(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171731
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】開口部に適応するデータ線を有するディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 330
G09F9/30 308D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022139890
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2021532263の分割
【原出願日】2019-08-08
(31)【優先権主張番号】16/505,532
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/720,705
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】イエ シン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】リュトール-ルイ ウォーレン エス
(72)【発明者】
【氏名】ジャンシディ ルードバリ アバス
(72)【発明者】
【氏名】リー チェン-ヤ
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ ルン
(57)【要約】
【課題】開口部に適応するデータ線を有するディスプレイを提供する。
【解決手段】アクティブ領域(AA)内の開口部(52)の周囲にある非発光の境界区域の幅を最小化するために、境界領域内にデータ線(D)を積層してもよい。境界区域内の3つの異なる平面で3つの金属層を使用してデータ線部分が形成されてもよい。アクティブ領域内で正の電力信号分配経路を形成する金属層が、境界区域内のデータ線部分として機能してもよい。境界区域に金属層を追加して、境界区域内のデータ線部分として機能させてもよい。補助データ線経路(106)を使用して、アクティブ領域内の開口部の両側の画素にデータ線信号が供給されてもよい。補助データ線経路をディスプレイのアクティブ領域(AA)を通って配線することで、ディスプレイ内の開口部の両側のデータ線区画を電気接続してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素のアレイを含むアクティブ領域と前記アクティブ領域内の開口部とを有する基板であって、前記開口部が対向する第1及び第2の側部を有して境界区域によって囲まれている、基板と、
前記画素のアレイに結合された複数のゲート線と、
前記画素のアレイに結合された複数のデータ線であって、前記複数のデータ線のサブセットが前記境界区域内で前記第1の側部から前記第2の側部へ再配線され、前記複数のデータ線の前記サブセットが、第1の平面内に形成された第1の金属層と、前記第1の平面より低い第2の平面内に形成された第2の金属層と、前記第2の平面より低い第3の平面内に形成された第3の金属層と、から形成された部分を前記境界領域内に有する、複数のデータ線と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
前記複数のゲート線が、少なくとも部分的に、前記第2の平面と前記第3の平面との間に挟まれた第4の平面内に形成された第4の金属層から形成されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記複数のゲート線が、少なくとも部分的に、前記第4の平面とは異なり、かつ、前記第2の平面と前記第3の平面との間に挟まれた、第5の平面内に形成された第5の金属層から形成されている、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記第1の金属層と前記第2の金属層との間に挟まれた、少なくとも備わる第1の誘電体層と、
前記第2の金属層と前記第3の金属層との間に挟まれた、少なくとも備わる第2の誘電体層と、
を更に備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記少なくとも備わる前記第1の誘電体層が、有機平坦化層と無機パッシベーション層とを含む、請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記少なくとも備わる前記第2の誘電体層が、層間絶縁層とゲート絶縁層とを含む、請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記第3の金属層と前記基板との間に挟まれたバッファ層を更に備える、
請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記第3の金属層を前記第2の金属層の第1の部分に電気接続する第1の導電性ビアと、
前記第1の金属層を前記第2の金属層の第2の部分に電気接続する第2の導電性ビアと、
を更に備える、請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記第1の金属層が、前記境界区域に形成された第1の部分と、前記第1の部分に電気接続されていない、前記アクティブ領域内に形成された第2の部分とを有し、前記第1の金属層の前記第1の部分が前記複数のデータ線の前記サブセットのうちいくつかを形成し、前記第1の金属層の前記第2の部分が正の電源配線を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の金属層が、前記境界区域に形成された第1の部分と、前記アクティブ領域内に形成された第2の部分とを有し、前記第2の金属層の前記第1の部分が前記複数のデータ線の前記サブセットのうちいくつかを形成し、前記第2の金属層の前記第2の部分が、前記複数のデータ線のうちの、前記アクティブ領域内にある部分を形成する、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記第3の金属層が前記アクティブ領域上にない、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記基板上に形成された無機バッファ層と、
前記無機バッファ層上に形成されたゲート絶縁層であって、前記ゲート絶縁層と前記無機バッファ層との間に前記第3の金属層が挟まれている、ゲート絶縁層と、
を更に備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項13】
第1及び第2の層間誘電体層と、
前記第1の層間誘電体層で覆われた第4の金属層と、
前記第2の層間誘電体層で覆われた第5の金属層と、
を更に備える、請求項12に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記第2の層間誘電体層上に形成された無機パッシベーション層であって、前記無機パッシベーション層と前記第2層間誘電体層との間に前記第2の金属層が挟まれている、無機パッシベーション層と、
前記無機パッシベーション層上に形成された第1の有機平坦化層と、
前記第1の有機平坦化層上に形成された第2の有機平坦化層であって、前記第1の有機平坦化層と前記第2の有機平坦化層との間に前記第3の金属層が挟まれている、第2の有機平坦化層と、
を更に備える、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
画素のアレイを含むアクティブ領域と前記アクティブ領域内の開口部とを有する基板であって、前記開口部が対向する第1及び第2の側部を有する、基板と、
前記画素のアレイに結合された複数のゲート線と、
前記画素のアレイに結合された複数のデータ線であって、前記複数のデータ線のうちの第1の部分は前記開口部によって遮られておらず、前記複数のデータ線のうちの第2の部分は前記開口部によって遮られており、前記複数のデータ線のうちの前記第2の部分の各データ線は、前記開口部の前記第1の側部の第1のデータ線区画と、前記開口部の前記第2の側部の第2のデータ線区画と、前記アクティブ領域を通って配線され、かつ、前記第1のデータ線区画及び前記第2のデータ線区画に電気接続された補助データ線経路とを有する、複数のデータ線と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項16】
