(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172077
(43)【公開日】2022-11-15
(54)【発明の名称】人体治療用の電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置、ならびにそのような装置の運転方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022121538
(22)【出願日】2022-07-29
(62)【分割の表示】P 2020519839の分割
【原出願日】2018-06-11
(31)【優先権主張番号】102017113259.7
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】519445727
【氏名又は名称】ヒーリー・インターナショナル・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】シュミーケ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヒルブルク,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】クルジザン,マティアス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適切な治療周波数を選択するための容易に使用できる新たな方法を提供する、人体治療用の電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置、ならびにそのような装置の使用方法を提供する。
【解決手段】本発明は、異なる治療周波数を用いて人体の治療に使用可能な電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置(10)に関し、その際、治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、人体からの生物物理学的放射少なくとも1つに少なくとも部分的に従属する特性を有する電子式ノイズ素子(22)が用意されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる治療周波数を用いて人体の治療に使用可能な電気信号、磁気信号および/または
電磁信号の生成装置において、
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、人体からの生物物理学的
放射少なくとも1つに少なくとも部分的に従属する特性を有する電子式ノイズ素子(22
)が用意されていることを特徴とする、生成装置
【請求項2】
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、電場、磁場または電磁場
把握センサ、赤外放射把握センサ、または熱放射把握センサが少なくとも1つ用意されて
いることを特徴とする、先行する請求項に記載の装置。
【請求項3】
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、pn接合を受動的ノイズ
素子(22)として用いる赤外ダイオード(24)の形態の赤外放射把握センサが用意さ
れていることを特徴とする、先行する請求項に記載の装置。
【請求項4】
ノイズ信号としてノイズ電圧が考慮されていることを特徴とする、先行する請求項のい
ずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記ノイズ信号の評価のために前記ノイズ信号の信号処理とデジタルデータストリーム
生成用の手段が用意されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載
の装置。
【請求項6】
前記ノイズ信号の評価のために、前記デジタルデータストリームの統計的評価手段およ
び前記統計的評価に基づく治療周波数の決定手段が用意されていることを特徴とする、先
行する請求項に記載の装置。
【請求項7】
人体からの生物物理学的放射が前記電子式ノイズ素子と相互作用することによって、前
記治療周波数の選択が治療するべき身体からの生物物理学的放射に基づいて行われるよう
に、前記装置(10)の使用前および/または使用中に前記装置(10)が前記治療する
べき身体に近づけられることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載
の装置(10)の使用方法。
【請求項8】
治療前および/または治療中における前記装置(10)と前記治療するべき身体との距
離が最大50cmであることを特徴とする、先行する請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記電子式ノイズ素子(22)に補助電流が適用されることを特徴とする、前記2つの
