(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017161
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】多次元制御磁気浮上スイッチ及び電気製品
(51)【国際特許分類】
H01H 36/02 20060101AFI20220118BHJP
G01D 5/12 20060101ALI20220118BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H01H36/02 Z
G01D5/12 H
H01H36/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010159
(22)【出願日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】202021359465.3
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010947434.8
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521038430
【氏名又は名称】肇慶市衡藝実業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー シャルゲロー
(72)【発明者】
【氏名】シャオビン ワン
(72)【発明者】
【氏名】リャンチン リ
【テーマコード(参考)】
2F077
5G046
【Fターム(参考)】
2F077JJ08
2F077JJ23
5G046AA11
5G046AC52
5G046AE29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気製品用の新規なスイッチ装置を提供する。
【解決手段】多次元制御磁気浮上スイッチであって、磁性体を備えるスイッチ磁気支持体と、スイッチ磁気浮上体の相対的で安定的な磁気浮上状態を支持するための磁気支持機構と、スイッチ磁気浮上体の相対的な磁場変動を検出し、且つ対応する磁場変動信号を出力するための磁性検出器と、磁性検出器により出力された磁場変動信号を受信し、且つ受信された磁場変動信号に基づいて対応するスイッチ信号を生成するスイッチ制御回路とを備える。本発明の多次元制御磁気浮上スイッチ又はスイッチ装置は様々な電気製品に適用され、磁気浮上体にシンプルな押圧動作を加えるだけで、電気製品のスイッチ切換機能を実現でき、したがって、快適な操作性と新奇性を兼備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石を備えるスイッチ磁気浮上体と、
スイッチ磁気浮上体の相対的で安定的な磁気浮上状態を支持するための磁気支持機構と、
スイッチ磁気浮上体の相対的な磁場変動を検出し、且つ対応する磁場変動信号を出力するための磁性検出器と、
磁性検出器により出力された磁場変動信号を受信し、且つ受信された磁場変動信号に基づいて対応するスイッチ信号を生成するスイッチ制御回路とを備える磁気浮上スイッチ装置。
【請求項2】
磁性検出器はスイッチ磁気浮上体がそれに対して遠くと近くに移動する時の磁場変動を検出することに用いられる請求項1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項3】
磁性検出器に向かってスイッチ磁気浮上体を手動で押圧することにより、両者の距離を調整する請求項2に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項4】
磁性検出器はスイッチ磁気浮上体がそれに対して平行移動する時の磁場変動を検出することにさらに用いられ、前記平行移動はスイッチ磁気浮上体を転動することで実現される請求項2に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項5】
平行移動する時の磁場変化はX軸とY軸の磁場変化を含む請求項4に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項6】