前記基板が前記アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域を有し、前記非アクティブ領域が対向する第1及び第2の側部を有し、前記各補助データ線経路が前記非アクティブ領域の前記第1の側部のそれぞれの第1のデータ線区画に電気接続され、また、前記各補助データ線経路が前記非アクティブ領域の前記第2の側部のそれぞれの第2のデータ線区画に電気接続されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記基板が、前記アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域を有し、前記各補助データ線経路が前記アクティブ領域内のそれぞれの第1のデータ線区画に電気接続され、また、前記各補助データ線経路が前記非アクティブ領域内のそれぞれの第2のデータ線区画に電気接続されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記各補助データ線経路が前記アクティブ領域内のそれぞれの第1のデータ線区画に電気接続され、前記各補助データ線経路が前記アクティブ領域内のそれぞれの第2のデータ線区画に電気接続されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記各補助データ線経路が、少なくとも部分的に第1の金属層によって形成され、前記第1の金属層が、正の電源配線を形成する第2の金属層と第3の金属層との間に挟まれる、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項20】
前記補助データ線経路のうちの第1の補助データ線経路は、発出イネーブル制御信号を保持する発出線の上方に配線された第1の金属層から形成された水平部分を有し、前記第1の補助データ線経路が前記水平部分に電気接続された垂直部分を有し、前記垂直部分が正の電源分配経路の上方に配線された第2の金属層から形成されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項21】
画素のアレイを含むアクティブ領域と前記アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域とを有するディスプレイであって、
前記アクティブ領域内に物理的開口部を有する基板と、
複数のデータ線の少なくとも一部分を形成する第1の金属層と、
前記第1の金属層の上に形成された第2の金属層であって、正の電源分配経路を形成する、前記アクティブ領域内の第1の部分、及び、前記複数のデータ線のうちの第1のサブセットの追加部分を形成する、前記物理的開口部の周囲にある境界区域内の第2の部分を有する、第2の金属層と、
前記物理的開口部の周囲にある前記境界区域内の前記第1の金属層の下に形成される第3の金属層であって、前記複数のデータ線のうちの第2のサブセットの追加部分を形成する、第3の金属層と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項22】
前記第2の金属層が、前記物理的開口部の周囲にある前記境界区域内の前記第3の金属層と重なり合う、請求項21に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してディスプレイに関し、より具体的には、非アクティブ領域を有するディスプレイに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年7月8日付出願の米国特許出願第16/505,532号、及び2018年8月21日付出願の米国仮特許出願第62/720,705号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、多くの場合、ディスプレイを含む。例えば、セルラー電話機及びポータブルコンピュータは、ユーザに情報を提示するためのディスプレイを含む。有機発光ダイオードディスプレイ及び液晶ディスプレイなどのディスプレイは、発光するアクティブ領域と、発光しない非アクティブ領域とを有する。注意が払われなければ、ディスプレイの非アクティブ領域は所望されるよりも大きくなることがある。
【発明の概要】
【0003】
ディスプレイは、アクティブ領域に画素のアレイを有してもよい。ディスプレイは、アクティブ領域を取り囲む第1の非アクティブ領域を含んでもよい。ディスプレイはまた、アクティブ領域内に形成される第2の非アクティブ領域を含んでもよい。第2の非アクティブ領域は、ディスプレイ基板内の、電子コンポーネントを収容する物理的開口部によって形成されてもよい。
【0004】
ディスプレイは、ディスプレイ内の画素に信号を供給する、データ線及びゲート線を含んでもよい。データ線及びゲート線は、ディスプレイのアクティブ領域内に形成された非アクティブ領域の周りで再配線が必要になることがある。
【0005】
アクティブ領域内の開口部周りの非発光境界区域の幅を最小化するために、データ線を境界区域内に積層してもよい。例えば、境界区域内に、3つの異なる平面内に3つの金属層を使用してデータ線部分が形成されてもよい。アクティブ領域内で正の電力信号分配経路を形成する金属層が、境界区域内のデータ線部分として機能してもよい。境界区域に金属層を追加して、境界区域内のデータ線部分として機能させてもよい。
【0006】
補助データ線経路を使用して、アクティブ領域内の開口部の両側の画素にデータ線信号が供給されてもよい。補助データ線経路をディスプレイのアクティブ領域を通って配線して、ディスプレイ内の開口部の両側のデータ線区画を電気接続してもよい。データ線区画への補助データ線の電気接続部は、どちらもディスプレイの非アクティブ領域内にあってもよい。あるいは、代わりに、補助データ線からデータ線区画への電気接続部が、どちらもディスプレイのアクティブ領域内にあってもよい。更に別の構成では、補助データ線と1つのデータ線区画との間の電気接続部がディスプレイのアクティブ領域内にあってもよく、補助データ線と他方のデータ線区画との間の電気接続部がディスプレイの非アクティブ領域内にあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る、ディスプレイを有する例示的な電子デバイスの概略図である。
【
図2】一実施形態に係る、例示的なディスプレイの概略図である。
【
図3】一実施形態に係る、例示的な画素回路の図である。
【
図4】第1の非アクティブ領域によって取り囲まれるアクティブ領域を有し、そのアクティブ領域内に含まれる第2の非アクティブ領域を有する、一実施形態に係る例示的なディスプレイの平面図である。
【
図5】一実施形態に係る、アクティブ領域内に開口部を有し、かつその開口部の境界区域を通って配線された信号線を有する、例示的なディスプレイの平面図である。
【
図6】一実施形態に係る、金属層から形成された信号経路を示す例示的なディスプレイのアクティブ領域の側断面図である。
【
図7】一実施形態に係る、金属層から形成されたデータ線が積層され得る様式を示す、例示的なディスプレイのアクティブ領域の側断面図である。
【
図8】一実施形態に係る、アクティブ領域内の開口部の両側にある第1及び第2のデータ線区画と、ディスプレイの非アクティブ領域内の第1及び第2のデータ線区画の両方に電気接続されている補助データ線とをデータ線が含み得る様子を示す、例示的なディスプレイの平面図である。
【
図9】一実施形態に係る、
図8の補助データ線を示す、例示的なディスプレイの側断面図である。
【
図10】一実施形態に係る、アクティブ領域内の開口部の両側にある第1及び第2のデータ線区画と、ディスプレイのアクティブ領域内で第1及び第2のデータ線区画の両方に電気接続されている補助データ線とをデータ線が含み得る様子を示す、例示的なディスプレイの平面図である。
【
図11】一実施形態に係る、アクティブ領域内の開口部の両側にある第1及び第2のデータ線区画と、ディスプレイのアクティブ領域内でデータ線区画のうちの1つに電気接続され、ディスプレイの非アクティブ領域内で他方のデータ線区画に電気接続された補助データ線とを、データ線が含み得る様子を示す、例示的なディスプレイの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
電子デバイスは、ディスプレイを備えることができる。ディスプレイをもつ例示的な電子デバイスの概略図が
図1に示されている。
図1のデバイス10は、ラップトップコンピュータ、組込み型コンピュータを含むコンピュータ用モニタ、タブレットコンピュータ、セルラー電話機、メディアプレーヤ、又は他のハンドヘルド若しくはポータブル電子デバイスなどのコンピューティングデバイス、腕時計型デバイス(例えば、リストストラップをもつウォッチ)、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型若しくはイヤホン型デバイス、眼鏡に埋め込まれたデバイス若しくはユーザの頭部に装着する他の機器、又は他の着用可能な若しくはミニチュアデバイスなどのより小さいデバイス、テレビ、組込み型コンピュータを含まないコンピュータ用ディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイをもつ電子機器がキオスク若しくは自動車に搭載されるシステムなどの組込みシステム、これらのデバイスのうちの2つ以上の機能を実装する機器、あるいは他の電子機器であり得る。
