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特開2022-171723便座装置及び便座装置遠隔操作プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171723
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】便座装置及び便座装置遠隔操作プログラム
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/24 20060101AFI20221104BHJP
   H04W 76/38 20180101ALI20221104BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20221104BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20221104BHJP
   H04M 1/72409 20210101ALI20221104BHJP
【FI】
A47K13/24
H04W76/38
H04Q9/00 301D
H04M1/00 U
H04M1/72409
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139297
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2019010842の分割
【原出願日】2019-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】大石 竜太
(72)【発明者】
【氏名】七搦 寛
(72)【発明者】
【氏名】吉川 和成
(57)【要約】
【課題】前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制できる便座装置及び便座装置遠隔操作プログラムを提供する。
【解決手段】便座への着座を検知する着座検知センサと、無線通信部を介して携帯情報端末から受信した信号に基づいて動作部の動作を制御する携帯情報端末動作モードを実行可能な制御部と、を備え、制御部は、無線通信部が携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、着座検知センサが着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された第1条件と、携帯情報端末の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件と、の両方を満たした場合に、通信接続状態を自動で切断する自動切断処理、又は携帯情報端末動作モードを自動で終了する自動終了処理を実行することを特徴とする便座装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座する便座と、
前記便座への着座を検知する着座検知センサと、
携帯情報端末と無線通信を行う無線通信部と、
所定の動作を行う動作部と、
前記無線通信部を介して前記携帯情報端末から受信した信号に基づいて前記動作部の動作を制御する携帯情報端末動作モードを実行可能な制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された第1条件と、前記携帯情報端末の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件と、の両方を満たした場合に、前記通信接続状態を自動で切断する自動切断処理、又は前記携帯情報端末動作モードを自動で終了する自動終了処理を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記制御部は、操作部又は前記携帯情報端末から入力された信号に基づいて、前記第1所定時間及び前記第2所定時間を変更することを特徴とする請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記第2所定時間は、前記第1所定時間と異なる値に設定可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の便座装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が前記第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、又は、前記携帯情報端末の非操作が前記第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項5】
人体を検知する人体検知センサをさらに備え、
前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記第1条件と、前記第2条件と、前記人体検知センサが人体を検知していない状態が第3所定時間以上継続された第3条件と、の全てを満たした場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が前記第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、前記携帯情報端末の非操作が前記第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合、又は前記人体検知センサが人体を検知していない状態が第3所定時間よりも長い第3延長時間以上継続された場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする請求項5記載の便座装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が前記第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、前記携帯情報端末の非操作が前記第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合、及び前記人体検知センサが人体を検知していない状態が第3所定時間よりも長い第3延長時間以上継続された場合の、いずれか2つを満たした場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする請求項5記載の便座装置。
【請求項8】
前記第1所定時間と前記第2所定時間と前記第3所定時間とは、それぞれ異なる値に設定可能であることを特徴とする請求項5~7のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項9】
便座装置と無線通信を行う無線通信部と、操作画面を表示するための表示部と、操作指示を入力するための操作部と、前記操作部から入力された操作指示に応じて前記無線通信部及び前記表示部を制御する制御部と、を備えた携帯情報端末にインストール可能に構成され、便座への着座を検知する着座検知センサを備えた前記便座装置を遠隔操作する遠隔操作モードを前記携帯情報端末の前記制御部に実行させる便座装置遠隔操作プログラムであって、
前記無線通信部が前記便座装置と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサの検知結果に関する情報を前記便座装置から取得する工程と、
前記通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された第1条件と、前記携帯情報端末の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件と、の両方を満たした場合に、前記通信接続状態を自動で切断する自動切断処理、又は前記遠隔操作モードを自動で終了する自動終了処理を実行する工程と、
を、前記携帯情報端末に実行させることを特徴とする便座装置遠隔操作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、便座装置及び便座装置遠隔操作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯情報端末を使って温水洗浄便座などの便座装置を遠隔操作する技術が知られている(例えば、特許文献1)。携帯情報端末は、便座装置と無線通信を行うことにより、便座装置を遠隔操作する。この際、便座装置と携帯情報端末との通信規格によっては、1つの携帯情報端末を便座装置に接続している間は、その便座装置に別の携帯情報端末を接続することができない。
【0003】
便座装置と携帯情報端末との通信接続は、使用者が通信接続の切断処理を行うか、もしくは携帯情報端末が便座装置の通信圏外まで移動することによって切断される。このため、便座装置と携帯情報端末との通信の範囲が比較的広い場合に、使用者が通信接続の切断処理を忘れてしまうと、その使用者が便座装置の通信圏外まで移動するまで、次の使用者が携帯情報端末を便座装置に接続できなくなってしまう。
【0004】
このため、携帯情報端末によって遠隔操作可能な便座装置、及びスマートフォンなどの携帯情報端末にインストールして使用され、便座装置を遠隔操作するための便座装置遠隔操作プログラムでは、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5889461号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、携帯情報端末によって遠隔操作可能な便座装置及びその便座装置遠隔操作プログラムにおいて、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制できる便座装置及び便座装置遠隔操作プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、使用者が着座する便座と、前記便座への着座を検知する着座検知センサと、携帯情報端末と無線通信を行う無線通信部と、所定の動作を行う動作部と、前記無線通信部を介して前記携帯情報端末から受信した信号に基づいて前記動作部の動作を制御する携帯情報端末動作モードを実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された第1条件と、前記携帯情報端末の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件と、の両方を満たした場合に、前記通信接続状態を自動で切断する自動切断処理、又は前記携帯情報端末動作モードを自動で終了する自動終了処理を実行することを特徴とする便座装置である。
