(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171604
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】プリント回路基板をプラグ本体に固定するためのアセンブリ、プリント回路基板をプラグ本体に固定する方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/66 20060101AFI20221104BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20221104BHJP
【FI】
H01R13/66
H01R12/71
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022072121
(22)【出願日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】10 2021 111 250.8
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シュヴァン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB20
5E021FC29
5E223AB02
5E223AC21
5E223AC23
5E223BA07
5E223CD01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】省スペースであり、組立ての複雑さがより少ないプリント回路基板をプラグ本体に固定するためのアセンブリを提供する。
【解決手段】プリント回路基板30をプラグ本体20に固定するためのアセンブリ100であって、コンタクト要素40であって、固定部材50により差込み方向と反対にポジティブフィット方式で保持面に固定されている、固定部材50とを備えるアセンブリが示される。さらに、プリント回路基板30をプラグ本体20に固定する方法であって、差込み方向と反対を向くコンタクト要素の保持面を、プリント回路基板30の開口部に挿入し、次に、固定部材50を、プリント回路基板30が固定部材50により差込み方向と反対にポジティブフィット方式で保持面に固定される固定位置Lに移行させる、方法がさらに示される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(30)をプラグ本体(20)に固定するためのアセンブリ(100)であって、
コンタクト要素(40)であって、前記コンタクト要素(40)の差込み方向(S)と反対を向く保持面(45)を有するコンタクト要素と、
固定位置(L)に移行可能な固定部材(50)であって、前記プリント回路基板(30)は、前記固定位置(L)において、前記固定部材(50)により前記差込み方向(S)に沿ってポジティブフィット方式で前記保持面(45)に固定されている、固定部材と
を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記プリント回路基板(30)は、前記固定位置(L)において、前記差込み方向(S)と反対にポジティブフィット方式で前記プラグ本体(20)に固定されている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記プリント回路基板(30)は、前記固定位置(L)において、前記差込み方向(S)と反対にポジティブフィット方式で、前記保持面(45)と反対側を向く前記コンタクト要素(40)の相手側保持面(47)に固定されている、請求項1または2に記載のアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記保持面(45)は、前記コンタクト要素(40)のアンダカット(43)に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記コンタクト要素(40)は、先端(48)と軸部(49)との間に位置する首部(46)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記固定部材(50)は前記差込み方向(S)に垂直に開いている、請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記固定部材(50)は、前記差込み方向(S)に沿って延びる貫通孔(51)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記固定部材(50)は、少なくとも1つのさらなる固定部材(50)を含む固定要素(60)の一部であり、前記固定位置(L)において、前記さらなる固定部材(50)は、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素(40、42)を、その位置で、前記差込み方向(S)と反対にポジティブフィット方式で固定する、請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項9】
