(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171967
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】折畳み容器
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
B65D6/18 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150877
(22)【出願日】2022-09-22
(62)【分割の表示】P 2018233447の分割
【原出願日】2018-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2018079848
(32)【優先日】2018-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】山内 寿敏
(57)【要約】
【課題】折畳み状態における高さを低くすることのできる折畳み容器を提供する。
【解決手段】折畳み容器1は、平面視略矩形状をなす底壁部3と、底壁部3の各側辺部からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5とを具備する底壁構成部2と、各土台部4、5に回動可能に連結された長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7とを備える。折畳み容器1を折畳み状態から組立状態とする場合、一対の短辺側側壁部7を起立位置とすることで、長辺側側壁部6を起立位置とさせることが可能となる。短辺側側壁部7の両側部には、内方に突出し、起立位置とされた長辺側側壁部6の外方への変位を防止する係合壁15が設けられている。底壁構成部2には、長辺側土台部4に対応して、短辺側側壁部7を寝かせ位置とした場合に、短辺側側壁部7の係合壁15を挿入可能な収容部51が、底壁構成部2を上下に貫通するようにして設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の各側辺部に沿って設けられる土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記各土台部に対して、前記各土台部の上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立位置とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記寝かせ位置とされた折畳み状態とに状態変化可能な折畳み容器において、
前記土台部は、前記底壁部の相対する一対の側辺部からそれぞれ上方に突出する相対する一対の第1土台部と、前記第1土台部よりも高さが低く構成された相対する一対の第2土台部とを備え、
前記側壁部は、前記各第1土台部にそれぞれ連結される一対の第1側壁部と、前記各第2土台部にそれぞれ連結される一対の第2側壁部とを備え、
前記折畳み状態から前記組立状態とする場合に、前記一対の第1側壁部を前記起立位置とすることで、前記第2側壁部を前記起立位置とすることが可能な構成において、
前記第1側壁部の両側部には、前記第1側壁部の内面から突出する支持突部が設けられ、
前記組立状態において、前記第2側壁部の外面側が、前記第1側壁部の前記支持突部に当接、又は、近接する構成であって、
前記支持突部には、前記第1側壁部が前記起立位置にある場合の下端部において下方に開口する係合部が設けられ、
前記第2側壁部の外側面には、前記組立状態において前記係合部に挿入される係合突起が設けられ、
前記底壁構成部には、前記第2土台部に対応して、前記第1側壁部を前記寝かせ位置とした場合に、前記係合部を含む前記支持突部を挿入可能な収容部が設けられていることを特徴とする折畳み容器。
【請求項2】
前記係合突起は、前記第1側壁部の外面側に設けられ、上下方向に延在する縦リブと連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折畳み容器。
【請求項3】
前記支持突部のうち少なくとも前記係合部の周縁部の厚みは、前記第1側壁部を構成する板状体の厚みよりも大きく構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の折畳み容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される折畳み容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、平面視略矩形状をなす底壁部、及び、該底壁部の各側辺部に沿ってそれぞれ上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、各土台部に対して、各土台部の上方に立設される起立位置と、底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、全ての側壁部が起立位置とされた組立状態と、全ての側壁部が寝かせ位置とされた折畳み状態とに状態変化可能な折畳み容器が知られている。
【0003】
また、前記折畳み容器の側壁部は、相対する一対の第1側壁部と、相対する一対の第2側壁部とを備え、折畳み容器を折畳み状態から組立状態とする際に、一対の第1側壁部を先に起立位置としてからでないと、第2側壁部を起立位置とすることのできない構成となっている。さらに、第1側壁部の両側部には、第1側壁部の内面から突出し、折畳み容器の組立状態において、第2側壁部の外面と当接して第2側壁部の外方への変位を防止する支持突部が設けられている。
【0004】
ところで、折畳み容器には、運搬・保管効率の向上が求められている。この点、土台部に対し凹部を設け、第1側壁部を寝かせ位置とした場合に、第1側壁部の支持突部を前記凹部に収容可能とするといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の技術を採用することで、寝かせ位置とされた第1側壁部の支持突部が土台部の上辺部に当接して重なるといった事態を回避することができ、折畳み容器の折畳み状態における高さを低くすることができる。しかしながら、折畳み容器の折畳み状態における運搬・保管効率に関して、更なる改善等が望まれているのも事実である。
【0007】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、折畳み状態における運搬・保管効率に関する改善を図ることのできる折畳み容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の各側辺部に沿って設けられる土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記各土台部に対して、前記各土台部の上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立位置とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記寝かせ位置とされた折畳み状態とに状態変化可能な折畳み容器において、
前記土台部は、前記底壁部の相対する一対の側辺部からそれぞれ上方に突出する相対する一対の第1土台部と、前記第1土台部よりも高さが低く構成された相対する一対の第2土台部とを備え、
前記側壁部は、前記各第1土台部にそれぞれ連結される一対の第1側壁部と、前記各第2土台部にそれぞれ連結される一対の第2側壁部とを備え、
前記折畳み状態から前記組立状態とする場合に、前記一対の第1側壁部を前記起立位置とすることで、前記第2側壁部を前記起立位置とすることが可能な構成において、
前記第1側壁部の両側部には、前記第1側壁部の内面から突出する支持突部が設けられ、
前記組立状態において、前記第2側壁部の外面側が、前記第1側壁部の前記支持突部に当接、又は、近接する構成であって、
前記支持突部には、前記第1側壁部が前記起立位置にある場合の下端部において下方に開口する係合部が設けられ、
前記第2側壁部の外側面には、前記組立状態において前記係合部に挿入される係合突起が設けられ、
