(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171874
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/24 20060101AFI20221104BHJP
A47L 9/32 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A47L9/24 C
A47L9/32
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148859
(22)【出願日】2022-09-20
(62)【分割の表示】P 2021071808の分割
【原出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有輝
(57)【要約】
【課題】掃除機本体の使用形態を切り替えて使用可能な掃除機本体を備えた電気掃除機を実現することを目的とした。
【解決手段】掃除機本体10は、電動送風機40と、電動送風機40の吸引により塵埃を吸い込むための第一吸込口62aを有するノズル62と、第一吸込口62aから吸い込まれた塵埃が捕集される集塵部50とを備え、ハンドル部150を有する支持体100の収容部120に装着される第一の態様、及び延長管90を介して吸込具92と接続される第二の態様の両方の態様において兼用可能なものとされている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機と、前記電動送風機の吸引により塵埃を吸い込むための第一吸込口を有するノズルと、前記第一吸込口から吸い込まれた塵埃が捕集される集塵部とを有する掃除機本体を備え、
前記掃除機本体は、ハンドル部を有する支持体の収容部に装着される第一の態様、及び延長管を介して吸込具と接続される第二の態様の両方の態様において兼用可能であることを特徴とする、電気掃除機。
【請求項2】
前記支持体は、前記第一吸込口と連通する下側接続部を前記収容部に有し、
前記ノズルは、前記第一の態様において前記下側接続部と気密に接続され、前記第二の態様において前記延長管によって外側面が覆われるように前記延長管に対して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記ハンドル部は、前記電動送風機の中心軸に沿って直線状に延びる直線状部分を有し、前記中心軸の軸線方向から見た場合に、前記電動送風機の中心軸が前記直線状部分のうち中心軸線方向と直交する方向における幅内に位置することを特徴とする、請求項1または2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記電動送風機の中心軸の軸線方向から見た場合に、前記電動送風機の中心軸は、前記第一吸込口および前記下側接続部の下部連通口の開口幅内に位置することを特徴とする、請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記ハンドル部は、前記電動送風機の中心軸の軸線方向と交差する方向に延び、把持可能なグリップを有することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記掃除機本体と前記支持体とを係合する掃除機本体係合構造について、
前記掃除機本体係合構造の一方をなす掃除機側係合部が、前記掃除機本体に設けられ、
前記掃除機本体係合構造の他方をなす支持体側係合部が、前記支持体に設けられることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術においては、特開平2-177922号公報に開示されているように、吸込用ホースとホース継手との間を回動自在に接続する場合において好適に利用可能なホース取付装置が開示されている。当該特許文献に開示されているように、複数のアタッチメントと互換性のある部品を用いれば、複数のアタッチメントとホースとを容易に接続することができるかも知れない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、互換性のある部品を用いて掃除機本体の使用形態を切り替え可能とすることは困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、掃除機本体の使用形態を切り替えて使用可能な掃除機本体を備えた電気掃除機を実現することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の実施形態における掃除機本体は、電動送風機と、前記電動送風機の吸引により塵埃を吸い込むための第一吸込口を有するノズルと、前記第一吸込口から吸い込まれた塵埃が捕集される集塵部とを有する掃除機本体を備え、前記掃除機本体は、ハンドル部を有する支持体の収容部に装着される第一の態様、及び延長管を介して吸込具と接続される第二の態様の両方の態様において兼用可能であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の電気掃除機は、掃除機本体が、ハンドル部を有する支持体の収容部に装着される第一の態様だけでなく、延長管を介して吸込具と接続される第二の態様においても使用可能である。