(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171832
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/133 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
G02F1/133
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147632
(22)【出願日】2022-09-16
(62)【分割の表示】P 2020516308の分割
【原出願日】2019-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2018085141
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】飯田 泰行
(72)【発明者】
【氏名】金子 文吉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正雄
(72)【発明者】
【氏名】古澤 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 達也
(72)【発明者】
【氏名】鶴丸 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 航
(57)【要約】
【課題】 輝度ムラを抑えることができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 液晶表示装置10は、液晶表示パネル11の表示面に対応した開口部が形成されたパッキン13と、液晶表示パネル11とパッキン13とを保持固定する枠体20と、を備える。枠体20は、ホルダ(第1の枠体)21と、ホルダ(第1の枠体)21と連結されるカバー(第2の枠体)31とでなり、ホルダ21にはパッキン13を貫通する支持部22が設けられ、カバー31には液晶表示パネル11を介して支持部22と対向する位置に弾性支持部32が設けられ、液晶表示パネル11は、パッキン13とは当接せずに、支持部22と弾性支持部32とで挟んで保持固定されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルの表示面に対応した開口部が形成されたパッキンと、
前記液晶表示パネルと前記パッキンとを保持固定する枠体と、を備え、
前記枠体は、第1の枠体と、前記第1の枠体と連結される第2の枠体とでなり、
前記第1の枠体には、前記パッキンを貫通する支持部が設けられ、
前記第2の枠体には、前記液晶表示パネルを介して前記支持部と対向する位置に弾性支持部が設けられ、
前記液晶表示パネルは、前記パッキンとは当接せずに、前記支持部と前記弾性支持部とで挟んで保持固定されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1の枠体と前記第2の枠体とのいずれか一方には、前記液晶表示パネルが当たる位置決め部が設けられ、いずれか他方には、前記液晶表示パネルが当たり前記位置決め部側に前記液晶表示パネルをガイドする位置決めガイド部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1の枠体と前記第2の枠体とのいずれか一方には、前記第1の枠体と前記第2の枠体とを係合して位置決めする係合凹部が設けられ、いずれか他方には、前記係合凹部に嵌まる係合突部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記パッキンは、前記開口部の各辺に間隔をあけて一対の被係止部が形成され、
前記第1の枠体と前記第2の枠体のいずれかは、一対の前記被係止部に係止される一対の係止部が形成され、
前記係止部は、前記係止部の間隔を前記被係止部の間隔より大きくして前記被係止部の両外側に当てて係止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶表示パネルの前方に位置し光を透過する透過パネルを備え、
前記透過パネルは、
前記枠体に設けられ4隅の位置を規制する角支持部と、
