献1に記載されている。XBAR共振器は、単結晶圧電材料の薄い浮遊層又はダイアフラム上に形成されたインターデジタル変換器(IDT)を含む。IDTは、第一のバスバーから延びる第一のセットの平行フィンガと、第二のバスバーから延びる第二のセットの平行フィンガとを含む。第一及び第二の平行フィンガは、インターリーブされている。IDTに印加されたマイクロ波信号により、圧電ダイアフラムに剪断一次弾性波が励起される。XBAR共振器は、非常に高い電気機械的結合と高い周波数性能を提供する。XBAR共振器は、バンドリジェクトフィルタ、バンドパスフィルタ、デュプレクサ、マルチプレクサなど、様々なRFフィルタに使用することができる。XBARは、3GHzを超える周波数を有する通信帯域用フィルタで使用するのに非常に適している。マトリックスXBARフィルタは、1GHz~3GHzの周波数のフィルタにも適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第10491291号明細書
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、横方向励起フィルムバルク音響共振器(XBAR)の概略平面図、2つの概略断面図、及び詳細図を含む。
図2A図2Aは、音響共振器の等価回路モデルである。
図2B図2Bは、理想的な音響共振器のアドミタンスの大きさを示したグラフである。
図3図3は、代表的なXBARのアドミタンスとBode Qを周波数の関数として示したグラフである。
図4図4は、酸化物ストリップ音響閉じ込め構造を有するXBARの概略平面図及び拡大概略断面図を含む。
図5図5は、図4の音響閉じ込め構造の詳細断面図である。
図6図6は、別の音響閉じ込め構造の詳細断面図である。
図7図7は、異なる音響閉じ込め構造を有するXBARのBode Qを比較するグラフである。
図8図8は、異なる音響閉じ込め構造を有するXBARのBode Qを比較するグラフである。
図9図9は、異なる音響閉じ込め構造を有するXBARのBode Qを比較するグラフである。
図10図10は、別の音響閉じ込め構造の詳細断面図である。
図11図11は、異なる音響閉じ込め構造を有するXBARのBode Qを比較するグラフである。
図12図12は、音響共振器を使用するバンドパスフィルタの概略ブロック図である。
図13図13は、音響閉じ込め構造を有するXBARと、音響閉じ込め構造を有しないXBARとを使用して実装されたバンドパスフィルタの性能を比較するグラフである。
図14図14A及び図14Bは、酸化物ストリップ音響閉じ込め構造の異なる実施形態の概略平面図である。
図15図15は、XBARを製造するための方法のフローチャートである。
【0013】
この説明全体を通して、図に表示される要素には、3桁又は4桁の参照番号が割り当てられる。ここで、下2桁は要素に固有であり、上1桁又は上2桁は要素が最初に導入された図番号である。図と共に説明されていない要素は、同じ参照番号を有する前述の要素と同じ特性及び機能を有すると推定され得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(装置の説明)
図1は、横方向励起フィルムバルク音響共振器(XBAR)100の簡略化された概略上面図、直交断面図、及び詳細断面図を示す。共振器100などのXBAR共振器は、バンドリジェクトフィルタ、バンドパスフィルタ、デュプレクサ、及びマルチプレクサを含む様々なRFフィルタで使用してもよい。XBARは、周波数が3GHzを超える通信帯域のフィルタでの使用に特に適している。
【0015】
XBAR100は、それぞれ平行な前面112及び背面114を有する圧電板110の表面上に形成された薄膜導体パターンから構成される。圧電板は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ケイ酸ランタンガリウム、窒化ガリウム、又は窒化アルミニウムなどの圧電材料の薄い単結晶層である。圧電板は、前面と背面に対するX、Y、Z結晶軸の配向が既知で一貫しているようにカットされる。この特許で提示されている例では、圧電板はZカットされている。つまり、Z軸は前面112及び背面114に垂直である。しかしながら、XBARは、他の結晶学的配向を有する圧電板上に製造されてもよい。
【0016】
圧電板110の背面114は、基板に形成されたキャビティ140にまたがるダイアフラム115を形成する圧電板110の部分を除いて、基板120の表面に取り付けられている。キャビティにまたがる圧電板の部分は、マイクロフォンのダイアフラムに物理的に類似しているため、本明細書では「ダイアフラム」115と呼ばれる。図1に示すように、ダイアフラム115は、キャビティ140の周囲145の全ての周りで圧電板110の残りの部分と隣接している。この文脈において、「隣接している(contiguous)」とは、「介在物なしで連続的に接続されている」ことを意味する。他の構成では、ダイアフラム115は、キャビティ140の周囲145の少なくとも50%の周りで圧電板と隣接していてもよい。
【0017】
基板120は、圧電板110に機械的支持を提供する。基板120は、例えば、シリコン、サファイア、石英、若しくは他の何らかの材料、又は材料の組み合わせであってもよい。圧電板110は、ウェーハボンディングプロセスを用いて基板120に結合してもよい。あるいは、圧電板110は、基板120上に成長させても、他の何らかの方法で基板に取り付けてもよい。圧電板110は、基板に直接取り付けても、あるいは1つ以上の中間材料層を介して基板120に取り付けてもよい(図1に図示せず)。
【0018】
「キャビティ」は、「中実体内の空いた空間」という従来の意味を有する。キャビティ140は、(断面A-A及び断面B-Bに示すように)基板120を完全に貫通する穴であってもよいし、ダイアフラム115の下の基板120の凹部であってもよい。キャビティ140は、例えば、圧電板110と基板120とが取り付け合わされる前又は後に、基板120を選択的にエッチングすることによって形成されてもよい。
【0019】
XBAR100の導体パターンは、インターデジタル変換器(IDT)130を含む。IDT130は、第一のバスバー132から延びるフィンガ136などの第一の複数の平行なフィンガと、第二のバスバー134から延びる第二の複数のフィンガとを含む。第一及び第二の複数の平行なフィンガは、インターリーブされる。インターリーブされたフィンガは、一般にIDTの「アパーチャ」と呼ばれる距離APにわたって重なり合う。IDTのフィンガに平行な方向は、本明細書で、「アパーチャ方向」と呼ぶことにする。IDT130の最側のフィンガ間の中心間距離Lは、IDTの「長さ」である。IDTのフィンガに垂直な方向は、本明細書で、「長さ方向」と呼ぶことにする。
【0020】
第一及び第二のバスバー132、134は、XBAR100の端子として機能する。IDT130の2つのバスバー132、134の間に印加される無線周波信号又はマイクロ波信号は、圧電板110内の一次音響モードを励起する。以下で詳述するように、一次音響モードは、音響エネルギーが圧電板110の表面に実質的に直交する方向に沿って伝播するバルク剪断モードであり、これはまた、IDTフィンガによって生成された電界の方向に垂直又は横方向である。したがって、XBARは、横方向励起フィルムバルク波共振器と見なされる。
【0021】
IDT130は、少なくともIDT130のフィンガがキャビティ140にまたがっている、又はその上に懸架されているダイアフラム115上に配置されるように、圧電板110上に配置される。図1に示すように、キャビティ125は、アパーチャAP及びIDT130の長さLよりも広い範囲を有する長方形の形状を有する。XBARのキャビティは、正多角形又は不等辺多角形など、様々な形状をしていてもよい。XBARのキャビティは、辺の数が4つを上回っても、下回ってもよく、それらの辺は直線であっても、曲線であってもよい。
