(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171626
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】エレクトロルミネッセンス素子
(51)【国際特許分類】
H01L 51/50 20060101AFI20221104BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221104BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20221104BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H05B33/14 B
H01L27/32
C09K11/06 690
C09K11/06 660
G09F9/30 365
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074312
(22)【出願日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】202110464325.5
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210231301.X
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519333413
【氏名又は名称】北京夏禾科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲クアン▼ 志遠
(72)【発明者】
【氏名】王 楽
(72)【発明者】
【氏名】張 翠芳
(72)【発明者】
【氏名】王 強
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲カン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 俊飛
(72)【発明者】
【氏名】張 奇
(72)【発明者】
【氏名】路 楠楠
(72)【発明者】
【氏名】代 志洪
(72)【発明者】
【氏名】謝 夢▲蘭▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC04
3K107CC21
3K107DD53
3K107DD64
3K107DD67
3K107DD68
3K107DD69
5C094AA08
5C094AA10
5C094AA37
5C094BA27
5C094CA23
5C094FB01
(57)【要約】
【課題】本発明は、エレクトロルミネッセンス素子を開示する。
【解決手段】エレクトロルミネッセンス素子は、陽極、陰極、および陽極と陰極との間に設けられた有機層を含む。有機層には、H-L-E構造を有する第1化合物、および式C構造を有する配位子Laを含む第2化合物が含まれる。このような第1化合物および第2化合物からなる新規な材料の組合せは、素子において、より高い効率を取得するとともに、耐用年数を大幅に向上させることができ、より良い素子の性能を提供することができる。本発明は、エレクトロルミネッセンス素子を含む表示アセンブリ、および化合物の組合せをさらに開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極、陰極、および陽極と陰極との間に設けられた有機層を含み、前記有機層は、第1化合物および第2化合物を少なくとも含み、
前記第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、式Aで表される構造を有し、
【化1】
式A中、Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、Z
4およびZ
5は、出現毎に同一または異なってCR
z2から選ばれ、且つZ
4およびZ
5における2つの置換基R
z2は、結合して環を形成し、
Lは、単結合、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリレン基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリレン基、またはこれらの組合せから選ばれ、
Eは、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、或いは置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
z1は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
R
z2は、出現毎に同一または異なって水素、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
z2は、結合して環を形成していてもよく、
前記第2化合物は、金属錯体であり、前記金属は、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、前記金属錯体は、配位子L
aを含み、前記L
aは、式Cで表される構造を有し、
【化2】
式C中、環A、環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~30の芳香族環または炭素原子数3~30のヘテロ芳香族環から選ばれ、
R
iは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、R
iiは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Yは、SiR
yR
y、GeR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、
2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なってもよく、
X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、
R、R
i、R
ii、R
xおよびR
yは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
i、R
x、R
y、RおよびR
iiは、結合して環を形成していてもよい、エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
式A中、前記Z4およびZ5における2つの置換基Rz2は、結合して環を形成し、且つ前記環は、少なくとも6つの環原子を有し、
好ましくは、前記Z4およびZ5における2つの置換基Rz2は、結合して環を形成し、且つ前記環は、少なくとも7つの環原子を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記第1化合物において、前記Hは、式A-1~式A-8のいずれか1種で表される構造を有する、請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【化3】
(式A-1~式A-8中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、
Z
h1~Z
h8は、出現毎に同一または異なってCR
zhまたはNから選ばれ、
Z
mは、CR
zmまたはNから選ばれ、
Z
nは、CR
znR
zn、O、SまたはNR
znから選ばれ、Z
nがCR
znR
znから選ばれる場合、2つのR
znは、同一または異なってもよく、
R
z1、R
zh、R
zm、R
znは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
zh、R
zm、R
znは、結合して環を形成していてもよい。)
【請求項4】
前記式A-1~式A-8中、Rz1、Rzh、Rzm、Rznは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基Rz1、Rzh、Rzm、Rznは、結合して環を形成していてもよい、請求項3に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記Hは、
【化4-1】
【化4-2】
【化4-3】
からなる群から選ばれ、
好ましくは、前記構造H-1~H-76における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記第1化合物において、前記Eは、式E-aまたは式E-bで表される構造を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【化5】
(式E-aおよび式E-b中、
E
1~E
14は、出現毎に同一または異なってC、CR
eまたはNから選ばれ、
R
eは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
eは、結合して環を形成していてもよく、
好ましくは、式E-a中、E
1~E
6のうちの少なくとも2つは、Nであり、式E-b中、E
7~E
14のうちの少なくとも2つは、Nであり、
より好ましくは、式E-a中、E
1~E
6のうちの3つは、Nであり、式E-b中、E
7~E
10のうちの2つは、Nである。)
【請求項7】
前記第1化合物において、前記Eは、式E-1~式E-10のうちのいずれか1種で表される構造を有し、
【化6】
式E-1~式E-10中、
R
Aは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Vは、O、SまたはSeから選ばれ、
R
Aは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
Aは、結合して環を形成していてもよく、
好ましくは、前記Eは、式E-11~式E-21のうちのいずれか1種で表される構造を有し、
【化7】
R
Aは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Vは、O、SまたはSeから選ばれ、
R
Aは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
式E-1~式E-21中、前記RAは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基RAは、結合して環を形成していてもよく、
好ましくは、前記RAは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、フッ素、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、メチル基、トリ重水素化メチル基、ビニル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、4-シアノフェニル基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、トリフェニレン基、カルバゾール基、9-フェニルカルバゾール基、9,9-ジメチルフルオレン基、ピリジン基、フェニルピリジン基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項7に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
式E-1~式E-21中、少なくとも1つのRAが存在し、且つ前記RAは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基RAは、結合して環を形成していてもよく、
好ましくは、前記少なくとも1つのRAは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
より好ましくは、前記少なくとも1つのRAは、出現毎に同一または異なって重水素、フッ素、シアノ基、メチル基、トリ重水素化メチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、4-シアノフェニル基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、トリフェニレン基、カルバゾール基、9-フェニルカルバゾール基、9,9-ジメチルフルオレン基、ピリジン基、フェニルピリジン基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項7または8に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
前記第1化合物において、前記Eは、
【化8】
からなる群から選ばれ、
【化9】
は、前記Eの構造における、前記Lとの結合箇所を表す、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項11】
前記Lは、単結合、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、テルフェニレン基、トリフェニレニレン基、ピリジレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基およびチエニレン基から選ばれ、好ましくは、上記基における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよく、
好ましくは、前記Lは、
【化10】
からなる群から選ばれ、
「*」は、前記Lの構造における、前記式Hとの結合箇所を表し、
【化11】
は、前記Lの構造における、前記Eとの結合箇所を表し、
好ましくは、上記L-1~L-22の構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
前記第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、H-1~H-76からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記Lは、L-0~L-22からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記Eは、E-1~E-38からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記第1化合物の構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよく、
好ましくは、前記第1化合物は、
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
【化12-4】
【化12-5】
【化12-6】
【化12-7】
【化12-8】
【化12-9】
【化12-10】
【化12-11】
【化12-12】
【化12-13】
【化12-14】
からなる群から選ばれ、
好ましくは、上記構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項13】
前記式C中、環Aおよび/または環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~18の芳香族環または炭素原子数3~18のヘテロ芳香族環から選ばれ、
好ましくは、環Aおよび/または環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~10の芳香族環または炭素原子数3~10のヘテロ芳香族環から選ばれる、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項14】
前記第2化合物において、前記L
aは、式2-1~式2-19のうちのいずれか1種で表される構造を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【化13】
(式2-1~式2-19中、X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、X
3~X
7は、出現毎に同一または異なってCR
iまたはNから選ばれ、A
1~A
6は、出現毎に同一または異なってCR
iiまたはNから選ばれ、
Zは、出現毎に同一または異なってCR
iiiR
iii、SiR
iiiR
iii、PR
iii、O、SまたはNR
iiiから選ばれ、2つのR
iiiが同時に存在する場合、2つのR
iiiは、同一または異なり、
Yは、SiR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なり、
R、R
x、R
y、R
i、R
iiおよびR
iiiは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R、R
x、R
y、R
i、R
iiおよびR
iiiは、結合して環を形成していてもよく、
好ましくは、L
aは、式2-1、式2-5、式2-8、式2-10、式2-11または式2-12のうちのいずれか1種で表される構造から選ばれ、
より好ましくは、L
aは、式2-1で表される構造から選ばれる。)
【請求項15】
式2-1~式2-19中、X1~Xnおよび/またはA1~Amのうちの少なくとも1つは、Nから選ばれ、前記Xnは、前記X1~X7の式2-1~式2-19のうちのいずれか1つに存在する番号が最も大きいものに対応し、前記Amは、前記A1~A6の式2-1~式2-19のうちのいずれか1つに存在する番号が最も大きいものに対応し、