そのため、本発明の電気掃除機は、掃除機本体の使用形態を切り替えて使用できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、掃除機本体の使用形態を切り替えて使用可能な掃除機本体を備えた電気掃除機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る掃除機システムを示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る掃除機本体に対し延長管を介して吸込具を接続した状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る掃除機本体と延長管とを離反させた状態を示す斜視図である。
【
図5】
図3の電気掃除機から掃除機本体を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る掃除機本体を示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る掃除機本体を示す断面図である。
【
図8】
図1の掃除機システムについて要部を拡大して示した斜視図である。
【
図9】
図1の掃除機システムについて要部を拡大して示した断面図である。
【
図10】
図1の掃除機システムが備える支持装置について受部の内部構造を視認可能なように破断した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図1の掃除機システムが備える支持装置について受部の内部構造を視認可能なように破断した状態を
図10とは異なる角度から見た状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る掃除機システムS、及び電気掃除機1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、幅方向等の位置関係については、
図1~
図7に示すように掃除機システムS、電気掃除機1、及び掃除機本体10を立設させた状態を基準として説明する。
【0011】
図1及び
図3に示すように、掃除機システムS、及び電気掃除機1は、掃除機本体10を共通の構成として備えた装置である。すなわち、掃除機本体10は、掃除機システムS、及び電気掃除機1のいずれにも用いることができる共通部材として位置づけられたものである。以下の説明においては、先ず共用部材である掃除機本体10の構成について説明した後、掃除機システムS、及び電気掃除機1の構成について説明する。
【0012】
≪掃除機本体10について≫
掃除機本体10は、電気掃除機1において吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、
図6及び
図7に示すように、掃除機本体10は、筐体をなすケース(掃除機筐体20)の内部に、空気を吸引して気流を発生させるための電動送風機40、集塵部50、及びその他の部品等を内蔵させたものとされている。また、
図2や
図5に示すように、掃除機本体10は、掃除機筐体20の長手方向(軸線方向)の一端側に棒状の把持部14を有し、他端側にノズル62の第一吸込口62aを有する。
【0013】
掃除機筐体20は、上述した把持部14側の第一掃除機筐体部20aと、第一吸込口62a側の第二掃除機筐体部20bを軸線方向に接続したものとされている。
図7に示すように、第一掃除機筐体部20aには、バッテリー収容部22、掃除機側係合部24、及び基板収容部26、送風機収容部28等が設けられている。また、第二掃除機筐体部20bには、集塵部50や、吸込口構成部60が設けられている。
【0014】
バッテリー収容部22には、バッテリー22xが収容されている。また、掃除機側係合部24は、掃除機本体10と支持体100とを係合させる係合構造(掃除機本体係合構造142)を構成するために、掃除機本体10側に設けられたものである。基板収容部26には、基板26xが収容されている。また、送風機収容部28には、電動送風機40が収容されている。
【0015】
電動送風機40は、塵埃を吸引するための空気流を発生させるためのものである。電動送風機40は、吸気部40a及び排気部40bを有し、電力を供給することにより吸気部40aから排気部40bに向かう空気流を発生させることができる。電動送風機40は、掃除機筐体20の内部において、基板収容部26、及び集塵部50の間に配置されている。電動送風機40は、吸気部40aが集塵部50側を向く姿勢となるように配置されている。
