(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172009
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、情報処理方法及びコンピュータ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20221104BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20221104BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/04845
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153173
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2018079441の分割
【原出願日】2018-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大野 真人
(57)【要約】
【課題】便利な入力方式を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、図形を表示部の表示画面に表示させ、前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させることを実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記数値は、前記図形の少なくとも一部の特徴量であり、
前記図形の少なくとも一部の特徴量の種別毎にまとめて、前記アイコンを前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記図形を前記表示画面内の第1の表示領域に表示させ、
前記アイコンを前記表示画面内の前記第1の表示領域とは独立した第2の表示領域に表示させ、
前記第1の表示領域に表示される前記図形の少なくとも一部と、前記第2の表示領域に表示される該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられた前記アイコンとの対応関係が視覚的に認識できるように、該図形の少なくとも一部を示すラベルを前記第1の表示領域に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2の表示領域に表示中の前記アイコンを選択したことに応じて、前記第1の表示領域に表示中の対応するラベルと、該ラベルによって示される前記図形の少なくとも一部との、少なくとも何れかを識別表示する、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記図形を前記表示画面内の第1の表示領域に表示させ、
前記アイコンを前記表示画面内の前記第1の表示領域とは独立した第2の表示領域に表示させ、
前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面内の前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域とは独立した第3の表示領域に表示させ、
前記第1の表示領域、前記第2の表示領域、及び、前記第3の表示領域が互いに関連付けられていることが視覚的に認識できるように、前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記数値は、座標系が設定された領域に表示された前記図形の少なくとも一部の少なくとも一つの座標、方向又は傾きの少なくとも何れかである、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記数値は、前記図形の少なくとも一部の長さ或いは距離、面積又は角度の少なくとも何れかである、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記図形は、該図形が表示される領域に設定される座標系において数式により表現されるグラフの少なくとも一部である、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記図形が表示される領域に設定される座標系におけるグラフに対応する数式が入力されたことに応じて、前記図形を前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1乃至8の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
表示された前記数式に基づく演算を行うことと、
表示された前記数式に基づく演算を他のコンピュータに行わせるために、前記数式の情報を前記他のコンピュータに送信後、前記他のコンピュータから受信した該数式に基づく演算の結果を前記表示画面に表示させることと、
のうち何れか一方をさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1乃至9の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことを含む情報処理方法。
【請求項12】
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことを実行するプロセッサを備えるコンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラム、情報処理方法及びコンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブブラウザ上で利用可能なグラフ描画アプリケーションが知られている。例えば、非特許文献1は、ウェブブラウザ上で動作する次のようなアプリケーションについて開示する。このアプリケーションでは、ユーザが式リストに入力した数式に基づいて演算が行われ、演算の結果に基づくグラフがウェブブラウザ上に描画される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Desmos,desmos ユーザーガイド,堀川由人 訳[online],[平成30年4月16日検索]、インターネット<URL:https://desmos.s3.amazonaws.com/Desmos_User_Guide_JA.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなアプリケーションでは、便利な入力方式が求められる。本発明は、便利な入力方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、プログラムは、図形を表示部の表示画面に表示させ、前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させることをコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るシステムの構成例の概略を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、グラフに関する処理の一例の概略を示すフローチャートである。
【
図2B】
図2Bは、グラフに関する処理の一例の概略を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、式入力処理の一例の概略を示すフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、グラフに関する操作を説明するための図であり、端末に表示される画面の遷移の一例を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、グラフに関する操作を説明するための図であり、端末に表示される画面の遷移の一例を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、グラフに関する操作を説明するための図であり、端末に表示される画面の遷移の一例を示す図である。
【
図4D】
図4Dは、グラフに関する操作を説明するための図であり、端末に表示される画面の遷移の一例を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、図形に関する処理の一例の概略を示すフローチャートである。
【
図5B】