好ましくは、式2-1~式2-19中、X1~Xnのうちの少なくとも1つは、Nから選ばれ、前記Xnは、前記X1~X7の式2-1~式2-19のうちのいずれか1つに存在する番号が最も大きいものに対応し、
より好ましくは、X2は、Nである、請求項14に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項16】
式2-1~式2-19中、X1~X2は、それぞれ独立してCRxから選ばれ、X3~X7は、それぞれ独立してCRiから選ばれ、A1~A6は、それぞれ独立してCRiiから選ばれ、
隣り合う置換基Rx、Ri、Riiは、結合して環を形成していてもよく、
好ましくは、前記Rx、Ri、Riiは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
より好ましくは、前記Rx、Ri、Riiのうちの少なくとも2つまたは3つは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項14に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項17】
前記第2化合物において、前記配位子L
aは、式2-20または式2-21で表される構造を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【化14】
(式2-20および式2-21中、
Yは、OまたはSから選ばれ、
R
x1、R
x2、R
i1、R
i2、R
i3、R
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
Rは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
好ましくは、R
x1、R
x2、R
i1、R
i2、R
i3のうちの少なくとも1つまたは2つ、および/またはR
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、Rは、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、
より好ましくは、R
x1、R
x2、R
i1、R
i2、R
i3のうちの少なくとも1つまたは2つ、および/またはR
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、Rは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。)
【請求項18】
Ri2は、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せからなる群から選ばれ、Rは、ロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、
好ましくは、Ri2は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せからなる群から選ばれ、Rは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる、請求項17に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項19】
式2-20および式2-21中、Rx1、Rx2、Ri1、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4、Rのうちの少なくとも1つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
好ましくは、Rx1、Rx2、Ri1、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4、Rのうちの少なくとも1つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数3~10のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~10のシクロアルキル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項17または18に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項20】
L
aは、出現毎に同一または異なって、
【化15-1】
【化15-2】
【化15-3】
【化15-4】
【化15-5】
【化15-6】
からなる群から選ばれ、
上記構造中、TMSは、トリメチルシリル基を表し、
好ましくは、前記L
a1~L
a168の構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項21】
前記第2化合物は、M(L
a)
m(L
b)
n(L
c)
qの一般式を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
(金属Mは、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、L
a、L
b、L
cは、それぞれ前記錯体の第1配位子、第2配位子および第3配位子であり、
mは、1、2または3であり、nは、0、1または2であり、qは、0、1または2であり、m+n+qは、金属Mの酸化状態に等しく、mが1よりも大きい場合、複数のL
aは、同一または異なり、nが2である場合、2つのL
bは、同一または異なり、qが2である場合、2つのL
cは、同一または異なり、
L
a、L
bおよびL
cは、結合して多座配位子を形成していてもよく、
L
bおよびL
cは、出現毎に同一または異なって、
【化16】
からなる群から選ばれ、
R
a、R
bおよびR
cは、出現毎に同一または異なっては、一置換、複数置換または無置換を表し、
X
bは、出現毎に同一または異なってO、S、Se、NR
N1およびCR
C1R
C2からなる群から選ばれ、
X
cおよびX
dは、出現毎に同一または異なってO、S、SeおよびNR
N2からなる群から選ばれ、
R
a、R
b、R
c、R
N1、R
N2、R
C1およびR
C2は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
a、R
b、R
c、R
N1、R
N2、R
C1およびR
C2は、結合して環を形成していてもよい。)
【請求項22】
金属Mは、Ir、Rh、Re、Os、Pt、AuまたはCuから選ばれ、好ましくは、Mは、IrまたはPtから選ばれ、より好ましくは、Mは、Irである、請求項21に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項23】
L
bは、出現毎に同一または異なって
【化17-1】
【化17-2】
【化17-3】
【化17-4】
【化17-5】
【化17-6】
【化17-7】
からなる群から選ばれ、
L
cは、出現毎に同一または異なって
【化18-1】
【化18-2】
【化18-3】
【化18-4】
【化18-5】
【化18-6】
からなる群から選ばれる、請求項21または22に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項24】
前記第2化合物は、Ir錯体であり、且つIr(L
a)(L
b)(L
c)、Ir(L
a)
2(L
b)、Ir(L
a)
2(L
c)およびIr(L
a)(L
c)
2のうちのいずれか1種で表される構造を有し、前記第2化合物がIr(L
a)(L
b)(L
c)の構造を有する場合、前記L
aは、L
a1~L
a168からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記L
bは、L
b1~L
b322からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記L
cは、L
c1~L
c231からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記第2化合物がIr(L
a)
2(L
b)の構造を有する場合、前記L
aは、L
a1~L
a168からなる群から選ばれるいずれか1種またはいずれか2種であり、前記L
bは、L
b1~L
b322からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記第2化合物がIr(L
a)
2(L
c)の構造を有する場合、前記L
aは、L
a1~L
a168からなる群から選ばれるいずれか1種またはいずれか2種であり、前記L
cは、L
c1~L
c231からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記第2化合物がIr(L
a)(L
c)
2の構造を有する場合、前記L
aは、L
a1~L
a168からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記L
cは、L
c1~L
c231からなる群から選ばれるいずれか1種またはいずれか2種であり、
好ましくは、前記第2化合物は、以下の構造からなる群から選ばれる、請求項23に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【化19-1】
【化19-2】
【化19-3】
【化19-4】
【化19-5】
【化19-6】
【化19-7】
【化19-8】
【請求項25】
前記有機層は、発光層であり、前記第1化合物は、ホスト材料であり、前記第2化合物は、発光材料である、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項26】
前記素子は、赤色光または白色光を放射する、請求項25に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子を含む、表示アセンブリ。
【請求項28】
第1化合物および第2化合物を少なくとも含む化合物の組合せであって、
前記第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、式Aで表される構造を有し、
【化20】
式A中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、
Z
4およびZ
5は、出現毎に同一または異なってCR
z2から選ばれ、且つZ
4およびZ
5における2つの置換基R
z2は、結合して環を形成し、
Lは、単結合、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリレン基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリレン基、またはこれらの組合せから選ばれ、
Eは、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、或いは置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
z1は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
R
z2は、出現毎に同一または異なって水素、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
z2は、結合して環を形成していてもよく、
前記第2化合物は、金属錯体であり、前記金属は、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、前記金属錯体は、配位子L
aを含み、前記L
aは、式Cで表される構造を有し、
【化21】
式C中、環A、環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~30の芳香族環または炭素原子数3~30のヘテロ芳香族環から選ばれ、
R
iは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、R
iiは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Yは、SiR
yR
y、GeR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、
2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なってもよく、
X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、
R、R
i、R
ii、R
xおよびR
yは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
i、R
x、R
y、RおよびR
iiは、結合して環を形成していてもよい、化合物の組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子素子、たとえばエレクトロルミネッセンス素子に関する。より特に、H-L-E構造を有する第1化合物、および式Cの構造を有する配位子Laを含む第2化合物を含む新規な材料の組合せが有機層に含まれるエレクトロルミネッセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電子素子は、有機発光ダイオード(OLEDs)、有機電界効果トランジスタ(O-FETs)、有機発光トランジスタ(OLETs)、有機起電セル(OPVs)、色素-増感太陽電池(DSSCs)、有機光検出器、有機感光装置、有機電界効果素子(OFQDs)、発光電気化学セル(LECs)、有機レーザダイオードおよび有機プラズマ発光素子を含むが、それに限定されない。
【0003】
1987年、イーストマンコダック(Eastman Kodak)のTangおよびVan Slykeにより、電子輸送層および発光層として、アリールアミン正孔輸送層とトリス-8-ヒドロキシキノリン-アルミニウム層とを含む二層有機エレクトロルミネセント素子が報道されている(Applied Physics Letters、1987、51(12):913~915)。素子に対してバイアスが一旦印加されると、緑色光が素子から発射される。この発明は、現代の有機発光ダイオード(OLEDs)の発展に対する基礎を築き上げている。最も先進的なOLEDsは、電荷注入・輸送層、電荷・励起子ブロッキング層、および陰極と陽極との間の1つまたは複数の発光層などの複数の層を含んでもよい。OLEDsは、自発光性ソリッドステート素子であるので、表示および照明の適用に対して極めて大きな潜在力を提供している。また、有機材料の固有な特性、例えばそれらの可撓性は、可撓性基板で行った製造などの特殊な適用に非常に適合するようになっている。
【0004】
OLEDは、その発光メカニズムに応じて、3種の異なるタイプに分けられている。Tangおよびvan Slykeにより発明されたOLEDは、蛍光OLEDであり、一重項発光のみを使用する。素子において生成した三重項が非輻射減衰通路により浪費され、蛍光OLEDの内部量子効率(IQE)が25%に過ぎないため、この制限はOLEDの商業化を妨害している。1997年、ForrestおよびThompsonにより、錯体含有重金属からの三重項発光を発光体として用いるりん光OLEDが報道されている。そのため、一重項および三重項を収穫し、100%のIQEを実現することができる。その効率が高いため、りん光OLEDの発見および発展は、直接的にアクティブマトリクスOLED(AMOLED)の商業化に貢献する。最近、Adachiは、有機化合物の熱活性化遅延蛍光(TADF)によって高効率を実現している。これらの発光体は、小さい一重項-三重項ギャップを有するため、励起子が三重項から一重項に戻るトランジションが可能となる。TADF素子において、三重項励起子がリバースシステム間で貫通すること(逆項間交差)によって一重項励起子を生成することに起因してIQEが高くなっている。
【0005】
OLEDsは、さらに、所用材料の形態に応じて、小分子とポリマーOLEDに分けられてもよい。小分子とは、ポリマーではない、有機または有機金属のいずれかの材料を指し、精確な構造を有すれば、小分子の分子量が大きくてもよい。明確な構造を有するデンドリマーは、小分子と認められている。ポリマーOLEDは、共役ポリマーと、側鎖の発光基を有する非共役ポリマーとを含む。製造過程において後重合を発生すると、小分子OLEDがポリマーOLEDになり得る。
【0006】
様々なOLEDの製造方法が公知されている。小分子OLEDは、一般的に、真空熱蒸発により製造されるものである。ポリマーOLEDは、例えばスピンコート、インクジェット印刷およびノズル印刷などの溶液法により製造されるものである。材料が溶剤に溶解または分散することが可能であれば、小分子OLEDも溶液法により製造されることができる。
【0007】
OLEDの発光色は、発光材料の構造設計により実現することができる。OLEDは、所望のスペクトルを実現するように、1つまたは複数の発光層を含んでもよい。緑色、黄色、赤色OLEDにおいて、りん光材料は、既に商業化の実現に成功したが、青色のりん光素子には、依然として、青色が飽和せず、寿命が短く、作業電圧が高いなどの問題が存在する。市販のフルカラーOLEDディスプレイは、一般的に混合策略を用い、青色の蛍光、および黄色、赤色または緑色のりん光を用いる。現在、りん光OLEDの効率が高輝度の場合に急速に低下するという問題が存在する。また、より飽和した発光スペクトル、より高い効率、およびより長いデバイス寿命を有することが望まれている。
