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特開2022-17177FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法
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  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図1
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図2
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図3
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図4
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図5
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図6
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図7
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図8
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図9
  • 特開-FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017177
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/30 20060101AFI20220118BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
E04B1/30 Z
E04B1/58 505Q
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021074578
(22)【出願日】2021-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-11
(31)【優先権主張番号】202010668304.0
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518229179
【氏名又は名称】青▲島▼理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牟犇
(72)【発明者】
【氏名】金祖▲権▼
(72)【発明者】
【氏名】周万求
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼文▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】余涛
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB01
2E125AB13
2E125AC15
2E125AC29
2E125AG03
2E125AG04
2E125AG12
2E125AG14
2E125AG23
2E125AG25
2E125AG36
2E125AG38
2E125AG45
2E125BA02
2E125BB02
2E125BB05
2E125BB19
2E125BB22
2E125BB25
2E125BB29
2E125BB32
2E125BB36
2E125BB37
2E125BD01
2E125BE04
2E125BE08
2E125BF04
2E125BF08
2E125CA05
2E125CA82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】FRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部およびその取付方法を提供する。
【解決手段】二重鋼管柱1と、I型梁2と、仕口連結部材3と、内部支持材4と、ふさぎ板5と、を備え、二重鋼管柱1は内鋼管と、外鋼管と、を備え、仕口連結部材3は連結内管と、連結用外嵌円盤と、を備え、連結内管および連結用外嵌円盤が両方とも円形鋼管であり、内部支持材4は柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、ふさぎ板5は互いに垂直な水平部と、環状部と、を備え、上下層の二重鋼管柱1は仕口連結部材3および内部支持材4を介して接合され、内部支持材4の両端が各々上下の内鋼管に挿入され、FRP鉄筋が環状部、外鋼管、連結内管および内鋼管の順を通した後、内部支持材4のボルト穴内に固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部であって、二重鋼管柱(1)と、I型梁(2)と、仕口連結部材(3)と、内部支持材(4)と、ふさぎ板(5)と、を備え、
前記二重鋼管柱(1)は、内鋼管(11)と、外鋼管(12)と、を備え、前記内鋼管(11)が前記外鋼管(12)内に配設され、前記外鋼管(12)外側の仕口部に近い端に第1連結耳部(13)が垂直に固設され、
前記仕口連結部材(3)は、連結内管(31)と、連結用外嵌円盤(32)と、を備え、前記連結内管(31)および前記連結用外嵌円盤(32)が両方とも円形鋼管であり、前記連結内管(31)が前記連結用外嵌円盤(32)内に配設され、二者がスティック状の接続具(33)で接続され、前記連結内管(31)の両端が前記連結用外嵌円盤(32)から延出され、延出部分の上に貫通孔が設けられ、前記連結用外嵌円盤(32)の内径が前記外鋼管(12)の外径よりも大きく、前記連結用外嵌円盤(32)の外側中間位置に第2連結耳部(34)が垂直に固設され、前記第2連結耳部(34)の上下両側の前記連結用外嵌円盤(32)に凹溝(35)が穿設され、
前記内部支持材(4)は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、
前記ふさぎ板(5)は、互いに垂直な水平部(51)と、環状部(52)と、を備え、
上下層の前記二重鋼管柱(1)は、前記仕口連結部材(3)および前記内部支持材(4)を介して接合され、前記内部支持材(4)の両端が各々上下の前記内鋼管(11)に挿入され、上下の2つの前記内鋼管(11)が各々前記連結内管(31)に挿入され、上下の2つの前記外鋼管(12)が各々前記連結用外嵌円盤(32)に挿入されることで、前記第1連結耳部(13)を前記凹溝(35)に挿入させ、
前記二重鋼管柱(1)および前記I型梁(2)は、二組の対称的な上下の前記ふさぎ板(5)で接合され、前記ふさぎ板の前記環状部(52)が前記外鋼管(12)と密着し、FRP鉄筋が前記環状部(52)、前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)および前記内鋼管(11)の順を通した後、前記内部支持材(4)のボルト穴内に固定され、前記I型梁(2)のウェブが前記第1連結耳部(13)および前記第2連結耳部(34)と固結され、前記I型梁(2)のフランジが前記水平部(51)と固結される、
ことを特徴とする、FRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項2】
前記I型梁(2)のウェブは、第1ガセットプレート(53)を介して前記第1連結耳部(13)および前記第2連結耳部(34)と連結され、その間をボルトで固定し、ウェブを連結しながら上下層の前記外鋼管(12)の連結を補強することを特徴とする、請求項1に記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項3】
前記I型梁(2)のフランジは、第2ガセットプレート(54)を介して前記水平部(51)と連結されることを特徴とする、請求項1に記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項4】
FRP鉄筋両端に雄ねじが設けられ、一端は前記内部支持材(4)とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項5】