【0009】
図1に示すように、電子デバイス10は、制御回路16を有することができる。制御回路16は、デバイス10の動作をサポートする、記憶及び処理の回路を含んでもよい。記憶及び処理回路は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成されたフラッシュメモリ、又は他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的なランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含むことができる。制御回路16内の処理回路を使用してデバイス10の動作を制御することができる。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
【0010】
入出力デバイス18などのデバイス10中の入出力回路を使用して、デバイス10へデータを供給できるようにし、デバイス10から外部デバイスへデータを提供できるようにしてもよい。入出力デバイス18は、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、トーンジェネレータ、バイブレータ、カメラ、センサ、発光ダイオード及びその他の状態インジケータ、データポートなどを含んでもよい。ユーザは、入出力デバイス18を通じてコマンドを提供することによってデバイス10の動作を制御することができ、また、入出力デバイス18の出力リソースを使用して、デバイス10から状態情報及びその他の出力を受け取ってもよい。
【0011】
入出力デバイス18は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含んでもよい。ディスプレイ14は、ユーザからのタッチ入力を蓄積するタッチセンサを含むタッチスクリーンディスプレイとすることができ、又はディスプレイ14は、タッチセンシティブでなくてもよい。ディスプレイ14に対するタッチセンサは、容量性タッチセンサ電極のアレイ、音響タッチセンサ構造体、抵抗性タッチコンポーネント、力ベースのタッチセンサ構造体、光ベースのタッチセンサ、又は他の好適なタッチセンサの配置に基づくものとすることができる。
【0012】
制御回路16を用いて、オペレーティングシステムコード及びアプリケーションなどのソフトウェアをデバイス10で実行することができる。デバイス10の動作中、制御回路16上で実行中のソフトウェアは、ディスプレイ14上に画像を表示することができる。
【0013】
ディスプレイ14は、有機発光ダイオードディスプレイ、結晶性半導体ダイからそれぞれ形成される個別の発光ダイオードのアレイから形成されるディスプレイ、又は任意の他の好適なタイプのディスプレイであり得る。本明細書では一例として、ディスプレイ14のピクセルが発光ダイオードを含む構成について時々説明する。しかし、これは単なる例示である。所望される場合、デバイス10について任意の好適なタイプのディスプレイが使用され得る。
【0014】
図2は、例示的なディスプレイの図である。
図2に示すように、ディスプレイ14は、基板層26などの層を含んでもよい。層26などの基板層は、矩形で平坦な材料層あるいは他の形状(例えば、1つ以上の曲線状及び/又は直線状のエッジをもつ円形形状又は他の形状)をもつ材料層で形成され得る。ディスプレイ14の基板層は、ガラス層、ポリマー層、ポリマー及び無機材料を含む複合膜、金属箔などを含み得る。
【0015】
ディスプレイ14は、ユーザに画像を表示するための画素22のアレイ、例えば画素アレイ28などを有することができる。アレイ28中の画素22は、行及び列で配置され得る。アレイ28のエッジは、直線状又は曲線状であり得る(すなわち、アレイ28中の画素22の各行及び/又は画素22の各列は、同じ長さを有し得るか又は異なる長さを有し得る)。アレイ28には、任意の好適な数の行及び列(例えば、10以上、100以上、又は1000以上など)が存在し得る。ディスプレイ14は、色の異なる画素22を含んでもよい。一例として、ディスプレイ14は、赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含むことができる。所望される場合、バックライトユニットが、ディスプレイ14にバックライト照明を提供し得る。
【0016】
ディスプレイドライバ回路20を使用して、画素22の動作を制御してもよい。ディスプレイドライバ回路20は、集積回路、薄膜トランジスタ回路、及び/又は他の好適な回路で形成され得る。
図2の例示的なディスプレイドライバ回路20は、ディスプレイドライバ回路20Aと、ゲートドライバ回路20Bなどの追加のディスプレイドライバ回路とを含む。ゲートドライバ回路20Bは、ディスプレイ14の1つ以上のエッジに沿って形成され得る。例えば、ゲートドライバ回路20Bは、
図2に示されているようにディスプレイ14の左側及び右側に沿って配置され得る。
【0017】
図2に示されているように、ディスプレイドライバ回路20A(例えば、1つ以上のディスプレイドライバ集積回路、薄膜トランジスタ回路など)は、信号経路24を介してシステム制御回路と通信する通信回路を含んでもよい。経路24は、フレキシブルプリント回路又は他のケーブル上のトレースで形成してもよい。制御回路は、電子デバイス10中の1つ以上のプリント回路上に位置し得る。動作中に、制御回路(例えば、
図1の制御回路16)は、ディスプレイ14上に表示される画像の画像データを回路20中のディスプレイドライバ集積回路などの回路に供給し得る。
図2のディスプレイドライバ回路20Aはディスプレイ14の上部に位置する。これは単なる例示にすぎない。ディスプレイドライバ回路20Aは、ディスプレイ14の下部エッジに沿って、ディスプレイ14の上部及び下部に、又はデバイス10の他の部分に位置し得る。
【0018】
画素22上に画像を表示するために、ディスプレイドライバ回路20Aは、信号経路30を介してゲートドライバ回路20Bなどのサポートディスプレイドライバ回路に制御信号を発行しながら、対応する画像データをデータ線Dに供給し得る。
図2の例示的な配置では、データ線Dは、ディスプレイ14を通って垂直方向に走り、画素22のそれぞれの列に関連付けられる。
【0019】
ゲートドライバ回路20B(ゲート線ドライバ回路又は水平制御信号回路と呼ばれることがある)は、1つ以上の集積回路を使用して、及び/又は基板26上の薄膜トランジスタ回路を使用して実現できる。水平制御ラインG(ゲート線、走査線、発出制御線などと呼ばれることがある)は、ディスプレイ14を通って水平方向に走行している。各ゲート線Gは、画素22のそれぞれの行に関連付けられる。所望される場合、ピクセルの各行に関連付けられたゲート線Gなどの複数の水平制御ライン(例えば、第1のゲート線信号GI及び第2のゲート線信号GW、1つ以上の発出制御信号など)が存在し得る。他の信号(例えば、電源信号など)を分配するために、ディスプレイ14中の個々に制御される及び/又はグローバル信号経路も使用され得る。
【0020】
ゲートドライバ回路20Bは、ディスプレイ14中のゲート線G上で制御信号をアサートし得る。例えば、ゲートドライバ回路20Bは、経路30上で回路20Aからクロック信号及び他の制御信号を受信でき、受信された信号に応じて、アレイ28中の画素22の第1の行内のゲート線信号Gから開始して、ゲート線G上でゲート線信号を順にアサートしていくことができる。各ゲート線がアサートされると、データ線Dからのデータは、画素の対応する行にロードされ得る。このようにして、ディスプレイドライバ回路20A及び20Bなどの制御回路は、ディスプレイ14上に所望の画像を表示するように画素22に指示する信号を画素22に提供できる。各画素22は、ディスプレイドライバ回路20からの制御及びデータ信号に応答する発光ダイオード及び回路(例えば、基板26上の薄膜回路)を設けてよい。
【0021】
アレイ28中の各ピクセル22について使用され得るタイプの例示的なピクセル回路が
図3に示されている。
図3の例では、ピクセル回路22は、7つのトランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、及びTDと、1つのキャパシタCstとを有し、したがって、ピクセル回路22は7T1Cピクセル回路と呼ばれることがある。所望される場合、ピクセル22中で他の数のトランジスタ及びキャパシタ(例えば、より少ないトランジスタ、より多くのトランジスタ、より多くのキャパシタなど)が使用され得る。トランジスタは、pチャネルトランジスタ(例えば、
図3に示すpチャネル金属酸化物半導体トランジスタ)であり得、及び/又はnチャネルトランジスタ若しくは他のタイプのトランジスタであり得る。ディスプレイ14のピクセル回路22の薄膜トランジスタのアクティブ領域及び他の部分は、シリコン(例えば、ポリシリコンチャネル領域)、半導体酸化物(例えば、インジウムガリウム酸化亜鉛チャネル領域)、又は他の好適な半導体薄膜層から形成され得る。