前記底壁構成部には、前記第2土台部に対応して、前記第1側壁部を前記寝かせ位置とした場合に、前記係合部を含む前記支持突部を挿入可能な収容部が設けられていることを特徴とする折畳み容器。
【0010】
手段2.前記係合突起は、前記第1側壁部の外面側に設けられ、上下方向に延在する縦リブと連続して設けられていることを特徴とする手段1に記載の折畳み容器。
【0011】
手段3.前記支持突部のうち少なくとも前記係合部の周縁部の厚みは、前記第1側壁部を構成する板状体の厚みよりも大きく構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の折畳み容器。
【0012】
手段A-1.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の各側辺部に沿って設けられる土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記各土台部に対して、前記各土台部の上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立位置とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記寝かせ位置とされた折畳み状態とに状態変化可能な折畳み容器において、
前記土台部は、前記底壁部の相対する一対の側辺部からそれぞれ上方に突出する相対する一対の第1土台部と、前記第1土台部よりも高さが低く構成された相対する一対の第2土台部とを備え、
前記側壁部は、前記各第1土台部にそれぞれ連結される一対の第1側壁部と、前記各第2土台部にそれぞれ連結される一対の第2側壁部とを備え、
前記折畳み状態から前記組立状態とする場合に、前記一対の第1側壁部を前記起立位置とすることで、前記第2側壁部を前記起立位置とすることが可能な構成において、
前記第1側壁部の両側部には、前記第1側壁部の内面から突出する支持突部が設けられ、
前記組立状態において、前記第2側壁部の外面側が、前記第1側壁部の前記支持突部に当接、又は、近接する構成であって、
前記底壁構成部には、前記第2土台部に対応して、前記第1側壁部を前記寝かせ位置とした場合に、前記第1側壁部の前記支持突部を挿入可能な収容部が、前記底壁構成部を上下に貫通するようにして設けられていることを特徴とする折畳み容器。
【0013】
手段A-1によれば、底壁構成部において、寝かせ位置とされた第1側壁部の支持突部のうち下方を向いている面に当接して支持するような部位がなくなることとなる。従って、支持突部が支持されることによって寝かせ位置にある第1側壁部の高さ位置が決まることを回避することができる。つまり、例えば、収容部に底部が設けられる構成に比べ、寝かせ位置にある第1側壁部の支持突部を下方に位置させることができ、寝かせ位置にある第1側壁部全体についても極力下方に位置させることができる。従って、寝かせ位置にある第1側壁部のうち上方を向いている面(外面)の高さ位置を低く抑えることができる分、折畳み状態にある折畳み容器の高さを低くすることができ、特に、折畳み状態にある折畳み容器同士を積み重ねる(段積みする)場合には、段積みされた複数の折畳み容器の高さを極力低くすることができる。結果として、運搬・保管等に際して、限られた空間の中で段積み可能な折畳み容器の段数を増やすことができる等、運搬・保管効率の向上等を図ることができる。
【0014】
尚、「収容部」とあるのは、支持突部を挿入可能に構成されている部位を意図するものであって、支持突部を挿入することのできない水抜き孔等は含まれない。
【0015】
手段A-2.前記支持突部には、前記第1側壁部の横幅方向において貫通する係合孔部が設けられ、
前記第2側壁部の外面側には、前記組立状態において前記支持突部の前記係合孔部に挿入される係合突起が設けられ、
前記支持突部のうち少なくとも前記係合孔部の周縁部の厚みは、前記第1側壁部を構成する板状体の厚みよりも大きく構成されていることを特徴とする手段A-1に記載の折畳み容器。
【0016】
手段A-2によれば、支持突部の強度及び剛性を高めることができ、特に、係合孔部の周縁部が変形する等の事態を抑止することができる。従って、上記手段A-1のように収容部が設けられることで、折畳み状態において第1側壁部の支持突部が、折畳み容器の下面側に露出する(第2土台部において寝かせ位置にある第1側壁部の支持突部のうち下方を向いている面を保護する部位が存在しない)といった構成においても、支持突部の損傷や変形等を抑止することができる。
【0017】
また、上記手段A-1のように、収容部に底部が設けられていないことから、支持突部の第1側壁部からの突出長を極力長く確保することができ、ひいては、係合孔部が設けられる支持突部の強度低下を抑止しつつ、係合突起の横幅を極力大きく確保することができる。従って、係合突起、及び、支持突部の損傷や変形等を抑止し、耐久性の向上等を図ることができる。
【0018】
手段A-3.前記各土台部は、前記各側壁部に設けられた複数の軸部をそれぞれ軸支する複数の軸受部を備え、
前記第2土台部において、少なくとも前記収容部の一側方の近傍に前記軸受部が設けられていることを特徴とする手段A-1又はA-2に記載の折畳み容器。
【0019】
手段A-3によれば、収容部が設けられることにより低下したその周辺部の強度及び剛性を、軸受部、さらには、軸受部に連結された軸部によって補うことができる。
【0020】
尚、「収容部の一側方の近傍」とあるのは、軸受部によって収容部周辺が補強される程度に近いことを意味し、例えば、収容部と、軸受部との間の距離が、収容部の横幅以下であること等が例示される。
【0021】
尚、「前記寝かせ位置とされた前記第1側壁部の前記支持突部のうち下方を向いている面は、前記収容部の下端部と同じ高さ位置、又は、前記収容部の下端部よりも若干上方の高さ位置(収容部を構成する壁部の肉厚未満の距離を上方に離れた位置)となるように構成されていること」としてもよい。この場合、寝かせ位置とされた第1側壁部の支持突部が収容部から下方に突出することで、支持突部が別の部材に接触し易くなる、或いは、組立状態の折畳み容器の上に折畳み状態の折畳み容器を載せた場合に、上側の折畳み容器の支持突部に、下側の折畳み容器の第2側壁部の上辺部が当接して前記支持突部が持ち上がるといった事態を回避することができる。従って、支持突部の損傷等を抑制することができる。
【0022】
B.従来、平面視略矩形状をなす底壁部、及び、該底壁部の各側辺部に沿ってそれぞれ上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、各土台部に対して、各土台部の上方に立設される起立位置と、底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、全ての側壁部が起立位置とされた組立状態と、全ての側壁部が寝かせ位置とされた折畳み状態とに状態変化可能な折畳み容器が知られている。
【0023】
また、前記折畳み容器の側壁部は、相対する一対の第1側壁部と、相対する一対の第2側壁部とを備え、折畳み容器を折畳み状態から組立状態とする際に、一対の第1側壁部を先に起立位置としてからでないと、第2側壁部を起立位置とすることのできない構成となっている。さらに、第1側壁部の両側部には、第1側壁部の内面から突出し、折畳み容器の組立状態において、第2側壁部の外面と当接して第2側壁部の外方への変位を防止する支持突部が設けられている。加えて、支持突部には、第1側壁部の横幅方向の中央部側に開口する凹部(係合部)が設けられ、第2側壁部の外面側には、折畳み容器の組立状態において係合部に挿入される係合突起が設けられている(例えば、特開2001-287738号公報等参照。)。
【0024】
ところで、折畳み容器の折畳み状態における運搬・保管効率に関して、更なる改善等が望まれているのも事実である。
【0025】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、折畳み状態における高さを低くすることのできる折畳み容器を提供することにある。
【0026】