【0022】
図1の提示を容易にするために、IDTフィンガの幾何学的ピッチ及びマーク(「マーク」とは、IDTフィンガなどの導体の長軸に垂直な方向の寸法を指す一般的な用語である)は、XBARの長さ(寸法L)及びアパーチャ(寸法AP)に関して著しく誇張されている。一般的なXBARは、IDT110に10を超える平行なフィンガを有する。XBARは、IDT110に数百、場合によっては数千の平行なフィンガを有してもよい。同様に、断面図のフィンガの太さは、著しく誇張されている。
【0023】
詳細な概略断面図(詳細C)を参照すると、前面誘電体層150は、圧電板110の前面に、任意選択で形成することができる。XBARの「前面」は、定義上、基板とは反対側を向いている表面である。前面誘電体層150は、IDTフィンガ(例えば、IDTフィンガ138b)の間にのみ形成されてもよいし、あるいは誘電体層がIDTフィンガ(例えば、IDTフィンガ138a)の間及び上の両方に形成されるようにブランケット層として堆積されてもよい。前面誘電体層150は、二酸化ケイ素、又は窒化ケイ素などの非圧電誘電体材料であってもよい。前面誘電体層の厚さは、典型的には、圧電板の厚さ以下である。前面誘電体層150は、2つ以上の材料の複数の層から形成されてもよい。
【0024】
IDTフィンガ138a、138bは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ベリリウム、金、タングステン、モリブデン、又は他の導電性材料であってもよい。IDTフィンガは、アルミニウム又は少なくとも50%のアルミニウムを含む合金から形成されている場合、「実質的にアルミニウム」であると見なされる。IDTフィンガは、銅又は少なくとも50%の銅を含む合金から形成されている場合、「実質的に銅」であると見なされる。クロム又はチタンなどの金属の薄い(導体の総厚に対して)層を、フィンガと圧電板110との間の接着を改善するために、及び/又はフィンガを不動態化又はカプセル化するために、及び/又はパワーハンドリングを改善するために、フィンガの下及び/又は上、及び/又はフィンガ内の層として形成してもよい。IDTのバスバー132、134は、フィンガと同じ材料で製造しても、異なる材料で製造してもよい。
【0025】
寸法pは、IDTフィンガの中心間の間隔又は「ピッチ」であり、これはIDTのピッチ及び/又はXBARのピッチと呼ばれる場合がある。寸法mは、IDTフィンガの「マーク」である。
【0026】
詳細Cに示すように、IDTフィンガ138aは台形断面形状を有し、IDTフィンガ138bは長方形断面形状を有する。IDTフィンガ138a,138bは、T字型又は段差型など、他の断面を有していてもよい。IDTフィンガ138a、138bは、アルミニウム又は何らかの他の金属であり得る単層構造として示されている。IDTフィンガは、複数の材料層を含んでもよく、これらの材料層は、異なる音響損失及び/又は異なる音響インピーダンスを有するように選択されてもよい。複数の材料層を使用する場合、層の断面形状は異なっていてもよい。さらに、IDTフィンガ138a、138bと圧電板110との間に、チタン又はクロムなどの別の材料の薄い接着層が形成されてもよい。図1には示されていないが、一部又は全部のIDTフィンガは、圧電板110を部分的に又は完全に貫通して延びる溝又はスロットに配置されてもよい。
【0027】
剪断弾性波共振に基づく音響共振器は、現在の最先端の表面弾性波(SAW)、フィルムバルク音響共振器(FBAR)及び、ソリッドマウント共振器バルク弾性波(SMR BAW)デバイスよりも優れた性能を達成できる。特に、剪断波XBAR共振の圧電結合は、他の音響共振器と比較して高くすることができる(>20%)。高い圧電結合によって、かなりの帯域幅を有する様々なタイプのマイクロ波及びミリ波フィルタの設計と実装が可能になる。
【0028】
XBARを含む音響共振器の基本的な挙動は、図2Aに示すようなButterworth Van Dyke(BVD)回路モデルを用いて一般的に説明される。BVD回路モデルは、運動アームと静的アームとから構成される。運動アームは、運動インダクタンスL、運動容量C、及び抵抗Rmを含む。静的アームには、静電容量Cと抵抗Rが含まれる。BVDモデルは音響共振器の挙動を完全に記述するものではないが、バンドパスフィルタ、デュプレクサ、マルチプレクサ(マルチプレクサは複数の通過帯域がある3つ以上の入力ポート又は出力ポートを有するフィルタ)の設計に使用される2つの主共振をモデル化するには適している。
【0029】
BVDモデルの第一の主共振は、運動インダクタンスLと運動容量Cの直列結合によって生じる運動共振である。BVDモデルの第二の主共振は、運動インダクタンスL、運動容量C、及び静電容量Cの組み合わせによって生じる反共振である。無損失共振器(R=R=0)では、運動共振の周波数Fは、
【数1】
で与えられる。反共振の周波数Fは、
【数2】
で与えられる。ここで、γ=C/Cは共振器構造、圧電材料の種類及び結晶軸の配向に依存する。
【0030】
図2Bは、理論的な無損失音響共振器の性能のグラフ200である。具体的には、実線の曲線210は、周波数の関数として音響共振器のアドミタンスの大きさをプロットしたものである。音響共振器は、共振器のアドミタンスが無限大に近づく共振周波数において、共振212を有する。この共振は、図2AのBVDモデルにおける運動インダクタンスLと運動容量Cの直列結合に起因するものである。また、音響共振器は、共振器のアドミタンスがゼロに近づく反共振214を示す。反共振は、運動インダクタンスL、運動容量C、及び静電容量Cの組み合わせによって引き起こされる。無損失共振器(R=R=0)において、共振の周波数Fは、
【数3】
で与えられる。反共振の周波数Fは、
【数4】
で与えられる。
【0031】
過度に簡略化すると、無損失音響共振器は、共振周波数212で短絡し、反共振周波数214で開回路であると考えることができる。図2Bの共振周波数及び反共振周波数は代表的なものであり、音響共振器は他の周波数に対して設計することもできる。
【0032】
図3は、例示的なXBARの性能を示すグラフ300である。図3及び後続の全てのグラフのデータは、有限要素3次元シミュレーション技術を使用する例示的なXBARデバイスのシミュレーションから得られる。
【0033】
具体的には、実線の曲線310は、周波数の関数として例示的なXBARのアドミタンスの大きさをプロットしたものである。破線320は、XBARのアドミタンスの実成分をプロットしたものである。曲線310及び320は、左側の縦軸を使用して読み取られる。例示的なXBARは、0.368μmの厚さを有するZカットのニオブ酸リチウム圧電板を含む。IDTピッチは4.4μmであり、IDTフィンガマークは0.96μmである。IDTのマーク/ピッチ比は0.22である。IDTはアルミニウムが主体で、総厚は0.491μmである。IDTのフィンガ端と隣接するバスバーとのギャップは5.0μmである。XBARは、約4250MHzの共振周波数(図示せず)及び約4680MHzの反共振周波数を有する。例示的なXBARは、例えば、帯域n79バンドパスフィルタのためのシャント共振器であってもよい。グラフ300の周波数範囲は、XBARの反共振におけるアドミタンス最小値を含む4400MHzから5000MHzまでのn79帯域にまたがる。
【0034】
一点鎖線330は、XBARのBode Qファクタをプロットしたものである。BodeQファクタは、共振器の効率の尺度であり、入力信号のサイクル中に蓄積されたピークエネルギーの2π倍を、そのサイクル中に散逸された総エネルギーで除したものに等しくなる。曲線330は、右側の縦軸に対して読み取られる。
