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特開2022-171657医療システムの構成要素を結合するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171657
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】医療システムの構成要素を結合するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20221104BHJP
   A61M 16/04 20060101ALI20221104BHJP
   A61M 16/08 20060101ALI20221104BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20221104BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A61B34/30
A61M16/04
A61M16/08
A61B34/20
A61B1/01 511
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022127857
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2019540365の分割
【原出願日】2018-02-06
(31)【優先権主張番号】62/455,255
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/455,262
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/584,546
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ロー ダニエル,マシュー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー,デイヴィッド ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ブルメンクランツ,スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,クリストファー アール.
(72)【発明者】
【氏名】イノウエ,マシュー ディー.
(57)【要約】
【課題】ロボット医療処置の間、患者の安全を確保するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本開示のシステムおよび方法は医療処置において使用するためのものであり、接続機構が、第1のジョイントにおいて医療システムインターフェースに接続された第1の端部と、第2のジョイントにおいて解剖学的開口部装置に接続された第2の端部とを備える。解剖学的開口部装置は、患者に固定結合される。可撓性部分が、第1の端部と第2の端部の間に設けられ、可撓性部分は、解剖学的開口部装置の移動に応じて、少なくとも1自由度において可撓性を提供することができる。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的開口部装置にロボット医療器具システムを移動可能に結合する装置であって:
第1の端部、第2の端部、及びそれらの間の通路を有する中空の中間部と;
結合部材であって、前記通路が前記結合部材を通って延びるように、前記中間部の長手方向軸に沿って前記中間部に結合される、結合部材と;
を有し、
前記結合部材は、前記解剖学的開口部装置を前記ロボット医療器具システムに回転可能に接続するように構成された曲面からなる、
装置。
【請求項2】
前記の回転可能な接続は、前記長手方向軸の周りの回転を提供する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の端部は、前記ロボット医療器具システムの細長い装置を受け入れるように構成され、前記第2の端部は、前記解剖学的開口部装置に結合されるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記中間部に結合され、前記長手方向軸に対して垂直なチューブをさらに有し、前記チューブは外部空気源に結合されるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記結合部材は、第1の部材及び第2の部材を含み、前記第1の部材及び前記第2の部材は、前記中間部の前記長手方向軸に沿って離間される、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記結合部材は、磁性材料又は磁界に反応する材料を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記中間部は、前記長手方向軸に沿って延在するフィンのセットを含む、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記フィンのセットは、前記長手方向軸に沿って高さにテーパを付けられる、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィンのセットは、前記長手方向軸に対して実質的に垂直に延在する、
請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記結合部材内に配置されたバレル部をさらに有し、前記バレル部は前記結合部材を前記中間部に結合する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記バレル部は、ねじ山又はかえしによって前記結合部材に結合される、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記結合部材は、磁界に反応する材料のリングを含み、前記リングの上に前記装置の残部が成形される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記結合部材の前記リングは溝付き円筒である、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記結合部材は、前記中間部に結合される第1のバレル部上に成形される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記結合部材は、磁界に反応する成形材料を含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記結合部材は、前記中間部に解放可能に結合されるように構成されたシェルを有する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記シェルは、磁界に反応する材料、磁性材料、及び弾性材料のうちの少なくとも1つを含む、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記シェルはさらに、前記中間部の前記第1の端部及び前記第2の端部の少なくとも1つを完全に取り囲む円筒形セグメントを含む、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記結合部材は、前記ロボット医療器具システムに対する前記解剖学的開口部装置の動きに関連したパラメータが閾値パラメータより大きいとき、前記ロボット医療器具システムから切り離されるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項20】
医療処置において使用するための装置であって:
接続機構であり:
ロボット医療システムへの取り付け用に構成された第1のコネクタ部分、及び
患者に結合された解剖学的開口部装置への取り付け用に構成された第2のコネクタ部分と、を含み、前記第1のコネクタ部分は前記第2のコネクタ部分に接続される、
接続機構と;
前記ロボット医療システムに対する前記患者に関連したパラメータを感知するように構成された感知機構と;
を有し、
前記第1のコネクタ部分は、感知された前記パラメータに基づいて前記第2のコネクタ部分から切り離されるように構成される、
装置。
【請求項21】
前記第1のコネクタ部分又は前記第2のコネクタ部分の少なくとも1つは、永久磁石又は電磁構成要素を含む、
請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記感知機構は、力センサ、加速度計、筋電センサ、バンド伸び計、患者パッド、及び変位センサからなるグループからのセンサを有する、
請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記感知機構は、前記感知されたパラメータの値を前記感知されたパラメータの所定の閾値と比較し、前記感知されたパラメータに関する前記値が前記感知されたパラメータの前記所定の閾値以上であると判定されるときに前記第1のコネクタ部分及び前記第2のコネクタ部分を切り離すように構成されるプロセッサを有する、
請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記第2のコネクタ部分は、前記ロボット医療システムと前記解剖学的開口部装置との間で少なくとも1自由度に適応するように構成される可撓性部分を含む、
請求項20乃至23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記ロボット医療システムと前記解剖学的開口部装置との間の動きに適応することは、前記ロボット医療システムに対する前記患者の小さい変位の間に生じる、
請求項24に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本特許出願は、2017年2月6日出願の“Systems and Methods for Providing Flexible Connections Between
Components of a Teleoperational Surgical Procedure”と題する米国仮特許出願第62/455,255号;2017年2月6日出願の“Systems and Methods for Providing
Flexible Connections Between Components of a Teleoperational Surgical
Procedure”と題する米国仮特許出願第62/455,262号;及び2017年11月10日出願の“Systems and Methods for Coupling Components in a Minimally Invasive
Medical System”と題する米国仮特許出願第62/584,546号の出願日の利益及び優先権を主張し、これらの出願のそれぞれはその全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ロボット医療処置の間、患者動きへの適応を提供するために、柔軟に接続された要素を使用するシステム及び方法に関する。特に、本開示は、患者が動く間にロボット医療システムと患者に接続された気道確保(airway management)装置(例えば、気管内チューブ)との間の動きに適応する(accommodate)可撓性接続部(flexible connections)の制御された動きを提供することに関する。本開示はまた、ロボット医療処置の間に可撓性接続部の制御された保持及び解放を提供するシステム及び方法に関する。特に、本開示は、必要に応じて、ロボット医療システムと気道確保装置との間の可撓性接続部を解放する(すなわち、分離する)機械的及び電気機械的機構を提供することに関する。上記の例示的な方法では、本開示は、ロボット医療処置の間、患者の安全を確保するためのシステム及び方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
低侵襲医療技術は、医療処置中に損傷を受ける組織の量を減らし、それによって患者の回復時間、不快感、及び有害な副作用を減らすことを意図している。このような低侵襲技術は、患者の解剖学的構造の自然開口部を介して、又は1つ若しくは複数の外科的切開部を介して実施することができる。これらの自然開口部又は切開部を通して、オペレータは、標的組織位置に到達するために、低侵襲の医療器具(外科的、診断的、治療的又は生検器具を含む)を挿入することができる。一つのこのような低侵襲技術は、解剖学的通路に挿入され、患者の解剖学的構造内の関心領域に向かってナビゲートされることができる可撓性カテーテルなどの可撓性且つ/又は操縦可能な細長い装置を使用することである。医療従事者によるこのような細長い装置の制御は、少なくとも細長い装置の挿入及び引き込み(retraction)の管理並びに装置の操縦を含む数自由度の管理を含む。加えて、異なる動作モードがサポートされることもあり得る。
【0004】
一例では、気管内チューブ(ETチューブ)が、患者の鼻又は口を通して挿入され、気管内に配置され得る。次に、医療器具又は装置が気管内チューブを通して挿入され、気管及び他の気管支通路を観察し、並びに/又は生検を行い、並びに/又は肺疾患及び感染症を診断するために使用されることができる。ETチューブは、例えば機械的換気中の使用や医療処置中の声帯などの患者の解剖学的構造に対する損傷を防止するための気道確保に使用される。喉頭マスク(laryngeal mask airway)(LMA)もまたETチューブの代わりに使用され得る。集合的に、ETチューブやLMAなどの装置は、気道確保装置と呼ばれることがある。気道確保装置は、患者の解剖学的構造における自然な又は外科的に作られた開口部の入口管理及びサポート(entryway management and support)を提供する解剖学的開口部装置(anatomic orifice device)の一タイプであり得る。
【0005】
従来、外科的又は他の医療処置で使用される医療器具は、オペレータによって手動で制御される。手動処置中、オペレータは、医療処置を行うために、医療器具、気管支器具、及び/又は診断器具を、器具を気道確保装置から導入してそれらを操作する。その結果、オペレータは、呼吸などの予想される動作中、及び咳などの予想外の動作中に、患者の解剖学的構造に関する医療器具の動きに影響を与えるパラメータ(例えば、力/圧力/変位など)を感知し、それによって制御することができる。従って、オペレータは、患者の動きを補償することができ、医療器具及び気道確保装置の相対的な動きを防止する。しかし、処置がロボット式(例えば、遠隔操作式)である場合、気道確保装置は、ロボット医療システムに直接接続されることがあり、ロボットシステムに対して固定され、静止していることがある。
【0006】
この場合、予期せぬ患者の動きは、気道確保装置を患者の気道から移動させることがあり、これは、機械的換気の喪失及び/又は患者の気管の損傷を引き起こす可能性がある。従って、医療処置中の患者の安全を確保する気道確保装置とロボット医療システムとの間の接続を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、明細書に続く特許請求の範囲によって最もよく要約される。
【0008】
いくつかの実施形態と一致して、本開示のシステム及び方法は、ロボット医療処置において使用するためのものである。このような一実施形態では、解剖学的開口部装置にロボット医療システムを移動可能に結合する装置が、ロボット医療システムに接続されるように構成された第1の端部と、解剖学的開口部装置に接続されるように構成された第2の端部とを含む。解剖学的開口部装置は、患者に固定結合される(fixedly coupled)。この装置は、さらに、少なくとも1自由度でロボット医療システムと解剖学的開口部装置との間の動きに適応するように構成された第1の端部と第2の端部との間の中間部を含む。
【0009】
いくつかの実施形態と一致して、本開示のシステム及び方法は、ロボット医療処置において使用するためのものである。このような一実施形態では、ロボット医療器具システムを解剖学的開口部装置に移動可能に結合する装置が、第1の端部、第2の端部、及びそれらの間の通路を有する中空の中間部と、結合部材であって、通路が結合部材を通って延びるように、中間部の長手方向軸に沿って中間部に結合される結合部材と、を含む。結合部材は、解剖学的開口部装置をロボット医療器具システムに回転可能に接続するように構成された曲面から構成される。
【0010】
いくつかの実施形態と一致して、本開示のシステム及び方法は、ロボット医療処置において使用するためのものである。このような一実施形態では、装置が、ロボット医療システムへの取り付け用に構成された第1のコネクタ部分と、患者に結合された解剖学的開口部装置への取り付け用に構成された第2のコネクタ部分とを含む接続機構を含む。第1のコネクタ部分は、第2のコネクタ部分に接続される。この装置はさらに、ロボット医療システムに対する患者に関連したパラメータを感知するように構成された感知機構を含み、第1のコネクタ部分は、感知されたパラメータに基づいて第2のコネクタ部分から切り離されるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態と一致して、本開示のシステム及び方法は、ロボット医療処置において使用するためのものである。このような一実施態様では、第1のコネクタ部分及び第2のコネクタ部分を有する医療装置の使用のための方法が、第1のコネクタ部分をロボット医療システムに取り付けること、及び第2のコネクタ部分を解剖学的開口部装置に取り付けることを含む。解剖学的開口部装置は、患者に結合される。第1のコネクタ部分は第2のコネクタ部分に接続され、ロボット医療システムに対する患者に関連したパラメータが感知され、第1のコネクタ部分は、感知されたパラメータに基づいて第2のコネクタ部分から切り離される。
【0012】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、本質的に例示的且つ説明的なものであり、本開示の範囲を限定することなく、本開示の理解を提供することを意図するものであることを理解されたい。これに関して、本開示のさらなる態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】いくつかの実施形態による、ロボット及び/又は遠隔操作医療システムの簡略図である。
図2A】いくつかの実施形態による医療器具システムの簡略図である。
図2B】いくつかの実施形態による、伸張された医療ツールを備えた医療器具の簡略図である。
図3A】いくつかの実施形態による挿入アセンブリに取り付けられた医療器具を含む患者座標空間の側面視の簡略図である。
図3B】いくつかの実施形態による挿入アセンブリに取り付けられた医療器具を含む患者座標空間の側面視の簡略図である。
図4】本開示の一実施形態による気道確保装置を示す。
図5】本開示の一実施形態によるマニピュレータアセンブリを示す。
図6A】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図6B】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図6C-1】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図6C-2】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図6D】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図7A】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図7B】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図7C】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図7D】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図8A】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図8B】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図8C】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図8D】本開示の一実施形態による接続機構の様々な態様を示す。