前記内部支持材(4)の高さは、前記連結内管(31)の高さと同じであり、前記内部支持材(4)両端のボルト穴が前記連結内管(31)両端の貫通孔に対応することを特徴とする、請求項1に記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項6】
前記内部支持材(4)は、両端の円形部材(41)と、中央の連結杆(42)と、を備え、両端の前記円形部材(41)が前記連結杆(42)を介して連結され、前記円形部材(41)上に円周状に、ボルト穴が均一に配置されることを特徴とする、請求項5に記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項7】
FRP鉄筋が、炭素繊維強化複合材料であることを特徴とする、請求項1に記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項8】
前記二重鋼管柱(1)の取付が完了した後、その内部に打ち込まれたコンクリートは、鋼繊維補強コンクリートであることを特徴とする、請求項1に記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部の取付方法であって、以下のステップ1からステップ7を備えており、すなわち、
ステップ1:前記仕口連結部材(3)を下層二重鋼管柱(1)の上に取り付け、前記内鋼管(11)を前記連結内管(31)に挿入させ、前記外鋼管(12)を前記連結用外嵌円盤(32)に挿入させ、前記外鋼管(12)の前記第1連結耳部(13)を前記連結用外嵌円盤(32)の前記凹溝(35)に挿入させるステップと、
ステップ2:前記内部支持材(4)の底部を下層二重鋼管の前記内鋼管(11)に取り付け、FRP鉄筋を前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)、前記内鋼管(11)の順に通した後、前記内部支持材(4)の下のボルト穴にねじ込むステップと、
ステップ3:上層前記二重鋼管柱(1)を前記仕口連結部材(3)の上に取り付け、前記内部支持材(4)の上端を上の前記内鋼管(11)に挿入させ、上の前記内鋼管(11)の下端を前記連結内管(31)の上端に挿入させ、上の前記外鋼管(12)を前記連結用外嵌円盤(32)の上端に挿入させ、前記外鋼管(12)の前記第1連結耳部(13)を前記連結用外嵌円盤(32)の前記凹溝(35)に挿入させ、FRP鉄筋を前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)、前記内鋼管(11)の順に通した後、前記内部支持材(4)の上のボルト穴にねじ込むステップと、
ステップ4:前記第2連結耳部(34)を第1ガセットプレート(53)で上下の2つの前記第1連結耳部(13)に連結させるステップであって、ここまでで上下層の前記二重鋼管柱(1)の連結が完了するステップと、
ステップ5:前記二重鋼管柱(1)にコンクリートを打ち込むステップと、
ステップ6:二組の対称的な上下のふさぎ板(5)を取り付け、ふさぎ板の前記環状部(52)と前記外鋼管(12)は挿入されたFRP鉄筋で連結され、FRP鉄筋端部に上ナットを取り付けるステップと、
ステップ7:前記I型梁(2)を取り付け、フランジを第2ガセットプレート(54)でふさぎ板の前記水平部(51)に連結させ、ウェブを前記第1ガセットプレート(53)に連結させるステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造分野に関し、特に、コンクリート充填二重鋼管の柱及び梁の仕口部(節点)およびその取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の近代化が推進されるにつれ、建物の構造が高いレベルで進化し続けており、コンクリート充填鋼管柱は優れた構造性能により、高層ビルや超高層ビルに広く使用されている。コンクリート充填二重鋼管柱は、構造物の自重を効果的に軽減するだけでなく、非常に優れた力学的性能を持つため、発展の大きな潜在能力と実用性を有する。
【0003】
コンクリート充填二重鋼管柱仕口部は、柱と柱、梁と柱の接合の重要部位であり、構造全体の安全性と構造性能にとって非常に重要である。従来の接合方法の多くは、鋼管の直接溶接であり、溶接の現場施工に対する要求が高く、かつ品質管理が十分にできず、溶接の残留応力が大きく、地震の時、鋼管の局部座屈により、接合部の変形が大きすぎて構造破壊が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部の接合方法の不足を克服するため、FRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部は、二重鋼管柱と、I型梁と、仕口連結部材と、内部支持材と、ふさぎ板と、を備え、
二重鋼管柱は、内鋼管と、外鋼管と、を備え、内鋼管が外鋼管内に配設され、外鋼管外側の仕口部に近い端に第1連結耳部が垂直に固設され、
仕口連結部材は、連結内管と、連結用外嵌円盤と、を備え、連結内管および連結用外嵌円盤が両方とも円形鋼管であり、連結内管が連結用外嵌円盤内に配設され、二者がスティック状の接続具で接続され、連結内管の両端が連結用外嵌円盤から延出され、延出部分の上に貫通孔が設けられ、連結用外嵌円盤の内径が外鋼管の外径よりも大きく、連結用外嵌円盤の外側中間位置に第2連結耳部が垂直に固設され、第2連結耳部の上下両側の連結用外嵌円盤に凹溝が穿設され、
内部支持材は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、
ふさぎ板は、互いに垂直な水平部と、環状部と、を備え、
上下層の二重鋼管柱は、仕口連結部材および内部支持材を介して接合され、内部支持材の両端が各々上下の内鋼管に挿入され、内鋼管が連結内管に挿入され、外鋼管が連結用外嵌円盤に挿入されることで、第1連結耳部を連結用外嵌円盤の凹溝に挿入させ、
二重鋼管柱およびI型梁は、二組の対称的な上下のふさぎ板で接合され、ふさぎ板の環状部が外鋼管と密着し、FRP鉄筋が環状部、外鋼管、連結内管および内鋼管の順を通した後、内部支持材のボルト穴内に固定され、I型梁のウェブが第1連結耳部および第2連結耳部と固結され、I型梁のフランジが水平部と固結される。
【0006】
好ましくは、I型梁のウェブは、第1ガセットプレート(第一接続板)を介して第1連結耳部および第2連結耳部と連結され、その間をボルトで固定し、ウェブを連結しながら上下層の外鋼管の連結を補強する。
【0007】
好ましくは、I型梁のフランジは、第2ガセットプレート(第二接続版)を介してふさぎ板の水平部と連結され、その間をボルトで固定する。
【0008】
好ましくは、FRP鉄筋両端に雄ねじが設けられ、一端は内部支持材とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられる。
【0009】
好ましくは、内部支持材は、両端の円形部材と、中央の連結杆と、を備え、両端の円形部材が連結杆を介して連結され、円形部材上に円周状に、ボルト穴が均一に配置される。
【0010】
好ましくは、内部支持材の高さは、連結内管の高さと同じであり、内部支持材両端のボルト穴が連結内管両端の貫通孔に対応する。
【0011】
FRPは、高品質のプラスチック複合材料であり、好ましくは、FRP鉄筋が炭素繊維強化複合材料である。
【0012】
好ましくは、二重鋼管に打ち込まれたコンクリートは、鋼繊維補強コンクリートである。
【0013】
本発明の別の目的は、以下のステップ1~ステップ7を含む上記仕口部の取付方法を提供する。すなわち、
ステップ1:仕口連結部材を下層二重鋼管柱の上に取り付け、内鋼管を連結内管に挿入させ、外鋼管を連結用外嵌円盤に挿入させ、外鋼管の第1連結耳部を連結用外嵌円盤の凹溝に挿入させるステップ、
ステップ2:内部支持材の底部を下層二重鋼管の内鋼管に取り付け、FRP鉄筋を外鋼管、連結内管、内鋼管の順に通した後、内部支持材の下のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ3:上層二重鋼管柱を仕口連結部材の上に取り付け、内部支持材の上端を上の内鋼管に挿入させ、上の内鋼管の下端を連結内管の上端に挿入させ、上の外鋼管を連結用外嵌円盤の上端に挿入させ、外鋼管の第1連結耳部を連結用外嵌円盤の凹溝に挿入させ、FRP鉄筋を外鋼管、連結内管、内鋼管の順に通した後、内部支持材の上のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ4:第2連結耳部を第1ガセットプレートで上下の2つの第1連結耳部に連結させるステップ(ここまでで、上下層の二重鋼管柱の連結が完了する)、