2つの前記角支持部の間の前記パッキンに設けられ他方の2つの前記角支持部側へ押す傾斜押え部と、で位置決めされる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像などで情報を表示するため液晶表示装置が広く用いられており、例えば車両に搭載され、液晶表示装置から画像を表示する表示光を出射させ、視認者の前方に虚像による表示を行うヘッドアップディスプレイにも用いられている。例えば、下記特許文献1に開示されたヘッドアップディスプレイでは、TFT(Thin Film Transistor)で構成された液晶表示パネルは、TFTホルダ内にパッキンを介して前面を保護するホットミラーとともに保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、液晶表示パネルがパッキンのゴム面で押さえられて保持しているため、液晶表示パネルに加わる固定応力を一定に制御することが難しく、固定応力の影響により液晶表示パネルに輝度ムラが生じるという問題がある。また、ゴムなどのパッキンを介して液晶表示パネルを保持するため、位置決め精度が悪くなると、表示光による画像への影響が及ぶおそれがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、輝度ムラを抑えることができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、
液晶表示パネルの表示面に対応した開口部が形成されたパッキンと、
前記液晶表示パネルと前記パッキンとを保持固定する枠体と、を備え、
前記枠体は、第1の枠体と、前記第1の枠体と連結される第2の枠体とでなり、
前記第1の枠体には、前記パッキンを貫通する支持部が設けられ、
前記第2の枠体には、前記液晶表示パネルを介して前記支持部と対向する位置に弾性支持部が設けられ、
前記液晶表示パネルは、前記パッキンとは当接せずに、前記支持部と前記弾性支持部とで挟んで保持固定されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輝度ムラを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の液晶表示装置の一実施の形態に係り、(a)は一部分を拡大して示す外観斜視図、(b)は中央鉛直断面図である。
【
図2】本発明の一実施の形態に係る分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施の形態に係り、液晶表示パネルとカバーとの関係を説明する一部分を拡大した斜視図である。
【
図4】本発明の一実施の形態に係り、ホルダとパッキンとの関係を説明する一部分を拡大した斜視図である。
【
図5】本発明の一実施の形態に係り、ホルダとホットミラーとの関係を説明する一部分を拡大した斜視図である。
【
図6】本発明の一実施の形態に係り、ホルダとパッキンとの関係を説明する正面図である。
【
図7】本発明の一実施の形態に係り、パッキンとホットミラーとの関係を説明する一部分を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る液晶表示装置について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る液晶表示装置10は、例えば車両に搭載され、車両情報などの画像を表示する表示光を出射させ、視認者の前方に虚像による表示を行うヘッドアップディスプレイの表示器として用いられる。液晶表示装置10は、液晶表示装置10から車両のフロントガラスに向けて画像を表す表示光を出射する。視認者(主に車両の運転者)は、フロントガラスで反射した表示光を受けて、フロントガラスを通して見える背景に重畳した虚像を視認する。通常、液晶表示装置10からフロントガラスへと至る表示光の光路中には、凹面鏡等のミラー部材が配置される。
【0010】
本発明の液晶表示装置10は、液晶表示パネル11と、液晶表示パネル11の前方に位置し光を透過するホットミラー(透過パネル)12と、ホットミラー12の周囲を支持する緩衝部材としてのパッキン13と、液晶表示パネル11とパッキン13とを保持固定する枠体20と、を備える。枠体20は、係合連結される第1の枠体21と第2の枠体31とでなり、第1の枠体21には、パッキン13を貫通して液晶表示パネル11の前方に位置する支持部22が設けられ、第2の枠体31には、支持部22と対向して液晶表示パネル11の後方に位置する弾性支持部32が設けられ、液晶表示パネル11は、パッキン13とは当接せずに、支持部22と弾性支持部32とで挟んで保持固定されている。
これにより、液晶表示装置10の保持固定のために加わる力による輝度ムラを抑え、位置決め精度を向上することができる。
【0011】
本実施形態の液晶表示装置10は、