図5Bは、図形に関する処理の一例の概略を示すフローチャートである。
【
図6A】
図6Aは、図形に関する操作を説明するための図であり、端末に表示される画面の遷移の一例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、図形に関する操作を説明するための図であり、端末に表示される画面の遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、学校教育の場等で用いられるウェブを利用したアプリケーションに関する。本実施形態のアプリケーションは、特に数学教育で用いられる。
【0008】
[システムの構成]
図1は、サーバ10とクライアントとしての端末20とを含む、本実施形態に係るシステム1の構成例の概略を示す図である。端末20は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型の情報端末、スマートフォン等といった装置である。各端末では、ウェブブラウザが動作する。各端末は、ウェブブラウザを用いて、インターネットといったネットワーク50を介してサーバ10にアクセスし、ウェブアプリケーションを実行する。
【0009】
図1には、1台の端末20が示されているが、システム1に含まれる端末の台数は何台であってもよい。何台の端末がサーバ10にアクセスしてウェブアプリケーションを実行してもよい。
【0010】
端末20は、
図1に示すように、バスライン29を介して互いに接続されたCentral Processing Unit(CPU)21と、Read Only Memory(ROM)22と、Random Access Memory(RAM)23と、ストレージ24と、入力装置25と、表示装置26と、通信装置27とを備える。CPU21は、各種信号処理等を行う。CPUに代えて又はCPUと共に、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はGraphics Processing Unit(GPU)等の各種集積回路が用いられてもよい。すなわち、端末20では、各種プロセッサが用いられ得る。ROM22は、起動プログラム等を記録している。RAM23は、CPU21の主記憶装置として機能する。RAM23には、例えば、Dynamic RAM(DRAM)、Static RAM(SRAM)等が用いられ得る。ストレージ24には、例えば、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)、Embedded Multi Media Card(eMMC)等が用いられる。ストレージ24には、CPU21で用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。RAM23及びストレージ24は、これに限らず各種記憶装置に置換され得る。入力装置25は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。表示装置26は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。通信装置27は、端末20の外部の機器と通信を行う際に用いられる。通信装置27は、例えばインターネットといったネットワーク50に接続する。
【0011】
サーバ10は、
図1に示すように、バスライン19を介して互いに接続されたプロセッサ11と、ROM12と、RAM13と、ストレージ14と、通信装置15とを備える情報処理装置である。プロセッサ11は、各種信号処理等を行う。ROM12は、プロセッサ11の動作に用いられる情報を記録している。RAM13は、プロセッサ11の主記憶装置として機能する。ストレージ14には、各種記録媒体が用いられ得る。ストレージ14には、プロセッサ11で用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。
【0012】
[画面例]
本実施形態の端末20の表示装置26の表示画面に表示される画面の一例を
図4Dを参照して説明する。本実施形態では、入力と表示とは、「付箋」と呼ぶ小さな枠を持つ表示領域の組み合わせを用いて行われる。付箋には複数の種類が存在する。
図4Dに示す画面214は、互いに独立した数式付箋230、グラフ付箋250、特徴量(座標)付箋260、及び演算付箋270を含む。
【0013】
数式付箋230は、関数を表す数式が入力される付箋である。グラフ付箋250は、グラフが描画される付箋である。特徴量(座標)付箋260は、グラフ付箋250に描かれたグラフ上の指定された点の座標を表示する付箋である。演算付箋270は、ユーザが望む各種演算の演算式が入力され、演算結果が表示される付箋である。互いに関連がある付箋は、「紐」と呼ばれる線で結びつけられている。
【0014】
数式付箋230は、数式入力エリア231と、タブ231Tとを含む。
図4Dの例は、数式入力エリア231とタブ231Tとは一組のみ表示されている場合を示しているが、入力される数式の数に応じて、数式入力エリアとタブとの数は増減する。ここで、複数のタブがあるときには、各々のタブは色が異なるなど互いに識別できるようになっている。数式付箋230の左上角には、状態表示部230Cが設けられている。
【0015】
グラフ付箋250は、座標系が設定されたグラフ表示エリア255を含む。グラフ表示エリア255には、既定の、又は、ユーザ操作に応じて設定された座標範囲が表示されている。
図4Dに示す画面214の例では、座標範囲のX座標は「-3.2≦X≦4.1」、Y座標は「-1.6≦X≦5.9」である。つまり、X座標の最小値Xmin及び最大値Xmaxがそれぞれ-3.2及び4.1であり、Y座標の最小値Ymin及び最大値Ymaxがそれぞれ-1.6及び5.9である。
【0016】
図4Dに示す画面214の例では、数式付箋230の数式入力エリア231に「y=x
2」という式235が入力されている。グラフ付箋250は、数式付箋230と紐234によって関連付けられている。グラフ付箋250は、「y=x
2」を示すグラフ252を表示している。グラフ252が数式入力エリア231に入力された数式を表すグラフであることを示すように、グラフ252の線の色は、タブ231Tの色と同一であることが好ましい。数式入力エリアが追加されて複数の数式が入力され、複数のグラフが描画されるとき、各々のグラフの線等の色は、対応する数式が入力された数式入力エリア付されたタブの色と同一であることが好ましい。このような色の対応によって、数式とグラフとの対応関係が認識されやすくなる。
【0017】
グラフ付箋250に表示されるグラフ252では、点P1の座標(0,0)が指定され、第1の座標ラベル253が表示されている。また、グラフ252では、点P2の座標(2,4)が指定され、第2の座標ラベル254が表示されている。第1の座標ラベル253と第2の座標ラベル254との各々にはタブが付されている。第1の座標ラベル253のタブ253Tの色と、第2の座標ラベル254のタブ254Tの色とは異なる。グラフ付箋250の左上角には、状態表示部250Cが設けられている。
【0018】
特徴量(座標)付箋260は、点P1の座標を示す第1の付箋261と点P2の座標を示す第2の付箋262とを含む。第1の付箋261は、点P1の座標(0,0)を示している。また、第1の付箋261には、点P1のx座標がx1であることを示す第1の候補アイコン266と、点P1のy座標がy1であることを示す第2の候補アイコン267とが表示され得る。これらアイコンは、後述するようにユーザによって選択され得る。第2の付箋262は、点P2の座標(2,4)を示している。また、第2の付箋262には、点P2のx座標がx2であることを示す第3の候補アイコン268と、点P2のy座標がy2であることを示す第4の候補アイコン269とが表示され得る。これらアイコンは、後述するようにユーザによって選択され得る。また、特徴量(座標)付箋260も、グラフ付箋250と関連付けられているので、紐264でグラフ付箋250と結ばれている。
【0019】
第1の付箋261と第2の付箋262とにはタブが付されている。第1の付箋261のタブ261Tの色と、第2の付箋262のタブ262Tの色とは異なる。第1の付箋261のタブ261Tの色は、第1の座標ラベル253のタブ253Tの色と同じであり、第2の付箋262のタブ262Tの色は、第2の座標ラベル254のタブ254Tの色と同じである。このような色の対応によって、各々の座標ラベルと特徴量(座標)付箋の各々の付箋との対応関係が認識されやすくなる。特徴量(座標)付箋260の左上角には、状態表示部260Cが設けられている。