手段B-1.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の各側辺部に沿って設けられる土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記各土台部に対して、前記各土台部の上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立位置とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記寝かせ位置とされた折畳み状態とに状態変化可能な折畳み容器において、
前記土台部は、前記底壁部の相対する一対の側辺部からそれぞれ上方に突出する相対する一対の第1土台部と、前記第1土台部よりも高さが低く構成された相対する一対の第2土台部とを備え、
前記側壁部は、前記各第1土台部にそれぞれ連結される一対の第1側壁部と、前記各第2土台部にそれぞれ連結される一対の第2側壁部とを備え、
前記折畳み状態から前記組立状態とする場合に、前記一対の第1側壁部を前記起立位置とすることで、前記第2側壁部を前記起立位置とすることが可能な構成において、
前記第1側壁部の両側部には、前記第1側壁部の内面から突出する支持突部が設けられ、
前記組立状態において、前記第2側壁部の外面側が、前記第1側壁部の前記支持突部に当接、又は、近接する構成であって、
前記支持突部には、前記第1側壁部の横幅方向の中央部側に開口する係合部が設けられ、
前記第2側壁部の外面側には、前記組立状態において前記支持突部の前記係合部に挿入される係合突起が設けられ、
前記各支持突部に対応してそれぞれ設けられた前記係合突起のうち少なくとも1つは、前記第2側壁部の側辺部よりも前記第2側壁部の側方に突出して設けられていることを特徴とする折畳み容器。
【0027】
手段B-1によれば、係合突起の厚み(第2側壁部の横幅方向における幅)を十分に確保し、かつ、支持突部において、係合部(開口縁)と、支持突部の外周縁部(先端縁部)との間の幅を十分に確保しつつ、支持突部の第1側壁部の内面からの突出長を極力短く抑えることができる。従って、係合突起、及び、支持突部の耐久性の向上を図りつつ、折畳み容器を折畳み状態とした際に、支持突部が折畳み容器の高さを高める要因となってしまうといった事態を抑制することができる。結果として、折畳み容器の組立状態の安定化を図りつつ、折畳み状態とされた折畳み容器の高さを極力低くすることができ、折畳み状態とされた折畳み容器の運搬・保管効率の向上等を図ることができる。特に、物品が収容された組立状態にある折畳み容器の側壁部に手を掛けて折畳み容器を持ち運ぶような構成の場合(側壁部に持ち手があるような場合)には、係合突起、及び、支持突部の耐久性を高めて折畳み容器の組立状態の安定化を図るといった作用効果がより顕著に奏され、物品が収容された折畳み容器をより安定して持ち運ぶことができる。
【0028】
手段B-2.前記第1土台部の内面の一部には、前記第2側壁部を前記寝かせ位置とした場合に、前記第2側壁部の側辺部よりも前記第2側壁部の側方に突出する前記係合突起が挿入される土台凹部が設けられていることを特徴とする手段B-1に記載の折畳み容器。
【0029】
手段B-2によれば、起立位置にある第2側壁部を寝かせ位置とする場合に、係合突起と、第1土台部との干渉を回避させることができる。従って、折畳み容器を折畳み状態とする場合に、係合突起が第1土台部の上面や内面に引っ掛かり、係合突起等が損傷してしまったり、第2側壁部を寝かせ位置まで変位させることができず、折畳み状態とされた折畳み容器の高さが高くなってしまったりする等の事態を防止することができる。さらに、第1土台部のうち土台凹部が設けられることで厚みが比較的薄く構成される部位を第1土台部の延在方向の一部とすることで、第1土台部の強度の低下等を抑止することができる。
【0030】
手段B-3.前記土台凹部は、前記起立位置にある前記第1側壁部の内面と平行、又は、ほぼ平行して延びる奥面を備えるとともに、前記組立状態における折畳み容器の内外方向において、前記土台凹部の前記奥面は、前記起立位置にある前記第1側壁部の内面と同じ位置、又は、前記起立位置にある前記第1側壁部の内面よりも折畳み容器の内方側に位置していることを特徴とする手段B-2に記載の折畳み容器。
【0031】
手段B-3によれば、折畳み容器の組立状態において、第1側壁部の内面が、第1土台部に設けられた土台凹部の奥面と略面一、又は、前記奥面よりも折畳み容器の外方側に位置するように構成されている。これにより、第2側壁部を起立位置と寝かせ位置とに変位させる場合に、係合突起と、第1側壁部との干渉を回避させることができる。従って、折畳み容器を折畳み状態とする場合に、係合突起が第1側壁部の内面に引っ掛かり、折畳み容器の折畳みや組立てに際しての作業性の低下を招いたり、係合突起等が損傷したりする等の事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】組立状態にある折畳み容器を上面側から見た斜視図である。
【
図2】組立状態にある折畳み容器を下面側から見た斜視図である。
【
図3】折畳み状態にある折畳み容器を上面側から見た斜視図である。
【
図4】折畳み状態にある折畳み容器を下面側から見た斜視図である。
【
図5】一方の短辺側側壁部が寝かせ位置にあり、他方の短辺側側壁部が起立位置にある状態の折畳み容器を示す斜視図である。
【
図6】一方の短辺側側壁部が寝かせ位置にあり、他方の短辺側側壁部が起立位置にある状態の折畳み容器を示す平面図である。
【
図7】一方の短辺側側壁部が寝かせ位置にあり、他方の短辺側側壁部が起立位置にある状態の折畳み容器を示す側面図である。
【
図10】短辺側側壁部を外面側から見た部分拡大側面図である。
【
図11】長辺側側壁部と、短辺側側壁部との連結部位を
図10のA-A線の位置で切断した場合の部分拡大断面図である。
【
図12】組立状態にある折畳み容器の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図13】折畳み状態にある折畳み容器の断面図である。
【
図14】折畳み状態にある折畳み容器を段積みした状態を示す側面図である。
【
図15】組立状態にある折畳み容器に対し、折畳み状態にある折畳み容器を載せた状態を示す側面図である。
【
図16】短辺側側壁部を成形する金型を示す部分拡大断面図である。
【
図17】別の実施形態における折畳み状態にある折畳み容器を示す部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図2等に示すように、折畳み容器1は、平面視略矩形状をなす底壁部3と、底壁部3の各長辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部4と、底壁部3の各短辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部5とを具備する底壁構成部2を備えている。さらに、折畳み容器1は、各長辺側土台部4に対してそれぞれ回動可能に連結された長辺側側壁部6と、各短辺側土台部5に対してそれぞれ回動可能に連結された短辺側側壁部7とを備えている。本実施形態の底壁構成部2、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、ポリプロピレンにより構成されている。尚、本実施形態では、短辺側土台部5が第1土台部に相当し、長辺側土台部4が第2土台部に相当し、短辺側側壁部7が第1側壁部に相当し、長辺側側壁部6が第2側壁部に相当する。
【0034】
また、
図1、
図3等に示すように、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれ長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の上方に立設される起立位置と、底壁部3の中央部側に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に構成されている。また、長辺側土台部4の底壁部3からの突出長は、短辺側土台部5の底壁部3からの突出長よりも低くなっており、長辺側側壁部6を回動可能に支持するための長辺側軸受部8の形成位置も、短辺側側壁部7を回動可能に支持するための短辺側軸受部9の形成位置よりも下方に位置している。さらに、短辺側側壁部7の横幅は、底壁構成部2の短手幅の長さとほぼ同じに構成され、長辺側側壁部6の横幅は、一対の短辺側土台部5間の距離とほぼ同じに構成されている。