請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
一定時間の経過後に新たな治療周波数が算出され、前記装置(10)によって調節され
ることを特徴とする、前記3つの請求項のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体治療用の電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置、なら
びに人体治療用の電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置の運転方法に関
する。
【背景技術】
【0002】
実務経験から、特に電気刺激装置の形態の、人体治療用の電気信号、磁気信号および/
または電磁信号の生成装置が知られている。そのような装置は殆どの場合、様々な周波数
で運転され得る。該装置の使用における成功は多くの場合、‐各個別事例の状態に対して
‐適切な治療周波数が算出されて使用されることに依拠する。そのために、当該経験を有
し、自己の経験に基づき各個別事例の状況を考慮に入れて適切な治療周波数を算出して使
用する、または使用を推奨する専門家がしばしば必要とされる。特に、実務経験から知ら
れている、タイムウェーバーの商標で様々な形態で販売される装置が挙げられる。この意
味では例のごく一部として「タイムウェーバー・フリークエンシー」と「タイムウェーバ
ー・ホーム」という製品が挙げられる。本発明は特にそのような製品のさらなる発展形態
に関する。したがって本明細書により、上述の製品の全技術的特徴、特に言及した全製品
において実現されている全技術的特徴が明確に示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、適切な治療周波数を選択するための容易に使用できる新たな方法を提
供する、人体治療用の電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置、ならびに
そのような装置の使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
該課題は発明により独立請求項の特徴を用いて解決される。さらなる実用的実施形態は
従属請求項と関連して記載されている。
【0005】
異なる治療周波数を用いて人体の治療に使用可能な電気信号、磁気信号および/または
電磁信号を生成するための発明による装置においては、治療周波数の選択に使用可能なノ
イズ信号の供給手段として、人体からの生物物理学的放射少なくとも1つに少なくとも部
分的に従属する特性を有する電子式ノイズ素子が用意されている。生物物理学的放射とい
う概念は、人体を持続的に包囲、または一時的に包囲し得る、例えば磁場、電場、電磁場
、赤外放射、熱放射、音響エネルギー、および/または力学的エネルギーといった全ての
特に場形態、放射形態、エネルギー形態を意味する。このような場、放射および/または
エネルギーを含む全ての生物物理学的放射は、‐単独で、または複数の場、放射および/
またはエネルギーを組み合わせて‐本発明に適したノイズ素子の特性に影響を及ぼし得る
。
【0006】
ここで既に特に赤外線の形態の放射が挙げられる。赤外線は波長が1mmから780n
mの間のスペクトル領域を含み、これは300GHzから400THzまでの周波数領域
に相当する。
【0007】
本発明に特に適しているのは、人体が赤外放射または他の生物物理学的放射を行うスペ
クトル領域において従属性を有する特性を持つような電子式ノイズ素子であり、したがっ
て装置は、人体に近づけられると、この人体からの放射による影響を受けることになる。
【0008】
人体からの赤外放射は特に、波長が0.78μmから1.4μmまで(IR‐A)およ
び1.4μmから3.0μmまで(IR‐B)の近赤外線(MIR)領域、ならびに波長
が3.0μmから50.0μmまでの中赤外線(MIR)領域において行われる。この意
味で特に好ましいのは、特にまたは専ら上記の特別な領域において対応する赤外線への従
属性を有するような電子式ノイズ素子である。明確にはさらに、波長が10.0μm±9
.0μmの領域、すなわち1.0μmから19.0μmの間の領域、さらに好ましくは5
.0μmから15μmの間の領域が挙げられる。
【0009】
本発明の意味での電子式ノイズ素子とみなされるのは、出力信号に加えて該出力信号に
重畳されたノイズ信号を発する全ての電子部品である。これに関しては、本開示の範囲内
で能動的ノイズ素子と受動的ノイズ素子が区別される。
【0010】
本発明の意味での受動的ノイズ素子として理解されるのは、例えば電気ケーブルまたは
電池の形態の電圧源といった外部からのエネルギー供給なしで、測定可能なノイズ信号を
生成するような電子部品である。これに関して特に、上記のエネルギー供給に依存せず相
応のノイズを生成し得る赤外ダイオード、トランジスタまたはその他の部品のpn接合が