【0020】
演算付箋270は、式入力エリア271と、解表示エリア272とを含む。演算付箋270も紐274によってグラフ付箋250と関連付けられている。式入力エリア271には、演算に関する数式が入力される。
図4Dに示す例では、特徴量(座標)付箋260に示されているx
1,x
2,y
1,y
2を用いた式が入力されている。演算付箋270における式入力エリア271の下方に位置する解表示エリア272には、式入力エリア271に入力された式の解が示されている。演算付箋270もタブ270Tを有している。このタブの色は、式入力エリア271に入力される式に応じてもよい。例えば、式入力エリアにグラフ252に関する式が入力されたとき、タブ270Tの色が、グラフ252の色、すなわち、数式付箋230のタブ231Tの色になってもよい。演算付箋270の左上角には、状態表示部270Cが設けられている。
【0021】
数式付箋230の状態表示部230Cと、グラフ付箋250の状態表示部250Cと、特徴量(座標)付箋260の状態表示部260Cと、演算付箋270の状態表示部270Cとは、数式付箋230とグラフ付箋250と特徴量(座標)付箋260と演算付箋270との何れが選択された状態であるかを示す。
図4Dに示す例では、演算付箋270が選択されているため、演算付箋270の状態表示部270Cの色が濃くなり、チェックマークが表示されている。ユーザは、例えば、状態表示部をマウスの左クリックで選択してドラッグすることで、対応する付箋を画面214上で移動させることができる。ここでマウスを用いたドラッグ操作として説明したが、タッチパネルを用いたドラッグ操作であっても同じである。
【0022】
[システムの動作]
本実施形態に係るシステム1は、多くの機能を有している。そのうちいくつかの例について説明する。各機能は、端末20とサーバ10とが協働することで実現される。例えば、ウェブブラウザが動作する端末20がサーバ10にアクセスしたとき、端末20はサーバ10からプログラムを取得する。端末20は、ウェブブラウザ上でこのプログラムを実行する。端末20は、ユーザが端末20の入力装置25を操作してウェブブラウザ上に入力した情報に基づいて、各種演算及び表示を行う。端末20は、サーバ10による演算が必要なとき、当該演算に必要な情報をサーバ10へ送信する。サーバ10は、端末20から取得した情報に基づいて各種演算を行い、演算結果を端末20に送信する。端末20は、サーバ10から取得した情報に基づいて、表示装置26に各種画像を表示する。
【0023】
〈グラフに関する機能〉
グラフが表示されるグラフ付箋に関する機能について、
図2A乃至
図3に示すシステム1の処理を示すフローチャート、及び
図4A乃至
図4Dに示す画面例を参照して説明する。
【0024】
図4Aは、端末20が表示する画面211の一例を示す。
図4Aは、これから説明する一連の処理のうちいくつかの処理を進めたときの画面211の一例である。
図4Aに示す画面211には、メニュー表示220が含まれる。メニュー表示220は、新しい付箋を作成するときに表示されるメニューである。メニュー表示220は、例えばマウスの右クリックによって表示される。メニュー表示220は、演算付箋アイコン221と、数式付
箋アイコン222と、グラフ付箋アイコン223と、数表付箋アイコン224と、幾何付箋アイコン225と、メモ付箋アイコン226とを含む。
【0025】
演算付箋アイコン221は、演算付箋を作成するときに選択されるアイコンである。演算付箋には、式が入力され、当該式に基づいてサーバ10が算出した解が表示される。数式付箋アイコン222は、数式付箋を作成するときに選択されるアイコンである。数式付箋は、グラフ付箋に表示されるグラフに関する数式が入力される付箋である。グラフ付箋アイコン223は、グラフを描画するグラフ付箋を作成するときに選択されるアイコンである。数表付箋アイコン224は、数表の入力に用いられる数表付箋を作成するときに選択されるアイコンである。幾何付箋アイコン225は、後述する図形等を描く際に用いられる幾何付箋を作成するときに選択されるアイコンである。メモ付箋アイコン226は、テキストが入力されるメモ付箋を作成するときに選択されるアイコンである。
【0026】
ステップS101において、端末20は、数式付箋アイコン222が選択されたか否かを判定する。数式付箋アイコン222が選択されていないとき、処理はステップS102に進む。ステップS102において、端末20は、ここで説明するグラフに関する処理以外の他の処理を行う。この処理は、端末20のみで行われる処理に限らず、サーバ10と連携して行われる処理も含む。何も処理を行う必要がないときは、何も行われなくてもよい。その後、処理はステップS104に進む。
【0027】
ステップS101において、数式付箋アイコン222が選択されていると判定されたとき、処理はステップS103に進む。ステップS103において、端末20は、表示装置26に、空の数式付箋230を含む画面211を表示させる。空の数式付箋230(不図示)とは、文字や数字、数式などが何も表示されていない状態の数式付箋230のことであるが、状態によって、カーソルは表示されていてよい。
【0028】
ステップS104において、端末20は、数式付箋230への入力があるか否かを判定する。入力がないとき、処理はステップS106に進む。入力があるとき、処理はステップS105に進む。例えば、数式付箋230の数式入力エリア231が選択されたとき、処理はステップS105に進む。ステップS105において、端末20は、画面にソフトウェアキーボードを表示させる。
図4Aは、画面211に表示されるソフトウェアキーボード240の一例と、数式付箋230の数式入力エリア231に入力中の式「y=x
2」を確定させる前の状態とを示す。数式付箋230の数式入力エリア231には、式「y=x
2」の直後にカーソル232が表示され、入力中の式が確定前であることが示されている。ソフトウェアキーボード240は、数値及び数学記号など、数式の入力に必要なキー表示を含む。ユーザは、このソフトウェアキーボード240を用いて、入力を行う。端末20は、ソフトウェアキーボード240への入力を取得する。ユーザが入力装置25のキーボードを用いて入力を行える構成であってもよい。端末20は、入力に応じてデータを更新するなど、数式付箋に関する内部状態を更新する。端末20は、画面211の数式付箋230の表示を更新させる。その後、処理はステップS106に進む。
【0029】
ステップS106において、端末20は、グラフ描画に関する指示が入力されたか否かを判定する。例えば、数式付箋230が選択されている状態で、ソフトウェアキーボード240に含まれるEXEキー241が選択されたとき、グラフ描画に関する指示が入力されたと判定される。グラフ描画の指示が入力されていないとき、処理はステップS110に進む。グラフ描画の指示が入力されたとき、処理はステップS107に進む。
【0030】
ステップS107において、端末20は、数式付箋230に入力されている数式、グラフの描画範囲の情報など、必要な情報を特定する。端末20は、特定した情報をサーバ10宛に送信する。
【0031】
ステップS108において、サーバ10は、端末20から送信された情報を受信し、受信した情報に基づいて、グラフを構成する各点の座標など、グラフ描画に必要なデータを算出する。サーバ10は、演算の結果を端末20宛に送信する。サーバ10は、取得した情報及び演算の結果等のうち、必要なものをデータベースに記録してもよい。
【0032】
ステップS109において、端末20は、グラフ付箋を作成して表示し、サーバから演算結果を受信し、グラフ付箋にグラフを描画する。例えば、端末20は、受信した各点の座標を線で結ぶことでグラフを表示する。その後、処理はステップS110に進む。
【0033】
上述の処理の結果、
図4Bに示すように、数式付箋230に加えて、数式付箋230と紐234で関連付けられたグラフ付箋250を含む画面212が表示される。グラフ付箋250のグラフ表示エリア255内には、設定された座標範囲が表示された軸251と、グラフ252とが描画される。グラフ252は、数式付箋230に入力された数式に対応するグラフである。
【0034】
また、グラフ付箋250は、メニュー表示256を含む。メニュー表示256は、数式付箋アイコン257と、数表付箋アイコン258と、演算付箋アイコン259とを含む。グラフ付箋250の数式付箋アイコン257が選択されたとき、当該グラフ付箋250と関連付けられた新しい数式付箋が作成される。この新しい数式付箋に数式が入力されると、この数式に対応したグラフが当該グラフ付箋250に描画される。これらの処理は、上述のステップS101乃至ステップS109の処理である。