図9A】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図9B】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図9C】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図9D】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図10A】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図10B】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図10C】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図10D】本開示の一実施形態による運動学的接続機構の様々な態様を示す。
図11】本開示の一実施形態による感知機構のブロック図を示す。
図12A】本開示の一実施形態による方法を示す。
図12B】本開示の一実施形態による感知機構によって実行される方法を示す。
図13】本開示の一実施形態による機構を示す。
図14】本開示の一実施形態による機構を示す。
図15】本開示の一実施形態によるスプリング機構を示す。
図16】本開示の一実施形態によるシステムのブロック図を示す。
図17】本開示の一実施形態による、装置ポートを介した細長い装置と他の構成要素との間の結合を示す。
図18】本開示の一実施形態による吸引アダプタを示す。
図19A】本開示のいくつかの実施形態による接続機構を示す。
図19B】本開示のいくつかの実施形態による接続機構を示す。
図20A】本開示のいくつかの実施形態による接続機構を示す。
図20B】本開示のいくつかの実施形態による接続機構を示す。
図21A】本開示のいくつかの実施形態による製造の種々の段階における接続機構を示す。
図21B】本開示のいくつかの実施形態による製造の種々の段階における接続機構を示す。
図22A】本開示のいくつかの実施形態による製造の種々の段階における接続機構を示す。
図22B】本開示のいくつかの実施形態による製造の種々の段階における接続機構を示す。
図23A】本開示のいくつかの実施形態による製造の種々の段階における接続機構を示す。
図23B】本開示のいくつかの実施形態による製造の種々の段階における接続機構を示す。
図24A】本開示のいくつかの実施形態による2部品コネクタを示す。
図24B】本開示のいくつかの実施形態による2部品コネクタを示す。
図25A】本開示のいくつかの実施形態による接続機構と係合するためのブラケットを示す。
図25B】本開示のいくつかの実施形態による接続機構と係合するためのブラケットを示す。
図26】本開示のいくつかの実施形態による接続機構と係合するためのブラケットを示す。
図27】本開示の一実施形態によるコネクタを設置する方法を示す。
【0014】
本開示の実施形態及びそれらの利点は、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。同様の参照番号は、図の1つ又は複数に示された同様の要素を識別するために使用され、図中の提示は、本開示の実施形態を説明するためのものであり、それを限定するためのものではないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、本開示と一致するいくつかの実施形態を記述する具体的な詳細が記載される。実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、当業者にとって、いくつかの実施形態は、これらの具体的な詳細の一部又は全部を伴わずに実施され得ることは明らかであろう。本明細書に開示される具体的な実施形態は、例示的なものであるが、限定するものではない。当業者は、本明細書に具体的に記載されていないが、本開示の範囲及び精神に含まれる他の要素を理解することができる。さらに、不必要な繰り返しを避けるために、一実施形態に関連して示され、説明された1つ又は複数の特徴は、特に別段に記載されない限り、又は1つ又は複数の特徴が実施形態を非機能にする場合を除き、他の実施形態に組み込まれ得る。
【0016】
いくつかの例において、よく知られた方法、手順、構成要素、及び回路は、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、詳細に説明されていない。
【0017】
本開示は、3次元空間におけるそれらの状態の観点から、様々な器具及び器具の部分を記述する。本明細書で使用される場合、用語「位置」は、3次元空間(例えば、デカルトX、Y、及びZ座標に沿った3つの並進自由度)における物体又は物体の一部の位置を指す。本明細書で使用される場合、用語「向き(orientation)」は、物体又は物体の一部の回転配置(回転3自由度‐例えば、ロール、ピッチ、及びヨー)を指す。本明細書で使用される場合、用語「姿勢」は、少なくとも1つの並進自由度における物体又は物体の一部の位置、及び少なくとも1つの回転自由度における物体又は物体の一部の向きを指す(トータル6自由度まで)。本明細書で使用される場合、用語「形状」は、物体に沿って測定される一組の姿勢、位置、又は向きを指す。
【0018】
図1は、いくつかの実施形態によるロボット及び/又は遠隔操作医療システム100の簡略図である。いくつかの実施形態では、医療システム100は、例えば、外科的、診断的、治療的又は生検処置における使用に適し得る。いくつかの実施形態がこのような処置に関して本明細書に提供されるが、内科的又は外科的器具及び内科的又は外科的方法へのいずれの参照も限定されない。本明細書に記載のシステム、器具、及び方法は、動物、ヒトの死体、動物の死体、ヒト又は動物の解剖学的構造の一部、非外科的診断、並びに産業システム及び一般ロボット、一般遠隔操作、又はロボット医療システムに使用することができる。
【0019】
図1に示すように、医療システム100は、概して、患者Pに対して種々の処置を実行する際に医療器具104を操作するためのマニピュレータアセンブリ102を含む。マニピュレータアセンブリ102は、遠隔操作、非遠隔操作、又は、電動操作及び/又は遠隔操作され得る選択された運動自由度と、非電動及び/又は非遠隔操作され得る選択された運動自由度とを有するハイブリッド遠隔操作及び非遠隔操作アセンブリであり得る。マニピュレータアセンブリ102は、手術台Tに又はその近くに取り付けられる。マスタアセンブリ106は、オペレータO(例えば、図1に示されているように、外科医、臨床医、及び/又は内科医)が介入部位を見て、マニピュレータアセンブリ102を制御することを可能にする。
【0020】
マスタアセンブリ106は、患者Pが位置する手術台の側面など、手術台Tと同じ部屋に通常位置するオペレータコンソールに配置され得る。しかし、オペレータOは、患者Pとは異なる部屋又は全く異なる建物内に位置し得ることを理解されたい。マスタアセンブリ106は、概して、マニピュレータアセンブリ102を制御するための1つ又は複数の制御装置を含む。制御装置は、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガガン、手動コントローラ(hand-operated controllers)、音声認識装置、体動又は存在センサなどのような、任意の数の種々の入力装置を含み得る。オペレータOに器具104を直接制御しているという強い感覚を与えるために、制御装置は、関連する医療器具104と同じ自由度を備え得る。このようにして、制御装置は、オペレータOにテレプレゼンス又は制御装置が医療器具104と一体であるという知覚を与える。
【0021】
いくつかの実施形態では、制御装置は、関連する医療器具104より多い又は少ない自由度を有し、依然としてオペレータOにテレプレゼンスを提供し得る。いくつかの実施形態では、制御装置は、オプションで、6自由度で動く手動入力装置であってもよく、また、これは、器具を作動させる(例えば、把持ジョーを閉じる、電極に電位を印加する、医学的処置を送達する、など)ための作動可能なハンドルを含んでもよい。
【0022】
マニピュレータアセンブリ102は、医療器具104を支持し、1つ又は複数の非サーボ制御リンク(例えば、手動で位置決めされて所定の位置でロックされ得る1つ又は複数のリンク、一般にセットアップ構造と呼ばれる)、及び/又は1つ又は複数のサーボ制御リンク(例えば、制御システムからのコマンドに応じて制御され得る1つ又は複数のリンク)、及びマニピュレータの運動学的構造を含み得る。マニピュレータアセンブリ102は、必要に応じて、制御システム(例えば、制御システム112)からのコマンドに応答して医療器具104の入力部を駆動する複数のアクチュエータ又はモータを含み得る。アクチュエータは、オプションで、医療器具104に結合されると、医療器具104を自然の又は外科的に作られた解剖学的開口部に前進させ得る駆動システムを含み得る。他の駆動システムが、3自由度の直線運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸に沿った直線運動)及び3自由度の回転運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸周りの回転)を含み得る多自由度で医療器具104の遠位端を移動させ得る。加えて、アクチュエータは、生検装置のジョー部において組織を把持するために医療器具104の関節式エンドエフェクタ及び/又は同様のものを作動させるために使用されることができる。レゾルバ、エンコーダ、ポテンショメータ、及び他の機構などのアクチュエータ位置センサは、モータシャフトの回転及び向きを示すセンサデータを医療システム100に提供し得る。この位置センサデータは、アクチュエータによって操作される物体の運動を決定するために使用され得る。
【0023】
医療システム100は、マニピュレータアセンブリ102の器具に関する情報を受信するための1つ又は複数のサブシステムを持つセンサシステム108を含み得る。このようなサブシステムは、位置/ロケーション(position/location)センサシステム(例えば、電磁(EM)センサシステム);遠位端及び/又は医療器具104を構成することができる可撓性ボディに沿った1つ若しくは複数のセグメントの位置、向き、速さ、速度、姿勢、及び/又は形状を決定するための形状センサシステム;及び/又は医療器具104の遠位端からの画像を取り込むための可視化システム;を含み得る。
【0024】
医療システム100はまた、センサシステム108のサブシステムによって生成された手術部位及び医療器具104の画像又は表現(representation)を表示するためのディスプレイシステム110を含む。ディスプレイシステム110及びマスタアセンブリ106は、オペレータOがテレプレゼンスの知覚を伴って医療器具104及びマスタアセンブリ106を制御できるように配向され(oriented)得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、医療器具104は、手術部位の同時又はリアルタイム画像を記録し、ディスプレイシステム110の1つ又は複数のディスプレイなどの医療システム100の1つ又は複数のディスプレイを介して画像をオペレータ又はオペレータOに提供するイメージングシステム(imaging system)の構成要素を含み得る。イメージングシステムは、制御システム112のプロセッサを含み得る1つ若しくは複数のコンピュータプロセッサと相互作用するか又はそれによって他の方法で実行される、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせとして実装され得る。
【0026】
ディスプレイシステム110はまた、可視化システムによって取り込まれた手術部位及び医療器具の画像を表示し得る。いくつかの例において、医療システム100は、医療器具の相対位置がオペレータOの眼及び手の相対的位置と類似するように医療器具104及びマスタアセンブリ106の制御部を構成し得る。この方法では、オペレータOは、実質的に真の存在下で作業空間を見ているかのように医療器具104及びハンド制御部を操作し得る。
【0027】
医療システム100はまた、制御システム112を含み得る。制御システム112は、医療器具104、マスタアセンブリ106、センサシステム108、及びディスプレイシステム110間の制御を行うための少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(図示せず)を含む。制御システム112はまた、ディスプレイシステム110に情報を提供するための命令を含む、本明細書に開示される態様に従って説明される方法の一部又は全部を実施するためのプログラムされた命令(例えば、命令を記憶する非一時的機械可読媒体)を含む。制御システム112は、図1の単純化された概略図において単一ブロックとして示されているが、システムは、処理の1つの部分がオプションでマニピュレータアセンブリ102上で又はマニピュレータアセンブリ102に隣接して実行され、処理の別の部分がマスタアセンブリ106で実行される等の2つ以上のデータ処理回路を含み得る。制御システム112のプロセッサは、本明細書に開示され、以下により詳細に説明するプロセスに対応する命令を含む命令を実行し得る。多種多様な集中型又は分散型データ処理アーキテクチャのいずれかが用いられ得る。同様に、プログラムされた命令は、多数の別個のプログラム又はサブルーチンとして実装されてもよく、又はこれらは、本明細書に記載されるロボット医療システムの他のいくつかの態様に統合されてもよい。一実施形態では、制御システム112は、Bluetooth(登録商標)、IrDA、HomeRF、IEEE 802.11、DECT、及びワイヤレステレメトリのようなワイヤレス通信プロトコルをサポートする。
【0028】
いくつかの実施形態では、制御システム112は、医療器具104からフォース(力)フィードバック及び/又はトルクフィードバックを受け得る。フィードバックに応答して、制御システム112は、マスタアセンブリ106に信号を送信し得る。いくつかの例では、制御システム112は、マニピュレータアセンブリ102の1つ又は複数のアクチュエータに医療器具104を動かすように指示する信号を送信し得る。医療器具104は、患者Pの体内の開口部を経由して患者Pの体内の内部手術部位に延び得る。任意の適切な従来のアクチュエータ及び/又は専用アクチュエータが使用され得る。いくつかの例では、1つ又は複数のアクチュエータは、マニピュレータアセンブリ102から分離されていてもよく、又はマニピュレータアセンブリ102と一体化されていてもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアクチュエータ及びマニピュレータアセンブリ102は、患者P及び手術台Tに隣接して配置された遠隔操作カートの一部として提供される。
【0029】
制御システム112は、オプションで画像誘導医療処置の間に医療器具104を制御するときオペレータOにナビゲーション支援を提供する仮想可視化システムをさらに含み得る。仮想可視化システムを使用する仮想ナビゲーションは、解剖学的通路の獲得された術前又は術中のデータセットへの参照に基づき得る。仮想可視化システムは、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、蛍光透視、サーモグラフィ、超音波、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、サーマルイメージング、インピーダンスイメージング、レーザイメージング、ナノチューブX線イメージングなどのようなイメージング技術を用いてイメージングされた手術部位の画像を処理する。手動入力と組み合わせて使用されるソフトウェアが、記録された画像を、部分的又は全体の解剖学的臓器又は解剖学的領域のセグメント化された二次元又は三次元合成表現に変換するために使用される。画像データセットは、合成表現に関連付けられる。合成表現及び画像データセットは、通路の様々な位置及び形状、並びにそれらの接続性を記述する。合成表現を生成するために使用される画像は、臨床処置中に術前又は術中に記録され得る。いくつかの実施形態では、仮想可視化システムは、標準表現(すなわち、患者固有ではない)又は標準表現と患者固有データのハイブリッドを使用し得る。合成表現及び合成表現によって生成される任意の仮想画像は、動きの1つ又は複数のフェーズの間(例えば、肺の吸気/呼気サイクルの間)の変形可能な解剖学的領域の静的姿勢を表し得る。
【0030】
仮想ナビゲーション手順の間、センサシステム108は、患者Pの解剖学的構造に対する医療器具104のおおよその位置を計算するために使用され得る。この位置は、患者Pの解剖学的構造のマクロレベル(外部)追跡画像及び患者Pの解剖学的構造の仮想内部画像の両方を生成するために使用されることができる。システムは、1つ又は複数の電磁(EM)センサ、光ファイバセンサ、及び/又は他のセンサを実装して、仮想可視化システムからの画像のような術前に記録された手術画像と共に医療器具を位置合わせし、表示し得る。例えば、国際公開第2016/191298号(2016年12月1日発行)(“Systems and Methods of Registration
for Image Guided Surgery”を開示)及び米国特許出願第13/107,562号(2011年5月13日出願)(“Medical System Providing Dynamic Registration of a Model of an
Anatomic Structure for Image-Guided Surgery”を開示)は、このようなシステムを開示し、これらのそれぞれはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。医療システム100は、さらに、照明システム、操縦(steering)制御システム、洗浄(irrigation system)システム、及び/又は吸引システムなどの任意の操作及びサポートシステム(図示せず)を含み得る。いくつかの実施態様では、医療システム100は、2つ以上のマニピュレータアセンブリ及び/又は2つ以上のマスタアセンブリを含み得る。遠隔操作マニピュレータアセンブリの正確な数は、特に、医療処置及び手術室内の空間制約に依存するであろう。マスタアセンブリ106は、並べられ(collocated)てもよく、又は別々の場所に配置されてもよい。複数のマスタアセンブリは、1より多いオペレータが、種々の組み合わせで1つ又は複数の遠隔操作マニピュレータアセンブリを制御することを可能にする。
【0031】
図2Aは、いくつかの実施形態による医療器具システム200の簡略図である。いくつかの実施態様では、医療器具システム200は、医療システム100で実施される画像誘導医療処置における医療器具104として使用され得る。いくつかの例では、医療器具システム200は、非遠隔操作診査処置(non-teleoperational exploratory procedures)のために、又は内視鏡のような従来の手動操作医療器具を用いる(involving)処置において使用され得る。オプションで、医療器具システム200は、患者Pのような患者の解剖学的通路内の位置に対応するデータポイントのセットを収集(すなわち、測定)するために使用され得る。
【0032】
医療器具システム200は、駆動ユニット204に結合された、可撓性カテーテルなどの細長い装置202を含む。細長い装置202は、近位端217及び遠位端又は先端部分218を有する可撓性ボディ216を含む。いくつかの実施態様では、可撓性ボディ216は、約3mmの外径を有する。他の可撓性ボディ216の外径は、より大きくても小さくてもよい。