挙げられる。完全を期するために、受動的ノイズ素子にも任意選択でエネルギーの供給、
特に補助電流の適用が行われ得ることが指摘される。発明による装置に特に適しているの
は、100μA未満の補助電流の適用によってノイズ領域を認識可能な大きさに拡大する
ような電子式ノイズ素子、特に、50μA未満または30μA未満の補助電流を用いてノ
イズの周波数および/または振幅を相応に増加させるようなノイズ素子である。
【0011】
本発明の意味での能動的ノイズ素子とみなされるのは、ノイズ信号を生成するために供
給電圧または相応の電流の形態の外部エネルギーを必然的に適用しなければならない、す
なわち外部エネルギー貯蔵装置を必要とするような素子である。これに関して炭素被膜抵
抗器が例として挙げられる。
【0012】
発明による装置には、治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号に対して個別に、特に
被治療者の身体からの例えば赤外放射といった生物物理学的放射に基づいて影響を及ぼし
得ることにより、被治療者の身体と、上記の結果として生じる、該身体からの相応の放射
(例えば赤外放射)による影響を受けたノイズとの相互作用によって、治療周波数の適切
な選択が行われ得るという利点がある。
【0013】
特に本発明は、身に付けて持ち運ぶことができ、携帯用エネルギー貯蔵装置を用いて運
転することができる、コンパクトで、身体の直近における配置および運転が可能な装置(
いわゆる着用型)に関する。
【0014】
発明による装置の以下の特徴は‐単独でも、任意の組み合わせにおいても‐有利な実施
形態において実現されている。
a)発明による装置は、主として電池の形態の携帯用エネルギー貯蔵装置用の接続部を
有する。該エネルギー貯蔵装置は常設しておくこと、および/または交換ないし充電を目
的として取り外し可能にしておくことができる。
b)該装置の寸法は、主として20cm×10cm×5cm未満、好ましくは10cm
×10cm×3cm未満で、特に好ましくは8cm×8cm×2cm未満である。
c)該装置は主として、電極接続用に少なくとも2つの極(+/-)に対する接続部を
有し、そのような電極を介して人体への電気信号の供給を可能にする。適切な電極として
、特に耳止具、粘着式電極および手電極が挙げられる。
d)該装置は主として、電磁信号発信装置接続用に少なくとも2つの極(+/-)に対
する接続部を有する。これに関して、特に磁場コイル接続の可能性が挙げられる。
e)該装置は主として、携帯用エネルギー貯蔵装置充電用の接続部、特にUSBポート
の形態またはその他のねじ式コネクタおよび/またはプラグインコネクタの形態の接続部
を有する。
f)該装置は主として、0μAから4000μAまでの治療電流強度で運転されるよう
に設定されている。特に好ましくは、該装置は0μAから1000μAまでの治療電流強
度で運転されるように設定されている。この関連において治療電流強度という概念で示さ
れるのは、発明による装置から治療するべき人体に導入され得る電流強度、すなわち該装
置によって送出される電流である。
g)該装置は主として、0Hzから1MHzの間の治療周波数で運転されるように設定
されている。
h)該装置は主として0Vから24Vの間の治療電圧、特に0Vから12Vの間、特に
好ましくは0Vから10Vの間の治療電圧を発し得るように設定されている。
【0015】
発明による装置の実用的実施形態において、治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号
の供給手段として、電場、磁場または電磁場把握センサ、赤外放射把握センサ、または熱
放射把握センサが用意されている。当然、そのようなセンサを2つ、3つ、またはそれ以
上用意しておくこともできる。上記の全センサを用いて、発明による装置に対するノイズ
信号が生成され得る。このノイズ信号は以下にさらに記載される発明による方法の基盤と
して使用され得る。その際有利であるのは、人、特に被治療者からの生物物理学的放射少
なくとも1つが、センサ素子を備えた該装置を人体に接近させておけば、該ノイズ信号に
影響を及ぼし得ることである。したがって、治療者自身を少なくとも部分的にそのような
装置の制御素子または調整素子として考慮することができ、それによって、被治療者から
の生物物理学的放射を考慮に入れる、新たな方式の個別的な治療周波数算出が可能になっ
ている。
【0016】
以下にさらにより詳細に言及する適切な任意選択のプログラムを用いて、発明による装
置を用いて直前に行われた治療に対する人体の反応を発明による装置を用いて考慮するこ
とができ、それによって該生物物理学的放射を考慮に入れた治療周波数の選択を行うため
の調整過程が実施され得る。
【0017】
磁場用センサとして、特にホールセンサとウイガンドセンサが挙げられる。
【0018】
電場を把握して考慮する目的で、センサとして特に容量センサが使用され得る。
【0019】