【0035】
グラフ付箋250の数表付箋アイコン258が選択されたとき、当該グラフ付箋250と関連付けられた新しい数表付箋が作成される。この新しい数表付箋に入力された数表に基づいて、グラフ付箋250に点がプロットされ得る。グラフ付箋250の演算付箋アイコン259が選択されたとき、当該グラフ付箋250と関連付けられた新しい演算付箋が作成される。この新しい演算付箋に数式が入力されると、当該グラフ付箋250と関連する演算を行い、その解が示され得る。
【0036】
ステップS110において、端末20は、グラフ252上の点が選択されたか否かを判定する。ここで、端末20は、グラフ252を描画する際にグラフ上の各点の座標を用いており、各点の座標情報をストレージ24に記憶している。ユーザは、マウスを使って、画面212上の所望する位置をグラフィックカーソルで指し示し、左クリックすることでグラフ252上の点を選択する。端末20は、ストレージ24に記憶した複数の点の座標情報に基づいて、それら複数の点の中から、グラフィックカーソルで指し示した位置に最も近い点を特定し、その特定された点の座標を特定する。端末20は、グラフ252上がグラフィックカーソルで指し示されているときに、左クリックせずとも、その指し示されている位置に最も近い点の座標を、ストレージ24に記憶した複数の点の中から特定し、その特定した点の座標を表示してもよい。座標が選択されていないとき、処理はステップS112に進む。座標が選択されたとき、処理はステップS111に進む。
【0037】
ステップS111において、端末20は、選択された点の座標を表示させる。
図4Cに示す画面213の例では、座標(0,0)の点P
1が選択されたとき、グラフ付箋250のグラフ表示エリア255内において、点P
1との対応付けを示すため該点P
1の近傍に、点P
1の座標を示す第1の座標ラベル253が表示される。座標(2,4)の点P
2が選択されたとき、グラフ付箋250のグラフ表示エリア255内において、点P
2との対応付けを示すため該点P
2の近傍に、点P
2の座標を示す第2の座標ラベル254が表示される。その後、処理はステップS112に進む。
【0038】
ステップS112において、端末20は、座標ラベルが選択されたか否かを判定する。座標ラベルは、ユーザがマウスを使って、画面213上の第1の座標ラベル253又は第2の座標ラベル254といった座標ラベルの位置をグラフィックカーソルで指し示し、左クリックすることで選択され得る。座標ラベルが選択されていないとき、処理はステップS114に進む。座標ラベルが選択されたとき、処理はステップS113に進む。
【0039】
ステップS113において、端末20は、選択された座標ラベルに関する座標の情報を取得し、当該情報に基づいて座標の情報を示す座標付箋を作成して座標付箋を画面に表示する。その後、処理はステップS114に進む。
【0040】
その結果、
図4Cに示す画面213のように、第1の座標ラベル253が選択されたとき、第1の付箋261を含む特徴量(座標)付箋260が表示される。このとき、第1の付箋261には、第1の座標ラベル253が示す、点P
1の座標(0,0)の情報が含まれる。第1の付箋261のタブ261Tの色は、第1の座標ラベル253のタブ253Tの色と同じである。なお、第1の付箋261のタブ261Tと、第1の座標ラベル253のタブ253Tは、視覚効果が同じであるので、互いに対応していることを視覚的に一目でわかりやすく認識できる。これらのタブ同士は、色ではなく、各タブの塗りつぶしパターンや外周を示す線が同じであってもよい。
【0041】
第2の座標ラベル254が選択されたとき、第2の付箋262を含む特徴量(座標)付箋260が表示される。このとき、第2の付箋262には、第2の座標ラベル254が示す、点P2の座標(2,4)の情報が含まれる。第2の付箋262のタブ262Tの色は、第2の座標ラベル254のタブ254Tの色と同じであり、第1の付箋261のタブ261Tの色とは異なる。第2の付箋262のタブ262Tと、第2の座標ラベル254のタブ254Tは、視覚効果が同じであるので、互いに対応していることを視覚的に一目でわかりやすく認識できる。これらのタブ同士は、色ではなく、各タブの塗りつぶしパターンや外周を示す線が同じであってもよい。
【0042】
第1の座標ラベル253と第2の座標ラベル254とが順に選択されたとき、
図4Cに示すように、第1の付箋261及び第2の付箋262を含む特徴量(座標)付箋260が表示される。第1の付箋261と第2の付箋262とは、共に座標という特徴量を示す付箋である。このように特徴量の種別が同じ付箋は、特徴量(座標)付箋260のようにまとめて表示される。本実施形態に係るシステムでは、座標に限らず、図形であるグラフの傾き、切片、面積、極大値又は極小値など、種々の特徴量が示され得る。特徴量付箋は、特徴量の種別毎に特徴量を示す複数の付箋をまとめて表示し得る。特徴量(座標)付箋260は、グラフ付箋250に示されたグラフ252と関連付けられているので、紐264でグラフ付箋250に関連付けられている。
【0043】
ステップS114において、端末20は、グラフ付箋250の演算付箋アイコン259が選択されたか否かを判定する。演算付箋アイコン259が選択されていないとき、処理はステップS116に進む。演算付箋アイコン259が選択されたとき、処理はステップS115に進む。ステップS115において、端末20は、式入力処理を行う。式入力処理では、端末20は、
図4Dに示す画面214のように演算付箋270を表示させる。演算付箋270の式入力エリア271に入力された演算式に含まれる数値又は変数に関連付けられた1つ以上の付箋の全てが、グラフ付箋250のグラフ表示エリア255に示された1つのグラフ252に基づいて作成されたものである場合、演算付箋270のタブ270Tの色を、その1つのグラフ252の表示色と同じにしてよい。本実施形態では、第1の付箋261及び第2の付箋262がともに、グラフ付箋250のグラフ表示エリア255に示された1つのグラフ252に基づいて作成されたものであるので、演算付箋270のタブ270Tの色を、そのグラフ252の表示色と同じにする。
【0044】
演算付箋270には式入力エリア271が設けられている。式入力処理は、式入力エリア271への式の入力についての処理である。式入力処理については後述する。その後、処理はステップS116に進む。
【0045】
ステップS116において、端末20は、演算実行の指示が入力されたか否かを判定する。演算実行の指示は、例えば
図4Aに示すソフトウェアキーボード240のEXEキー241が選択されることで行われる。演算実行の指示が入力されていないとき、処理はステップS120に進む。演算実行の指示が入力されたとき、処理はステップS117に進む。
【0046】
ステップS117において、端末20は、式入力エリア271に入力されている式に関する情報などを、サーバ10宛に送信する。
図4Dに示す例では、式入力エリア271に「(y
2-y
1)/(x
2-x
1)」が入力されており、y
2,y
1,x
2,x
1は、特徴量(座標)付箋260に表示されている通り、それぞれ4,0,2,0である。端末20は、これらの式及び値をサーバ10宛に送信する。
【0047】
ステップS118において、サーバ10は、式情報等を受信し、取得した式に関する演算を行う。サーバ10は、演算結果を端末20宛に送信する。ステップS119において、端末20は、演算結果を受信し、演算結果を表示する。その後、処理はステップS120に進む。
【0048】
図4Dの例では、演算結果が演算付箋270の解表示エリア272に例えば「2」と表示されている。このようにしてユーザは、座標(0,0)の点P
1と座標(2,4)の点P
2とを結ぶ直線の傾きが2であることを把握できる。例えば、上述のような一連の画像が例えば教室でプロジェクタにより投影されて、生徒に示されることで、生徒の数学に関する理解が深まることが期待される。
【0049】
ステップS120において、端末20は、本処理を終了するか否かを判定する。終了しないと判定されたとき、処理はステップS101に戻り、上述の処理が繰り返される。終了すると判定されたとき、処理は終了する。
【0050】