【0033】
医療器具システム200は、以下にさらに詳細に説明するように、1つ又は複数のセンサ及び/又はイメージング装置を用いて、遠位端218及び/又は可撓性ボディ216に沿った1つ又は複数のセグメント224の位置、向き、速さ、速度、姿勢及び/又は形状を決定するためのトラッキングシステム230をさらに含む。遠位端218と近位端217との間の可撓性ボディ216の全長は、セグメント224に効果的に分割され得る。医療器具システム200が医療システム100の医療器具104と一致する場合、トラッキングシステム230は、オプションで、図1の制御システム112のプロセッサを含み得る、1つ又は複数のコンピュータプロセッサと相互作用する、又は他の方法で実行されるハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせとして実装され得る。
【0034】
トラッキングシステム230は、オプションで、形状センサ222を用いて、遠位端218及び/又はセグメント224のうちの1つ又は複数を追跡し得る。形状センサ222は、オプションで、可撓性ボディ216(例えば、内部チャネル(図示せず)内に設けられるか又は外部に取り付けられる)と整列された光ファイバを含み得る。一実施形態では、光ファイバは、約200μmの直径を有する。他の実施形態では、寸法は、より大きくても小さくてもよい。形状センサ222の光ファイバは、可撓性ボディ216の形状を決定するための光ファイバ屈曲センサを形成する。一つの代替形態では、ファイバブラッグ格子(FBG)を含む光ファイバが、1又は複数の次元における構造の歪測定を提供するために使用される。3次元における光ファイバの形状及び相対位置を監視するための種々のシステム及び方法は、米国特許出願第11/180,389号(2005年7月13日出願)(“Fiber optic position and shape
sensing device and method relating thereto”を開示);米国特許出願第12/047,056号(2004年7月16日出願)(“Fiber-optic shape and relative position sensing”を開示);及び米国特許第6,389,187号(1998年6月17日出願)(“Optical Fibre Bend Sensor”を開示)に記載されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態におけるセンサは、レイリー散乱、ラマン散乱、ブリルアン散乱、及び蛍光散乱などの他の適切な歪み感知技術を使用し得る。いくつかの実施形態では、細長い装置の形状は、他の技術を用いて決定され得る。例えば、可撓性ボディ216の遠位端姿勢の履歴が、時間間隔にわたって可撓性ボディ216の形状を再構成するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、トラッキングシステム230は、オプションで及び/又は追加的に、位置センサシステム220を使用して、遠位端218を追跡し得る。位置センサシステム220は、外部発生電磁場に曝され得る1つ又は複数の導電性コイルを含む位置センサシステム220を持つEMセンサシステムの構成要素であり得る。次いで、EMセンサシステムの各コイルは、外部発生電磁場に対するコイルの位置及び向きに依存する特性を有する誘導電気信号を生成する。いくつかの実施形態では、位置センサシステム220は、6自由度、例えば、基点の3つの位置座標X、Y、Z及びピッチ、ヨー、及びロールを示す3つの配向角度(orientation angles)、又は5自由度、例えば、基点の3つの位置座標X、Y、Z及びピッチ及びヨーを示す2つの配向角度を測定するように構成され且つ位置決めされ得る。位置センサシステムのさらなる説明は、米国特許第6,380,732号(1999年8月11日出願)(“Six-Degree of Freedom Tracking
System Having a Passive Transponder on the Object Being Tracked”を開示)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
いくつかの実施形態では、トラッキングシステム230は、代替的に及び/又は追加的に、呼吸などの交互の運動のサイクルに沿って器具システムの既知の点に対して記憶された履歴的な姿勢、位置、又は向きデータに依存し得る。この記憶されたデータは、可撓性ボディ216に関する形状情報を作るために使用され得る。いくつかの例では、位置センサ220のセンサと同様の電磁(EM)センサなどの一連の位置センサ(図示せず)が、可撓性ボディ216に沿って配置され、次いで、形状感知に使用され得る。いくつかの例では、処置中に取られたこれらのセンサのうちの1つ又は複数からのデータの履歴は、特に解剖学的通路が概して静止している場合、細長い装置202の形状を表すために使用され得る。
【0036】
可撓性ボディ216は、医療器具226を受け入れるように寸法決めされ且つ形成されたチャネル221を含む。図2Bは、いくつかの実施形態に従って延びた医療器具226を有する可撓性ボディ216の簡略図である。いくつかの実施形態では、医療器具226は、手術、生検、アブレーション、照明、洗浄、又は吸引などの処置に使用され得る。医療器具226は、可撓性ボディ216のチャネル221を通って展開され、解剖学的構造内のターゲット位置で使用されることができる。医療器具226は、例えば、画像取り込みプローブ、生検器具、レーザアブレーションファイバ、及び/又は他の外科的、診断的、又は治療的ツールを含み得る。医療ツールは、メス、ブラントブレード、光ファイバ、電極等のような単一の作動部材を有するエンドエフェクタを含み得る。他のエンドエフェクタは、例えば、鉗子、把持器、ハサミ、クリップアプライヤなどを含み得る。他のエンドエフェクタは、さらに、電気手術電極、トランスデューサ、センサ等のような電気的に活性化されたエンドエフェクタを含み得る。種々の実施形態では、医療器具226は、生検器具であり、これは、標的解剖学的位置からサンプル組織を除去するため又は細胞のサンプリングに使用され得る。医療器具226は、同様に可撓性ボディ216内にあるイメージング器具(例えば、画像取り込みプローブ)と共に使用され得る。様々な実施形態では、医療器具226は、それ自体は、表示のためにイメージングシステム231によって処理され、及び/又は、遠位端218及び/又はセグメント224の1つ又は複数のトラッキングをサポートするためにトラッキングシステム230に提供される画像(ビデオ画像を含む)を取り込むために、可撓性ボディ216の遠位端218又はその近くに立体カメラ又はモノスコープカメラを備えた遠位部分を含むイメージング器具(例えば、画像取り込みプローブ)であり得る。イメージング器具は、取り込まれた画像データを送信するためにカメラに結合されたケーブルを含み得る。いくつかの例では、イメージング器具は、イメージングシステム231に結合するファイバースコープなどの光ファイバ束であり得る。イメージング器具は、例えば、可視、赤外、及び/又は紫外スペクトルの1つ又は複数で画像データを取り込む、単一又はマルチスペクトルであり得る。代替的には、医療器具226は、それ自体が画像取り込みプローブであり得る。医療器具226は、処置を実行するためにチャネル221の開口部から前進され、次いで、手順が完了したときにチャネルに戻され得る。医療器具226は、可撓性ボディ216の近位端217から、又は可撓性ボディ216に沿った別のオプションの器具ポート(図示せず)から取り外され得る。
【0037】
医療器具226は、追加的に、医療器具226の遠位端を制御可能に曲げるために
その近位端と遠位端との間に延びるケーブル、リンク機構、又は他の作動制御部(図示せず)を収容し得る。操縦可能な器具は、米国特許第7,316,681号(2005年10月4日出願)(“Articulated Surgical Instrument for Performing
Minimally Invasive Surgery with Enhanced Dexterity and Sensitivity”を開示)及び米国特許出願第12/286,644号(2008年9月30日出願)(“Passive Preload and Capstan Drive
for Surgical Instruments”を開示)に詳細に記載され、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
可撓性ボディ216はまた、例えば、遠位端218の破線図219によって示されるように、遠位端218を制御可能に曲げるために駆動ユニット204と遠位端218との間に延びるケーブル、リンク、又は他の操縦制御部(図示せず)を収容し得る。いくつかの例では、遠位端218のピッチを制御するための独立した「アップ-ダウン(up-down)」ステアリング(steering)と、遠位端218のヨーを制御するための「左-右(left-right)」ステアリングを提供するために、少なくとも4つのケーブルが使用される。操縦可能な細長い装置は、米国特許出願第13/274,208号(2011年10月14日出願)(“Catheter with Removable Vision
Probe”を開示)に詳細に記載され、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。医療器具システム200が遠隔操作アセンブリによって作動される実施形態では、駆動ユニット204は、遠隔操作アセンブリのアクチュエータなどの駆動要素に取り外し可能に結合し、該駆動要素から電力を受け取る駆動入力部を含み得る。いくつかの実施形態では、医療器具システム200は、医療器具システム200の運動を手動で制御するための把持機構、手動アクチュエータ、又は他の構成要素を含み得る。細長い装置202は、操縦可能であり得る、あるいは、このシステムは、遠位端218の曲げのオペレータ制御のための統合された機構を持たずに操縦不可能であってもよい。いくつかの例では、それを通って医療器具が標的手術位置に展開されそこで使用されることができる、1つ又は複数の管腔が可撓性ボディ216の壁内に画定される。
【0039】
いくつかの実施態様では、医療器具システム200は、肺の検査、診断、生検、又は処置に使用するための気管支鏡又は気管支カテーテルなどの可撓性気管支器具を含み得る。医療器具システム200はまた、自然の又は外科的に作製された接続通路を介して、結腸、腸、腎臓及び腎杯、脳、心臓、脈管系を含む循環系などを含む種々の解剖学的システムのいずれかにおける、他の組織のナビゲーション及び治療に適している。
【0040】
トラッキングシステム230からの情報は、ナビゲーションシステム232に送られることができ、ここで、イメージングシステム231及び/又は術前に得られたモデルからの情報と組み合わされて、オペレータにリアルタイムの位置情報を提供する。いくつかの例では、リアルタイム位置情報は、医療器具システム200の制御に使用するために、図1のディスプレイシステム110に表示され得る。いくつかの例では、図1の制御システム112は、医療器具システム200を位置決めするためのフィードバックとして位置情報を利用し得る。手術器具を手術画像と位置合わせし表示するために光ファイバセンサを使用する様々なシステムは、国際公開第2016/191298号(2016年12月1日発行)(“Systems and Methods of Registration
for Image Guided Surgery”を開示)及び米国特許出願第13/107,562号(2011年5月13日出願)(“Medical System Providing Dynamic Registration of a Model of an
Anatomic Structure for Image-Guided Surgery”を開示)に提供され、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
いくつかの例では、医療器具システム200は、図1の医療システム100内で遠隔操作され得る。いくつかの実施形態では、図1のマニピュレータアセンブリ102は、直接オペレータ制御によって置き換えられ得る。いくつかの例では、直接オペレータ制御は、器具のハンドヘルド操作のための種々のハンドル及びオペレータインタフェースを含み得る。
【0042】
図3A及び3Bは、いくつかの実施形態による挿入アセンブリに取り付けられた医療器具を含む患者座標空間の側面図の簡略図である。図3A及び3Bに示すように、手術環境300は、図1の台T上に配置された患者Pを含む。患者Pは、患者全体の動きが鎮静、拘束、及び/又は他の手段によって制限されるという意味で、手術環境内で静止し得る。患者Pの呼吸及び心臓の動きを含む周期的な解剖学的動きは、患者が息を止めるように頼まれない限り、又は機械的人工換気を停止させて一時的に呼吸の動きを停止させない限り、継続し得る。従って、いくつかの実施形態では、データが、呼吸の特定のフェーズ(phase)で収集され、そのフェーズでタグ付けされ、識別され得る。いくつかの実施形態では、データが収集されるフェーズは、患者Pから収集される生理学的情報から推測され得る。手術環境300内で、点収集器具304は、器具キャリッジ306に結合される。いくつかの実施形態では、点収集器具304は、EMセンサ、形状センサ、及び/又は他のセンサモダリティを使用し得る。器具キャリッジ306は、手術環境300内に固定された挿入ステージ308に取り付けられる。代替的には、挿入ステージ308は移動可能であり得るが、手術環境300内の既知の位置(例えば、トラッキングセンサ又は他のトラッキングデバイスを介して)を有し得る。器具キャリッジ306は、挿入運動(すなわち、A軸に沿った運動)及びオプションで、ヨー、ピッチ、及びロールを含む多方向における細長い装置310の遠位端318の運動を制御するために点収集器具304に結合するマニピュレータアセンブリ(例えば、マニピュレータアセンブリ102)の構成要素であり得る。器具キャリッジ306又は挿入ステージ308は、挿入ステージ308に沿った器具キャリッジ306の運動を制御するサーボモータ(図示せず)などのアクチュエータを含み得る。
【0043】
細長い装置310は、器具ボディ312に結合される。器具ボディ312は、器具キャリッジ306に対して結合され、固定される。いくつかの実施形態では、光ファイバ形状センサ314は、器具ボディ312上の近位点316に固定される。いくつかの実施形態では、光ファイバ形状センサ314の近位点316は、器具ボディ312と一緒に移動可能であるが、近位点316の位置は(例えば、追跡センサ又は他の追跡装置を介して)既知であり得る。形状センサ314は、近位点316から細長い装置310の遠位端318などの別の点までの形状を測定する。点収集器具304は、医療器具システム200と実質的に同様であり得る。
【0044】
位置測定装置320は、挿入軸Aに沿って挿入ステージ308上で移動する際の器具ボディ312の位置に関する情報を提供する。位置測定装置320は、器具キャリッジ306の動作、したがって器具ボディ312の動きを制御するアクチュエータの回転及び/又は向きを決定するリゾルバ、エンコーダ、ポテンショメータ、及び/又は他のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、挿入ステージ308は直線状(linear)である。いくつかの実施形態では、挿入ステージ308は、湾曲していてもよく、又は湾曲部分と直線部分の組み合わせを有していてもよい。
【0045】
図3Aは、挿入ステージ308に沿って引き込められた位置にある器具ボディ312及び器具キャリッジ306を示す。この引き込められた位置では、近位点316は軸A上の位置Lにある。挿入ステージ308に沿ったこの位置では、近位点316の位置のA成分は、挿入ステージ308上の器具キャリッジ306の位置、従って近位点316の位置を記述するためのベース基準を提供するために、ゼロ及び/又は別の基準値に設定され得る。器具ボディ312及び器具キャリッジ306のこの引き込められた位置により、細長い装置310の遠位端318は、患者Pの入口開口部のすぐ内側に位置し得る。器具ボディ312の遠位端318の患者の解剖学的構造へのアクセスを提供するために、気管内(ET)チューブ311などの気道確保装置が患者の口を通って患者の気管内に挿入され得る。オプションで、気管内チューブ311は、挿入ステージ308と解放可能に結合され得る。また、この位置において、位置測定装置320は、ゼロ及び/又は別の基準値(例えば、I=0)に設定されてもよい。図3Bにおいて、器具ボディ312及び器具キャリッジ306は、挿入ステージ308の直線軌道に沿って前進し、細長い装置310の遠位端318は、患者Pの中に前進している。この前進位置では、近位点316は、軸A上の位置Lにある。いくつかの例では、エンコーダ、及び/又は、挿入ステージ308に沿った器具キャリッジ306の移動を制御する1つ又は複数のアクチュエータからの他の位置データ、及び/又は、器具キャリッジ306及び/又は挿入ステージ308に関連する1つ又は複数の位置センサが、位置Lに対する近位点316の位置Lを決定するために使用される。いくつかの例では、位置Lはさらに、細長い装置310の遠位端318が患者Pの解剖学的構造の通路に挿入される距離又は挿入深さの指標として使用され得る。
【0046】
上述のように、医療処置中の患者の安全を確保するように気道確保装置とロボット医療システム(例えば、遠隔操作医療システム)との間に接続部を設けることが望ましい。ロボット医療システムは、地面(ground)に対するロボット医療システムのサブアセンブリの移動を可能にするが、気道確保装置とロボット医療システムとの間の接続部は、医療処置の一部の間に静止プラットフォームを提供するための静止位置にあると推定され得る。本開示は、予期される及び予期しない患者の動きに適応するために、気道確保装置などの解剖学的開口部装置とロボット医療システムとの間のフレキシブルコネクタ(flexible connectors)の使用を提案する。さらに、本開示は、必要に応じて、患者の安全を確保するために、気道確保装置とロボット医療システムとの間のフレキシブルコネクタを分離するための分離機構を提案する。
【0047】
医療処置のいくつかの例において、ETチューブなどの気道確保装置が、患者の鼻又は口を通して挿入され、気管内に配置される。気道確保装置は、人工呼吸器又は呼吸器に接続され、気道を開き、患者の肺に空気を運ぶために導管として使用される。人工呼吸器は、医療処置中に機械的人工換気を行う。換言すれば、気道確保装置は、患者が医療処置中に意識不明又は麻酔された時、人工換気を容易にする。次いで、医療器具は、気管及び他の気管支通路を観察し、肺疾患及び感染症を診断し、及び/又は疾患又は感染組織を治療するために、気道確保装置を通って患者の気道に送り込まれ得る。
【0048】
図4は、患者が首をわずかに伸ばされた状態で仰向けになる間に、患者の口を通して患者の気管内に挿入された気道確保装置400の一例を示す。気道確保装置400は、上部気道通路を通って気管440に挿入するために、その遠位端と近位端との間で湾曲され得る細長く、可撓性且つ中空のチューブ410を含み得る。気道確保装置400はまた、カフ膨張チューブ430を用いて膨張される遠位端に配置された膨張可能なバルーン様構造又はカフ420を含み得る。このバルーン様構造又はカフ420は、気管及び気管支樹をシールし、それにより、チューブ410の近位端に接続された人工呼吸器/呼吸器によって送り出される空気が、気管440を通って後方へ逃げて口腔及び鼻腔通路に入るのを防止する。図示のように、気道確保装置400は、患者の気管内に配置される。一例では、気道確保装置400は、チューブ410に取り付けられたマウント450を使用することによって、患者の口付近に取り付けられるか又は拘束され得る。
【0049】