ステップ5:二重鋼管柱にコンクリートを打ち込むステップ(打ち込まれたコンクリートはコンクリートのひび割れの発生を遅らせるため、鋼繊維補強コンクリートである)、
ステップ6:二組の対称的な上下のふさぎ板を取り付け、ふさぎ板の環状部と外鋼管は挿入されたFRP鉄筋で連結され、FRP鉄筋端部に上ナットを取り付けるステップ、
ステップ7:I型梁を取り付け、フランジを第2ガセットプレートでふさぎ板の水平部に連結させ、ウェブを第1ガセットプレートに連結させるステップ。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下の有利な効果を有する。
(1)本発明の内部支持材は、仕口部の強度を補強し、仕口部で内部支持を提供し、内部鋼管の座屈を防止し、二重鋼管柱内に「竹の節」効果を形成し、柱の全体的な強度を向上でき、
(2)本発明は、炭素繊維FRP鉄筋を介してコンクリートと二重鋼管との連結を補強し、
(3)本発明の連結耳部は、梁と柱の接合を中央の仕口連結部材に分離して連結することはなく、梁ウェブを上下の柱および仕口部と共に連結させ、共に梁端の鉛直荷重に耐え、同時に上下の柱と仕口連結部材を固結させ、柱の上下連結を大幅に増強し、仕口部の一体性および強度を高め、
(4)本発明は、FRP鉄筋の優れた引張性能および耐疲労性・耐荷力を利用して、仕口部の耐震エネルギー散逸能力を効果的に向上し、鋼繊維補強コンクリートを使用すると、コンクリートのひび割れの発生を遅らせ、せん断性能を向上し、構造の安全性および支持力を高める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の構造模式図である。
図2】二重鋼管柱の構造模式図である。
図3】仕口連結部材の構造模式図である。
図4】内部支持材の構造模式図(一)である。
図5】内部支持材の構造模式図(二)である。
図6】ふさぎ板の構造模式図である。
図7】本発明の構造の立体分解図である。
図8】本発明の部分的連結を示す模式図(一)である。
図9】本発明の部分的連結を示す模式図(二)である。
図10】取付ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明をさらに説明する。
【0017】
(実施例1)
図1に示すように、本発明のFRP鉄筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部は、二重鋼管柱1と、I型梁2と、仕口連結部材3と、内部支持材4と、ふさぎ板5と、を備える。
【0018】
図2に示すように、二重鋼管柱1は、内鋼管11と、外鋼管12と、を備え、内鋼管および外鋼管が両方とも円形鋼管であり、外鋼管の仕口部に近い端に第1連結耳部13が垂直に固設され、すなわち、上層外鋼管の底部と下層外鋼管の頂部の外面に第1連結耳部13が垂直に固設され、第1連結耳部13の数が接合に必要なI型梁2の数と同じである。本実施例では4つのI型梁2の接合を例とし、4つの第1連結耳部13が円周方向に沿って均一に配置され;上層外鋼管の底部および下層外鋼管の頂部に連結用のFRP鉄筋貫通孔が設けられる。
【0019】
図3に示ように、仕口連結部材3は、連結内管31と、連結用外嵌円盤32と、を備え、連結内管および連結用外嵌円盤が両方とも円形鋼管であり、二者がスティック状の接続具33で接続され、連結内管31の両端が連結用外嵌円盤32から延出され、延出部分の上に貫通孔が設けられ、連結用外嵌円盤32の内径が外鋼管12の外径よりも大きく、連結用外嵌円盤32に第2連結耳部34が垂直に固設され、第2連結耳部34の上下両側の連結用外嵌円盤32に凹溝35が穿設される。
【0020】
図4に示すように、内部支持材4は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、材料と重量を減らすため、内部支持材4の外周に凹溝を設けることができる。
【0021】
内部支持材4の高さは、連結内管31の高さと同じであり、内部支持材4両端のボルト穴が連結内管31両端の貫通孔に対応する
【0022】
図6に示すように、ふさぎ板5は、互いに垂直な水平部51と、環状部52と、を備える。
【0023】
図7乃至図9に示すように、上下層の二重鋼管柱1は、仕口連結部材3および内部支持材4を介して接合され、内部支持材4が連結内管31に挿入され、上層内鋼管11の下端および下層内鋼管11の上端が両方とも内部支持材4と連結内管31との間の隙間に挿入され、外鋼管12が連結用外嵌円盤32に挿入されることで、第1連結耳部13を連結用外嵌円盤の凹溝35に挿入させ;二重鋼管柱1およびI型梁2は、二組の対称的な上下のふさぎ板5で接合され、ふさぎ板5の環状部が外鋼管12の外面と密着し、FRP鉄筋がふさぎ板の環状部52、外鋼管12、連結内管31および内鋼管11の順を通した後、内部支持材4のボルト穴内に固定され、FRP鉄筋両端に雄ねじが設けられ、一端は内部支持材4とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられる。I型梁2のウェブは、第1ガセットプレート53を介して第1連結耳部13および第2連結耳部34と連結され、第1ガセットプレート53が各々I型梁2のウェブ、第1連結耳部および第2連結耳部とボルトで接続され、ウェブを連結しながら上下層の外鋼管の連結を補強し;I型梁2のフランジは、第2ガセットプレート54を介してふさぎ板の水平部51と連結され、第2ガセットプレート54が各々I型梁のフランジおよびふさぎ板の水平部とボルトで接続される。
【0024】
FRP鉄筋は、炭素繊維強化複合材料を用いる。
【0025】
図10に示すように、本発明の取付方法は、以下のステップ1~ステップ7を含む。すなわち、
ステップ1:仕口連結部材3を下層二重鋼管柱1の上に取り付け、内鋼管11を連結内管31に挿入させ、外鋼管12を連結用外嵌円盤32に挿入させ、外鋼管12の第1連結耳部13を連結用外嵌円盤32の凹溝35に挿入させるステップ、
ステップ2:内部支持材4の底部を下層二重鋼管の内鋼管11に取り付け、FRP鉄筋を外鋼管12、連結内管31、内鋼管11の順に通した後、内部支持材4の下のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ3:上層二重鋼管柱1を仕口連結部材3の上に取り付け、内部支持材4の上端を上の内鋼管11に挿入させ、上の内鋼管11の下端を連結内管31の上端に挿入させ、上の外鋼管12を連結用外嵌円盤32の上端に挿入させ、外鋼管12の第1連結耳部13を連結用外嵌円盤32の凹溝35に挿入させ、FRP鉄筋を外鋼管12、連結内管31、内鋼管11の順に通した後、内部支持材4の上のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ4:第2連結耳部34を第1ガセットプレート53で上下の2つの第1連結耳部13に連結させるステップ(ここまでで、上下層の二重鋼管柱1の連結が完了する)、
ステップ5:二重鋼管柱1にコンクリートを打ち込むステップ(打ち込まれたコンクリートはコンクリートのひび割れの発生を遅らせるため、鋼繊維補強コンクリートである)、
ステップ6:二組の対称的な上下のふさぎ板5を取り付け、ふさぎ板の環状部52と外鋼管12は挿入されたFRP鉄筋で連結され、FRP鉄筋端部に上ナットを取り付けるステップ、
ステップ7:I型梁を取り付け、フランジを第2ガセットプレート54でふさぎ板の水平部51に連結させ、ウェブを第1ガセットプレート53に連結させるステップ。
【0026】
(実施例2)
図5に示すように、材料と重量を減らすため、内部支持材4をくり抜いて、両端にボルト穴のある部分を残しておくことができる。内部支持材4は、両端の円形部材41と、中央の連結杆42と、を備え、両端の円形部材41が連結杆42を介して連結され、円形部材41上に円周状に、ボルト穴が均一に配置される。
【0027】
その他の部分は、実施例1と同じである。
【0028】
上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。当業者にとって、本発明は、多種多様な変更および変化を有することができる。本発明の精神および原則の範囲内で行われた、あらゆる修正、均等範囲内での置換、改善なども、本発明の保護範囲に網羅されるものとする。
【符号の説明】