図2に示すように、液晶表示パネル11と、前方に位置するホットミラー12と、ホットミラー12の周囲を支持するパッキン13と、後方に位置する拡散板14と、枠体20と、を備える。液晶表示パネル11は、枠体20を構成するホルダ(第1の枠体)21とカバー(第2の枠体)31とに挟まれパッキン13とは当接せずに収容されて構成される。
【0012】
液晶表示パネル11は、例えばカラー液晶モジュールとされ、ドットマトリクス型のTFTモジュールで構成される。
液晶表示パネル11は、図示しないバックライトユニットからの光を受けて、画像を形成し、表示光として出射する。液晶表示パネル11は、一対の透明基板と両基板間に封入された液晶層とからなる液晶セルと、液晶セルを挟んで対向する偏光フィルタと、を有する。透明基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等により透明電極が形成されている。液晶表示パネル11は、回路基板に実装された液晶表示パネル11用の図示しないドライバ、制御部と接続される。液晶表示パネル11は、制御部の制御の下で、透明電極を介して液晶層に駆動電圧が印加されると、液晶層の液晶分子の配向が制御され、液晶表示パネル11が有する複数の画素の各々が透過/不透過状態に切り替わる。このような画素の組合せにより、液晶表示パネル11は、所定の画像を形成し、表示光として出射する。制御部では、例えば車両のECU(Electronic Control Unit)から車両速度などの車両情報を取得し、取得した画像情報を表示光として出射する。
【0013】
液晶表示パネル11の前面側(前方)にはホットミラー12が設けられる。ホットミラー12は、透明ガラスに多層膜を設けることで可視光を透過させ、赤外線を反射するためのものであり、液晶表示パネル11の温度上昇などから保護するものである。
液晶表示パネル11の後面側(後方)には、拡散板14が設けられる。拡散板14は、液晶表示パネル11に、図示しないバックライトユニットから入射する光を均一に拡散するためのものである。拡散板14は、
図2に示すように、枠状のカバー31の開口部より大きな矩形に形成され、上下の2辺及び一方の側辺に突き出して位置決め片14aが三箇所に一体に形成されている。
【0014】
枠体20は、液晶表示パネル11の外形に対応した矩形の額縁状に形成され、枠体20内に液晶表示パネル11を収容して保持固定する。枠体20は、樹脂(例えばポリプロピレン)製とされる。枠体20は、係合連結される横断面形状が略L字状のホルダ21と横断形状が略L字状とされたカバー31とで構成される。ホルダ21とカバー31は、互いを係合連結することで、横断面形状が略コ字状で内側が開口した枠体20が構成される。
ホルダ21は、液晶表示パネル11の前方に配置される。ホルダ21は、上辺の幅が広く、下辺の幅が狭く形成されており、側面形状が略台形状に形成されている。
カバー31は、液晶表示パネル11の後方に配置されてホルダ21と係合連結される。
カバー31は、上辺や下辺及び両側辺の各幅が一定に形成されており、ホルダ21を係合連結した状態では、カバー31を鉛直にすると、ホルダ21は上部が前方に突き出して下部が手前に位置する状態になる(
図1及び
図2参照)。
これらホルダ21とカバー31との間に液晶表示パネル11とホットミラー12とパッキン13と拡散板14とが収容される。
【0015】
液晶表示装置10では、液晶表示パネル11は、パッキン13とは接触(当接)することなくホルダ21とカバー31とで直接挟むようにして保持固定される。
すなわち、樹脂製のカバー31には、
図2及び
図3に示すように、弾性支持部32が一体に形成され、基端がカバー31に連結されて先端がフリーのアーム状とされる。これにより、弾性支持部32は、樹脂による弾性を備えたアーム状態となっている。弾性支持部32の先端部には、液晶表示パネル11に当てる押え部33が設けられている。弾性支持部32は、カバー31の矩形の枠状体の上辺部の中央部と、左右の側辺部の下方の三箇所に設けられ、液晶表示パネル11の平面(背面)の位置を規制して押える。
樹脂製のホルダ21には、
図4~
図6に示すように、断面形状がコ字状とされ、開口がホルダ21の外側とされた支持部22がカバー31の弾性支持部32の先端の押え部33と対向する位置に形成されている。この支持部22は、パッキン13を貫通して先端部がパッキン13から突き出すように設けられており、上辺部と左右の側辺部の三箇所に設けられている。
