(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172087
(43)【公開日】2022-11-15
(54)【発明の名称】信号灯
(51)【国際特許分類】
G08B 5/00 20060101AFI20221108BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221108BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20221108BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20221108BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221108BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20221108BHJP
【FI】
G08B5/00 J
F21S2/00 663
F21V23/00 114
F21V8/00 310
F21V8/00 355
F21Y115:10
F21Y113:10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123210
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2022532685の分割
【原出願日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2020187093
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】大江 正展
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業者の目視の妨げとなることを抑制しつつ、信号等の点灯をセンサによって検知し、作業者に通知する信号灯を提供する。
【解決手段】信号灯は、柱状の形状を有する表示部と、表示部の軸方向の一部に配置され、外周面から第1の光81を発する第1発光部と、第1の光を導光する第1導光路と、第1導光路によって導光された第1の光を検知する第1センサ61と、第1センサに電気的に接続され、第1発光部の発光の情報を外部に送信する通信部と、を備える。第1センサは、第1端面とは反対側の第2端面21Eに対向するように配置され、第1導光路が第1端面から入射した第1の光を第2端面へと導光し、第2部分の第1側面から入射した第1の光は、第1側面より前記第1発光部から遠い第2側面へ透過する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の形状を有する表示部と、
前記表示部の軸方向の一部に配置され、外周面から第1の光を発する第1発光部と、
前記第1の光を導光する第1導光路と、
前記第1導光路によって導光された前記第1の光を検知する第1センサと、
前記第1センサに電気的に接続され、前記第1発光部の発光の情報を外部に送信する通信部と、を備える信号灯であって、
前記第1導光路は、
前記第1発光部の外周面に対向する第1端面を含む第1部分と、
前記第1部分に接続され、前記軸方向に沿って延びる第2部分と、
前記第1端面とは反対側の端面である第2端面を含む第3部分と、を含み、
前記第1センサは、前記第2端面に対向するように配置され、
前記第1導光路は、前記第1端面から入射した前記第1の光を前記第2端面へと導光し、
前記第2部分の第1側面から入射した前記第1の光は、前記第1側面よりも前記第1発光部から遠い第2側面へ透過する、信号灯。
【請求項2】
前記信号灯は、前記第1導光路を支持する支持部をさらに備え、
前記支持部に前記第1センサが設置されている、請求項1に記載の信号灯。
【請求項3】
前記第2部分を構成する材料は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ塩化ビニルである、請求項1または請求項2に記載の信号灯。
【請求項4】
前記第1導光路は、可撓性を有する関節部をさらに含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の信号灯。
【請求項5】
前記関節部を構成する材料はシリコーン樹脂である、請求項4に記載の信号灯。
【請求項6】
前記関節部は、前記第2部分と前記第3部分の間に配置される、請求項4または請求項5に記載の信号灯。
【請求項7】
前記表示部は、前記軸方向に前記第1発光部に並んだ位置に、外周面から第2の光を発する第2発光部をさらに含み、
前記信号灯は、
前記第2の光を導光する第2導光路と、
前記第2導光路によって導光された前記第2の光を検知する第2センサと、をさらに備え、
前記第2導光路は、
前記第2発光部の外周面に対向する第3端面を含む第4部分と、
前記第4部分に接続され、前記第2発光部の外周面に沿って延びる第5部分と、
前記第3端面とは反対側の端面である第4端面を含む第6部分と、を含み、
前記第2センサは、前記第4端面に対向するように配置され、
前記第2導光路は、前記第3端面から入射した前記第2の光を前記第4端面へと導光し、
前記第5部分の第3側面から入射した前記第2の光は、前記第3側面よりも前記第2発光部から遠い第4側面へ透過し、
前記第2部分は、前記第2発光部の外周面に沿って延び、
前記第1側面から入射した前記第2の光は、前記第2側面へ透過する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の信号灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号灯に関するものである。
本出願は、2020年11月10日出願の日本出願第2020-187093号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