磁性検出器により出力された磁場変動信号はX軸、Y軸とZ軸の方向に沿う少なくとも1種のベクトル信号を備え、スイッチ制御回路は各ベクトル信号に基づいて対応するモードのスイッチ制御信号を生成する請求項5に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項7】
スイッチ磁気浮上体が磁気支持機構の上方、下方又は側部に安定的に浮上する請求項1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項8】
磁性検出器は磁気支持機構に対して静止するように設けられる請求項1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項9】
磁性検出器は磁気支持機構の一部である請求項1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項10】
スイッチ磁気浮上体の磁石は逆磁極を備える永久磁石であり、磁気支持機構は基本的な環状永久磁石、電磁コイル、磁性センサ部材及びコントローラを備え、磁気支持機構の環状永久磁石とスイッチ磁気浮上体の永久磁石は基本的な反発力バランス磁場を形成し、磁性センサ部材は、磁気支持機構の環状永久磁石に対するスイッチ磁気浮上体の永久磁石の磁気浮上バランス位置ずれをリアルタイムに検出することに用いられ、コントローラは、磁性センサ部材により検出された磁気浮上バランス位置ずれに基づいて電磁コイルの中に流れた対応する電流を制御することにより、スイッチ磁気浮上体の永久磁石をその相対的な磁気浮上バランス位置に戻し、ここで、磁気支持機構の磁性センサ部材は磁性検出器とされてもよい請求項9に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項11】
スイッチ磁気浮上体の磁石は逆磁極を備える永久磁石であり、磁気支持機構は強磁性素子、電磁コイル及び磁性センサを備え、強磁性素子とスイッチ磁気浮上体の永久磁石は基本的な吸引力バランス磁場を形成し、磁性センサは強磁性素子とスイッチ磁気浮上体の永久磁石との間の磁気浮上バランス位置ずれをリアルタイムに検出することに用いられ、電磁コイルは、磁性センサ部材により検出された磁気浮上バランス位置ずれに基づいて、電磁コイルの中に流れた対応する電流を制御することにより、スイッチ磁気浮上体の永久磁石をその対応する磁気浮上バランス位置に戻すことに用いられ、ここで、磁気支持機構の磁性センサは磁性検出器とされてもよい請求項9に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【請求項12】
電気デバイスと請求項1から11のいずれか1項に記載の磁気浮上スイッチ装置を備えており、磁気浮上スイッチ装置の磁気支持機構、磁性検出器及びスイッチ制御回路は台座に設けられ、且つスイッチ制御回路を通して電気デバイスのスイッチモードを制御する電気製品。
【請求項13】
電気デバイスが台座及び/又は磁気浮上スイッチ装置のスイッチ磁気浮上体に設けられる請求項12に記載の電気製品。
【請求項14】
電気デバイスが磁気浮上スイッチ装置のスイッチ磁気浮上体に設けられ、スイッチ磁気浮上体に電気デバイスに給電するパワーワイヤレス受信コイルが設けられ、台座にパワーワイヤレス受信コイルに合致するパワーワイヤレス送信コイルが設けられ、スイッチ制御回路により生成されたスイッチ信号はパワーワイヤレス送信コイルの給電を制御することに用いられる請求項13に記載の電気製品。
【請求項15】
電気デバイスが磁気浮上スイッチ装置の台座に設けられる請求項12に記載の電気製品。
【請求項16】
電気デバイスは台座に対して回転できる環状ランプであり、且つ環状ランプの回転過程中にスイッチ磁気浮上体が環状ランプを自由に貫通できる請求項15に記載の電気製品。
【請求項17】
電気デバイスは台座に設けられた発光素子であり、台座に着脱可能に接続された支持脚は傾斜可能である請求項15に記載の電気製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチ装置はさまざまであり、キー、ロッカー又はタッチスイッチなどの物理的な手動操作スイッチ、音声制御、温度制御スイッチなどのセンサスイッチ、及びタイムスイッチなどを備える。
【0003】