【0008】
US20180337340A1では、有機エレクトロルミネッセンス化合物、およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス装置が開示されている。それは、1種または複数種のホストを含む有機層を含む。その第1ホストは、以下の構造を有する有機光学化合物である。
【化1】
しかしながら、特定の構造のりん光発光材料とともに用いられる場合の特殊な利点が開示および教示されておらず、他の類似するカルバゾール縮合大環構造を有する化合物が特定の構造のりん光発光材料とともに用いられる場合の特殊な利点が突き込んで研究されていない。
【0009】
たとえば発光顔色、発光顔色の飽和度、駆動電圧、発光効率、素子の耐用年数などのエレクトロルミネッセンス素子の各性能に対する業界内で日増しに高まるニーズを満たすために、りん光素子に関連する研究は、依然として行われる必要がある。りん光素子の研究において、りん光発光材料とホスト材料を組み合わせて使用することは、非常に重要であり、りん光発光材料とホスト材料の組合せに対する選択は、素子の発光性能に直接関係する。そのため、りん光発光材料とホスト材料の組合せに対する選択および最適化は、業界内の関連研究における重要な部分となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第20180337340号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Applied Physics Letters、1987、51(12):913~915
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した問題の少なくとも一部を解決するために、新規な材料の組合せを有するエレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。前記エレクトロルミネッセンス素子の有機層には、H-L-E構造を有する第1化合物、および式Cの構造を有する配位子Laを含む第2化合物からなる新規な材料の組合せが含まれる。このような新規な材料の組合せは、エレクトロルミネッセンス素子の発光層に用いられることができる。このような新規な材料の組合せは、素子において、より高い効率を取得するとともに、耐用年数を大幅に向上させることができ、より良い素子の性能を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例によれば、陽極、陰極、および陽極と陰極との間に設けられた有機層を含み、
前記有機層は、少なくとも第1化合物および第2化合物を含み、
前記第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、式Aで表される構造を有し、
【化2】
式A中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、
Z
4およびZ
5は、出現毎に同一または異なってCR
z2から選ばれ、且つZ
4およびZ
5における2つの置換基R
z2は、結合して環を形成し、
Lは、単結合、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリレン基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリレン基、またはこれらの組合せから選ばれ、
Eは、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、或いは置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
z1は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
R
z2は、出現毎に同一または異なって水素、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
z2は、結合して環を形成していてもよく、
前記第2化合物は、金属錯体であり、前記金属は、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、前記金属錯体は、配位子L
aを含み、前記L
aは、式Cで表される構造を有し、
【化3】
式C中、環A、環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~30の芳香族環または炭素原子数3~30のヘテロ芳香族環から選ばれ、
R
iは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、R
iiは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Yは、SiR
yR
y、GeR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、
2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なってもよく、
X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、
R、R
i、R
ii、R
xおよびR
yは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
i、R
x、R
y、RおよびR
iiは、結合して環を形成していてもよい、エレクトロルミネッセンス素子が開示される。
【0014】
本発明の他の実施例によれば、上述したようなエレクトロルミネッセンス素子を含む表示アセンブリがさらに開示される。
【0015】
本発明の他の実施例によれば、少なくとも第1化合物および第2化合物を含む化合物の組合せであって、
前記第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、式Aで表される構造を有し、
【化4】
式A中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、Z
4およびZ
5は、出現毎に同一または異なってCR
z2から選ばれ、且つZ
4およびZ
5における2つの置換基R
z2は、結合して環を形成し、
Lは、単結合、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリレン基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリレン基、またはこれらの組合せから選ばれ、
Eは、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、或いは置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
z1は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
R
z2は、出現毎に同一または異なって水素、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
z2は、結合して環を形成していてもよく、
前記第2化合物は、金属錯体であり、前記金属は、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、前記金属錯体は、配位子L
aを含み、前記L
aは、式Cで表される構造を有し、
【化5】
式C中、環A、環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~30の芳香族環または炭素原子数3~30のヘテロ芳香族環から選ばれ、
R
iは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、R
iiは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Yは、SiR
yR
y、GeR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、
2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なってもよく、
X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、
R、R
i、R
ii、R
xおよびR
yは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
i、R
x、R
y、RおよびR
iiは、結合して環を形成していてもよい化合物の組合せがさらに開示される。
【0016】
本発明は、新規なエレクトロルミネッセンス素子を開示する。前記エレクトロルミネッセンス素子において、H-L-E構造を有する第1化合物、式Cの構造を有する配位子Laを含む第2化合物からなる新規な材料の組合せが用いられる。このような新規な材料の組合せは、エレクトロルミネッセンス素子の発光層に用いられることができる。このような新規な材料の組合せを用いることにより、新規なエレクトロルミネッセンス素子は、より高い効率を取得するとともに、耐用年数を大幅に向上させることができ、より良い素子の性能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るエレクトロルミネッセンス素子を含んでもよい有機発光装置の模式図である。
【
図2】本発明に係るエレクトロルミネッセンス素子を含んでもよい他の有機発光装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
OLEDは、ガラス、プラスチック、および金属などの様々な基板で製造することができる。
図1は、有機発光装置100を例示的に制限せずに示している。図面に対して、必ずしも縮尺どおりに製作するわけではなく、図において、必要に応じて一部の層構造を省略してもよい。装置100には、基板101、陽極110、正孔注入層120、正孔輸送層130、電子ブロッキング層140、発光層150、正孔ブロッキング層160、電子輸送層170、電子注入層180および陰極190が含まれてもよい。装置100は、記載される層を順に堆積することにより製造されてもよい。各層の性質、機能および例示的な材料については、米国特許US7279704B2の第6~10欄においてより詳細に記載されており、そのすべての内容を本明細書に援用する。
【0019】
これらの層のそれぞれには、より多くの実例がある。例示的には、全文を援用するように組み込まれた米国特許第5844363号において、可撓性で透明な基板-陽極の組合せが開示されている。例えば、全文を援用するように組み込まれた米国特許出願公開第2003/0230980号において、p型ドープの正孔輸送層の実例は50:1のモル比でF4-TCNQがドーピングされたm-MTDATAであることが開示されている。全文を援用するように組み込まれた、トンプソン(Thompson)らによる米国特許第6303238号において、ホスト材料の実例が開示されている。例えば、全文を援用するように組み込まれた米国特許出願公開第2003/0230980号において、n型ドープの電子輸送層の実例は1:1のモル比でLiがドーピングされたBPhenであることが開示されている。全文を援用するように組み込まれた米国特許第5703436号および第5707745号において、例えばMg:Agなどの金属薄層と、その上に被覆された、スパッタ堆積された透明な導電ITO層とを有する複合陰極を含む陰極の実例が開示されている。全文を援用するように組み込まれた米国特許第6097147号および米国特許出願公開第2003/0230980号において、より詳細に、ブロッキング層の原理と使用が記載されている。全文を援用するように組み込まれた米国特許出願公開第2004/0174116号において注入層の実例が提供されている。全文を援用するように組み込まれた米国特許出願公開第2004/0174116号において、保護層が記載されている。
【0020】
例により上述した分層構造が提供される。上述した各種の層を組み合わせることによってOLEDの機能が実現することができ、或いは、一部の層を完全に省略することができる。それは、明確に記載されていない他の層を含んでもよい。それぞれの層内に、最適な性能を実現するように、単一の材料または多種の材料の混合物を使用することができる。機能層はいずれも、複数なサブ層を含んでもよく、例えば、発光層は、所望の発光スペクトルを実現するように、2層の異なる発光材料を有してもよい。
【0021】
一実施例において、OLEDは、陰極と陽極との間に設けられた「有機層」を有すると記載されてもよい。当該有機層は、1つまたは複数の層を含んでもよい。
【0022】
OLEDにもカプセル化層が必要であり、
図2に示すように、有機発光装置200が例示的に制限せずに示されている。
図1との相違点は、水分および酸素などの外界からの有害物質を防止するように、陰極190上にカプセル化層102を含んでもよい。ガラス、または有機-無機混合層などのカプセル化機能を提供可能ないかなる材料も、カプセル化層として用いられてもよい。カプセル化層は、OLED素子の外部に、直接または間接的に配置されるべきである。多層薄膜カプセル化については、米国特許US7968146B2において記載されており、そのすべての内容を本明細書に援用する。
【0023】
本発明の実施例により製造される素子は、当該素子の1つまたは複数の電子部材モジュール(或いは、ユニット)を有する各種の消費製品に組み込まれてもよい。これらの消費製品は、例えば、フラットパネルディスプレイ、モニタ、医療用モニタ、テレビ、ビルボード、室内または室外用照明ランプおよび/または信号ランプ、ヘッドアップディスプレイ、全部または一部透明のディスプレイ、可撓性ディスプレイ、スマートフォン、フラットパネルコンピューター、フラットパネル携帯電話、ウェアラブル素子、スマートウォッチ、ラップトップコンピューター、デジタルカメラ、携帯型ビデオカメラ、ファインダー、マイクロディスプレイ、3-Dディスプレイ、車載ディスプレイおよびテールライトを含む。
【0024】
本明細書に記載される材料および構造は、上述にて列挙されている他の有機電子素子にも用いられてもよい。
【0025】
「頂部」とは、基板から最も遠く、「底部」とは、基板から最も近いことを意味する。第1層が第2層「上」に設けられていると記載されている場合、第1層が基板から相対的に遠いように設けられている。第1層が第2層「と」「接触する」ことを規定していない限り、第1層と第2層との間に他の層が存在してもよい。例示的には、陰極と陽極との間に各種の有機層が存在しても、依然として、陰極が陽極「上」に設けられていると記載されることができる。
【0026】
「溶液が処理可能である」とは、溶液または懸濁液の形態で液体媒体に溶解、分散または輸送可能であり、および/または液体媒体から堆積可能であることを意味する。
【0027】
配位子は、直接的に発射材料の感光性質を促成すると、「感光性」と呼ばれてもよいことが信じられている。配位子は、発射材料の感光性質を促成しないと、「補助性」と呼ばれてもよい。しかし、補助性の配位子は、感光性配位子の性質を変更することができることが信じられている。
【0028】
蛍光OLEDの内部量子効率(IQE)は、遅延蛍光の存在によって25%のスピン統計による制限を超えてもよいことが信じられている。遅延蛍光は、一般的に2つのタイプ、すなわちP型遅延蛍光およびE型遅延蛍光に分けられてもよい。P型遅延蛍光は、三重項-三重項消滅(TTA)により生成される。
【0029】
一方、E型遅延蛍光は、2つの三重項の衝突ではなく、三重項と一重項との励起状態の変換に依存する。E型遅延蛍光を生成可能な化合物は、エネルギー状態の変換を行うように、極めて小さい一重項-三重項ギャップを有することが必要である。熱エネルギーは、三重項から一重項までの遷移を活性化することができる。このようなタイプの遅延蛍光は、熱活性化遅延蛍光(TADF)とも呼ばれる。TADFの顕著な特徴は、遅延成分が温度の上昇と伴って向上することにある。リバースシステム(RISC)間の貫通(逆項間交差)の速度が十分に速いと、三重項からの非輻射減衰を最小化させ、バックフィルした一重項の励起状態の割合は75%に達することができる。一重項の合計割合は100%であってもよく、エレクトロによる励起子のスピン統計の25%をはるかに超えている。
【0030】
E型遅延蛍光の特徴は、励起複合物系または単一の化合物から見える。理論に限定されず、E型遅延蛍光は、発光材料が小さい一重項-三重項エネルギーギャップ(ΔES-T)を有する必要がある。有機非金属含有の供与体・受容体発光材料は、この点を実現する可能性がある。これらの材料の発射は、通常、供与体・受容体電荷遷移(CT)型発射であると特徴付けられる。これらの供与体・受容体型化合物において、HOMOとLUMOとの空間分離は、一般的に小さいΔES-Tを生成することになる。これらの状態は、CT状態を含んでもよい。通常、供与体・受容体発光材料は、電子供与体部分(例えば、アミン基またはカルバゾール誘導体)と電子受容体部分(例えば、N含有の六員芳香族環)を結合することにより構築される。
【0031】
置換基の専門用語の定義について
【0032】
ハロゲンまたはハロゲン化物とは、本明細書に用いられるように、フッ素、クロロ、臭素およびヨウ素を含む。
【0033】