【0008】
この便座装置によれば、自動切断処理又は自動終了処理を実行することにより、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制することができる。また、第1条件と第2条件とを両方満たした場合に自動切断処理又は自動終了処理を実行することにより、例えば、排泄に長時間を要してしまい、携帯情報端末を所定時間操作しなかった場合など、使用者のトイレ使用が終了していない状態で通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制することができる。従って、トイレ使用中に意図せず通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制しつつ、トイレ使用後に適切に自動切断処理又は自動終了処理を実行することできる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、操作部又は前記携帯情報端末から入力された信号に基づいて、前記第1所定時間及び前記第2所定時間を変更することを特徴とする便座装置である。
【0010】
この便座装置によれば、第1所定時間及び第2所定時間を変更可能としたことで、例えば、連続使用が頻繁に生じるパブリック現場に便座装置が設置される場合は、第1所定時間及び第2所定時間を短く設定することで、自動切断処理又は自動終了処理を早期に実行することができ、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態をより適切に抑制することができる。そして、例えば、連続使用が頻繁に生じ難い住宅現場に便座装置が設置される場合は、第1所定時間及び第2所定時間を長く設定することで、トイレ使用中に意図せず通信接続状態が切断されてしまうことなどをより適切に抑制することができる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第2所定時間は、前記第1所定時間と異なる値に設定可能であることを特徴とする便座装置である。
【0012】
例えば、排泄行為の長い使用者の場合には、携帯情報端末の非操作の第2所定時間は、長い方が好ましい。一方で、着座非検知の第1所定時間も長くしてしまうと、自動切断処理又は自動終了処理の実行が遅くなり、次の使用者がしばらく通信接続できなくなってしまう可能性が高くなってしまう。この便座装置によれば、第1所定時間と第2所定時間とを異なる値に設定可能としたことで、例えば、第1所定時間を短くし、第2所定時間を長くすることで、意図しない切断を抑制しつつ、トイレ使用後の早期に自動切断処理又は自動終了処理を実行することができる。
【0013】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が前記第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、又は、前記携帯情報端末の非操作が前記第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする便座装置である。
【0014】
この便座装置によれば、例えば、着座検知センサが誤検知を起こし、人がいないのに着座を検知してしまっている場合などにも、適切に自動切断処理又は自動終了処理を実行することができる。
【0015】
第5の発明は、第1~第4のいずれか1つの発明において、人体を検知する人体検知センサをさらに備え、前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記第1条件と、前記第2条件と、前記人体検知センサが人体を検知していない状態が第3所定時間以上継続された第3条件と、の全てを満たした場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする便座装置である。
【0016】
この便座装置によれば、3つの条件を満たした時に自動切断処理又は自動終了処理を実行することにより、意図しない切断をより適切に抑制しつつ、トイレ使用後に自動切断処理又は自動終了処理を実行することができる。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が前記第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、前記携帯情報端末の非操作が前記第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合、又は前記人体検知センサが人体を検知していない状態が第3所定時間よりも長い第3延長時間以上継続された場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする便座装置である。
【0018】
この便座装置によれば、例えば、着座検知センサや人体検知センサが誤検知を起こし、人がいないのに検知してしまっている場合などにも、適切に自動切断処理又は自動終了処理を実行することができる。
【0019】
第7の発明は、第5の発明において、前記制御部は、前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が前記第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、前記携帯情報端末の非操作が前記第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合、及び前記人体検知センサが人体を検知していない状態が第3所定時間よりも長い第3延長時間以上継続された場合の、いずれか2つを満たした場合に、前記自動切断処理又は前記自動終了処理を実行することを特徴とする便座装置である。
【0020】
この便座装置によれば、例えば、着座検知センサや人体検知センサが誤検知を起こし、人がいないのに検知してしまっている場合などにも、適切に自動切断処理又は自動終了処理を実行することができる。また、いずれか2つを満たした場合に、自動切断処理又は自動終了処理を実行することで、意図しない切断をより適切に抑制することができる。
【0021】
第8の発明は、第5~第7のいずれか1つの発明において、前記第1所定時間と前記第2所定時間と前記第3所定時間とは、それぞれ異なる値に設定可能であることを特徴とする便座装置である。
【0022】
例えば、排泄行為の長い使用者の場合には、携帯情報端末の非操作の第2所定時間は、長い方が好ましい。一方で、着座非検知の第1所定時間及び人体非検知の第3所定時間も長くしてしまうと、自動切断処理又は自動終了処理の実行が遅くなり、次の使用者がしばらく通信接続できなくなってしまう可能性が高くなってしまう。また、トイレットペーパーの補充やお尻拭き動作があるため、着座非検知の第1所定時間は、やや長い方が好ましい。一方、人体非検知の第3所定時間も長くすると、自動切断処理又は自動終了処理の実行が遅くなり、次の使用者がしばらく通信接続できなくなってしまう可能性が高くなってしまう。この便座装置によれば、第1所定時間と第2所定時間と第3所定時間とをそれぞれ異なる値に設定可能としたことで、例えば、第1所定時間を中程度とし、第2所定時間を最も長くし、第3所定時間を最も短くすることで、意図しない切断を抑制しつつ、トイレ使用後の早期に自動切断処理又は自動終了処理を実行することができる。
【0023】
第9の発明は、便座装置と無線通信を行う無線通信部と、操作画面を表示するための表示部と、操作指示を入力するための操作部と、前記操作部から入力された操作指示に応じて前記無線通信部及び前記表示部を制御する制御部と、を備えた携帯情報端末にインストール可能に構成され、便座への着座を検知する着座検知センサを備えた前記便座装置を遠隔操作する遠隔操作モードを前記携帯情報端末の前記制御部に実行させる便座装置遠隔操作プログラムであって、前記無線通信部が前記便座装置と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサの検知結果に関する情報を前記便座装置から取得する工程と、前記通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された第1条件と、前記携帯情報端末の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件と、の両方を満たした場合に、前記通信接続状態を自動で切断する自動切断処理、又は前記遠隔操作モードを自動で終了する自動終了処理を実行する工程と、を、前記携帯情報端末に実行させることを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0024】