前記固定位置(L)において、前記コンタクト要素(40)は、前記プリント回路基板(30)の相手側コンタクト要素(35)に押し付けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項10】
前記固定位置(L)において、前記プリント回路基板(30)は前記固定部材(50)によりクランプされている、請求項1から9のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項11】
前記固定部材(50)は、経路部(95)に沿って前記固定位置(L)に動かされ、前記経路部(95)は、前記差込み方向(S)に垂直に延びている、請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項12】
前記固定部材(50)は、前記固定部材(50)を前記固定位置(L)に導くガイド部材(55)を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項13】
固定要素(60)は、少なくとも1つのガイド部材(55)を各々有する複数の固定部材(50)を含み、前記ガイド部材(55)の組合せは、前記固定要素(60)のための1つのガイド経路(96)を画定する、請求項1から12のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項14】
前記プリント回路基板(30)が少なくとも1つの前記固定部材(50)により差込み方向(S)に沿ってポジティブフィット方式で保持される固定前位置(P)において、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素(40、42)が、対応する前記固定部材(50)によって固定されない、請求項1から13のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項15】
プリント回路基板(30)をプラグ本体(20)に固定する方法であって、
差込み方向(S)と反対を向くコンタクト要素(40)の保持面(45)を、前記プリント回路基板(30)の開口部(31)に挿入し、
次に、固定部材(50)を、前記プリント回路基板(30)が前記固定部材(50)により差込み方向(S)に沿ってポジティブフィット方式で前記保持面(45)に保持される固定位置(L)に移行させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板をプラグ本体に固定するためのアセンブリ、およびプリント回路基板をプラグ本体に固定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのプラグ、例えば電気自動車用プラグは、プリント回路基板を含み、プリント回路基板には、測定、制御、または相手側プラグとの連通のための要素が設けられている。通常、このプリント回路基板は、1つまたは複数のねじによってプラグ本体に固定される。しかしながら、これは複雑な組立てを伴い、スペースを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、省スペースであり、組立ての複雑さがより少ない解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、これは、プリント回路基板をプラグ本体に固定するためのアセンブリであって、コンタクト要素であって、コンタクト要素の差込み方向と反対を向く保持面を有するコンタクト要素と、固定位置に移行可能な(移動可能な、can be transferred)固定部材であって、プリント回路基板は、固定位置において、固定部材により差込み方向に沿ってポジティブフィット(形状嵌め、形状嵌合、positive fit)方式で保持面に固定されている固定部材とを備えるアセンブリによって実現される。
【0005】
同様に、目的は、プリント回路基板をプラグ本体に固定する方法であって、差込み方向と反対を向くコンタクト要素の保持面を、プリント回路基板の開口部に挿入し、次に、固定部材を、プリント回路基板が固定部材により差込み方向に沿ってポジティブフィット方式で保持面に保持される固定位置に移行させる、方法によって実現される。
【0006】
コンタクト要素を固定に使用することにより、この解決策は省スペースであり、その組立ての複雑さがより少ない。
【0007】
本発明による解決策は、各々が別個に有利であって任意の方法で組み合わせ可能な以下のさらなる発展および実施形態によってさらに改良され得る。
【0008】