アルキル基とは、本明細書に用いられるように、直鎖および分岐鎖のアルキル基を含む。アルキル基は、炭素原子数1~20のアルキル基であってもよく、炭素原子数1~12のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1~6のアルキル基であることがより好ましい。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、ネオペンチル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-ペンチルヘキシル、1-ブチルペンチル、1-ヘプチルオクチル、および3-メチルペンチルを含む。アルキル基鎖における炭素は、他のヘテロ原子で置換されてもよい。そのうち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチルおよびn-ヘキシルであることが好ましい。また、アルキル基は、置換されていてもよい。
【0034】
シクロアルキル基とは、本明細書に用いられるように、環状アルキル基を含む。シクロアルキル基は、環炭素原子数3~20のシクロアルキル基であってもよく、炭素原子数4~10のシクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、4,4-ジメチルシクロヘキシル、1-アダマンチル、2-アダマンチル、1-ノルボルニル基、2-ノルボルニル基などを含む。そのうち、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、4,4-ジメチルシクロヘキシルを含むことが好ましい。また、シクロアルキル基は、置換されていてもよい。
【0035】
ヘテロアルキル基とは、本明細書に用いられるように、アルキル鎖における1つまたは複数の炭素が窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、リン原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、ホウ素原子からなる群から選ばれるヘテロ原子で置換されたものを含む。ヘテロアルキル基は、炭素原子数1~20のヘテロアルキル基であってもよく、炭素原子数1~10のヘテロアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1~6のヘテロアルキル基であることがより好ましい。ヘテロアルキル基の例は、メトキシメチル、エトキシメチル、エトキシエチル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、エチルチオエチル、メトキシメトキシメチル、エトキシメトキシメチル基、エトキシエトキシエチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、スルファニルメチル、スルファニルエチル、スルファニルプロピル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、ジメチルアミノメチル、トリメチルシリル、ジメチルエチルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジメチル-tert-ブチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリルエチル、トリメチルシリルイソプロピルを含む。また、ヘテロアルキル基は、置換されていてもよい。
【0036】
アルケニル基とは、本明細書に用いられるように、直鎖、分岐鎖および環状オレフィン基を含む。鎖状アルケニル基は、炭素原子数2~20のアルケニル基であってもよく、炭素原子数2~10のアルケニル基であることが好ましい。アルケニル基の例は、ビニル、プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1,3-ブタジエニル、1-メチルビニル、スチリル、2,2-ジフェニルビニル、1,2-ジフェニルビニル、1-メチルアリル、1,1-ジメチルアリル、2-メチルアリル、1-フェニルアリル、2-フェニルアリル、3-フェニルアリル、3,3-ジフェニルアリル、1,2-ジメチルアリル、1-フェニル-1-ブテニル、3-フェニル-1-ブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタテトラエニルおよびノルボルネニルを含む。また、アルケニル基は、置換されていてもよい。
【0037】
アルキニル基とは、本明細書に用いられるように、直鎖アルキニル基を含む。アルキニル基は、炭素原子数2~20のアルキニル基であってもよく、炭素原子数2~10のアルキニル基であることが好ましい。アルキニル基の例は、エチニル、プロピニル、プロパルギル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、3-エチル-3-メチル-1-ペンチニル、3,3-ジイソプロピル1-ペンチニル、フェニルエチニル、フェニルプロピニルなどを含む。上述したように、エチニル、プロピニル、プロパルギル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、フェニルエチニルを含むことが好ましい。また、アルキニル基は、置換されていてもよい。
【0038】
アリール基または芳香族基とは、本明細書に用いられるように、非縮合および縮合系を考慮する。アリール基は、炭素原子数6~30のアリール基であってもよく、炭素原子数6~20のアリール基であることが好ましく、炭素原子数6~12のアリール基であることがより好ましい。アリール基の例は、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、トリフェニレン、テトラフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、およびアズレンを含み、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、トリフェニレン、フルオレニルおよびナフタレンを含むことが好ましい。非縮合アリール基の例は、フェニル、ビフェニル-2-イル、ビフェニル-3-イル、ビフェニル-4-イル、p-ターフェニル-4-イル、p-ターフェニル-3-イル、p-トリビフェニル-2-イル、m-ターフェニル-4-イル、m-ターフェニル-3-イル、m-ターフェニル-2-イル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、p-(2-フェニルプロピル)フェニル、4’-メチルビフェニル、4’’-tert-ブチル-p-ターフェニル-4-イル、o-クミル、m-クミル、p-クミル、2,3-キシリル、3,4-キシリル、2,5-ジメチルフェニル、メシチレンおよびm-テトラフェニルを含む。また、アリール基は、置換されていてもよい。
【0039】
ヘテロ環基または複素環とは、本明細書に用いられるように、非芳香族環状基を考慮する。非芳香族ヘテロ環基は、環原子数3~20の飽和ヘテロ環基および環原子数3~20の不飽和非芳香族ヘテロ環基を含み、そのうちの少なくとも1つの環原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、ケイ素原子、リン原子、ゲルマニウム原子およびホウ素原子からなる群から選ばれ、好ましくは、非芳香族ヘテロ環基は、環原子数が3~7であり、窒素、酸素、ケイ素または硫黄などの少なくとも1つのヘテロ原子を含む。非芳香族ヘテロ環基の例は、オキシラニル、オキセタイル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、アジリジニル、ジヒドロピロール、テトラヒドロピロール、ピペリジニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、オキサシクロヘプタトリエニル、チオシクロヘプタトリエニル、アザシクロヘプタトリエニルおよびテトラヒドロシロールを含む。また、ヘテロ環基は、置換されていてもよい。
【0040】
ヘテロアリール基とは、本明細書に用いられるように、ヘテロ原子数1~5の非縮合および縮合へテロ芳香族基を含んでもよい。そのうちの少なくとも1つのヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、シリコン原子、リン原子、ゲルマニウム原子、ホウ素原子からなる群から選ばれる。イソアリール基は、ヘテロアリール基も指す。ヘテロアリール基は、炭素原子数3~30のヘテロアリール基であってもよく、炭素原子数3~20のヘテロアリール基であることが好ましく、炭素原子数3~12のヘテロアリール基であることがより好ましい。好適なヘテロアリール基は、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリドインドール、ピロロピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インデノアジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、ベンゾフランピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノビピリジン、ベンゾセレノピリジン、およびセレンベンゾピリジンを含み、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、イミダゾール、ピリジン、トリアジン、ベンズイミダゾール、1,2-アザボラン、1,3-アザボラン、1,4-アザボラン、ボラゾールおよびそのアザ類似物を含むことが好ましい。また、ヘテロアリール基は、置換されていてもよい。
【0041】
アルコキシ基とは、本明細書に用いられるように、-O-アルキル基、-O-シクロアルキル基、-O-ヘテロアルキル基または-O-ヘテロ環基で表される。アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアルキル基およびヘテロ環基の例および好適な例は、上述した例と同様である。アルコキシ基は、炭素原子数1~20のアルコキシ基であってもよく、炭素原子数1~6のアルコキシ基であることが好ましい。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキサオキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、メトキシプロピルオキシ、エトキシエチルオキシ、メトキシメチルオキシおよびエトキシメチルオキシを含む。また、アルコキシ基は、置換されていてもよい。
【0042】
アリールオキシ基とは、本明細書に用いられるように、-O-アリール基または-O-ヘテロアリール基で表される。アリール基およびヘテロアリール基の例および好適な例は、上述した例と同様である。アリールオキシ基は、炭素原子数6~30のアリールオキシ基であってもよく、炭素原子数6~20のアリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例は、フェノキシ基およびビフェノキシ基を含む。また、アリールオキシ基は、置換されていてもよい。
【0043】
アラルキル基とは、本明細書に用いられるように、アリール基で置換されたアルキル基を含む。アラルキル基は、炭素原子数7~30のアラルキル基であってもよく、炭素原子数7~20のアラルキル基であることが好ましく、炭素原子数7~13のアラルキル基であることがより好ましい。アラルキル基の例は、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、1-フェニルイソプロピル、2-フェニルイソプロピル、フェニル-tert-ブチル、α-ナフチルメチル、1-α-ナフチルエチル、2-α-ナフチルエチル、1-α-ナフチルイソプロピル、2-α-ナフチルイソプロピル、β-ナフチルメチル、1-β-ナフチル-エチル、2-β-ナフチル-エチル、1-β-ナフチルイソプロピル、2-β-ナフチルイソプロピル、p-メチルベンジル、m-メチルベンジル、o-メチルベンジル、p-クロロベンジル、m-クロロベンジル、o-クロロベンジル、p-ブロモベンジル、m-ブロモベンジル、o-ブロモベンジル、p-ヨードベンジル、m-ヨードベンジル、o-ヨードベンジル、p-ヒドロキシベンジル、m-ヒドロキシベンジル、o-ヒドロキシベンジル、p-アミノベンジル、m-アミノベンジル、o-アミノベンジル、p-ニトロベンジル、m-ニトロベンジル、o-ニトロベンジル、p-シアノベンジル、m-シアノベンジル、o-シアノベンジル、1-ヒドロキシ-2-フェニルイソプロピルおよび1-クロロ-2-フェニルイソプロピルを含む。そのうち、ベンジル、p-シアノベンジル、m-シアノベンジル、o-シアノベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、1-フェニルイソプロピルおよび2-フェニルイソプロピルであることが好ましい。また、アラルキル基は、置換されていてもよい。
【0044】
アルキルシリル基とは、本明細書に用いられるように、アルキル基で置換されたシリル基を含む。アルキルシリル基は、炭素原子数3~20のアルキルシリル基であってもよく、炭素原子数3~10のアルキルシリル基であることが好ましい。アルキルシリル基の例は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、メチルジエチルシリル、エチルジメチルシリル、トリプロピルシリル、トリブチルシリル、トリイソプロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、トリ-tert-ブチルシリコン、トリイソブチルシリル、ジメチル-tert-ブチルシリル、およびメチルジ-tert-ブチルシリルを含む。また、アルキルシリル基は、置換されていてもよい。
【0045】
アリールシリル基とは、本明細書に用いられるように、少なくとも1つのアリール基で置換されたシリル基を含む。アリールシリル基は、炭素原子数6~30のアリールシリル基であってもよく、炭素原子数8~20のアリールシリル基であることが好ましい。アリールシリル基の例は、トリフェニルシリル、フェニルジフェニルシリル、ジフェニルビフェニルシリル、フェニルジエチルシリル、ジフェニルエチルシリル、フェニルジメチルシリル、ジフェニルメチルシリル、フェニルジイソプロピルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニルイソブチルシリル、ジフェニル-tert-ブチルシリルを含む。また、アリールシリル基は、置換されていてもよい。
【0046】
アザジベンゾフラン、アザ-ジベンゾチオフェンなどにおける「アザ」とは、対応する芳香族フラグメントにおける1つまたは複数のC-H基が窒素原子に置換されることを指す。例えば、アザトリフェニレンは、ジベンゾ[f,h]キノキサリン、ジベンゾ[f,h]キノリン、および環系において2つ以上の窒素を有する他の類似物を含む。当業者であれば、上述したアザ誘導体の他の窒素類似物を容易に想到することができ、且つこれらの類似物は、すべて本明細書に記載される専門用語に含まれるものとして確定される。
【0047】
本発明において、特に断りのない限り、置換のアルキル基、置換のシクロアルキル基、置換のヘテロアルキル基、置換のヘテロ環基、置換のアラルキル基、置換のアルコキシ基、置換のアリールオキシ基、置換のアルケニル基、置換のアルキニル基、置換のアリール基、置換のヘテロアリール基、置換のアルキルシリル基、置換のアリールシリル基、置換のアミノ基、置換のアシル基、置換のカルボニル基、置換のカルボキシル基、置換のエステル基、置換のスルフィニル基、置換のスルホニル基、置換のホスフィノ基からなる群のうちのいずれかの用語を使用すると、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルシリル基、アリールシリル基、アミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、スルフィニル基、スルホニル基、およびホスフィノ基のうちのいずれかの基が、重水素、ハロゲン、無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、無置換の環炭素原子数3~20シクロアルキル基、無置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、無置換の環原子数3~20のヘテロ環基、無置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、無置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、無置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、無置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、無置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、無置換の炭素原子数6~30のアリール基、無置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、無置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、無置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、無置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびその組合せから選ばれる1つまたは複数により置換され得ることを意味する。