【0035】
図4は、横方向に励起されたフィルムバルク音響共振器(XBAR)400の簡略化した概略上面図及び拡大断面図である。XBAR400は、第一の誘電体ストリップ音響閉じ込め構造(ACS)452及び第二の誘電体ストリップACS454を追加した図1のXBAR100と概して類似している。
【0036】
XBAR400は、圧電板410の表面上に形成された薄膜導体パターンを含む。圧電板410は、単結晶の圧電材料の薄板であってもよい。圧電板410の材料及び結晶方位は、先に説明したとおりであってもよい。
【0037】
圧電板410の裏面は、基板に形成されたキャビティ440にまたがるダイアフラム415を形成する圧電板410の部分を除いて、基板420の表面に付着している。基板420は、例えば、シリコン、サファイア、石英、又は何らかの他の材料、あるいは材料の組み合わせであってもよい。圧電板410及び基板420は、先に説明したように、接着又は付着されてもよい。
【0038】
XBAR400の導体パターンは、インターデジタル変換器(IDT)430を含む。IDT430は、第一のバスバー432から延びるフィンガ436などの第一の複数の平行なフィンガと、第二のバスバー434から延びる第二の複数のフィンガとを含む。第一及び第二の複数の平行なフィンガは、インターリーブされる。インターリーブされたフィンガは、一般にIDTの「アパーチャ」と呼ばれる距離APにわたって重なり合う。IDTのフィンガに平行な方向は、本明細書で、「アパーチャ方向」と呼ぶことにする。IDT430の最も外側のフィンガの間の中心間距離Lは、IDTの「長さ」である。IDTのフィンガに垂直な方向は、本明細書で、「長さ方向」と呼ぶことにする。IDT430は、少なくともIDT430のフィンガが振動板415上に配置されるように、圧電板410上に配置される。導体パターンの材料は、前述したとおりでよい。
【0039】
各誘電体ストリップACS452、454は、アパーチャのマージンにおいてIDTフィンガに重なり合い、IDTフィンガの端部と隣接するバスバーとの間のギャップに延びる誘電体材料のストリップである。この文脈では、用語「マージン」は、「何かの極端なエッジと、特にこのエッジに平行ですぐ隣接して横たわる領域で、特に、より奥に横たわる残りの領域と何らかの方法で区別される場合」を意味する。この場合、アパーチャのマージンは、IDTフィンガに重なる誘電体ストリップACSの存在によって区別される。
【0040】
第一のバスバー432に近接している第一の誘電体ストリップACS452は、アパーチャの第一のマージンにおいてIDTフィンガに重なり合う。第一の誘電体ストリップACS452は、第一のバスバーと、第二のバスバーから延びるIDTフィンガの端部との間のギャップに延びる。第二の誘電体ストリップACS454は、アパーチャの第二のマージンにおいてIDTフィンガに重なる。第二の誘電体ストリップACS454は、第二のバスバーと、第一のバスバーから延びるIDTフィンガの端部との間のギャップに延在する。
【0041】
第一及び第二の誘電体ストリップACS452,454は、IDS430の全長にわたって延びており、つまり、ACSはIDTの全てのフィンガの端部と重なり合う。ACS452、454は、図4に示すように、IDT430の長さを超えて延在していてもよい。誘電体ストリップは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、窒化チタン、ダイヤモンド、又は何らかの他の誘電体材料であってもよい。以下の全ての実施例において、誘電体ストリップは、二酸化ケイ素である。
【0042】
図5は、図4において「詳細E」として識別されるXBAR400の部分の詳細断面図である。図5は、圧電板410及び基板420の一部を示す。IDTフィンガ436及び第二のバスバー434の一部434aは、第一の導体レベルに形成されている。バスバー434は、典型的には、第二の導体レベル434bを含む。IDTフィンガ436の端部と、バスバーの一部434aとの間のギャップ538は幅gを有する。用語「幅」は、アパーチャ方向(IDTフィンガの長さ方向に平行に測定)の寸法を意味する。
【0043】
誘電体ストリップACS454は、全幅dsを有し、そのうち幅dolの第一の部分はアパーチャのマージンでIDTフィンガ436に重なり、幅dgの第二の部分はギャップ538でダイアフラム410上に配置される。dgは、誘電体ストリップACS454の第二の部分がギャップ538にかからないように、gより小さくなっている。誘電体ストリップACSの厚さtsは、4nm~30nmの間であってもよい。圧電板410の厚さtdは、100nm~1000nmの間であってもよい。誘電体ストリップACSの厚さの効果については、後述する。
【0044】
図6は、別のXBAR600の一部の詳細断面図である。XBAR600は、図5に示すXBAR400と同様であるが、ダイアフラム410及びIDTフィンガ436の表面上に誘電体層650を追加している。XBAR600の他の全ての要素及び寸法は、XBAR400の対応する要素と同じである。
【0045】
図6の例では、ACS654は誘電体層950の上に(すなわち、圧電板410からさらに上に)あり、これはACS654が誘電体層650の後に形成されたことを示唆する。誘電体層650がACS954の上にある逆も、また可能である。いくつかの実施形態では、第一の誘電体層650がACS954の下にあってもよく、第二の誘電体層(図示せず)がACS654の上にあってもよい。例えば、第一の誘電体層は、特許US10,917,070に記載されているような周波数設定層であってもよく、第二の誘電体層は、導体パターン及びXBAR600の他の表面を封止するためのパッシベーション層であってもよい。
【0046】
図7図8図9及び図11の例では、圧電板410は、厚さ370nmのZカットニオブ酸リチウムである。誘電体層650は、厚さ130nmの二酸化ケイ素である。ダイアフラムの全厚tdは500nmである。
【0047】
図7は、誘電体ストリップACSの利点を説明するグラフ700を示す。具体的には、実線の曲線710は、ACSのない例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。曲線710は、図3の曲線330と同じであるが、縦軸の目盛りが異なる。
【0048】
XBARデバイスの特性は、周波数に比例する。周波数は、圧電板と誘電体層を含むダイアフラムの厚さに反比例して変化する。本特許の全ての例で使用されているn79シャント共振器以外の用途及び周波数に対するXBARの設計を容易にするために、ダイアフラムの厚さtdに対する寸法を表現することが便利である。本特許の全ての実施例では、ダイアフラムの厚さtdは、0.50μmである。
【0049】
破線の曲線720は、アパーチャのマージンに誘電体ストリップを有する同様のXBARのBode Qをプロットしたものである。誘電体ストリップは、0.68μmの幅を有し、IDTフィンガの端部とバスバーとの間のギャップには延在しない。図5に定義された寸法を参照すると、この誘電体ストリップは、ds=dol=0.68μm=1.36td、及びdg=0を有する。
【0050】
一点鎖線の曲線730は、IDTフィンガの端部とバスバーとの間のギャップにのみ誘電体ストリップを有する同様のXBARのBode Qをプロットしたものである。誘電体ストリップは、1μmの幅を有し、IDTフィンガの端部から0.2μmに位置決めされる。図5に定義された寸法を参照すると、この誘電体ストリップは、dol=0、及びds=dg=1.0μm=2.0tdを有する。
【0051】