1つの有利な実施形態において、解除位置で、プリント回路基板は、差込み方向に沿って固定されない。特に、解除位置において、プリント回路基板とコンタクト要素とは、差込み方向に沿って、かつ/または差込み方向と反対に互いに対して可動であってよい。このような解除位置において、プリント回路基板とコンタクト要素とを、例えば、隣接して配置することができる。次に、解除位置から出ることにより、特に固定位置に移行することにより、プリント回路基板がコンタクト要素に対して差込み方向に沿って移動することを防止することができる。
【0009】
差込み方向は、コンタクト要素がプリント回路基板に挿入されるときにプリント回路基板に対して移動する方向を意味することができる。ある適用において、コンタクト要素が最初にプラグ本体に取り付けられ、次に、プリント回路基板が組立方向に沿ってコンタクト要素の上および/または周りに導かれることがある。その後、コンタクト要素はプリント回路基板を通って突出することができる。例えば、コンタクト要素を、最初に組立方向に沿ってプラグ本体に挿入することができる。そのため、組立方向は、差込み方向と反対に延びていることが好ましい。
【0010】
差込み方向は、プラグが相手側プラグに接触する接触方向に平行に延びることができると好ましい。
【0011】
固定位置においてプリント回路基板が固定されるコンタクト要素は、特に、低電圧コンタクト要素および/または信号用コンタクト要素であってよい。これにより、コンタクト要素とプリント回路基板との間の漏れ電流を低減または防止することができる。
【0012】
さらなる位置固定のために、固定位置において、プリント回路基板を、差込み方向と反対にもポジティブフィット方式で固定することができる。例えば、固定位置において、プリント回路基板を、差込み方向と反対にポジティブフィット方式でプラグ本体に固定することができる。このために、プラグ本体は、部分的に差込み方向を向く支持面を含むことができる。プリント回路基板を、支持面に平らに置くことができる。
【0013】
さらなる実施形態において、プリント回路基板を、固定位置において、差込み方向と反対にポジティブフィット方式で、コンタクト要素において保持面と反対側を向く相手側保持面に固定することができる。このような実施形態において、プリント回路基板を、コンタクト要素により、差込み方向に沿って、かつ差込み方向と反対に、ポジティブフィット方式で固定することができる。固定部材は、固定位置においてコンタクト要素がプラグ本体に対して移動することを防止するコンタクト保持部として機能することができる。固定部材は、ここでは、例えば、プリント回路基板を介して、差込み方向に沿って、かつ/または差込み方向と反対に、ポジティブフィット方式で直接または間接的にコンタクト要素を固定することができる。
【0014】
プラグ本体とコンタクト要素とを、差込み方向に沿って、かつ/もしくは差込み方向と反対に、直接または間接的に互いに接続し、または互いに対して相対的に固定して、プリント回路基板がプラグ本体に対して移動することを防止することができる。この接続または保持は、くり返し解除され得ることが好ましい。
【0015】
保持面は、コンタクト要素のアンダカットに配置されていてよい。これにより、機械的に安定した保持を実現することができる。保持面は、特に、コンタクト要素のキノコ状の端部に配置されてもよい。
【0016】
コンタクト要素は、先端と軸部との間に位置する首部を含むことができる。この首部において、直径を先端よりも小さくして保持を可能にし、保持面を具体化することができる。差込み方向と反対に保持するために、直径は、軸部よりも首部において小さくてよい。相手側保持面は、異なる直径によって具体化されてよい。
【0017】
簡単なアセンブリの場合、固定部材は差込み方向に垂直に開いていてよい。その後、1回の、好ましくは直線状の移動により、固定部材を簡単な方法で固定位置に移動させることができる。固定部材は、例えば、一側で開いた長孔として、かつ/またはフォークのように具体化することができる。このフォークのプロングは、さらなる要素から突出していてよい。
【0018】
さらなる実施形態において、固定部材は、差込み方向に沿って延びる貫通孔を含むことができる。その後、コンタクト要素を差込み方向に沿って貫通孔に挿入することができる。その後、例えば、差込み方向に垂直に延びるさらなる移動により、固定部材を固定位置に移行させることができる。
【0019】
貫通孔は、コンタクト要素を少なくとも部分的に挿入することができる差込み部と、コンタクト要素が差込み方向と反対に固定される固定部とを含むことができる。例えば、貫通孔は、差込み方向に沿って見て、略鍵孔状の断面を有することができる。
【0020】
簡単なガイドを実現するために、固定部材は一定の厚さを有することができる。差込み方向に沿って厚さを測定することができる。
【0021】
固定部材を、プリント回路基板とプラグ本体とは別個の要素に配置することができる。このような実施形態において、個々の要素の複雑さを低減することができ、それにより、要素をより容易に製造することができる。
【0022】