この便座装置遠隔操作プログラムによれば、自動切断処理又は自動終了処理を実行することにより、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制することができる。また、第1条件と第2条件とを両方満たした場合に自動切断処理又は自動終了処理を実行することにより、例えば、排泄に長時間を要してしまい、携帯情報端末を所定時間操作しなかった場合など、使用者のトイレ使用が終了していない状態で通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制することができる。従って、トイレ使用中に意図せず通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制しつつ、トイレ使用後に適切に自動切断処理又は自動終了処理を実行することできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の態様によれば、携帯情報端末によって遠隔操作可能な便座装置及びその便座装置遠隔操作プログラムにおいて、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制できる便座装置及び便座装置遠隔操作プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1の実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る便座装置を模式的に表すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る携帯情報端末を模式的に表すブロック図である。
図4】携帯情報端末の表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表す説明図である。
図5】第1の実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図9】第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図10】第2の実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す斜視図である。
図11】第2の実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図12】第3の実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレシステム2は、トイレ装置10と、携帯情報端末100と、を備える。トイレ装置10は、住宅や公共施設のトイレ室TRに設置される。住宅では、例えば、1階と2階など複数のトイレ室TRが設置される場合がある。また、公共施設では、例えば、間仕切りなどでトイレ空間を仕切ることにより、1つのトイレ空間内に複数のトイレ室TRが設置される場合がある。公共施設のトイレ室TRは、換言すれば、トイレブースである。トイレ装置10は、例えば、こうした複数のトイレ室TRのそれぞれに設置される。
【0029】
トイレ装置10は、腰掛け大便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)12と、便座装置20と、を備える。便座装置20は、便器12の上部に設置される。便座装置20は、便器12に対して一体的に取り付けてもよいし、便器12に対して着脱可能に取り付けてもよい。
【0030】
便座装置20は、本体部22と、便座24と、便蓋26と、リモコン28と、ノズル30と、を備える。便蓋26は、便座装置20に必要に応じて設けられ、省略可能である。便座24と便蓋26とは、本体部22に対して回転可能に軸支されている。
【0031】
なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」及び「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋26に背を向けて便座24に座った使用者から見た方向である。
【0032】
便器12は、ボウル部12aを有する。ボウル部12aは、下方に凹む凹状である。便器12は、ボウル部12aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。便座装置20の本体部22は、便器12のボウル部12aよりも後方の部分の上に取り付けられる。
【0033】
使用者が着座するための便座24は、ボウル部12aを露呈させる開口部24aを有する。便座24は、下げた状態において、ボウル部12aの外縁を囲むように便器12の上に設けられ、開口部24aを介してボウル部12aを露呈させる。これにより、使用者は、便座24に座った状態でボウル部12aに排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部24aが形成された、いわゆるO型の便座24を示している。便座24は、O型に限ることなく、U字型などでもよい。開口部24aは、貫通孔状に限ることなく、切り欠き状でもよい。使用状態(使用者が着座可能な状態)の便座24を上方から見た形状は、環状又はU字状である。
【0034】
リモコン28は、例えば、複数のスイッチやセンサなどを有し、使用者からの操作指示を受け付ける。また、リモコン28は、有線又は無線を介して本体部22と接続され、使用者から入力された操作指示を本体部22に送信する。本体部22は、リモコン28から入力された操作指示に応じて所定の動作を実行する。なお、本体部22への操作指示の入力は、例えば、本体部22に設けられた操作パネルなどを介して行ってもよい。すなわち、リモコン28は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0035】
ノズル30は、本体部22に設けられている。ノズル30は、本体部22内に収納された位置と、本体部22から前方に突出し、ボウル部12a内に進出した位置と、に進退移動する。なお、図1は、ノズル30がボウル部12a内に進出した状態を表している。
【0036】
便座装置20は、ノズル30をボウル部12a内に進出させた状態で、使用者の「おしり」などの局部に向けてノズル30から洗浄水を吐水することにより、使用者の局部を洗浄する局部洗浄機能を有する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0037】
リモコン28は、例えば、洗浄ボタンや停止ボタンなど、局部洗浄機能の動作を操作するための複数の操作部材を有する。便座装置20は、例えば、リモコン28から入力される操作指示に基づいて、局部洗浄機能の動作を実行する。これにより、使用者は、リモコン28の操作に応じて、局部の洗浄を行うことができる。
【0038】
携帯情報端末100は、例えば、使用者の所有するスマートフォンやタブレット端末などである。但し、携帯情報端末100は、これらに限ることなく、使用者が携帯可能な任意の端末でよい。
【0039】
携帯情報端末100には、便座装置20を遠隔操作するための遠隔操作プログラム(アプリケーションソフトウェア)が予めインストールされている。携帯情報端末100は、遠隔操作プログラムに基づいて、便座装置20を遠隔操作する遠隔操作モードの動作を実行する。トイレシステム2では、携帯情報端末100において上記の遠隔操作プログラムを起動させ、携帯情報端末100を遠隔操作モードで動作させることにより、携帯情報端末100によって便座装置20の動作を遠隔操作することができる。
【0040】
トイレシステム2では、例えば、携帯情報端末100によって便座装置20の局部洗浄機能の動作を遠隔操作することができる。すなわち、トイレシステム2では、リモコン28及び携帯情報端末100のいずれかを操作することにより、便座装置20の局部洗浄機能の動作などを遠隔操作することができる。
【0041】
この例において、便座装置20は、換言すれば、局部洗浄機能を有する衛生洗浄装置である。便座装置20は、衛生洗浄装置に限ることなく、例えば、便座24の座面を温める暖房便座装置などでもよい。リモコン28及び携帯情報端末100によって遠隔操作する便座装置20の動作は、局部洗浄機能の動作に限ることなく、任意の動作でよい。
【0042】
図2は、第1の実施形態に係る便座装置を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、便座装置20は、制御部40と、記憶部42と、第1人体検知センサ51と、第2人体検知センサ52と、着座検知センサ53と、第1無線通信部61と、第2無線通信部62と、便蓋開閉装置70と、便座開閉装置71と、便座ヒータ72と、電磁弁73と、温水ヒータ74と、ノズル駆動装置75と、脱臭装置76と、室内暖房装置77と、照明装置78と、便器洗浄装置79と、温風送風機80と、を備える。
【0043】
記憶部42は、便座装置20の各部の動作を制御するための各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。制御部40は、記憶部42に記憶された各種のプログラムやデータを読み出し、逐次処理することにより、便座装置20の各部の動作を統括的に制御する。
【0044】
第1人体検知センサ51は、便座装置20に近づく人体を検知する。換言すれば、第1人体検知センサ51は、トイレ室TRに入室した人体を検知する。第1人体検知センサ51には、例えば、焦電センサや電波センサなどが用いられる。第1人体検知センサ51は、制御部40と接続されている。第1人体検知センサ51は、人体の検知結果を制御部40に入力する。
【0045】
第2人体検知センサ52は、便座装置20(便器12)の前に立つ人体を検知する。第2人体検知センサ52には、例えば、赤外線測距センサなどが用いられる。第2人体検知センサ52は、制御部40と接続されている。第2人体検知センサ52は、人体の検知結果を制御部40に入力する。
【0046】
着座検知センサ53は、便座24への着座を検知する。着座検知センサ53は、便座24への着座を検知した検知状態と、便座24への着座を検知していない非検知状態と、を有する。着座検知センサ53には、例えば、機械的なスイッチや静電センサなどが用いられる。着座検知センサ53は、制御部40と接続されている。着座検知センサ53は、人体の検知結果を制御部40に入力する。