これにより、カバー31の弾性支持部32とホルダ21の支持部22との間に液晶表示パネル11の表裏面を両側から挟むようにしてパッキン13とは接触(当接)することなく保持することができ、X-Y平面の液晶表示パネル11のパネル面のZ方向の位置が規制される。
【0016】
また、液晶表示パネル11のX方向の位置とY方向の位置を規制するため、
図5に示すように、ホルダ21には、下辺部に液晶表示パネル11の下辺部を当てるリブ状の位置決め部28が2つ形成され、一方の側辺部(
図5及び
図6の右辺部)に液晶表示パネル11の一方の側辺部を当てるリブ状の位置決め部28が2つ形成してある。
カバー31には、
図2及び
図3に示すように、上辺部に2つの位置決めガイド部34が形成され、傾斜部35を液晶表示パネル11に当てて押し込むことで、下方に移動させることができるようにしてある。
これにより、液晶表示パネル11をホルダ21の位置決め部28に当てるようにガイドして上下方向(Y方向)の位置決めをする。
カバー31のホルダ21の位置決め部28と反対側の側辺部(
図5及び
図6の左辺部)に2つの位置決めガイド部34が形成され、傾斜部35を液晶表示パネル11に当てて押し込むようにガイドすることで、側方に移動させることができるようにしてある。これにより、液晶表示パネル11をホルダ21の側方の位置決め部28に当てるようにガイドして左右方向(X方向)の位置決めをする。
したがって、液晶表示パネル11は、ホルダ21とカバー31との間でパッキン13を介する(当接する)ことなく、支持部22及び弾性支持部32と、上下辺部及び両側辺部の位置決め部28及び位置決めガイド部34とによってX方向、Y方向及びZ方向の位置が規制されて位置決めされ、保持固定される。
なお、パッキン13を液晶表示パネル11に接触させない構造については、後述する。
【0017】
また、ホルダ21とカバー31とは、互いを合わせるようにして係合連結される。
すなわち、ホルダ21には、上辺部及び下辺部の外側面に2つの連結用突起部24が上方に突き出して形成されており、カバー31には、連結用突起部24の外側を囲むように係合される連結用枠部36が形成されている。
これにより、カバー31の連結用突起部24を乗り越えるようにホルダ21の連結用枠部36を押し込み、連結用突起部24を乗り越えた状態に連結用枠部36を位置させることでホルダ21とカバー31とが連結された状態で保持することができる。
ホルダ21とカバー31との位置決めは、
図1に示すように、ホルダ21の両側面部にZ方向に沿って係合凹部25が形成され、カバー31の両側面部には、係合凹部25に嵌まる係合突部37がZ方向に突き出すように形成してある。係合凹部25と係合突部37の上下面でY方向の位置が規制され、両側の係合凹部25と係合突部37の内側面でX方向の位置が規制される。
また、係合突部37の先端部は、斜面を形成して細くしてあり、係合凹部25への挿入性を向上できるようにしている。
なお、Z方向の位置は、ホルダ21の支持部22とカバー31の弾性支持部32との間で液晶表示パネル11を介して作用する反力で、係合連結されたホルダ21とカバー31の位置が規制される。
【0018】
ホットミラー12は、パッキン13を介して枠体20内に保持固定される。
ホットミラー12は、
図5に示すように、ホルダ21の内側にホットミラー12の4隅を当てて4隅の位置を規制する角支持部を構成するホットミラー受け部27が4つ設けられている。4つのホットミラー受け部27は、ホットミラー12の大きさに対して上下方向(Y方向)及び左右方向(X方向)にそれぞれ隙間ができるように形成されて配置されている。
ホットミラー12の背面には、ホルダ21に取り付けたパッキン13が当てられてホットミラー12が押えられる。
パッキン13は、
図2に示すように、ホルダ21の外形に合わせて上辺の幅が広く、下辺の幅が狭く形成されており、側面形状が略台形状に形成されている。これにより、ホットミラー12の背面にパッキン13を当ててホルダ21に装着し、カバー31を係合連結した状態で、且つ、ホットミラー12が鉛直になった状態では、液晶表示パネル11は、上辺部が鉛直面から離れ、下辺部が鉛直面に接近して傾いた状態となる。すなわち、液晶表示パネル11とホットミラー12とは、平行ではなく、上縁部が離れた傾斜状態でホルダ21とカバー31内に収容されている。
【0019】
ホルダ21には、
図3及び
図5に示すように、パッキン13の前面の周囲を支持するパッキン受け部26が後面側に突き出すように複数形成され、ホットミラー12の背面に当てたパッキン13の前面の外周側を支持する。パッキン受け部26は、ホットミラー受け部27の端面が兼用される。