【0016】
図7に示すように、集塵部50は、掃除機筐体20の第二掃除機筐体部20bに設けられている。集塵部50は、第一吸込口62aから吸い込まれた塵埃を捕集する部分である。集塵部50は、ダストカップ52、第一フィルタ部54、第二フィルタ部56を有する。
【0017】
ダストカップ52は、中空でカップ状の形状を有するものである。ダストカップ52は、第二掃除機筐体部20bの内部に別途筒体を設ける等して形成しても良いが、本実施形態では第二掃除機筐体部20bをなす筒体がダストカップ52として用いられている。ダストカップ52は、掃除機本体10を構成する筐体(第一掃除機筐体部20a)に対して係脱可能に接続されている。第一フィルタ部54は、上述したダストカップ52の内部に収容されている。第一フィルタ部54は、上端側が開放され下端側が閉塞された有底筒状の部材であり、周面に複数の通気孔54aを有する。また、第二フィルタ部56は、第一フィルタ部54の内部に配されている。
【0018】
図6や
図7等に示すように、吸込口構成部60は、第二掃除機筐体部20b側の端部に設けられている。吸込口構成部60は、ノズル62、及び周囲壁64を有する。
【0019】
ノズル62は、端部に塵埃を吸い込むための第一吸込口62aを端部に備えた筒状のものである。第一吸込口62aは、掃除機本体10において、集塵部50に塵埃を吸い込むために設けられた開口である。第一吸込口62aは、後に詳述する掃除機システムSを構成する延長管90や、電気掃除機1を構成する支持体100に設けられた第二吸込口134と開口形状及び大きさが略同一とされている。
【0020】
周囲壁64は、第一吸込口62aの外周を取り囲むように形成された壁状の部分である。周囲壁64は、第一吸込口62aの先端が周囲壁64の先端より、掃除機本体10の軸線方向に後退した位置に端部を有する。すなわち、周囲壁64が設けられた部分において、ノズル62の第一吸込口62a側の先端部が、周囲壁64よりも掃除機本体10の軸線方向に突出している。この周囲壁64の端部が受部82の上面と当接する。
【0021】
≪掃除機システムSについて≫
掃除機システムSは、上述した掃除機本体10と、支持装置70とを備えている。掃除機システムSは、
図1に示すように支持装置70に対して掃除機本体10を支持させた状態で使用する使用形態、及び
図6に示すように掃除機本体10を支持装置70から離反させて掃除機本体10を使用する使用形態の二つの使用形態で使用可能なものとされている。掃除機システムSは、掃除機本体10を支持装置70から離反させた状態において単体で使用するだけでなく、
図2や
図4に示すように掃除機本体10のノズル62に延長管90や吸込具92を接続することにより、スティック型の電気掃除機の態様(第二の態様)で使用することもできる。
【0022】
図1等に示すように、支持装置70は、掃除機本体10を支持するためのスタンドとして機能するものであり、充電機構を有していることが好ましい。支持装置70には、支持装置本体72、空間形成部74、及び収納部76が設けられている。
【0023】
支持装置本体72は、掃除機本体10を支持する部分である。支持装置本体72は、支柱部78、及び台座部80を有する。支柱部78は、掃除機本体10を斜め姿勢で支持可能なように、前方側から後方側に傾斜するように立設された柱状の部分である。そのため、掃除機本体10の背面側が支柱部78の表面側に面接触するようにして、掃除機本体10を支柱部78に対して立てかけることにより、掃除機本体10を前方側から後方側に向けて傾斜させた状態で背面側から支持することができる。支持装置本体72は、掃除機本体10の第一吸込口62aから把持部14の端部までの長さを超えない長さとされている。そのため、支持装置本体72に対して掃除機本体10を立てかけた状態とすると、掃除機本体10の把持部14側の部分が支持装置本体72よりも上方に突出した状態になる。
【0024】
台座部80は、支柱部78の基端側(下端側)に位置している。台座部80は、支柱部78により支持される掃除機本体10の台座となる部分である。台座部80は、受部82、及び支持部84を有する。
図1や
図8、
図9等に示すように、受部82は、支持装置本体72に対してノズル62を下方に向けた姿勢で掃除機本体10を立てかけたときに、ノズル62が到来する位置に設けられている。受部82は、吸込口構成部60を受け入れる受口を有する。受部82は、吸込口構成部60をなす筒体を略隙間なく差し込み可能なように開口している。本実施形態では、受部82に対して掃除機本体10のノズル62を受口に差し込むことが可能であり、受部82によってノズル62の外周面(周壁の一例)が被覆された状態になる。また、受部82とノズル62の外周面との間には第一気密部材82aが設けられていてもよいし、周囲壁64の先端部と受部82の受口が形成された上面部との間に、第一気密部材82aが設けられてもよい。なお、受部82は、周囲壁64(周壁の一例)の外周面を被覆するようにしてもよい。