なお、上述の動作は一例であり、その一部が行われなくてもよいし、他の動作が追加されてもよい。例えば、各種付箋はユーザの操作によって移動し得る。このとき、端末20が演算結果を含めて必要な情報を有しているときは、処理が端末20によって行われてもよい。例えばグラフの表示範囲を変更するとき、端末20は、新たな表示範囲についてグラフ描画に必要な各点の座標の情報を有していない。したがって、端末20は、サーバ10に座標の算出を改めて行わせる。
【0051】
ステップS115で行われる式入力処理について、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。式入力処理では、各付箋は次のように定義される。選択された演算付箋アイコンが関連付けられた付箋であって、図形を含む付箋を第1の表示領域と呼ぶ。
図4Dに示す例では、選択された演算付箋アイコン259(
図4C参照)は、グラフ付箋250と関連付けられているので、グラフ付箋250が第1の表示領域となる。グラフ付箋250は、図形であるグラフを含む。第1の表示領域と関連付けられた数値を示す付箋を第2の表示領域と呼ぶ。
図4Dに示す例では、第1の表示領域であるグラフ付箋250と関連付けられた座標の値を示す特徴量(座標)付箋260が第2の表示領域となる。特徴量(座標)付箋260は、前記数値又は前記数値を表す文字と関連付けられたアイコンを含み得る。第1の表示領域と関連付けられた計算式を示す付箋を第3の表示領域と呼ぶ。
図4Dに示す例では、第1の表示領域であるグラフ付箋250と関連付けられた計算式を示す演
算付箋270が第3の表示領域となる。
【0052】
ステップS201において、端末20は、第3の表示領域を表示する。すなわち、
図4Dの例では、端末20は、演算付箋270を端末20に表示する。ここで、演算付箋270は、グラフ付箋250の演算付箋アイコン259が選択されることで作成された付箋であり、グラフ付箋250と関連付けられている。このため、演算付箋270は、グラフ付箋250と紐274で結ばれる。
【0053】
ステップS202において、端末20は、
図4Dの例では特徴量(座標)付箋260に相当する第2の表示領域があるか否かを判定する。第2の表示領域がないとき、処理はステップS204に進む。第2の表示領域があるとき、処理はステップS203に進む。
【0054】
ステップS203において、端末20は、第2の表示領域に示されている値の個数に応じて、候補アイコン又は代入アイコンを第2の表示領域に表示させる。その後、処理はステップS204に進む。代入アイコンについては、後に説明する。
【0055】
例えば
図4Dに示す例では、特徴量(座標)付箋260の第1の付箋261には、点P
1のx座標の「0」とy座標の「0」との2つの値が含まれている。このように複数の値が含まれているときには、その値に応じた候補アイコンが表示される。第1の付箋261には、x座標の値「0」を表す文字「x
1」を表示する第1の候補アイコン266と、y座標の値「0」を表す文字「y
1」を表示する第2の候補アイコン267とが表示される。同様に、特徴量(座標)付箋260の第2の付箋262には、点P
2のx座標の「2」とy座標の「4」との2つの値が含まれている。したがって、第2の付箋262には、x座標の値「2」に対応する「x
2」という第3の候補アイコン268と、y座標の値「4」に対応する「y
2」という第4の候補アイコン269とが表示される。
【0056】
ステップS204において、端末20は、第3の表示領域、例えば
図4Dの例では演算付箋270の式入力エリア271にソフトウェアキーボードからの直接的な入力があったか否かを判定する。直接的な入力があったとき、処理はステップS205に進む。
【0057】
ステップS205において、端末20は、ソフトウェアキーボードを用いたユーザの入力を取得する。端末20は、取得した入力に基づいて、入力された数式に関するデータを更新し、入力に応じた表示に更新するよう端末20に指令する。その後、処理はステップS208に進む。
【0058】
ステップS204において直接入力でないと判定されたとき、処理はステップS206に進む。ステップS206において、端末20は、候補アイコン又は代入アイコンが選択されたか否かを判定する。候補アイコン等が選択されていないとき、処理はステップS208に進む。候補アイコン等が選択されたとき、処理はステップS207に進む。
【0059】
特徴量(座標)付箋260の候補アイコン等が選択されたとき、その特徴量(座標)付箋260に対応付けられたグラフ付箋250に表示されている第1の座標ラベル253及び第2の座標ラベル254のうち、選択された候補アイコン等に対応する座標ラベルのタブやその座標ラベルが示すグラフ上の点を視覚的に変化させることで、数値又は変数を入力した候補アイコン等が、グラフ上のどの部分に対応するものであるかを視覚的に一目でわかりやすく認識できる。この場合、候補アイコン等を選択後、グラフ付箋250のグラフ表示エリア255中の該当部分を、少なくとも既定の時間、点滅表示させたり、選択操作の前後で濃淡を変更したり、選択操作の前後で太さや大きさを変更したりしてよい。ステップS205において、直接入力を行った場合にも、同様の識別表示をしてよい。
【0060】
例えば、
図4Dに示すように、第1の付箋261の第1の候補アイコン266がグラフィックカーソル402で指し示されて選択されたとき、第1の候補アイコン266の色が変化し、それと共に第1の座標ラベル253が点滅する。
【0061】
ステップS207において、端末20は、選択された候補アイコン等に関する挿入処理を行う。端末20は、取得した入力に基づいて、入力された数式に関するデータを更新し、挿入処理に応じた表示に更新する。その後、処理はステップS208に進む。
【0062】
ステップS208において、端末20は、入力を終了するか否かを判定する。入力を終了しないとき、処理はステップS204に戻る。すなわち、入力に関する処理が続けられる。入力を終了すると判定されたとき、この式入力処理は終了する。
【0063】
例えば、
図4Dの演算付箋270の式入力エリア271への入力の例を説明する。式入力エリア271に入力されている式の分子は、「y
2-y
1」となっている。この「y
2-y
1」を入力するために次のような操作が可能である。式入力エリア271が選択されている状態で、ユーザは、特徴量(座標)付箋260の第2の付箋262の第4の候補アイコン269の「y
2」を選択する。その結果、式入力エリア271に「y
2」が挿入される。その後、ユーザは、ソフトウェアキーボードを用いて「-」を入力する。その結果、式入力エリア271に「y
2-」が表示される。ユーザは、特徴量(座標)付箋260の第1の付箋261の第2の候補アイコン267の「y
1」を選択する。その結果、式入力エリア271に「y
1」が挿入され、「y
2-y
1」が表示される。なお、ユーザは、候補アイコンを用いずに、ソフトウェアキーボードを用いて「y」「下付キー」「2」「-」「y」「下付キー」「1」と直接入力することで、「y
2-y
1」を入力してもよい。
【0064】
このように、候補アイコンが選択されたとき、当該アイコンと関連付けられた文字等が挿入される。
図4Dの例では、座標を示す数値「0」,「0」,「2」,「4」を表す文字「x
1」,「y
1」,「x
2」,「y
2」が挿入されている。候補アイコンの選択によって、数値「0」,「0」,「2」,「4」等が挿入されてもよい。
【0065】
直接入力をする場合と比較して、本実施形態のように候補アイコンが用いられることで、入力が容易となり、また誤入力が防止される。また、第1の表示領域であるグラフ付箋250に表示された第1の座標ラベル253及び第2の座標ラベル254の表示と、第2の表示領域である特徴量(座標)付箋260の候補アイコンの表示とが対応している。このため、ユーザは、グラフ付箋250を確認しながら特徴量(座標)付箋260に含まれる候補アイコンを容易に選択することができる。
【0066】
〈図形に関する機能〉
図2A乃至
図4Dを参照してグラフに関する処理について説明した。次に図形に関する処理について、
図5A及び
図5Bのフローチャートと、
図6A及び
図6Bの画面例とを参照して説明する。
【0067】
ステップS301において、端末20は、幾何付箋アイコン225が選択されたか否かを判定する。幾何付箋アイコン225は、