電球が内蔵された磁気浮上グローブ又は磁気浮上スピーカなどの適用例において、磁気浮上体が浮上過程中に通常回転するため、この時、その上に設けられた物理的給電スイッチを便利に操作できない。音声制御スイッチなどの一般的なセンサスイッチを用いれば、外部環境からの騒音により干渉されやすく、且つ斬新な操作の体験を持たない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は電気製品用の新規なスイッチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、磁気浮上スイッチ装置を提供し、
磁石を備えるスイッチ磁気浮上体と、
スイッチ磁気浮上体の相対的に安定的な磁気浮上状態を支持するための磁気支持機構と、
スイッチ磁気浮上体の相対的な磁場変動を検出し、且つ対応する磁場変動信号を出力するための磁性検出器と、
磁性検出器により出力された磁場変動信号を受信し、且つ受信された磁場変動信号に基づいて対応するスイッチ信号を生成するスイッチ制御回路とを備える。
【0006】
本発明によれば、磁性検出器により出力された磁場変動信号が設定値を超えないと、スイッチ制御回路が対応するスイッチ信号を生成しない。該設定値は、スイッチ磁気浮上体が正常で安定的に浮上する時に対応する外乱値より大きい。言い換えれば、他人からの干渉がない場合、スイッチ磁気浮上体自身が正常な空気の環境から外乱を受けた場合、磁性検出器が検出して出力した磁場変動信号又は磁場強度信号は上述設定値より小さい。正常で安定的な磁気浮上状態又は概ね磁気浮上基準位置にあるスイッチ磁気浮上体に強制的に干渉を加える時、例えば、軽く押すか又はプッシュすることでスイッチ磁気浮上体を1~2mm離れさせる時、磁性検出器が検出して出力する磁場変動信号が設定値より大きくなる。この程度の押圧動作は通常、スイッチ磁気浮上体と磁気支持機構からなる磁気浮上システムの自己バランス回復力又は調整能力を超えず、それを破壊しない。
【0007】
本発明の磁気浮上スイッチ装置において、磁性検出器は好ましく、スイッチ磁気浮上体がそれに対して遠くと近くに移動する時の磁場変動を検出することに用いられる。この遠くと近くに移動すること又は両者がZ軸に沿う距離の変化は磁性検出器(又は磁気支持機構)に向かってスイッチ磁気浮上体を手動で押圧することにより実現される。この手動で押圧することは一般的なスイッチの手動操作体験を模擬する。
【0008】
そのほか、本発明の磁性検出器はスイッチ磁気浮上体がそれに対して平行移動する時の磁場変動を検出することにさらに用いられ、前記平行移動は同様にスイッチ磁気浮上体を前後又は左右に転動することで実現される。平行移動する時の磁場変化はX軸とY軸の磁場変化を含んでもよい。この場合、磁性検出器により出力された磁場変動信号はX軸、Y軸とZ軸の方向に沿う少なくとも1種のベクトル信号を備えてもよく、スイッチ制御回路は各ベクトル信号に基づいて対応するモードのスイッチ制御信号を生成する。
【0009】
本発明の磁気浮上スイッチ装置によれば、スイッチ磁気浮上体の浮上位置が制限されず、実際の適用状況によって、上方、下方又は側部などの磁気支持機構のいずれかの方向で安定的に浮上できる。
【0010】
本発明において、ほかの設定方式があるが、磁性検出器は好ましく、装置の検出の正確性を高めるように、磁気支持機構に対して静止するように設けられる。本発明の最適な実施例によれば、磁性検出器は、磁気支持機構のホールセンサにされるように、磁気支持機構の一部である。このような構造はセンサの数量を低減すると共に、装置の構造を簡素化する。当然ながら、磁性検出器は、ほかの適切な位置に設けられる独立的なホールセンサであってもよい。
【0011】
上記最適な実施例によれば、磁気支持機構とスイッチ磁気浮上体は磁気反発型浮上システムを形成でき、例えば、スイッチ磁気浮上体は磁気支持機構の上方又は側部の所定基準位置に安定的に浮上できる。この場合、スイッチ磁気浮上体の磁石は逆磁極を備える永久磁石であり、磁気支持機構は基本的な環状永久磁石、電磁コイル、磁性センサ部材及びコントローラを備え、磁気支持機構の環状永久磁石とスイッチ磁気浮上体の永久磁石は基本的な反発力バランス磁場を形成し、磁性センサ部材は、磁気支持機構の環状永久磁石に対するスイッチ磁気浮上体の永久磁石の磁気浮上バランス位置ずれをリアルタイムに検出することに用いられ、コントローラは、磁性センサ部材により検出された磁気浮上バランス位置ずれに基づいて電磁コイルの中に流れた対応する電流を制御することにより、スイッチ磁気浮上体の永久磁石をその相対的な磁気浮上バランス位置に戻し、ここで、磁気支持機構の磁性センサ部材は磁性検出器とされてもよい。