【0029】
1・・・二重鋼管柱
11・・・内鋼管
12・・・外鋼管
13・・・第1連結耳部
2・・・I型梁
3・・・仕口連結部材
31・・・連結内管
32・・・連結用外嵌円盤
33・・・スティック状の接続具
34・・・第2連結耳部
35・・・凹溝
4・・・内部支持材
41・・・円形部材
42・・・連結杆
5・・・ふさぎ板
51・・・水平部
52・・・環状部
53・・・第1ガセットプレート
54・・・第2ガセットプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【誤訳訂正書】
【提出日】2021-06-29
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部であって、二重鋼管柱(1)と、I型梁(2)と、仕口連結部材(3)と、内部支持材(4)と、外側環状板(5)と、を備え、
前記二重鋼管柱(1)は、内鋼管(11)と、外鋼管(12)と、を備え、前記内鋼管(11)が前記外鋼管(12)内に配設され、前記外鋼管(12)外側の仕口部に近い端に第1連結耳部(13)が垂直に固設され、
前記仕口連結部材(3)は、連結内管(31)と、連結用外嵌円盤(32)と、を備え、前記連結内管(31)および前記連結用外嵌円盤(32)が両方とも円形鋼管であり、前記連結内管(31)が前記連結用外嵌円盤(32)内に配設され、二者がスティック状の接続具(33)で接続され、前記連結内管(31)の両端が前記連結用外嵌円盤(32)から延出され、延出部分の上に貫通孔が設けられ、前記連結用外嵌円盤(32)の内径が前記外鋼管(12)の外径よりも大きく、前記連結用外嵌円盤(32)の外側中間位置に第2連結耳部(34)が垂直に固設され、前記第2連結耳部(34)の上下両側の前記連結用外嵌円盤(32)に凹溝(35)が穿設され、
前記内部支持材(4)は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、
前記外側環状板(5)は、互いに垂直な水平部(51)と、環状部(52)と、を備え、
上下層の前記二重鋼管柱(1)は、前記仕口連結部材(3)および前記内部支持材(4)を介して接合され、前記内部支持材(4)の両端が各々上下の前記内鋼管(11)に挿入され、上下の2つの前記内鋼管(11)が各々前記連結内管(31)に挿入され、上下の2つの前記外鋼管(12)が各々前記連結用外嵌円盤(32)に挿入されることで、前記第1連結耳部(13)を前記凹溝(35)に挿入させ、
前記二重鋼管柱(1)および前記I型梁(2)は、二組の対称的な上下の前記外側環状板(5)で接合され、前記外側環状板の前記環状部(52)が前記外鋼管(12)と密着し、FRPが前記環状部(52)、前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)および前記内鋼管(11)の順を通した後、前記内部支持材(4)のボルト穴内に固定され、前記I型梁(2)のウェブが前記第1連結耳部(13)および前記第2連結耳部(34)と固結され、前記I型梁(2)のフランジが前記水平部(51)と固結される、
ことを特徴とする、FRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項2】
前記I型梁(2)のウェブは、第1ガセットプレート(53)を介して前記第1連結耳部(13)および前記第2連結耳部(34)と連結され、その間をボルトで固定し、ウェブを連結しながら上下層の前記外鋼管(12)の連結を補強することを特徴とする、請求項1に記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項3】
前記I型梁(2)のフランジは、第2ガセットプレート(54)を介して前記水平部(51)と連結されることを特徴とする、請求項1に記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項4】
FRP両端に雄ねじが設けられ、一端は前記内部支持材(4)とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項5】
前記内部支持材(4)の高さは、前記連結内管(31)の高さと同じであり、前記内部支持材(4)両端のボルト穴が前記連結内管(31)両端の貫通孔に対応することを特徴とする、請求項1に記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項6】
前記内部支持材(4)は、両端の円形部材(41)と、中央の連結杆(42)と、を備え、両端の前記円形部材(41)が前記連結杆(42)を介して連結され、前記円形部材(41)上に円周状に、ボルト穴が均一に配置されることを特徴とする、請求項5に記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項7】
FRPが、炭素繊維強化複合材料であることを特徴とする、請求項1に記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項8】
前記二重鋼管柱(1)の取付が完了した後、その内部に打ち込まれたコンクリートは、鋼繊維補強コンクリートであることを特徴とする、請求項1に記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部の取付方法であって、以下のステップ1からステップ7を備えており、すなわち、
ステップ1:前記仕口連結部材(3)を下層二重鋼管柱(1)の上に取り付け、前記内鋼管(11)を前記連結内管(31)に挿入させ、前記外鋼管(12)を前記連結用外嵌円盤(32)に挿入させ、前記外鋼管(12)の前記第1連結耳部(13)を前記連結用外嵌円盤(32)の前記凹溝(35)に挿入させるステップと、
ステップ2:前記内部支持材(4)の底部を下層二重鋼管の前記内鋼管(11)に取り付け、FRPを前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)、前記内鋼管(11)の順に通した後、前記内部支持材(4)の下のボルト穴にねじ込むステップと、
ステップ3:上層前記二重鋼管柱(1)を前記仕口連結部材(3)の上に取り付け、前記内部支持材(4)の上端を上の前記内鋼管(11)に挿入させ、上の前記内鋼管(11)の下端を前記連結内管(31)の上端に挿入させ、上の前記外鋼管(12)を前記連結用外嵌円盤(32)の上端に挿入させ、前記外鋼管(12)の前記第1連結耳部(13)を前記連結用外嵌円盤(32)の前記凹溝(35)に挿入させ、FRPを前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)、前記内鋼管(11)の順に通した後、前記内部支持材(4)の上のボルト穴にねじ込むステップと、
ステップ4:前記第2連結耳部(34)を第1ガセットプレート(53)で上下の2つの前記第1連結耳部(13)に連結させるステップであって、ここまでで上下層の前記二重鋼管柱(1)の連結が完了するステップと、
ステップ5:前記二重鋼管柱(1)にコンクリートを打ち込むステップと、
ステップ6:二組の対称的な上下の外側環状板(5)を取り付け、外側環状板の前記環状部(52)と前記外鋼管(12)は挿入されたFRPで連結され、FRP端部に上ナットを取り付けるステップと、
ステップ7:前記I型梁(2)を取り付け、フランジを第2ガセットプレート(54)で外側環状板の前記水平部(51)に連結させ、ウェブを前記第1ガセットプレート(53)に連結させるステップと、
を備える方法。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造分野に関し、特に、コンクリート充填二重鋼管の柱及び梁の仕口部(節点)およびその取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の近代化が推進されるにつれ、建物の構造が高いレベルで進化し続けており、コンクリート充填鋼管柱は優れた構造性能により、高層ビルや超高層ビルに広く使用されている。コンクリート充填二重鋼管柱は、構造物の自重を効果的に軽減するだけでなく、非常に優れた力学的性能を持つため、発展の大きな潜在能力と実用性を有する。
【0003】