【0047】
第1無線通信部61は、リモコン28との無線通信を行う。第1無線通信部61は、例えば、リモコン28から送信された赤外線信号を受光する赤外線受光装置である。第1無線通信部61は、制御部40と接続されている。第1無線通信部61は、リモコン28から受信した受信信号を制御部40に入力する。
【0048】
第2無線通信部62は、携帯情報端末100との無線通信を行う。第2無線通信部62は、例えば、携帯情報端末100と双方向の無線通信を行う。第2無線通信部62には、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fiなどの通信規格に準拠した無線通信装置が用いられる。以下では、第2無線通信部62にBluetooth(登録商標)やWi-Fiの直接接続機能を用いた場合など、他の機器を介することなく、便座装置20と携帯情報端末100とが無線通信によって直接的に接続される場合を例に説明を行う。第2無線通信部62は、制御部40と接続されている。第2無線通信部62は、携帯情報端末100から受信した受信信号を制御部40に入力するとともに、制御部40から入力された送信信号を携帯情報端末100に送信する。
【0049】
便蓋開閉装置70は、制御部40と接続されており、制御部40の制御に基づいて便蓋26を自動的に開閉する。制御部40は、例えば、第1人体検知センサ51又は第2人体検知センサ52による人体の検知に基づいて便蓋26を開き、第1人体検知センサ51又は第2人体検知センサ52による人体の非検知に基づいて便蓋26を閉じる。また、制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作に応じて便蓋開閉装置70を駆動することにより、便蓋26を開閉する。
【0050】
便座開閉装置71は、制御部40と接続されており、制御部40の制御に基づいて便座24を自動的に開閉する。制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作に応じて便座開閉装置71を駆動することにより、便座24を開閉する。
【0051】
便座ヒータ72は、便座24の内部に設けられ、便座24の座面を内側から温める。便座ヒータ72は、制御部40と接続され、制御部40の制御に基づいて便座24の座面を温める。制御部40は、例えば、便座24の座面の温度が、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって設定された温度となるように、便座ヒータ72の駆動を制御する。
【0052】
電磁弁73は、給水源とノズル30との間に設けられる。電磁弁73を開くことにより、ノズル30に洗浄水が供給される。電磁弁73を閉じることにより、ノズル30への洗浄水の供給が停止される。電磁弁73は、制御部40と接続されている。電磁弁73は、制御部40の制御に基づいて、ノズル30への洗浄水の供給及びノズル30への洗浄水の供給の停止を切り替える。
【0053】
温水ヒータ74は、電磁弁73の下流に設けられている。温水ヒータ74は、制御部40と接続されている。温水ヒータ74は、制御部40の制御に基づいて、給水源から供給された洗浄水を加熱し、例えば規定の温度まで昇温させる。温水ヒータ74は、給水源から供給された洗浄水を、設定された温度の温水に変換する。温水ヒータ74は、例えばセラミックヒータなどを用いた瞬間加熱式(瞬間式)の熱交換器でもよいし、貯湯タンクを用いた貯湯加熱式の熱交換器でもよい。
【0054】
また、制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって、温水温度を設定可能とする。使用者は、リモコン28又は携帯情報端末100を操作することにより、温水温度を所望の温度に設定することができる。
【0055】
ノズル駆動装置75は、本体部22内に収納された位置と、本体部22から前方に突出し、ボウル部12a内に進出した位置と、にノズル30を進退移動させる。ノズル駆動装置75は、制御部40と接続されている。ノズル駆動装置75は、制御部40の制御に基づいて、ノズル30を進退移動させる。
【0056】
また、制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって、ボウル部12a内に進出した状態におけるノズル30の位置を調整可能とする。使用者は、ノズル30がボウル部12a内に進出した状態において、リモコン28又は携帯情報端末100を操作することにより、ノズル30の前後方向の位置などを所望の位置に調整することができる。
【0057】
脱臭装置76は、便器12のボウル部12a内の空気を吸引し、吸引した空気に含まれる悪臭成分などを低減させた後、本体部22の外に排出することにより、ボウル部12a内の空気を脱臭する。脱臭装置76は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいて、ボウル部12a内の空気の脱臭を行う。制御部40は、例えば、使用者が便座24から離れたことを着座検知センサ53が検知した際に、脱臭装置76を所定時間動作させる。
【0058】
室内暖房装置77は、本体部22の外に温風を吹き出すことにより、トイレ室TR内の暖房を行う。室内暖房装置77は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいて、トイレ室TR内の暖房を行う。制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって、室内温度を設定可能とする。使用者は、リモコン28又は携帯情報端末100を操作することにより、トイレ室TR内の設定温度を所望の温度に設定することができる。
【0059】
照明装置78は、便器12のボウル部12a内を照明する。照明装置78は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいて、ボウル部12a内の照明を行う。制御部40は、例えば、第1人体検知センサ51又は第2人体検知センサ52による人体の検知に基づいて照明装置78を点灯させることにより、夜間などにボウル部12aを見易くする。
【0060】
便器洗浄装置79は、便器12に洗浄水を供給して便器12を洗浄する。便器洗浄装置79は、例えば、便器12への給水タンクや便器12への給水管などに設けられ、便器12の洗浄を自動的に行えるようにする。便器洗浄装置79は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいて、便器12の洗浄を行う。制御部40は、例えば、第1人体検知センサ51、第2人体検知センサ52、あるいは着座検知センサ53によって、便座24から使用者が離れたことが検知されたことに応じて、便器洗浄装置79を動作させることにより、便器12の洗浄を行う。
【0061】
温風送風機80は、使用者の局部に向けて温風を送風する。温風送風機80は、例えば、局部洗浄などで濡れた使用者の局部に温風を送風することにより、使用者の局部を乾燥させる。温風送風機80は、制御部40と接続されている。温風送風機80は、制御部40の制御に基づいて、使用者の局部への温風の送風及び送風の停止を切り替える。
【0062】
このように、便座装置20は、例えば、便蓋開閉装置70、便座開閉装置71、便座ヒータ72、電磁弁73、温水ヒータ74、ノズル駆動装置75、脱臭装置76、室内暖房装置77、照明装置78、便器洗浄装置79、及び温風送風機80など、便器12の利用に関連する所定の動作を行う動作部を有する。便座装置20は、例えば、複数の動作部を有する。なお、動作部は、上記のものに限ることなく、便器12の利用に関連する所定の動作を行う任意の動作部でよい。便座装置20に設けられる動作部の数は、任意の数でよい。便座装置20に設けられる動作部の数は、例えば、1つでもよい。
【0063】
前述のように、トイレシステム2では、リモコン28及び携帯情報端末100のいずれかを操作することにより、便座装置20の動作を遠隔操作することができる。便座装置20の制御部40は、第1無線通信部61を介してリモコン28から受信した信号に基づいて複数の動作部の動作を制御するとともに、第2無線通信部62を介して携帯情報端末100から受信した信号に基づいて複数の動作部の動作を制御する。制御部40は、第2無線通信部62を介して携帯情報端末100から受信した信号に基づいて複数の動作部の動作を制御する携帯情報端末動作モードを実行可能である。
【0064】
図3は、第1の実施形態に係る携帯情報端末を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、携帯情報端末100は、制御部110と、記憶部112と、無線通信部114と、操作部116と、表示部118と、スピーカ120と、マイクロフォン122と、を備える。
【0065】
記憶部112は、携帯情報端末100の各部の動作を制御するための各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。制御部110は、記憶部42に記憶された各種のプログラムやデータを読み出し、逐次処理することにより、携帯情報端末100の各部の動作を統括的に制御する。
【0066】
無線通信部114は、便座装置20の第2無線通信部62との無線通信を行う。無線通信部114には、第2無線通信部62と同じ通信規格に準拠した無線通信装置が用いられる。無線通信部114は、制御部110と接続されている。無線通信部114は、便座装置20の第2無線通信部62から受信した受信信号を制御部110に入力するとともに、制御部110から入力された送信信号を便座装置20の第2無線通信部62に送信する。
【0067】