【0012】
代替可能な実施形態として、磁気支持機構とスイッチ磁気浮上体は磁気吸引型浮上システムを形成でき、例えば、スイッチ磁気浮上体は磁気支持機構の下方の所定基準位置に安定的に浮上できる。この場合、スイッチ磁気浮上体の磁石は逆磁極を備える永久磁石であってもよく、磁気支持機構は強磁性素子、電磁コイル及び磁性センサを備え、強磁性素子とスイッチ磁気浮上体の永久磁石は基本的な吸引力バランス磁場(通常、縦方向又は垂直自由度を備える)を形成し、磁性センサは強磁性素子とスイッチ磁気浮上体の永久磁石との間の磁気浮上バランス位置ずれをリアルタイムに検出することに用いられ、電磁コイルは、磁性センサ部材により検出された磁気浮上バランス位置ずれに基づいて、電磁コイルの中に流れた対応する電流を制御することにより、スイッチ磁気浮上体の永久磁石をその対応する磁気浮上バランス位置に戻すことに用いられ、ここで、磁気支持機構の磁性センサは磁性検出器とされてもよい。
【0013】
当業者であれば、本発明の磁気浮上装置は何の稼働方式を用いることにもかかわらず、その磁気浮上体が磁石を含み、又は磁性を備えれば済み、それにより、磁気浮上体の位置ずれによる磁場変動は磁性検出器又はホールセンサにより容易に検出されることが理解されるべきである。
【0014】
本発明によれば、磁気浮上体はいずれかの必要な構造に設計されてもよく、例えば、適切なサイズの消しゴム又はライター又は地球儀又は玩具などに設計されてもよい。そのほか、磁気浮上体自身も、逆磁極を備える球体に設計されてもよい。本発明において、専門用語「逆磁極」は磁石のNとS極が同一直線にあることを指し、専門用語「磁石」は永久磁石と電磁石を含み、専門用語「強磁性素子」は、ほかの磁石により吸引される鉄又は永久磁石などにより製造された素子である。専門用語「上下」、「前後」、「左右」、「側部」なども図面などに対応して説明するためのものである。
【0015】
本発明のほかの態様によれば、電気デバイスと上記磁気浮上スイッチ装置を備える電気製品を提供する。磁気浮上スイッチ装置の磁気支持機構、磁性検出器及びスイッチ制御回路は台座(又は台座の中)に設けられ、且つスイッチ制御回路を通して電気デバイスのスイッチモードを制御する。スイッチモードは電気のオン・オフモードを含むが、それらに限定されず、例えば、電気デバイスがブルートゥーススピーカにされる時のボリュームモード及び音楽選択モード、或いは、電気デバイスがカラーライトにされる時のカラー切換モード及び光強度モードなどを含んでもよい。
【0016】
本発明の電気製品によれば、電気デバイスはさらに磁気浮上スイッチ装置のスイッチ磁気浮上体又は台座に設けられてもよく、或いは、両者はいずれも電気デバイスが設けられてもよい。
【0017】
スイッチ磁気浮上体に電気デバイスが設けられる時、さらに、電気デバイスに給電するためのパワーワイヤレス受信コイルをスイッチ磁気浮上体の中に設け、且つ、パワーワイヤレス受信コイルに合致するパワーワイヤレス送信コイルを台座に設置し、スイッチ制御回路により生成されたスイッチ信号はパワーワイヤレス送信コイルの給電を制御することに用いられ、即ち、それに接続された電源を連通させるか切断することに用いられる。
【0018】
本発明の電気製品によれば、好ましく、磁気浮上スイッチ装置の磁性検出器がさらに信号増幅器を介してスイッチ制御回路にケーブルで接続される。
【0019】
本発明の1つの好適な実施例によれば、電気デバイスは台座に対して回転できる環状ランプ(例えば、壁付けランプ)であり、且つ環状ランプの回転過程中にスイッチ磁気浮上体が環状ランプを自由に貫通できる。
【0020】
本発明のほかの好適な実施例によれば、電気デバイスは台座に設けられた発光素子であり、台座に着脱可能に接続された支持脚は傾斜可能である。
【0021】