二点鎖線の曲線740は、図5に示すように、IDTフィンガの端部に重なり、ギャップ内に延びる誘電体ストリップACSを有する同様のXBARのBode Qのプロットを示したものである。図5に定義された寸法を参照すると、この誘電体ストリップは、ds=2.2μm=4.4td、dol=1.0μm=2.0td、及びdg=1.2μm=2.4tdを有する。
【0052】
曲線710、720、730、及び740を比較すると、IDTフィンガ上又はギャップ(曲線720、730)内のいずれかに狭い(すなわちds=2.0td)誘電体ストリップを追加することで、低帯域端付近のBode Qに改善をもたらすことが分かる。IDTフィンガの端部に重なり、ギャップ内に延びる広い誘電体ストリップ(ds=4.4td、曲線740)は、狭い誘電体ストリップのいずれよりも低い帯域端付近で高いBode Qを提供する。
【0053】
誘電体ストリップACSが存在することで、共振周波数と反共振周波数との間のBode Qが改善されるが、共振より低く、反共振より高い周波数でBode Qを減少させる可能性がある。全体として、これは、有益なトレードオフとなり得る。低帯域端でのフィルタ伝達関数の鋭さは、共振と反共振との間のシャント共振器のBode Qにほぼ依存するが、直列共振器の寄与は、低帯域端のBode Qが低すぎると、制限されることがある。同様に、直列共振器のBode Qは高帯域端で最も大きいが、シャント共振器のBode Qが低すぎると、高帯域端での鋭さは制限されることがある。フィルタの設計は、各共振器上の誘電体ストリップACSの幾何学的形状を含む要因の連続的なトレードオフである。
【0054】
Zカットのニオブ酸リチウム圧電板を使用するXBARの場合、共振と反共振との間のBode Qを制限する主な効果は、有限アパーチャデバイスにおける不要な斜め進行波の励起である。誘電体ストリップACSを追加することで、不要な斜め波の励起を抑制することができる。斜め進行波の励起による損失は、電界のy成分への結合とは無関係である。これは、別個の比較的無視できる損失源であり、斜め波の励起と比較すると矮小である。斜め進行波が励起されるのは、IDTとギャップ領域との間の機械的な違いによるもので、誘電体ストリップがそれに対応する。
【0055】
図8は、Bode Qと誘電体ストリップACSの厚さとの間の関係を説明するグラフ800を示す。具体的には、実線の曲線810は、ACSのない例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。曲線810は、図3の曲線330と同じであるが、縦軸の目盛りが異なる。他の3つの曲線は、IDTフィンガの端部に重なり、ギャップ内に延び、異なる厚さの広い誘電体ストリップACSを有する同様のXBARのBode Qのプロットである。曲線720、730、及び740のACSの寸法は、ds=5.3td、dol=1.3td、及びdg=4.0tdである。
【0056】
破線の曲線820は、厚さtsが4nm又は0.008tdに等しい幅広誘電体ストリップACSを有する同様のXBARのBode Qをプロットしたものである。一点鎖線の曲線830は、厚さts=8nm又は0.016tdを有する同様の誘電体ストリップACSを有する別のXBARのBode Qをプロットしたものである。二点鎖線の曲線840は、厚さts=15nm又は0.030tdを有する別のXBARのBode Qをプロットしたものである。
【0057】
曲線810、820、830、及び840を比較すると、わずか0.008tdの厚さの広い誘電体ストリップACSが、低帯域端付近のBode Qに著しい改善をもたらすことが分かる。誘電体ストリップの厚さを0.030tdまで厚くすると、低帯域端付近のBode Qが改善される。誘電体ストリップが厚い場合には、Bode Qがさらに少し改善するが、ts>0.06tdの誘電体ストリップでは、他の損失が大きくなる可能性がある。
【0058】
図9は、Bode Qと、XBARのIDTフィンガと誘電体ストリップACSの重なりとの間の関係を説明するグラフ800を示す。具体的には、曲線910、920、930、及び940は、寸法(図5で定義される)dg=2.2μm=4.4td、及びts=15nm=0.03tdを有する誘電体ストリップACSを有する例示的なXBARSのBode Qをプロットしたものである。
【0059】
実線の曲線910は、dol=0.3μm=0.60tdを有する誘電体ストリップACSを有する例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。破線の曲線920は、dol=0.7μm=1.40tdを有する例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。一点鎖線の曲線930は、dol=1.0μm=2.0tdを有する例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。二点鎖線の曲線940は、dol=1.5μm=3.0tdを有する誘電体ストリップACSを有する例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。曲線910、920、930、940を比較すると、特にn79帯域の下端付近の周波数について、0.6td≦dol≦3.0td及び4.0td≦ds≦8.0tdの範囲にわたって、Bode Qの重複距離dolへの依存がほとんどないことが分かる。
【0060】
図10は、別のXBAR1000の一部の詳細断面図である。XBAR1000は、図5に示したXBAR400と同様であるが、ACSが、アパーチャのマージンにおいてIDT導体436上の端部に重なる第一の部分1054と、IDTフィンガ436の端部とバスバー434との間のギャップにおいてダイアフラム410の表面上にある第二の部分1056に分離されていることが異なる。第一の部分1054と第二の部分1056とは、隣接していないが、わずかな距離だけ離れている。第一の部分のアパーチャ方向における幅はdolであり、第二の部分の幅はdgである。第一の部分1054と第二の部分1056との間の距離は、dosである。XBAR1000の他の全ての要素及び寸法は、XBAR400の対応する要素と同じである。
【0061】
図11は、図10に示すように、Bode Qと、2つの部分に分割された誘電体ストリップACSの寸法との間の関係を説明するグラフ1100を示す。具体的には、実線の曲線1110は、誘電体ストリップACSのない例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。破線の曲線1120は、dol=2.0μm=4.0td、dos=0.2μm=0.4td、dg=2.0μm=4.0td、及びts=15nm=0.03tdを有する例示的なXBARのBode Qをプロットしたものである。一点鎖線の曲線1130は、dol=2.0μm=4.0td、dos=2.0μm=4.0td、dg=2.0μm=4.0td、及びts=30nm=0.06tdの例示的XBARのBode Qをプロットしたものである。
【0062】
図12は、XBARを使用する高周波バンドパスフィルタ1200の概略回路図及びレイアウトである。フィルタ200は、3つの直列共振器1210A、1210B、1210C及び2つのシャント共振器1220A、1220Bを含む従来のラダーフィルタアーキテクチャを有する。直列共振器1210A、1210B、及び1210Cは、第一のポートと第二のポートとの間に直列に接続されている(したがって、「直列共振器」という用語)。図12に、第一のポート及び第二のポートは、それぞれ「In」及び「Out」とラベル付けされている。しかしながら、フィルタ200は双方向でであり、いずれのポートもフィルタの入力又は出力として機能する。2つのシャント共振器1220A、1220Bは、直列共振器間のノードから接地に接続されている。フィルタは、図12に示されていないコンデンサ及び/又はインダクタなどの追加のリアクティブコンポーネントを含んでもよい。全てのシャント共振器及び直列共振器は、XBARである。3つの直列共振器と2つのシャント共振器を含むことは、例示的なものである。フィルタは、合計で共振器を5つより多く又は少なく、直列共振器を3つより多く又は少なく、及びシャント共振器を2つより多く又は少なく有することもある。典型的には、全ての直列共振器は、フィルタの入力と出力の間で直列に接続される。全てのシャント共振器は、典型的には、接地と、入力、出力、又は2つの直列共振器間のノードのうちの1つとの間に接続される。