医療処置が、医療器具及び図1の医療システム100のようなロボット医療システム(例えば、遠隔操作システム)を用いて行われる場合、接続部がロボット医療システムと気道確保装置400との間に設けられる。一実施形態では、ロボット医療システムは、図1のマニピュレータアセンブリ102のようなマニピュレータアセンブリを含み、接続部は、気道確保装置400とマニピュレータアセンブリとの間に作られる。この接続部は、ロボット医療システムが気道確保装置400に結合し、その中に手術又は気管支用器具を導入することを可能にする。医療処置中の予想される又は予期しない患者の動きによる患者に対する外傷を回避するため、及び/又は気道確保装置が患者の気管から外れるのを回避するため、一実施形態では、本開示は、ロボット医療システムと気道確保装置400との間のフレキシブル(flexible)接続機構を導入することを提案する。フレキシブル接続機構は、予期される及び予期しない患者の動きに対応するために、様々な自由度で動くように構成される。患者の動きが相当量の変位を引き起こし、従って、ロボット医療システムと気道確保装置400との間の接続機構に力を加える場合、本開示は、ロボット医療システム又は気道確保装置のいずれかから接続機構を分離する機構を提案する。機構は、純粋に機械的であってもよく、又は接続部への力を感知するためのセンサを含んでもよく、必要に応じて、患者の安全を保証するために力が所定の閾値を超えたときに接続部を分離する。代替的には、患者に結合されたセンサを用いて患者の動きを感知することもできる。
【0050】
気道確保装置400のロボット医療システムからの分離に関して、以下に説明する全ての実施形態について、分離(decoupling)は、いくつかの異なる結合のうちの1つ又は複数で起こり得る。例えば、分離は、ロボット医療システムと接続機構を通して気道確保装置に接続される医療システムインターフェースとの間で起こり得る。加えて又は代替的に、分離は、インターフェースと接続機構との間で第1のジョイントにおいて起こり得る。医療システムインターフェースが存在せず、気道確保装置がロボット医療システムに直接接続されている場合、分離はロボット医療システムと接続機構との間の直接接続部で起こり、接続機構は気道確保装置に結合されたままである。分離はまた、接続機構内の第1の端部と第2の端部との間で起こり得る。加えて又は代替的に、分離は、接続機構と気道確保装置との間で第2のジョイントにおいて起こり得る。
【0051】
ロボット医療処置の間、気道確保装置400と(例えば、遠隔操作又は他のロボット医療システムの)マニピュレータアセンブリ102との間に提供される接続部の安全を考慮することが重要である。患者がロボット医療システムに対してデフォルト位置から移動し、ロボット医療システムが静止していると推定される場合、気道確保装置400とロボット医療システムとの間の接続部は、患者の動きに適応すべきである。本開示は、患者の動きの適応のために、気道確保装置400をロボット医療システムに接続するための接続機構の使用を提案する。接続機構は、コンパクトな機械的アセンブリを含むことができ、機械的、電気機械的、磁気的、電磁的、及び/又は空気圧機構の組み合わせにより、気道確保装置400をロボット医療システムに接続し得る。接続機構は、気管支器具を囲み、支持することができるエラストマホース又は螺旋コルゲートホース(spiral corrugated hose)などの短い長さ又はサービスループ可撓性媒体を含み得る。
【0052】
接続機構は、患者の動きに適応するように多自由度で動くように構成される。このようにして、接続機構は、患者の動きがわずかな変位しか引き起こさない場合に、ロボット医療システムの気道確保装置400からの不必要な分離を避けることによって、接続部の保持を制御するのを助ける。接続機構の動きはまた、気道確保装置400のロボット医療システムからの分離の前に追加時間を提供する。例えば、ロボット医療システムから気道確保装置400を解放するための分離手順は、接続機構又は患者の動きによって開始され得る。この時間における患者の動きの適応は、患者に対する損傷のリスクを有意に減少させる。
【0053】
図5は、カート462(例えば、ベース)及び支持構造464を含むマニピュレータアセンブリ460を示す。オプションで、カート462は、手術台T及び患者Pに対する所望の位置にカート462を位置決めすることを可能にするように一組のホイール466上に取り付けられ得る。カート462は、プロセッサ、モニタ、バキューム装置(vacuum equipment)、空気キャニスタ、ケーブルなどを含む様々な構成要素を収容し得る。支持構造464の遠位端は、挿入ステージ470(例えば、挿入ステージ308)及び細長い装置472(例えば、細長い装置1600)が結合されるキャリッジ474(例えば、キャリッジ306)を含む可撓性器具マニピュレータ468(例えば、マニピュレータアセンブリ102)に結合され得る。可動接続機構476は、挿入ステージ470の遠位端のドッキングスパー480に結合される。可動接続機構476は、細長い装置472を気管内チューブ478(例えば、気管内チューブ311)に結合する。
【0054】
気管内チューブ478は、患者の口及び気管に挿入され、患者のための機械的換気を提供するのを助け、患者の肺に挿入されることになる細長い装置472のための導管を提供する。細長い装置472が、イメージング、生検、及び/又は治療を容易にするために肺にナビゲートされている間に、患者は咳、予期しない動き、又は鎮静の減少を経験し、これは患者から気管内チューブを外し、換気を中断し得る。この予期しない動きの結果を最小限にするために、可動接続機構476は、ドッキングスパー480から解放可能である。
【0055】
マニピュレータアセンブリ460又はロボット医療システムの他の構成要素と結合するための適切な接続機構の例を、以下の図を参照して説明する。図6A乃至Dは、本開示の一実施形態による接続機構500を示す。図6Aに示すように、接続機構500は、第1の可撓性チューブ510と、伸縮(telescopic)構造で一緒に入れ子にされた(nested)第2の可撓性チューブ520とを含む中間部を含む。第1の可撓性チューブ510の一端は、医療システムインターフェース560を介してロボット医療システム550に接続される。ロボット医療システム550は、静止プラットフォームを提供するために静止位置にあると推定され得る。第2の可撓性チューブ520の一端は、医療処置のために患者の口に挿入されたチューブ410を含む気道確保装置400に接続され得る。両可撓性チューブ510、520は、ポリウレタン、シリコーン、可撓性PVC等のような医療グレードの材料で作られ得る。また、可撓性チューブ510、520は、チューブを通して気管支又は他の器具を挿入できるように中空であり得る。
【0056】
入れ子式伸縮構成では、第1の可撓性チューブ510は、図6Bに示される機械的リップ構造を使用して、第2の可撓性チューブ520内に嵌め込まれ得る。機械的リップ構造は、第1の可撓性チューブ510が、十分な力の不在下で、第2の可撓性チューブ520から分離することなく、第2の可撓性チューブ520の全長に沿って長手方向運動の全範囲で動くことを可能にする。長手方向の可撓性に加えて、両方のチューブ510、520は、横方向の可撓性に関して360°の自由度を提供する可撓性チューブである。重要なことに、横方向の可撓性チューブ510、520の可撓性は、チューブ510、520の直径の関数であり得る。一般に、可撓性チューブの直径が小さいほど、可撓性チューブの横方向の可撓性が高くなり、可撓性チューブの直径が大きいほど、可撓性チューブの横方向の可撓性が低くなる。第1の可撓性チューブ510は、入れ子式伸縮構成を容易にするために、第2の可撓性チューブ520に対してより小さい直径を有し得る。さらに、あるいは、可撓性アセンブリの可撓性は、第2の可撓性チューブ520に対する第1の可撓性チューブ510の直径の関数であり得る。例えば、第1の可撓性チューブ510と第2の可撓性チューブ520との間のより緩い嵌合は、より緊密な嵌合よりも、より大きい横方向の可撓性を可能にし得る。両可撓性チューブ510、520は、実質的に同じ長さを有し得る。代替的には、第1の可撓性チューブ510は、第2の可撓性チューブ520に対して異なる長さを有し得る。さらなる代替実施形態では、接続機構500は、複数の可撓性チューブを含んでもよく、チューブは、その近位端から遠位端まで直径が増加するか、又は近位端から遠位端まで直径が減少するか、又は接続機構500の長さに沿って直径が互い違いになり得る。
【0057】
図6C-1及び6C-2は、接続機構500のさらなる詳細を示す。特に、図6C-1は、第1の可撓性チューブ510が完全に第2の可撓性チューブ520に挿入されるか又は第2の可撓性チューブ520によって覆われる接続機構500の位置を示す。図6C-1はまた、第1の可撓性チューブ510の第1の端部が医療システムインターフェース560に接続されるジョイント530と、第2の可撓性チューブ520の第2の端部が気道確保装置400に接続されるジョイント540とを示す。両ジョイント530、540は、その周りで可撓性チューブが横方向の可撓性のための多自由度を提供するように曲がる剛性接続部であり得る。代替的には、両ジョイント530、540は、可撓性チューブ510、520によって提供される可撓性に加えて、横方向の可撓性のために多自由度を提供する可撓性接続部であり得る。例えば、ジョイント530は、横方向の多自由度のジョイント530の動きを可能にするように、医療システムインターフェース560に移動可能に接続され得る。ジョイント530、540は、上述の機械的リップ構造に類似の機械的リップ構造を用いて実現され得る。代替的には、ジョイント530及び540の1つ又は複数は、他の機械的及び/又は電気機械的機構を用いて実現されてもよく、以下でさらに詳細に説明するように、センサによって作動されてもよい。図6C-2は、第1の可撓性チューブ510が長手方向に可撓性(flexibility)を与えるように第2の可撓性チューブ520から延びる接続機構500の伸張位置を示す。
【0058】
医療処置の間、患者が予期される又は予期せぬ動きで小さな変位を生じるとき、又はロボット医療システムの予期せぬ又は不注意な衝突で小さな変位を生じるとき、接続機構500は、患者の動きに適応するために必要な限り、横方向及び縦方向に屈曲する(flex)。例えば、可撓性チューブ510、520及び/又はジョイント530、540に使用される機構は、横方向に360°の自由度を提供するために必要な限り屈曲することができ、第1の可撓性チューブ510は、長手方向に可撓性を与えるために、第2の可撓性チューブ520の全長に沿って全可動範囲で必要な限り移動する。このようにして、可撓性チューブ510、520に組み込まれた機械的リップ構造は、適切な力の不在下で、第1の可撓性チューブ510の第2の可撓性チューブ520からの不注意な分離を防止する。
【0059】
しかし、患者の動きが大きな変位を引き起こす場合、又はロボット医療システムの予期しない若しくは不注意な衝突がかなりの(significant)相対変位を引き起こし、それがロボット医療システム550と気道確保装置400との間の接続部にかなりの力を生ずる場合、接続機構500は、ロボット医療システム550の気道確保装置400から離れる分離を可能にする。例示的な実施形態では、図6Dに示されるように、第1の可撓性チューブ510は、第2の可撓性チューブ520から分離する。別の実施形態(図示せず)では、ロボット医療システムは、医療システムインターフェースから分離する。さらに又は代替的に、感知機構は、接続部におけるかなりの力及び/又は患者の動きを感知し、ジョイント530における医療システムインターフェース560からの第1の可撓性チューブ510の第1の端部の分離、又はジョイント540における気道確保装置400からの第2の可撓性チューブ520の第2の端部の分離を可能にする。感知機構はまた、可撓性チューブ510を医療システムインターフェース560から分離するためにジョイント530における分離を可能にし得るか、又は可撓性チューブ520を気道確保装置400から分離するためにジョイント540における分離を可能にし得る。このようにして、必要に応じて、気道確保装置400をロボット医療システム550に接続する接続機構500は、医療処置中の患者の安全を確保するために、患者をロボット医療システムから分離する。分離手順は、図11乃至16を参照してより詳細に説明される。
【0060】
図7A乃至7Dは、本開示による接続機構600を示す。図7Aに示すように、接続機構600は、アコーディオン又はベローズタイプの動きを提供する渦巻き又はベローズチューブ610を含む中間部を含む。ベローズチューブ610は、中空であり得、気管支器具のための小さく十分に拘束された作業チャネルを提供し得る。ベローズチューブ610は、少なくとも部分的に、ポリウレタン、シリコーン、可撓性PVC、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックなどの医療グレードの材料で作られ得る。ベローズチューブ610の一端は、接続機構600の第1の端部で又は医療システムインターフェース660を介してロボット医療システム650に接続される。ロボット医療システム650は、静止プラットフォームを提供するために静止位置にあると推定され得る。ベローズチューブ610の他端は、アダプタ670を介して、医療処置のために患者の口に挿入されたチューブ410を含む気道確保装置400に接続され得る。この構成では、ベローズチューブ610は、十分な力の不在下で、医療システムインターフェース660から分離することなく、長手方向に可撓性を与えるために、その全長に沿って折り畳み(fold)得る又は広がり(unfold)得る。縦方向のフレキシビリティに加えて、ベローズチューブ610は、横方向に360°の自由度を与えるように可撓性である。重要なことに、ベローズチューブ610の横方向の可撓性は、その直径の関数であり得る。ベローズチューブ610の直径が小さいほど、横方向の可撓性が高くなり、ベローズチューブ610の直径が大きいほど、横方向の可撓性が低くなる。ベローズチューブ610はまた、高いアスペクト比を有し得る。例えば、折り畳まれた位置におけるベローズチューブ610の長さに対する広げられた位置におけるベローズチューブ610の長さとの比は、高くなり得る。
【0061】
図7Aはまた、そこでベローズチューブ610が医療システムインターフェース660に接続されるジョイント630と、そこでベローズチューブ620の第2の端部が気道確保装置400に接続されるジョイント640とを示す。両ジョイント630、640は、横方向に多自由度を提供するようにその周りで可撓性ベローズチューブ610が屈曲する剛性接続部であり得る。代替的には、両ジョイント630、640は、可撓性ベローズチューブ610によって提供される可撓性に加えて、横方向の可撓性に対して多自由度を提供する可撓性接続部であり得る。例えば、ジョイント630は、横方向の多自由度のジョイント630の移動を可能にするように、医療システムインターフェース660に移動可能に接続され得る。ジョイント630、640は、上述の機械的リップ構造に類似の機械的リップ構造を用いて実現され得る。代替的には、ジョイント630、640、660のうちの1つ又は複数は、感知機構1000に関して後にさらに詳細に説明するように、センサによって作動され得る他の機械的及び/又は電気機械的機構を用いて実現され得る。
【0062】
図7B及び7Cは、接続機構600のさらなる詳細を示す。特に、図7Bは、ベローズチューブ610が完全に折り畳まれた接続機構600の収縮位置を示す。図7Cは、ベローズチューブ610が長手方向に可撓性を与えるように広げられた接続機構600の伸張位置を示す。
【0063】
医療処置の間、患者が予期される又は予期せぬ動きで小さな変位を生じるとき、又はロボット医療システムの不注意な衝突で小さな変位を生じるとき、接続機構600は、患者の動きに適応するように、横方向及び縦方向に必要なだけ屈曲する。例えば、ベローズチューブ610及び/又はジョイント630、640に使用される機構は、横方向に360°の自由度を与えるのに必要なだけ屈曲し、ベローズチューブ610は、長手方向に可撓性を与えるために、そのデフォルト位置からベローズチューブ610の全長に沿って必要なだけ広がる。このようにして、機械的リップ構造及び/又は機械的及び/又は電気機械的機構は、適切な力の非存在下で、ジョイント630、640におけるその接続部のいずれか1つからのベローズチューブ610の不注意の分離を防止する。
【0064】
しかし、患者の動きが大きな変位を引き起こすとき、又はロボット医療システムの予期しない若しくは不注意な衝突がかなりの相対変位を引き起こし、それがロボット医療システム650と気道確保装置400との間の接続部にかなりの力を生ずるとき、機械的リップ構造及び/又は機械的及び電気機械的機構は、例えば、図7Dに示すように、ロボット医療システム650の気道確保装置400からの分離を可能にする。例示的な実施形態では、感知機構は、接続部におけるかなりの力及び/又は患者の動きを感知し、ジョイント630における医療システムインターフェース660からのベローズチューブ610の分離、又はロボット医療システム650からの医療システムインターフェース660の分離を可能にする。加えて又は代替的に、感知機構は、ジョイント640における気道確保装置400からのベローズチューブ610の分離を可能にし得る。このようにして、必要に応じて、気道確保装置400をロボット医療システム650に接続する接続機構600は、医療処置中の患者の安全を確保するために患者をロボット医療システムから分離する。
【0065】
図8A乃至8Dは、本開示による接続機構700を示す。図8Aに示すように、接続機構700は、可撓性ローリングダイヤフラム(flexible rolling diaphragm)を含む中間部を含む。ローリングダイヤフラムは、正確且つ反復可能な位置決めを容易にすることにより、医療環境のような過酷な環境において高性能を提供する。ローリングダイヤフラムは、負荷分散を可能にする方法のため、高圧に耐えることができる。機構は、ローリングダイヤフラム720の一部に少なくとも部分的に嵌合する遠位部710を含む。ローリングダイヤフラム720は、低摩擦ローリング挙動を可能にするように一端が反転された可撓性チューブの円錐部分を含む。遠位部710は、低摩擦動的機構を形成するようにローリングダイヤフラム720に取り付けられる。内部中空チューブ725の一端は、接続機構700の第1の端部で又は医療システムインターフェース760を介してロボット医療システム750に接続され得る。ロボット医療システム750は静止プラットフォーム又は医療システムインターフェースを提供するために、静止位置にあると推定され得る。ローリングダイヤフラム720の第2の端部又は遠位部710の第2の端部は、医療処置のために患者の口に挿入されたチューブ410を含む、気道確保装置400に接続され得る。ローリングダイヤフラム720は、医療グレードのエラストマー及び/又はプラスチックで作られ得る。内部中空チューブ725に加えて、遠位部710及びローリングダイヤフラム720は、気管支器具の通過を可能にするために中空であり得る。
【0066】
この構成では、遠位部710が移動し、ローリングダイヤフラム720は、中空チューブ725の全長に沿ってロールして、十分な力の不在下でロボット医療システム750から分離することなく、長手方向に可撓性を与え得る。長手方向の可撓性に加えて、中空チューブ725、ローリングダイヤフラム720、及び遠位部710は、横方向に360°の自由度を与えるように可撓性である。重要なことに、中空チューブ725、ローリングダイヤフラム720、及び遠位部710の横方向の可撓性は、それぞれの直径の関数であり得る。直径が小さいほど、横方向の可撓性は高くなり、直径が大きいほど、横方向の可撓性は低くなる。
【0067】