発明者は磁気浮上システムの自己バランス調整能力を革新的に利用し、即ち、一定範囲内に押圧などのシンプルな方式でスイッチ磁気浮上体を手動で強制的に操作した後に、磁気浮上体がやはり磁気浮上バランス位置に自動的に戻り(リターンスプリングなどの余計な構造を要さず)、且つ巧みに磁気浮上システム自身のホールセンサなどの磁性センサを利用して、対応するスイッチ信号を用意又は生成し、したがって、精巧、新規なスイッチ操作を実現する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の多次元制御磁気浮上スイッチ又はスイッチ装置は、ブルートゥース(登録商標)スピーカ、炊飯器、ドアベル、電灯などの様々な家庭用又はほかの電気製品に適用され、スイッチ磁気浮上体にシンプルな押圧動作を加えるだけで、電気デバイスのスイッチモードの切換を実現でき、したがって、快適な操作性と新奇性を兼備する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による磁気浮上スイッチ装置を備える第1実施例の構造概略図である。
【
図2】本発明による磁気浮上スイッチ装置を備える第2実施例の構造概略図である。
【
図3】
図2に示される実施例のスイッチ磁気浮上体の三次元動作制御の概略図である。
【
図4】本発明による磁気浮上スイッチ装置を備える第3実施例の構造概略図である。
【
図5】本発明による磁気浮上スイッチ装置の回路フロー概略図である。
【
図6】本発明による
図2に示される実施例の磁気浮上スイッチ装置を壁付けランプに適用する構造概略図である。
【
図7】本発明による
図2に示される実施例の磁気浮上スイッチ装置を電気スタンドに適用する構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に実施例と図面を合わせて本発明をさらに説明し、当業者であれば、実施例と図面は本発明をさらに理解するためのものであり、それを制限するものではないことが理解されるべきである。
【0025】
図1は本発明の第1実施例の電気製品を示し、ここで、台座又はスタンドAの底部に、電球及び回路基板30などの電気デバイスBが設けられ、回路基板30に、電気デバイスBの電気オン・オフを制御するためのスイッチ制御回路が設けられる。
【0026】
スタンドAの上部に磁気支持機構10が設けられる。磁気支持機構10は鉄心11及び鉄心を囲んで配置される電磁コイル12を備える。磁性センサ(例えばホールセンサ)13は鉄心11の下端に設けられる。球状磁気浮上体20の中に、逆磁極を備える柱形磁石21が設けられる。当然ながら、この場合、U字形磁石を用いてもよい。
【0027】
磁気浮上体20の磁石21と鉄心11の間に磁気吸引力が生成され、両者の距離を適切(所定距離)に調整する時、磁気浮上体20は重力が該磁気吸引力によりバランス化され、したがって、磁気支持機構10又は鉄心11に対して磁気浮上バランス位置にある。磁気浮上体20の磁石21と鉄心11との距離が空気の乱れなどにより変化すると、磁気浮上体20の磁気支持機構10に対する磁気浮上バランスが破壊される。センサ13が磁気浮上体20の鉄心11に対する縦方向(縦に図示される)の位置変化をリアルタイムに検出し且つ対応する信号を生成して、磁気支持機構10に設けられた制御チップなどのコントローラに送信する(具体的に図示されていない)。コントローラはセンサ13により送信された位置信号に基づいて、電磁コイル12の中に流れた電流の大きさと方向を制御し、したがって、電磁コイル12に対応する電磁力を生成させ、磁気浮上体20の磁石21に作用することによりそれを磁気浮上バランス位置に戻す。このような磁気吸引型磁気浮上装置の構造と稼働原理はCN2561163Yを参考することができ、ここでそのすべての内容を参考方式で導入する。
【0028】
当然ながら、この磁気浮上構造又はシステムにおいて、電磁コイル12は鉄心を囲んで配置することに制限されず、それはスタンドAの底部に設けられてもよく、それにより、浮上時に磁気浮上体20の下方に位置する。磁気浮上体20は球状に制限されず、その磁石21も柱状に制限されず、例えば、磁気浮上体20全体は逆磁極(上下方向に図示される)を備える磁石であってもよく、センサ13の配置も鉄心11の下端に限らず、スタンドAの底部などのいずれかの適切な位置に配置されてもよい。
【0029】
図1に示される実施例において、ほかの磁性センサを磁性検出器として単独的に設置することができるが、センサ13は同時に磁性検出器とされる。