【0025】
支持部84は、受部82によって囲まれた領域の底面側において、受部82に差し込まれたノズル62を支持する部分である。支持部84には、受部82に差し込まれたノズル62が正面側に位置ズレしないように、ノズル62の先端部に対して当接可能なように突出したストッパ部84aが設けられている。また、支持部84には、後述する空間形成部74により支持部84の下方側に形成された空間74aに対して開口した開口部84bを有する。そのため、受部82に対してノズル62を差し込み、支持装置本体72に対して掃除機本体10が支持された状態とすると、空間形成部74によって形成された空間74aに対し、開口部84bを介してノズル62の第一吸込口62aを連通させることができる。そのため、受部82に対してノズル62を差し込み、支持部84によってノズル62が支持された状態において、掃除機本体10の電動送風機40を作動させると、開口部84bを介して空間74aから掃除機本体10に向かう方向への吸引力を発生させることができる。また、受部82に対してノズル62を差し込んだ状態において、支持部84とノズル62の先端部との間となる位置には、第二気密部材82bが設けられていてもよい。なお、本実施形態においては、支持部84が3つ設けられることで、4つの開口部84bが形成されているが、1以上の支持部84を設けることで、2以上の開口部84bが形成されるようにすれば良い。
【0026】
図8~
図11等に示すように、空間形成部74は、支持部84の下方側において、中空に形成された空間74aを形成する部分である。空間形成部74によって形成された空間74aは、上述した開口部84bを介して受部82に対して連通している。また、空間形成部74は、正面側に設けられた連通口74bを介して、空間74aが外部に向けて開放されている。これにより、連通口74bを介して補助集塵具(後述のヘッド部)を空間74aに対して出し入れしたり、補助集塵具を用いて塵埃を連通口74bに近づけることで塵埃を空間74aの内部に導入(吸引)させたりすることができる。また、空間形成部74の底面には、除電プレート74cが設けられている。これにより、連通口74bを介して補助集塵具を出し入れすることにより、補助集塵具の静電気による帯電を抑制するので、補助集塵具に付着する塵埃を空間74aにて離すことができる。さらに、
図9や
図11に示すように、支持部84の裏側には、櫛歯74dが設けられているが、空間74a側に突出していれば、この位置に限定されるものではない。これにより、連通口74bを介して補助集塵具を出し入れした際に、補助集塵具(後述のヘッド部)に付着した塵埃を櫛歯74dによって掻き落として除去可能とされている。なお、補助集塵具は、例えばハンディモップであり、把手部およびヘッド部を有し、ヘッド部にて塵埃を捕集することが可能である。また、支持装置70は、除電プレート74cおよび櫛歯74dの両方を備える構成を例に説明したが、少なくとも一方を備える構成であればよい。
【0027】
図1等に示すように、収納部76は、支柱部78に対して後方側に設けられている。収納部76は、支持装置70の前方側から後方側に向けて傾斜した支柱部78の下方側に形成される領域(空間)を、補助集塵具またはアタッチメントを収納するために活用するために設けられている。本実施形態では、補助集塵具であるモップを挿入して収容するためのモップ収容部76aが収納部76に設けられている。また、受部82や支柱部78に対して側方側には、ノズル62に接続される延長管90や吸込具92を立設した状態で保持可能なアタッチメント保持部94が設けられている。吸込具92を保持するアタッチメント保持部94は、長手方向および短手方向の吸込具本体に対して継手部(継手パイプ)が回動可能な吸込具92の短手方向の側壁を保持することが可能であり、台座部80から立設される2つの突出壁の間に吸込具92の吸込具本体の短手方向の側壁が挟持されることで、台座部80の範囲内に吸込具92が収まる。また、吸込具92の継手部は吸込具本体に対して左右回動可能なため、回動により重力方向の方向に継手部が沿うため、よりコンパクトに収納が可能となる。このように、上面視で支柱部78に支持される掃除機本体10と、アタッチメント保持部94に保持される吸込具92およびアタッチメントとが台座部80内に収まるため、全体として小型化が可能である。
【0028】
≪電気掃除機1について≫
図3、
図5、及び