操作部116は、使用者などからの操作指示の入力を受け付ける。操作部116には、例えば、タッチパネルが用いられる。操作部116は、例えば、機械式のスイッチや他のセンサなどでもよいし、これらを組み合わせて構成してもよい。操作部116は、制御部110と接続されている。操作部116は、入力された操作指示を制御部110に入力する。制御部110は、例えば、操作部116から入力された操作指示に応じて、無線通信部114などの各部の動作を制御する。
【0068】
表示部118は、種々の操作画面などの表示を行う。表示部118には、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置が用いられる。表示部118は、制御部110と接続され、制御部110の制御に基づいて、各種の表示を行う。例えば、操作部116がタッチパネルである場合には、操作部116は、表示部118の上に重ねて設けられる。
【0069】
スピーカ120は、種々の音の出力を行う。スピーカ120は、制御部110と接続され、制御部110の制御に基づいて、各種の音の出力を行う。
【0070】
マイクロフォン122は、入力された音を電気信号に変換する。マイクロフォン122は、制御部110と接続され、変換した電気信号を制御部110に入力する。
【0071】
記憶部112には、携帯情報端末100によって便座装置20を遠隔操作するための便座装置遠隔操作プログラム200が記憶されている。換言すれば、携帯情報端末100には、便座装置遠隔操作プログラム200がインストールされている。
【0072】
制御部110は、例えば、操作部116から便座装置遠隔操作プログラム200の起動を指示されることにより、記憶部112から便座装置遠隔操作プログラム200を読み出し、便座装置遠隔操作プログラム200に基づいて遠隔操作モードの動作を実行することにより、便座装置20の遠隔操作を可能にする。
【0073】
携帯情報端末100で便座装置20を遠隔操作するためには、携帯情報端末100と便座装置20との間で予めペアリングを行わなければならない場合がある。ペアリングが行われていない場合には、例えば、便座装置遠隔操作プログラム200の起動後、ペアリング可能な便座装置20の情報が表示部118に表示される。例えば、無線通信部114の通信圏内にペアリング可能な便座装置20が複数存在する場合には、複数の便座装置20の情報が、表示部118に表示される。
【0074】
使用者は、表示部118に表示された便座装置20の情報の中から、ペアリングを所望する便座装置20を選択し、操作部116を介して選択結果を制御部110に入力する。制御部110は、操作部116から選択結果が入力されると、選択された便座装置20とのペアリングを行う。制御部110は、便座装置20とのペアリングが完了した後、その便座装置20との通信接続を開始する。これにより、携帯情報端末100による便座装置20の遠隔操作が可能となる。
【0075】
便座装置20とのペアリングを一度行うと、例えば、その便座装置20を表すID情報などが記憶部112に記憶され、以降のペアリングは不要となる。従って、便座装置遠隔操作プログラム200を起動した際に、ペアリング済みの便座装置20が無線通信部114の通信圏内に存在する場合には、その便座装置20との通信接続が開始され、ペアリングを行うことなく、その便座装置20を遠隔操作することができる。
【0076】
図4は、携帯情報端末の表示部に表示される表示画面の一例を模式的に表す説明図である。
図4に表したように、携帯情報端末100の制御部110は、便座装置20と通信接続された状態において、便座装置20を操作するための操作画面OSを表示部118に表示する。操作画面OSには、例えば、おしり洗浄の実行を指示するためのおしり洗浄ボタン、ビデ洗浄の実行を指示するためのビデ洗浄ボタン、温水温度や便座温度などを設定するための設定ボタン、及び便座装置20との通信接続を切断するための切断ボタンなどの、各種のボタンが設けられる。使用者は、操作部116を介して各種のボタンを操作することにより、所望の操作指示を制御部110に入力する。
【0077】
制御部110は、洗浄ボタンなどの操作によって便座装置20の操作に関する操作指示が操作部116から入力されると、無線通信部114から便座装置20に信号を送信し、該当する操作に対応する動作の実行を便座装置20に指示する。
【0078】
便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100から信号を受信すると、その信号に対応する動作を実行する。制御部40は、携帯情報端末100から信号を受信すると、その信号に対応して、便蓋開閉装置70、便座開閉装置71、便座ヒータ72、電磁弁73、温水ヒータ74、ノズル駆動装置75、脱臭装置76、室内暖房装置77、照明装置78、便器洗浄装置79、及び温風送風機80のいずれかを動作させる。これにより、携帯情報端末100の操作に基づいて、便座装置20を遠隔操作することができる。
【0079】
一方、制御部110は、切断ボタンの操作によって通信接続の切断の操作指示が操作部116から入力されると、便座装置20との通信接続を切断する処理を実行する。これにより、携帯情報端末100の制御部110及び便座装置20の制御部40は、互いに通信接続を切断する。
【0080】
このように、便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100から通信接続の切断を指示する信号を受信した場合、携帯情報端末100からの指示に応答して携帯情報端末100との通信接続を切断する。また、制御部40は、第2無線通信部62の通信範囲から携帯情報端末100が出た場合にも、携帯情報端末100との通信接続を切断する。
【0081】
図5は、第1の実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100との通信接続を開始し、携帯情報端末動作モードの動作を実行すると、第2無線通信部62を介して携帯情報端末100から受信した信号に基づいて複数の動作部の動作を制御するとともに、図5に表した携帯情報端末100との通信接続状態の切断判断を開始する(図5のステップS101)。
【0082】
制御部40は、切断判断を開始すると、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間以上継続された第1条件を満たしたか否かを判定する(図5のステップS102)。制御部40は、第1条件を満たしていないと判定した場合、ステップS102の処理を繰り返す。
【0083】
一方、制御部40は、第1条件を満たしたと判定した場合、続いて、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件を満たしたか否かを判定する(図5のステップS103)。なお、この例では、第1条件の判定の後に第2条件の判定を行っているが、これとは反対に、第2条件の判定の後に第1条件の判定を行ってもよい。
【0084】
制御部40は、例えば、携帯情報端末100からの信号の入力から次の信号の入力までの時間を計時し、この時間が第2所定時間以上となった場合に、第2条件を満たしたと判定する。
【0085】
例えば、携帯情報端末100の制御部110に、操作部116の操作から次の操作までの時間を計時させ、この時間が第2所定時間以上となった場合に、携帯情報端末100から便座装置20の制御部40に非操作信号を送信する。便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100からの非操作信号の入力に応じて、第2条件を満たしたと判定してもよい。
【0086】
このように、第2所定時間の計時は、便座装置20側で行ってもよいし、携帯情報端末100側で行ってもよい。また、携帯情報端末100の操作/非操作は、便座装置20の動作部を動作させるための操作に限定されるものではない。例えば、携帯情報端末100がスリープ状態(画面の消灯状態)とならないように、タッチパネルである操作部116の便座装置20の遠隔操作とは無関係の部分をタッチする操作などを含んでもよい。このように、携帯情報端末100の操作は、例えば、便座装置20の動作部を動作させるための操作のみならず、携帯情報端末100を動作させるための操作を含んでもよい。携帯情報端末100の操作/非操作は、例えば、操作部116に対する任意の操作でよい。
【0087】
例えば、携帯情報端末100を動作させるための操作なども含める場合に、便座装置20側で第2所定時間の計時を行おうとすると、便座装置20の遠隔操作とは無関係な携帯情報端末100の操作の信号も、便座装置20に逐一送信しなければならなくなる。このため、携帯情報端末100を動作させるための操作なども含める場合には、携帯情報端末100側で第2所定時間の計時を行うことが好ましい。これにより、携帯情報端末100から便座装置20への信号の送信を抑制することができる。例えば、携帯情報端末100での消費電力の増加を抑制することができる。
【0088】
便座装置20の制御部40は、第2条件を満たしていないと判定した場合、ステップS102の処理に戻り、第1条件を満たしたか否かを再び判定する。一方、制御部40は、第2条件を満たしたと判定した場合、携帯情報端末100との通信接続状態を自動で切断する自動切断処理を実行する(図5のステップS104)。すなわち、制御部40は、第1条件と第2条件とを満たした場合に、自動切断処理を実行し、携帯情報端末100との通信接続状態を自動的に切断する。
【0089】
制御部40は、例えば、リモコン28や図示を省略した操作パネルなどの便座装置20の操作部から入力された信号、あるいは携帯情報端末100から入力された信号に基づいて、第1所定時間及び第2所定時間を変更する。制御部40は、例えば、第1所定時間の値及び第2所定時間の値を記憶部42に記憶させ、操作部又は携帯情報端末100からの入力に応じて記憶部42に記憶された値を書き換えることにより、第1所定時間及び第2所定時間を変更する。これにより、第1所定時間及び第2所定時間は、任意の値に設定可能である。第2所定時間は、第1所定時間と異なる値に設定可能である。