【0022】
図3に示すように、ピクセル回路22は、発光ダイオード44(例えば、有機発光ダイオード、結晶性マイクロ発光ダイオードダイなど)を含む。発光ダイオード44は、トランジスタTDによって発光ダイオード44を通って駆動された電流Iの量に比例して光46を発出し得る。トランジスタTD、トランジスタT4、トランジスタT5、及び発光ダイオード44は、それぞれの電源端子間に直列に結合され得る(例えば、正電源端子ELVDD及び接地電源端子ELVSSを参照されたい)。トランジスタTDは、ノードNbに結合されたソース端子と、トランジスタT5に結合されたドレイン端子と、ノードNaに結合されたゲート端子とを有し得る。トランジスタTDのゲートにおけるノードNa上の電圧は、トランジスタTDによって生成される電流Iの量を制御する。この電流は発光ダイオード44を通して駆動され、したがって、トランジスタTDは駆動トランジスタと呼ばれることがある。
【0023】
トランジスタT4及びT5は、トランジスタTDとダイオード44との間の電流の流れを遮断するためにオフにされ得、トランジスタT4及びT5は、トランジスタTDとダイオード44との間の電流の流れを可能にするためにオンにされ得る。発出イネーブル制御信号EMが、共有ゲート線からトランジスタT4及びT5のゲートに印加され得る。動作中に、トランジスタT4及びT5は発出イネーブル制御信号EMによって制御され、したがって、発出トランジスタ又は発出イネーブルトランジスタと呼ばれることがある。スイッチングトランジスタ制御信号、走査信号又はゲート線信号(例えば、ゲート初期化及びゲート書込み信号、ゲート信号など)と呼ばれることがある制御信号GW及びGIは、スイッチングトランジスタT1、T2、T3、及びT6のゲートに印加され、トランジスタT1、T2、T3、及びT6の動作を制御する。
【0024】
制御信号EM、GI、及びGWは、ディスプレイ14の動作中にディスプレイ14のピクセル22を様々な状態に置くようにディスプレイドライバ回路20によって制御され得る。これらの様々な状態中に、画像データがピクセル22にローディングされ、ピクセル22は、発光ダイオード44を使用して、ローディングされたピクセルデータに比例する光46を発出する。トランジスタ履歴(例えば、履歴Vgs値)の差に起因するしきい値電圧ばらつきを最小限に抑えるために、ピクセルの各々は、トランジスタTDを駆動するために(オンバイアスストレスと呼ばれることがある)既知の電圧ストレスを意図的に印加することによって調整され得る。各画素を形成するために使用されるこの回路の例は、単なる例示である。一般に、各画素は、任意の所望する回路から形成され得る。
【0025】
図4は、ディスプレイのアクティブ領域によって囲まれた非アクティブ領域部分を有する、例示的なディスプレイの平面図である。
図4に示すように、基板26は、アクティブ領域AAと、非アクティブ領域IA1及びIA2とを有する。基板26は、アクティブ領域内に、画像を表示するために発光する画素(例えば、
図3に示すタイプの画素)を含んでいる。非アクティブエリアは、いかなる画素をも含まず、画像を表示しない。非アクティブ領域は、例えば、
図2のディスプレイドライバ回路20A及びゲートドライバ回路20Bなどの表示回路を含んでもよい。この表示回路は、ディスプレイ14の第1の非アクティブ領域IA1内に形成されてもよい。非アクティブ領域IA1は、アクティブ領域と境を接し、アクティブ領域の外縁に延在する。
【0026】
ディスプレイはまた、アクティブ領域の開口部内に形成された、孤立した非アクティブ領域IA2を含んでもよい。換言すれば、非アクティブ領域IA2は、アクティブ領域AA内に包含される。非アクティブ領域IA2は、アクティブ領域AAによって横方向に(例えば、XY平面内)完全に取り囲まれている。非アクティブ領域IA2は、島状の非アクティブ領域と呼ばれることもある。非アクティブ領域IA2内で基板26に物理的な穴があってもよいし、又は、非アクティブ領域IA2内で基板26が透明(非アクティブ領域IA2で、画素コンポーネントが省かれている)であってもよい。スピーカ、カメラ、発光ダイオード(例えば、状態インジケータ)、光センサ、近接センサ、歪みゲージ、磁気センサ、圧力センサ、力センサ、温度センサ若しくは他のセンサ、ボタン、タッチ感応式コンポーネント、マイクロフォン若しくは他オーディオコンポーネントなどの電気コンポーネント、又は、出力を生成し、かつ/若しくは入力を収集する、他の電気デバイスなどが、非アクティブ領域に搭載されてもよい。
【0027】
ディスプレイのアクティブ領域内に非アクティブ領域を組み込むには、ディスプレイ内の信号線の再配線が必要になることがある。
図5は、アクティブ領域内の開口部と、開口部の周りに再配線された信号とを有する、例示的なディスプレイの平面図である。
図5に示すように、非アクティブ領域IA2は(IA2が全ての側部を画素22によって取り囲まれた状態で)、ディスプレイのアクティブ領域内に形成される。非アクティブ領域IA2は、物理的開口部52を含んでもよい。開口部52は、例えば、ディスプレイ基板の物理的な穴であってもよい。この例は単なる例示であり、代わりに、開口部52は、表示画素又は表示信号配線コンポーネントを一切含まない、ディスプレイ内の透明な窓であってもよい。開口部52は、1つ以上の電子コンポーネント54を収容してもよい。コンポーネント54は、スピーカ、カメラ、発光ダイオード(例えば、状態インジケータ)、光センサ、近接センサ、歪みゲージ、磁気センサ、圧力センサ、力センサ、温度センサ及び他のセンサ、ボタン、タッチ感応式コンポーネント、マイクロフォン及び他のオーディオコンポーネント、又は、出力を生成し、かつ/若しくは入力を収集する、他の電気デバイスなどであってもよい。一例では、コンポーネント54は、物理的な穴52によって空けられた空間を占有してもよい。別の例では、コンポーネント54は、開口部52を有するディスプレイ基板の下方に配置され、開口部52を通して外部の刺激(例えば、光)を受けてもよい。開口部52の代わりに透明の窓が形成される実施形態では、一例として、コンポーネント54は、透明の窓の下に形成され、この窓を通して光を受けてもよい。
【0028】
ディスプレイ内の非発光面積の総計を最小化するために、物理的開口部52の寸法が非アクティブ領域IA2の寸法を画定することが望ましい。ただし、ディスプレイ内の信号線の配線の余地を得るために、物理的開口部52の周囲に非発光の境界56が形成されていてもよい。例えば、データ線D1などのいくつかのデータ線は、非アクティブ領域IA2によって遮られることはない。これらのデータ線は、物理的開口部52の周りで再配線する必要なく、ディスプレイを垂直に横切って延びていてもよい。同様に、ゲート線G1などのいくつかのゲート線は、非アクティブ領域IA2によって遮られることはない。これらのゲート線は、物理的開口部52の周りで再配線する必要なく、ディスプレイを水平に横切って延びていてもよい。しかし、データ線及びゲート線のいくつかは物理的開口部52によって遮られるため、物理的開口部52の周りに再配線することが必要になる。
【0029】
図5では、データ線D2が物理的開口部52によって遮られている。データ線D2は、ディスプレイ内の所与の画素列内の個々の画素に結合する、垂直に延びた部分を有していてもよい。データ線D2はまた、物理的開口部52の周囲で湾曲して、所与の画素列内の画素22-1を、物理的開口部の反対側の所与の画素列内の画素22-2に接続する、再配線部分D2-Rを有する。再配線部分D2-Rは、データ線D2の垂直部分とは別の平面内に(かつ、別の金属層から)形成されてもよい。ゲート線G2もまた、物理的開口部52によって遮られている。ゲート線G2は、ディスプレイ内の所与の画素行の個々の画素に結合する、水平に延びた部分を有していてもよい。ゲート線G2はまた、物理的開口部52の周囲で湾曲して、所与の画素行内の画素22-3を、物理的開口部の反対側の所与の画素行内の画素22-4に接続する、再配線部分G2-Rを有する。再配線部分G2-Rは、ゲート線G2の水平部分とは別個の平面内に(かつ、別の金属層から)形成されてもよい。
【0030】
信号線の再配線部分は、物理的開口部52の周囲の非発光の境界56内に形成されてもよい。物理的開口部52のサイズが大きいほど、物理的開口部の周りで境界56内に再配線する必要のある信号線が多くなる。これにより、境界56の幅58は望ましくなく増加し得る。幅58の最小化を助けるため、信号線を境界区域56内に積層してもよい(それにより、再配線された信号線を全て収容するために必要な横方向の面積が低減される)。
【0031】
図6は、物理的開口部の周りで境界56内に積層されたデータ線を有する(
図5に示すものと同様の)ディスプレイの一部分の側断面図である。
図6に示すディスプレイの部分はアクティブ領域内(物理的開口部から離れて)に配置されており、データ線の再配線が必要なく、したがって、データ線を積層する必要がないことを意味する。