コンクリート充填二重鋼管柱仕口部は、柱と柱、梁と柱の接合の重要部位であり、構造全体の安全性と構造性能にとって非常に重要である。従来の接合方法の多くは、鋼管の直接溶接であり、溶接の現場施工に対する要求が高く、かつ品質管理が十分にできず、溶接の残留応力が大きく、地震の時、鋼管の局部座屈により、接合部の変形が大きすぎて構造破壊が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部の接合方法の不足を克服するため、FRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部は、二重鋼管柱と、I型梁と、仕口連結部材と、内部支持材と、外側環状板と、を備え、
二重鋼管柱は、内鋼管と、外鋼管と、を備え、内鋼管が外鋼管内に配設され、外鋼管外側の仕口部に近い端に第1連結耳部が垂直に固設され、
仕口連結部材は、連結内管と、連結用外嵌円盤と、を備え、連結内管および連結用外嵌円盤が両方とも円形鋼管であり、連結内管が連結用外嵌円盤内に配設され、二者がスティック状の接続具で接続され、連結内管の両端が連結用外嵌円盤から延出され、延出部分の上に貫通孔が設けられ、連結用外嵌円盤の内径が外鋼管の外径よりも大きく、連結用外嵌円盤の外側中間位置に第2連結耳部が垂直に固設され、第2連結耳部の上下両側の連結用外嵌円盤に凹溝が穿設され、
内部支持材は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、
外側環状板は、互いに垂直な水平部と、環状部と、を備え、
上下層の二重鋼管柱は、仕口連結部材および内部支持材を介して接合され、内部支持材の両端が各々上下の内鋼管に挿入され、内鋼管が連結内管に挿入され、外鋼管が連結用外嵌円盤に挿入されることで、第1連結耳部を連結用外嵌円盤の凹溝に挿入させ、
二重鋼管柱およびI型梁は、二組の対称的な上下の外側環状板で接合され、外側環状板の環状部が外鋼管と密着し、FRPが環状部、外鋼管、連結内管および内鋼管の順を通した後、内部支持材のボルト穴内に固定され、I型梁のウェブが第1連結耳部および第2連結耳部と固結され、I型梁のフランジが水平部と固結される。
【0006】
好ましくは、I型梁のウェブは、第1ガセットプレート(第一接続板)を介して第1連結耳部および第2連結耳部と連結され、その間をボルトで固定し、ウェブを連結しながら上下層の外鋼管の連結を補強する。
【0007】
好ましくは、I型梁のフランジは、第2ガセットプレート(第二接続版)を介して外側環状板の水平部と連結され、その間をボルトで固定する。
【0008】
好ましくは、FRP両端に雄ねじが設けられ、一端は内部支持材とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられる。
【0009】
好ましくは、内部支持材は、両端の円形部材と、中央の連結杆と、を備え、両端の円形部材が連結杆を介して連結され、円形部材上に円周状に、ボルト穴が均一に配置される。
【0010】
好ましくは、内部支持材の高さは、連結内管の高さと同じであり、内部支持材両端のボルト穴が連結内管両端の貫通孔に対応する。
【0011】
FRPは、高品質のプラスチック複合材料であり、好ましくは、FRPが炭素繊維強化複合材料である。
【0012】
好ましくは、二重鋼管に打ち込まれたコンクリートは、鋼繊維補強コンクリートである。
【0013】
本発明の別の目的は、以下のステップ1~ステップ7を含む上記仕口部の取付方法を提供する。すなわち、
ステップ1:仕口連結部材を下層二重鋼管柱の上に取り付け、内鋼管を連結内管に挿入させ、外鋼管を連結用外嵌円盤に挿入させ、外鋼管の第1連結耳部を連結用外嵌円盤の凹溝に挿入させるステップ、
ステップ2:内部支持材の底部を下層二重鋼管の内鋼管に取り付け、FRPを外鋼管、連結内管、内鋼管の順に通した後、内部支持材の下のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ3:上層二重鋼管柱を仕口連結部材の上に取り付け、内部支持材の上端を上の内鋼管に挿入させ、上の内鋼管の下端を連結内管の上端に挿入させ、上の外鋼管を連結用外嵌円盤の上端に挿入させ、外鋼管の第1連結耳部を連結用外嵌円盤の凹溝に挿入させ、FRPを外鋼管、連結内管、内鋼管の順に通した後、内部支持材の上のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ4:第2連結耳部を第1ガセットプレートで上下の2つの第1連結耳部に連結させるステップ(ここまでで、上下層の二重鋼管柱の連結が完了する)、
ステップ5:二重鋼管柱にコンクリートを打ち込むステップ(打ち込まれたコンクリートはコンクリートのひび割れの発生を遅らせるため、鋼繊維補強コンクリートである)、
ステップ6:二組の対称的な上下の外側環状板を取り付け、外側環状板の環状部と外鋼管は挿入されたFRPで連結され、FRP端部に上ナットを取り付けるステップ、
ステップ7:I型梁を取り付け、フランジを第2ガセットプレートで外側環状板の水平部に連結させ、ウェブを第1ガセットプレートに連結させるステップ。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下の有利な効果を有する。
(1)本発明の内部支持材は、仕口部の強度を補強し、仕口部で内部支持を提供し、内部鋼管の座屈を防止し、二重鋼管柱内に「竹の節」効果を形成し、柱の全体的な強度を向上でき、
(2)本発明は、炭素繊維FRPを介してコンクリートと二重鋼管との連結を補強し、
(3)本発明の連結耳部は、梁と柱の接合を中央の仕口連結部材に分離して連結することはなく、梁ウェブを上下の柱および仕口部と共に連結させ、共に梁端の鉛直荷重に耐え、同時に上下の柱と仕口連結部材を固結させ、柱の上下連結を大幅に増強し、仕口部の一体性および強度を高め、
(4)本発明は、FRPの優れた引張性能および耐疲労性・耐荷力を利用して、仕口部の耐震エネルギー散逸能力を効果的に向上し、鋼繊維補強コンクリートを使用すると、コンクリートのひび割れの発生を遅らせ、せん断性能を向上し、構造の安全性および支持力を高める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の構造模式図である。
図2】二重鋼管柱の構造模式図である。
図3】仕口連結部材の構造模式図である。
図4】内部支持材の構造模式図(一)である。
図5】内部支持材の構造模式図(二)である。
図6外側環状板の構造模式図である。
図7】本発明の構造の立体分解図である。
図8】本発明の部分的連結を示す模式図(一)である。
図9】本発明の部分的連結を示す模式図(二)である。
図10】取付ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明をさらに説明する。
【0017】
(実施例1)
図1に示すように、本発明のFRP接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部は、二重鋼管柱1と、I型梁2と、仕口連結部材3と、内部支持材4と、外側環状板5と、を備える。
【0018】
図2に示すように、二重鋼管柱1は、内鋼管11と、外鋼管12と、を備え、内鋼管および外鋼管が両方とも円形鋼管であり、外鋼管の仕口部に近い端に第1連結耳部13が垂直に固設され、すなわち、上層外鋼管の底部と下層外鋼管の頂部の外面に第1連結耳部13が垂直に固設され、第1連結耳部13の数が接合に必要なI型梁2の数と同じである。本実施例では4つのI型梁2の接合を例とし、4つの第1連結耳部13が円周方向に沿って均一に配置され;上層外鋼管の底部および下層外鋼管の頂部に連結用のFRP貫通孔が設けられる。
【0019】
図3に示ように、仕口連結部材3は、連結内管31と、連結用外嵌円盤32と、を備え、連結内管および連結用外嵌円盤が両方とも円形鋼管であり、二者がスティック状の接続具33で接続され、連結内管31の両端が連結用外嵌円盤32から延出され、延出部分の上に貫通孔が設けられ、連結用外嵌円盤32の内径が外鋼管12の外径よりも大きく、連結用外嵌円盤32に第2連結耳部34が垂直に固設され、第2連結耳部34の上下両側の連結用外嵌円盤32に凹溝35が穿設される。
【0020】
図4に示すように、内部支持材4は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、材料と重量を減らすため、内部支持材4の外周に凹溝を設けることができる。
【0021】
内部支持材4の高さは、連結内管31の高さと同じであり、内部支持材4両端のボルト穴が連結内管31両端の貫通孔に対応する
【0022】