図8Aはまた、そこで中空チューブ725が医療システムインターフェース760に接続されるジョイント730を示し、そこで遠位部710がアダプタ770を介して気道確保装置400に接続されるジョイント740を示している。両ジョイント730、740は、横方向に多自由度を提供するようにその周りで接続機構700が屈曲する剛性接続部であり得る。代替的には、両ジョイント730、740は、接続機構700によって提供される可撓性に加えて、横方向の可撓性に対して多自由度を提供する可撓性接続部であり得る。例えば、ジョイント730は、横方向の多自由度のジョイント730の移動を可能にするように、医療システムインターフェース760に移動可能に接続され得る。加えて、ジョイント730は、分離が必要な場合、接続機構700が医療システムインターフェース760から分離される代わりに、医療システムインターフェース760がロボット医療システム750から分離されるように、中空チューブ725が医療システムインターフェース760に固定的に接続されることを可能にし得る。ジョイント730、740は、上述の機械的リップ構造に類似の機械的リップ構造を用いて実現され得る。代替的に、ジョイント730、740のうちの1つ又は複数は、後述するように、センサによって作動され得る他の機械的及び/又は電気機械的機構を用いて実現され得る。
【0068】
図8B及び図8Cは、接続機構700のさらなる詳細を示す。特に、図8Bは、ローリングダイヤフラム720及び遠位部710が医療システムインターフェース760に近接する接続機構700の収縮位置を示す。図8Cは、ローリングダイヤフラム720及び遠位部710が、長手方向に可撓性を提供するように中空チューブ725の全長に沿って移動した接続機構700の伸張位置を示す。
【0069】
医療処置の間、患者が予期される又は予期せぬ動きで小さな変位を生じるとき、又はロボット医療システムの不注意な衝突で小さな変位を生じるとき、接続機構700は、患者の動きに適応するように必要なだけ横方向及び長手方向に屈曲する。例えば、中空チューブ725、ローリングダイヤフラム720、並びに遠位部710及び/又はジョイント730、740に使用される機構は、横方向に360°の自由度を与えるのに必要なだけ屈曲する。また、小さな変位のため、遠位部710は、ロボット医療システムに対して移動し得る。しかし、この小さな変位は、長手方向に可撓性を与えるのに必要なだけ、ローリングダイヤフラム720及び遠位部710を中空チューブ725に沿って移動させることによって適応される。このようにして、機械的リップ構造、及び/又は、他の機械的及び電気機械的機構は、適切な力の非存在下で、ジョイント730、740におけるその接続部のいずれか一方から、接続機構700が不注意に分離することを防止する。
【0070】
しかし、患者の動きが大きな変位を引き起こす場合、又はロボット医療システムの予期しない若しくは不注意な衝突がかなりの相対変位を引き起こし、それがロボット医療システム750と気道確保装置400との間の接続部にかなりの力を生ずる場合、機械的リップ構造及び/又は機械的及び電気機械的機構は、例えば、図8Dに示すように、ロボット医療システム750の気道確保装置400からの分離を可能にする。例示的な実施形態では、感知機構は、接続部における力及び/又は患者の動きの量を感知し、ジョイント730における医療システムインターフェース760からの中空チューブ725の分離、又はロボット医療システム750からの医療システムインターフェース760の分離を可能にする。加えて又は代替的に、感知機構は、ジョイント740における気道確保装置400からの遠位部710の分離を可能にし得る。このようにして、必要に応じて、気道確保装置400をロボット医療システム750に接続する接続機構700は、医療処置中の患者の安全を確保するために、患者をロボット医療システムから分離する。
【0071】
図9A乃至Dは、本開示による運動学的接続機構800を示す。図9Aに示すように、運動学的接続機構800は、半径方向に対称に配置され、各々が単一の回転リンクによって駆動される3つのフレキシブル平行四辺形リンク機構(flexible parallelogram linkages)の形態の中間部を含み得る。運動学的接続機構800は、例えば、同じ長さを有し、互いに平行である3つの類似したリンク機構810-A、810B、810-Cを有する複数のリンク機構(multiple linkage mechanism)を含む。複数のリンク機構は、平行四辺形リンク機構の両端805-A、805-Bを接続する。各リンク810-A、810B、810-Cは、ヒンジ形状で互いに移動可能に取り付けられた2つの部材を含む。また、部材の一方は、ヒンジ形状において平行四辺形リンク機構の第1の端部805-Aに移動可能に取り付けられ、部材の他方は、ヒンジ形状において平行四辺形リンク機構の第2の端部805-Bに移動可能に取り付けられる。
【0072】
平行四辺形リンク機構の第1の端部805-Aは、運動学的接続機構800の第1の端部の医療システムインターフェース860を介してロボット医療システム850に接続され得る。ロボット医療システム850は、静止プラットフォームを提供するために静止位置にあると推定され得る。平行四辺形リンク機構の他端805-Bは、医療処置のために患者の口に挿入されたチューブ410を含む、第2の端部で気道確保装置400に接続され得る。運動学的接続機構800の構成要素は、医療グレードの熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック、金属などで作られ得る。両端部805-A、805-Bは、処置のための気管支器具の通過を可能にする開口部を含み得る。この構成では、リンク810-A、810B、810-Cは、十分な力の不在下でロボット医療システム850から分離することなく、長手方向に可撓(柔軟)性又は運動学的自由度を与えるように伸張又は収縮し得る。長手方向の可撓性又は運動学的自由度に加えて、リンク機構の運動学は、横方向の2自由度の動きを可能にする。
【0073】
図9Aはまた、そこで第1の端部805-Aが医療システムインターフェース860に接続されるジョイント830と、そこで第2の端部805-Bがアダプタ870を介して気道確保装置400に接続されるジョイント840とを示す。両ジョイント830、840は、その周りで運動学的接続機構800が横方向に多自由度を提供するように動く剛性接続部であり得る。代替的には、両ジョイント830、840は、運動学的接続機構800によって提供される可撓性に加えて、横方向の可撓性に対して多自由度を提供する可撓性コネクタであり得る。例えば、ジョイント830は、横方向の多自由度のジョイント830の動きを可能にするように医療システムインターフェース860に移動可能に接続され得る。加えて、ジョイント830は、分離が必要な場合、第1の端部805-Aが医療システムインターフェース860から分離される代わりに、医療システムインターフェース860がロボット医療システム850から分離されるように、第1の端部805-Aが医療システムインターフェース860に固定的に接続されることを可能にし得る。ジョイント830、840は、上述の機械的リップ構造に類似の機械的リップ構造を用いて実現され得る。代替的には、ジョイント830、840のうちの1つ又は複数は、後述するように、センサによって作動され得る他の機械的及び/又は電気機械的機構を用いて実現され得る。
【0074】
図9B及び9Cは、運動学的接続機構800のさらなる詳細を示す。特に、図9Bは、リンク機構810-A、810B、810-Cが医療システムインターフェース860に近い縮められた位置にある運動学的接続機構800の収縮位置を示す。図9Cは、リンク機構810-A、810B、810-Cが長手方向に可撓性を与えるように延ばされた運動学的接続機構800の伸張位置を示す。
【0075】
医療処置の間、患者が予期される又は予期せぬ動きで小さな変位を生じるとき、又はロボット医療システムの不注意な衝突で小さな変位を生じるとき、運動学的接続機構800は、患者の動きに適応するように必要に応じて横方向及び縦方向に動き、ジョイント830及び840において接続部で分解される力の量を制限する。このようにして、機械的リップ構造及び/又は機械的及び電気機械的機構は、適切な力の非存在下で、ジョイント830、840におけるその接続部のいずれか一方からの運動学的接続機構800の不注意な分離を防止する。
【0076】
しかし、患者の動きが大きな変位を引き起こすとき、又はロボット医療システムの予期しない又は不注意な衝突がかなりの相対変位を引き起こし、それがロボット医療システム850と気道確保装置400との間の接続部にかなりの力を生ずるとき、機械的リップ構造及び/又は機械的及び電気機械的機構は、例えば、図9Dに示されるように、ロボット医療システム850の気道確保装置400からの分離を可能にする。例示的な実施形態では、感知機構は、接続部における力及び/又は患者の動きの量を感知し、ジョイント830における医療システムインターフェース860からの第1の端部805-Aの分離、又はジョイント840における気道確保装置400からの第2の端部805-Bの分離を可能にする。加えて又は代替的に、感知機構は、ロボット医療システム850からの医療システムインターフェース860の分離を可能にし得る。このようにして、気道確保装置400をロボット医療システム850に接続する運動学的接続機構800は、医療処置中の患者の安全を確保するために、患者をロボット医療システムから分離する。
【0077】
図10A乃至10Dは、本開示による運動学的接続機構900を示す。図10Aに示されるように、運動学的接続機構900は、各ピン止めされた回転ジョイントが、ここで、高弾性柔軟性の局所領域を提供する材料の薄い部分から成る曲げリビングヒンジ構造によって置き換えられていることを除いて、運動学的接続機構800の平行四辺形リンク機構に類似する単一の回転リンクによって各々駆動される、半径方向に対称に配置された3つの平行四辺形リンク機構の形態の中間部を含み得る。この領域は回転ジョイントと機械的に等価な振舞いをする。屈曲リンク機構は、例えば、同じ長さを有し、互いに平行である3つのリンク機構910-A、910B、910-Cを有する複数のリンク機構を含む。複数のリンク機構は、屈曲リンク機構の両端905-A、905-Bを接続する。各リンク機構910-A、910B、910-Cは、リビングヒンジジョイントによって905-Aに接続されるベース駆動部材と、両方の場合にリビングヒンジジョイントによって駆動部材を905-Bに接続する平行四辺形構造とを含む。2つの構造は、薄い医療グレードのプラスチック材料で形成され得る。
【0078】
屈曲リンク機構の第1の端部905-Aは、運動学的接続機構900の第1の端部の医療システムインターフェース960を介してロボット医療システム950に接続され得る。ロボット医療システム950は、静止プラットフォームを提供するために静止位置にあると推定され得る。屈曲リンク機構の第2の端部905-Bは、医療処置のために患者の口に挿入されたチューブ410を含む、運動学的接続機構の第2の端部で気道確保装置400に接続され得る。運動学的接続機構900の構成要素は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、可撓性PVC等のような医療グレードの材料で作られ得る。両端905-A、905-Bは、処置のための気管支器具の通過を可能にする開口部を含み得る。この構成では、リンク機構910-A、910B、910-Cは、十分な力の不在下でロボット医療システム950から分離することなく、動きに適応するか又は長手方向/横方向に可撓性を与えるように伸張又は収縮し得る。
【0079】
図10Aはまた、そこで第1の端部905-Aが医療システムインターフェース960に接続されるジョイント930と、そこで第2の端部905-Bがアダプタ970を介して気道確保装置400に接続されるジョイント940とを示す。両ジョイント930、940は、その周りに運動学的接続機構900が動き、横方向に多自由度を与える剛性接続部であり得る。代替的には、両ジョイント930、940は、運動学的接続機構900によって提供される可撓性に加えて、横方向の可撓性に対して多自由度を提供する柔軟性接続部であり得る。例えば、ジョイント930は、横方向の多自由度のジョイント930の動きを可能にするように、医療システムインターフェース960に移動可能に接続され得る。加えて、ジョイント930は、分離が必要な場合、第1の端部905-Aが医療システムインターフェース960から分離される代わりに医療システムインターフェース960がロボット医療システム950から分離されるように、第1の端部905-Aが医療システムインターフェース960に固定的に接続されることを可能にし得る。ジョイント930、940は、上述の機械的リップ構造に類似の機械的リップ構造を用いて実現され得る。代替的には、ジョイント930、940のうちの1つ又は複数は、後述するように、センサによって作動され得る他の機械的及び/又は電気機械的機構を用いて実現され得る。
【0080】
図10B及び10Cは、運動学的接続機構900のさらなる詳細を示す。特に、図10Bは、リンク機構910-A、910B、910-Cが医療システムインターフェース960に近い折り畳み位置にある運動学的接続機構900の収縮位置を示す。図10Cは、リンク機構910-A、910B、910-Cが長手方向に可撓性を与えるようにそれらのヒンジ構成を介して伸張される、運動学的接続機構900の伸張位置を示す。
【0081】
医療処置の間、患者が予期される又は予期せぬ動きで小さな変位を生じるとき、又はロボット医療システムの不注意な衝突で小さな変位を生じるとき、運動学的接続機構900は、患者の動きに適応するよう横方向及び縦方向にいくらかの柔軟な動きを提供するように動き、ジョイント930及び940によって分解される力の量を制限する。このようにして、機械的リップ構造及び/又は機械的及び電気機械的機構は、適切な力の非存在下で、ジョイント930、940におけるその接続部のいずれか一方からの運動学的接続機構900の不注意な分離を防止する。
【0082】
しかし、患者の動きが大きな変位を引き起こすとき、又はロボット医療システムの予期しない又は不注意な衝突がかなりの相対変位を引き起こし、それがロボット医療システム950と気道確保装置400との間の接続部にかなりの力を生ずるとき、機械的リップ構造及び/又は機械的及び電気機械的機構は、例えば、図10Dに示されるように、ロボット医療システム950の気道確保装置400からの分離を可能にする。例示的な実施形態では、感知機構は、接続部におけるかなりの力及び/又は患者の動きを感知し、ジョイント930における医療システムインターフェース960からの第1の端部905-Aの分離、又はロボット医療システム950からの医療システムインターフェース960の分離を可能にする。加えて又は代替的に、感知機構は、ジョイント940における気道確保装置400からの第2の端部905-Bの分離を可能にし得る。このようにして、気道確保装置400をロボット医療システム950に接続する運動学的接続機構900は、医療処置中の患者の安全を確保するために、ロボット医療システムから患者を分離する。
【0083】
次に、医療処置の間に柔軟に接続された要素の制御された保持及び解放を提供するシステム及び方法が論じられる。これらのシステム及び方法は、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構の解放を通して、患者をロボット医療システムから分離することにより、医療処置の間の患者の安全を確保する。患者の安全を確保することに加えて、様々な機械的及び電気機械的機構は、患者の動きがわずかな変位しか引き起こさないとき、接続機構の不必要な解放を回避するのに役立つ。このようにして、医療処置の実施における不必要な遅延又は中断を回避する。
【0084】
以下に詳細に説明するように、種々の機械的及び電気機械的機構が、必要に応じて、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構を切り離すために使用され得る。これらの機構は、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構を確実に保持し、自動的かつ迅速に解放する能力を有し得る。自動的な迅速な解放は、患者の安全を危険に曝し得る進展に応答して効果的なヒト介入の必要性を回避し得、そしてヒト介入に依存するよりも速い応答を提供し得るので、極めて重要である。また、これらの機構は、接続機構に関連するパラメータを感知し、感知されたパラメータと所定の閾値パラメータとの比較に基づいて接続機構の分離を自動的に作動させる感知機構を含み得る。
【0085】
機械的機構については、患者の動きが大きな変位を引き起こすとき、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続部に大きな力を生じ、機械的機構は結合の分離を可能にする。このようにして、気道確保装置をロボット医療システムに接続する接続機構は、医療処置中の患者の安全を確保するために、患者をロボット医療システムから分離する。機械的機構では、結合間の接続部の保持のための機構は機械的であり、また、結合を分離するための機構も機械的である。
【0086】
種々の実施形態では、図6Bに示されるリップ構造などの機械的機構が、上記の結合を実施するために使用され得る。機械的リップ構造の場合、リップ構造が取り扱うように設計された力よりも大きい機械的力は、接続部を分離する役割を果たす。例えば、図6Bに示すように、第1の可撓性チューブ510と第2の可撓性チューブ520との間のリップ構造が取り扱うように設計される力よりも大きい機械的力は、第2の可撓性チューブ520内の第1の可撓性チューブ510間の接続部を分離する役割を果たす。
【0087】
図13は、本開示の一実施形態による別の機械的機構1200を示す。機械的機構1200は、永久磁石1210、1220などのコネクタ部分を使用して、上記の結合の少なくとも1つを実施することを含む。図12に関して後述するように、コネクタ部分は、電磁コア1310、1320であってもよい。様々な実施形態では、コネクタ部分1210、1220は、結合の両端部(例えば、ロボット医療システム及び医療システムインターフェース、医療システムインターフェース及び接続機構の端部など)に取り付けられ得る。永久磁石が使用される場合、コネクタ部分1210、1220の永久磁石は、それぞれの永久磁界を生成し、結合の両端を結合する。様々な実施形態では、コネクタ部分のうちの1つだけが永久磁石を含んでもよく、他方のコネクタ部分は、結合を可能にするように磁性材料で作られた構成要素を含んでもよい。機構1200の場合、コネクタ部分1210、1220の磁石のそれぞれの磁界の強さ又はそれによって発生する力を克服するのに十分な大きさの力が、2つの結合間の接続部を分離し得る。加えて、分離のために、コネクタ部分1210、1220の磁石のそれぞれの磁界によって発生する力の強度は、磁石の周りに電気コイルを設けることによって無効にされ得る。例えば、電流が、コネクタ部分1210、1220の永久磁石によって生成される磁界と対向するか又は無効にする磁界が生成されるような方向に、電気コイルを通され得る。様々な実施形態では、1つのコネクタ部分1210は、永久磁石であってもよく、他のコネクタ部分1220は、電磁構成要素(例えば、スチール合金)であってもよい。このような場合、電気コイルは、コネクタ部分1210の永久磁石によって生成される磁界を無効にするために、他のコネクタ部分1220の周りに設けられ得る。様々な実施形態では、別個の電磁構成要素(例えば、スチール合金)が、コネクタ部分1210、1220の2つの永久磁石の近傍に配置されて、上述のように、電流の通過を通してそれらの磁界を無効にすることによって、永久磁石を互いに分離させ得る。
【0088】
また、本開示は、結合間の接続部の保持のための機構が機械的であるが、結合を分離するための機構が電気的である電気機械的機構の使用も意図している。これらの電気機械的機構では、接続機構は、そこで感知機構1000(以下で論じる)が分離機構1050(以下で論じる)を作動させる所望の所定の閾値パラメータ(例えば、力/圧力/変位)よりも大きい分離パラメータ(例えば、力/圧力/変位)を有するように設計され得る。これは、医療処置の間、結合が不必要に分離することのないことを確実にすることを決定的に(critically)可能にする。むしろ、結合の分離は、後述するように、分離機構1050を通じた作動によって制御される。図11は、本開示の一実施形態による感知機構1000のブロック図を示す。感知機構1000は、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構上又はその周りに戦略的に配置されたセンサ1010を含む。センサ1010は、媒体(medium)1020を介してメモリ1040に結合されるプロセッサ1030に電子的に接続され得る。媒体1020は、ワイヤなどの物理媒体を介して、又は高周波(RF)信号などの無線信号を利用する無線媒体を介して、センサ1010をプロセッサ1030に電子的に接続し得る。プロセッサ1030は、媒体1060を介して、接続機構の分離を作動させる分離機構1050に電子的に接続され得る。媒体1020と同様に、媒体1060は、有線媒体又は無線媒体であり得る。