図1に示される磁気吸引型磁気浮上システムにおけるセンサ12は通常、縦方向の磁場成分の変化を検出するための垂直成分ホールセンサである。センサ13により生成された垂直成分磁場強度信号はケーブル14を介して回路基板30におけるスイッチ制御回路に伝送する。スイッチ制御回路は、設定値を超えた上記垂直成分磁場信号を受信した後に、対応するスイッチ信号を生成することにより、電気デバイスBの電気をオン又はオフにし、例えば、手で磁気浮上体20を下へ軽く押圧するか又は上へプッシュする時、縦方向に沿って磁気浮上バランス位置から1~2mmなどの一定距離で離れさせ、装置の自己バランス調整能力(即ち、リリースした後に磁気浮上体がやはりその磁気浮上バランス位置に戻る)を超えさせない。それにより、磁気浮上体20を手動で操作することにより電気デバイスBへの給電に対する制御を実現できる。
【0030】
図2は本発明の第2実施例の電気製品を示し、ここで、磁気支持機構10に電球及び回路基板30などの電気デバイスが設けられ、回路基板30に、電気デバイスBの電気オン・オフを制御するためのスイッチ制御回路が設けられる。
【0031】
磁気支持機構10は鉄心11及び鉄心を囲んで配置される電磁コイル12がさらに設けられる。電磁コイル12の外周に環状磁石15が配置される。磁性センサ又はホールセンサ13が環状磁石15の中央位置に設けられる。球状磁気浮上体20の中に、逆磁極を備える柱形磁石21が設けられる。
【0032】
磁気浮上体20の磁石21と環状磁石15の間に磁気反発力が生成され、両者の距離を適切(所定距離)に調整する時、磁気浮上体20は重力が該磁気吸引力によりバランス化され、したがって、磁気支持機構10又は環状磁石15に対して磁気浮上バランス位置にある。磁石21と環状磁石15は図示される小径柱形磁石と大径環状磁石の反対磁極隣接マッチング方式を用いてもよく、2つのほぼ等径環状磁石の同方向磁極隣接マッチング方式を用いてもよい。磁気浮上体20の磁石21と環状磁石15との距離が空気の乱れなどにより変化すると、磁気浮上体20の磁気支持機構10に対するこのような磁気浮上バランスが破壊される。センサ13が磁気浮上体20の磁石21の環状磁石15に対する横方向(水平方向に図示される)の位置変化をリアルタイムに検出し且つ対応する信号を生成して、磁気支持機構10に設けられた制御チップなどのコントローラに送信する(具体的に図示されていない)。コントローラはセンサ13により送信された位置信号に基づいて、電磁コイル12の中に流れた電流の大きさと方向を制御し、したがって、電磁コイル12及びその強化鉄心11に対応する電磁力を生成させ、磁気浮上体20の磁石21に作用することによりそれを磁気浮上バランス位置に戻す。このような磁気反発型磁気浮上装置の構造と稼働原理は出願人が以前に発表した特許CN100544183CとCN105790641Bを参考することができ、ここでそのすべての内容を参考方式で導入する。
【0033】
図2の磁気反発型磁気浮上システムの実施例において、センサ13は通常、水平成分ホールセンサと垂直成分ホールセンサからなるか又はそれらを集積して得たセンサ部材である。
図3に示されるように、水平成分ホールセンサはX軸センサとY軸センサを備え、垂直成分センサはZ軸センサである。例えば、電気デバイスBはブルートゥーススピーカである場合、その垂直成分ホールセンサ又はZ軸センサを用いてメインスイッチモードのベクトル信号を生成し、X軸センサを用いてボリュームスイッチモードのベクトル信号を生成し、Y軸センサを用いて音楽選択スイッチモードのベクトル信号を生成することができる。
図1に示される実施例と同じように、センサ13により生成されたスイッチモードのベクトル信号(X
+、X
-、Y
+、Y
-、Z
+又はZ
-)はケーブル14を介して回路基板30におけるスイッチ制御回路に送信する。スイッチ制御回路は受信されたスイッチモードのベクトル信号に基づいて対応するスイッチ制御信号を生成し、電気デバイスBの稼働モードを制御する。当然ながら、Z軸センサを用いて、スイッチ信号の生成のみに適用してもよい。
【0034】
図4は本発明の第3実施例の電気製品を示し、それは第2実施例と類似し、相違点は、磁気支持機構10と共に設けられた電気デバイスB(電球が図示される)が磁気浮上体20の中に移動して配置されることである。