図6に示すように、ディスプレイ14は、基板層26上に形成された複数の層を含む。バッファ層64及びゲート絶縁層66などの誘電体層が、基板26上に形成されてもよい。バッファ層64は、例えば、無機バッファ層であってもよい。追加の層間誘電体層68及び70が、ゲート絶縁層66の上に形成されてもよい。第1の金属層78がゲート絶縁体66上に形成され、層間誘電体層68で覆われてもよい。金属層78は、ディスプレイ14のゲート線(例えば、
図2のゲート線G)として機能してもよい。第2の金属層80が層間誘電体層68上に形成され、層間誘電体層70で覆われてもよい。金属層80は、ディスプレイ14のゲート線(例えば、
図2のゲート線G)として機能してもよい。金属層78及び80はどちらも、ディスプレイ内の単一の画素行のゲート線として機能してもよい。例えば、金属層78は、行内の画素に信号GW(
図3参照)を供給してもよく、金属層80は、行内の画素に信号GI(
図3参照)を供給してもよい。
【0032】
層間誘電体層70の上に、追加の金属層(金属層82)が形成されてもよい。金属層82(SD1)は、ディスプレイ14のデータ線(例えば、
図2のデータ線D)として機能してもよい。金属層82は、パッシベーション層72で覆われてもよい。パッシベーション層72は、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素などの無機材料から形成されてもよい。パッシベーション層72は、他の任意の所望の絶縁材料で形成されてもよい。パッシベーション層72の上に有機平坦化層74及び76が形成されてもよい。有機平坦化層74及び76は、任意の所望の材料から形成されてもよい。有機平坦化層74及び76は同じ材料から形成されてもよいし、異なる材料から形成されてもよい。
【0033】
有機平坦化層74と76との間に金属層84(SD2)が形成されてもよい。ディスプレイの、基板の物理的な穴の境界以外の部分では、金属層84は、ディスプレイ14の電源配線として機能してもよい。例えば、金属層84は、(
図3に示すように)正の電源配線ELVDDを形成してもよいし、(
図3に示すように)接地電源配線ELVSSを形成してもよい。
【0034】
前述したように、開口部52の周囲にある境界区域56の幅を最小化するために(
図5参照)、境界区域56内にデータ線を積層してもよい。
図6に示すように、ディスプレイのアクティブ領域では、データ線は、金属層82によって形成されてもよい。境界区域56内にデータ線を積層できるようにするために、金属層82(データ線信号を有する)をディスプレイ内の追加の金属層にビアで電気接続してもよい。したがって、データ線は、金属層82によって形成された第1の部分と、ディスプレイ内の追加の金属層から形成された追加の部分とを有してもよい。
【0035】
図7は、データ線が積層されている、ディスプレイの境界区域56の側断面図である。
図7は、
図6と同様に、基板26を、バッファ層64、ゲート絶縁体66、層間絶縁層68及び70、パッシベーション層72、並びに有機平坦化層74及び76を有して示している。金属層78及び80は、
図6と同様に形成される。ただし、
図7は、基板26内の開口部52を示す。
図7の実施形態では、開口部52は、基板内の物理的開口部であり、この開口部内に入出力コンポーネント54が形成される。代替的な実施形態では、開口部52は代わりに透明の窓であってもよく、入出力コンポーネント54はその透明の窓の下に形成されてもよい。
【0036】
境界区域56内で、金属層82は、それぞれが異なるデータ線信号を保持する複数の部分を有してもよい。例えば、部分82-1は第1のデータ線信号を保持し、部分82-2は第2のデータ線信号を保持し、部分82-3は第3のデータ線信号を保持する。換言すれば、各部分は、それぞれのデータ線Dの一部を形成する。金属層82-1は、層間誘電体層70の上方にとどまっていてもよい。一方、金属層82-2及び82-3は、ビアを使用して追加の金属層に電気接続されてもよい。例えば、金属層82-2は、導電性ビア86を使用して金属層84に電気接続されてもよい。このようにして、データ線信号は、金属層82-2から金属層84に電気接続される。したがって、ディスプレイのこの部分では、金属層84は、
図6に示すように正の電源配線ELVDDとしてではなく、データ線部分として機能する。導電性ビア86は、所望される場合、金属層84と同じ材料から(かつ、同じ堆積工程で)形成されてもよい。
【0037】
金属層82及び84の両方を境界区域56内のデータ線に使用することは、境界区域56の幅を縮小するために役立ち得る。ところが、境界区域56内でデータ線部分として機能する追加の金属層を組み込むことによって、更に、境界区域の最小化が達成され得る。
図7に示すように、ゲート絶縁体66とバッファ層64の間に金属層88が形成されてもよい。金属層82-3は、導電性ビア90を使用して金属層88に電気接続されてもよい。このようにして、データ線信号は金属層82-3から金属層88に電気接続される。したがって、ディスプレイのこの部分では、金属層88はデータ線部分として機能する。
図7に示す実施形態では、導電性ビア90は、金属層82と同じ材料から(かつ、同じ堆積工程で)形成された第1の部分と、金属層78と同じ材料から(かつ、同じ堆積工程で)形成された第2の部分を有する。この実施例は単なる例示であり、導電性ビア90は、望ましい任意の数及び種類の金属層から形成されてもよい。
【0038】
境界区域56内でデータ線として機能する金属層88を組み込むことにより、境界区域56の幅が更に縮小される。所望される場合、重なり合ったデータ線(例えば、全てデータ線として機能する、
図7の金属層84、金属層82-1、及び金属層88)間のクロストークを回避するために、データ線のうちの2つ以上が、データ線の重なり合いの面積が低減されるインターレース経路をとってもよい。ただし、金属層88と金属層84とを分離すれば、これらのデータ線をクロストークから保護するのに十分であり得る。したがって、金属層88と金属層84は境界区域56内で完全に重なり合っていてもよい。したがって、追加のデータ線として金属層88を組み込んでも、更に境界幅が必要になることはない。
【0039】
ディスプレイ14の境界区域56はまた、ダム構造92を含んでもよい。ダム構造92は、有機平坦化層76の一部分、追加の誘電体層94、及びスペーサ層96を含んでもよい。追加の誘電体層94は、ディスプレイの画素画定層(PDL)と同じ材料から(かつ、同じ堆積工程で)形成されてもよい。スペーサ層96は、フォトスペーサ層であってもよい。ダム構造92のこれらの例は、単なる例示である。所望される場合、ダム構造92は、任意選択で省略されてもよい。ダム構造92はまた、任意選択で、境界区域56の内縁上に形成されてもよい。例えば、
図7では、ダム構造92は、境界区域56の外縁上に形成され、金属層84、82-1、及び88はダム構造92と開口部52の間に挟まれている。あるいは、ダム構造92は、境界区域56の内縁上に形成されてもよく、開口部52と金属層84、82-1、及び88との間に挟まれていてもよい。
【0040】
データ線が物理的開口部52の周囲に再配線される(かつ、物理的開口部52の周囲にある境界区域56内に積層される)
図5~
図7の例は、物理的開口部の全ての側部にある画素にデータ線信号及びゲート線信号を供給するための1つの選択肢である。
図8は1つの代替構成を示し、この構成では、補助データ線経路を使用して、物理的開口部の反対側の画素にデータ線信号を供給する。
【0041】
図8は、物理的開口部52をもつ基板26を有する、例示的なディスプレイの平面図である。
図8に示すように、ディスプレイ14は、ディスプレイ内の画素列に信号を供給するいくつかのデータ線Dを有してもよい。データ線D1などのデータ線の一部は、物理的開口部52によって遮られていない。したがって、これらのデータ線は、ディスプレイを横切って延びて、列内の個々の画素に信号を供給してもよい(例えば、
図2に示すものと同様)。
【0042】
データ線D2などのデータ線の一部は、物理的開口部52によって遮られていてもよい。必要なデータ線信号を物理的開口部52の両側の画素に供給するために、データ線D2のそれぞれは、物理的開口部の第1の側に第1のデータ線区画102(データ線部分と呼ばれることもある)と、物理的開口部の反対側の第2の側に第2のデータ線区画104(データ線部分と呼ばれることもある)とを有してもよい。データ線区画102と104は、
図5のように、物理的開口部の境界の周囲でデータ線の一部分を再配線することによって電気接続されるのではない。代わりに、補助データ線106(補助データ線経路106、補助データ線区画106などと呼ばれることもある)が備わっている。
【0043】