有利な実施形態において、固定部材は、少なくとも1つのさらなる固定部材を含む固定要素の一部であってよく、固定位置において、さらなる固定部材は、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素を、その位置で、差込み方向と反対にポジティブフィット方式で固定する。これにより、1回の移動で複数の要素、例えばプリント回路基板と少なくとも1つのさらなるコンタクト要素とを固定することができるので、特に容易な動作が可能になる。さらなるコンタクト要素の保持は、介在するプリント回路基板の有無にかかわらず実現することができる。固定要素は、ここでは、さらなるコンタクト要素のコンタクト保持部として機能することができ、それにより、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素が、差込み方向に沿って、かつ/または差込み方向と反対に移動することを防止することができる。
【0023】
特に、固定部材は、固定要素の一部であってよい。固定要素は一体設計を有することが好ましい。これにより、1つの要素のみを取り付ければよいため、組立てが容易になり得る。
【0024】
簡単な組立てのために、プリント回路基板は、特に解除位置において、固定部材の下方に延びることができる。これにより、固定部材が固定位置への移行中に引っ掛かるまたは阻止されることを特に防止するので、プリント回路基板に対する固定部材の移動を容易にすることができる。
【0025】
構造を簡単に保つために、プリント回路基板は、例えば、プリント回路基板を固定するコンタクト要素および/またはさらなるコンタクト要素のための、コンタクト要素用の開口部を含むことができる。
【0026】
別の実施形態において、さらなるコンタクト要素は、プリント回路基板に対してずれていてよい。これにより、特に漏れ電流を効果的に防止または低減することができる。
【0027】
さらなるコンタクト要素は、特に、例えば、高出力充電エネルギーが流れる高電圧コンタクトまたは高電流コンタクトであってよい。
【0028】
固定部材は、コンタクト要素を受け入れるためのコンタクト開口部を含むことができる。コンタクト要素を、固定部材によってコンタクト開口部に固定することができる。
【0029】
プリント回路基板の要素との電気的接触を簡単な方法で確立するために、固定位置において、コンタクト要素を、特に固定部材により、プリント回路基板の相手側コンタクト要素に押し付けることができる。
【0030】
相手側コンタクト要素は、ばねを含むことができ、または、ばねとして、特に板ばねとして具体化することができる。これにより、コンタクト要素と相手側コンタクト要素とを互いに押し付ける力を発生させることができる。
【0031】
有利な実施形態において、相手側コンタクト要素は、開口部の縁部に配置されている。これにより、構造を小型に保つことができ、自動的な接触を実現することができる。
【0032】
さらなる有利な実施形態によれば、固定位置において、プリント回路基板は固定部材によりクランプされている。これにより、保持効果が高まる。特に、プリント回路基板を、固定部材とコンタクト要素、特にコンタクト要素の相手側コンタクト面との間にクランプすることができる。
【0033】
クランプ効果を実現するために、固定部材の厚さは、固定位置への経路に沿って変化、特に増加してもよい。固定位置において保持面に当接する固定部材の部分の厚さは、固定位置の外側で保持面に当接する、または保持面の下方に配置される固定部材の部分の厚さよりも大きくてよい。
【0034】
簡単かつ確実な移動を実現するために、固定部材を固定位置に動かす際の経路部が、差込み方向に垂直に延びていてよい。
【0035】
固定部材は、ガイド部材を含むことができ、または、固定部材を固定位置に導くガイド部材として具体化することができる。これにより、簡単な動作が可能になる。例えば、フォーク状の実施形態において、隣接する2つのプロングが共にガイド部材として作用することができる。
【0036】
固定要素を有する一実施形態において、固定要素は、少なくとも1つのガイド部材を各々有する複数の固定部材を含むことができ、ガイド部材の組合せは、固定要素のための1つのガイド経路を画定する。これにより、1回の移動で、複数の要素、例えば、プリント回路基板と少なくとも1つのさらなるコンタクト要素とを固定することができるので、取扱いが容易になる。1つのガイド経路を画定する1つの可能性は、ガイド部材が互いに対して平行に延びることである。これにより、簡単な直線移動が可能になる。他の実施形態、例えば、回転移動による保持も可能である。
【0037】
さらなる有利な実施形態によれば、プリント回路基板が少なくとも1つの固定部材により差込み方向に沿ってポジティブフィット方式で保持される固定前位置において、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素が、対応する固定部材によって固定されない。これは、組立てに特に有利である。第1のステップでは、固定前位置において、プリント回路基板と場合により第1のコンタクト要素とを固定することができる。次に、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素を挿入し、続いて、それを固定位置に移行させることによって固定することができる。