電磁場用センサとして、特に磁気誘導式センサが挙げられる。
【0020】
赤外放射を把握して考慮する目的で、特に赤外フォトダイオードとパイロメータが挙げ
られる。
【0021】
また、熱放射(MIR)を把握する目的で、ゲルマニウムフォトダイオードとシリコン
フォトダイオードが挙げられる。
【0022】
完全を期するために、音響エネルギー(個体伝播音)が特に圧電センサの形態のノイズ
素子を用いて把握されて考慮され得ることもさらに指摘される。
【0023】
同じことが力学的エネルギーに適用され、これは例えば半導体系ひずみゲージを介して
把握されて考慮され得る。
【0024】
受動的ノイズ素子が用意されている場合は、外部からのエネルギー供給なしでも特に効
率的かつ安価な方法で相応のノイズ信号が得られるという利点がある。特に適しているの
は、特に必要に応じて上記のような補助電流が適用されることによって、任意選択で能動
的ノイズ素子としても運転され得る受動的ノイズ素子である。相応の補助電流の適用は、
相応の装置の実装が、特に該ノイズ信号が所定の選択を行うためにデジタル化されなけれ
ばならない場合に、適切な方法で治療周波数を相応に選択するために最初に準備される必
要があるという点で有利であり得る。
【0025】
特にこの関連において、治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、
赤外ダイオードの形態の赤外放射把握センサを使用する可能性、より具体的には、pn接
合が受動的ノイズ素子として用いられるような赤外ダイオードを相応の装置に用意する可
能性が挙げられる。そのような赤外ダイオードは、特に他の使用目的でも大量生産される
ことから、電子部品として比較的安価に利用できるというだけではなく、そのような赤外
ダイオードにはさらにその寿命が非常に長く、特に発明による装置の予想寿命ないし予想
耐用期間より長いという利点がある。この意味では、そのような赤外ダイオードの使用に
より、ノイズ信号に関しては発明による装置が長期にわたって確実に機能することを前提
にできる可能性が高い。
【0026】
発明による装置のさらなる実用的実施形態において、ノイズ信号としてノイズ電圧が考
慮されている。これは、いわゆるノイズがノイズ素子の出力信号として監視され、該発明
による装置のノイズ信号として適切な治療周波数の選択に使用されることを意味する。ノ
イズ信号としてのノイズ電圧の使用は、ノイズ電圧の形態の信号の処理の方が技術的によ
り容易に、したがってより安価に実行可能であるという点で、ノイズ電流強度の使用に対
する経済的に有効な代替手段である。この目的で特に高周波オペアンプが使用され得る。
【0027】
基本的にノイズ信号の評価は任意の方法で可能である。実務において、ノイズ信号の評
価には、ノイズ信号の信号処理とデジタルデータストリーム生成用の手段の使用が特に適
していると判明した。これに関して、特に、専ら0または1の形式の結果のみから成る1
ビットのデータシーケンスの形態の非常に単純なデジタルデータストリームの生成手段が
挙げられる。
【0028】
この関連において特に、電子式ノイズ素子の有用なスペクトルを、特に該信号処理とデ
ジタルデータストリーム生成用の手段の使用によって低減し、ノイズスペクトルを増強す
るという可能性が挙げられる。これにより、ノイズのより高い分解能が生み出され得る。
【0029】
発明による装置のさらなる実用的実施形態において、ノイズ信号の評価のために、デジ
タルデータストリームの統計的評価手段および該統計的評価に基づく治療周波数の決定手
段が用意されている。この関連において、ノイズ素子の少なくとも部分的な赤外放射への
従属性に基づく統計的評価が、赤外線を放射する人体に対する発明による装置の配置に依
拠していることが考慮され得る。換言すれば、発明による装置が人体に非常に近接して配
置されているために、人体から出る赤外線が電子式ノイズ素子に直接到達し、その結果そ
の特性に影響を及ぼす場合は特に、治療周波数の選択は人体の近くにおける該装置の配置
に直接依拠している。
【0030】
本発明は上記のような装置の使用方法にも関する。該方法により該装置は、人体からの
生物物理学的放射が電子式ノイズ素子と相互作用することによって、治療周波数の選択が
治療するべき人体からの生物物理学的放射に基づいて行われるように、相応の装置の使用
前および/または使用中に治療するべき人体に近づけられる。本発明による方法の利点に
関しては、本発明による装置に関して既述した利点が挙げられる。これに関しても、再び
人体からの赤外放射の形態の生物物理学的放射が明確に挙げられる。
【0031】
発明による方法の実用的実施形態において、使用前および/または使用中の該装置と治
療するべき身体との距離は最大50cmである。これは人体からの殆どの生物物理学的放
射、特に赤外放射がそのような距離においては未だ発明による装置内の適切なノイズ素子
に影響を及ぼし得ることを前提とする。しかし生物物理学的放射、特に赤外放射の強度は