【0090】
以上、説明したように、本実施形態に係る便座装置20では、自動切断処理を実行することにより、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制することができる。また、第1条件と第2条件とを両方満たした場合に自動切断処理を実行することにより、例えば、排泄に長時間を要してしまい、携帯情報端末100を所定時間操作しなかった場合など、使用者のトイレ使用が終了していない状態で通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制することができる。従って、トイレ使用中に意図せず通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制しつつ、トイレ使用後に適切に自動切断処理を実行することできる。
【0091】
また、便座装置20では、第1所定時間及び第2所定時間を変更可能としたことで、例えば、連続使用が頻繁に生じるパブリック現場に便座装置20が設置される場合は、第1所定時間及び第2所定時間を短く設定することで、自動切断処理を早期に実行することができ、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態をより適切に抑制することができる。例えば、パブリック現場に便座装置20が設置される場合は、第1所定時間及び第2所定時間を10秒程度(例えば1秒以上20秒以下)に設定する。これにより、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態をより適切に抑制することができる。
【0092】
そして、例えば、連続使用が頻繁に生じ難い住宅現場に便座装置20が設置される場合は、第1所定時間及び第2所定時間を長く設定することで、トイレ使用中に意図せず通信接続状態が切断されてしまうことなどをより適切に抑制することができる。例えば、住宅現場に便座装置20が設置される場合は、第1所定時間及び第2所定時間を90秒程度(例えば80秒以上100秒以下)に設定する。これにより、トイレ使用中に意図せず通信接続状態が切断されてしまうことなどをより適切に抑制することができる。
【0093】
例えば、排泄行為の長い使用者の場合には、携帯情報端末100の非操作の第2所定時間は、長い方が好ましい。一方で、着座非検知の第1所定時間も長くしてしまうと、自動切断処理の実行が遅くなり、次の使用者がしばらく通信接続できなくなってしまう可能性が高くなってしまう。この便座装置20では、第1所定時間と第2所定時間とを異なる値に設定可能としたことで、例えば、第1所定時間を短くし、第2所定時間を長くすることで、意図しない切断を抑制しつつ、トイレ使用後の早期に自動切断処理を実行することができる。例えば、第1所定時間は、30秒程度(例えば20秒以上40秒以下)に設定し、第2所定時間は、90秒程度(例えば80秒以上100秒以下)に設定する。これにより、意図しない切断を抑制しつつ、トイレ使用後の早期に自動切断処理を実行することができる。
【0094】
図6は、第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図6に表したように、便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100との通信接続状態の切断判断を開始すると、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続されたか否かを判定する(図6のステップS201、S202)。
【0095】
制御部40は、第1延長時間以上継続されていないと判定した場合、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続されたか否かを判定する(図6のステップS203)。なお、ステップS202とステップS203とは、順序不同である。
【0096】
制御部40は、第2延長時間以上継続されていないと判定した場合、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間以上継続された第1条件を満たしたか否かを判定する(図6のステップS204)。制御部40は、第1条件を満たしていないと判定した場合、ステップS202の処理に戻る。
【0097】
一方、制御部40は、第1条件を満たしたと判定した場合、続いて、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件を満たしたか否かを判定する(図6のステップS205)。
【0098】
制御部40は、第2条件を満たしていないと判定した場合、ステップS202の処理に戻る。一方、制御部40は、第2条件を満たしたと判定した場合、携帯情報端末100との通信接続状態を自動で切断する自動切断処理を実行する(図6のステップS206)。すなわち、制御部40は、第1条件と第2条件とを満たした場合に、自動切断処理を実行し、携帯情報端末100との通信接続状態を自動的に切断する。
【0099】
また、制御部40は、ステップS202において第1延長時間以上継続されたと判定した場合、及びステップS203において第2延長時間以上継続されたと判定した場合にも、ステップS206の処理に進み、自動切断処理を実行する。
【0100】
このように、制御部40は、第2無線通信部62が携帯情報端末100と通信接続されている通信接続状態において、着座検知センサ53が着座を検知していない状態が第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、又は、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合に、自動切断処理を実行する。これにより、例えば、着座検知センサ53が誤検知を起こし、人がいないのに着座を検知してしまっている場合などにも、適切に自動切断処理を実行することができる。
【0101】
図7は、第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図7に表したように、便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100との通信接続状態の切断判断を開始すると、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間以上継続された第1条件を満たしたか否かを判定する(図7のステップS301、302)。制御部40は、第1条件を満たしていないと判定した場合、ステップS302の処理を繰り返す。
【0102】
一方、制御部40は、第1条件を満たしたと判定した場合、続いて、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件を満たしたか否かを判定する(図7のステップS303)。制御部40は、第2条件を満たしていないと判定した場合、ステップS302の処理に戻る。
【0103】
一方、制御部40は、第2条件を満たしたと判定した場合、続いて、第1人体検知センサ51が人体を検知していない非検知状態が第3所定時間以上継続された第3条件を満たしたか否かを判定する(図7のステップS304)。なお、第1条件の判定と第2条件の判定と第3条件の判定とは、それぞれ順序不同である。
【0104】
制御部40は、第3条件を満たしていないと判定した場合、ステップS302の処理に戻る。一方、制御部40は、第3条件を満たしたと判定した場合、携帯情報端末100との通信接続状態を自動で切断する自動切断処理を実行する(図7のステップS305)。すなわち、制御部40は、第1条件と第2条件と第3条件との全てを満たした場合に、自動切断処理を実行し、携帯情報端末100との通信接続状態を自動的に切断する。
【0105】
このように、3つの条件を全て満たした時に自動切断処理を実行することにより、意図しない切断をより適切に抑制しつつ、トイレ使用後に自動切断処理を実行することができる。
【0106】
なお、この例では、第3条件の判定において、便座装置20に近づく人体を検知する第1人体検知センサ51を用いている。これに限ることなく、例えば、便座装置20(便器12)の前に立つ人体を検知する第2人体検知センサ52を第3条件の判定に用いてもよい。
【0107】
制御部40は、例えば、リモコン28や図示を省略した操作パネルなどの便座装置20の操作部から入力された信号、あるいは携帯情報端末100から入力された信号に基づいて、第1所定時間、第2所定時間、及び第3所定時間を変更する。制御部40は、例えば、第1所定時間の値と第2所定時間の値と第3所定時間の値とを記憶部42に記憶させ、操作部又は携帯情報端末100からの入力に応じて記憶部42に記憶された値を書き換えることにより、第1所定時間と第2所定時間と第3所定時間とを変更する。これにより、第1所定時間と第2所定時間と第3所定時間とは、それぞれ異なる値に設定可能である。
【0108】
例えば、排泄行為の長い使用者の場合には、携帯情報端末100の非操作の第2所定時間は、長い方が好ましい。一方で、着座非検知の第1所定時間及び人体非検知の第3所定時間も長くしてしまうと、自動切断処理の実行が遅くなり、次の使用者がしばらく通信接続できなくなってしまう可能性が高くなってしまう。
【0109】
また、トイレットペーパーの補充やお尻拭き動作があるため、着座非検知の第1所定時間は、やや長い方が好ましい。一方、人体非検知の第3所定時間も長くすると、自動切断処理の実行が遅くなり、次の使用者がしばらく通信接続できなくなってしまう可能性が高くなってしまう。
【0110】