図6に示すように、外側環状板5は、互いに垂直な水平部51と、環状部52と、を備える。
【0023】
図7乃至図9に示すように、上下層の二重鋼管柱1は、仕口連結部材3および内部支持材4を介して接合され、内部支持材4が連結内管31に挿入され、上層内鋼管11の下端および下層内鋼管11の上端が両方とも内部支持材4と連結内管31との間の隙間に挿入され、外鋼管12が連結用外嵌円盤32に挿入されることで、第1連結耳部13を連結用外嵌円盤の凹溝35に挿入させ;二重鋼管柱1およびI型梁2は、二組の対称的な上下の外側環状板5で接合され、外側環状板5の環状部が外鋼管12の外面と密着し、FRP外側環状板の環状部52、外鋼管12、連結内管31および内鋼管11の順を通した後、内部支持材4のボルト穴内に固定され、FRP両端に雄ねじが設けられ、一端は内部支持材4とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられる。I型梁2のウェブは、第1ガセットプレート53を介して第1連結耳部13および第2連結耳部34と連結され、第1ガセットプレート53が各々I型梁2のウェブ、第1連結耳部および第2連結耳部とボルトで接続され、ウェブを連結しながら上下層の外鋼管の連結を補強し;I型梁2のフランジは、第2ガセットプレート54を介して外側環状板の水平部51と連結され、第2ガセットプレート54が各々I型梁のフランジおよび外側環状板の水平部とボルトで接続される。
【0024】
FRPは、炭素繊維強化複合材料を用いる。
【0025】
図10に示すように、本発明の取付方法は、以下のステップ1~ステップ7を含む。すなわち、
ステップ1:仕口連結部材3を下層二重鋼管柱1の上に取り付け、内鋼管11を連結内管31に挿入させ、外鋼管12を連結用外嵌円盤32に挿入させ、外鋼管12の第1連結耳部13を連結用外嵌円盤32の凹溝35に挿入させるステップ、
ステップ2:内部支持材4の底部を下層二重鋼管の内鋼管11に取り付け、FRPを外鋼管12、連結内管31、内鋼管11の順に通した後、内部支持材4の下のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ3:上層二重鋼管柱1を仕口連結部材3の上に取り付け、内部支持材4の上端を上の内鋼管11に挿入させ、上の内鋼管11の下端を連結内管31の上端に挿入させ、上の外鋼管12を連結用外嵌円盤32の上端に挿入させ、外鋼管12の第1連結耳部13を連結用外嵌円盤32の凹溝35に挿入させ、FRPを外鋼管12、連結内管31、内鋼管11の順に通した後、内部支持材4の上のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ4:第2連結耳部34を第1ガセットプレート53で上下の2つの第1連結耳部13に連結させるステップ(ここまでで、上下層の二重鋼管柱1の連結が完了する)、
ステップ5:二重鋼管柱1にコンクリートを打ち込むステップ(打ち込まれたコンクリートはコンクリートのひび割れの発生を遅らせるため、鋼繊維補強コンクリートである)、
ステップ6:二組の対称的な上下の外側環状板5を取り付け、外側環状板の環状部52と外鋼管12は挿入されたFRPで連結され、FRP端部に上ナットを取り付けるステップ、
ステップ7:I型梁を取り付け、フランジを第2ガセットプレート54で外側環状板の水平部51に連結させ、ウェブを第1ガセットプレート53に連結させるステップ。
【0026】
(実施例2)
図5に示すように、材料と重量を減らすため、内部支持材4をくり抜いて、両端にボルト穴のある部分を残しておくことができる。内部支持材4は、両端の円形部材41と、中央の連結杆42と、を備え、両端の円形部材41が連結杆42を介して連結され、円形部材41上に円周状に、ボルト穴が均一に配置される。
【0027】
その他の部分は、実施例1と同じである。
【0028】
上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。当業者にとって、本発明は、多種多様な変更および変化を有することができる。本発明の精神および原則の範囲内で行われた、あらゆる修正、均等範囲内での置換、改善なども、本発明の保護範囲に網羅されるものとする。
【符号の説明】
【0029】
1・・・二重鋼管柱
11・・・内鋼管
12・・・外鋼管
13・・・第1連結耳部
2・・・I型梁
3・・・仕口連結部材
31・・・連結内管
32・・・連結用外嵌円盤
33・・・スティック状の接続具
34・・・第2連結耳部
35・・・凹溝
4・・・内部支持材
41・・・円形部材
42・・・連結杆
5・・・外側環状板
51・・・水平部
52・・・環状部
53・・・第1ガセットプレート
54・・・第2ガセットプレート
【手続補正書】
【提出日】2021-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部であって、二重鋼管柱(1)と、I型梁(2)と、仕口連結部材(3)と、内部支持材(4)と、外側環状板(5)と、を備え、
前記二重鋼管柱(1)は、内鋼管(11)と、外鋼管(12)と、を備え、前記内鋼管(11)が前記外鋼管(12)内に配設され、前記外鋼管(12)外側の仕口部に近い端に第1連結耳部(13)が垂直に固設され、
前記仕口連結部材(3)は、連結内管(31)と、連結用外嵌具(32)と、を備え、前記連結内管(31)および前記連結用外嵌具(32)が両方とも円形鋼管であり、前記連結内管(31)が前記連結用外嵌具(32)内に配設され、二者がスティック状の接続具(33)で接続され、前記連結内管(31)の両端が前記連結用外嵌具(32)から延出され、延出部分の外周表面に貫通孔が設けられ、前記連結用外嵌具(32)の内径が前記外鋼管(12)の外径よりも大きく、前記連結用外嵌具(32)の外側の鉛直方向における中間位置に第2連結耳部(34)が垂直に固設され、前記第2連結耳部(34)の上下両側の前記連結用外嵌具(32)に凹溝(35)が穿設され、
前記内部支持材(4)は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、
前記外側環状板(5)は、互いに垂直な水平部(51)と、環状部(52)と、を備え、
上下層の前記二重鋼管柱(1)は、前記仕口連結部材(3)および前記内部支持材(4)を介して接合され、前記内部支持材(4)の両端が各々上下の前記内鋼管(11)に挿入され、上下の2つの前記内鋼管(11)が各々前記連結内管(31)に挿入され、上下の2つの前記外鋼管(12)が各々前記連結用外嵌具(32)に挿入されることで、前記第1連結耳部(13)を前記凹溝(35)に挿入させ、
前記二重鋼管柱(1)および前記I型梁(2)は、二組の対称的な上下の前記外側環状板(5)で接合され、前記外側環状板の前記環状部(52)が前記外鋼管(12)と密着し、FRP筋が前記環状部(52)、前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)および前記内鋼管(11)の順に通過した後、前記内部支持材(4)のボルト穴内に固定され、前記I型梁(2)のウェブが前記第1連結耳部(13)および前記第2連結耳部(34)と固結され、前記I型梁(2)のフランジが前記水平部(51)と固結される、
ことを特徴とする、FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項2】
前記I型梁(2)のウェブは、第1ガセットプレート(53)を介して前記第1連結耳部(13)および前記第2連結耳部(34)と連結され、その間をボルトで固定し、ウェブを連結しながら上下層の前記外鋼管(12)の連結を補強することを特徴とする、請求項1に記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項3】
前記I型梁(2)のフランジは、第2ガセットプレート(54)を介して前記水平部(51)と連結されることを特徴とする、請求項1に記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項4】
FRP筋両端に雄ねじが設けられ、一端は前記内部支持材(4)とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項5】
前記内部支持材(4)の高さは、前記連結内管(31)の高さと同じであり、前記内部支持材(4)両端のボルト穴が前記連結内管(31)両端の貫通孔に対応することを特徴とする、請求項1に記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項6】