距離が短くなるほど大きくなることから、該装置と治療するべき身体との距離が最大25
cmであることが好ましく、さらに好ましくは最大10cmであり、特に好ましくは最大
5cmである。それに応じて該装置は本発明による方法により、主として被治療者の身体
に直接装着され、したがってノイズ素子と治療するべき人体との間隔は最小になっている
。
【0032】
本発明による方法のさらなる実用的実施形態において、該電子式ノイズ素子に補助電流
が適用される。これに関しては、再び相応のpn接合を備えた赤外ダイオードまたはトラ
ンジスタの形態の受動的ノイズ素子の好ましい使用が挙げられる。そのような電子式ノイ
ズ素子への補助電流の適用には、治療周波数に関する素早く容易な選択決定を行うための
既述したような信号の処理とデジタル化が、容易かつ安価に実施され得るという利点があ
る。
【0033】
発明による方法は、人体の治療開始前または開始時にまず上記のように適切な治療周波
数が算出され、その後本発明による装置によって調整されるように実行され得る。治療は
この場合算出された治療周波数を用いて所定の時間にわたって実施され得る。
【0034】
本発明による方法の他の変化形態においては、一定時間の経過後にさらに新たな治療周
波数が算出され、該装置によって調節され得る。本発明による装置はこの目的で、相応の
方法の実施において発明による装置の使用者を支援するための相応の操作プログラムが含
まれている相応の制御装置を有し得る。
【0035】
本発明による方法はこの意味でさらに、予め調整された時間、例えば10秒、20秒、
30秒または予め確定されている任意の他の時間値の後に、新たな治療周波数が算出され
、該装置によって調整されることにより、人体の治療がそれぞれ算出された治療周波数を
用いてそれぞれ所定の時間実行されるように実施され得る。この目的で、発明による装置
に相応のプログラムを1つまたは複数設定しておくこと、および/または該装置の使用者
自身が個別のプログラムを構成し保存できるように、該装置をプログラム可能に相応に形
成しておくことができる。
【0036】
特に上記のプログラムと関連して、発明による装置は、人体からの赤外放射が治療周波
数に対する調整パラメータであるという点で治療周波数の調整を可能にするのに適切であ
り得る。その際、人体からの赤外放射は、治療周波数と人体(その赤外放射を含む)との
相互作用も、人体(赤外放射を含む)と治療周波数との相互作用も存在することが前提に
され得るという点で、(制御パラメータとは区別される)調整パラメータである。したが
って、特に‐治療するべき人体からの最初の赤外放射を考慮に入れて算出された治療周波
数によって、人体からの赤外放射が‐選択された治療周波数における電気信号、磁気信号
および/または電磁信号の作用に基づいて‐第1治療段階の時間中に変化し、この変化に
よって今度は次の治療周波数のさらなる変化が引き起こされることになり得る。これによ
り‐個別事例に応じて‐各時間後に治療周波数が変更されることになる場合と、治療周波
数が、一定の周波数値において「収束する」、一定の目標周波数に漸近する、または各時
間後に全く別の値を取り入れることになる場合がある。
【0037】
重要であるのは治療者の身体からの生物物理学的放射、ここでは特に赤外放射が、治療
周波数の選択を調整または制御できることである。
【0038】
治療周波数の制御が話題になり得るのは、特に、最初に‐同様に治療者の身体からの生
物物理学的放射を考慮に入れて‐治療周波数が算出され、その後一定の治療段階に対して
該装置が維持されることによって、治療中に人体からの、場合によっては変化する生物物
理学的放射、特に赤外放射のフィードバックが発生しない事例においてである。
【0039】
完全を期するために、治療周波数は他のプログラムを用いても治療中またはそれぞれ治
療前に算出されて変更され得ることが指摘される。これに関して、特に治療周波数が予定
外の時間後に新たに算出される可能性が指摘され、例えばこの目的で新たな治療周波数の
候補が定期的または不定期に算出され、この新たな治療周波数は一定の事象が発生した場
合、例えばこの新たな治療周波数の候補と以前の治療周波数との差が10パーセントを超
える場合にのみ調整され得る。
【0040】
本発明のさらなる実用的実施形態および利点は以下に図面と関連して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図2】使用中における
図1に示した発明による装置の運転方法の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は発明による装置10の略図である。該装置にはその幾何学的寸法において比較的
小さいケーシング12が含まれ、それにより人体に快適に‐さらに要望に応じて見えない
ようにも‐装着することができる。ここに示した実施例においてケーシング12の外形寸
法は5cm(長さ)×5cm(幅)×1cm(深さ)である。
【0043】