このホルダ21へのパッキン13の支持状態では、液晶表示パネル11の前面を支持する支持部22がパッキン13の貫通孔から後面に突き出す長さとされている。これにより、ホルダ21には、パッキン13が液晶表示パネル11と接触(当接)しない状態で装着され、パッキン13は、ホットミラー12と接触してホットミラー12を支持する。
パッキン13は、ホットミラー12を位置決めする傾斜押え部13aが一体に形成される。
傾斜押え部13aは、
図1(b)及び
図7に示すように、2つのホットミラー受け部27の中間部に配置され、ホットミラー12の端面に傾斜面13bを当てて押すことで、隙間をなくして位置決めする。このため、傾斜押え部13aは、2つのホットミラー受け部27が位置する直交する2辺に対応して設けられ、例えば一方の側辺部と下辺部に設けられる。これにより、ホットミラー12は、上辺部の2つのホットミラー受け部27及び傾斜押え部13aと反対側の側辺部の2つのホットミラー受け部27との隙間をなくした状態で位置決めされる。
【0020】
パッキン13は、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料、あるいはポリウレタンフォームなどの多孔質材料からなり、液晶表示パネル11の表示面に対応した矩形の開口部13cが形成されており、歪みなどが生じても矩形の開口部13cを確保した状態でホルダ21に装着する必要がある。
パッキン13には、
図4及び
図6に示すように、外側に向かって開口し、表裏方向には貫通する切り欠き部(被係止部)13dが間隔Lを隔てて一対ずつ4つの各辺部に形成されている。
一方、ホルダ21には、一対の切り欠き部13dに係止される一対の位置決め部(係止部)28が切り欠き部13dの位置に対応して設けられ、一対の位置決め部28の間隔L1が一対の切り欠き部13dの間隔より大きく設定してある。なお、位置決め部28は、既に説明した液晶表示パネル11のX,Y方向の位置を位置決めする位置決め部28と兼用されている。
これにより、一対の位置決め部28の外側面が一対の切り欠き部13dの外側面に当たり、パッキン13の各辺を両側に広げるようにすることができ、開口部13cを確保することができる。
また、パッキン13の傾斜押え部13aが形成されている外形部には、
図7に示すように、切欠き13eが形成してある。切欠き13eはホルダ21に挿入された際、
図6に示すホルダ21のリブ23にそれぞれX,Y方向に押し当てられる。これにより、ホットミラー12をパッキン13の傾斜押え部13aが押すことでパッキン13の開口部13cが広がりすぎてしまい、液晶表示パネル11の表示エリア外の余計な透過光、外光による反射等を抑制する。
【0021】
拡散板14を装着するため、カバー31には、
図1(b)及び
図2に示すように、カバー31の内側に矩形の装着溝38が形成され、装着溝38に連通して表裏が覆われた位置決め用の差し込み孔39が形成されている。
これにより、拡散板14の周囲4辺を装着溝38に位置させるとともに、位置決め片14aを差し込み孔39に差し込むようにすることで、拡散板14がカバー31内に埋め込まれた状態で位置決めされて取り付けられる。したがって、拡散板14は、前面側に配置される液晶表示パネル11とは接触しない状態でカバー31内に装着されている。
【0022】
このような液晶表示装置10によって、液晶表示パネル11、ホットミラー12、パッキン13及び拡散板14がホルダ21とカバー31との間に位置決めされた状態で取り付けられて収容されている。そして、液晶表示パネル11は、パッキン13とは当接せずに支持部22と弾性支持部32とで保持固定される。
【0023】
以上、実施の形態とともに、具体的に説明したように、本発明の液晶表示装置10によれば、液晶表示パネル11と、液晶表示パネル11の前方に位置し光を透過するホットミラー(透過パネル)12と、ホットミラー12の周囲を支持するパッキン13と、液晶表示パネル11とパッキン13とを保持固定する枠体20と、を備える。枠体20は、係合連結されるホルダ(第1の枠体)21とカバー(第2の枠体)31とでなり、ホルダ21には、パッキン13を貫通して液晶表示パネル11の前方に位置する支持部22が設けられ、カバー31には、支持部22と対向して液晶表示パネル11の後方に位置する弾性支持部32が設けられ、液晶表示パネル11は、パッキン13とは当接せずに、支持部22と弾性支持部32とで挟んで保持固定されている。