図4Aに示したメニュー表示220に含まれる、幾何学的な図形を描画するための付箋を作成するためのアイコンである。幾何付箋アイコン225が選択されていないとき、処理はステップS302に進む。ステップS302において、端末20は、図形に関する処理以外の他の処理を実行する。何も処理を行う必要がないときは、何も行われなくてもよい。その後、処理はステップS304に進む。ステップS301で幾何付箋アイコン225が選択されたと判定されたとき、処理はステップS303に進む。
【0068】
ステップS303において、端末20は、空の幾何付箋320を表示する。空の幾何付箋320(不図示)とは、文字や数字、数式、図形などが何も表示されていない状態の幾何付箋320のことであるが、幾何付箋320の構成要素である既定のアイコン等は表示されていてよい。
図6Aは、端末20に表示される画面311の一例を示す。
図6Aは、これから説明する一連の処理のうちいくつかの処理を進めたときの画面311の一例である。ステップS303において、端末20は、空の幾何付箋320を表示する。幾何付箋320は、当該付箋の選択の有無を示す状態表示部320Cを有する。
【0069】
ステップS304において、端末20は、幾何付箋320への入力があるか否かを判定する。入力がないとき、処理はステップS306に進む。入力があるとき、処理はステップS305に進む。
【0070】
図6Aに示すように、幾何付箋320が選択されたとき、画面311には、描画メニュー340と、幾何メニュー350とが表示される。描画メニュー340は、幾何付箋に図形を描画するための種々のアイコンを含む。幾何メニュー350は、カテゴリエリア351と表示エリア352とを含む。幾何付箋320に図形を描画したいユーザは、描画メニュー340から描画したい図形に応じたアイコンを選択する。描画メニュー340は、線を描画するための線アイコン341と、円を描画するための円アイコン342と、多角形を描画するための多角形アイコン343とを含む。ユーザは、これらのアイコンの中から作図したい図形のアイコンを選択する。
【0071】
図6Aは、多角形を描画するためのアイコンが選択されて、三角形が描画された場合の例を示す。ユーザは、第1の点A321と第2の点B322と第3の点C323と第1の点A321とを順にプロットする。その結果、幾何付箋320には、三角形ABC324が描画される。
【0072】
本実施形態では、辺の中点をプロットする機能が提供される。ユーザが、カテゴリエリア351からConstructアイコン358を選択することで表示エリア352に表示される中点アイコンを選択し、第1の点A321と第2の点B322とを選択する。このとき、辺AB325の中点が第1の中点D327として表示される。また、ユーザが、中点アイコンを選択し、第1の点A321と第3の点C323とを選択する。このとき、辺AC326の中点が第2の中点E328として表示される。
【0073】
以上のような処理がステップS305でなされる。ステップS305において、端末20は、ユーザによる入力を取得する。端末20は、取得した入力に基づいて、各種処理を行う。端末20は、幾何付箋320に表示させるべき画像を表示する。例えば多角形の頂点が選択されたとき、当該頂点の座標が記憶される。また、点と、点と点とを結ぶ線とが表示される。その後、処理はステップS306に進む。
【0074】
本実施形態では、点と点との距離を測定する機能が提供される。ユーザは、カテゴリエリア351からMeasurementアイコン357を選択することで表示エリア352に表示される距離測定アイコンを選択し、第1の中点D327と第2の中点E328とを選択する。このとき、第1の中点D327と第2の中点E328との距離が第1の距離表示331として表示される。また、ユーザが距離測定アイコンを選択して第2の点B322と第3の点C323とを選択することで、第1の中点D327と第2の中点E328との距離が第2の距離表示332として表示される。同様に、本実施形態では、線分の長さを測定する機能が提供されてもよい。ユーザは、カテゴリエリア351からMeasurementアイコン357を選択することで表示エリア352に表示される長さ測定アイコンを選択する。ここで、第2の点B322と第3の点C323とを結ぶ辺BC329が選択されることで、当該辺BC329の長さが表示される。幾何付箋320の図形表示エリア330には、座標系が設定され、既定の、又は、ユーザ操作に応じて設定された座標範囲が割り当てられているが、既定の設定では、座標範囲を示すための座標軸(X軸、Y軸)及び座標目盛りは非表示である。距離及び長さは、この座標範囲の数値に基づいて決定される。
【0075】
同様に、本実施形態では、線と線とが成す内角又は外角を、図形の特徴量として測定する機能が提供される。ユーザは、カテゴリエリア351からMeasurementアイコン357を選択することで表示エリア352に表示される内角測定アイコン又は外角測定アイコンを選択し、線と線とを選択する。このとき、線と線との成す内角又は外角といった角度が表示される。同様に、図形の面積、図形の周長、又は、線の方向或いは傾き等を、図形の特徴量として測定する機能が提供されてもよい。このように、本アプリケーションによれば、幾何学的な図形の各種の特徴量が測定される機能が提供され得る。
【0076】
ステップS306において、端末20は、距離測定アイコンが選択されたか否かを判定する。距離測定アイコンが選択されていないとき、処理はステップS308に進む。距離測定アイコンが選択されたとき、処理はステップS307に進む。
【0077】
ステップS307において、端末20は、ユーザによって選択された点と点との座標に基づいて、点と点との距離の情報を算出する。端末20は、算出された距離を表示する。距離を表示させる位置は、幾何付箋320の図形表示エリア330内において、点と点とを結ぶ線分近傍であるとよい。さらに、端末20は、特徴量(距離)付箋360を表示する。
【0078】
例えば、
図6Aにおいて、距離測定アイコンが選択された後に第1の中点D327と第2の中点E328とが選択されたとき、図中の第1の距離表示331のように、幾何付箋320の図形表示エリア330内において、線分DEとの対応付けを示すため該線分DEの近傍に線分DEの距離を示す数値が表示される。また、このとき、さらに特徴量(距離)付箋360が表示される。特徴量(距離)付箋360は、紐364で幾何付箋320と関連付けられている。特徴量(距離)付箋360は、第1の距離表示331に対応する第1の付箋361を含む。このとき、第1の付箋361のタブ361Tの色と、線分DEの色が同じになるように表示を更新してよい。この視覚効果により、第1の付箋361のタブ361Tと線分DEが互いに対応していることが視覚的に一目でわかりやすく認識できる。
【0079】
第2の点B322と第3の点C323とが選択されたとき、図中の第2の距離表示332のように、幾何付箋320の図形表示エリア330内において、辺BC329との対応付けを示すため該辺BC329の近傍に辺BC329の距離を示す数値が表示される。また、このとき、さらに特徴量(距離)付箋360は、第2の距離表示332に対応する第2の付箋362を含み得る。第2の付箋362のタブ362Tの色と、辺BC329の色が同じになるように表示を更新してよい。この視覚効果により、第2の付箋362のタブ362Tと辺BC329が互いに対応していることが視覚的に一目でわかりやすく認識できる。なお、特徴量(距離)付箋360も、当該付箋の選択の有無を示す状態表示部360Cを有する。
【0080】
ステップS306及びステップS307には一例として距離が測定される場合の例を示した。線分の長さを測定する場合、内角又は外角を測定する場合、面積を測定する場合、周長を測定する場合、線の方向或いは傾きを測定する場合等についても同様に動作する。
図6Aにおいて、第1の付箋361と第2の付箋362とは、共に距離という共通する特徴量を示す付箋である。このように特徴量の種別が同じ付箋は、特徴量(距離)付箋360のようにまとめて表示される。特徴量付箋は、線分の長さ、内角又は外角、面積、周長、線の方向或いは傾きなど特徴量の種別毎に特徴量を示す複数の付箋をまとめて表示し得る。
【0081】
ステップS308において、端末20は、他の測定アイコンが選択されたか否かを判定する。他の測定アイコンが選択されていないとき、処理はステップS310に進む。他の測定アイコンが選択されたとき、処理はステップS309に進む。ステップS309において、端末20は、選択されたアイコンに応じて、必要な情報を取得し、必要な演算を行う。端末20は、演算結果を表示する。その後、処理はステップS310に進む。
【0082】