【0048】
分子フラグメントについて、置換基または他の形態で他の部分に結合させると記載する場合、フラグメント(例えば、フェニル基、フェニレン基、ナフチル基、ジベンゾフラニル基)であるか否か、或いは、分子全体(例えば、ベンゼン、ナフタレン、ジベンゾフラン)であるか否かにより、その名称を確定することができることを理解すべきである。本明細書に用いられるように、置換基の指定、或いはフラグメントの結合の異なる形態は、均等であると認められている。
【0049】
本明細書で言及される化合物において、水素原子が重水素で一部または全部置換されてもよい。他の原子、例えば炭素および窒素も、それらの他の安定した同位体で置換されてもよい。素子の効率および安定性を向上させるために、化合物において他の安定した同位体の置換が好ましい可能性がある。
【0050】
本明細書で言及される化合物において、複数置換とは、二重置換を含む、最も多くの使用可能な置換に達するまでの範囲を指す。本明細書で言及される化合物中のある置換基は、複数置換(二重置換、三重置換、四重置換などを含む)を意味すると、その置換基はその結合構造上の複数の利用可能な置換位置に存在してもよいことを意味し、複数の利用可能な置換位置にいずれも存在する当該置換基は、同じ構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
【0051】
本明細書で言及される化合物において、隣接する置換基が結合して環を形成していてもよいように特に限定されない限り、前記化合物における隣接する置換基は結合して環を形成することができない。本明細書で言及される化合物において、隣接する置換基が結合して環を形成していてもよいことは、隣接する置換基が結合して環を形成する場合を含むとともに、隣接する置換基が結合せずに環を形成しない場合も含む。隣接する置換基が結合して環を形成していてもよい場合、形成される環は、単環または多環、および脂環、ヘテロ脂環、アリール環、またはヘテロアリール環であってもよい。このような記述において、隣接する置換基は、同一の原子に結合された置換基、互いに直接結合する炭素原子に結合された置換基、または更に離れた炭素原子に結合された置換基を指してもよい。好ましくは、隣接する置換基は、同一の炭素原子に結合された置換基および互いに直接結合する炭素原子に結合された置換基を指す。
【0052】
隣接する置換基が結合して環を形成していてもよいという記述も、同一の炭素原子に結合された2つの置換基が化学結合により互いに結合して環を形成することを意味すると認められ、下記式で例示することができる。
【化6】
【0053】
隣接する置換基が結合して環を形成していてもよいという記述も、互いに直接結合する炭素原子に結合された2つ置換基が化学結合により互いに結合して環を形成することを意味すると認められ、下記式で例示することができる。
【化7】
【0054】
また、隣接する置換基が結合して環を形成していてもよいという記述も、互いに直接結合する炭素原子に結合された2つ置換基の一方が水素を表す場合に、第2置換基は水素原子が結合された位置に結合されて環を形成することを意味すると認められている。下記式で例示する。
【化8】
【0055】
本発明の一実施例によれば、陽極、陰極、および陽極と陰極との間に設けられた有機層を含み、前記有機層は、少なくとも第1化合物および第2化合物を含み、
第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、式Aで表される構造を有し、
【化9】
式A中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、Z
4およびZ
5は、出現毎に同一または異なってCR
z2から選ばれ、且つZ
4およびZ
5における2つの置換基R
z2は、結合して環を形成し、
Lは、単結合、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリレン基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリレン基、またはこれらの組合せから選ばれ、
Eは、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、或いは置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
z1は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
R
z2は、出現毎に同一または異なって水素、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
z2は、結合して環を形成していてもよく、
前記第2化合物は、金属錯体であり、前記金属は、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、前記金属錯体は、配位子L
aを含み、前記L
aは、式Cで表される構造を有し、
【化10】
式C中、環A、環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~30の芳香族環または炭素原子数3~30のヘテロ芳香族環から選ばれ、
R
iは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、R
iiは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Yは、SiR
yR
y、GeR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、
2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なってもよく、
X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、
R、R
i、R
ii、R
xおよびR
yは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
i、R
x、R
y、RおよびR
iiは、結合して環を形成していてもよい、エレクトロルミネッセンス素子がさらに開示される。
【0056】
本実施例において、隣り合う置換基Rz1、Rz2が結合して環を形成していてもよいとは、隣り合う置換基グループ、たとえば、Z1~Z3における隣り合う置換基Rz1同士、Z6~Z8における隣り合う置換基Rz1同士、Z3における置換基Rz1およびZ4における置換基Rz2同士、Z3における置換基Rz1およびZ5における置換基Rz2同士、Z6における置換基Rz1およびZ4における置換基Rz2同士、並びにZ6における置換基Rz1およびZ5における置換基Rz2同士のうちのいずれか1つまたは複数が結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、これらの隣り合う置換基グループがいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0057】
本明細書において、隣り合う置換基Ri、Rx、Ry、RおよびRiiが結合して環を形成していてもよいとは、隣り合う置換基グループ、たとえば、2つの置換基Ri同士、2つの置換基Rii同士、2つの置換基Ry同士、2つの置換基Rx同士、置換基RiおよびRx同士、置換基RおよびRy同士、並びに置換基RiiおよびR同士のうちのいずれか1つまたは複数が結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、これらの置換基同士がいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0058】
本発明の一実施例によれば、式A中、前記Z4およびZ5における2つの置換基Rz2は、結合して環を形成し、且つ前記環は、少なくとも6つの環原子を有する。
【0059】
本発明の一実施例によれば、式A中、前記Z4およびZ5における2つの置換基Rz2は、結合して環を形成し、且つ前記環は、少なくとも7つの環原子を有する。
【0060】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Hは、式A-1~式A-8のいずれか1種で表される構造を有する。
【化11】
(式A-1~式A-8中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、
Z
h1~Z
h8は、出現毎に同一または異なってCR
zhまたはNから選ばれ、
Z
mは、CR
zmまたはNから選ばれ、
Z
nは、CR
znR
zn、O、SまたはNR
znから選ばれ、Z
nがCR
znR
znから選ばれる場合、2つのR
znは、同一または異なってもよく、
R
z1、R
zh、R
zm、R
znは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
zh、R
zm、R
znは、結合して環を形成していてもよい。)
【0061】
本明細書において、隣り合う置換基Rz1、Rzh、Rzm、Rznが結合して環を形成していてもよいとは、隣り合う置換基グループ、たとえば、Z1~Z3における隣り合う置換基Rz1同士、Z6~Z8における隣り合う置換基Rz1同士、隣り合う置換基Rzh同士、隣り合う置換基RzhおよびRzm同士、隣り合う置換基Rzn同士、並びに、隣り合う置換基RzhおよびRzn同士のうちのいずれか1つまたは複数が結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、これらの隣り合う置換基グループがいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0062】
本発明の一実施例によれば、前記式A-1~式A-8中、Rz1、Rzh、Rzm、Rznは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基Rz1、Rzh、Rzm、Rznは、結合して環を形成していてもよい。
【0063】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Hは、式A-1~式A-8のいずれか1種で表される構造を有する。
【化12】
(式A-1~式A-8中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1から選ばれ、
Z
h1~Z
h8は、出現毎に同一または異なってCR
zhまたはNから選ばれ、
Z
mは、Nから選ばれ、
Z
nは、O、SまたはNR
znから選ばれ、
R
z1、R
zh、R
znは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
zh、R
znは、結合して環を形成していてもよい。)
【0064】
本明細書において、隣り合う置換基Rz1、Rzh、Rznが結合して環を形成していてもよいとは、隣り合う置換基グループ、たとえば、Z1~Z3における隣り合う置換基Rz1同士、Z6~Z8における隣り合う置換基Rz1同士、隣り合う置換基Rzh同士、隣り合う置換基Rzn同士、並びに、隣り合う置換基RzhおよびRzn同士のうちのいずれか1つまたは複数が結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、これらの隣り合う置換基グループがいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0065】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Hは、式A-1~式A-8のいずれか1種で表される構造を有する。
【化13】
(式A-1~式A-8中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1から選ばれ、
Z
h1~Z
h8は、出現毎に同一または異なってCR
zhまたはNから選ばれ、
Z
mは、Nから選ばれ、
Z
nは、O、SまたはNR
znから選ばれ、
R
z1、R
zh、R
znは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
zh、R
znは、結合して環を形成していてもよい。)
【0066】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Hは、以下の構造からなる群から選ばれる。
【化14-1】
【化14-2】
【化14-3】
【0067】
本実施例において、「*」は、前記Hの構造における、前記Lとの結合箇所を表す。
【0068】
本発明の一実施例によれば、前記H-1~H-76の構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい。
【0069】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Eは、式E-aまたは式E-bで表される構造を有する。
【化15】
(式E-aおよび式E-b中、
E
1~E
14は、出現毎に同一または異なってC、CR
eまたはNから選ばれ、
R
eは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
eは、結合して環を形成していてもよい。)
【0070】
本実施例において、
【化16】
は、前記Eの構造における、前記Lとの結合箇所を表す。
【0071】
本実施例において、式E-a中、E1~E6のうちの1つは、Cであり、且つ前記Cは、前記Lに結合し、式E-b中、E7~E14のうちの1つは、Cであり、前記Cは、前記Lに結合する。
【0072】
本実施例において、隣り合う置換基Reが結合して環を形成していてもよいとは、任意の隣り合う置換基Reが結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、任意の隣り合う置換基Reがいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0073】
本発明の一実施例によれば、前記式E-a中、E1~E6のうちの少なくとも2つは、Nであり、前記式E-b中、E7~E14のうちの少なくとも2つは、Nである。
【0074】
本発明の一実施例によれば、前記式E-a中、E1~E6のうちの3つは、Nであり、前記式E-b中、E7~E10のうちの2つは、Nである。
【0075】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Eは、式E-1~式E-10のうちのいずれか1種で表される構造を有する。
【化17】
(R
Aは、出現毎に同一または異なっては、一置換、複数置換または無置換を表し、
Vは、O、SまたはSeから選ばれ、
R
Aは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
Aは、結合して環を形成していてもよい。)
【0076】
本明細書において、隣り合う置換基RAが結合して環を形成していてもよいとは、任意の隣り合う置換基RAが結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、任意の隣り合う置換基RAがいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0077】
本実施例において、
【化18】
は、前記Eの構造における、前記Lとの結合箇所を表す。
【0078】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Eは、式E-11~式E-21のうちのいずれか1種で表される構造を有する。
【化19】
(R
Aは、出現毎に同一または異なっては、一置換、複数置換または無置換を表し、
Vは、O、SまたはSeから選ばれ、
R
Aは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
Aは、結合して環を形成していてもよい。)
【0079】
本実施例において、
【化20】
は、前記Eの構造における、前記Lとの結合箇所を表す。
【0080】
本発明の一実施例によれば、式E-1~式E-21中、前記RAは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基RAは、結合して環を形成していてもよい。
【0081】
本発明の一実施例によれば、式E-1~式E-21中、前記RAは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、フッ素、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、メチル基、トリ重水素化メチル基、ビニル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、4-シアノフェニル基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、トリフェニレン基、カルバゾール基、9-フェニルカルバゾール基、9,9-ジメチルフルオレン基、ピリジン基、フェニルピリジン基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基RAは、結合して環を形成していてもよい。