【0089】
一実施形態では、センサ1010は、戦略的に配置され、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構上又はその周りに作用する物理的力又は圧力を感知及び/又は測定するように構成され得る。センサ1010はまた、媒体1020を介して感知された力/圧力の測定値に関する電気信号を生成し、プロセッサ1030に提供するように構成され得る。例示的な実施形態では、センサ1010は、接続機構上又はその周りの力/圧力の感知された大きさを提供するように構成され得る。一例として、センサ1010は、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構上又はその周りの力/圧力を感知し、感知された力に関する電気信号を生成し提供するように構成された力トランスデューサであり得る。プロセッサ1030は、媒体1020を通じて力/圧力の感知された大きさを受信するように構成され得る。さらに、プロセッサ1030は、メモリ1040から力/圧力の所定の閾値大きさを取り出すように構成され得る。プロセッサ1030は、受信した感知された大きさを、取得された閾値大きさと比較し得る。比較の結果に基づいて、プロセッサ1030は、分離機構1050を作動させて、ロボット医療システムと挿入補助具(insertion aid)との間に提供される接続機構を分離し得る。例えば、感知された力の受信した大きさが力の閾値大きさより大きいか又は等しい場合、プロセッサ1030は、接続機構を分離するように、電気信号を生成し、媒体1060を介して分離機構1050に提供し得る。
【0090】
様々な実施形態では、センサ1010は、感知された力/圧力に加えてパラメータをプロセッサ1030に提供し得る。例えば、センサ1010は、力/圧力の変化の速度(rate)を感知及び/又は測定し、感知された力/圧力の変化の速度をプロセッサ1030に知らせる電気信号を生成し、提供するように構成され得る。次に、プロセッサ1030は、受信した力/圧力の変化の速度を、取得したメモリ1040からの力/圧力の変化の速度と比較し、必要に応じて、比較の結果に基づいて分離機構1050を作動させ得る。同様に、様々な実施形態では、センサ1010は、特定の方向に力/圧力の量を感知し、それをプロセッサ1030に提供するように構成され得る。例えば、センサ1010は、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構に関連して、ロボット医療システム又は患者の向きに関する力/圧力を感知し得る。次に、プロセッサ1030は、特定の方向における感知された力/圧力の量と、メモリ1040からの特定の方向における取得された力/圧力の量とを比較し、必要に応じて、比較の結果に基づいて分離機構1050を作動させ得る。このような分離基準は、感知機構1000が分離機構を不必要に作動させないことを決定的に可能にする。
【0091】
代替実施形態では、センサ1010は、医療処置中の初期位置からの患者の変位を測定するように戦略的に配置され得る。例えば、センサ1010は、患者の変位の適切な測定を可能にし得る患者の胸部又は患者の頭部などの他の身体部分に戦略的に配置され得る。センサ1010はまた、患者が横たわっている患者パッド上に戦略的に配置され得る。センサ1010は、媒体1020を通してプロセッサ1030に初期位置からの患者の感知された変位の測定値に関する電気信号を提供するように構成され得る。例えば、センサ1010は、感知された変位の大きさを提供するように構成され得る。プロセッサ1030は、媒体1020を通じて変位の感知された大きさを受信するように構成され得る。さらに、プロセッサ1030は、メモリ1040から変位の所定の閾値大きさを取り出すように構成され得る。プロセッサ1030は、受信した感知された変位の大きさを、取得された変位の閾値大きさと比較し、比較の結果に基づいて、プロセッサ1030は、分離機構1050を作動させてロボット医療システムと挿入補助装置との間に提供される接続機構を分離させ得る。例えば、受信した感知された大きさが閾値大きさよりも大きいか又は等しい場合、プロセッサ1030は、接続機構を分離するために、電気信号を生成し、媒体1060を通じて分離機構1050に提供し得る。
【0092】
一例として、センサ1010は、幾つかの例において患者の動きが患者の体を通って気道確保装置に伝搬する前の患者の動きの初期段階を含む患者の動きを感知するために、患者の体(例えば、胸部、頭部)に置かれた加速度計を含み得る。加速度計は、例えば、患者が咳をしたときに発生する高周波信号を感知するように構成されたハイパスフィルタを含み得る。このようにして、加速度計は、これらの高周波信号を感知することによって、患者の動きを非常に早く測定するように構成される。別の例として、センサ1010は、患者の体に配置されるか、又は患者の体内に埋め込まれる電極を含む筋電センサであり得る。筋電センサは、患者の体内で、筋肉の運動、従って動きを開始させる患者の体内の電気信号を感知するように構成され得る。このようにして、筋電センサは、これらの電気信号を感知することによって、患者の動きを非常に早く測定するように構成される。これにより、プロセッサは、咳又は患者の体位の他の変化のような突然の患者の動きの開始を検出し、必要に応じて、分離機構1050を作動させることができる。筋電センサは、患者の身体に近い位置に設置することにより、患者の動きの開始の最も早い検出を可能にし得る。センサ1010のさらなる例は、患者の胸部を取り囲むように配置されたバンド伸び計(band extensometer)、加速度計又はファイバ感知機構を備えた光ファイバ患者パッド、及び患者の動きによる患者の身体の変位を感知するための他の電気機械的変位センサを含み得る。
【0093】
様々な実施形態では、センサ1010は、感知された変位に加えて、パラメータをプロセッサ1030に提供し得る。例えば、センサ1010は、変位の速度を感知及び/又は測定し、感知された変位の速度をプロセッサ1030に知らせる電気信号を生成し提供するように構成され得る。次いで、プロセッサ1030は、受信した変位の速度と、メモリ1040からの取得された変位の速度とを比較し、必要に応じて、比較の結果に基づいて分離機構1050を作動させ得る。同様に、上述のように、このような分離基準は、感知機構1000が不必要に分離機構を作動させないことを決定的に可能にする。
【0094】
要約すると、感知機構1000は、例えば、最大の力/圧力/変位、及び/又は最大の力/圧力/変位の速度、及び/又は特定の方向における最大の力/圧力/変位に基づいて、分離を作動させ得る。場合によっては、力と力の変化の速度の両方の因子が、患者に対する損傷の可能性を増加させる可能性が有る。このような場合、感知機構1000は、力/圧力及び力/圧力の変化の速度に関連するパラメータを感知する1つのセンサ、及び患者の変位に関連するパラメータを感知する別のセンサを伴う複数のセンサ1010を含み得る。感知機構1000は、分離機構1050を作動させるために、複数のセンサからの出力の所定の加重和の組み合わせを含む(例えば、メモリ1040において)ようにプログラムされ得る。所定の加重和の組み合わせは可変であってもよく、患者の体重及び/又は身長及び/又はボディマスインデックスなどの要因に基づいて、医療処置を開始する前に調整することができる。さらに、所定の加重和の組み合わせは、医療処置の実行(performance)に関連する要因の変化に基づいて、医療処置の間に動的に調整され得る。例えば、患者が医療処置の間に不快感を呈する可能性があり、所定の加重和は、患者を快適にすることに関連する動きに適応するように動的に調整される必要があるかもしれない。
【0095】
感知機構1000のための分離基準は、単一又は多軸力トランスデューサのようなセンサ1010によって感知される力の変化の初期速度(initial rate of change)(開始)、大きさ、方向(複数可)、又は時間履歴のうちの1つ又は複数を含み得る。基準はまた、患者に取り付けられた加速度計又は6軸慣性測定ユニット(IMU)などのセンサ1010によって感知された加速度の初期変化率(initial rate)(開始)、大きさ、方向、又は時間履歴の1つ又は複数を含み得る。様々な実施形態では、基準は、筋電信号の開始、パターン、及び/又は履歴を含み得る。所与の方向で感知される変位又は速度に加えて、基準はまた、上記測定値の2つ以上の所定の加重和、又は患者の特性(例えば、体重、身長、BMIなど)に従って特定の動作条件に対してカスタマイズされた加重を含み得る。
【0096】
この場合、プロセッサ1030は、複数のセンサから電気信号を受信し、複数のセンサから受信した電気信号に基づいて、感知された加重和の組み合わせを計算するように構成され得る。次いで、プロセッサ1030は、計算された加重和の組み合わせを、例えば、メモリ1040からの取得された加重和の組み合わせと比較し得る。比較の結果に基づいて、上述のように、プロセッサ1030は、分離機構1050を作動させ得る。加重和の組合せの使用は、感知された変位が分離機構1050の作動を正当化し得るが、感知された力/圧力が分離機構1050の作動を正当化し得ない及びその逆の状況で、プロセッサ1030が分離機構1050を作動させるか否かを決定することを決定的に可能にする。これらの状況において、加重和の組合せの使用は、プロセッサ1030が、患者の安全を確保するように、分離機構1050の作動を適切に決定することを可能にする。
【0097】
感知機構1000は、必要に応じて、ロボット医療システムと気道確保装置との間の接続機構を分離するために、機械的及び電気機械的機構と組み合わせて作用し得る。図5乃至10に関連して上述した接続機構に関して、分離は、ロボット医療システムと医療システムインターフェースとの間の接続部を含む結合の1つ又は複数、及び/又は医療システムインターフェースを接続機構に接続するジョイント、及び/又は接続機構内の接続部、及び/又は接続機構を気道確保装置に接続するジョイントで起こり得る。これらの結合の少なくとも1つは、接続機構を分離するために感知機構1000と組み合わせて機能する種々の機械的及び電気機械的機構を用いて実現され得る。
【0098】
図12Aは、本開示の一実施形態による方法1100を示す。方法1100は、プロセス1105から始まる。プロセス1110において、第1のコネクタ部分は、ロボット医療システムに取り付けられ得る。様々な実施形態では、第1のコネクタ部分は、上述のいくつかの異なる結合の第1の端部に関連し得る。プロセス1115において、第2のコネクタ部分は、解剖学的開口部装置に取り付けられ得る。様々な実施形態では、第2のコネクタ部分は、上述のいくつかの異なる結合の第2の端部に関連し得る。プロセス1120において、第1のコネクタ部分は、第2のコネクタ部分に接続され得る。例えば、解剖学的開口部装置が分離されることになる患者への医療処置中に、第1のコネクタ部分は第2のコネクタ部分に接続され得る。プロセス1125において、感知機構は、ロボット医療システムに対する患者の動きに関連するパラメータを感知し得る。オプションのプロセスにおいて、感知機構は、受信した感知されたパラメータの値と、取得された感知されたパラメータの所定の閾値とを比較し、次いで、第1のコネクタ部分の第2のコネクタ部分からの切り離しを起動し得る。プロセス1130において、感知機構は、感知されたパラメータに基づいて、第1のコネクタ部分を第2のコネクタ部分から切り離し得る。この方法は、プロセス1135で停止する。
【0099】
図12Bは、本開示の一実施形態による、感知機構1000によって実行される方法1150を示す。方法1150は、プロセス1155から始まる。プロセス1160において、感知機構1000は、接続機構に関連するパラメータを感知する。プロセス1165において、感知機構1000は、感知されたパラメータの値を示す電気信号を生成し、提供する。例示的な実施形態では、感知機構1000のセンサ1010は、接続機構に関連するパラメータを感知し、感知されたパラメータの値を示す電気信号を生成し、プロセッサ1030に提供し得る。プロセス1170において、感知機構1000は、受信した感知されたパラメータの値と、取得された感知されたパラメータの所定の閾値とを比較し得る。プロセス1175において、比較の結果に基づいて、感知機構1000は、分離機構1050を作動させて、ロボット医療システムを気道確保装置から分離させ得る。例示的な実施形態では、プロセッサ1030は、感知されたパラメータの値を示す電気信号を受信し、感知されたパラメータの所定の閾値をメモリ1040から取り出し得る。プロセッサ1030は、受信した感知されたパラメータの値と取得された所定の閾値を比較し、比較の結果に基づいて、プロセッサ1030は、分離機構1050を作動させて、ロボット医療システムを気道確保装置から分離させ得る。この方法は、プロセス1180で停止する。
【0100】
図14は、本開示の一実施形態による電気機械機構1300を示す。電気機械機構1300は、電磁石、電気コイルを備えた磁石を用いて上記の結合の少なくとも1つを実施することを含む。図14に示されるように、電気コイル1330、1340は、鉄などの強磁性材料から作られ得る磁気コア1310、1320の周りに巻かれた多数のワイヤの密集ターン(closely spaced turns of wire)を介して提供され得る。様々な実施形態では、コネクタ部分のうちの1つだけが電磁石を含み得る一方、他方のコネクタ部分は、結合を可能にするために磁性材料で作られた構成要素を含み得る。電磁石では、磁界は、電気コイル1330、1340が電流によって励起されると生成される。逆に、電気コイル1330、1340の電流がオフになると、磁界は無効になる。電気コイル1330、1340内の電流は、分離機構1050を通した作動によって制御され得る。分離機構1050は、電気コイル1330、1340の電流をオン及びオフにする回路を含み得る。
【0101】
分離機構1050によって電流が供給されると、励起された電気コイルは、磁気コア1310、1320にそれぞれの磁界を生成する。磁界が生成されると、磁気コア1310、1320は、磁界の力の下で互いに結合される。しかし、分離機構1050が電気コイル1330、1340内の電流を無効にすると、それぞれの磁界は無効となる。磁界が無効になると、磁気コア1310、1320は互いに自由に分離する。このようにして、必要に応じて、分離機構1050は、磁気コア1310、1320を分離し、ロボット医療システムを患者から切り離して、医療処置中の患者の安全を確保することを可能にする。
【0102】
本開示はまた、分離された結合の自動再接続のためのロボット医療システムと気道確保装置との間のスプリング機構を含むことを意図している。図15は、本開示の一実施形態によるスプリング機構1400を示す。スプリング機構1400は、分離された結合の再結合を可能にする。様々な実施形態では、スプリング機構1400は、上述の接続機構に加えて維持される。結合の分離につながる、患者の予期される又は予期しない動作(例えば、咳)が完了すると、スプリング機構は、医療処置が継続されるように、分離接続機構の自動結合を可能にし得る。例えば、図15に示されるように、スプリング機構1400は、ロボット医療システム及び医療システムインターフェースにそれぞれ取り付けられた分離された磁石1410、1420の自動再結合を可能にするように構成される。
【0103】
様々な実施形態では、スプリング機構1400は、予想される又は予想されない患者の動きが完了した時点又はその後の所定時間後に電気的に作動され得る。図16は、本開示の一実施形態によるシステム1500のブロック図を示す。システム1500(例えば、感知機構)は、前述のセンサ1010、媒体1020、プロセッサ1030、メモリ1040、分離機構1050、及び媒体1060を含む。加えて、システム1500は、プロセッサ1030をスプリング機構1400に電気的に接続する媒体1520を含む。媒体1520は、先に議論した媒体1020、1060に類似し得る。
【0104】
接続機構の分離につながる予期される又は予期しない患者の動きが完了すると、センサ1010は、パラメータを感知し続け、その測定値に関する電気信号をプロセッサ1030に提供し得る。プロセッサ1030は、受信したパラメータ値と、取得したメモリ1040からの所定のパラメータ値とを比較し得る。比較の結果に基づいて、プロセッサ1030が、受信されたパラメータ値が所定のパラメータ値よりも低いと判断すると、プロセッサ1030は、スプリング機構1400を作動させて、分離された結合を自動的に結合させる。様々な実施形態では、プロセッサ1030は、受信したパラメータ値が所定のパラメータ値よりも所定の量だけ低いときに、スプリング機構1400を作動させ得る。
【0105】
図17は、細長い装置1600(例えば、図2の細長い装置202)と、装置ポート1602を介した他の構成要素との間の結合を示す。例えば、カテーテルを通して挿入される医療ツールのハンドルアセンブリ1604は、装置ポート1602で結合され得る。代替的には、吸引アダプタ1606が、装置ポート1602に結合されて、細長い装置1600の近位端と細長い装置1600から破片を除去するために使用されるバキューム源との間の接続部を提供し得る。装置ポート1602は、装置ハウジング1608に結合されるか、又は装置ハウジング1608と一体化される。装置ハウジング1608は、細長い装置1600の近位端に結合される。細長い装置1600は、器具キャリッジ1610(例えば、図3A及び3Bのキャリッジ306)を通って延在する。器具キャリッジ1610は、手術マニピュレータ(例えば、遠隔操作マニピュレータ)の一部であり得る挿入ステージ1612(例えば、図3A及び3Bの挿入ステージ308)に沿って移動する。例えば、画像取り込みプローブ1614又はアブレーション器具を含む他のタイプの医療ツールは、細長い装置1600にアクセスするために装置ポート1602に接続され得る(例えば、細長い装置1600の管腔内に受け入れられる)。画像取り込みプローブ1614は、電力、画像データ、命令信号等を搬送するケーブル1616によってキャリッジ1610に通信可能に結合され得る。画像取り込みプローブ1614はまた、導管1618を介して洗浄流体をプローブ1614に運び得る流体源にキャリッジ1610を通って結合され得る。
【0106】
図18は、吸引アダプタ1606をより詳細に示す。アダプタ1606は、端部1654及び端部1656を有するカニューレ状ボディ(cannulated body)1650を含む。流路1652が、端部1654と1656との間でボディ1650を通って延在する。ボディ1650は、端部1654におけるより広い直径から端部1656におけるより小さい直径にテーパを付けられ得る。ボディ1650は、可撓性及び/又は弾性材料から形成され得る。端部1656は、バキュームホース(図示せず)のような吸引源へのシール取り付けを提供し得る一組のかえし(a set of barbs)1658を含む。端部1654は、装置ポート1602に結合され得る。端部1654における通路1652の内部は、装置ポート1602との容易なスライドオン/オフ結合(slide-on/off coupling)を容易にするために、滑らかであり得る。ポート1660は、ボディ1650から横方向に延び、通路1652と連通した通路1662を提供する。
【0107】