【0035】
図4において、磁気浮上体20の中にパワーワイヤレス受信コイル26がさらに設けられ、パワーワイヤレス受信コイル26が整流回路基板25に接続され、それにより、電気デバイスBに給電できる。磁気支持機構10にパワーワイヤレス送信コイル16が対応して設置され、スイッチ回路基板30は、パワーワイヤレス送信コイル16への給電を制御することに用いられる。パワーワイヤレス送信コイル16は通電時にパワーワイヤレス受信コイル26の中に対応する電流を生成し、このワイヤレス給電構造は当分野の通常設計とされるため、ここで、その稼働原理を詳しく説明しない。それにより、前記したとおり、磁気浮上体20を軽く押圧するなどの手動操作を通して、電気デバイスB又はインジケータのスイッチモードの切換を実現できる。
【0036】
図5は本発明のスイッチ回路のブロック図を示す。図に示されるように、センサ13は検出された対応する磁場強度信号をさらに信号増幅器19で増幅した後に回路基板30におけるスイッチ制御回路に伝送し、スイッチ制御回路が後で対応するスイッチ制御信号を生成して、電気デバイスBに対して対応する給電制御又はモードの切換を行うことができる。
【0037】
当然ながら、信号増幅器19は省略されるか又は同様に磁気支持機構10における元の信号増幅器により代替されてもよい。この場合、リターンスプリングが含まれたいずれかのデバイスを増設する必要がなくなり、磁気浮上システムの自己バランス調整能力及びその自身のセンサと信号増幅器を利用して、対応するスイッチ回路に接続すると、本発明の磁気浮上スイッチ装置を形成することができる。
【0038】
磁気浮上体20は球状に設計されたが、当業者であれば、需要に応じて、いずれかの必要な構造に設計されてもよく、例えば、適切なサイズの消しゴム又はライター又は地球儀又は玩具などに設計されてもよいことが理解されるべきである。
【0039】
図6に示された環状壁付けランプRは磁気支持機構10に対して上下枢動可能である。磁気浮上体20は磁気支持機構10の壁から離れる側に浮上し、且つ環状壁付けランプRの折り畳み又は枢動過程中に環状壁付けランプRを自由に貫通でき、それを干渉しない。この壁付けランプは非常に目新しく、便利に使用できる。
【0040】
図7に示された電気スタンドは台座と台座の上方に浮上している磁気浮上体20を備え、発光エッジリングR1は磁気支持機構10を囲んで台座の中に設けられる。そのほか、2つの代替支持脚L1とL2は台座に着脱可能に接続され、台座をデスクトップに対して傾斜させる。
【0041】
(付記)
(付記1)
磁石を備えるスイッチ磁気浮上体と、
スイッチ磁気浮上体の相対的で安定的な磁気浮上状態を支持するための磁気支持機構と、
スイッチ磁気浮上体の相対的な磁場変動を検出し、且つ対応する磁場変動信号を出力するための磁性検出器と、
磁性検出器により出力された磁場変動信号を受信し、且つ受信された磁場変動信号に基づいて対応するスイッチ信号を生成するスイッチ制御回路とを備える磁気浮上スイッチ装置。
【0042】
(付記2)
磁性検出器はスイッチ磁気浮上体がそれに対して遠くと近くに移動する時の磁場変動を検出することに用いられる付記1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0043】
(付記3)
磁性検出器に向かってスイッチ磁気浮上体を手動で押圧することにより、両者の距離を調整する付記2に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0044】
(付記4)
磁性検出器はスイッチ磁気浮上体がそれに対して平行移動する時の磁場変動を検出することにさらに用いられ、前記平行移動はスイッチ磁気浮上体を転動することで実現される付記2に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0045】
(付記5)
平行移動する時の磁場変化はX軸とY軸の磁場変化を含む付記4に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0046】
(付記6)
磁性検出器により出力された磁場変動信号はX軸、Y軸とZ軸の方向に沿う少なくとも1種のベクトル信号を備え、スイッチ制御回路は各ベクトル信号に基づいて対応するモードのスイッチ制御信号を生成する付記5に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0047】