補助データ線106は、ディスプレイの非アクティブ領域(IA1)内のデータ線区画102に、電気接続部108で電気接続されている。次に、補助データ線106は、ディスプレイのアクティブ領域(AA)を通って(例えば、画素と画素との間)、ディスプレイの反対側にあるディスプレイの非アクティブ領域まで配線されている。補助データ線106はそこで、ディスプレイの非アクティブ領域内のデータ線区画104に、電気接続部110で電気接続されている。このようにして、データ線区画102からの信号は、物理的開口部52の境界内でのデータ線の再配線を必要とせずに、データ線区画104に供給される。したがって、
図8では、物理的開口部52は、非常に小さい境界区域を有することができる(データ線が境界区域を通って再配線されていないため)。それでも、任意選択で、ディスプレイ内のゲート線は物理的開口部の境界区域を通して再配線されてもよい。別の考え得る実施形態では、ディスプレイの両側にデートドライバ回路を設けて、物理的開口部の周りにゲート線を配線する必要性をなくすこともできる。
【0044】
図9は、補助データ線106を示した、
図8のディスプレイの非アクティブ領域の側断面図である。
図9に示すように、基板層26上に形成される層には、バッファ層64及びゲート絶縁層66などの誘電体層が含まれる。ゲート絶縁層66の上には、追加の層間誘電体層68及び70が形成されてもよい。ゲート絶縁体66上に第1の金属層78を形成し、層間誘電体層68で覆ってもよい。層間誘電体層68上に第2の金属層80を形成し、層間誘電体層70で覆ってもよい。
図6に示すように、ディスプレイのアクティブ領域では、金属層78及び80がディスプレイ14のゲート線(G)として機能する。一方、
図9に示すように、ディスプレイの非アクティブ領域では、金属層78及び80は、データ線信号の信号経路として機能してもよい(例えば、金属層78及び80が、ディスプレイドライバ回路からデータ線Dへの信号供給を支援する)。
【0045】
層間誘電体層70の上に、追加の金属層(金属層82)を形成してもよい。
図6に関連して示すように、ディスプレイのアクティブ領域では、金属層82(SD1)は、ディスプレイ14のデータ線(例えば、
図2のデータ線D)として機能してもよい。一方、
図9に示すように、ディスプレイの非アクティブ領域では、金属層82は、ディスプレイ14の電源配線として機能してもよい。例えば、金属層82は、(
図3に示すように)正の電源配線ELVDDを形成してもよいし、(
図3に示すように)接地電源配線ELVSSを形成してもよい。金属層82は、パッシベーション層72で覆われてもよい。パッシベーション層72は、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素などの無機材料から形成されてもよい。パッシベーション層72は、他の任意の所望の絶縁材料で形成されてもよい。パッシベーション層72の上に有機平坦化層74及び76が形成されてもよい。有機平坦化層74及び76は、任意の所望の材料から形成されてもよい。有機平坦化層74及び76は、同じ材料から形成されてもよいし、異なる材料から形成されてもよい。
【0046】
有機平坦化層74と76との間に金属層84(SD2)が形成されてもよい。
図9に示すように、ディスプレイの非アクティブ領域では、金属層82は、ディスプレイ14の電源配線として機能してもよい(
図6に示すアクティブ領域と同様)。例えば、金属層82は、(
図3に示すように)正の電源配線ELVDDを形成してもよいし、(
図3に示すように)接地電源配線ELVSSを形成してもよい。考え得る一実施形態では、金属層82及び84の両方が、
図9に示される非アクティブ領域内に正の電源配線ELVDDを形成する。
【0047】
補助データ線106は、パッシベーション層72の上に形成された金属層から形成されてもよい。補助データ線106の上に、有機平坦化層74が形成されてもよい。補助データ線106は、(データ線信号を供給する)金属層80に、ビア112を使用して電気接続されてもよい。換言すれば、導電性ビア112は、補助データ線106とデータ線区画102との間に電気接続部108を形成する。
図9では、導電性ビア112は、補助データ線106と同じ材料から(かつ、同じ堆積工程で)形成される。この実施例は単なる例示であり、導電性ビア112は、望ましい任意の数及び種類の金属層で形成されてもよい。
【0048】
補助データ線106(例えば、パッシベーション層72と有機平坦化層74との間の金属層)は、ディスプレイのアクティブ領域を通って配線されてもよい。ディスプレイの他方の側では、別の電気接続部(110)が補助データ線をデータ線区画104に電気接続してもよい。
【0049】
パッシベーション層72と有機平坦化層74との間の、補助データ線106を形成するために使用される金属層のこの例は、単なる例示である。所望される場合、補助データ線106は、ディスプレイ内の別の金属層から形成されてもよいし、ディスプレイ内の複数の金属層から形成されてもよい。しかしながら、パッシベーション層72と有機平坦化層74との間(かつ、金属層82及び84によって形成されたELVDD信号経路の間)の金属層を使用することにより、クロストークを防止することができる。
【0050】
図8の実施例では、ディスプレイのアクティブ領域を通って補助データ線が配線されて、ディスプレイ内の開口部の両側のデータ線区画を電気接続する。
図8では、データ線区画への補助データ線の電気接続部は、どちらもディスプレイの非アクティブ領域内にある。しかしながら、この実施例は単なる例示に過ぎない。代わりに、データ線区画への補助データ線の電気接続部が、どちらもディスプレイのアクティブ領域内にあってもよい(
図10のように)。更に別の実施形態では、補助データ線と一方のデータ線区画の電気接続部は、ディスプレイのアクティブ領域内にあってもよく、補助データ線と他方のデータ線区画の電気接続部は、ディスプレイの非アクティブ領域内にあってもよい(
図11のように)。
【0051】
図10は、物理的開口部52をもつ基板26を有する、例示的なディスプレイの平面図である。
図10に示すように、ディスプレイ14は、ディスプレイ内の画素列に信号を供給するいくつかのデータ線Dを有してもよい。データ線D1などのデータ線の一部は、物理的開口部52によって遮られていない。したがって、これらのデータ線は、ディスプレイを横切って延びて、列内の個々の画素に信号を供給してもよい(例えば、
図2に示すものと同様)。
【0052】
データ線D2などのデータ線の一部は、物理的開口部52によって遮られていてもよい。必要なデータ線信号を物理的開口部52の両側の画素に供給するために、データ線D2のそれぞれは、物理的開口部の第1の側に第1のデータ線区画102(データ線部分と呼ばれることもある)と、物理的開口部の反対側の第2の側に第2のデータ線区画104(データ線部分と呼ばれることもある)とを有してもよい。データ線区画102と104は、
図5のように、物理的開口部の境界の周囲でデータ線の一部分を再配線することによって電気接続されるのではない。代わりに、補助データ線106が設けられている。
【0053】
補助データ線106は、ディスプレイのアクティブ領域(AA)内のデータ線区画102に、電気接続部108で電気接続されている。次に、補助データ線106は、ディスプレイのアクティブ領域を通って配線されて、ディスプレイのアクティブ領域内のデータ線区画104に電気接続部110で電気接続されている。このようにして、データ線区画102からの信号は、物理的開口部52の境界内でのデータ線の再配線を必要とせずに、データ線区画104に供給される。したがって、
図10では、物理的開口部52は、非常に小さい境界区域を有することができる(データ線が境界区域を通って再配線されていないため)。それでも、任意選択で、ディスプレイ内のゲート線は、物理的開口部の境界区域を通して再配線されてもよい。別の考え得る実施形態では、ディスプレイの両側にデートドライバ回路を設けて、物理的開口部の周りにゲート線を配線する必要性をなくすこともできる。
【0054】
図10では、補助データ線106は、パッシベーション層72と有機平坦化層74との間の金属層から(
図9に示すように)、又は別の所望の金属層から形成されてもよい。水平部分114などの、補助データ線106の水平部分は、発出イネーブル制御信号EMを画素に供給する信号線の上方に配線されてもよい(発出イネーブル制御信号EMがトランジスタT4とT5に加えられている、
図3を参照)。発出イネーブル制御信号EMを供給する信号線は、ゲート線又は発出線と呼ばれることもある。発出イネーブル制御信号EMを供給するゲート線の上方に補助データ線106の水平部分を配線することにより、クロストークが緩和され得る。垂直部分116などの、補助データ線106の垂直部分は、クロストークを緩和するために、(
図9に示されるものと同様の)金属層82及び84から形成された正の電力信号供給経路(例えば、ELVDD供給線)の間に配線されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、ディスプレイのアクティブ領域内で、補助データ線と両方のデータ線区画との間に電気接続部を形成すること(