【0063】
例示的なフィルタ1200では、フィルタ1200の3つの直列共振器1210A、1210B、1210C及び2つのシャント共振器1220A、1220Bは、シリコン基板(図示せず)に結合された圧電材料の単一の板1230上に形成される。一部のフィルタでは、直列共振器とシャント共振器とは、圧電材料の異なる板上に形成されてもよい。各共振器は、それぞれのIDT(図示せず)を含み、IDTの少なくともフィンガが基板のキャビティ上に配置されている。この文脈及び同様の文脈では、「それぞれ」という用語は、「モノをそれぞれに関連付ける」ことを意味し、つまり、一対一の対応である。図12において、キャビティは、破線の長方形(長方形1235など)として概略的に示されている。この例では、各IDTはそれぞれのキャビティ上に配置されてもよい。他のフィルタでは、2つ以上の共振器のIDTが単一のキャビティ上に配置されてもよい。
【0064】
フィルタ1200の共振器1210A、1210B、1210C、1220A、1220Bのそれぞれは、共振器のアドミタンスが非常に高くなる共振と、共振器のアドミタンスが非常に低くなる反共振を有している。共振及び反共振は、それぞれ共振周波数及び反共振周波数で発生し、フィルタ1200の様々な共振器について同じであることも、異なることもある。過度に単純化された意味合いでは、各共振器は、その共振周波数で短絡回路であり、その反共振周波数で開回路であると見なすことができる。入出力伝達関数は、シャント共振器の共振周波数でも、直列共振器の反共振周波数でもゼロに近い値になる。一般的なフィルタでは、シャント共振器の共振周波数はフィルタの通過帯域の下端の下に、直列共振器の反共振周波数は通過帯域の上端の上に位置する。一部のフィルタでは、シャント共振器の共振周波数を直列共振器の共振周波数に対して低く設定するために、点線の長方形1270で表される前面誘電体層(「周波数設定層」とも呼ばれる)がシャント共振器上に形成されてもよい。他のフィルタでは、直列共振器は、シャント共振器よりも薄い圧電板を有してもよい。一部のフィルタでは、直列共振器とシャント共振器は、異なる圧電板の厚さを有する別々のチップ上に製造されてもよい。
【0065】
図13は、広い誘電体ストリップACSの利点を説明するグラフ1300である。具体的には、実線の曲線1310は、いかなる音響閉じ込め構造も有しないXBARを含む帯域n79バンドパスフィルタの最大利用可能利得をプロットしたものである。破線の曲線1320及び一点鎖線の曲線1330は、誘電体ストリップ音響閉じ込め構造を有するXBARを含む2つの類似の帯域n79バンドパスフィルタの最大利用可能利得をプロットしたものである。全ての曲線は、有限要素法を用いたバンドパスフィルタのシミュレーションから生成された。
【0066】
実線の曲線1310は、全ての共振器上に誘電体ストリップACSを有する帯域n79バンドパスフィルタの最大利用可能利得のプロットである。圧電板の厚さは、これまでの実施例と同様に370nmである。シャント共振器の誘電体層の厚さは130nmで、直列共振器の誘電体層の厚さは30nmである。全ての共振器の誘電体ストリップACSの厚さtsは、15nm又はシャント共振器で0.03td、直列共振器で0.0375tdである。各共振器の誘電体ストリップACSの全幅dtは個別に最適化され、6td≦dt≦15tdとなるように3μm~6μmの間で変化する。一般に、直列共振器のdtは、シャント共振器のdtより大きくなる傾向がある。実線の曲線1310と破線の曲線1329とを比較すると、フィルタのXBARの全てに誘電体ストリップACSを組み込むことで、最大利用可能利得が低帯域端で0.6dB、高帯域端で0.3dB増加することが分かる。
【0067】
一点鎖線の曲線1330は、直列共振器上の誘電体ストリップACSの厚さtsを25nm又は0.0625tdに厚くした、前の例と同様の帯域n79バンドパスフィルタの最大利用可能利得をプロットしたものである。直列共振器上の誘電体ストリップACSの厚さを厚くすると、通過帯域の振幅及びスパーの数が増える代わりに、高帯域端で最大利用可能利得がさらに0.2dB増加する。
【0068】
広い誘電体ストリップACSの組み込みは、バンドパスフィルタの帯域端における損失を低減することができるが、ACSは、破線の曲線1320のスパー1325、一点鎖線の曲線1330のスパー1332及び1334など、フィルタの通過帯域内にスパー又はリップルを導入することがある。このようなスパーは、誘電体ストリップACSに限定される音響モードによって引き起こされることがある。
【0069】
誘電体ストリップACSによって導入されるスパーは、除去されないにしても、フィルタ内の様々な共振器内及び共振器間のACS構造を変えることによって、最小化することができる。例えば、図12のフィルタ1200において、共振器1210A、1210B、1210C、1220A、及び1220Bの一部又は全部は、誘電体ストリップACSを有していてもよい。第一の共振器は、第一の寸法(すなわち、図5に定義されるようなdol、dg、ts)を有する誘電体ストリップACSを有してよく、第二の共振器は、第一の共振器の対応する寸法と少なくとも異なる寸法を有する誘電体ストリップACSを有してもよい。共振器間でACS構造を変更すると、より広い周波数範囲にスプリアスが広がり、その結果、任意の特定の周波数におけるスプリアスの大きさが減少する。
【0070】
さらに、誘電体ストリップACSの寸法は、共振器内で変化させてもよい。例えば、図14Aは、IDT1400Aの一部の平面図であり、この一部は、バスバー1432の一部、フィンガ1436などのIDTフィンガの一部、及び誘電体ストリップACS1454Aを含む。誘電体ストリップACSのアパーチャ方向における幅は、最小値tsminから最大値tsmaxまで線形に変化している。図14Bは、同様のIDT1400Bの一部の平面図であり、この一部では、誘電体ストリップACS1454Bのアパーチャ方向の幅が、最小値tsminから最大値tsmaxまで周期的に変化する。図14A及び図14Bは、IDSの長さに沿った位置の線形関数として変化するACS幅を図示しているが、ACS幅は、位置の非線形関数であってもよい。ACSのアパーチャ方向の幅は、2つ以上の値の間のステップで変化してもよい。これらのステップは、IDTフィンガと整合していてもよいし、非同期であってもよい。IDSの2つのバスバーに隣接するACSの構造は、同じであっても、異なっていてもよい。
【0071】
複数のXBARを有するフィルタにおいて、様々なXBARの誘電体ストリップACSは、同じであってもよく、異なっていてもよい。XBARの一部又は全部は、異なる全幅ds又はIDTフィンガとの異なる重なりdolを有する誘電体ストリップACSを有していてもよい。フィルタ内のXBARの一部又は全部が、それぞれのIDTの長さに沿って変化する誘電体ストリップACSを有することも、全部が有しないこともあり。それぞれのIDTの長さに沿って変化する誘電体ストリップACSを有するXBARは、異なる様式で変化してもよい。
【0072】
(方法の説明)