【0035】
このため、本実施形態では、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が起立位置とされた組立状態(
図1参照)にある折畳み容器1を、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が寝かせ位置とされた折畳み状態(
図3参照)とする場合には、
図5等に示すように、一対の長辺側側壁部6を先に寝かせ位置へと変位させてから、短辺側側壁部7を寝かせ位置へと変位させる構成となっている。そして、
図3に示すように、折畳み容器1が折畳み状態とされた場合には、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6が底壁部3の上方に重なるとともに、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7が長辺側側壁部6の上方に重なるようになっている。
【0036】
尚、一対の長辺側土台部4間の距離は、長辺側側壁部6(後述の長辺側ベース板31)の上下幅の2倍の長さよりも長くなっている。このため、一対の長辺側側壁部6の寝かせ位置の高さが揃うようになっている。さらに、一対の短辺側土台部5間の距離は、短辺側側壁部7(後述の短辺側ベース板11)の上下幅の2倍の長さよりも若干長くなっている。このため、一対の短辺側側壁部7の寝かせ位置の高さが揃うようになっている。
【0037】
また、
図3等に示すように、本実施形態では、短辺側土台部5の両端部から長辺側土台部4の上方に突出し、長辺側土台部4の上面側と連結されている補助凸部10が設けられている。補助凸部10により、短辺側土台部5の両端部の強度の向上等が図られている。加えて、
図13等に示すように、寝かせ位置とされた一対の長辺側側壁部6は、両方とも底壁部3の上面に当接して支持され、寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部7は、それぞれ寝かせ位置とされた一対の長辺側側壁部6に当接(又は近接)して、互いに同じ高さ位置で支持されるように構成されている。また、
図3等に示すように、短辺側土台部5、及び、補助凸部10の上辺部(上面)は、寝かせ位置にある短辺側側壁部7よりも上方に位置している。
【0038】
図1、
図8等に示すように、各短辺側側壁部7は、正面視略矩形状の短辺側ベース板11と、短辺側ベース板11の上辺部に沿って、短辺側ベース板11から外方に突出する短辺側上枠部12と、短辺側ベース部の下辺部から外方に突出する短辺側下辺リブ13と、短辺側下辺リブ13の下面から下方に突出し、短辺側軸受部9に軸支される短辺側ヒンジ部14とを備えている。短辺側上枠部12は、短辺側ベース板11の上辺部から外方に突出する短辺側上辺リブ12aと、短辺側上辺リブ12aから下方に所定距離を隔てた位置において短辺側上辺リブ12aと平行して延びる短辺側上枠下段リブ12bと、短辺側上辺リブ12aの下面と、短辺側上枠下段リブ12bの上面との間を連結する短辺側上枠補強リブ12cとを備えている。尚、本実施形態では、短辺側ベース板11が、第1側壁部を構成する板状体に相当する。
【0039】
加えて、
図5、
図7、
図8等に示すように、短辺側側壁部7の両側部の上端部を含む上部には、短辺側ベース板11の内面からそれぞれ内方に突出する支持突部としての係合壁15が設けられている。各係合壁15には、短辺側側壁部7の横幅方向において貫通する係合孔部16(係合部)が設けられている。
【0040】
さらに、
図1、
図10~
図12等に示すように、短辺側ベース板11には、各係合壁15、及び、短辺側上枠部12に近接する位置において、短辺側ベース板11に対して略コ字状のスリットが形成されることによって、当該スリットで囲まれた部位により構成された弾性片18と、弾性片18の先端部から内方に突出する係止突起19とを備える弾性係止片17が設けられている。各弾性片18は、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側が短辺側ベース板11と連結されており、短辺側側壁部7の厚み方向において弾性変形可能に構成されている。弾性片18の内面は、短辺側ベース板11の内面と面一であり、係止突起19は、短辺側ベース板11の内面よりも内方に突出している。
【0041】
図11等に示すように、係止突起19は、水平断面鋭角状をなしており、係止突起19のうち、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の面は、短辺側側壁部7の側辺部側に向けて内方に傾斜して延び、係止突起19のうち短辺側側壁部7の側辺部側の面は、短辺側ベース板11に対して直交する方向に延びている。さらに、
図8等に示すように、弾性係止片17の外面側には、弾性係止片17の上辺部、及び、下辺部に沿って延びる係止補強リブ20が設けられている。加えて、
図11等に示すように、係止突起19の裏面側(外面側)は、肉抜き形状とされており、前記係止補強リブ20は、係止突起19の裏面側にも連結されている。尚、本実施形態の係止補強リブ20の弾性片18及び係止突起19の裏面からの突出長は、弾性係止片17の短辺側ベース板11との連結部からの突出方向中間位置を含む部位が、弾性係止片17の付根部側の部位よりも短く、弾性係止片17の付根部側の部位よりも、弾性係止片17の先端部側の部位の方が長くなっている。
【0042】
図8に示すように、短辺側ヒンジ部14は、短辺側下辺リブ13の下面から下方に突出するヒンジ本体21と、短辺側側壁部7の横幅方向におけるヒンジ本体21の両側面の下端部から側方に突出する一対の軸突部22とを備えている。尚、短辺側側壁部7の外面側には、各弾性係止片17の短辺側側壁部7の横幅方向中央部側において、短辺側上枠部12と、短辺側下辺リブ13との間を連結する短辺側縦リブ23が設けられている。さらに、短辺側ベース板11は、短辺側上枠部12と、短辺側下辺リブ13と、左右一対の短辺側縦リブ23とで囲まれる範囲において、外方に膨出する膨出部24が設けられている。膨出部24の外周部は傾斜して延びており、膨出部24の上面と、短辺側上枠部12との間、膨出部24の下面と短辺側下辺リブとの間が適宜リブによって連結されている。本実施形態では、短辺側上枠部12、短辺側下辺リブ13、及び、短辺側縦リブ23の外側端縁、並びに、膨出部24の外面により、短辺側側壁部7の外面が構成されている。また、短辺側ベース板11のうち膨出部24以外の部位の内面により、短辺側側壁部7の内面が構成されている(
図5等参照)。尚、短辺側側壁部7の外面と内面との間が短辺側側壁部7の厚みである。
【0043】
図1、
図9等に示すように、各長辺側側壁部6は、正面視略矩形状の長辺側ベース板31と、長辺側ベース板31の上辺部に沿って、長辺側ベース板31から外方に突出して設けられる長辺側上枠部32と、長辺側ベース板31の下辺部から外方に突出する長辺側下辺リブ33と、長辺側下辺リブ33の下面から下方に突出し、長辺側軸受部8に軸支される長辺側ヒンジ部34とを備えている。尚、長辺側上枠部32についても、短辺側上枠部12と同様に、上下2列のリブと、当該上下のリブ間を連結するリブとを備えている。さらに、長辺側ベース板31は、短辺側ベース板11と同様に、その中央部を含む範囲において外方に膨出する膨出部を備えている。加えて、長辺側ヒンジ部34は、短辺側ヒンジ部14と同様に、ヒンジ本体35、及び、軸突部36を備えている。尚、本例では、軸突部36がヒンジ本体35の片側面側にのみ設けられる長辺側ヒンジ部34も存在する。また、本実施形態では、長辺側ヒンジ部34(特に軸突部36)が軸部を構成する。
【0044】
また、長辺側側壁部6の両側部の上部には、長辺側ベース板31の外面から突出する係合突起37が設けられている。そして、