図10に示すように)が困難なことがある。例えば、物理的開口部52が大きい場合(多数のデータ線が遮られ、よって、多数の補助データ線が必要となる)、及び/又は物理的開口部がアクティブ領域の縁部に近接して配置されている場合(補助データ線を配線して電気接続部110を作るための空間が制限されることを意味する)には、ディスプレイの非アクティブ領域内に、補助データ線とデータ線区画のうちの1つとの間に電気的接続を形成することが望ましいことがある。
図11は、この種類の実施形態を示す。
【0056】
図11は、物理的開口部52をもつ基板26を有する、例示的なディスプレイの平面図である。
図11に示すように、ディスプレイ14は、ディスプレイ内の画素列に信号を供給するいくつかのデータ線Dを有してもよい。データ線D1などのデータ線の一部は、物理的開口部52によって遮られていない。データ線D2などのデータ線の一部は、物理的開口部52によって遮られていてもよい。必要なデータ線信号を物理的開口部52の両側の画素に供給するために、データ線D2のそれぞれは、物理的開口部の第1の側に第1のデータ線区画102と、物理的開口部の反対側の第2の側に第2のデータ線区画104とを有してもよい。データ線区画102と104は、
図5のように、物理的開口部の境界の周囲でデータ線の一部分を再配線することによって電気接続されるのではない。代わりに、補助データ線106が設けられている。
【0057】
補助データ線106は、ディスプレイのアクティブ領域(AA)内のデータ線区画102に、電気接続部108で電気接続されている。次に、補助データ線106は、ディスプレイのアクティブ領域を通って配線されて、ディスプレイの非アクティブ領域内のデータ線区画104に電気接続部110で電気接続されている。このようにして、データ線区画102からの信号は、物理的開口部52の境界内でのデータ線の再配線を必要とせずに、データ線区画104に供給される。したがって、
図11では、物理的開口部52は、非常に小さい境界区域を有することができる(データ線が境界区域を通って再配線されていないため)。それでも、任意選択で、ディスプレイ内のゲート線は、物理的開口部の境界区域を通して再配線されてもよい。別の考え得る実施形態では、ディスプレイの両側にデートドライバ回路を設けて、物理的開口部の周りにゲート線を配線する必要性をなくすこともできる。
【0058】
図11では、補助データ線106は、パッシベーション層72と有機平坦化層74との間の金属層から(
図9に示すように)、又は別の所望の金属層から形成されてもよい。
図10に関連して説明したように、水平部分114などの、補助データ線106の水平部分は、発出イネーブル制御信号EMを画素に供給する信号線の上方に配線されてもよい。垂直部分116などの、補助データ線106の垂直部分は、(
図9に示されるものと同様の)金属層82及び84から形成された正の電力信号供給経路(例えば、ELVDD供給ライン)の間に配線されてもよい。
【0059】
所望される場合、単一のディスプレイ内のデータ線に、前述の構成のうちの2つ以上を使用してもよい。各データ線は、アクティブ領域内の物理的開口部の両側の画素にデータ信号を供給するために、前述の構成のいずれを使用してもよい。
【0060】
一実施形態によれば、ディスプレイが提供され、そのディスプレイは、画素のアレイを含むアクティブ領域とアクティブ領域内の開口部とを有する基板を含み、開口部は、対向する第1及び第2の側部を有して境界区域によって囲まれており、複数のゲート線が画素のアレイに結合され、複数のデータ線が画素のアレイに結合されており、複数のデータ線のサブセットが境界区域内で第1の側部から第2の側部へ再配線され、複数のデータ線の当該サブセットが、第1の平面内に形成された第1の金属層と、第1の平面より低い第2の平面内に形成された第2の金属層と、第2の平面より低い第3の平面内に形成された第3の金属層とから形成された部分を境界領域内に有する。
【0061】
別の実施形態によれば、複数のゲート線は、少なくとも部分的に、第2の平面と第3の平面との間に挟まれた第4の平面内に形成された第4の金属層から形成される。
【0062】
別の実施形態によれば、複数のゲート線は、少なくとも部分的に、第4の平面とは異なり、かつ、第2の平面と第3の平面との間に挟まれた第5の平面内に形成された第5の金属層から形成される。
【0063】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、第1の金属層と第2の金属層との間に挟まれた少なくとも備わる第1の誘電体層と、第2の金属層と第3の金属層との間に挟まれた少なくとも備わる第2の誘電体層とを含む。
【0064】
別の実施形態によれば、少なくとも備わる第1の誘電体層は、有機平坦化層と無機パッシベーション層とを含む。
【0065】
別の実施形態によれば、少なくとも備わる第2の誘電体層は、層間絶縁層とゲート絶縁層とを含む。
【0066】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、第3の金属層と基板との間に挟まれたバッファ層を含む。
【0067】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、第3の金属層を第2の金属層の第1の部分に電気接続する第1の導電性ビアと、第1の金属層を第2の金属層の第2部分に電気接続する第2の導電性ビアとを含む。
【0068】
別の実施形態によれば、第1の金属層は、境界区域に形成された第1の部分と、第1の部分に電気接続されていない、アクティブ領域内に形成された第2の部分とを有し、第1の金属層の第1の部分は複数のデータ線の当該サブセットのうちのいくつかを形成し、第1の金属層の第2の部分は正の電源配線を形成する。
【0069】
別の実施形態によれば、第2の金属層は、境界区域に形成された第1の部分と、アクティブ領域内に形成された第2の部分とを有し、第2の金属層の第1の部分は複数のデータ線の当該サブセットのうちのいくつかを形成し、第2の金属層の第2の部分は、複数のデータ線のうちの、アクティブ領域内にある部分を形成する。
【0070】
別の実施形態によれば、第3の金属層はアクティブ領域上にない。
【0071】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、基板上に形成された無機バッファ層と、無機バッファ層上に形成されたゲート絶縁層とを含み、第3の金属層はゲート絶縁層と無機バッファ層との間に挟まれている。
【0072】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、第1及び第2の層間誘電体層と、第1の層間誘電体層で覆われた第4の金属層と、第2の層間誘電体層で覆われた第5の金属層とを含む。
【0073】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、第2の層間誘電体層上に形成された無機パッシベーション層を含み、第2の金属層は無機パッシベーション層と第2層間誘電体層との間に挟まれ、第1の有機平坦化層が無機パッシベーション層上に形成され、第2の有機平坦化層が第1の有機平坦化層上に形成され、第3金属層は第1の有機平坦化層と第2の有機平坦化層との間に挟まれている。
【0074】
一実施形態によれば、ディスプレイが提供され、そのディスプレイは、画素のアレイを含むアクティブ領域とアクティブ領域内の開口部とを有する基板を含み、開口部は対向する第1及び第2の側部を有し、複数のゲート線が画素のアレイに結合され、複数のデータ線が画素のアレイに結合されており、複数のデータ線のうちの第1の部分は開口部によって遮られておらず、複数のデータ線のうちの第2の部分は開口部によって遮られており、複数のデータ線のうちの第2の部分の各データ線は、開口部の第1の側部の第1のデータ線区画と、開口部の第2の側部の第2のデータ線区画と、アクティブ領域を通って配線され、かつ、第1のデータ線区画及び第2のデータ線区画に電気接続された補助データ線経路とを有する。
【0075】
別の実施形態によれば、基板は、アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域を有し、非アクティブ領域は対向する第1及び第2の側部を有し、各補助データ線経路は非アクティブ領域の第1の側部のそれぞれの第1のデータ線区画に電気接続され、また、各補助データ線経路は非アクティブ領域の第2の側部のそれぞれの第2のデータ線区画に電気接続される。
【0076】
別の実施形態によれば、基板は、アクティブ領域を取り囲む非アクティブ領域を有し、各補助データ線経路はアクティブ領域内のそれぞれの第1のデータ線区画に電気接続され、また、各補助データ線経路は非アクティブ領域内のそれぞれの第2のデータ線区画に電気接続される。
【0077】
別の実施形態によれば、各補助データ線経路はアクティブ領域内のそれぞれの第1のデータ線区画に電気接続され、また、各補助データ線経路はアクティブ領域内のそれぞれの第2のデータ線区画に電気接続される。