図12に示すように、電気掃除機1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機1は、例えば、電源コードを介して外部電源から電力を得る掃除機等とすることも可能であるが、本実施形態では充電式のものとされている。電気掃除機1は、掃除機本体10、支持体100、及び吸込部200を備えている。電気掃除機1は、掃除機本体10を支持体100に対して着脱可能であり、掃除機本体10を単体で使用する態様、及び掃除機本体10を支持体に装着した状態(装着状態)で使用する態様(第一の態様)のいずれでも使用可能とされている。また、電気掃除機1は、スタンド300に配置することにより充電可能とされている。
【0029】
支持体100は、上述した掃除機本体10を支持するものである。支持体100は、電気掃除機1を立設した状態において上下方向に延びるように形成された支持体筐体110に対して、収容部120、下側接続部130、上側接続部140、及びハンドル部150を設けたものとされている。
【0030】
収容部120は、支持体筐体110の長手方向中間部に設けられている。収容部120は、掃除機本体10を着脱可能に収容する部分である。収容部120は、上下方向に掃除機本体10が収まる大きさを有する。
【0031】
下側接続部130は、収容部120の下端側に設けられている。下側接続部130は、掃除機本体10の吸込口構成部60や、後に詳述する吸込部200等が接続される部分である。下側接続部130は、収容部120の下端部に開口するように設けられた下部連通口132を有する。下部連通口132は、掃除機本体10を、吸込口構成部60が下方に向き、把持部14が上側を向く姿勢として収容部120に対して収容させた際に、吸込口構成部60に設けられたノズル62の第一吸込口62aと連通するように開口している。下部連通口132を構成する筒状の連通部分に、第一吸込口62aを構成する筒部分が内挿されることにより、気密性を向上させている。
【0032】
上側接続部140は、収容部120の上端側に設けられている。上側接続部140は、上述した掃除機本体10の把持部14側に設けられた掃除機側係合部24に対して係合することにより、掃除機本体10を把持部14側において固定可能とされている。
【0033】
ハンドル部150は、掃除機本体10を支持体100に対して装着した装着状態において電気掃除機1を使用する際に、使用者が把持するためのものである。ハンドル部150は、支持体100の収容部120に対して上方側の位置において、掃除機本体10の長手方向(上下方向)に続くように設けられた部分である。ハンドル部150は、直線状部分152と、グリップ154とを有する。直線状部分152は、掃除機本体10に内蔵された電動送風機40の中心軸方向に沿って直線状に延びるように形成された部分である。また、グリップ154は、直線状部分152に続く部分であり、電動送風機40の中心軸方向に対して交差する方向に延び、使用者が把持可能とされた部分である。また、グリップ154の前面と電動送風機40の中心軸線との交点が、ユーザの把持領域に含まれることが好ましい。これにより、操作性を向上させることができる。
【0034】
上述した支持体100の収容部120に対し、掃除機本体10を収容させて取り付けると、掃除機本体10の前側(正面側)が露出し、後側(背面側)が支持体100によって覆われた状態になる。すなわち、掃除機本体10の電動送風機40の軸方向に沿う方向を第一方向とし、第一方向と直交する方向を第二方向とした場合、支持体100は、掃除機本体10における第二方向の一方側である前側を露出し、第二方向の他方側である後側を覆う状態を装着状態として、掃除機本体10を収容部120に装着できる。支持体100に対して掃除機本体10を装着した装着状態において、掃除機本体10は、支持体100の前側(正面側)の面から略突出しない。具体的に、本実施形態の電気掃除機1は、支持体100に対して掃除機本体10を装着した装着状態において、掃除機本体10の突出量が0mmから20mmの範囲内に収まるものとされている。
【0035】
また、支持体100に対して掃除機本体10を装着した装着状態において、ハンドル部150の中心軸線方向から見た場合に、直線状部分152のうち中心軸線方向と直交する方向における幅内に、電動送風機40の中心軸が位置する。さらに、装着状態においては、ハンドル部150の中心軸線方向から見た場合に、電動送風機40の中心軸が、掃除機本体10の第一吸込口62a、及び支持体100側の下部連通口132の開口幅内に位置するように、掃除機本体10が支持体100に対して装着される。
【0036】
図3、
図5、及び
図12に示すように、吸込部200は、吸込部本体202と、継手部204とを備えている。また、