図5のように、短辺側側壁部7を起立位置へと変位させた後、
図1のように、長辺側側壁部6を起立位置へと変位させることで、
図2に示すように、係合突起37が、短辺側側壁部7の係合壁15に設けられた係合孔部16に挿入されるとともに、
図1、
図11等に示すように、係合突起37の周辺の長辺側側壁部6の外面が、係合壁15に当接、又は、近接するようになっている。当該構成により、起立位置にある長辺側側壁部6の外側への傾倒変位が防止されるとともに、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7との間の上下方向における位置ずれが防止されるようになっている。
【0045】
さらに、長辺側側壁部6が起立位置とされる直前に、長辺側側壁部6の外面の側辺部が、短辺側側壁部7の弾性係止片17の係止突起19と接触する。このとき、弾性係止片17の弾性片18が外方に弾性変形することにより、長辺側側壁部6をそのまま起立位置へと変位させることができるようになっている。そして、長辺側側壁部6が係止突起19を越えて起立位置へと変位することで、弾性係止片17が自身の弾性力で元の姿勢に復帰し、係止突起19が長辺側側壁部6の長辺側ベース板31の内面に当接、又は、近接するようになっている。当該構成により、起立位置にある長辺側側壁部6の内方への傾倒変位が防止されるようになっている。
【0046】
尚、
図5に示すように、本実施形態では、短辺側側壁部7の両側部において短辺側ベース板11の内面から係合壁15のみが内方に突出するという構成ではなく、短辺側ベース板11の内面の両側部において上下幅方向の全体から内方に若干突出したベース凸部38が設けられ、ベース凸部38から係合壁15が突出するようになっている。短辺側側壁部7の横幅方向において、ベース凸部38の横幅は、係合壁15の横幅よりも広く、本実施形態では、長辺側土台部4の厚みと同じ長さとなっている。
【0047】
その一方で、
図9に示すように、長辺側側壁部6の係合突起37は、長辺側ベース板31の側辺部よりも若干側方に突出している。尚、本実施形態の係合突起37は、メインとなる係合突起37と、該係合突起37よりも下方に位置し、長辺側側壁部6の側辺部側の面、及び、下面が、長辺側側壁部6の外面側に設けられたリブと連結されているサブの係合突起37とが存在するが、長辺側ベース板31の側辺部よりも側方に突出するのはメインの係合突起37(以下、「メイン突起37A」とも称する)に関する構成となっている。
【0048】
図5に示すように、短辺側土台部5の内面側には、長辺側側壁部6を寝かせ位置とした場合に、長辺側ベース板31の側辺部よりも若干側方に突出している係合突起37(メイン突起37A)が挿入される土台凹部5Aが設けられている。すなわち、一対の短辺側土台部5の間の距離は、長辺側ベース板31の横幅とほぼ同じとなっており(
図6等参照)、メイン突起37Aを長辺側ベース板31の側辺部よりも長辺側ベース板31の側方に突出させてしまうと、長辺側側壁部6を寝かせ位置とする際に、メイン突起37Aが短辺側土台部5に干渉することが考えられる。この点、土台凹部5Aを設けることで、メイン突起37Aと、短辺側土台部5との干渉が回避され、メイン突起37Aを含む長辺側側壁部6を、一対の短辺側土台部5の間に挿入させられるようになっている。加えて、土台凹部5Aは、短辺側土台部5の内面うち、一対の長辺側側壁部6が寝かせ位置とされた場合のメイン突起37Aに対応する部位にのみ形成されている。このため、基本的には、短辺側土台部5の内面と、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の側面(長辺側ベース板31の側辺部)とが、当接、又は、近接して配置されている。
【0049】
また、
図1等に示すように、土台凹部5Aは、短辺側土台部5の内面よりも外方側に位置し、起立位置にある短辺側側壁部7の内面と平行、又は、ほぼ平行して延びる奥面5Bを備えている。尚、本実施形態の土台凹部5Aは、その下縁部が底壁部3(底板部41)の上面よりも若干上方に位置しているが、土台凹部5Aの下縁部が底壁部3(底板部41)と同じ高さ位置とされてもよい。さらに、本実施形態では、奥面5Bの側縁部、及び、下縁部と、短辺側土台部5の内面との間が、奥面5Bの周縁部から折畳み容器1の内方側に向けて奥面5Bの外周方向に傾斜する傾斜面により連結されているが、短辺側土台部5の内面に対して略直交する面により連結されるように構成してもよい。加えて、メイン突起37Aのうち長辺側側壁部6の内面側の部位の形状については、折畳み容器1の折畳み状態において土台凹部5Aと干渉しない形状とされる。
【0050】
さらに、
図5に示すように、短辺側側壁部7のうち短辺側ベース板11の内面よりも内方に突出するベース凸部38が設けられる係合壁15の周辺の範囲に関し、長辺側ベース板31の側辺部よりも側方に突出したメイン突起37Aに対応する部位については、かかるメイン突起37Aを係合孔部16に挿入させるべく、ベース凸部38が省略されるようになっている。より具体的に説明すると、組立状態における折畳み容器1の内外方向において、土台凹部5Aの奥面5Bは、起立位置にある短辺側側壁部7の内面(短辺側ベース板11の内面)とほぼ同じ位置(同じ位置、又は、奥面5Bが短辺側側壁部7の内面よりも若干折畳み容器1の内方側となる設計)とされている。また、上記のように、係合壁15の周辺部においてベース凸部38が設けられているが、長辺側側壁部6が開位置と、閉位置との間を変位する際にメイン突起37Aが通過することとなるメイン突起37Aの軌道上には、メイン突起37Aの阻害要因が形成されないように、ベース凸部38が一部省略されるようになっている(ベース凸部38に凹部38Aが形成され、当該凹部38Aが、短辺側側壁部7(短辺側ベース板11)の内面と面一となる、或いは、短辺側側壁部7の内面よりも若干外方に位置するような格好となる)。
【0051】
以上のように、ベース凸部38により、短辺側側壁部7の両側部の強度向上が図られるとともに、メイン突起37Aを長辺側ベース板31の側辺部よりも側方に突出させることにより、係合壁15の突出長を大きくすることなく、係合突起37の横幅を極力大きくしつつ、係合孔部16の周辺部の強度低下を抑制することができる。さらに、短辺側土台部5の内面側に土台凹部5Aが設けられるとともに、短辺側側壁部7の内面(少なくとも長辺側側壁部6が開位置と、閉位置との間を変位する際のメイン突起37Aの軌道に対応する部位)が、土台凹部5Aの奥面5Bとほぼ面一とされることにより、メイン突起37Aを長辺側ベース板31の側辺部よりも側方に突出させる構成としても、長辺側側壁部6を比較的スムースに回動変位させられるようになっている。尚、組立状態における折畳み容器1の内外方向において、土台凹部5Aの奥面5Bが、起立位置にある短辺側側壁部7の内面よりも折畳み容器1の内方側に位置するように構成することも可能である。
【0052】
図1、
図4、
図13に示すように、底壁構成部2の底壁部3は、略矩形板状の底板部41と、底板部41のうち、組立状態にある折畳み容器1同士を上下に積み重ねた(段積みした)場合に、下側の折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部に当接して支持される部位である外周対応部42(底壁部3のうち上面側において長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5が設けられている部位)よりも内周側の部位から下方に突出する下面視略格子状の支持部43とを備えている。当該構成により、組立状態にある折畳み容器1を段積みした場合に、上側の折畳み容器1の支持部43が、下側の折畳み容器1の側壁部6、7の内周側に挿入されるとともに、上側の折畳み容器1の外周対応部42が、下側の折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部に当接して支持されるようになっている。尚、