【0078】
別の実施形態によれば、各補助データ線経路は、少なくとも部分的には第1の金属層によって形成され、第1の金属層は、正の電源配線を形成する第2の金属層と第3の金属層との間に挟まれる。
【0079】
別の実施形態によれば、補助データ線経路のうちの第1の補助データ線経路は、発出イネーブル制御信号を保持する発出線の上方に配線された第1の金属層から形成された水平部分を有し、第1の補助データ線経路は水平部分に電気接続された垂直部分を有し、垂直部分は正の電源分配経路の上方に配線された第2の金属層から形成される。
【0080】
一実施形態によれば、画素のアレイを含むアクティブ領域及びアクティブ領域内の開口部を有するディスプレイが提供され、そのディスプレイは、アクティブ領域内の物理的開口部と、複数のデータ線の少なくとも一部を形成する第1の金属層と、第1の金属層の上方に形成された第2の金属層であって、正の電源分配経路を形成する、アクティブ領域内の第1の部分、及び、複数のデータ線のうちの第1のサブセットの追加部分を形成する、物理的開口部の周囲にある境界区域内の第2の部分を有する第2の金属層と、物理的開口部の周囲にある境界区域内の第1の金属層の下に形成される第3の金属層であって、複数のデータ線のうちの第2のサブセットの追加部分を形成する、第3の金属層と、を含んで提供される。
【0081】
別の実施形態によれば、第2の金属層は、物理的開口部の周囲にある境界区域内の第3の金属層と重なり合う。
【0082】
前述は単なる例示であり、当業者は、記載された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。前述の実施形態は、個別に又は任意の組み合わせで実装することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素のアレイを含むアクティブ領域、前記アクティブ領域を囲む非アクティブ領域、及び前記アクティブ領域内の開口部を有する基板であって、前記開口部が対向する第1及び第2の側部を有する、基板と、
前記画素のアレイに結合された複数の信号線と、を備え、
前記複数の信号線の第1の部分は、前記開口部によってとぎれず、前記複数の信号線の第2の部分は、前記開口部によってとぎれており、
前記複数の信号線の第2の部分内の信号線は、前記開口部の第1の側部上の第1の信号線区画と、前記開口部の第2の側部上の第2の信号線区画と、前記第1の信号線区画及び前記第2の信号線区画に電気的に接続された補助信号線経路とを有し、
前記補助信号線経路は、前記非アクティブ領域内の前記第1の信号線区画に電気的に接続されている、ディスプレイ。
【請求項2】
前記補助信号線経路は、前記アクティブ領域を通り抜けている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記非アクティブ領域は、第1及び第2の対向する側部を有し、
前記補助信号線経路は、前記非アクティブ領域の第1の側部上の前記第1の信号線区画に電気的に接続されており、
前記補助信号線経路は、前記非アクティブ領域の第2の側部上の前記第2の信号線区画に電気的に接続されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記補助信号線経路は、前記非アクティブ領域内の前記第2の信号線区画に電気的に接続されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記補助信号線経路は、前記アクティブ領域内の前記第2の信号線区画に電気的に接続されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記補助信号線経路は、少なくとも部分的に第1の金属層によって形成されており、
前記第1の金属層は、電源分配線を形成する第2及び第3の金属層の間に配置されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記補助信号線経路は、発出イネーブル制御信号を運ぶ発出線の上を通る第1の金属層から形成される第1の部分を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記補助信号線経路は、前記第1の部分に電気的に接続される第2の部分を有し、
前記第2の部分は、電源分配経路の上を通る第2の金属層から形成される、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
画素のアレイを含むアクティブ領域、前記アクティブ領域を囲む非アクティブ領域、及び前記アクティブ領域内の開口部を有する基板であって、前記開口部が対向する第1及び第2の側部を有する、基板と、
前記画素のアレイに結合された複数の信号線と、を備え、
前記複数の信号線の第1の部分は、前記開口部によってとぎれず、前記複数の信号線の第2の部分は、前記開口部によってとぎれており、
前記複数の信号線の第2の部分内の信号線は、前記開口部の第1の側部上の第1の信号線区画と、前記開口部の第2の側部上の第2の信号線区画と、前記第1の信号線区画及び前記第2の信号線区画に電気的に接続された補助信号線経路とを有し、
前記補助信号線経路は、少なくとも部分的に第1の金属層によって形成されており、
前記第1の金属層は、前記画素のアレイの電源分配線を形成する第2及び第3の金属層の間に配置されている、ディスプレイ。
【請求項10】
前記補助信号線経路は、前記アクティブ領域を通り抜けている、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記非アクティブ領域は、第1及び第2の対向する側部を有し、
前記補助信号線経路は、前記非アクティブ領域の第1の側部上の前記第1の信号線区画に電気的に接続されており、
前記補助信号線経路は、前記非アクティブ領域の第2の側部上の前記第2の信号線区画に電気的に接続されている、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記補助信号線経路は、前記非アクティブ領域内の前記第2の信号線区画に電気的に接続されている、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記補助信号線経路は、前記アクティブ領域内の前記第2の信号線区画に電気的に接続されている、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記補助信号線経路の第1の部分は、前記第1の金属層によって形成されており、
前記補助信号線経路の第2の部分は、発出イネーブル制御信号を運ぶ発出線の上を通る、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項15】
画素のアレイを含むアクティブ領域、前記アクティブ領域を囲む非アクティブ領域、及び前記アクティブ領域内の開口部を有する基板であって、前記開口部が対向する第1及び第2の側部を有する、基板と、
前記画素のアレイに結合された複数のデータ線と、を備え、
前記複数のデータ線の第1の部分は、前記開口部によってとぎれず、前記複数のデータ線の第2の部分は、前記開口部によってとぎれており、
前記複数のデータ線の第2の部分内のデータ線は、前記開口部の第1の側部上の第1のデータ線区画と、前記開口部の第2の側部上の第2のデータ線区画と、前記第1のデータ線区画及び前記第2のデータ線区画に電気的に接続された補助データ線経路とを有し、
前記補助データ線経路は、前記非アクティブ領域内の前記第1のデータ線区画に電気的に接続されている、ディスプレイ。
【請求項16】
前記補助データ線経路は、前記アクティブ領域を通り抜けている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記非アクティブ領域は、第1及び第2の対向する側部を有し、
前記補助データ線経路は、前記非アクティブ領域の第1の側部上の前記第1のデータ線区画に電気的に接続されており、
前記補助データ線経路は、前記非アクティブ領域の第2の側部上の前記第2のデータ線区画に電気的に接続されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記補助データ線経路は、前記非アクティブ領域内の前記第2のデータ線区画に電気的に接続されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記補助データ線経路は、前記アクティブ領域内の前記第2のデータ線区画に電気的に接続されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項20】
前記補助データ線経路は、少なくとも部分的に第1の金属層によって形成されており、
前記第1の金属層は、電源分配線を形成する第2及び第3の金属層の間に配置されている、請求項15に記載のディスプレイ。
【外国語明細書】