図15は、音響エネルギー漏れを低減するための構造を有するXBARを組み込んだフィルタデバイスを製造するためのプロセス1500を要約した簡略化されたフローチャートである。具体的には、プロセス1500は、複数のXBARを含むフィルタデバイスを製造するためのものであり、そのうちのいくつかは、周波数設定誘電体層又はコーティング層を含んでもよい。プロセス1500は、1505でデバイス基板と、犠牲基板上に配置された圧電材料の薄い板とから開始される。プロセス1500は、1595で、完成したフィルタデバイスで終了する。図15のフローチャートには、主要なプロセスステップのみが含まれている。様々な従来のプロセスステップ(例えば、表面処理、洗浄、検査、ベーキング、アニーリング、監視、試験など)は、図15に示されるステップの前、間、後、及び最中に実行されてもよい。
【0073】
図15は、一般に、単一のフィルタデバイスを製造するためのプロセスを説明しているが、複数のフィルタデバイスは、(基板に結合された圧電板からなる)共通のウェーハ上に同時に製造され得る。この場合、プロセス1500の各ステップは、ウェーハ上の全てのフィルタデバイス上で同時に実行されてもよい。
【0074】
図15のフローチャートは、デバイス基板にいつ、どのようにキャビティを形成するかが異なるXBARを製造するためのプロセス1500の3つの変形例を捕らえている。キャビティは、ステップ1510A、1510B、又は1510Cで形成されてもよい。これらのステップのうちの1つだけが、プロセス1500の3つの変形例のそれぞれにおいて実行される。
【0075】
圧電板は、典型的には、回転ZYカットニオブ酸リチウムであり得る。圧電板は、何らかの他の材料及び/又は何らかの他のカットであってもよい。デバイス基板は、好ましくは、シリコンであってもよい。デバイス基板は、エッチング又は他の処理によって深いキャビティの形成を可能にする何らかの他の材料であってもよい。
【0076】
プロセス1500の1つの変形例では、1515で圧電板が基板に結合される前に、1510Aで、1つ以上のキャビティがデバイス基板に形成される。フィルタデバイスの各共振器に対して別個のキャビティを形成してもよい。また、2つ以上の共振器が1つのキャビティ上の1つのダイアフラムに存在できるように、キャビティを成形及び形成することができる。ダイアフラムを共有するこれらの共振器は、音響トラック上で音響的に結合される。1つ以上のキャビティは、従来のフォトリソグラフィー及びエッチング技術を使用して形成してもよい。典型的には、1510Aで形成されたキャビティは、デバイス基板を貫通しない。
【0077】
1515で、圧電板がデバイス基板に結合される。圧電板とデバイス基板とは、ウェーハボンディングプロセスによって結合されてもよい。通常、デバイス基板と圧電板との合わせ面は、高度に研磨されている。酸化物又は金属などの中間材料の1つ以上の層が、圧電板及びデバイス基板の片方又は両方の合わせ面上に形成又は堆積されてもよい。片方又は両方の合わせ面は、例えば、プラズマ処理を使用して活性化されてもよい。次に、圧電板とデバイス基板又は中間材料層との間に分子結合を確立するために、合わせ面をかなりの力で一緒に押圧してもよい。
【0078】
1520で、犠牲基板を除去してもよい。例えば、圧電板及び犠牲基板は、圧電板となるものと犠牲基板との間の境界を定義する平面に沿って結晶構造に欠陥を作り出すためにイオン注入された圧電材料のウェーハであってもよい。1520で、ウェーハは、例えば、熱衝撃によって欠陥面に沿って分割されてもよく、犠牲基板を分離し、圧電板をデバイス基板に結合したままにする。圧電板の露出面は、犠牲基板が取り外された後、何らかの方法で研磨又は処理されてもよい。
【0079】
各XBARのIDTを含む第一の導体パターンは、圧電板の前面側に1つ以上の導体層を堆積して、パターン化することによって1530で形成される。導体層は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、又は何らかの他の導電性金属であってもよい。任意選択で、他の材料の1つ以上の層が、導体層の下(すなわち、導体層と圧電板の間)及び/又は導体層の上に配置されてもよい。例えば、チタン、クロム、又は他の金属の薄膜を使用して、導体層と圧電板との間の接着を改善してもよい。第一の導体パターンの一部(例えば、IDTバスバー及びIDT間の相互接続部)の上に、金、アルミニウム、銅又は他の導電性の高い金属の第二の導体パターンを形成してもよい。
【0080】
各導体パターンを、圧電板の表面上に導体層と、任意選択で、1つ以上の他の金属層を順に堆積させることによって、1530で形成してもよい。その後、過剰な金属を、パターン化されたフォトレジストを介してエッチングすることによって除去してもよい。導体層は、例えば、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、湿式化学エッチング、又は他のエッチング技術によってエッチングすることができる。
【0081】
あるいは、各導体パターンを、リフトオフプロセスを使用して1530で形成してもよい。フォトレジストを圧電板上に堆積して、導体パターンを規定するようにパターン化してもよい。導体層と、任意選択で、1つ以上の他の層とを、圧電板の表面上に順番に堆積してもよい。その後、フォトレジストを除去して、これにより、余分な材料を除去し、導体パターンを残してもよい。
【0082】
1540で、誘電体ストリップACSを形成してもよい。先に説明したように、誘電体ストリップACSは、アパーチャのマージンにおいてIDTフィンガの端部に重なり、IDTフィンガの端部と隣接するバスバーとの間のギャップに延在してもよい。誘電体ストリップACSは、エッチング又はリフトオフ技術のいずれかを用いて、誘電体薄膜を堆積させ、パターニングすることによって形成されてもよい。誘電体ストリップACSは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は何らかの他の誘電体材料であってもよい。誘電体ストリップACSは、異なる材料の複数の層であってもよく、2つ以上の材料の混合物であってもよい。
【0083】
1550で、1つ以上の周波数設定誘電体層が、圧電板の前面上に誘電体材料の1つ以上の層を堆積させることによって形成されてもよい。例えば、誘電体層は、シャント共振器の上に形成して、直列共振器の周波数に対してシャント共振器の周波数を下げることができる。1つ以上の誘電体層を、物理的気相成長法、原子層堆積法、化学的気相成長法、又は他の方法などの従来の堆積技術を使用して堆積してもよい。誘電体層の堆積を圧電板の選択された領域に限定するために、(フォトマスクを使用する)1つ以上のリソグラフィプロセスを使用してもよい。例えば、シャント共振器のみを覆うように誘電体層を限定するために、マスクを用いてもよい。1550における1つ以上の周波数設定層の形成を、1540で誘電体ストリップACSを形成する前又は後に(図示のように)実施してもよい。
【0084】
1555で、パッシベーション/チューニング誘電体層が、圧電板及び導体パターンの上に堆積される。パッシベーション/チューニング誘電体層は、フィルタの外部の回路への電気接続のためのパッドを除いて、フィルタの全表面を覆ってもよい。プロセス1500のいくつかの実施形態では、パッシベーション/チューニング誘電体層は、デバイス基板内のキャビティが1510B又は1510Cのいずれかでエッチングされた後に形成されてもよい。
【0085】
プロセス1500の第二の変形例では、1510Bで、1つ以上のキャビティがデバイス基板の背面に形成される。フィルタデバイスの各共振器に対して別個のキャビティを形成してもよい。また、2つ以上の共振器が1つのキャビティ上の1つのダイアフラムに存在できるように、キャビティを成形及び形成することができる。ダイアフラムを共有するこれらの共振器は、音響トラック上で音響的に結合される。1つ以上のキャビティは、異方性又は配向依存性のドライ又はウェットエッチングを使用して、デバイス基板の背面から圧電板までの穴を開けて形成されてもよい。この場合、得られる共振器デバイスは、図1に示すような断面を有することになる。