【0038】
安定性を高めるために、アセンブリは、ブロック位置にあるときに、固定部材を差込み方向に沿って阻止するブロック要素を含むことができる。特に、固定部材は、ここでは固定位置にあってよい。ブロック要素は、プラグまたは相手側プラグの一部であってよい。
【0039】
アセンブリは、固定位置において固定部材または固定要素をロックするロック機構を含むことができる。特に、固定位置への移行中に、ロックを自動的に行うことができる。ロック機構は、プラグ本体および固定部材または固定要素にそれぞれ要素を含むことができる。
【0040】
以下で、図面を参照しながら、有利な実施形態を用いて、本発明を例としてより詳細に説明する。ここに示す有利なさらなる発展および実施形態は、各々互いに独立しており、適用の場合に必要とされるものに応じて、互いに任意に組み合わせることができる。簡単にするために、いくつかの実施形態に存在する要素および機能については、場合により1度だけ詳細に図示する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】組立前位置におけるアセンブリの実施形態の概略部分断面斜視図である。
【
図2】解除位置における
図1の実施形態の概略部分断面斜視図である。
【
図3】解除位置における
図1の実施形態の概略上面図である。
【
図4】固定前位置における
図1の実施形態の概略部分断面斜視図である。
【
図5】固定前位置における
図1の実施形態の概略上面図である。
【
図6】
図4および
図5の固定前位置における
図1の実施形態を、さらなるコンタクト要素と共に示す概略上面図である。
【
図7】固定位置における
図1の実施形態の概略部分断面斜視図である。
【
図8】固定位置における
図1の実施形態の概略上面図である。
【
図9】固定位置における
図1の実施形態の詳細図である。
【
図10】組立前位置におけるアセンブリのさらなる実施形態の概略部分断面斜視図である。
【
図11】組立前位置における
図10の実施形態の詳細図である。
【
図12】解除位置における
図10の実施形態の概略部分断面斜視図である。
【
図13】固定前位置における
図10の実施形態の一部の概略斜視図である。
【
図14】固定前位置における
図10の実施形態の概略部分断面斜視図である。
【
図15】固定位置における
図10の実施形態の一部の概略斜視図である。
【
図16】固定位置における
図10の実施形態の概略部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1~
図9に、プリント回路基板30をプラグ本体20に固定するためのアセンブリ100の第1の実施形態が示されている。アセンブリ100は、例えば、電気自動車の充電に使用されるプラグ110の一部であってよい。このようなプラグ110には、充電プロセスを監視もしくは制御し、または関連するパラメータを測定するように機能するプリント回路基板30が存在することが多い。このために、例えば、プラグ110のコンタクト要素40のための相手側コンタクト要素35が、プリント回路基板30の底部に存在して、電圧を測定することができる。
【0043】
図示の例では、プリント回路基板30の各々は、それらの後ろに位置する要素を見ることができるように透明に示されている。
【0044】
図示のアセンブリ100では、プリント回路基板30とプラグ本体20とのねじによる接続を省くことができる。むしろ、プリント回路基板30は、固定部材50が固定位置Lにあるときに、固定部材50によりポジティブフィット方式で保持される。
【0045】
図1に、組立前位置Vが示されている。コンタクト要素40が、組立方向Mに沿ってプラグ本体20のコンタクト要素保持部または開口部21に挿入された後、複数の固定部材50を有する固定要素60が、次いで組立方向Mに沿ってプラグ本体20に取り付けられる。
【0046】
図2および
図3に、解除位置Fが示されている。固定要素60はプラグ本体20に当接し、コンタクト要素40は、プリント回路基板30および固定部材50を通って、差込み方向Sに沿って突出する。特に、コンタクト要素40は、固定部材50の差込み部52を通って突出する。コンタクト要素40は、低電圧コンタクト要素である。解除位置Fでは、低電圧コンタクト要素のみがプラグ本体20に挿入される。
【0047】
固定部材50は、固定要素60を経路部95に沿って移動させることにより、固定前位置Pに導かれる。経路部95は、ここでは、差込み方向Sに垂直かつ平面Eに平行に延びている。平面Eは、第1の横方向Q1および第2の横方向Q2により画定され、第1の横方向Q1および第2の横方向Q2は各々、差込み方向Sに垂直に延びている。複数の固定部材50が固定要素60に存在することにより、固定要素60を導く1つのガイド経路96が存在することになる。