図13等に示すように、本実施形態の底板部41は、外周対応部42が、その内周側の部位よりも上方に位置するように構成されている。また、本実施形態では、長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の内側空間を成形する金型が、外周対応部42を介して下方に型抜きされることから、外周対応部42は、基本的に、リブ状に残存するのみとなっている(
図4等参照)。
【0053】
さらに、
図14に示すように、折畳み状態にある折畳み容器1を段積みした場合には、上側の折畳み容器1の支持部43が、下側の折畳み容器1の一対の短辺側土台部5の間、かつ、各短辺側土台部5の両端部に対応して設けられた補助凸部10の間の空間(
図3参照)に挿入されるとともに、上側の折畳み容器1の外周対応部42が、下側の折畳み容器1の短辺側土台部5の上辺部に当接して支持されるようになっている。特に、本実施形態では、折畳み状態にある折畳み容器1を段積みした状態において、上側の折畳み容器1の支持部43の下面と、下側の折畳み容器1の寝かせ位置とされている短辺側側壁部7のうち上側を向いている外面とが近接(或いは当接)するように構成されている。
【0054】
図5、
図6等に示すように、長辺側軸受部8は、上方、及び、底壁部3の内周側に開口し、長辺側ヒンジ部34のヒンジ本体35を挿入可能な挿入部44と、長辺側ヒンジ部34の軸突部36を挿入可能に構成され、軸突部36の底壁部3の内周側への変位を規制するとともに、軸突部36の回動変位を許容する軸支部45とを備えている。また、軸支部45には、軸支部45に挿入された軸突部36の軸支部45からの抜けを防止する抜け止め突起46が設けられている。本実施形態では、各長辺側土台部4において、長辺側軸受部8が4つずつ設けられている。
【0055】
尚、短辺側軸受部9についても、長辺側軸受部8と同様に、挿入部44、軸支部45、及び、抜け止め突起46を備えている。本実施形態では、各短辺側土台部5において、短辺側軸受部9が4つずつ設けられている。
【0056】
さて、
図4、
図5等に示すように、底壁構成部2には、長辺側土台部4に対応して、短辺側側壁部7を寝かせ位置とした場合に、短辺側側壁部7の係合壁15を挿入可能な収容部51が設けられている。本実施形態の収容部51は、底壁構成部2の外周側に開口するとともに、底壁構成部2を上下に貫通するようにして設けられている。係合壁15の厚みは、長辺側土台部4の厚みよりも小さく構成され、係合壁15が収容部51に収容された状態では、係合壁15の外面と、長辺側土台部4の外面とが略面一とされるようになっている。
【0057】
また、
図5に示すように、長辺側土台部4の上面のうち、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7(ベース凸部38)が載置される部位については、その他の部位よりも若干下方に位置する段部52となっている。本実施形態では、短辺側側壁部7が寝かせ位置とされることで、短辺側側壁部7の内面側(ベース凸部38)が、長辺側土台部4の上面(段部52)に当接して支持されるとともに、収容部51に挿入された係合壁15の突出方向先端部(短辺側側壁部7が寝かせ位置にある場合には下側を向いている辺部)が、底壁部3の底板部41(外周対応部42)の下面と面一、又は、当該下面よりも若干上方に位置するようになっている(
図4、
図14参照)。このため、
図15に示すように、組立状態の折畳み容器1の上側に、折畳み状態の折畳み容器1を載せた場合、上側の折畳み容器1の寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15と、下側の折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部とが当接、又は、近接するものの、上側の折畳み容器1の係合壁15が、下側の折畳み容器1の側壁部6、7によって上方に押圧され、上側の折畳み容器1の短辺側側壁部7が、上側の折畳み容器1の底壁構成部2等に対して上方に相対変位させられてしまうといった事態が回避されるようになっている。
【0058】
加えて、
図13に示すように、本実施形態では、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の外面(上側を向いている面)、及び、内面(下側を向いている面)が、略水平方向に延びている。また、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の外面、及び、内面についても略水平方向に延びており、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の内面は、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の外面と近接するようになっている。尚、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の内面が、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の外面と当接するように構成することも可能である。但し、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15の突出方向先端部は、外周対応部42の下面よりも上方に位置したとしても、外周対応部42の下面からの距離が、底壁構成部2の各部位(収容部51等)を構成する壁部の肉厚未満とされる。
【0059】
また、
図5等に示すように、係合壁15において、係合孔部16の周縁部の厚みは、その他の部位の厚みよりも厚く構成されている。さらに、
図11に示すように、本実施形態では、係合壁15のうち係合孔部16の周縁部の厚み(W1)は、短辺側側壁部7を構成する短辺側ベース板11の厚み(W2)よりも大きく構成されている。加えて、
図5、
図6に示すように、長辺側土台部4において、各収容部51と、長辺側土台部4の両端部(短辺側土台部5)との間にも、長辺側軸受部8が設けられるようになっている。本実施形態では、当該長辺側軸受部8と、収容部51とが近接配置されており、収容部51と、長辺側軸受部8との間の距離が、収容部51の横幅よりも短く、かつ、長辺側軸受部8の横幅よりも短くなっている。
【0060】
また、
図8、
図10~
図12に示すように、本実施形態の短辺側側壁部7は、弾性係止片17の折畳み容器1の外方に配置され、折畳み容器1の外方に向けて一定量の変形を行った弾性係止片17と当接し、それ以上の変形を規制するストッパー部53を備えている。より具体的に説明すると、短辺側側壁部7には、短辺側側壁部7の外面側の両側部において、短辺側上枠部12の外側端縁と、短辺側下辺リブ13の外側端縁との間を連結するコーナー壁部54が設けられており、ストッパー部53は、コーナー壁部54のうち、上下方向において弾性係止片17に対応する部位から短辺側側壁部7の横幅方向中央部側に突出している。
図11に示すように、ストッパー部53は、コーナー壁部54よりも厚肉に構成され、コーナー壁部54よりも折畳み容器1の内方(弾性係止片17側)に突出する格好となっている。
【0061】
組立状態にある折畳み容器1を折畳み状態とする際には、折畳み容器1の内側から弾性係止片17を外方に押圧する。そして、係止突起19が長辺側側壁部6と当接しなくなる位置まで弾性片18を弾性変形させることで、弾性係止片17による長辺側側壁部6の内方への傾倒変位を規制するロック状態が解除され、長辺側側壁部6を寝かせ位置側へと変位可能となる。また、弾性係止片17を外方に弾性変形させた際に、弾性片18が一定量の変形を行った場合、ストッパー部53が、弾性係止片17の先端部側の外面と当接するようになっている。勿論、ストッパー部53と弾性係止片17とが当接する状態では、弾性係止片17のロック状態が解除された状態とされている上、弾性片18が弾性限界を超えない程度の変形に収まるようになっている。
【0062】
加えて、
図10、
図11等に示すように、弾性片18は、短辺側ベース板11と平行して延び、また、ストッパー部53についても、短辺側ベース板11と平行して延びていることから、短辺側側壁部7の厚み方向において、弾性係止片17の先端部の上下幅方向中央部を含む部位と、ストッパー部53とが重複して配置される。これにより、弾性変形された弾性係止片17の先端部側の外面と、ストッパー部53とが当接し得るように構成されている。さらに、