前記内部支持材(4)は、両端の円形部材(41)と、中央の連結杆(42)と、を備え、両端の前記円形部材(41)が前記連結杆(42)を介して連結され、前記円形部材(41)上に円周状に、ボルト穴が均一に配置されることを特徴とする、請求項5に記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項7】
FRP筋が、炭素繊維強化複合材料であることを特徴とする、請求項1に記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項8】
前記二重鋼管柱(1)の取付が完了した後、その内部に打ち込まれたコンクリートは、鋼繊維補強コンクリートであることを特徴とする、請求項1に記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部の取付方法であって、以下のステップ1からステップ7を備えており、すなわち、
ステップ1:前記仕口連結部材(3)を下層二重鋼管柱(1)の上に取り付け、前記内鋼管(11)を前記連結内管(31)に挿入させ、前記外鋼管(12)を前記連結用外嵌具(32)に挿入させ、前記外鋼管(12)の前記第1連結耳部(13)を前記連結用外嵌具(32)の前記凹溝(35)に挿入させるステップと、
ステップ2:前記内部支持材(4)の底部を下層二重鋼管の前記内鋼管(11)に取り付け、FRP筋を前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)、前記内鋼管(11)の順に通した後、前記内部支持材(4)の下のボルト穴にねじ込むステップと、
ステップ3:上層前記二重鋼管柱(1)を前記仕口連結部材(3)の上に取り付け、前記内部支持材(4)の上端を上の前記内鋼管(11)に挿入させ、上の前記内鋼管(11)の下端を前記連結内管(31)の上端に挿入させ、上の前記外鋼管(12)を前記連結用外嵌具(32)の上端に挿入させ、前記外鋼管(12)の前記第1連結耳部(13)を前記連結用外嵌具(32)の前記凹溝(35)に挿入させ、FRP筋を前記外鋼管(12)、前記連結内管(31)、前記内鋼管(11)の順に通した後、前記内部支持材(4)の上のボルト穴にねじ込むステップと、
ステップ4:前記第2連結耳部(34)を第1ガセットプレート(53)で上下の2つの前記第1連結耳部(13)に連結させるステップであって、ここまでで上下層の前記二重鋼管柱(1)の連結が完了するステップと、
ステップ5:前記二重鋼管柱(1)にコンクリートを打ち込むステップと、
ステップ6:二組の対称的な上下の外側環状板(5)を取り付け、外側環状板の前記環状部(52)と前記外鋼管(12)は挿入されたFRP筋で連結され、FRP筋端部に上ナットを取り付けるステップと、
ステップ7:前記I型梁(2)を取り付け、フランジを第2ガセットプレート(54)で外側環状板の前記水平部(51)に連結させ、ウェブを前記第1ガセットプレート(53)に連結させるステップと、
を備える方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造分野に関し、特に、コンクリート充填二重鋼管の柱及び梁の仕口部(節点)およびその取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の近代化が推進されるにつれ、建物の構造が高いレベルで進化し続けており、コンクリート充填鋼管柱は優れた構造性能により、高層ビルや超高層ビルに広く使用されている。コンクリート充填二重鋼管柱は、構造物の自重を効果的に軽減するだけでなく、非常に優れた力学的性能を持つため、発展の大きな潜在能力と実用性を有する。
【0003】
コンクリート充填二重鋼管柱仕口部は、柱と柱、梁と柱の接合の重要部位であり、構造全体の安全性と構造性能にとって非常に重要である。従来の接合方法の多くは、鋼管の直接溶接であり、溶接の現場施工に対する要求が高く、かつ品質管理が十分にできず、溶接の残留応力が大きく、地震の時、鋼管の局部座屈により、接合部の変形が大きすぎて構造破壊が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部の接合方法の不足を克服するため、FRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部は、二重鋼管柱と、I型梁と、仕口連結部材と、内部支持材と、外側環状板と、を備え、
二重鋼管柱は、内鋼管と、外鋼管と、を備え、内鋼管が外鋼管内に配設され、外鋼管外側の仕口部に近い端に第1連結耳部が垂直に固設され、
仕口連結部材は、連結内管と、連結用外嵌具と、を備え、連結内管および連結用外嵌具が両方とも円形鋼管であり、連結内管が連結用外嵌具内に配設され、二者がスティック状の接続具で接続され、連結内管の両端が連結用外嵌具から延出され、延出部分の外周表面に貫通孔が設けられ、連結用外嵌具の内径が外鋼管の外径よりも大きく、連結用外嵌具の外側の鉛直方向における中間位置に第2連結耳部が垂直に固設され、第2連結耳部の上下両側の連結用外嵌具に凹溝が穿設され、
内部支持材は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、
外側環状板は、互いに垂直な水平部と、環状部と、を備え、
上下層の二重鋼管柱は、仕口連結部材および内部支持材を介して接合され、内部支持材の両端が各々上下の内鋼管に挿入され、内鋼管が連結内管に挿入され、外鋼管が連結用外嵌具に挿入されることで、第1連結耳部を連結用外嵌具の凹溝に挿入させ、
二重鋼管柱およびI型梁は、二組の対称的な上下の外側環状板で接合され、外側環状板の環状部が外鋼管と密着し、FRP筋が環状部、外鋼管、連結内管および内鋼管の順を通した後、内部支持材のボルト穴内に固定され、I型梁のウェブが第1連結耳部および第2連結耳部と固結され、I型梁のフランジが水平部と固結される。
【0006】
好ましくは、I型梁のウェブは、第1ガセットプレート(第一接続板)を介して第1連結耳部および第2連結耳部と連結され、その間をボルトで固定し、ウェブを連結しながら上下層の外鋼管の連結を補強する。
【0007】
好ましくは、I型梁のフランジは、第2ガセットプレート(第二接続版)を介して外側環状板の水平部と連結され、その間をボルトで固定する。
【0008】
好ましくは、FRP筋両端に雄ねじが設けられ、一端は内部支持材とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられる。
【0009】
好ましくは、内部支持材は、両端の円形部材と、中央の連結杆と、を備え、両端の円形部材が連結杆を介して連結され、円形部材上に円周状に、ボルト穴が均一に配置される。
【0010】
好ましくは、内部支持材の高さは、連結内管の高さと同じであり、内部支持材両端のボルト穴が連結内管両端の貫通孔に対応する。
【0011】
FRPは、高品質のプラスチック複合材料であり、好ましくは、FRP筋が炭素繊維強化複合材料である。
【0012】
好ましくは、二重鋼管に打ち込まれたコンクリートは、鋼繊維補強コンクリートである。
【0013】
本発明の別の目的は、以下のステップ1~ステップ7を含む上記仕口部の取付方法を提供する。すなわち、
ステップ1:仕口連結部材を下層二重鋼管柱の上に取り付け、内鋼管を連結内管に挿入させ、外鋼管を連結用外嵌具に挿入させ、外鋼管の第1連結耳部を連結用外嵌具の凹溝に挿入させるステップ、
ステップ2:内部支持材の底部を下層二重鋼管の内鋼管に取り付け、FRP筋を外鋼管、連結内管、内鋼管の順に通した後、内部支持材の下のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ3:上層二重鋼管柱を仕口連結部材の上に取り付け、内部支持材の上端を上の内鋼管に挿入させ、上の内鋼管の下端を連結内管の上端に挿入させ、上の外鋼管を連結用外嵌具の上端に挿入させ、外鋼管の第1連結耳部を連結用外嵌具の凹溝に挿入させ、FRP筋を外鋼管、連結内管、内鋼管の順に通した後、内部支持材の上のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ4:第2連結耳部を第1ガセットプレートで上下の2つの第1連結耳部に連結させるステップ(ここまでで、上下層の二重鋼管柱の連結が完了する)、