図12に示すように、吸込部200は、吸込部本体202の内部に、清掃体206や、これを駆動させるための駆動機構(図示略)等の部材を備えている。吸込部本体202は、清掃時に床に配置される部分であり、清掃時にユーザにより動作される方向である前後方向に対して、左右方向に長い形状を有する。吸込部本体202の内部には、床面側を開口端とし、外部から空気や塵埃を吸い込むための吸込空間が形成されている。また、継手部204は、吸込部本体202に対して所定の回転範囲(前後方向及び左右方向)で回転可能に取り付けられている。継手部204は、上述した支持体100の下側接続部130に設けられた第二吸込口134に接続される部分である。継手部204は、筒状とされており、内部空間が吸込空間と連通している。
【0037】
スタンド300は、電気掃除機1を使用していないタイミングなどにおいて載置することができる。また、スタンド300に対して電気掃除機1を載置することにより、掃除機本体10に内蔵されているバッテリー22xを充電することができる。
【0038】
上述した実施形態に係る掃除機システムSは、以下の(1-1)~(1-11)に示すような構成を備えていることにより、以下のような効果が得られる。
【0039】
従来、特開昭50-119460号公報に開示されているような電気掃除機が提供されている。特許文献1の電気掃除機は、掃除を終了した後に掃除機を収納ボックスに収納可能とされている。特許文献1の電気掃除機は、このような構成とすることにより、置場所の問題を解決すると共に、掃除機本体内に設けられたフィルターの除塵を所定時間に亘って自動的に行うようにして、除塵の手間を省略しようとしたものである。
ここで、上記特許文献1の電気掃除機は、掃除機本体を収納ボックスに収納した状態において、掃除機本体内に設けられたフィルターの除塵を行えるものの、掃除機本体により塵埃を収集することができないという課題があった。
そこで本発明は、掃除機本体が支持装置に支持された状態においても、掃除機本体を用いて清掃を行える掃除機システムを提供することを目的とした。
(1-1)上述した本実施形態の掃除機システムSは、電動送風機40による吸引により吸込口構成部60の第一吸込口62aから塵埃を吸い込む掃除機本体10と、掃除機本体10を支持する支持装置70と、を備え、支持装置70は、中空に形成された空間74aを形成する空間形成部74と、空間74aの内外を連通する連通口74bと、支持装置70に吸込口構成部60が支持された状態において第一吸込口62aを空間74aに連通させる開口部84bと、を有すること、を特徴とするものである。
【0040】
本実施形態の掃除機システムSは、掃除機本体10と支持装置70とを備えており、支持装置70によって掃除機本体10を支持可能とされている。また、掃除機システムSにおいては、空間形成部74により形成された中空の空間74aが設けられると共に、支持装置70に支持された掃除機本体10の吸込口構成部60の第一吸込口62aを空間74aに連通させるための開口部84bが設けられた構成とされている。さらに、空間74aは、連通口74bを介して外部に連通したものとされている。このような構成とされているため、掃除機システムSは、掃除機本体10を支持装置70に支持させた状態において掃除機本体10を作動させることにより、吸込口構成部60の第一吸込口62aと連通した開口部84bを介して支持装置70の空間74aを負圧とし、連通口74bを介して塵埃を吸引できる。従って、掃除機システムSによれば、掃除機本体10が支持装置70に支持された状態においても、掃除機本体10を用いて清掃を行える。
【0041】
(1-2)上述した本実施形態の掃除機システムSは、連通口74bから補助集塵具を挿入可能であること、を特徴とするものである。
【0042】
かかる構成により、掃除機システムSは、掃除機本体10を支持装置70に支持させた状態で、電動送風機40を作動させると共に、連通口74bを介して空間74aに補助集塵具を出し入れすることにより、補助集塵具を清掃できる。
【0043】
(1-3)上述した本実施形態の掃除機システムSにおいて、支持装置70は、吸込口構成部60を受け入れる受部82を備え、受部82は、吸込口構成部60の周壁を被覆すること、を特徴とするものとされている。
【0044】
かかる構成とされているため、掃除機システムSは、受部82に吸込口構成部60を受け入れさせた状態において、吸込口構成部60と受部82とを気密にすることができる。
【0045】
(1-4)上述した本実施形態の掃除機システムSは、支持装置70と吸込口構成部60との間に、第一気密部材82aが配されること、を特徴とするものとされている。
【0046】
かかる構成とされているため、掃除機システムSは、支持装置70に対して吸込口構成部60を支持させた状態において、第一気密部材82aを介して吸込口構成部60と支持部84とを気密に接続した状態とすることができる。
【0047】
(1-5)上述した本実施形態の掃除機システムSは、受部82と吸込口構成部60との間に、第二気密部材82bが配されること、を特徴とするものとされている。