第1所定時間と第2所定時間と第3所定時間とをそれぞれ異なる値に設定可能とすることで、例えば、第1所定時間を中程度とし、第2所定時間を最も長くし、第3所定時間を最も短くすることで、意図しない切断を抑制しつつ、トイレ使用後の早期に自動切断処理を実行することができる。
【0111】
例えば、第1所定時間は、30秒程度(例えば20秒以上40秒以下)に設定し、第2所定時間は、90秒程度(例えば80秒以上100秒以下)に設定し、第3所定時間は、10秒程度(例えば1秒以上20秒以下)に設定する。これにより、意図しない切断を抑制しつつ、トイレ使用後の早期に自動切断処理を実行することができる。
【0112】
図8は、第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図8に表したように、便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100との通信接続状態の切断判断を開始すると、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続されたか否かを判定する(図8のステップS401、S402)。
【0113】
制御部40は、第1延長時間以上継続されていないと判定した場合、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続されたか否かを判定する(図8のステップS403)。
【0114】
制御部40は、第2延長時間以上継続されていないと判定した場合、第1人体検知センサ51が人体を検知していない非検知状態が第3所定時間よりも長い第3延長時間以上継続されたか否かを判定する(図8のステップS404)。なお、ステップS402とステップS403とステップS404とは、順序不同である。
【0115】
制御部40は、第3延長時間以上継続されていないと判定した場合、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間以上継続された第1条件を満たしたか否かを判定する(図8のステップS405)。制御部40は、第1条件を満たしていないと判定した場合、ステップS402の処理に戻る。
【0116】
一方、制御部40は、第1条件を満たしたと判定した場合、続いて、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件を満たしたか否かを判定する(図8のステップS406)。制御部40は、第2条件を満たしていないと判定した場合、ステップS402の処理に戻る。
【0117】
一方、制御部40は、第2条件を満たしたと判定した場合、続いて、第1人体検知センサ51が人体を検知していない非検知状態が第3所定時間以上継続された第3条件を満たしたか否かを判定する(図8のステップS407)。
【0118】
制御部40は、第3条件を満たしていないと判定した場合、ステップS402の処理に戻る。一方、制御部40は、第3条件を満たしたと判定した場合、携帯情報端末100との通信接続状態を自動で切断する自動切断処理を実行する(図8のステップS408)。すなわち、制御部40は、第1条件と第2条件と第3条件とを全て満たした場合に、自動切断処理を実行し、携帯情報端末100との通信接続状態を自動的に切断する。
【0119】
また、制御部40は、ステップS402において第1延長時間以上継続されたと判定した場合、ステップS403において第2延長時間以上継続されたと判定した場合、及びステップS404において第3延長時間以上継続されたと判定した場合にも、ステップS408の処理に進み、自動切断処理を実行する。
【0120】
これにより、例えば、着座検知センサ53や第1人体検知センサ51が誤検知を起こし、人がいないのに検知してしまっている場合などにも、適切に自動切断処理を実行することができる。
【0121】
図9は、第1の実施形態に係るトイレシステムの別の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図9に表したように、便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100との通信接続状態の切断判断を開始すると、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間よりも長い第1延長時間以上継続された場合、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間よりも長い第2延長時間以上継続された場合、及び第1人体検知センサ51が人体を検知していない非検知状態が第3所定時間よりも長い第3延長時間以上継続された場合の、いずれか2つを満たしたか否かを判定する(図9のステップS501、S502)。
【0122】
制御部40は、満たしていないと判定した場合、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間以上継続された第1条件を満たしたか否かを判定する(図9のステップS503)。制御部40は、第1条件を満たしていないと判定した場合、ステップS502の処理に戻る。
【0123】
一方、制御部40は、第1条件を満たしたと判定した場合、続いて、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件を満たしたか否かを判定する(図9のステップS504)。制御部40は、第2条件を満たしていないと判定した場合、ステップS502の処理に戻る。
【0124】
一方、制御部40は、第2条件を満たしたと判定した場合、続いて、第1人体検知センサ51が人体を検知していない非検知状態が第3所定時間以上継続された第3条件を満たしたか否かを判定する(図9のステップS505)。
【0125】
制御部40は、第3条件を満たしていないと判定した場合、ステップS502の処理に戻る。一方、制御部40は、第3条件を満たしたと判定した場合、携帯情報端末100との通信接続状態を自動で切断する自動切断処理を実行する(図9のステップS506)。すなわち、制御部40は、第1条件と第2条件と第3条件とを全て満たした場合に、自動切断処理を実行し、携帯情報端末100との通信接続状態を自動的に切断する。
【0126】
また、制御部40は、ステップS502において、第1延長時間以上、第2延長時間以上、及び第3延長時間以上のいずれか2つの条件を満たしたと判定した場合にも、ステップS506の処理に進み、自動切断処理を実行する。
【0127】
これにより、例えば、着座検知センサ53や第1人体検知センサ51が誤検知を起こし、人がいないのに検知してしまっている場合などにも、適切に自動切断処理を実行することができる。また、いずれか2つを満たした場合に、自動切断処理を実行することで、意図しない切断をより適切に抑制することができる。
【0128】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す斜視図である。
なお、上記第1の実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10に表したように、トイレシステム2aでは、便座装置20と携帯情報端末100とが、通信機器4を介して無線通信を行う。通信機器4は、例えば、ルータである。
【0129】
この例において、便座装置20の第2無線通信部62は、通信機器4と無線通信を行う。携帯情報端末100の無線通信部114は、通信機器4と無線通信を行う。便座装置20の第2無線通信部62と携帯情報端末100の無線通信部114とは、通信機器4を介して互いに無線通信を行う。
【0130】
なお、この例では、便座装置20と携帯情報端末100とが、1つの通信機器4を介して通信接続されている。これに限ることなく、便座装置20と携帯情報端末100とは、複数の通信機器4を介して通信接続してもよい。
【0131】
第1の実施形態に関して説明したように、便座装置20と携帯情報端末100とが、直接的に通信接続される場合には、便座装置20及び携帯情報端末100の電波の届く範囲でしか通信接続を行うことができない。これに対して、このトイレシステム2aのように、便座装置20と携帯情報端末100との間に1つ又は複数の通信機器4を介する場合には、より離れた位置から便座装置20と携帯情報端末100とを通信接続させることが可能となる。
【0132】
図11は、第2の実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100との通信接続を開始し、携帯情報端末動作モードの動作を実行すると、第2無線通信部62を介して携帯情報端末100から受信した信号に基づいて複数の動作部の動作を制御するとともに、図11に表した携帯情報端末動作モードの終了判断を開始する(図11のステップS601)。
【0133】
制御部40は、終了判断を開始すると、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間以上継続された第1条件を満たしたか否かを判定する(図11のステップS602)。制御部40は、第1条件を満たしていないと判定した場合、ステップS602の処理を繰り返す。
【0134】
一方、制御部40は、第1条件を満たしたと判定した場合、続いて、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件を満たしたか否かを判定する(図11のステップS603)。
【0135】
制御部40は、第2条件を満たしていないと判定した場合、ステップS602の処理に戻り、第1条件を満たしたか否かを再び判定する。一方、制御部40は、第2条件を満たしたと判定した場合、携帯情報端末動作モードを自動で終了する自動終了処理を実行する(図11のステップS604)。すなわち、制御部40は、第1条件と第2条件とを満たした場合に、自動終了処理を実行し、携帯情報端末動作モードを自動的に終了する。
【0136】