使用時に、別の器具がカテーテルに結合される前又は別の器具がカテーテルから取り外された後に、吸引アダプタ1606は、ポート1660及び端部1656につけられるバキューム源に結合されて、カテーテル内に留まっている可能性がある流体及び破片を除去し得る。液体及び破片のこの除去は、生検ツールのような後の器具の挿入のための妨げのないカテーテル作動管腔を提供し得る。ユーザは、ポート1660の上に指を置くことによって通路1662を通る空気の流れを手動で調節することができ、従って、アダプタ1606を通る吸引を制御することができる。
【0108】
接続機構のさらなる例が、本開示の一実施形態による接続機構1850を示す図19A及び19Bに示される。接続機構1850は、可撓性マニピュレータアセンブリ460又はロボット医療システムの他の構成要素のドッキングスパー(例えば、ドッキングスパー480)に一体化され得る係合(mating)ブラケット1852に回転可能に又は旋回可能に(例えば、軸を中心に回転可能に)結合され得る。より具体的には、接続機構1850は、接続機構1850の中間部に位置するコネクタボディ1858の両端に延在する円筒形の結合部材1854及び1856を含む。通路1870は、ボディ1858を通って延在している。接続機構1850の端部1874は、細長い装置(例えば、細長い装置472)に結合され得るとともに、接続機構1850の第2の端部1872は、気管内チューブ(例えば、気管内チューブ311及び/又は478)に結合され得る。
【0109】
第1の端部は、結合部材1854及び1856を含み得る。部材1854及び1856は、それぞれブラケット1852の湾曲面1860及び1862と一致する(mate with)ように湾曲した(例えば、円筒状、環状、部分球状など)外面を有し、最終的にはロボット医療システムに結合する。結合部材1854及び1856は、磁気的に保持されることができ、従って、部材1854及び1856並びにブラケット1852は、それぞれ、磁石及び/又は磁界に応答する材料を含み得る。いくつかのこのような例において、ブラケット1852は、曲面1860及び1862に近接する磁石(例えば、永久磁石、電磁石、ハイブリッド磁石など)を含み、一方、結合部材1854及び1856は、磁石又は磁界に反応する材料(例えば、鉄、ニッケル、コバルト、フェライト化合物など)を含み、又はその反対である。
【0110】
図19Bに示されるように、磁気的に取り付けられるとき、結合部材1854及び1856は、ブラケット1852に対して、長手方向軸Aの周りに回転することができ、一方、ボディ1858は、ブラケットに横方向に結合されたままである。回転の量は、ブラケット1852との接触によって制限され得る、又はブラケット1852は、接続機構1850が完全に360°回転することを可能にし得る。従って、様々な実施形態では、接続機構1850は、約180°から約360°の間で回転し得る。この回転は、患者又はマニピュレータアセンブリ460のわずかな動きに応答して起こり得る。チューブ1880が、接続機構1850を空気源及び/又は麻酔源に結合する。磁気接続は、空気及び麻酔チューブからの力に応答してコネクタの自由回転を可能にする。気管内チューブ478に取り付けられた接続機構1850によって、閾値よりも大きい患者の動きは、ブラケット1852からの磁気部材1854及び1856の解放を引き起こす力を発生させ得る。従って、気管内チューブ478(全てが患者に取り付けられている)に結合された接続機構1850は、ドッキングスパー1820のブラケット1852から分離する。部材1854及び1856の磁石は、所定の力又は動きに応じて解放するように選択され得る。
【0111】
オプションで、接続機構1850及び/又はブラケット1852は、接続機構がブラケット1852に完全に据え付けられている(seated)とき、部分的に据え付けられているとき、又は据え付けられていないときを検出するためのホールセンサを含み得る。ロボット医療システムの種々の制御モードは、接続機構1850の検出された据え付けに応じて作動され得る。オプションで、接続機構1850は、方向性取付け(directional mounting)の支援を提供する(すなわち、上下取り付けを防止する)テーパ状ボディプロファイルを形成する一組のフィン1864を含み得る。図19Aに示すように、曲面1860は、接続機構1850の対応するテーパ状ボディプロファイルと一致するようにテーパを付けられる。
【0112】
いくつかの実施形態では、空気源、細長い装置、及び/又は気管内チューブに結合する接続機構1850の部分は、回転する又は接続機構1850に対する回転を可能にして、接続部をより柔軟にし、接続をより容易に完成させる。一つのこのような例では、空気源及び/又は麻酔源に結合するチューブ1880は、回転する及び/又は結合された供給源の回転を可能にする。一つのこのような例では、細長い装置に結合する接続機構1850の第1の端部1874及び気管内チューブに結合する接続機構1850の第2の端部1872は、回転する及び/又は結合された装置の回転を可能にする。これはまた、結合された装置が、接続機構1850がブラケット1852から解放することを不注意に引き起こすこと、又は接続機構1850が解放することを不注意に防ぐことを、防止し得る。
【0113】
接続機構2000のさらなる実施形態を図20A及び20Bに示す。接続機構2000は、ドッキングスパー(例えば、ドッキングスパー480)又はロボット医療システムの他の構成要素に一体化された係合ブラケット(mating bracket)2001に回転可能に又は旋回可能に結合され得る。この実施形態では、接続機構2000は、係合ブラケット2001に回転可能に又は旋回可能に結合し得る。より具体的には、接続機構2000は、コネクタボディ2008の両端に延在する環状形状結合部材2004及び2006を含む。通路2010が、ボディ2008を通って延在する。接続機構2000の端部2014は、細長い装置(例えば、細長い装置472)に結合し得るとともに、接続機構2000の第2の端部2012は、気管内チューブ(例えば、気管内チューブ311及び/又は478)に結合し得る。第3の端部が、結合部材2004及び2006を含み得る。部材2004及び2006は、係合ブラケット2001の曲面と係合(mate with)する。結合部材2004及び2006は、磁気的に保持されることができ、従って、部材2004及び2006並びにブラケット2001は、それぞれ磁石及び/又は磁界に反応する材料を含み得る。いくつかのこのような例において、ブラケット2001は磁石を含み、一方、結合部材2004及び2006は磁石又は磁界に反応する材料を含み、又はその逆もまた同様である。
【0114】
磁気的に取り付けられる場合、結合部材2004及び2006は、ブラケット2001及びドッキングスパーに対して、長手方向軸Aの周りに回転し得る一方、ボディ2008はブラケット/ドッキングスパーに対して横方向に結合されたままである。回転の量は、ブラケット2001との接触によって制限され得る、又はブラケット2001は、接続機構2000が完全に360°回転することを可能にし得る。この回転は、患者又はマニピュレータアセンブリ460のわずかな動きに応答して起こり得る。チューブ2020が、接続機構2000を空気源及び/又は麻酔源に結合する。磁気接続は、空気及び麻酔チューブからの力に応答して、接続機構の自由な回転を可能にする。気管内チューブ478に取り付けられた接続機構2000により、より大きな患者の動きは、ブラケット2001からの磁気部材2004及び2006の解放を引き起こす力を発生させ得る。従って、気管内チューブ478に結合された接続機構2000は、接続機構を残してブラケット2001から分離する。部材2004及び2006の磁石は、所定の力又は動きに応じて解放するが、通常の動作に関連する小さな動きの間に偶発的に解放されないように、選択され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、空気源、細長い装置、及び/又は気管内チューブに結合する接続機構2000の部分は、回転するか又は接続機構2000に対する回転を可能にして、接続をより柔軟にし、接続をより容易に完成させる。一つのこのような例では、空気源及び/又は麻酔源に結合するチューブ2020は、回転する及び/又は結合された供給源の回転を可能にする。一つのこのような例では、細長い装置に結合する接続機構2000の第1の端部2014と、気管内チューブに結合する接続機構2000の第2の端部2012とが、回転する及び/又は結合された装置の回転を可能にする。これはまた、結合された装置が、接続機構2000をブラケット2001から不注意に解放させること又は接続機構2000を解放することを不注意に妨げることを防止し得る。
【0116】
この実施形態では、フィン2022はテーパを付けられておらず、従って、ボディ2008は概して対称であり、容易な取付けを可能にする。フィン2022は、接続機構2000がブラケットに対して回転している間、ブラケット2001に接触しない。フィン2022は、付加的な構造的支持及び強度を提供し得るとともに、接続機構を操作する際にグリップを改善し得る。部材2004及び2006のトロイダル形状は、円筒形状部材と比較してより簡単な設置を提供し得るとともに、複数の半径方向における接続機構の解放を可能にし得る。他のタイプの360°の磁性表面もまた適切であり得る。
【0117】
接続機構1850及び2000のいずれかは、処置の異なる段階で可変磁力を有し得る電磁接続を有し得る。例えば、設置中に、接続機構がドッキングスパーに近づくときにユーザが過大な力を受けないように、磁力は比較的小さくなり得る。処置中に磁力は増大し得る。別の例では、センサを使用して患者の動きが検出される場合、磁力を減少させて、切断を可能にし得る。
【0118】
オプションで、接続機構の完全な接続又は部分的な接続がセンサを用いて検出され得る。例えば、システムが、接続機構が切断されていることを感知した場合、信号がオペレータにエラーメッセージを送るために送信されて、さらなる作動又は挿入モータの動きを防止することができる。この目的のために、接続機構2000及び/又はブラケット2001は、接続機構2000がブラケット2001に完全に据え付けられたとき、部分的にすえつけられたとき、又は据え付けられていないときを検出するホールセンサを含み得る。オプションで、接続機構は、空気及び麻酔が気管内チューブから漏れるのを防止する一方向シールを含み得る。このシールは、カテーテルが接続機構と気管内チューブを通って挿入されることを可能にできるが、カテーテルの外表面の周囲をシールすることができる。
【0119】
製造の種々の段階における接続機構2100(例えば、接続機構1850及び/又は2000)の例が、図21A及び21Bに示される。接続機構2100は、ボディ2102部分と、ボディ2102に結合するキャップ2104及び2106とを含む。ボディ2102は、図21Aのキャップ2104及び2106を結合する前、及び図21Bの結合後が示される。
【0120】
最初に図21Aを参照すると、ボディ2102が受け取られる。ボディ2102は、長手方向軸Aに沿った中間部2110の両側に、実質的に円筒形のバレル部分2108A及び2108Bを含む。バレル部分2108A及び2108B並びに中間部2110は、それぞれ、通路2112が長手方向軸Aに沿ってボディ2102を通って延びるように中空の内部を有する。いくつかの実施形態では、バレル部分2108Aの一方の端部は、気管内チューブ(例えば、気管内チューブ311及び/又は478)に結合するように構成され、他方のバレル部分2108Bの端部は、細長い装置が通路2112を通って長手方向に延在するように、細長い装置(例えば、細長い装置202、310、472及び/又は1600)に結合するように構成される。この目的のために、バレル部分2108A及び2108Bは、異なる構成(例えば、外径、通路径、外側テーパ、通路テーパ、かえしなど)を有してもよく、又は対称であってもよい。
【0121】
バレル部分2108A及び2108Bの外側は、キャップ2104及び2106を保持するように構成された保持機構2114を含み得る。例えば、一実施形態では、バレル部分2108A及び2108B並びにキャップ2104及び2106は、ねじ込み式結合のためにねじ込まれる。いくつかの実施態様では、バレル部分2108A及び2108B、並びに/又は、キャップ2104及び2106は、スナップフィット結合(snap-fit coupling)用のかえしを含む。いくつかの実施態様では、バレル部分2108A及び2108B、並びに/又は、キャップ2104及び2106は、結合のためにテーパを付けられる。いくつかの実施形態では、バレル部分2108A及び2108B、並びに/又は、キャップ2104及び2106は、クリップを含むか、又は結合のためのクリップを受けるように構成される。
【0122】
バレル部分2108A及び2108Bを収容するために、中間部2110は、円筒軸に沿って変化するプロファイル(profile)(例えば、異なる外径、異なる通路直径、外部表面テーパ、通路テーパなど)を有し得る、又は全体を通じて実質的に均一なプロファイルを有し得る。いくつかの実施態様では、中間部2110は、強度及び/又はグリップのために外側表面上のフィンを含む。フィンは、長手方向軸Aに沿って及び/又はそれに垂直に延び得る。さらなる実施形態では、中間部2110の外側は、フィンに加えて又はフィンの代わりに、テクスチャ加工される。
【0123】
ボディ2102は、長手方向軸Aに対して垂直又はある角度で中間部2110から延びるチューブ2116を含み得る。チューブ2116は、バレル部分2108A及び2108Bを通って通路2112まで延びる中空の内部を有し得る。チューブ2116は、接続機構2100を空気源及び/又は麻酔源に結合し、中空の内部は、通路2112への及び通路2112からのガスの流れを可能にする。結合深さを制御するために、チューブ2116は、外側フランジ2118を含み得る。いくつかの実施態様では、中間部2110のフィンは、外側フランジ2118から延在する。
【0124】
キャップ2104及び2106に関して、各々は、対応するバレル部分2108の少なくとも一部を囲むように構成された中空円筒構造を有する結合部材2120を含み得る。キャップ2104及び2106の結合部材2120は、ドッキングスパーに一体化され得る係合ブラケットに回転可能に又は旋回可能に(例えば、長手方向軸Aの周りで回転可能に)結合し得る。従って、結合部材2120は、係合ブラケットに磁気的に結合するように構成され得るとともに、磁界に反応する材料(例えば、鉄、ニッケル、コバルト、フェライト化合物など)及び/又は磁性材料を含み得る。いくつかの例では、この材料は、弾性材料(例えば、プラスチック)と混合されて、磁性プラスチック材料を生成する。磁気接続は、空気及び麻酔チューブからの力に応答して、接続機構2100の自由な回転を可能にする。気管内チューブに取り付けられた接続機構2100により、より大きな患者の動きは、結合部材2120のブラケットからの解放を引き起こす力を発生させ得る。結合部材2120の磁気応答は、所定の力又は動きに応答して解放するように選択され得る。
【0125】
結合部材2120の外側は、プロファイルが方向性取り付けを補助するように、長手方向軸Aに沿って変化し得る。例えば、結合部材2120のうちの1つの外径は、単一の向きで対応するブラケットと係合するように、他の結合部材2120とは異なり得る。結合部材2120の外面は、環状、円筒状、球状、又は部分的に球状であり得る。他のタイプの360°の磁性表面もまた適切であり得る。
【0126】
図21Bを参照すると、結合部材2120を含むキャップ2104及び2106は、任意の適切な技術を用いて、バレル部分2108A及び2108Bに結合される。例えば、キャップ2104及び2106は、キャップ2104及び2106をねじ締め、スナップ接続、及び/又は接着することによって、ボディ2102のバレル部分2108A及び2108Bに結合され得る。いくつかの実施形態では、キャップ2104及び2106は、クリップによってそれぞれのバレル部分2108A及び2108Bに結合される。いくつかの実施態様では、キャップ2104及び2106は、圧入(press fitting)、超音波溶接、熱かしめ(heat staking)、及び/又は角ピン/丸穴嵌合(square-pin/round-hole fitment)によって、それぞれのバレル部分2108A及び2108Bに結合される。
【0127】
オーバーモールドプロセスによる製造の種々の段階における接続機構2200(例えば、接続機構1850及び/又は2000)の例が、図22A及び22Bに示される。図22Aを参照すると、結合部材の一部となる一対のリング2202が受け取られる。上記の結合部材と同様に、結合部材は、係合ブラケットに磁気的に結合するように構成され得るとともに、リング2202は、磁界に応答する材料及び/又は磁性材料を含み得る。いくつかの例では、この材料をプラスチックと混合して、磁性プラスチック材料を生成する。リング2202は、成形可能な材料の流れに適応する(accommodate)ために、完全なシリンダ又はスロット付きシリンダであり得る。リング2202の外面は、プロファイルが方向性取付けを補助するように、円筒軸に沿って変化し得る。例えば、リング2202のうちの1つの外径は、単一の向きで対応するブラケットと係合するように、他のリング2202と異なり得る。
【0128】
図22Bを参照すると、接続機構2200の流動性材料(例えば、プラスチック材料)が、接続機構2200を形成するようにオーバーモールディングプロセスでリング2202を覆って成形される。流動性材料は、結合部材2204A及び2204Bを形成するように、リング2202を封入し(encapsulate)得る。いくつかの実施態様では、流動性材料は、流動性材料が結合部材2204の外面を形成するように、リング2202の外面を覆う。これは、外側表面のオープンシーム(open seams)を回避し得る。いくつかの実施態様では、流動性材料は、リング2202が結合部材2204の外面を形成するように、リング2202の外面を露出するように制御される。これは、係合ブラケットとのより良好な結合を促進し得るとともに、接続機構2200とブラケットとの間の電気的及び物理的結合を可能にし得る。
【0129】
接続機構2200の残りの要素は、実質的に上述したようになり得る。例えば、中空結合部材2204は、通路2206が接続機構2200を通って延在するように、長手方向軸に沿って延在し得る。接続機構2200は、長手方向軸に対して垂直に又は長手方向軸に対してある角度で延在するチューブ2208を含み得る。チューブ2208は、通路2206まで延在する中空の内部を有し得る。チューブは、接続機構2200を空気源及び/又は麻酔源に結合し、中空の内部は、通路2206への及び通路2206からのガスの流れを可能にする。結合深さを制御するために、チューブ2208は、外側フランジ2210を含み得る。
【0130】
接続機構2200を形成するためのオーバーモールドプロセスの使用は、結合部材2204がキャップとして取り付けられる実施形態とは異なり、結合部材2204と接続機構2200の残りの部分との間に継ぎ目がない特徴的な(distinct)構造を生成する。これは、キャップシームにおける故障及び/又は漏れの潜在的ポイントを除去し得る。オーバーモールディングはまた、接続機構を製造する他の方法よりも費用効果が高くなり得る。
【0131】
マルチショット成形プロセスによる製造の種々の段階における接続機構2300(例えば、接続機構1850及び/又は2000)の例が、図23A及び23Bに示される。図23Aを参照すると、接続機構2300のボディ2302部分は、第1の成形プロセスなどの第1のプロセスで形成される。ボディ2302は、実質的に上述のようになり得るとともに、長手方向軸Aに沿って中間部2306の両側に一対の実質的に円筒形のバレル部分2304A及び2304Bを含み得る。バレル部分2304A及び2304B並びに中間部2306は、それぞれ、通路2308が長手方向軸Aに沿ってボディ2302を通って延在するように中空の内部を有する。バレル部分2304A及び2304Bは、異なる構成(例えば、外径、通路直径、外側テーパ、通路テーパ、かえしなど)を有し得る、又は対称であり得る。いくつかの例では、バレル部分2304A及び2304Bの外面は、フィン及び/又はテクスチャを含むことによって、後続の成形プロセスの間の結合及び/又は流動を促進するように構成される。