【0048】
かかる構成とされているため、掃除機システムSは、受部82に対して吸込口構成部60を受け入れさせた状態において、第二気密部材82bを介して吸込口構成部60と受部82とを気密にすることができる。
【0049】
(1-6)上述した本実施形態の掃除機システムSは、支持装置70は、掃除機本体10を斜め姿勢で支持する支柱部78を備えること、を特徴とするものであると良い。
【0050】
かかる構成とされているため、掃除機システムSは、掃除機本体10を支柱部78に対して立てかけた状態で支持することができる。
【0051】
(1-7)上述した本実施形態の掃除機システムSは、支持装置70は、掃除機本体10を前方側から後方側に傾斜させた姿勢で支持する支柱部78と、支柱部78により支持される掃除機本体10の台座となる台座部80と、支柱部78に対して後方側において、補助集塵具またはアタッチメントを収納するための収納部76と、を有すること、を特徴とするものであると良い。
【0052】
かかる構成とされているため、掃除機システムSは、支柱部78に対して後方側に形成される空間を収納部76として活用できる。
【0053】
(1-8)上述した本実施形態の掃除機システムSは、掃除機本体10は、軸線方向一方側に第一吸込口62aを有し、他方側に把持部14を備えたものであり、支柱部78は、第一吸込口62aから把持部14までの長さを超えない長さであることを特徴とするものであると良い。
【0054】
かかる構成とされているため、掃除機システムSは、支柱部78に対して掃除機本体10を立てかけた状態において、把持部14側の部分を支柱部78よりも上方に突出させた状態とすることができる。これにより、掃除機本体10を支持装置70から離脱させて使用する際に、スムーズに把持部14を把持することができる。
【0055】
ここで、従来技術においては、特開平2-177922号公報に開示されているように、吸込用ホースとホース継手との間を回動自在に接続する場合において好適に利用可能なホース取付装置が開示されている。当該特許文献に開示されているように、複数のアタッチメントと互換性のある部品を用いれば、複数のアタッチメントとホースとを容易に接続することができるかも知れない。しかしながら、互換性のある部品を用いて掃除機本体の使用形態を切り替え可能とすることは困難であるという問題があった。そこで、本発明は、掃除機本体の使用形態を切り替えて使用可能な掃除機本体を実現することを目的とした。
【0056】
(2-1)かかる問題を解決すべく、上述した本実施形態の掃除機本体10は、電動送風機40と、電動送風機40の吸引により塵埃を吸い込むための第一吸込口62aを有するノズル62と、第一吸込口62aから吸い込まれた塵埃が捕集される集塵部50とを備え、ハンドル部150を有する支持体100の収容部120に装着される第一の態様、及び延長管90を介して吸込具92と接続される第二の態様の両方の態様において兼用可能なものとされている。
【0057】
本実施形態の掃除機本体10は、ハンドル部150を有する支持体100の収容部120に装着される第一の態様だけでなく、及び延長管90を介して吸込具92と接続される第二の態様においても使用可能である。そのため、本実施形態の掃除機本体10は、掃除機本体10の使用形態を切り替えて使用できる。
【0058】
(2-2)上述した本実施形態の掃除機本体10は、支持体100は、第一吸込口62aと連通する下側接続部130を収容部120に有し、ノズル62は、第一の態様において下側接続部130と気密に接続され、第二の態様において延長管90によって外側面が覆われるように延長管90に対して接続されること、を特徴とするものであると良い。
【0059】
かかる構成によれば、第一の態様、及び第二の態様のいずれの態様で使用されたとしても、ノズル62の接続部分において気密性を確保し、集塵能力の低下を抑制できる。
【0060】
(2-3)上述した本実施形態の掃除機本体10は、ハンドル部150は、電動送風機40の中心軸に沿って直線状に延びる直線状部分152を有し、中心軸の軸線方向から見た場合に、電動送風機40の中心軸が直線状部分152のうち中心軸線方向と直交する方向における幅内に位置すること、を特徴とするものであると良い。
【0061】
かかる構成によれば、掃除機本体10を支持体100に対して取り付けた第一の態様において、直線状部分152のうち中心軸線方向と直交する方向における幅内に電動送風機40の中心軸が収まる位置まで、電動送風機40を収容部120の内側に寄せた配置とすることができる。これにより、掃除機本体10を支持体100に対して取り付けた電気掃除機1について、支持体100に設けられた収容部120に掃除機本体10を収容させた装着状態において、掃除機本体10が支持体100からはみ出ることを抑制し、コンパクトな構成とすることができる。
【0062】