ステップS310において、端末20は、演算付箋アイコン359が選択されたか否かを判定する。演算付箋アイコン359は、Measurementアイコン357が選択された表示エリア352に表示され得る。演算付箋アイコン359が選択されていないとき、処理はステップS312に進む。演算付箋アイコン359が選択されたとき、処理はステップS311に進む。
【0083】
ステップS311において、端末20は、式入力処理を行う。式入力処理は、
図3を参照して説明した処理である。
図6Bの例の場合の式入力処理について説明する。
図6Bには、演算付箋アイコン359の選択によって表示される演算付箋370が示されている。ここで演算付箋370は、幾何付箋320と紐374で関連付けられている。なお、演算付箋370も、当該付箋の選択の有無を示す状態表示部370Cを有する。
【0084】
図6Bに示す場合においては、選択された演算付箋アイコンは、幾何付箋320に関連付けられているので、幾何付箋320が第1の表示領域となる。幾何付箋320は、図形である幾何学図形を含む。第1の表示領域である幾何付箋320と関連付けられた値を示す特徴量(距離)付箋360が第2の表示領域となる。特徴量(距離)付箋360には、幾何付箋320の線分DEの長さを示す「a」という文字とその値「6.02」と、線分BCの長さを示す「b」という文字とその値「12.04」とが表示されている。第1の表示領域である幾何付箋320と関連付けられた計算式を示す演算付箋370が第3の表示領域となる。
【0085】
ステップS201において、第3の表示領域としての演算付箋370が画面312に表示される。ステップS202において、第2の表示があるか否かが判定され、第2の表示である特徴量(距離)付箋360が存在するので、処理はステップS203に進む。ステップS203において、特徴量(距離)付箋360の第1の付箋361に表示されている値の数は1個であるので、第1の代入アイコン367が第1の付箋361に表示される。同様に第2の付箋362に表示されている値の数は1個であるので、第2の代入アイコン368が第2の付箋362に表示される。
【0086】
図6Bのように、ソフトウェアキーボードで分数が選択され、分子にカーソルがある状態で第1の代入アイコン367が選択されたとする。このとき、ステップS206の判定で処理はステップS207に進み、式入力エリア371に「a」が挿入される。分母にカーソルがある状態で第2の代入アイコン368が選択されたとき、ステップS206の判定で処理はステップS207に進み、式入力エリア371に「b」が挿入される。ユーザは、代入アイコンを用いずに、ソフトウェアキーボードを用いて「a」「/」「b」と直接入力することで、「a/b」を入力してもよい。
【0087】
特徴量(距離)付箋360の代入アイコン等が選択されたとき、その特徴量(距離)付箋360に対応付けられた幾何付箋320に表示されている図形中の線分DE及び線分BCのうち、選択された代入アイコン等に対応する点や線、面などを視覚的に変化させることで、数値又は変数を入力した代入アイコン等が、図形中のどの部分に対応するものであ
るかを視覚的に一目でわかりやすく認識できる。この場合、代入アイコン等を選択後、幾何付箋320の図形表示エリア330中の該当部分を、少なくとも既定の時間、点滅表示させたり、選択操作の前後で濃淡を変更したり、選択操作の前後で太さや大きさを変更したりしてよい。ステップS205において、直接入力を行った場合にも、同様の識別表示をしてよい。
【0088】
例えば、
図6Bに示すように、特徴量(距離)付箋360の第2の代入アイコン368がグラフィックカーソル402で指し示されて選択されたとき、第2の代入アイコン368の色が変化し、それと共に辺BC329が点滅する。
【0089】
図5Bに戻って説明を続ける。式入力処理の後、処理は、ステップS312に進む。ステップS312において、端末20は、演算を実行するか否かを判定する。演算を実行しないとき、処理はステップS316に進む。演算を実行するとき、処理はステップS313に進む。
【0090】
ステップS313において、端末20は、式入力エリア371に入力されている式や必要な値などの情報を、サーバ10宛に送信する。
図6Bに示す例では、式入力エリア371に「a/b」が入力されており、a及びbは、特徴量(距離)付箋360に表示されている通り、それぞれ6.02及び12.04である。端末20は、これらの式及び値をサーバ10宛に送信する。
【0091】
ステップS314において、サーバ10は、式情報等を受信し、取得した式に関する演算を行う。サーバ10は、演算結果を端末20宛に送信する。ステップS315において、端末20は、演算結果を受信し、演算結果を表示する。
図6Bの例では、ソフトウェアキーボードで「EXE」キーが選択されたとき、ステップS312の判定で処理はステップS313に進む。ステップS314で「a/b」、すなわち、「6.02/12.04」の演算が実行されて解である「1/2」が算出される。ステップS311で、解表示エリア372に解である「1/2」が表示される。
【0092】
このようにしてユーザは、辺BCに対して中点を結ぶ線分DEの長さが1/2であることを把握できる。その後、処理はステップS316に進む。
【0093】
ステップS316において、端末20は、本処理を終了するか否かを判定する。処理を終了しないとき、処理はステップS301に戻る。終了すると判定されたとき、処理は終了する。
【0094】
以上のとおり、幾何付箋に関する式入力処理において、ユーザは代入アイコンを利用できる。上述の候補アイコンと同様に、代入アイコンの利用によって、入力が容易となり、また誤入力が防止される。
【0095】
上述の実施形態では、システム1が、ネットワーク50によって接続されたサーバ10と端末20とによって動作するものとして説明した。サーバ10と端末20との処理の分担は、上述のものに限らず、適宜に変更され得る。また、上述の機能を実行するアプリケーションソフトウェアが、PC、タブレット型情報処理装置などの端末にインストールされ、サーバ10を介さずに、当該端末のみで上述の機能が発揮されてもよい。すなわち、上述の機能の各要素は、サーバ10及び/又は端末20を含むコンピュータの何れかによって実現される。
【0096】
上述の実施形態では、数学教育のためのアプリケーション例を示したが、これに限らない。上述の技術は、各種教育用のアプリケーションに適用され得る。また、教育用に限ら
ず、解析用のアプリケーション等、種々のアプリケーションに適用され得る。特に、数学、物理、化学その他の科学分野、或いは工学分野のアプリケーションに適用され得る。
【0097】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0098】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
[2]
前記数値は、前記図形の少なくとも一部の特徴量であり、
前記図形の少なくとも一部の特徴量の種別毎にまとめて、前記アイコンを前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための[1]に記載のプログラム。
[3]
前記図形を前記表示画面内の第1の表示領域に表示させ、
前記アイコンを前記表示画面内の前記第1の表示領域とは独立した第2の表示領域に表示させ、
前記第1の表示領域に表示される前記図形の少なくとも一部と、前記第2の表示領域に表示される該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられた前記アイコンとの対応関係が視覚的に認識できるように、該図形の少なくとも一部を示すラベルを前記第1の表示領域に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための[1]又は[2]に記載のプログラム。
[4]
前記第2の表示領域に表示中の前記アイコンを選択したことに応じて、前記第1の表示領域に表示中の対応するラベルと、該ラベルによって示される前記図形の少なくとも一部との、少なくとも何れかを識別表示する、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための[3]に記載のプログラム。
[5]
前記図形を前記表示画面内の第1の表示領域に表示させ、
前記アイコンを前記表示画面内の前記第1の表示領域とは独立した第2の表示領域に表示させ、