ここに示した装置の重量は1kg未満、特に800g未満で、好ましくは500g未満
である。したがってその寸法と重量により、人はこれを‐より長時間にわたっても‐携行
することができ、その際に大きな重量負荷として認識することはない。したがってここで
取り扱われるのはいわゆる「着用型」である。
【0044】
ケーシング12には、陽極用の第1接続部14aおよび陰極用の第2接続部14bが用
意されている。これらの接続部14a、14bを介して、接触式または非接触式による被
治療者の身体への電気信号、磁気信号および/または電磁信号の供給に適し得る電極(図
示せず)、磁気コイルまたはその他の付加装置を任意選択で接続することができる。
【0045】
ケーシング12にはさらに、略図のみで示したエネルギー貯蔵装置18の充電用の電源
・データ接続部16が用意され、該接続部はケーシング12の内部に保護されて配置され
、電気ケーブル20a、20bを介して電源・データ接続部16と接続されている。エネ
ルギー貯蔵装置18はこの実施例では充電式電池であり、電源・データ接続部16はUS
B接続部である。
【0046】
ケーシング12にはさらに、治療周波数を選択するために使用可能なノイズ信号の供給
手段として赤外ダイオード24の形態の電子式ノイズ素子22が、ここではケーシング1
2の外面に近接して配置されている。この赤外ダイオード24はケーブル26を介してエ
ネルギー貯蔵装置18から補助電流を供給され得る。ケーシング12には、‐
図1に示さ
れない‐凹部および/または赤外線透過性のケーシング部分の形態、例えば赤外線ウィン
ドウの形態の通過帯域がある。
【0047】
該装置10にはさらなる、詳細には示されない素子、特に入/切スイッチならびに任意
選択の操作ボタンが含まれる。代替手段として該装置10は、ここでは図示しない制御装
置と接続された無線送信機を有することもでき、これによって該装置を、特に携帯電話(
主としてスマートフォン)、タブレットPCまたはその他の携帯端末装置を介して携帯端
末装置と無線で接続し制御することが可能になる。
【0048】
図2は使用中における発明による装置10の運転方法の略図である。該装置10は
図2
においては大いに抽象化され、ケーシング12に配置された、この実施例においては赤外
ダイオード24の形態で存在するノイズ素子22のみが共に示されている。例えばエネル
ギー貯蔵装置などのその他の素子も同様に存在するが、
図2では示されていない。
【0049】
該装置10を、ここでは図示しない人、特に該装置10を用いて治療するべき人に接近
させると、この人からの赤外放射が直接ノイズ素子22に作用し、ノイズの特性を変化さ
せる。しかしそのためには、該装置10と人との間隔が十分に小さいことが前提条件とな
り、特に最大20cm、好ましくは最大10cmで、さらに好ましくは最大5cmである
。
【0050】
ここで、ノイズ素子22の‐赤外放射の影響を受けた‐ノイズが第1段階Aにおいて任
意選択で増幅器28を用いて増幅される。この目的で特に周知のオペアンプが用いられ得
る。
【0051】
さらなる任意選択の段階Bによって、該ノイズはその後任意選択の段階CにおいてAC
/DCコンバータ30に送られ、次にさらなる任意選択の段階Dにおいてフィルタ32に
送られる。
【0052】
その後、段階Eにおいて、ビットストリームの形態のデジタル化されたノイズ信号を生
成する目的で、特にコンパレータ34の形態のデジタイズ装置を用いてさらなるノイズ加
工を行った後に、任意選択の最終段階Eにおいて統計的評価ユニット36を用いた治療周
波数の選択が行われる。
【0053】
破線の矢印38は、治療周波数が、ここでは図示しない被治療者の身体に使用されると
、今度は‐必要に応じて該装置10を用いて‐新たに算出するべき治療周波数に対してフ
ィードバックを返し得ることを示している。
【0054】
本明細書、図面、ならびに請求項おいて開示された本発明の特徴は、単独でも、任意の
組み合わせにおいても、本発明の異なる実施形態におけるその実現に不可欠であり得る。
本発明は明細書に記載された実施形態に制限されてはいない。本発明は請求の範囲内で、
また当該専門家の知識を考慮に入れて変更され得る。
【符号の説明】
【0055】
10 装置
12 ケーシング
14a 接続部
14b 接続部
16 電源・データ接続部(USB)
18 エネルギー貯蔵装置(電池)
20a ケーブル
20b ケーブル
22 ノイズ素子
24 赤外ダイオード
26 ケーブル
28 増幅器
30 AC/DCコンバータ
32 フィルタ
34 コンパレータ
36 評価ユニット
38 矢印
【手続補正書】
【提出日】2022-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる治療周波数を用いて人体の治療に使用可能な電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置において、