【0086】
プロセス1500の第三の変形例では、1510Cで、圧電板の開口部を介して導入されるエッチング剤を用いて基板をエッチングすることにより、デバイス基板に凹部の形態の1つ以上のキャビティを形成してもよい。フィルタデバイスの各共振器に対して別個のキャビティを形成してもよい。また、2つ以上の共振器が1つのキャビティ上の1つのダイアフラムに存在できるように、キャビティを成形及び形成することができる。ダイアフラムを共有するこれらの共振器は、音響トラック上で音響的に結合される。1510Cで形成された1つ以上のキャビティは、デバイス基板を貫通しない。
【0087】
理想的には、キャビティが1510B又は1510Cで形成された後、ウェーハ上のフィルタデバイスのほとんど又は全てが、一連の性能要件を満たすことになる。しかしながら、通常のプロセス公差によって、1550及び1555で形成される誘電体層の厚さなどのパラメータの変動、1530で形成される導体及びIDTフィンガの厚さ及び線幅の変動、並びに圧電板の厚さの変動がもたらされる。これらの変動は、フィルタデバイスの性能を一連の性能要件から逸脱させることに寄与する。
【0088】
性能要件を満たすフィルタデバイスの歩留まりを改善するために、1555で、共振器上に堆積されたパッシベーション/チューニング層の厚さを選択的に調整することによって、周波数チューニングを実行してもよい。フィルタデバイスの通過帯域の周波数は、パッシベーション/チューニング層に材料を加えることによって下げることができ、フィルタデバイスの通過帯域の周波数は、パッシベーション/チューニング層への材料を除去することによって上げることができる。典型的には、プロセス1500は、最初は必要な周波数範囲よりも低いが、パッシベーション/チューニング層の表面から材料を除去することによって所望の周波数範囲にチューニングすることができる通過帯域を有するフィルタデバイスを製造するようにバイアスされる。
【0089】
1560で、プローブカード又は他の手段を使用して、フィルタとの電気接続を行って、無線周波数(RF)試験及び入出力伝達関数などのフィルタ特性の測定を可能にすることができる。典型的には、RF測定は、共通の圧電板及び基板上に同時に製造されたフィルタデバイスの全て、又は大部分に対して行われる。
【0090】
1565で、グローバル周波数チューニングは、例えば、先に説明したような走査イオンミルのような選択的材料除去ツールを用いてパッシベーション/チューニング層の表面から材料を除去することによって実行されてもよい。「グローバル」チューニングは、個々のフィルタデバイスと同等又はそれ以上の空間分解能で実行される。グローバルチューニングの目的は、各フィルタデバイスの通過帯域を所望の周波数範囲に向けて移動させることである。1560からの試験結果は、ウェーハ上の二次元位置の関数として除去されるべき材料の量を示すグローバル等高線マップを生成するために処理されてもよい。次に、選択的材料除去ツールを用いて、等高線マップに従って材料が除去される。
【0091】
1570では、1565で行われたグローバル周波数チューニングの追加又は代替として、ローカル周波数チューニングが行われることがある。「ローカル」周波数チューニングは、個々のフィルタデバイスよりも小さい空間分解能で実行される。1560からの試験結果は、各フィルタデバイスにおいて除去されるべき材料の量を示すマップを生成するために処理されてもよい。ローカル周波数チューニングは、材料が除去される領域の大きさを制限するために、マスクの使用を必要とする場合がある。例えば、第一のマスクを使用してシャント共振器のみにチューニングを制限し、その後、第二のマスクを使用して直列共振器のみにチューニングを制限することができる(又は、その逆も可能)。これにより、フィルタデバイスの低帯域端(シャント共振器のチューニングによる)と高帯域端(直列共振器のチューニングによる)の独立したチューニングを行うことができるようになる。
【0092】
1565及び/又は1570での周波数チューニングの後、フィルタデバイスは、1575で完成する。1575で起こり得るアクションには、デバイスと外部回路との間の接続を行うために、ボンディングパッド、若しくははんだバンプ又は他の手段(そのようなパッドが1545で形成されなかった場合)の形成、複数のフィルタデバイスを含むウェーハからの個々のフィルタデバイスの切り出し、他のパッケージング手順、及び追加の試験が含まれる。各フィルタデバイスが完成した後、プロセスは、1595で終了する。
【0093】
(結びのコメント)
この説明全体を通して、示される実施形態及び実施例は、開示又は特許請求される装置及び手順に対する制限ではなく、模範と見なされるべきである。本明細書に提示される実施例の多くは、方法動作又はシステム要素の特定の組み合わせを含むが、それらの動作及びそれらの要素は、同じ目的を達成するために他の方法で組み合わせることもできることを理解されたい。フローチャートに関しては、ステップを追加することも、より少なくすることもでき、示されているステップを組み合わせて、あるいはさらに改良して、本明細書に記載の方法を達成してもよい。一実施形態に関連してのみ論じられる動作、要素、及び特徴は、他の実施形態における同様の役割から除外されることを意図するものではない。
【0094】
本明細書で使用される場合、「複数」は2つ以上を意味する。本明細書で使用される場合、アイテムの「セット」は、そのようなアイテムの1つ以上を含み得る。本明細書で使用される場合、書面による説明又は特許請求の範囲において、「備える」、「含む」、「携える」、「有する」、「含有する」、「関与する」などの用語は、オープンエンドであると理解されるべきであり、つまり、含むが、限定されないことを意味する。クレームに関して、それぞれ「からなる」及び「本質的にからなる」の移行句のみが、クローズエンド又はセミクローズエンドの移行句である。クレーム要素を変更するためのクレームでの「第一」、「第二」、「第三」などの序数詞の使用は、それ自体では、1つのクレーム要素の他のクレーム要素に対するいかなる優先性、優先順位、又は順序、又は方法の動作が実行される時間的な順序を意味するものではなく、クレーム要素を区別するために、特定の名称を有する1つのクレーム要素を同じ名称を有する別の要素から区別するためのラベルとしてのみ使用される(ただし、序数詞を使用するため)。本明細書で使用される場合、「及び/又は」は、列挙されたアイテムが代替物であることを意味するが、その代替物は、列挙されたアイテムの任意の組み合わせも含む。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響共振器であって、
基板と、
前記基板に支持された圧電板と、
前記圧電板の一部が基板のキャビティにまたがっているダイアフラムと、
前記圧電板の前面上のインターデジタル変換器(IDT)であって、前記IDTは、第一及び第二のバスバーからそれぞれ延びるインターリーブされた第一及び第二のセットのインターデジタル変換器(IDT)フィンガを備え、
インターリーブされた前記IDTフィンガがダイアフラム上にあり、かつ
インターリーブされた前記IDTフィンガの重なり合う部分が、前記音響共振器のアパーチャを画定する、IDTと、
前記アパーチャの第一のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の第一のギャップに延びる第一の誘電体ストリップと、
前記アパーチャの第二のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第二のマージンと前記第二のバスバーとの間の第二のギャップに延びる第二の誘電体ストリップと、