【0082】
本発明の一実施例によれば、式E-1~式E-21中、少なくとも1つのRAが存在し、且つ前記RAは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基RAは、結合して環を形成していてもよい。
【0083】
本発明の一実施例によれば、式E-1~式E-21中、少なくとも1つのRAが存在し、且つ前記RAは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、シアノ基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基RAは、結合して環を形成していてもよい。
【0084】
本発明の一実施例によれば、式E-1~式E-21中、少なくとも1つのRAが存在し、且つ前記RAは、出現毎に同一または異なって重水素、フッ素、シアノ基、メチル基、トリ重水素化メチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、4-シアノフェニル基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、トリフェニレン基、カルバゾール基、9-フェニルカルバゾール基、9,9-ジメチルフルオレン基、ピリジン基、フェニルピリジン基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基RAは、結合して環を形成していてもよい。
【0085】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物において、前記Eは、
【化21-1】
【化21-2】
からなる群から選ばれ、
【化22】
は、前記Eの構造における、前記Lとの結合箇所を表す。
【0086】
本発明の一実施例によれば、前記Lは、単結合、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、テルフェニレン基、トリフェニレニレン基、ピリジレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基およびチエニレン基からなる群から選ばれる。
【0087】
本発明の一実施例によれば、前記Lは、
【化23】
からなる群から選ばれ、
「*」は、前記Lの構造における、前記Hとの結合箇所を表し、
【化24】
は、前記Lの構造における、前記Eとの結合箇所を表す。
【0088】
本発明の一実施例によれば、前記L-1~L-22の構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい。
【0089】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、H-1~H-76からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記Lは、L-0~L-22からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記Eは、E-1~E-38からなる群から選ばれるいずれか1種である。前記第1化合物の構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい。
【0090】
本発明の一実施例によれば、前記第1化合物は、化合物1-1~化合物1-249からなる群から選ばれる。前記化合物1-1~化合物1-249の具体的な構造は、請求項12に示される。
【0091】
本発明の一実施例によれば、前記化合物1-1~化合物1-249における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい。
【0092】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、前記式C中、環Aおよび/または環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~18の芳香族環または炭素原子数3~18のヘテロ芳香族環から選ばれる。
【0093】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、前記式C中、環Aおよび/または環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~10の芳香族環または炭素原子数3~10のヘテロ芳香族環から選ばれる。
【0094】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、前記L
aは、式2-1~式2-19のいずれか1種で表される構造から選ばれる。
【化25】
(式2-1~式2-19中、X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、X
3~X
7は、出現毎に同一または異なってCR
iまたはNから選ばれ、A
1~A
6は、出現毎に同一または異なってCR
iiまたはNから選ばれ、
Zは、出現毎に同一または異なってCR
iiiR
iii、SiR
iiiR
iii、PR
iii、O、SまたはNR
iiiから選ばれ、2つのR
iiiが同時に存在する場合、2つのR
iiiは、同一または異なり、
Yは、SiR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なり、
R、R
x、R
y、R
i、R
iiおよびR
iiiは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R、R
x、R
y、R
i、R
iiおよびR
iiiは、結合して環を形成していてもよい。)
【0095】
本明細書において、隣り合う置換基R、Rx、Ry、Ri、RiiおよびRiiiが結合して環を形成していてもよいとは、隣り合う置換基グループ、たとえば、2つの置換基Ri同士、2つの置換基Rii同士、2つの置換基Rx同士、2つの置換基Ry同士、2つの置換基Riii同士、置換基RiおよびRx同士、置換基RiiおよびRiii同士、置換基RおよびRy同士、置換基RyおよびRiii同士、置換基RxおよびRiii同士、並びに置換基RおよびRiii同士のうちのいずれか1つまたは複数が結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、これらの置換基同士がいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0096】
本発明の一実施例によれば、Laは、式2-1、式2-5、式2-8、式2-10、式2-11または式2-12のうちのいずれか1種で表される構造から選ばれる。
【0097】
本発明の一実施例によれば、Laは、式2-1で表される構造から選ばれる。
【0098】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X1~Xnおよび/またはA1~Amのうちの少なくとも1つは、Nから選ばれ、前記Xnは、前記X1~X7の式2-1~式2-19のうちのいずれか1つに存在する番号が最も大きいものに対応し、前記Amは、前記A1~A6の式2-1~式2-19のうちのいずれか1つに存在する番号が最も大きいものに対応する。たとえば、式2-1に対して、前記Xnは、前記X1~X7の式2-1中に存在する番号が最も大きいX5に対応し、前記Amは、前記A1~A6の式2-1中に存在する番号が最も大きいA4に対応し、すなわち式2-1中、X1~X5および/またはA1~A4のうちの少なくとも1つは、Nから選ばれる。また、たとえば、式2-12に対して、前記Xnは、前記X1~X7の式2-12中に存在する番号が最も大きいX3、前記Amは、前記A1~A6の式2-12中に存在する番号が最も大きいA4に対応し、すなわち式2-12中、X1~X3および/またはA1~A4のうちの少なくとも1つは、Nから選ばれる。
【0099】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X1~Xnのうちの少なくとも1つは、Nから選ばれ、前記Xnは、前記X1~X7式2-1~式2-19のうちのいずれか1つに存在する番号が最も大きいものに対応する。
【0100】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X2は、Nである。
【0101】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X1~X2は、それぞれ独立してCRxから選ばれ、X3~X7は、それぞれ独立してCRiから選ばれ、A1~A6は、それぞれ独立してCRiiから選ばれ、隣り合う置換基Rx、Ri、Riiは、結合して環を形成していてもよい。
【0102】
本実施例において、隣り合う置換基Rx、Ri、Riiが結合して環を形成していてもよいとは、隣り合う置換基グループ、たとえば、2つの置換基Ri同士、2つの置換基Rii同士、2つの置換基Rx同士、並びに置換基RiおよびRx同士のうちのいずれか1つまたは複数が結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、これらの置換基同士がいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0103】
本発明の一実施例によれば、前記Rx、Ri、Riiは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0104】
本発明の一実施例によれば、前記Rx、Ri、Riiのうちの少なくとも2つまたは3つは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0105】
本実施例において、前記Rx、Ri、Riiのうちの少なくとも2つまたは3つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれるとは、2つのRx置換基、すべてのRi置換基およびすべてのRii置換基からなる群のうちの少なくとも2つまたは3つの置換基が出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれることを意味する。
【0106】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-11中、X4および/またはX5は、CRiから選ばれ、式2-12~式2-19中、X3は、CRiから選ばれ、
且つ前記Riは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。
【0107】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-11中、X4および/またはX5は、CRiから選ばれ、式2-12~式2-19中、X3は、CRiから選ばれ、且つ前記Riは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、フッ素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、ノルボルネン基、アダマンタン基、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0108】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、前記Rは、水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。
【0109】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、前記Rは、水素、重水素、フッ素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、ネオペンチル基、重水素化メチル基、重水素化エチル基、重水素化イソプロピル基、重水素化イソブチル基、重水素化tert-ブチル基、重水素化シクロペンチル基、重水素化シクロペンチルメチル基、重水素化シクロヘキシル基、重水素化ネオペンチル基、トリメチルシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。
【0110】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、Yは、OまたはSから選ばれる。
【0111】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、Yは、Oである。
【0112】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X1およびX2は、それぞれ独立してCRxから選ばれる。
【0113】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X1およびX2は、それぞれ独立してCRxから選ばれ、前記Rxは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。
【0114】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X1は、CRxから選ばれ、X2は、Nである。
【0115】
本発明の一実施例によれば、式2-1~式2-19中、X1は、CRxから選ばれ、X2は、Nであり、前記Rxは、水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。
【0116】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、前記配位子L
aは、式2-20または式2-21で表される構造を有する。
【化26】
(式2-20および式2-21中、
Yは、OまたはSから選ばれ、
R
x1、R
x2、R
i1、R
i2、R
i3、R
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
Rは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。)
【0117】
本発明の一実施例によれば、前記配位子L
aは、式2-20または式2-21で表される構造を有する。
【化27】
(式2-20および式2-21中、
Yは、OまたはSから選ばれ、
R
x1、R
x2、R
i1、R
i2、R
i3のうちの少なくとも1つまたは2つ、および/またはR
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、Rは、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。)
【0118】
本発明の一実施例によれば、前記配位子L
aは、式2-20または式2-21で表される構造を有する。
【化28】
(式2-20および式2-21中、
Yは、OまたはSから選ばれ、
R
x1、R
x2、R
i1、R
i2、R
i3のうちの少なくとも1つまたは2つ、および/またはR
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、Rは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。)
【0119】
本発明の一実施例によれば、前記配位子L
aは、式2-20または式2-21で表される構造を有する。
【化29】
(式2-20および式2-21中、
Yは、OまたはSから選ばれ、
R
i2は、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せからなる群から選ばれ、
Rは、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、R
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。)
【0120】
本発明の一実施例によれば、前記配位子L
aは、式2-20または式2-21で表される構造を有する。
【化30】
(式2-20および式2-21中、
Yは、OまたはSから選ばれ、
R
i2は、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、
Rは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれ、R
ii1、R
ii2、R
ii3、R
ii4のうちの少なくとも1つまたは2つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、またはこれらの組合せから選ばれる。)
【0121】
本発明の一実施例によれば、式2-20および式2-21中、Rx1、Rx2、Ri1、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4、Rのうちの少なくとも1つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0122】