ステップ5:二重鋼管柱にコンクリートを打ち込むステップ(打ち込まれたコンクリートはコンクリートのひび割れの発生を遅らせるため、鋼繊維補強コンクリートである)、
ステップ6:二組の対称的な上下の外側環状板を取り付け、外側環状板の環状部と外鋼管は挿入されたFRP筋で連結され、FRP筋端部に上ナットを取り付けるステップ、
ステップ7:I型梁を取り付け、フランジを第2ガセットプレートで外側環状板の水平部に連結させ、ウェブを第1ガセットプレートに連結させるステップ。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下の有利な効果を有する。
(1)本発明の内部支持材は、仕口部の強度を補強し、仕口部で内部支持を提供し、内部鋼管の座屈を防止し、二重鋼管柱内に「竹の節」効果を形成し、柱の全体的な強度を向上でき、
(2)本発明は、炭素繊維FRP筋を介してコンクリートと二重鋼管との連結を補強し、
(3)本発明の連結耳部は、梁と柱の接合を中央の仕口連結部材に分離して連結することはなく、梁ウェブを上下の柱および仕口部と共に連結させ、共に梁端の鉛直荷重に耐え、同時に上下の柱と仕口連結部材を固結させ、柱の上下連結を大幅に増強し、仕口部の一体性および強度を高め、
(4)本発明は、FRP筋の優れた引張性能および耐疲労性・耐荷力を利用して、仕口部の耐震エネルギー散逸能力を効果的に向上し、鋼繊維補強コンクリートを使用すると、コンクリートのひび割れの発生を遅らせ、せん断性能を向上し、構造の安全性および支持力を高める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の構造模式図である。
図2】二重鋼管柱の構造模式図である。
図3】仕口連結部材の構造模式図である。
図4】内部支持材の構造模式図(一)である。
図5】内部支持材の構造模式図(二)である。
図6】外側環状板の構造模式図である。
図7】本発明の構造の立体分解図である。
図8】本発明の部分的連結を示す模式図(一)である。
図9】本発明の部分的連結を示す模式図(二)である。
図10】取付ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明をさらに説明する。
【0017】
(実施例1)
図1に示すように、本発明のFRP筋接合装置を内蔵したコンクリート充填二重鋼管柱梁仕口部は、二重鋼管柱1と、I型梁2と、仕口連結部材3と、内部支持材4と、外側環状板5と、を備える。
【0018】
図2に示すように、二重鋼管柱1は、内鋼管11と、外鋼管12と、を備え、内鋼管および外鋼管が両方とも円形鋼管であり、外鋼管の仕口部に近い端に第1連結耳部13が垂直に固設され、すなわち、上層外鋼管の底部と下層外鋼管の頂部の外面に第1連結耳部13が垂直に固設され、第1連結耳部13の数が接合に必要なI型梁2の数と同じである。本実施例では4つのI型梁2の接合を例とし、4つの第1連結耳部13が円周方向に沿って均一に配置され;上層外鋼管の底部および下層外鋼管の頂部に連結用のFRP筋貫通孔が設けられる。
【0019】
図3に示ように、仕口連結部材3は、連結内管31と、連結用外嵌具32と、を備え、連結内管および連結用外嵌具が両方とも円形鋼管であり、二者がスティック状の接続具33で接続され、連結内管31の両端が連結用外嵌具32から延出され、延出部分の上に貫通孔が設けられ、連結用外嵌具32の内径が外鋼管12の外径よりも大きく、連結用外嵌具32に第2連結耳部34が垂直に固設され、第2連結耳部34の上下両側の連結用外嵌具32に凹溝35が穿設される。
【0020】
図4に示すように、内部支持材4は、柱状構造であり、両端に円周状に、ボルト穴が均一に配置され、材料と重量を減らすため、内部支持材4の外周に凹溝を設けることができる。
【0021】
内部支持材4の高さは、連結内管31の高さと同じであり、内部支持材4両端のボルト穴が連結内管31両端の貫通孔に対応する
【0022】
図6に示すように、外側環状板5は、互いに垂直な水平部51と、環状部52と、を備える。
【0023】
図7乃至図9に示すように、上下層の二重鋼管柱1は、仕口連結部材3および内部支持材4を介して接合され、内部支持材4が連結内管31に挿入され、上層内鋼管11の下端および下層内鋼管11の上端が両方とも内部支持材4と連結内管31との間の隙間に挿入され、外鋼管12が連結用外嵌具32に挿入されることで、第1連結耳部13を連結用外嵌具の凹溝35に挿入させ;二重鋼管柱1およびI型梁2は、二組の対称的な上下の外側環状板5で接合され、外側環状板5の環状部が外鋼管12の外面と密着し、FRP筋が外側環状板の環状部52、外鋼管12、連結内管31および内鋼管11の順を通した後、内部支持材4のボルト穴内に固定され、FRP筋両端に雄ねじが設けられ、一端は内部支持材4とねじ込み結合され、他端にナットが取り付けられる。I型梁2のウェブは、第1ガセットプレート53を介して第1連結耳部13および第2連結耳部34と連結され、第1ガセットプレート53が各々I型梁2のウェブ、第1連結耳部および第2連結耳部とボルトで接続され、ウェブを連結しながら上下層の外鋼管の連結を補強し;I型梁2のフランジは、第2ガセットプレート54を介して外側環状板の水平部51と連結され、第2ガセットプレート54が各々I型梁のフランジおよび外側環状板の水平部とボルトで接続される。
【0024】
FRP筋は、炭素繊維強化複合材料を用いる。
【0025】
図10に示すように、本発明の取付方法は、以下のステップ1~ステップ7を含む。すなわち、
ステップ1:仕口連結部材3を下層二重鋼管柱1の上に取り付け、内鋼管11を連結内管31に挿入させ、外鋼管12を連結用外嵌具32に挿入させ、外鋼管12の第1連結耳部13を連結用外嵌具32の凹溝35に挿入させるステップ、
ステップ2:内部支持材4の底部を下層二重鋼管の内鋼管11に取り付け、FRP筋を外鋼管12、連結内管31、内鋼管11の順に通した後、内部支持材4の下のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ3:上層二重鋼管柱1を仕口連結部材3の上に取り付け、内部支持材4の上端を上の内鋼管11に挿入させ、上の内鋼管11の下端を連結内管31の上端に挿入させ、上の外鋼管12を連結用外嵌具32の上端に挿入させ、外鋼管12の第1連結耳部13を連結用外嵌具32の凹溝35に挿入させ、FRP筋を外鋼管12、連結内管31、内鋼管11の順に通した後、内部支持材4の上のボルト穴にねじ込むステップ、
ステップ4:第2連結耳部34を第1ガセットプレート53で上下の2つの第1連結耳部13に連結させるステップ(ここまでで、上下層の二重鋼管柱1の連結が完了する)、
ステップ5:二重鋼管柱1にコンクリートを打ち込むステップ(打ち込まれたコンクリートはコンクリートのひび割れの発生を遅らせるため、鋼繊維補強コンクリートである)、
ステップ6:二組の対称的な上下の外側環状板5を取り付け、外側環状板の環状部52と外鋼管12は挿入されたFRP筋で連結され、FRP筋端部に上ナットを取り付けるステップ、
ステップ7:I型梁を取り付け、フランジを第2ガセットプレート54で外側環状板の水平部51に連結させ、ウェブを第1ガセットプレート53に連結させるステップ。
【0026】
(実施例2)
図5に示すように、材料と重量を減らすため、内部支持材4をくり抜いて、両端にボルト穴のある部分を残しておくことができる。内部支持材4は、両端の円形部材41と、中央の連結杆42と、を備え、両端の円形部材41が連結杆42を介して連結され、円形部材41上に円周状に、ボルト穴が均一に配置される。
【0027】
その他の部分は、実施例1と同じである。
【0028】
上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。当業者にとって、本発明は、多種多様な変更および変化を有することができる。本発明の精神および原則の範囲内で行われた、あらゆる修正、均等範囲内での置換、改善なども、本発明の保護範囲に網羅されるものとする。
【符号の説明】
【0029】
1・・・二重鋼管柱
11・・・内鋼管
12・・・外鋼管
13・・・第1連結耳部
2・・・I型梁
3・・・仕口連結部材
31・・・連結内管
32・・・連結用外嵌具
33・・・スティック状の接続具
34・・・第2連結耳部
35・・・凹溝
4・・・内部支持材
41・・・円形部材
42・・・連結杆
5・・・外側環状板
51・・・水平部
52・・・環状部
53・・・第1ガセットプレート
54・・・第2ガセットプレート
【外国語明細書】