(付記7)
スイッチ磁気浮上体が磁気支持機構の上方、下方又は側部に安定的に浮上する付記1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0048】
(付記8)
磁性検出器は磁気支持機構に対して静止するように設けられる付記1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0049】
(付記9)
磁性検出器は磁気支持機構の一部である付記1に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0050】
(付記10)
スイッチ磁気浮上体の磁石は逆磁極を備える永久磁石であり、磁気支持機構は基本的な環状永久磁石、電磁コイル、磁性センサ部材及びコントローラを備え、磁気支持機構の環状永久磁石とスイッチ磁気浮上体の永久磁石は基本的な反発力バランス磁場を形成し、磁性センサ部材は、磁気支持機構の環状永久磁石に対するスイッチ磁気浮上体の永久磁石の磁気浮上バランス位置ずれをリアルタイムに検出することに用いられ、コントローラは、磁性センサ部材により検出された磁気浮上バランス位置ずれに基づいて電磁コイルの中に流れた対応する電流を制御することにより、スイッチ磁気浮上体の永久磁石をその相対的な磁気浮上バランス位置に戻し、ここで、磁気支持機構の磁性センサ部材は磁性検出器とされてもよい付記9に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0051】
(付記11)
スイッチ磁気浮上体の磁石は逆磁極を備える永久磁石であり、磁気支持機構は強磁性素子、電磁コイル及び磁性センサを備え、強磁性素子とスイッチ磁気浮上体の永久磁石は基本的な吸引力バランス磁場を形成し、磁性センサは強磁性素子とスイッチ磁気浮上体の永久磁石との間の磁気浮上バランス位置ずれをリアルタイムに検出することに用いられ、電磁コイルは、磁性センサ部材により検出された磁気浮上バランス位置ずれに基づいて、電磁コイルの中に流れた対応する電流を制御することにより、スイッチ磁気浮上体の永久磁石をその対応する磁気浮上バランス位置に戻すことに用いられ、ここで、磁気支持機構の磁性センサは磁性検出器とされてもよい付記9に記載の磁気浮上スイッチ装置。
【0052】
(付記12)
電気デバイスと付記1から11のいずれか一つに記載の磁気浮上スイッチ装置を備えており、磁気浮上スイッチ装置の磁気支持機構、磁性検出器及びスイッチ制御回路は台座に設けられ、且つスイッチ制御回路を通して電気デバイスのスイッチモードを制御する電気製品。
【0053】
(付記13)
電気デバイスが台座及び/又は磁気浮上スイッチ装置のスイッチ磁気浮上体に設けられる付記12に記載の電気製品。
【0054】
(付記14)
電気デバイスが磁気浮上スイッチ装置のスイッチ磁気浮上体に設けられ、スイッチ磁気浮上体に電気デバイスに給電するパワーワイヤレス受信コイルが設けられ、台座にパワーワイヤレス受信コイルに合致するパワーワイヤレス送信コイルが設けられ、スイッチ制御回路により生成されたスイッチ信号はパワーワイヤレス送信コイルの給電を制御することに用いられる付記13に記載の電気製品。
【0055】
(付記15)
電気デバイスが磁気浮上スイッチ装置の台座に設けられる付記12に記載の電気製品。
【0056】
(付記16)
電気デバイスは台座に対して回転できる環状ランプであり、且つ環状ランプの回転過程中にスイッチ磁気浮上体が環状ランプを自由に貫通できる付記15に記載の電気製品。
【0057】
(付記17)
電気デバイスは台座に設けられた発光素子であり、台座に着脱可能に接続された支持脚は傾斜可能である付記15に記載の電気製品。
【符号の説明】
【0058】
10 磁気支持機構
11 鉄心
12 電磁コイル
13 センサ
20 磁気浮上体
21 磁石
14 ケーブル
B 電気デバイス
30 回路基板
A スタンド
15 環状磁石
25 整流回路基板
26 パワーワイヤレス受信コイル
16 パワーワイヤレス送信コイル
19 信号増幅器
R 環状壁付けランプ
R1 発光エッジリング
L1 支持脚
L2 支持脚