【0048】
図4および
図5に固定前位置Pが示されている。特に、挿入されたコンタクト要素40が、固定要素60を介してプリント回路基板30をポジティブフィット方式で既に固定していることがわかる。固定前位置Pにおいて、さらなるコンタクト要素40、42、特に高電圧コンタクト要素または高電流コンタクト要素を挿入することができる(
図6参照)。
【0049】
固定要素60をガイド経路96に沿ってさらに移動させることにより、固定部材50を固定位置Lに動かすことができる。固定位置Lにおいて、プリント回路基板30は、固定部材50により、差込み方向Sに沿ってポジティブフィット方式で、第1のコンタクト要素40、41の保持面45に固定される。固定要素60は、さらに、固定位置Lにおいて、コンタクト要素40、41、および42の位置を、差込み方向Sに沿って、かつ/または差込み方向Sと反対に固定する、コンタクト要素40、41、42のコンタクト保持部75として機能する。
【0050】
例えば
図8に見られるように、固定部材50は、略鍵孔の形状を有するコンタクト開口部58または貫通孔51を含む。差込み部52は、コンタクト要素40を挿入することができるように、略円形の断面を有する。小さい直径および外形を有する固定部53が、差込み部52に接続されている。固定部53において、コンタクト要素40は、固定位置Lにポジティブフィット方式で保持されている。コンタクト開口部58または貫通孔51は、ここでは、差込み方向Sに沿って、かつ差込み方向Sと反対にのみ開口している。
【0051】
図9において、保持機構が断面図で示されている。コンタクト要素40は、プラグ本体20の開口部21に挿入されている。プラグ本体20の相手側停止面91に当接するコンタクト要素40の停止面93が、ここでは、差込み方向Sと反対のコンタクト要素40のさらなる移動を防止する。差込み方向Sに沿ったコンタクト要素40の移動は、プラグ本体20の相手側ロック要素92によりロックされたコンタクト要素40のロック要素94によって防止される。したがって、コンタクト要素40は、差込み方向Sに沿って、かつ差込み方向Sと反対に、ポジティブフィット方式でプラグ本体20に固定される。
【0052】
差込み方向Sに沿ったプリント回路基板30の保持は、コンタクト要素40の保持面45が固定部材50の固定面59に当接することによって行われる。固定面59は、固定部53の一部である。保持面45および固定面59の両方は各々、差込み方向Sに垂直に延び、反対方向を向いている。
【0053】
保持面45は、コンタクト要素40のアンダカット43に配置されている。コンタクト要素40の首部46は、先端48および軸部49に比べて小さい直径を有する。コンタクト要素40は、キノコ状の端部44を有する。
【0054】
プリント回路基板30は、一方で、支持面25においてプラグ本体20に当接することにより、差込み方向Sと反対にポジティブフィット方式で固定されている。他方で、コンタクト要素40の相手側保持面47は、プリント回路基板30がコンタクト要素40に対して差込み方向Sと反対に移動することを防止する。相手側保持面47は、差込み方向Sに垂直に延び、保持面45と反対側を向いている。
【0055】
プラグ本体20、コンタクト要素40、プリント回路基板30、および固定部材50の間のポジティブ接続により、これらの要素は、差込み方向Sに沿って、かつ差込み方向Sと反対に、ポジティブフィット方式で直接および間接的に互いに保持されている。
【0056】
図8には、固定位置Lにおいて固定要素60をロックして固定するロック機構81がさらに見られる。ロック機構81は、プラグ本体20のロック突起82と、固定要素60のロック突起86とを有する。固定要素60を固定位置Lに移行させる間、ロック突起86は、ばね部83および2つのランプ部により、最初にロック突起82に対して偏向される。固定位置Lに達すると、ロック突起86は自動的に突出し、ロック突起82、86の2つの停止面が互いに当接して、固定位置Lから出ることを阻止する。ロック機構81を再びロック解除するために、ロック突起を、例えば手動で偏向させることができる。
【0057】
図10~
図17に、アセンブリ100のさらなる実施形態が示されている。
【0058】
図10および
図11による組立前位置Vにおいて、コンタクト要素40は、差込み方向Sに沿ってプリント回路基板30に挿入される。これは、プリント回路基板30が、コンタクト要素40を介してコンタクト要素40の周りで、差込み方向Sと反対に延びる組立方向Mに沿って導かれることに伴って実現される。このプロセスにおいて、コンタクト要素40の上部が、保持面45とともに開口部31に挿入される。ここでも、コンタクト要素40は予めプラグ本体20に挿入され、そこで、差込み方向Sに沿って、かつ差込み方向Sと反対に固定されている。
【0059】
さらに、コンタクト要素40とプラグ本体20との間のシールを実現するシール要素98が、コンタクト要素40に設けられる。