便座装置20と携帯情報端末100とが通信機器4を介して無線通信を行う場合、次の携帯情報端末100との通信接続を行うために、便座装置20と通信機器4との間の通信接続状態を切断することができない。このため、通信機器4を介して携帯情報端末100と無線通信する場合には、便座装置20の制御部40は、上記のように、通信接続状態を自動的に切断するのではなく、携帯情報端末動作モードを自動的に終了する動作を実行する。換言すれば、制御部40は、携帯情報端末100との通信接続状態を物理的に切断するのではなく、携帯情報端末100との通信接続状態を論理的に切断する。これにより、通信機器4を介して無線通信を行う場合にも、通信機器4を介して次の携帯情報端末100と通信接続を行えるようにする。
【0137】
図11の動作は、換言すれば、図5の動作の自動切断処理を自動終了処理に置き換えたものである。自動切断処理から自動終了処理への置き換えは、図5の動作に限ることなく、図6図9に関して説明した動作でもよい。
【0138】
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
上記第1の実施形態では、便座装置20側で通信接続状態を切断する例について説明した。以下では、携帯情報端末100側で通信接続状態を切断する例について説明する。
【0139】
携帯情報端末100の制御部110は、便座装置遠隔操作プログラム200の起動によって遠隔操作モードの動作を開始すると、操作部116の操作に応じた信号を便座装置20に送信することによって便座装置20の複数の動作部の動作を遠隔操作するとともに、図12に表した便座装置20との通信接続状態の切断判断を開始する(図12のステップS701)。
【0140】
制御部110は、切断判断を開始すると、着座検知センサ53の検知結果に関する情報を便座装置20から取得する(図12のステップS702)。
【0141】
制御部110は、便座装置20から取得した着座検知センサ53の検知結果に関する情報を基に、着座検知センサ53が着座を検知していない非検知状態が第1所定時間以上継続された第1条件を満たしたか否かを判定する(図12のステップS703)。
【0142】
着座検知センサ53の検知結果に関する情報は、例えば、着座検知センサ53の検知/非検知を表す情報である。制御部110は、例えば、着座検知センサ53が検知から非検知に切り替わってから第1所定時間が経過した際に、第1条件を満たしたと判定する。
【0143】
着座検知センサ53の検知結果に関する情報は、例えば、第1所定時間が経過したことを表す情報でもよい。制御部110は、例えば、第1所定時間が経過したことを表す情報を便座装置20から取得した際に、第1条件を満たしたと判定してもよい。このように、第1所定時間の実際の計時は、携帯情報端末100側で行ってもよいし、便座装置20側で行ってもよい。
【0144】
制御部110は、第1条件を満たしていないと判定した場合、ステップS702の処理に戻る。一方、制御部110は、第1条件を満たしたと判定した場合、続いて、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件を満たしたか否かを判定する(図12のステップS704)。制御部110は、例えば、操作部116の非操作の時間が、第2所定時間以上継続された際に、第2条件を満たしたと判定する。
【0145】
制御部110は、第2条件を満たしていないと判定した場合、ステップS702の処理に戻り、着座検知センサ53の検知結果に関する情報の取得を行う。一方、制御部110は、第2条件を満たしたと判定した場合、便座装置20との通信接続状態を自動で切断する自動切断処理を実行する(図12のステップS705)。すなわち、制御部110は、第1条件と第2条件とを満たした場合に、自動切断処理を実行し、便座装置20との通信接続状態を自動的に切断する。
【0146】
このように、自動切断処理は、便座装置20側で行ってもよいし、携帯情報端末100側で行ってもよい。携帯情報端末100側で行った場合でも、便座装置20側で行った場合と同様に、自動切断処理を実行することにより、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を抑制することができる。また、第1条件と第2条件とを両方満たした場合に自動切断処理を実行することにより、例えば、排泄に長時間を要してしまい、携帯情報端末100を所定時間操作しなかった場合など、使用者のトイレ使用が終了していない状態で通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制することができる。従って、トイレ使用中に意図せず通信接続状態が切断されてしまうことなどを抑制しつつ、トイレ使用後に適切に自動切断処理を実行することできる。
【0147】
このように、便座装置遠隔操作プログラム200は、無線通信部114が便座装置20と通信接続されている通信接続状態において、着座検知センサ53の検知結果に関する情報を便座装置20から取得する工程(例えば、図12のステップS702)と、通信接続状態において、着座検知センサ53が着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された第1条件と、携帯情報端末100の非操作が第2所定時間以上継続された第2条件と、の両方を満たした場合に、通信接続状態を自動で切断する自動切断処理を実行する工程(例えば、図12のステップS705)と、を、携帯情報端末100に実行させる。
【0148】
図12において、着座検知センサ53の検知結果に関する情報を便座装置20から取得するステップS702以降の動作は、図5に関して説明した動作と実質的に同じである。ステップS702以降の動作は、これに限ることなく、図6図9に関して説明した動作と実質的に同じとしてもよい。
【0149】
また、図10図11に関して説明したように、携帯情報端末100が通信機器4を介して便座装置20と無線通信を行う場合には、ステップS705の自動切断処理を、遠隔操作モードを自動で終了する自動終了処理に置き換えてもよい。但し、携帯情報端末100の場合、トイレ装置10の使用終了後に、必ずしも通信機器4との通信接続状態を継続しておく必要はない。従って、携帯情報端末100側で判断を行う場合には、通信機器4を介して便座装置20と無線通信を行う場合であっても、通信接続状態を自動的に切断する自動切断処理を行ってもよい。
【0150】
自動切断処理又は自動終了処理は、例えば、便座装置20と携帯情報端末100との双方で行ってもよい。これにより、前の使用者が通信接続を切断し忘れた場合でも、次の使用者が通信接続できなくなってしまう事態を、より確実に抑制することができる。
【0151】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレシステム2、便座装置20、携帯情報端末100、便座装置遠隔操作プログラム200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0152】
2、2a トイレシステム、 4 通信機器、 10 トイレ装置、 12 便器、 12a ボウル部、 20 便座装置、 22 本体部、 24 便座、 24a 開口部、 26 便蓋、 28 リモコン、 30 ノズル、 40 制御部、 42 記憶部、 51 第1人体検知センサ、 52 第2人体検知センサ、 53 着座検知センサ、 61 第1無線通信部、 62 第2無線通信部、 70 便蓋開閉装置、 71 便座開閉装置、 72 便座ヒータ、 73 電磁弁、 74 温水ヒータ、 75 ノズル駆動装置、 76 脱臭装置、 77 室内暖房装置、 78 照明装置、 79 便器洗浄装置、 80 温風送風機、 100 携帯情報端末、 110 制御部、 112 記憶部、 114 無線通信部、 116 操作部、 118 表示部、 120 スピーカ、 122 マイクロフォン、 200 便座装置遠隔操作プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座する便座と、
前記便座への着座を検知する着座検知センサと、
携帯情報端末と無線通信を行う無線通信部と、
所定の動作を行う動作部と、
前記無線通信部を介して前記携帯情報端末から受信した信号に基づいて前記動作部の動作を制御する携帯情報端末動作モードを実行可能な制御部と、
を備え、
前記無線通信部が前記携帯情報端末と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された場合に、前記通信接続状態の切断、又は前記携帯情報端末動作モードの終了が行われることを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記第1所定時間は、操作部又は前記携帯情報端末から入力された信号に基づいて変更可能であることを特徴とする請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
便座装置と無線通信を行う無線通信部と、操作画面を表示するための表示部と、操作指示を入力するための操作部と、前記操作部から入力された操作指示に応じて前記無線通信部及び前記表示部を制御する制御部と、を備えた携帯情報端末にインストール可能に構成され、便座への着座を検知する着座検知センサを備えた前記便座装置を遠隔操作する遠隔操作モードを前記携帯情報端末の前記制御部に実行させる便座装置遠隔操作プログラムであって、
前記無線通信部が前記便座装置と通信接続されている通信接続状態において、前記着座検知センサの検知結果に関する情報を前記便座装置から取得する工程と、
前記通信接続状態において、前記着座検知センサが着座を検知していない状態が第1所定時間以上継続された場合に、前記通信接続状態を自動で切断する自動切断処理、又は前記遠隔操作モードを自動で終了する自動終了処理を実行する工程と、
を、前記携帯情報端末に実行させることを特徴とする便座装置遠隔操作プログラム。