本実施例において、Rx1、Rx2、Ri1、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4、Rのうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれるとは、Rx1、Rx2のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRi1、Ri2、Ri3のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRii1、Rii2、Rii3、Rii4のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRが前記置換基グループから選ばれることを意味する。
【0123】
本発明の一実施例によれば、式2-20および式2-21中、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rのうちの少なくとも1つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0124】
本実施例において、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rのうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれるとは、Ri2、Ri3のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRii1、Rii2、Rii3のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRが前記置換基グループから選ばれることを意味する。
【0125】
本発明の一実施例によれば、式2-20および式2-21中、Rx1、Rx2、Ri1、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4、Rのうちの少なくとも1つは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数3~10のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~10のシクロアルキル基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0126】
本実施例において、Rx1、Rx2、Ri1、Ri2、Ri3、Rii1、Rii2、Rii3、Rii4、Rのうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれるとは、Rx1、Rx2のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRi1、Ri2、Ri3のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRii1、Rii2、Rii3、Rii4のうちの少なくとも1つが出現毎に同一または異なって前記置換基グループから選ばれ、および/またはRが前記置換基グループから選ばれることを意味する。
【0127】
本発明の一実施例によれば、前記L
aは、L
a1~L
a188からなる群から選ばれる。
【化31-1】
【化31-2】
【化31-3】
【化31-4】
【化31-5】
【化31-6】
【化31-7】
(上記構造中、TMSは、トリメチルシリル基を表す。)
【0128】
本発明の一実施例によれば、前記La1~La188の構造における水素は、重水素で一部または全部置換されてもよい。
【0129】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物は、M(L
a)
m(L
b)
n(L
c)
qの構造を有する。
(金属Mは、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、L
a、L
bおよびL
cは、それぞれ前記錯体の第1配位子、第2配位子および第3配位子であり、mは、1、2または3であり、nは、0、1または2であり、qは、0、1または2であり、m+n+qは、金属Mの酸化状態に等しく、mが1よりも大きい場合、複数のL
aは、同一または異なり、nが2である場合、2つのL
bは、同一または異なり、qが2である場合、2つのL
cは、同一または異なり、
L
a、L
bおよびL
cは、結合して多座配位子を形成していてもよく、たとえばL
a、L
bおよびL
cは、結合して4座配位子または6座配位子を形成していてもよく、L
a、L
bおよびL
cは、いずれも結合せずに多座配位子を形成しなくてもよく、
L
bおよびL
cは、出現毎に同一または異なって、
【化32】
からなる群から選ばれ、
R
a、R
bおよびR
cは、出現毎に同一または異なっては、一置換、複数置換または無置換を表し、
X
bは、出現毎に同一または異なってO、S、Se、NR
N1およびCR
C1R
C2からなる群から選ばれ、
X
cおよびX
dは、出現毎に同一または異なってO、S、SeおよびNR
N2からなる群から選ばれ、
R
a、R
b、R
c、R
N1、R
N2、R
C1およびR
C2は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシ基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
a、R
b、R
c、R
N1、R
N2、R
C1およびR
C2は、結合して環を形成していてもよい。)
【0130】
本実施例において、隣り合う置換基Ra、Rb、Rc、RN1、RN2、RC1およびRC2が結合して環を形成していてもよいとは、隣り合う置換基グループ、たとえば、2つの置換基Ra同士、2つの置換基Rb同士、2つの置換基Rc同士、置換基RaおよびRb同士、置換基RaおよびRc同士、置換基RbおよびRc同士、置換基RaおよびRN1同士、置換基RbおよびRN1同士、置換基RaおよびRC1同士、置換基RaおよびRC2同士、置換基RbおよびRC1同士、置換基RbおよびRC2同士、置換基RaおよびRN2同士、置換基RbおよびRN2同士、並びにRC1およびRC2同士のうちのいずれか1つまたは複数が結合して環を形成してもよいことを意味する。明らかには、これらの置換基同士がいずれも結合して環を形成しなくてもよい。
【0131】
本実施例において、La、LbおよびLcが結合して多座配位子を形成していてもよとは、La、LbおよびLcのうちのいずれか2つまたは3つが結合して4座配位子または6座配位子を形成してもよいことを意味する。明らかには、La、LbおよびLcは、いずれも結合せずに多座配位子を形成しなくてもよい。
【0132】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、金属Mは、Ir、Rh、Re、Os、Pt、AuまたはCuから選ばれる。
【0133】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、金属Mは、Ir、PtまたはOsから選ばれる。
【0134】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、金属Mは、Irである。
【0135】
本発明の一実施例によれば、前記素子において、前記第2化合物は、Ir錯体であり、且つIr(La)(Lb)(Lc)、Ir(La)2(Lb)、Ir(La)2(Lc)またはIr(La)(Lc)2のいずれか1種で表される構造を有する。
【0136】
本発明の一実施例によれば、L
bは、出現毎に同一または異なって以下の構造から選ばれる。
【化33】
(R
1~R
7は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる。)
【0137】
本発明の一実施例によれば、L
bは、出現毎に同一または異なって以下の構造から選ばれる。
【化34】
(R
1~R
3のうちの少なくとも1つは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、またはこれらの組合せから選ばれ、および/またはR
4~R
6のうちの少なくとも1つは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、またはこれらの組合せである。)
【0138】
本発明の一実施例によれば、L
bは、出現毎に同一または異なって以下の構造から選ばれる。
【化35】
(R
1~R
3のうちの少なくとも2つは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、またはこれらの組合せから選ばれ、および/またはR
4~R
6のうちの少なくとも1つは、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、またはこれらの組合せである。)
【0139】
本発明の一実施例によれば、L
bは、出現毎に同一または異なって以下の構造から選ばれる。
【化36】
(R
1~R
3のうちの少なくとも2つは、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のヘテロアルキル基、またはこれらの組合せから選ばれ、および/またはR
4~R
6のうちの少なくとも2つは、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のヘテロアルキル基、またはこれらの組合せから選ばれる。)
【0140】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、前記Lbは、出現毎に同一または異なってLb1~Lb322からなる群から選ばれる。前記Lb1~Lb322の具体的な構造は、請求項23に示される。
【0141】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物において、前記Lcは、出現毎に同一または異なってLc1~Lc231からなる群から選ばれる。前記Lc1~Lc231の具体的な構造は、請求項23に示される。
【0142】
本発明の一実施例によれば、前記素子において、前記第2化合物は、Ir錯体であり、且つIr(La)(Lb)(Lc)、Ir(La)2(Lb)、Ir(La)2(Lc)およびIr(La)(Lc)2のうちのいずれか1種で表される構造を有し、前記第2化合物がIr(La)(Lb)(Lc)の構造を有する場合、前記Laは、La1~La188からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記Lbは、Lb1~Lb322からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記Lcは、Lc1~Lc231からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記第2化合物がIr(La)2(Lb)の構造を有する場合、前記Laは、La1~La188からなる群から選ばれるいずれか1種またはいずれか2種であり、前記Lbは、Lb1~Lb322からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記第2化合物がIr(La)2(Lc)の構造を有する場合、前記Laは、La1~La188からなる群から選ばれるいずれか1種またはいずれか2種であり、前記Lcは、Lc1~Lc231からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記第2化合物がIr(La)(Lc)2の構造を有する場合、前記Laは、La1~La188からなる群から選ばれるいずれか1種であり、前記Lcは、Lc1~Lc231からなる群から選ばれるいずれか1種またはいずれか2種である。
【0143】
本発明の一実施例によれば、前記第2化合物は、化合物C
1~化合物C
173からなる群から選ばれる。
【化37-1】
【化37-2】
【化37-3】
【化37-4】
【化37-5】
【化37-6】
【化37-7】
【化37-8】
【化37-9】
【化37-10】
【化37-11】
【化37-12】
【化37-13】
【化37-14】
【0144】
本発明の一実施例によれば、前記有機層は、発光層であり、前記第1化合物は、ホスト材料であり、前記第2化合物は、発光材料である。
【0145】
本発明の一実施例によれば、前記素子は、赤色光または白色光を放射する。
【0146】
本発明の他の実施例によれば、エレクトロルミネッセンス素子を含む表示アセンブリがさらに開示される。前記エレクトロルミネッセンス素子の具体的な構造は、上述したいずれか1つの実施例に示される。
【0147】
本発明の他の実施例によれば、少なくとも第1化合物および第2化合物を含む化合物の組合せであって、
前記第1化合物は、H-L-Eの構造を有し、前記Hは、式Aで表される構造を有し、
【化38】
式A中、
Z
1~Z
3、Z
6~Z
8は、出現毎に同一または異なってCR
z1またはNから選ばれ、
Z
4およびZ
5は、出現毎に同一または異なってCR
z2から選ばれ、且つZ
4およびZ
5における2つの置換基R
z2は、結合して環を形成し、
Lは、単結合、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリレン基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリレン基、またはこれらの組合せから選ばれ、
Eは、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、或いは置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
z1は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
R
z2は、出現毎に同一または異なって水素、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
z1、R
z2は、結合して環を形成していてもよく、
前記第2化合物は、金属錯体であり、前記金属は、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、前記金属錯体は、配位子L
aを含み、前記L
aは、式Cで表される構造を有し、
【化39】
式C中、環A、環Bは、それぞれ独立して5員不飽和炭素環、炭素原子数6~30の芳香族環または炭素原子数3~30のヘテロ芳香族環から選ばれ、
R
iは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、R
iiは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換、または無置換を表し、
Yは、SiR
yR
y、GeR
yR
y、NR
y、PR
y、O、SまたはSeから選ばれ、
2つのR
yが同時に存在する場合、2つのR
yは、同一または異なってもよく、
X
1~X
2は、出現毎に同一または異なってCR
xまたはNから選ばれ、
R、R
i、R
ii、R
xおよびR
yは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、アシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基R
i、R
x、R
y、RおよびR
iiは、結合して環を形成していてもよい化合物の組合せがさらに開示される。
【0148】
他の材料との組合せ
【0149】
本発明に記載される有機発光素子に用いられる特定層の材料は、素子に存在する各種の他の材料と組み合わせて使用することができる。これらの材料の組合せについて、米国特許出願US2016/0359122A1の第0132~0161段落において詳細に記載されており、その内容を全て本明細書に援用する。記載または言及された材料は、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用可能な材料の非限定的な実例であり、且つ当業者にとっては、文献を容易に参照して組み合わせて使用可能な他の材料を識別することができる。
【0150】
本明細書において、有機発光素子に用いられる具体的な層の材料は、前記素子に存在する多種の他の材料と組み合わせて使用することができると記載されている。例示的には、本明細書において開示される第1化合物および第2化合物の組合せは、多種の発光ドーパント、ホスト、輸送層、ブロッキング層、注入層、電極および他の存在可能な層と組み合わせて使用することができる。これらの材料の組合せは、米国特許出願US2015/0349273A1の第0080~0101段落において詳細に記載されており、その内容を全て本明細書に援用する。記載または言及された材料は、本明細書に開示される化合物と組み合わせて使用可能な材料の非限定的な実例であり、且つ当業者にとっては、文献を容易に参照して組み合わせて使用可能な他の材料を識別することができる。
【0151】