【0060】
次に、固定要素60が取り付けられる(
図12参照)。このプロセスにおいて、固定部材50は、まだ対応するコンタクト要素40に隣接して位置している。アセンブリ100は、コンタクト要素40が固定部材50により差込み方向Sに沿ってまだ固定もしくは固着されていない解除位置Fにある。
【0061】
固定要素60および固定要素60の一区間または一部である固定部材50の移動によって、少なくとも第1のコンタクト要素40、41が差込み方向Sに沿ってポジティブフィット方式で既に固定されている固定前位置Pへの移行が実現される。固定部材50は、この場合、フォーク状に、または開口した長孔54を有して具体化される。長孔54は、差込み方向Sに垂直に開口し、差込み方向Sに垂直な移動によって、コンタクト要素40の首部46を簡単に受け入れることができるようになっている。解除位置Fにおいて、プリント回路基板30は既に固定要素60の下方に延びているので、これら2つがさらなる移動中に引っ掛かることを防止することができる。
【0062】
固定部材50は、互いに対して平行に延びる2つのプロング57を含む。2つのプロング57間の距離157は、ここでは、経路部95に沿って一定である。これにより、経路部95は、同時に、固定部材60によって形成されたガイド部材55のガイド経路96となる。別の実施形態において、距離157は、例えば、固定位置Lに向かって減少して、最初にコンタクト要素40の接合を容易にする一方で、同時に、固定位置Lにおける横方向の位置決めを確実にすることもできる。
【0063】
プロング57およびそれによる固定部材50の厚さ150も一定である。他の実施形態において、この厚さ150は、クランプ効果を実現するために固定位置Lに向かって増加してもよい。しかしながら、図示の例では、プリント回路基板30における接触力は、ばねとして具体化された相手側コンタクト要素35によって既に生じている。
【0064】
固定部材50が板に開口部を含む、
図1~
図9による実施形態とは対照的に、本実施形態においては、固定部材50は、固定要素60の残りの部分から突出している。さらに、ここでは、固定部材50は、横方向、すなわち差込み方向Sに垂直に開口している。
【0065】
例えば
図13に見られるように、コンタクト要素40の首部46は、コンタクト要素40を基板またはプリント回路基板30の開口部31の中心に置くことができ、したがって、相手側コンタクト要素35をコンタクト要素40の水平接触面に位置決めすることができる。
【0066】
例えば、
図14に見られるように、固定前位置Pにおいて、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素40を挿入することができる。固定前位置Pでは、この第2のコンタクト要素40、42のポジティブフィット保持がまだ実現されていないので、この第2のコンタクト要素40、42を差込み方向Sに沿って、または差込み方向Sと反対に挿入することができる。
【0067】
固定要素60は、経路部95に沿ってさらに移動することにより、固定位置Lに移行される。この固定位置Lにおいて、すべてのコンタクト要素40、41、42は、差込み方向Sに沿って、かつ差込み方向Sと反対に直接または間接的に固定される。
【0068】
図17では、ブロック位置Bにあるブロック要素80が示され、ここでは、固定部材50の移動が差込み方向Sにおいて阻止される。これにより、機械的安定性を高めることができる。
【0069】
さらに、
図17は、コンタクト要素40の首部46の直径146が、先端48の直径148および軸部49の直径149よりも小さいことを示す。ここでも、保持面45は、コンタクト要素40のアンダカット43に配置されている。
【符号の説明】
【0070】
20 プラグ本体
21 開口部
25 支持面
30 プリント回路基板
31 開口部
35 相手側コンタクト要素
40 コンタクト要素
41 第1のコンタクト要素
42 第2のコンタクト要素
43 アンダカット
44 端部
45 保持面
46 首部
47 相手側保持面
48 先端
49 軸部
50 固定部材
51 貫通孔
52 差込み部
53 固定部
54 開口した長孔
55 ガイド部材
57 プロング
58 コンタクト開口部
59 固定面
60 固定要素
70 コンタクト開口部
75 コンタクト保持部
80 ブロック要素
81 ロック機構
82 ロック突起
83 ばね部
86 ロック突起
91 相手側停止面
92 相手側ロック要素
93 停止面
94 ロック要素
95 経路部
96 ガイド経路
98 シール要素
100 アセンブリ
110 プラグ
146 直径
148 直径
149 直径
150 厚さ
157 距離
B ブロック位置
E 平面
F 解除位置
L 固定位置
M 組立方向
P 固定前位置
Q1 第1の横方向
Q2 第2の横方向
S 差込み方向
V 組立前位置
【手続補正書】