図10に示すように、ストッパー部53の上下幅は、弾性係止片17の上下幅よりも短く、弾性係止片17が外方に一定量弾性変形した場合に、ストッパー部53は、弾性片18の外面のうち、弾性係止片17の外面側に設けられた上下一対の係止補強リブ20の間の部位に当接する(係止補強リブ20には当接しない)ようになっている。
【0063】
また、
図8、
図11、
図12等に示すように、短辺側側壁部7には、弾性係止片17と、ストッパー部53との間の空間を短辺側側壁部7の側方に開口させる開口部55が設けられている。本実施形態では、弾性係止片17の上辺部、及び、下辺部とほぼ同じ高さ位置において、コーナー壁部54と、短辺側ベース板11との間を連結するコーナー補強リブ56が設けられるとともに、当該上下一対のコーナー補強リブ56と、コーナー壁部54と、短辺側ベース板11とによって前記開口部55が区画され、弾性係止片17と、ストッパー部53との間の空間と連通するようになっている。また、当該開口部55は、係合壁15に設けられた係合孔部16と同じく、短辺側側壁部7の横幅方向に沿って(水平に)延在している。
【0064】
加えて、
図16に示すように、弾性係止片17と、ストッパー部53とが対向している部位(弾性係止片17の先端部側の外面、及び、ストッパー部53の内面)は、短辺側側壁部7を成形するための金型装置58において、係合壁15の外面側や、係合壁15を貫通する係合孔部16等を成形する金型59によって成形される。
【0065】
以上詳述したように、本実施形態によれば、底壁構成部2には、長辺側土台部4に対応して、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15を挿入可能な収容部51が、底壁構成部2を上下に貫通するようにして設けられている。このため、底壁構成部2において、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15のうち下方を向いている面に当接して支持するような部位がなくなることとなる。従って、係合壁15が支持されることによって寝かせ位置にある短辺側側壁部7の高さ位置が決まることを回避することができる。つまり、例えば、収容部51に底部が設けられる構成に比べ、寝かせ位置にある短辺側側壁部7の係合壁15を下方に位置させることができ、寝かせ位置にある短辺側側壁部7全体についても極力下方に位置させることができる。従って、寝かせ位置にある短辺側側壁部7のうち上方を向いている面(外面)の高さ位置を低く抑えることができる分、折畳み状態にある折畳み容器1の高さを低くすることができ、特に、折畳み状態にある折畳み容器1を段積みする場合には、段積みされた複数の折畳み容器1の高さを極力低くすることができる。結果として、運搬・保管等に際して、限られた空間の中で段積み可能な折畳み容器1の段数を増やすことができる等、運搬・保管効率の向上等を図ることができる。
【0066】
また、係合壁15のうち係合孔部16の周縁部の厚みは、短辺側ベース板11の厚みよりも大きく構成されている。このため、係合壁15の強度及び剛性を高めることができ、特に、係合孔部16の周縁部が変形する等の事態を抑止することができる。従って、上記のように収容部51が設けられることで、折畳み状態において短辺側側壁部7の係合壁15が、折畳み容器1の下面側に露出してしまう(長辺側土台部4において寝かせ位置にある短辺側側壁部7の係合壁15のうち下方を向いている面を保護する部位が存在しない)といった構成においても、係合壁15の損傷や変形等を抑止することができる。加えて、短辺側ベース板11のうち、係合壁15と連結されている部位についても、ベース凸部38が設けられることで厚肉とされている(
図11参照)ことから、係合壁15の傾倒変位等を防止することができる。尚、係合壁15の係合孔部16の周縁部の厚みは、当該ベース凸部38が設けられている部位の短辺側ベース板11の厚みよりも厚くなっている。
【0067】
さらに、上記のように、収容部51に底部が設けられていないことから、係合壁15の短辺側側壁部7からの突出長を極力長く確保することができ、ひいては、係合孔部16が設けられる係合壁15の強度低下を抑止しつつ、係合突起37の横幅を極力大きく確保することができる。従って、係合突起37、及び、係合壁15の損傷や変形等を抑止し、耐久性の向上等を図ることができる。
【0068】
加えて、各長辺側土台部4において、各収容部51と、長辺側土台部4の両端部との間に設けられた長辺側軸受部8と、各収容部51とが互いに近接して設けられている。このため、収容部51が設けられることにより低下したその周辺部の強度及び剛性を、長辺側軸受部8、さらには、長辺側軸受部8に連結された長辺側ヒンジ部34によって補うことができる。
【0069】
また、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15のうち下方を向いている面は、収容部51の下端部と同じ高さ位置、又は、収容部51の下端部よりも若干上方の高さ位置(収容部51を構成する壁部の肉厚未満の距離を上方に離れた位置)となるように構成されている。このため、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15が収容部51から下方に突出することで、係合壁15が別の部材に接触し易くなる、或いは、組立状態の折畳み容器1の上に折畳み状態の折畳み容器1を載せた場合に、上側の折畳み容器1の係合壁15に、下側の折畳み容器1の長辺側側壁部6の上辺部が当接して係合壁15が持ち上がるといった事態を回避することができる。従って、係合壁15の損傷等を抑制することができる。また、当該構成(寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15の下面と、収容部51の下端部とが同じ高さ位置)を採用した場合においても、例えば、収容部51に底部が設けられる構成に比べ、底部の厚み分、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15を下方に位置させることができる。従って、寝かせ位置にある短辺側側壁部7を極力下方に位置させる、係合壁15の短辺側側壁部7からの突出長を極力大きく確保する等の作用効果が確実に奏される。
【0070】
また、本実施形態では、各係合壁15に対応してそれぞれ設けられた上下一対の係合突起37のうち上側の係合突起37(メイン突起37A)は、長辺側側壁部6(長辺側ベース板31)の側辺部よりも長辺側側壁部6の側方に突出して設けられている。このため、メイン突起37Aの厚み(長辺側側壁部6の横幅方向における幅)を十分に確保し、かつ、係合壁15において、係合孔部16(開口縁)と、係合壁15の外周縁部(先端縁部)との間の幅を十分に確保しつつ、係合壁15の短辺側側壁部7(短辺側ベース板11)の内面からの突出長を極力短く抑えることができる。従って、メイン突起37A、及び、係合壁15の耐久性の向上を図りつつ、折畳み容器1を折畳み状態とした際に、係合壁15が折畳み容器1の高さを高める要因となってしまうといった事態を抑制することができる。結果として、折畳み容器1の組立状態の安定化を図りつつ、折畳み状態とされた折畳み容器1の高さを極力低くすることができ、折畳み状態とされた折畳み容器1の運搬・保管効率の向上等を図ることができる。特に、物品が収容された組立状態にある折畳み容器1の側壁部6、7に手を掛けて(短辺側上枠部12、或いは、長辺側上枠部32を握って)折畳み容器1を持ち運ぶような構成の場合には、係合突起37、及び、係合壁15の耐久性を高めて折畳み容器1の組立状態の安定化を図るといった作用効果がより顕著に奏され、物品が収容された折畳み容器1をより安定して持ち運ぶことができる。
【0071】