本発明に用いられる第1化合物および第2化合物は、従来技術における調製方法を参照することにより取得されてもよいし、出願番号US20180337340A1、CN111868210A、CN202010285016.7、CN202010268985.1、CN202010285026.0、CN202010720191.4、CN202010825242.X、CN202011219604.7、CN202110348602.6などの特許出願を参照することにより容易に調製されてもよいので、ここで繰り返し説明しない。エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、限定されない。以下の実施例における製造方法は、例示的なものに過ぎず、限定するものであると理解すべきではない。当業者であれば、従来技術に基づき、以下の実施例における製造方法を合理的に改良することができる。例示的には、発光層における各種の材料の比率は、特に限定されておらず、当業者は、従来技術に基づき、一定の範囲内に合理的に選択することができる。たとえば、発光層材料の総重量を基準として、ホスト材料が80%~99%を占め、発光材料が1%~20%を占めてもよいし、ホスト材料が90%~98%を占め、発光材料が2%~10%を占めてもよい。また、ホスト材料は、1種または2種の材料であってもよい。そのうち、2種のホスト材料のホスト材料に対する比率が100:0~1:99であってもよいし、80:20~20:80であってもよいし、60:40~40:60であってもよい。素子の実施例において、素子の特性に対しても、当該分野における通常の機器(Angstrom Engineering製の蒸着機、蘇州弗士達製の光学テストシステム、耐用年数テストシステム、北京量拓製のエリプソメーターなどを含むがそれに限定されず)を用いて、当業者にとって熟知の方法でテストを行った。当業者は、上述した機器の使用、テスト方法などの関連内容を知っているので、サンプルの固有データを確実に、影響を受けずに取得することができるため、上記関連内容を本明細書において繰り返し説明しない。
【実施例0152】
素子の実施例1
【0153】
まず、厚みが120nmのインジウムスズ酸化物(ITO)陽極を有するガラス基板を洗浄した後、酸素プラズマおよびUVオゾンで処理した。処理した後、基板をグローブボックスで乾燥させて水を除去した。その後、基板を基板ホルダ上に取り付けて真空室に置いた。以下、指定された有機層に対して、真空度が約10-8トルの場合、0.2~2オングストローム/秒の速度でホット真空蒸着によって順にITO陽極上に蒸着を行った。化合物HIを正孔注入層(HIL)として用い、厚みが100Åである。化合物HTを正孔輸送層(HTL)として用い、厚みが400Åである。化合物EBを電子ブロッキング層(EBL)として用い、厚みが50Åである。そして、ドーパンド材料である化合物C8とホスト材料である化合物1-34(重量比2:98)を同時にドーピングして発光層(EML)として用い、厚みが400Åである。化合物HBを正孔ブロッキング層(HBL)として用い、厚みが50Åである。HBL上には、化合物ETおよび8-ヒドロキシキノリン-リチウム(Liq)を共蒸着して電子輸送層(ETL)として用い、厚みが350Åである。最後に、厚み1nmのLiqを蒸着して電子注入層として用い、120nmのAlを蒸着して陰極として用いた。そして、該素子をグローブボックスに遷移させ、ガラスカバーと吸湿剤を用いてカプセル化して該素子を完成させた。
【0154】
素子の実施例2
【0155】
素子の実施例2の実施形態は、発光層において化合物1-35で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例1と同様である。
【0156】
素子の実施例3
【0157】
素子の実施例3の実施形態は、発光層において化合物C27で化合物C8を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例1と同様である。
【0158】
素子の実施例4
【0159】
素子の実施例4の実施形態は、発光層において化合物1-36で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例3と同様である。
【0160】
素子の実施例5
【0161】
素子の実施例5の実施形態は、発光層において化合物1-35で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例3と同様である。
【0162】
素子の実施例6
【0163】
素子の実施例6の実施形態は、発光層において化合物C56で化合物C8を代替してドーパンド材料とし、発光層においてドーパンド材料とホスト材料のドーピング重量比を3:97に調整する以外、素子の実施例1と同様である。
【0164】
素子の実施例7
【0165】
素子の実施例7の実施形態は、発光層において化合物C58で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0166】
素子の実施例8
【0167】
素子の実施例8の実施形態は、発光層において化合物C87で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0168】
素子の実施例9
【0169】
素子の実施例9の実施形態は、発光層において化合物C139で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0170】
素子の実施例10
【0171】
素子の実施例10の実施形態は、発光層において化合物C140で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0172】
素子の実施例11
【0173】
素子の実施例11の実施形態は、発光層において化合物C141で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0174】
素子の実施例12
【0175】
素子の実施例12の実施形態は、発光層において化合物C144で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0176】
素子の実施例13
【0177】
素子の実施例13の実施形態は、発光層において化合物C143で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0178】
素子の実施例14
【0179】
素子の実施例14の実施形態は、発光層において化合物C146で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0180】
素子の実施例15
【0181】
素子の実施例15の実施形態は、発光層において化合物C150で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0182】
素子の実施例16
【0183】
素子の実施例16の実施形態は、発光層において化合物C158で化合物C8を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例1と同様である。
【0184】
素子の実施例17
【0185】
素子の実施例17の実施形態は、発光層において化合物C163で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0186】
素子の実施例18
【0187】
素子の実施例18の実施形態は、発光層において化合物C166で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0188】
素子の実施例19
【0189】
素子の実施例19の実施形態は、発光層において化合物C167で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0190】
素子の実施例20
【0191】
素子の実施例20の実施形態は、発光層において化合物C173で化合物C56を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0192】
素子の比較例1
【0193】
素子の比較例1の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とし、化合物RD-Aで化合物C8を代替してドーパンド材料とする以外、素子の実施例1と同様である。
【0194】
素子の比較例2
【0195】
素子の比較例2の実施形態は、発光層において化合物1-34で化合物H1を代替してホスト材料とする以外、素子の比較例1と同様である。
【0196】
素子の比較例3
【0197】
素子の比較例3の実施形態は、発光層において化合物1-36で化合物H1を代替してホスト材料とする以外、素子の比較例1と同様である。
【0198】
素子の比較例4
【0199】
素子の比較例4の実施形態は、発光層において化合物1-35で化合物H1を代替してホスト材料とする以外、素子の比較例1と同様である。
【0200】
素子の比較例5
【0201】
素子の比較例5の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例1と同様である。
【0202】
素子の比較例6
【0203】
素子の比較例6の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例3と同様である。
【0204】
素子の比較例7
【0205】
素子の比較例7の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例6と同様である。
【0206】
素子の比較例8
【0207】
素子の比較例8の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例7と同様である。
【0208】
素子の比較例9
【0209】
素子の比較例9の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例8と同様である。
【0210】
素子の比較例10
【0211】
素子の比較例10の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例9と同様である。
【0212】
素子の比較例11
【0213】
素子の比較例11の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例10と同様である。
【0214】
素子の比較例12
【0215】
素子の比較例12の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例11と同様である。
【0216】
素子の比較例13
【0217】
素子の比較例13の実施形態は、発光層において化合物H1で化合物1-34を代替してホスト材料とする以外、素子の実施例12と同様である。
【0218】
素子の層構造および厚みを、以下の表に示す。用いられる材料が1種超えの層は、前記重量比で異なる化合物をドーピングすることにより得られる。
【0219】
【0220】
素子に用いられる材料の構造は、以下のように表される。
【化40-1】
【化40-2】
【化40-3】
【0221】
素子のIVLおよび耐用年数の特性を測定した。表2には、15mA/cm2の電流密度下で測定された外部量子効率(EQE)のデータ、5000cd/m2の初期輝度下で測定された耐用年数(LT97)のデータが示される。
【0222】
【0223】
実施例1、2および比較例5におけるデータの比較結果から分かるように、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せを用いることにより、素子のEQEが、比較例5における高いレベル22.45%に達したEQEからさらに向上することができ、それぞれ24.10%、24.37%に達し、向上幅がそれぞれ7.3%、8.5%であり、向上幅が非常に明らかである。さらに重要なことに、本発明における化合物の組合せを用いることにより、素子の耐用年数が比較例5における702時間から大幅に向上し、それぞれ1234時間および795時間に達した。そのため、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せは、素子の外部量子効率を明らかに向上させながら、素子の耐用年数を大幅に向上させることができるという優れた性能を有することが証明されている。実施例3、4、5および比較例6におけるデータの比較結果から分かるように、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せを用いることにより、素子のEQEが、比較例6における高いレベル22.68%に達したEQEからさらに向上し、それぞれ25.50%、25.21%、25.31%に達し、向上幅がそれぞれ12.4%、9.8%、11.6%であり、向上幅が非常に明らかである。さらに重要なことに、本発明における化合物の組合せを用いることにより、実施例3、4、5における耐用年数が比較例6における665時間から大幅に向上し、それぞれ1323時間、689時間および942時間に達した。そのため、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せは、素子の外部量子効率を明らかに向上させながら、素子の耐用年数を大幅に向上させることができるという優れた性能を有することが証明されている。同様に、実施例6と比較例7を比較し、実施例7と比較例8を比較し、実施例8と比較例9を比較し、実施例9と比較例10を比較し、実施例10と比較例11を比較し、実施例11と比較例12を比較し、実施例12と比較例13を比較することにより、いずれも、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せは、素子の外部量子効率を明らかに向上させながら、素子の耐用年数を大幅に向上させることができるという結論が再度と証明されている。それと同時に、この9グループのデータを比較することにより、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せは、普遍的に素子の性能を向上させるという優れた性能を有することが証明されている。
【0224】
これらの結果から、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せは、素子の性能面で大幅な向上を取得することができ、商用ホスト材料が用いられた場合の素子の効果を遥かに超えることが示されている。これらの結果は、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せの優越性を十分に証明した。
【0225】
実施例1、3は、比較例2に対して、実施例における素子の性能が明らかな利点を有した。実施例1、3におけるEQEは、比較例2に対して、それぞれ332.1%、352.1%向上しながら、耐用年数は、比較例2に対しても数百倍向上し、1200時間以上に達し、極めて大幅な向上を実現した。実施例13~20および比較例2の比較から分かるように、実施例における素子の性能が明らかな利点を有した。実施例13~20は、素子の効率が普遍的に比較例2に対して数倍向上し、実施例13~20は、素子の耐用年数が普遍的に比較例2に対して数百倍向上し、特に実施例20は、1603hの長い耐用年数を有しながら、26.10%の非常に高い素子効率を有した。そのため、本発明において特定に選択された第1化合物および第2化合物の組合せは、素子の性能を大幅に向上させることを実現することができることが示されている。これらの結果は、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せの優越性を再度と証明した。
【0226】
比較例1および比較例2~4を比較することにより、同一のドーパンド化合物RD-Aが用いられる場合、本発明に選定された第1化合物がホストとして用いられた比較例2~4は、素子の性能がいずれも商用ホスト材料が用いられた比較例1に対して大幅に降下することが発見されている。実施例1~5および比較例5、6を比較することにより、本発明に選定された第2化合物がドーパンド材料として用いられる場合、実施例1~5における素子の性能が商用ホスト材料が用いられた比較例5、6における素子の性能に対して大幅に向上することが発見されている。上記比較から分かるように、化合物RD-Aと、本発明に選定された第2化合物とが構造上で類似性を有するが、本発明に選定された第2化合物および本発明に選定された第1化合物が組合せて用いられる場合、素子の性能面で予想外の大幅な向上をもたらした。このような類似する化合物の構造は、異なる化合物と組み合わせる場合に、完全に異なる素子の性能の変化を示した。そのため、本発明における第1化合物および第2化合物の組合せが有する予想できない優越性がさらに証明されている。
【0227】
要するに、本発明に選定された第1化合物および第2化合物の組合せは、素子において、優れている素子の性能を示しており、より高い外部量子効率を取得しながら、素子の耐用年数を大幅に向上させることができる。そのため、本発明に選定された第1化合物および第2化合物の組合せは、優れている適用見込みを有することが証明されている。
【0228】
ここで記載される各種の実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するためのものではないことを理解すべきである。そのため、当業者にとって、保護しようとする本発明は、本明細書に記載される具体的な実施例および好ましい実施例の変形を含むことが自明である。本発明の構想を逸脱しない前提で、本明細書に記載される材料および構造の多くは、他の材料および構造で代替することができる。本発明がなぜ機能するかについての様々な理論は、限定的ではないことを理解すべきである。