(2-4)上述した本実施形態の掃除機本体10は、電動送風機40の中心軸の軸線方向から見た場合に、電動送風機40の中心軸は、第一吸込口62aおよび下側接続部130の下部連通口132の開口幅内に位置すること、を特徴とするものであると良い。
【0063】
かかる構成によれば、掃除機本体10を支持体100に対して取り付けた第一の態様において、第一吸込口62a及び下部連通口132の開口幅内に電動送風機40の中心軸が収まる位置まで、電動送風機40を収容部120の内側に寄せた配置とすることができる。これにより、第一の態様において、支持体100に設けられた収容部120に掃除機本体10を収容させた装着状態で、掃除機本体10が支持体100からはみ出ることを抑制し、電気掃除機1をコンパクトな構成とすることができる。
【0064】
(2-5)上述した本実施形態の掃除機本体10は、ハンドル部150は、電動送風機40の中心軸の軸線方向と交差する方向に延び、把持可能なグリップ154を有すること、を特徴とするものであると良い。
【0065】
かかる構成によれば、掃除機本体10を支持体100に対して取り付けた第一の態様において、使用者はグリップ154を把持して容易に電気掃除機1を取り回すことができる。なお、本実施形態では、ハンドル部150として、電動送風機40の中心軸線方向と交差する方向に延びるグリップ154を備えたものを採用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、ハンドル部150は、グリップ154を備えず、直線的に伸びる棒状のもの等であっても良い。また、ハンドル部150は、前側(正面側)から後側(背面側)に向かってループ形状に伸びる形状のものであっても良い。このような構成とする場合は、支持体100のハンドル部150と電動送風機40の中心軸とが交差し、かつハンドル部150の厚みの範囲内に電動送風機40の中心軸が収まるような位置関係であると良い。
【0066】
ここで、従来技術においては、支持装置の台座部に立設される突起に、アタッチメントの開口を差すことでアタッチメントが支持装置に収納されることが知られている。アタッチメントの1つとして吸込具が収納されることがあるが、吸込具本体に対して継手部(継手パイプ)が回動可能な吸込具を上述の方法で支持装置に支持させる場合、吸込具本体が回動してしまうため、支持が不安定であるといった問題がある。そこで、本発明は、吸込具を安定して支持することが可能な掃除機システムを実現することを目的とした。
【0067】
(3-1)かかる問題を解決すべく、上述した本実施形態の掃除機システムSは、掃除機本体10と、掃除機本体10を支持する支持装置70と、を備え、支持装置70は、吸込具本体に対して継手部が回動可能な吸込具92を支持可能なアタッチメント保持部94を有し、アタッチメント保持部94は、吸込具92の短手方向の側壁を支持すること、を特徴とするものである。かかる構成によれば、吸込具を安定して支持することが可能となる。
【0068】
(3-2)上述した本実施形態の掃除機システムSは、吸込具92がアタッチメント保持部94に保持された状態では、継手部の端部の連通口が重力方向を向くよう継手部が回動していること、を特徴とするものであると良い。
【0069】
(3-3)上述した本実施形態の掃除機システムSは、支持装置70に支持された状態の掃除機本体10を基準に左右方向の一方に延長管が前記アタッチメント保持部により保持され、前記左右方向の他方に前記吸込具が前記アタッチメント保持部により保持されること、を特徴とするものであると良い。
【0070】
本願発明は、上述した実施の形態に記載の構成に限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲において適宜設計変更等することが可能である。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても、本願または本願に基づく分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、電気掃除機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0072】
1 :電気掃除機
10 :掃除機本体
14 :把持部
40 :電動送風機
50 :集塵部
62 :ノズル
62a :第一吸込口
70 :支持装置
74 :空間形成部
74a :空間
74b :連通口
76 :収納部
78 :支柱部
80 :台座部
82 :受部
82a :第一気密部材
82b :第二気密部材
84 :支持部
84b :開口部
90 :延長管
92 :吸込具
100 :支持体
120 :収容部
130 :下側接続部
132 :下部連通口
150 :ハンドル部
152 :直線状部分
154 :グリップ
S :掃除機システム