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、人体からの生物物理学的放射の少なくとも1つに少なくとも部分的に従属する特性を有する電子式ノイズ素子(22)が設けられ、
出力信号に加えて該出力信号を重畳するノイズ信号を出力する任意の電子部品が、本発明の意味において電子式ノイズ素子と見なされており、前記使用可能なノイズ信号は、被治療者の人体と、結果として生じる、該人体からの相応の放射による影響を受けたノイズとの相互作用によって治療周波数の適切な選択が行われるように、被治療者の身体の生物物理学的放射に基づいて個別に影響を受けることが可能であり、電場、磁場または電磁場把握センサ、赤外放射把握センサ、または熱放射把握センサが少なくとも1つ、治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として用意されており、前記ノイズ信号の評価のために前記ノイズ信号の信号処理とデジタルデータストリーム生成用の手段が設けられ、前記ノイズ信号の評価のために、前記デジタルデータストリームの統計的評価手段及び前記統計的評価に基づく治療周波数の決定手段が設けられていることを特徴とする、生成装置。
【請求項2】
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、pn接合を受動的ノイズ素子(22)として用いる赤外ダイオード(24)の形態の赤外放射把握センサが用意されていることを特徴とする、請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
ノイズ信号としてノイズ電圧が考慮されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の生成装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
本明細書、図面、ならびに請求項おいて開示された本発明の特徴は、単独でも、任意の組み合わせにおいても、本発明の異なる実施形態におけるその実現に不可欠であり得る。本発明は明細書に記載された実施形態に制限されてはいない。本発明は請求の範囲内で、また当該専門家の知識を考慮に入れて変更され得る。
また、本願の原出願の出願当初の明細書は、以下の通りである。
[請求項1]
異なる治療周波数を用いて人体の治療に使用可能な電気信号、磁気信号および/または電磁信号の生成装置において、
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、人体からの生物物理学的放射少なくとも1つに少なくとも部分的に従属する特性を有する電子式ノイズ素子(22)が用意されていることを特徴とする、生成装置
[請求項2]
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、電場、磁場または電磁場把握センサ、赤外放射把握センサ、または熱放射把握センサが少なくとも1つ用意されていることを特徴とする、先行する請求項に記載の装置。
[請求項3]
治療周波数の選択に使用可能なノイズ信号の供給手段として、pn接合を受動的ノイズ素子(22)として用いる赤外ダイオード(24)の形態の赤外放射把握センサが用意されていることを特徴とする、先行する請求項に記載の装置。
[請求項4]
ノイズ信号としてノイズ電圧が考慮されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
[請求項5]
前記ノイズ信号の評価のために前記ノイズ信号の信号処理とデジタルデータストリーム生成用の手段が用意されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
[請求項6]
前記ノイズ信号の評価のために、前記デジタルデータストリームの統計的評価手段および前記統計的評価に基づく治療周波数の決定手段が用意されていることを特徴とする、先行する請求項に記載の装置。
[請求項7]
人体からの生物物理学的放射が前記電子式ノイズ素子と相互作用することによって、前記治療周波数の選択が治療するべき身体からの生物物理学的放射に基づいて行われるように、前記装置(10)の使用前および/または使用中に前記装置(10)が前記治療するべき身体に近づけられることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装置(10)の使用方法。
[請求項8]
治療前および/または治療中における前記装置(10)と前記治療するべき身体との距離が最大50cmであることを特徴とする、先行する請求項に記載の方法。
[請求項9]
前記電子式ノイズ素子(22)に補助電流が適用されることを特徴とする、前記2つの請求項のいずれか1項に記載の方法。
[請求項10]
一定時間の経過後に新たな治療周波数が算出され、前記装置(10)によって調節されることを特徴とする、前記3つの請求項のいずれか1項に記載の方法。
【外国語明細書】