さらに、短辺側土台部5の内面の一部には、長辺側側壁部6を寝かせ位置とした場合に、メイン突起37Aが挿入される土台凹部5Aが設けられている。このため、起立位置にある長辺側側壁部6を寝かせ位置とする場合に、メイン突起37Aと、短辺側土台部5との干渉を回避させることができる。従って、折畳み容器1を折畳み状態とする場合に、メイン突起37Aが短辺側土台部5の上面や内面に引っ掛かり、メイン突起37A等が損傷してしまったり、長辺側側壁部6を寝かせ位置まで変位させることができず、折畳み状態とされた折畳み容器1の高さが高くなってしまったりする等の事態を防止することができる。さらに、短辺側土台部5のうち土台凹部5Aが設けられることで厚みが比較的薄く構成される部位を短辺側土台部5の延在方向の一部とすることで、短辺側土台部5の強度の低下等を抑止することができる。
【0072】
加えて、土台凹部5Aは、起立位置にある短辺側側壁部7の内面と平行、又は、ほぼ平行して延びる奥面5Bを備えるとともに、組立状態における折畳み容器1の内外方向において、土台凹部5Aの奥面5Bは、起立位置にある短辺側側壁部7の内面とほぼ同じ位置とされている。つまり、折畳み容器1の組立状態において、短辺側側壁部7の内面が、短辺側土台部5に設けられた土台凹部5Aの奥面5Bと略面一となるように構成されている。これにより、長辺側側壁部6を起立位置と寝かせ位置とに変位させる場合に、メイン突起37Aと、短辺側側壁部7との干渉を回避させることができる。従って、折畳み容器1を折畳み状態とする場合に、メイン突起37Aが短辺側側壁部7の内面に引っ掛かり、折畳み容器1の折畳みや組立てに際しての作業性の低下を招いたり、メイン突起37A等が損傷したりする等の事態を防止することができる。
【0073】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0074】
(a)上記実施形態において、係合壁15に設けられた係合孔部16、及び、係合孔部16に挿入される係合突起37を省略することも可能である。但し、折畳み容器1の組立状態の安定化等を図るべく、係合孔部16、及び、係合突起37を設けることが望ましい。尚、上記実施形態では、長辺側側壁部6(長辺側ベース板31)の側辺部が略直線状に構成されているが、例えば、長辺側側壁部6の横幅方向において凹凸が形成されていてもよい。また、メイン突起37Aについては、長辺側ベース板31の側辺部のうち最も長辺側側壁部6の側方側に位置する部位に対応して設けることで、係合壁15の突出長を極力短くするといった作用効果がより一層奏される。
【0075】
加えて、係合突起37を挿入して係合させる係合孔部16が係合壁15を貫通しない構成(例えば、係合孔部16のうち短辺側側壁部7の横幅方向の側方側の部位が閉塞され、短辺側側壁部7の横幅方向の中央部に開口する(凹)形状)としてもよいが、貫通させることで、係合突起37を挿入して係合させる部位を、係合壁15の外面等を成形する金型59で成形することができ、金型構造の複雑化を抑止することができる。
【0076】
また、上下方向における弾性係止片17の配置は特に限定されるものではないが、ロック状態の安定化や、ロック状態を解除する際の操作性を鑑みると、極力上側に設けることが望ましい。加えて、弾性係止片17の係止突起19は肉抜き形状とされているが、そのような凹部を設けないように構成してもよい。さらに、上下方向における係合壁15の配置についても特に限定されるものではないが、折畳み容器1の組立状態の安定化等を図るべく、極力上側に設けることが望ましい。加えて、上記実施形態では、係合壁15において厚みが部分的に異なるように構成されているが、いずれも同じ厚みであるように構成してもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、ストッパー部53は、弾性係止片17の先端部側と当接可能に構成されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、例えば、弾性係止片17の付根部側(或いは、突出方向中間部位)と当接可能に構成してもよい。さらに、上記実施形態では、弾性係止片17の弾性片18は、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の端部が短辺側ベース板11と連結される構成となっているが、弾性片18の上端部、又は、下端部が短辺側ベース板11と連結されるような構成としてもよい。加えて、上記実施形態において、長辺側側壁部6の内面側に対し、弾性係止片17の係止突起19を収容可能とする凹部を設けることとしてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、弾性係止片17により起立位置にある長辺側側壁部6の内方への傾倒変位を防止するように構成されているが、弾性係止片17に代えて、例えば、長辺側側壁部6とは別部材として構成され、折畳み容器1が組立状態にある場合に、短辺側側壁部7と係合する係合状態と、係合状態が解除される解除状態とに状態変化可能なロック機構を(折畳み容器1の組立に際して短辺側側壁部7が起立位置とされた後に起立位置とされる)長辺側側壁部6の外面側に設けるような構成を採用することも可能である。
【0079】
(b)上記実施形態では、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15の突出方向先端部(短辺側側壁部7が寝かせ位置にある場合には下側を向いている辺部)が、底壁部3の底板部41(外周対応部42)の下面と面一、又は、当該下面よりも若干上方に位置するように構成されているが、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15の突出方向先端部が、底壁構成部2の支持部43の下面よりも下方に位置することがないように構成されていればよい。但し、収容部51から下方に突出した係合壁15に対して別部材が接触するといった事態を抑止するべく、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の係合壁15は、底壁構成部2のうち収容部51が設けられている部位の下面である外周対応部42の下面と面一、或いは、当該下面よりも若干上方に位置することが望ましい。
【0080】
(c)上記実施形態では、短辺側土台部5が長辺側土台部4よりも上方にまで突出し、折畳み容器1を折畳み状態から組立状態とする際に、一対の短辺側側壁部7を先に起立位置とさせてから、長辺側側壁部6を起立位置とさせる構成となっているが、長辺側土台部を短辺側土台部よりも上方にまで突出させ、折畳み容器を組立状態とする際には、一対の長辺側側壁部を先に起立位置とさせてから、短辺側側壁部を起立位置とさせるような構成としてもよい。当該構成を採用する場合、長辺側側壁部に係合壁、及び、弾性係止片が設けられ、短辺側土台部に対応して収容部が設けられる。
【0081】
また、上記実施形態では、寝かせ位置とされた一対の長辺側側壁部6がともに底壁部3の上面に当接し、高さ位置が同じとなるように構成されているが、一対の長辺側側壁部6のうち寝かせ位置とされた一方の長辺側側壁部6の上側に、他方の長辺側側壁部6が寝かせ位置とされて、長辺側側壁部6同士が上下に重なるように構成してもよい。
【0082】
加えて、上記実施形態において、長辺側ヒンジ部34(長辺側軸受部8)、及び、短辺側ヒンジ部14(短辺側軸受部9)の数、配置、及び、横幅等については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。但し、長辺側土台部4に設けられた収容部51の周辺部の強度等を高めるべく、少なくとも収容部51の一側方の近傍に、長辺側軸受部8が設けられることが望ましい。また、例えば、
図17に示すように、長辺側土台部4の延在方向において収容部51の両側方の近傍に長辺側軸受部8を設けることとしてもよい。
【0083】
(d)上記実施形態での折畳み容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…折畳み容器、2…底壁構成部、3…底壁部、4…長辺側土台部、5…短辺側土台部、5A…土台凹部、5B…奥面、6…長辺側側壁部、7…短辺側側壁部、8…長辺側軸受部、9…短辺側軸受部、15…係合壁、16…係合孔部、17…弾性係止片、37…係合突起、37A…メイン突起、51…収容部、53…ストッパー部、55…開口部、59…金型。