を備える、音響共振器。
【請求項2】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれは、前記IDTの全長にわたって延びる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項3】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの厚さtsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.008td≦ts≦0.06td
によって関係付けられる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項4】
前記アパーチャの前記第一及び第二のマージンのそれぞれの幅dolと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.6td≦dol≦3.0td
によって関係付けられる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項5】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの幅dsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
4.0td≦ds≦15.0td
によって関係付けられる、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項6】
前記第一及び第二の誘電体ストリップの一方又は両方の幅ds、幅dol及び厚さtsの少なくとも1つは、前記IDTの長さに沿って変化する、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項7】
前記第一の誘電体ストリップが、
前記第一のマージンにある第一の部分と、
前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の前記第一のギャップにある第二の部分と、
を備え、
前記第一の部分と前記第二の部分とが隣接していない、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項8】
前記圧電板及び前記IDTは、前記IDTに印加される無線周波信号が前記圧電板の一次剪断音響モードを励起するように構成される、請求項1に記載の音響共振器。
【請求項9】
前記圧電板は、Zカットニオブ酸リチウム及びZカットタンタル酸リチウムのうちの1つである、請求項8に記載の音響共振器。
【請求項10】
フィルタであって、
基板と、
前記基板に支持された圧電板と、
複数のダイアフラムであって、各ダイアフラムは、前記基板のそれぞれのキャビティにまたがる前記圧電板のそれぞれの部分を備える、複数のダイアフラムと、
前記圧電板の前面上の導体パターンであって、前記導体パターンは複数の音響共振器のインターデジタル変換器(IDT)を備え、各IDTは、第一及び第二のバスバーからそれぞれ延びるインターリーブされた第一及び第二のセットのインターデジタル変換器(IDT)フィンガを備え、
インターリーブされた前記IDTフィンガがダイアフラム上にあり、かつ
インターリーブされた前記IDTフィンガの重なり合う部分が、前記各音響共振器のアパーチャを画定する、導体パターンと、
を備える、フィルタであって、
前記複数の音響共振器の少なくとも1つは、
前記アパーチャの第一のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の第一のギャップに延びる第一の誘電体ストリップと、
前記アパーチャの第二のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第二のマージンと前記第二のバスバーとの間の第二のギャップに延びる第二の誘電体ストリップと、
をさらに備える、フィルタ。
【請求項11】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれは、前記IDTの全長にわたって延びる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項12】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの厚さtsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.008td≦ts≦0.06td
によって関係付けられる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項13】
前記アパーチャの前記第一及び第二のマージンのそれぞれの幅dolと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
0.6td≦dol≦3.0td
によって関係付けられる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項14】
前記第一及び第二の誘電体ストリップのそれぞれの幅dsと前記ダイアフラムの厚さtdは、方程式
4.0td≦ds≦15.0td
によって関係付けられる、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項15】
前記第一及び第二の誘電体ストリップの一方又は両方の幅ds、幅dol及び厚さtsの少なくとも1つは、前記IDTの長さに沿って変化する、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項16】
前記第一の誘電体ストリップが、
前記アパーチャの前記第一のマージンにある第一の部分と、
前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の前記第一のギャップにある第二の部分と、
を備え、
前記第一の部分と前記第二の部分とが隣接していない、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項17】
前記圧電板及び各IDTは、各IDTに印加されるそれぞれの無線周波信号が前記圧電板のそれぞれの一次剪断音響モードを励起するように構成される、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項18】
前記圧電板は、Zカットニオブ酸リチウム及びZカットタンタル酸リチウムのうちの1つである、請求項10に記載のフィルタ。
【請求項19】
音響共振器の製造方法であって、
圧電板の前面にインターデジタル変換器(IDT)を形成するステップであって、前記IDTは、第一及び第二のバスバーからそれぞれ延びるインターリーブされた第一及び第二のセットのインターデジタル変換器(IDT)フィンガを備え、
インターリーブされた前記IDTフィンガは、基板のキャビティにまたがっている前記圧電板の一部を備えるダイアフラム上にあり、かつ
インターリーブされた前記IDTフィンガの重なり合う部分が、前記音響共振器のアパーチャを画定する、ステップと、
第一及び第二の誘電体ストリップを形成するステップであって、
前記第一の誘電体ストリップは、前記アパーチャの第一のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第一のマージンと前記第一のバスバーとの間の第一のギャップに延び、
前記第二の誘電体ストリップは、前記アパーチャの第二のマージンで前記IDTフィンガと重なり、前記第二のマージンと前記第二のバスバーとの間の第二のギャップに延びる、ステップと、
を含む、製造方法。
【外国語明細書】