かかる構成によれば、ホルダ21及びカバー31で保持される液晶表示パネル11はゴムなどの弾性体のパッキン13を介することなく支持部22と弾性支持部32とで支持することで、一定の固定力で均一に保持することができ、液晶表示パネル11に偏った力が加わらず、輝度ムラの発生を抑えることができる。また、パッキン13を介することなく保持固定することで、位置決め精度を向上することができ、品質の優れた画像を表示する表示光を出射させることができる。また、支持部22と弾性支持部32とで液晶表示パネル11を押えるので、押える力を調整し制御して押えることができる。また、パッキン13の剛性など必要な機能を液晶表示パネル11の保持とは、関係なく自由に設定することができる。
【0024】
本発明の液晶表示装置10によれば、ホルダ21とカバー31とのいずれか一方には、液晶表示パネル11が当たる位置決め部28が設けられ、いずれか他方には、液晶表示パネル11が当たり位置決め部28側に液晶表示パネル11をガイドする位置決めガイド部34が設けられている。
かかる構成によれば、位置決めガイド部34によって液晶表示パネル11を位置決め部28側にガイドして押し付けることで液晶表示パネル11を所定の位置に位置決めすることができる。
これにより、一層液晶表示パネル11の位置決め精度を向上することができ、画像品質を向上することができる。
【0025】
本発明の液晶表示装置10によれば、ホルダ21とカバー31とのいずれか一方には、ホルダ21とカバー31とを係合して位置決めする係合凹部25が設けられ、いずれか他方には、係合凹部25に嵌まる係合突部37が設けられている。
かかる構成によれば、ホルダ21とカバー31とが係合凹部25と係合突部37によって所定の位置に位置決めすることができ、これにより、収容された液晶表示パネル11なども高精度に位置決めすることができる。
【0026】
本発明の液晶表示装置10によれば、パッキン13は、開口部13cの各辺に間隔Lを空けて一対の切り欠き部(被係止部)13dが形成され、ホルダ21とカバー31のいずれかは、一対の切り欠き部13dに係止される一対の位置決め部(係止部)28が形成され、位置決め部28は、位置決め部28の間隔L1を切り欠き部13dの間隔Lより大きくして切り欠き部13dの両外側に当てて係止する。
これにより、パッキン13は、切り欠き部13dの間に入れる位置決め部28によって開口部13cが外側に押し広げられるようになり、歪みなどにより開口部13cが狭くなることが防止でき、液晶表示パネル11の表示範囲がパッキン13で覆われることがない。
【0027】
本発明の液晶表示装置10によれば、ホットミラー12は、枠体20のホルダ21に設けられ4隅の位置を規制するホットミラー受け部(角支持部)27と、2つのホットミラー受け部27の間のパッキン13に設けられ他方の2つのホットミラー受け部27側へ押す傾斜押え部13aで位置決めされる。
これにより、ホットミラー12をパッキン13で押えることで、パッキン13の傾斜押え部13aの傾斜面13bでホットミラー12の一辺を他方の辺側のホットミラー受け部27に押し付けて位置決めすることができる。
【0028】
なお、上記の実施形態では、液晶表示パネル11としてTFTモジュールに適用した例で説明したが、他の液晶表示パネルであっても良い。
また、上記の実施形態では、液晶表示装置を車載用のヘッドアップディスプレイに適用する場合を例に説明したが、車載用に限らず、飛行機、船等の乗り物に搭載されるものであっても良い。
また、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、液晶表示パネル11を支持する支持部と弾性支持部は、ホルダとカバーとで入れ替えて設置するようにしても良い。同様に、位置決め部と位置決めガイド部、係合凹部と係合突部についてもホルダとカバーで入れ替えて設置するようにしても良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
10 液晶表示装置
11 液晶表示パネル
12 ホットミラー(透過パネル)
13 パッキン
13a 傾斜押え部
13b 傾斜面
13c 開口部
13d 切り欠き部
13e 切欠き
14 拡散板
14a 位置決め片
20 枠体
21 ホルダ(第1の枠体)
22 支持部
23 リブ
24 連結用突起部
25 係合凹部
26 パッキン受け部
27 ホットミラー受け部(角支持部)
28 位置決め部
31 カバー(第2の枠体)
32 弾性支持部
33 押え部
34 位置決めガイド部
35 傾斜部
36 連結用枠部
37 係合突部
38 装着溝
39 差し込み孔
L 間隔
L1 間隔