前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面内の前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域とは独立した第3の表示領域に表示させ、
前記第1の表示領域、前記第2の表示領域、及び、前記第3の表示領域が互いに関連付けられていることが視覚的に認識できるように、前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための[1]乃至[4]の何れか一に記載のプログラム。
[6]
前記数値は、座標系が設定された領域に表示された前記図形の少なくとも一部の少なくとも一つの座標、方向又は傾きの少なくとも何れかである、
[1]乃至[5]の何れか一に記載のプログラム。
[7]
前記数値は、前記図形の少なくとも一部の長さ或いは距離、面積又は角度の少なくとも何れかである、
[1]乃至[6]の何れか一に記載のプログラム。
[8]
前記図形は、該図形が表示される領域に設定される座標系において数式により表現されるグラフの少なくとも一部である、
[1]乃至[7]の何れか一に記載のプログラム。
[9]
前記図形が表示される領域に設定される座標系におけるグラフに対応する数式が入力されたことに応じて、前記図形を前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための[1]乃至[8]の何れか一に記載のプログラム。
[10]
表示された前記数式に基づく演算を行うことと、
表示された前記数式に基づく演算を他のコンピュータに行わせるために、前記数式の情報を前記他のコンピュータに送信後、前記他のコンピュータから受信した該数式に基づく演算の結果を前記表示画面に表示させることと、
のうち何れか一方をさらに前記コンピュータに実行させるための[1]乃至[9]の何れか一に記載のプログラム。
[11]
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことを含む情報処理方法。
[12]
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことを実行するプロセッサを備えるコンピュータ。
【符号の説明】
【0099】
1…システム、10…サーバ、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…ストレージ、15…通信装置、19…バスライン、20…端末、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…ストレージ、25…入力装置、26…表示装置、27…通信装置、29…バスライン、50…ネットワーク。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一態様によれば、プログラムは、図形を表示部の表示画面に表示させ、前記表示部の表示画面に表示されている前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための第1の数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させることをコンピュータに実行させる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記表示部の表示画面に表示されている前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための第1の数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記数値は、前記図形の少なくとも一部の特徴量であり、
前記図形の少なくとも一部の特徴量の種別毎にまとめて、前記アイコンを前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記図形を前記表示画面内の第1の表示領域に表示させ、
前記アイコンを前記表示画面内の前記第1の表示領域とは独立した第2の表示領域に表示させ、
前記第1の表示領域に表示される前記図形の少なくとも一部と、前記第2の表示領域に表示される該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられた前記アイコンとの対応関係が視覚的に認識できるように、該図形の少なくとも一部を示すラベルを前記第1の表示領域に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2の表示領域に表示中の前記アイコンを選択したことに応じて、前記第1の表示領域に表示中の対応するラベルと、該ラベルによって示される前記図形の少なくとも一部との、少なくとも何れかを識別表示する、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記図形を前記表示画面内の第1の表示領域に表示させ、
前記アイコンを前記表示画面内の前記第1の表示領域とは独立した第2の表示領域に表示させ、
前記第1の数式を前記表示画面内の前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域とは独立した第3の表示領域に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記数値は、座標系が設定された領域に表示された前記図形の少なくとも一部の少なくとも一つの方向又は傾きの少なくとも何れかである、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記数値は、前記図形の少なくとも一部の長さ或いは距離、面積又は角度の少なくとも
何れかである、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記アイコンは、前記数値に対応付けられた候補アイコン又は代入アイコンを少なくとも一つ含み、
前記アイコンを選択する操作は、前記候補アイコン又は前記代入アイコンを選択する操作である、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、前記図形の少なくとも一部を示すラベルを前記表示画面に表示させ、前記ラベルを選択するユーザ操作に応じて、前記アイコンを前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記数値は、前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて特定された前記図形の少なくとも一部の座標の座標値で、
前記アイコンは、前記座標値を示す変数に対応付けられた候補アイコンを少なくとも一つ含み、
前記アイコンを選択する操作は、前記候補アイコンを選択する操作である、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記図形が表示される領域に設定される座標系におけるグラフに対応する第2の数式が入力されたことに応じて、前記図形を前記表示画面に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1の数式を入力する第1の数式入力処理において、前記表示画面に、前記第2の表示領域が表示されているか否かを判定し、
前記第2の表示領域が表示されていると判定した場合には、前記第2の表示領域に示されている前記数値に対応付けられた値の個数に応じて、候補アイコン又は代入アイコンを前記第2の表示領域に表示させる、
ことをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項13】
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記表示部の表示画面に表示されている前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことを含む情報処理方法。
【請求項14】
図形を表示部の表示画面に表示させ、
前記表示部の表示画面に表示されている前記図形の少なくとも一部を特定するユーザ操作に応じて、該図形の少なくとも一部に関連付けられた数値に対応付けられたアイコンを前記表示画面に表示させ、
前記アイコンを選択する操作を受付けたことに応じて、選択された該アイコンに対応付けられた前記数値を用いた計算を行うための、ユーザにより入力される数式の少なくとも一部として、該アイコンに対応付けられた前記数値又は該数値を示す変数を前記表示画面に表示させる、
ことを実行するプロセッサを備えるコンピュータ。