【0132】
ボディ2302は、長手方向軸Aに対して垂直又はある角度で中間部2306から延在するチューブ2310を含み得る。チューブ2310は、バレル部分2304A及び2304Bを通って通路2308まで延びる中空の内部を有し得る。チューブは、接続機構2300を空気源及び/又は麻酔源に結合し、中空の内部は、通路2308への及び通路2308からのガスの流れを可能にする。結合深さを制御するために、チューブ2310は、外側フランジ2312を含み得る。
【0133】
図23Bを参照すると、後続の成形プロセスなどの後続プロセスは、バレル部分2304A及び2304Bに結合部材2314を形成する。結合部材2314は、係合ブラケットに回転可能に又は旋回可能に結合され得る。従って、結合部材2314は、係合ブラケットに磁気的に結合するように構成され得るとともに、磁界に応答する材料及び/又は磁性材料を含み得る。いくつかの例では、この材料は、弾性材料(例えば、プラスチック)と混合されて、磁性プラスチック材料を生成する。結合部材2314の磁気応答は、所定の力又は動きに応答して解放するように選択され得る。
【0134】
結合部材2314の外側は、プロファイルが方向性取り付けを補助するように、長手方向軸Aに沿って変化し得る。例えば、結合部材2314のうちの1つの外径は、単一の向きで対応するブラケットと係合するように、他の結合部材2314とは異なり得る。結合部材2314の外面は、環状、円筒状、球状、又は部分的に球状であり得る。他のタイプの360°の磁性表面もまた適切であり得る。
【0135】
マルチショット成形は、結合部材2314と接続機構2300の残りの部分との間に継ぎ目がない特徴的な構造を生成する。これは、キャップシームにおける故障及び/又は漏れの潜在的ポイントを除去し得る。マルチショット成形はまた、接続機構を製造する他の方法よりも費用効果が高くなり得る。
【0136】
接続機構2400のさらなる例が、図24A及び図24Bに示される。接続機構2400は、ボディ2402部分と、ボディ2402に結合するシェル2404とを含む。ボディ2402及びシェル2404は、図24Aにおいて非結合構成で及び図24Bにおいて結合構成で示される。
【0137】
ボディ2402に関して、接続機構2400のこの部分は、長手方向軸Aに沿った中間部2408の両側に一対の実質的に円筒形のバレル部分2406A及び2406Bを含む。バレル部分2406A及び2406B並びに中間部2408は、それぞれ、通路2410が長手方向軸Aに沿ったボディ2402を通って延在するように中空の内部を有する。いくつかの実施形態では、バレル部分2406Aの一方の端部は、気管内チューブ(例えば、気管内チューブ311及び/又は478)に結合するように構成され、他方のバレル部分2406Bの端部は、細長い装置が通路2410を通って長手方向に延在し得るように細長い装置(例えば、細長い装置202、310、472、及び/又は1600)に結合するように構成される。この目的のために、バレル部分2406は、異なる構成(例えば、外径、通路径、外側テーパ、通路テーパ、かえしなど)を有し得る又は対称であり得る。
【0138】
バレル部分2406を収容するために、中間部2408は、円筒軸に沿って変化するプロファイル(例えば、異なる外径、異なる通路径、外部表面テーパ、通路テーパなど)を有し得る又は全体を通じて実質的に均一なプロファイルを有し得る。いくつかの実施態様では、中間部2408は、強度及び/又はグリップのための外側表面上のフィンを含む。フィンは、長手方向軸Aに沿って及び/又はそれに垂直に延在し得る。更なる実施態様では、中間部2408の外側は、フィンに加えて又はフィンの代わりにテクスチャ加工される。
【0139】
ボディ2402は、長手方向軸Aに垂直に又はそれに対してある角度で中間部2408から延びるチューブ2412を含み得る。チューブ2412は、バレル部分2406を通って通路2410まで延びる中空の内部を有し得る。チューブは、接続機構2400を空気源及び/又は麻酔源に結合し、中空の内部は、通路2410への及び通路2410からのガスの流れを可能にする。結合深さを制御するために、チューブ2412は、外側フランジ2414を含み得る。いくつかの実施態様では、中間部2408のフィンは、外側フランジ2414から延在する。
【0140】
次にシェル2404を参照すると、接続機構2400のこの部分は、中間部2418の両側に配置された一対の結合部材2416を含む。結合部材2416は、ボディ2402のバレル部分2406に結合するように構成された中空円筒部分及び/又は水平円筒形セグメント(例えば、リング)を含み得る。一つのこのような実施形態では、第1の結合部材2416は、第1のバレル部分2406の半分よりも多くを囲むように構成された円筒部分及び水平円筒形セグメントを含み、第2の結合部材2416は、第2のバレル部分2406の半分よりも多くを囲むように構成された水平円筒形セグメントを含む。このようにして、結合部材2416は、シェル2404をボディ2402に固定するために、バレル部分2406に結合する。シェル2404の材料は、結合する間に膨張し、結合した時に収縮するように弾性的に変形可能であり得る。いくつかのこのような実施態様では、弛緩状態における結合部材の内面は、それが結合するバレル部分の外面と実質的に同じ半径を有する。いくつかの実施態様では、シェル2404は、結合及び/又は解放(uncoupling)力を加えるのを助けるために結合部材2416の一方又は両方から延びるタブ2420を含む。
【0141】
シェル2404の中間部2418は、ボディ2402の中間部2408に接触しても、接触しなくてもよい。従って、いくつかの実施態様において、シェル2404の中間部2418は、シェル2404をボディ2402に結合し固定するために、ボディ2402の中間部2408の半分より多くを囲むように構成された水平円筒形セグメントを含む。さらなる態様では、シェル2404の中間部2418は、ボディ2402を囲まない。
【0142】
シェル2404の結合部材2416は、ドッキングスパーに一体化され得る係合ブラケットに回転可能に又は旋回可能に(例えば、長手方向軸Aの周りに回転可能に)結合され得る。いくつかのそのような実施形態では、結合部材2416は、係合ブラケットに磁気的に結合するように構成され、磁界に応答する材料及び/又は磁性材料を含み得る。いくつかの例では、この材料は、ボディ2402への結合を助けるために、弾性材料と混合される。
【0143】
磁気接続は、空気及び麻酔チューブからの力に応答して、接続機構2400の自由な回転を可能にする。気管内チューブに取り付けられた接続機構2400により、より大きな患者の動きは、結合部材2416をブラケットから解放させる力を発生させ得る。従って、気管内チューブに結合された接続機構2400は、ドッキングスパーのブラケットから分離し、接続機構2400及び気管内チューブを患者に固定したままにする。結合部材2416の磁気応答は、所定の力又は動きに応答して解放するように選択され得る。
【0144】
オプションで、接続機構2400は、接続機構がブラケットに完全に据え付けられている、部分的に据え付けられている、又は据え付けられていないときを検出するホールセンサを含み得る。ロボット医療システムの種々の制御モードは、接続機構2400の検出された据え付けに応じて作動され得る。接続機構シェル2404の外側は、プロファイルが方向性取り付けを補助するように、長手方向軸Aに沿って変化し得る。例えば、結合部材2416のうちの1つの外径は、単一の向きで対応するブラケットと係合するように、他の結合部材2416とは異なり得る。結合部材2416の外面は、環状、円筒状、球状、又は部分的に球状であり得る。他のタイプの360°の磁性表面もまた適切であり得る。
【0145】
2部品(two-part)接続機構2400は、製造を単純化し、コストを低減し、再利用を促進し得る。例えば、ボディ2402及びシェル2404は、異なる材料を含み得るので、いくつかの実施形態では、それらを2つの別個のピースとして製造するために、組み立て及び/又は低コストにすることがより直接的である。いくつかの実施形態では、少なくともシェル2404は、再利用され得る。特に、シェル2404がボディ2402よりも製造コストが高い例では、シェル2404を再使用することによるコスト節約は、2つのピースを製造することに関連するコスト増加を正当化し得る。
【0146】
図25A及び25Bは、上記のいずれかの(例えば、接続機構1850、2000、2100、2200、2300、及び/又は2400)ような接続機構2502に係合するためのブラケット2500を示す。具体的には、図25Aは、係合ブラケット2500及び接続機構2502を非結合構成で示し、図25Bは、係合ブラケット2500及び接続機構2502を結合され且つロックされた構成で示す。係合ブラケット2500は、マニピュレータアセンブリのドッキングスパーのようなロボット医療システムの一部に結合され得るとともに、接続機構2502をシステムに結合し得る。
【0147】
係合ブラケット2500は、接続機構2502と相互作用する(interfacing with)ための係合面2504と、接続機構2502を係合面2504に対して保持するための磁気又は磁気反応性保持要素2506とを含み得る。いくつかの例では、係合ブラケット2500は、接続機構2502の結合部材に磁気的に結合することによって接続機構2502を保持し、従って、保持要素2506は、接続機構2502に結合するための磁界を生成し及び/又は接続機構2502において磁石と結合するために磁界と反応する材料を含む。様々なこのような例では、保持要素2506は、1つ又は複数の永久磁石、電磁石、及び/又は永久磁石と電磁石とを組み合わせるハイブリッド磁石を含み得る。
【0148】
保持要素2506は、係合面2504に対して固定され得る又は移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、保持要素2506は、係合ブラケット2500と接続機構2502との間の結合力の量を変化させるために移動可能である。一つのこのような実施形態では、保持要素2506は、磁気結合力を増大させるように係合面2504に近くに及び磁気結合力を減少させるように係合面2504から遠くに保持要素2506を移動させる機械的アクチュエータ(例えば、レバー)2508に結合される。特に、保持要素2506は、接続機構2502が係合面2504に向かってスナップして(snap)衝突する傾向を減少させ且つ接続解除を容易にするために、図25Aに示されるように、接続機構2502が接続又は接続解除されている間に係合面2504から比較的離れ得る。接続機構2502が係合面2504に接触すると、保持要素2506は、図25Bのロックされた構成に示されるように、結合力を増加させるために、係合面2504の近くに移動され得る。保持要素2506が電磁石を含む例では、機械的アクチュエータ2508はまた、接続機構2502が接続又は接続解除されている間にロックされていない構成における結合力を減少させるために、及び、ロックされた構成において供給される電力を増加させるために、電磁石に供給される電力に影響を及ぼし得る。保持要素2506がハイブリッド磁石を含む例では、ハイブリッド磁石の電磁部分は、中和又は反発力を与えることによって接続機構の解放を強化又は加速するように電力を供給され得る。
【0149】
いくつかの例では、係合ブラケット2500は、接続機構2502がいつ係合面2504に近接しているか又は接触しているかを感知するためのセンサ2510を含む。一つのこのような実施形態では、センサ2510は、接続機構2502が係合ブラケット2500に完全に据え付けられる、部分的に据え付けられる、又は据え付けられないときの磁界の変化を検出するためのホールセンサを含む。センサ2510は、保持要素2506と歩調を合わせて動く(move in tandem with)ように、機械的アクチュエータ2508及び保持要素2506に結合され得る。すなわち、センサ2510は、接続機構2502がロック解除された構成で接続又は接続解除されている間、係合面2504から比較的遠くに移動され得る。接続機構2502が係合面2504に接触すると、センサ2510は、ロックされた構成において、係合面2504のより近くに移動され得る。
【0150】
図26は、結合力の電子制御により、上述のいずれかのような接続機構2602に係合するためのブラケット2600を示す。係合ブラケット2600は、マニピュレータアセンブリのドッキングスパーのようなロボット医療システムの一部に結合され得るとともに、接続機構2602をシステムに結合し得る。
【0151】
係合ブラケット2600は、多くの態様において上述したものに類似し得る。例えば、係合ブラケットは、接続機構2602と相互作用するための係合面2604と、接続機構2602を係合面2604に対して保持するための磁気又は磁気反応性保持要素2606とを含み得る。いくつかの例では、係合ブラケット2600は、接続機構2602の結合部材に磁気的に結合することによって接続機構2602を保持し、保持要素2606は、接続機構2602に結合するための磁界を生成し及び/又は接続機構2602の磁石と結合するために磁界と反応する材料を含む。様々なこのような例では、保持要素2606は、1つ又は複数の永久磁石、電磁石、及び/又はハイブリッド磁石を含み得る。
【0152】
係合ブラケット2600は、係合ブラケット2600と接続機構2602との間の結合力の量を制御するための制御機構2608を含み得る。いくつかの実施形態では、保持要素2606は電磁石を含み、制御機構2608は、スイッチ、シャント、可変抵抗器、及び/又は他の電力制御要素を含み、電磁石を通る電圧及び/又は電流を制御し、それによって結合力を調整する。制御機構は、接続機構2602が係合面2604に向かってスナップする傾向を減少させるために、接続機構2602を接続又は接続解除する間に比較的低い量の力を維持し得る。ハイブリッド磁石を用いた例では、低い量の力は永久磁石によって提供され得る。接続機構2602が係合面2604に接触すると、制御機構は、保持要素2606の電磁石に供給される電力を増加させることによって接続機構2602を固定するように、保持要素2606によって提供される結合力の量を増加させ得る。いくつかの実施形態では、制御機構2608は、ソレノイド、リニアアクチュエータ、又は他の電気機械アクチュエータを含み、保持要素2606と係合面2604との間の距離を制御し、それによって、上述のように実質的に結合力を調整する。
【0153】
係合ブラケット2600はまた、接続機構2602がいつ係合面2604に近接している又は接触しているかを感知し、それに従って結合力を調整するように制御機構2608に指示するために、制御機構2608に結合されたセンサ2610を含み得る。一実施形態では、制御機構2608は、接続機構2602が係合面2604に近接しているか又は接触していることをセンサ2610が示している場合、保持要素2606によって提供される結合力を増加させ、接続機構2602が係合面2604に近接していないか又は接触していないことをセンサ2610が示している場合、保持要素2606によって提供される結合力を減少させる。センサ2610は、接続機構2602が係合ブラケット2600に完全に据え付けられている、部分的に据え付けられている、又は据え付けられていないときの磁界の変化を検出するためのホールセンサを含み得る。他の適切なセンサ2610は、圧力センサ、接触センサ、及び他の適切な感知機構を含む。
【0154】
図27は、本開示の一実施形態による方法2700を示す。方法2700は、接続機構(例えば、接続機構1850、2000、2100、2200、2300、2400、2502及び/又は2602)を設置する(installing)ためのワークフローを含む。方法2700は、一組の動作又はプロセス2705乃至2740として図27に示される。図示されたプロセス2705乃至2740のすべてが、方法2700の全ての実施形態において実施されるわけではない。加えて、図27に明示的に図示されていない1つ又は複数のプロセスが、プロセス2705乃至2740の前、後、間、又はその一部として含まれ得る。いくつかの実施形態では、プロセス2705乃至2740のうちの1つ又は複数は、少なくとも部分的に、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、制御システムのプロセッサ)によって実行されると、1つ又は複数のプロセッサにプロセスのうちの1つ又は複数を実行させ得る非一時的、有形の、機械可読媒体上に記憶された実行可能コードの形態で実装され得る。方法2700は、プロセス2705から始まる。プロセス2710において、空気チューブ及び麻酔チューブが接続機構に取り付けられ得る。プロセス2715において、気管内チューブ(例えば、気管内チューブ311及び/又は478)が患者の解剖学的構造内に配置され得る。プロセス2720において、接続機構は気管内チューブに取り付けられ得る。プロセス2725において、マニピュレータアセンブリの一部(例えば、マニピュレータ460のカート462)が患者の近くに位置決めされ得る。マニピュレータアセンブリの一部は、ブラケット(例えば、ドッキングスパー480上の取り付けブラケット1852及び/又はブラケット2001、2500、及び/又は2600)を含み得る。プロセス2730において、接続機構はブラケットに接続され得る。プロセス2735において、細長い装置(例えば、細長い装置202、310、472、及び/又は1600)が、接続機構を通って及び気管内チューブを通って送り込まれる。方法2700は、プロセス2740で終わり得る。
【0155】
本発明の実施形態における1つ又は複数の要素は、制御システム112などのコンピュータシステムのプロセッサ上で実行するようにソフトウェアで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、本発明の実施形態の要素は、本質的に、必要なタスクを実行するためのコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、伝送媒体又は通信リンク上の搬送波に具現化されたコンピュータデータ信号によってダウンロードされた可能性があるプロセッサ可読記憶媒体又は装置に記憶することができる。プロセッサ可読記憶装置は、光学媒体、半導体媒体、及び磁気媒体を含む情報を記憶することができる任意の媒体を含み得る。プロセッサ可読記憶装置の例は、電子回路;半導体デバイス、半導体メモリデバイス、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM);フロッピーディスケット、CD‐ROM、光ディスク、ハードディスク、又は他の記憶装置を含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネットなどのコンピュータネットワークを介してダウンロードされ得る。
【0156】
提示されたプロセス及びディスプレイは、本質的に、任意の特定のコンピュータ又は他の装置に関連するものではないことに留意されたい。種々のこれらのシステムに対して要求される構造は、特許請求の範囲の要素として現れるであろう。加えて、本発明の実施形態は、いかなる特定のプログラミング言語も参照して説明されない。本明細書に記述されるように、本発明の教示を実装するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されるであろう。
【0157】
本発明の特定の例示的実施形態が説明されるとともに添付の図面に示されているが、このような実施形態は単に広範な発明を例示しているに過ぎず、限定するものではないこと、及び本発明の実施形態は、当業者には種々の他の修正が起こり得るので、図示及び説明される特定の構成及び構成に限定されないことを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C-1】
図6C-2】
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24A
図24B
図25A
図25B
図26
図27
【外国語明細書】