【提出日】2022-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(30)をプラグ本体(20)に固定するためのアセンブリ(100)であって、
コンタクト要素(40)であって、前記コンタクト要素(40)の差込み方向(S)と反対を向く保持面(45)を有するコンタクト要素と、
固定位置(L)に移行可能な固定部材(50)であって、前記プリント回路基板(30)は、前記固定位置(L)において、前記固定部材(50)により前記差込み方向(S)に沿ってポジティブフィット方式で前記保持面(45)に固定されている、固定部材と
を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記プリント回路基板(30)は、前記固定位置(L)において、前記差込み方向(S)と反対にポジティブフィット方式で前記プラグ本体(20)に固定されている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記プリント回路基板(30)は、前記固定位置(L)において、前記差込み方向(S)と反対にポジティブフィット方式で、前記保持面(45)と反対側を向く前記コンタクト要素(40)の相手側保持面(47)に固定されている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記保持面(45)は、前記コンタクト要素(40)のアンダカット(43)に配置されている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記コンタクト要素(40)は、先端(48)と軸部(49)との間に位置する首部(46)を含む、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記固定部材(50)は前記差込み方向(S)に垂直に開いている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記固定部材(50)は、前記差込み方向(S)に沿って延びる貫通孔(51)を含む、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記固定部材(50)は、少なくとも1つのさらなる固定部材(50)を含む固定要素(60)の一部であり、前記固定位置(L)において、前記さらなる固定部材(50)は、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素(40、42)を、その位置で、前記差込み方向(S)と反対にポジティブフィット方式で固定する、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項9】
前記固定位置(L)において、前記コンタクト要素(40)は、前記プリント回路基板(30)の相手側コンタクト要素(35)に押し付けられている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項10】
前記固定位置(L)において、前記プリント回路基板(30)は前記固定部材(50)によりクランプされている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項11】
前記固定部材(50)は、経路部(95)に沿って前記固定位置(L)に動かされ、前記経路部(95)は、前記差込み方向(S)に垂直に延びている、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項12】
前記固定部材(50)は、前記固定部材(50)を前記固定位置(L)に導くガイド部材(55)を含む、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項13】
固定要素(60)は、少なくとも1つのガイド部材(55)を各々有する複数の固定部材(50)を含み、前記ガイド部材(55)の組合せは、前記固定要素(60)のための1つのガイド経路(96)を画定する、請求項1に記載のアセンブリ(100)。
【請求項14】
前記プリント回路基板(30)が少なくとも1つの前記固定部材(50)により差込み方向(S)に沿ってポジティブフィット方式で保持される固定前位置(P)において、少なくとも1つのさらなるコンタクト要素(40、42)が、対応する前記固定部材(50)によって固定されない、請求項1から13のいずれか一項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項15】
プリント回路基板(30)をプラグ本体(20)に固定する方法であって、
差込み方向(S)と反対を向くコンタクト要素(40)の保持面(45)を、前記プリント回路基板(30)の開口部(31)に挿入し、
次に、固定部材(50)を、前記プリント回路基板(30)が前記固定部材(50)により差込み方向(S)に沿ってポジティブフィット方式で前記保持面(45)に保持される固定位置(L)に移行させる、方法。
【外国語明細書】