工場内に設置された設備の稼働状況を点灯パターンにより表示する信号灯が知られている。作業者は、信号灯の点灯パターンを目視にて確認することで、設備の稼働状況を把握する。また、工場内の省人化に伴って、作業者の目視による確認を補完する観点から、信号灯の点灯をセンサによって検知し、作業者に通知することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示に従った信号灯は、柱状の形状を有する表示部と、表示部の軸方向の一部に配置され、外周面から第1の光を発する第1発光部と、第1の光を導光する第1導光路と、第1導光路によって導光された第1の光を検知する第1センサと、第1センサに電気的に接続され、第1発光部の発光の情報を外部に送信する通信部と、を備える信号灯である。第1導光路は、第1発光部の外周面に対向する第1端面を含む第1部分と、第1部分に接続され、軸方向に沿って延びる第2部分と、第1端面とは反対側の端面である第2端面を含む第3部分と、を含む。第1センサは、第2端面に対向するように配置される。第1導光路は、第1端面から入射した第1の光を第2端面へと導光する。第2部分の第1側面から入射した第1の光は、前記第1側面より前記第1発光部から遠い第2側面へ透過する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、信号灯の構造を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、第1導光路の機能を説明するための概略平面図である。
【
図3】
図3は、第2導光路の機能を説明するための概略平面図である。
【
図4】
図4は、第3導光路の機能を説明するための概略平面図である。
【
図5】
図5は、支持部内の構造を示す概略斜視図である。
【
図6】
図6は、通信モジュールの構造を示す概略斜視図である。
【
図7】
図7は、変形例における第1導光路の構造を示す概略斜視図である。
【
図8】
図8は、変形例における第1導光路が屈曲した状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[本開示が解決しようとする課題]
しかし、従来の手法では、信号灯の発光部に対向するようにセンサ等が配置される。そのため、それらによって信号灯からの光が遮蔽され、作業者による目視の妨げとなるという問題があった。
【0007】
そこで、作業者の目視の妨げとなることを抑制しつつ、信号灯の点灯をセンサによって検知し、作業者に通知することを可能とする信号灯を提供することを目的の1つとする。
【0008】
[本開示の効果]
本開示によれば、作業者の目視の妨げとなることを抑制しつつ、信号灯の点灯をセンサによって検知し、作業者に通知することができる。
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示の信号灯は、柱状の形状を有する表示部と、表示部の軸方向の一部に配置され、外周面から第1の光を発する第1発光部と、第1の光を導光する第1導光路と、第1導光路によって導光された第1の光を検知する第1センサと、第1センサに電気的に接続され、第1発光部の発光の情報を外部に送信する通信部と、を備える信号灯である。第1導光路は、第1発光部の外周面に対向する第1端面を含む第1部分と、第1部分に接続され、第1発光部の前記軸方向に沿って延びる第2部分と、第1端面とは反対側の端面である第2端面を含む第3部分と、を含む。第1センサは、第2端面に対向するように配置される。第1導光路は、第1端面から入射した第1の光を第2端面へと導光する。第2部分の第1側面から入射した第1の光は、前記第1側面より前記第1発光部から遠い第2側面へ透過する。ここで、導光路(第2部分)の側面とは、導光路の両端に位置する両端面(第1端面および第2端面)の間において導光路の長手方向に沿って延びる導光路の外周面を意味する。断面視において、第1側面と第2側面は対向していてもよい。
【0010】
本開示の信号灯においては、第1発光部の外周面からの第1の光が、第1導光路により第1センサへと導光される。そして、第1導光路は、第1端面から入射した第1の光を第1センサに対向する第2端面へと導光する一方で、第1発光部の外周面に沿って延びる第2部分の第1側面から入射した第1の光を第2側面へ透過する。そのため、第1のセンサが検知した第1発光部の発光の情報は、通信部により外部へと送信され、作業者へと通知される。一方、第1導光路の第2部分の第1側面から入射した第1の光は第2部分の第2側面へ透過するため、第1導光路が作業者の目視の妨げとなることが抑制される。その結果、本開示の信号灯によれば、作業者の目視の妨げとなることを抑制しつつ、信号灯の点灯をセンサによって検知し、作業者に通知することができる。
【0011】
上記信号灯は、第1導光路を支持する支持部をさらに備えていてもよい。この支持部に第1センサが設置されていてもよい。第1導光路を支持する機能を有する支持部に第1センサを配置することで、シンプルな構造を達成することができる。
【0012】
上記信号灯において、第2部分を構成する材料は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ塩化ビニルであってもよい。これらの材料は、剛性、光の透過性、コスト等の観点から、第2部分を構成する材料として好適である。
【0013】
上記信号灯において、第1導光路は、可撓性を有する関節部をさらに含んでいてもよい。この構成により、信号灯の取り付け場所に合わせた設置が容易となる。
【0014】
上記信号灯において、関節部を構成する材料はシリコーン樹脂であってもよい。シリコーン樹脂は、可撓性、光の透過性、コスト等の観点から、関節部を構成する材料として好適である。
【0015】
上記信号灯において、関節部は、第2部分と第3部分の間に配置されてもよい。この構成により、信号灯の取り付け場所に合わせた設置が容易となる。
【0016】
上記信号灯において、表示部は、前記軸方向の一部に前記第1発光部に並んだ位置に、外周面から第2の光を発する第2発光部をさらに含んでいてもよい。上記信号灯は、第2の光を導光する第2導光路と、第2導光路によって導光された第2の光を検知する第2センサと、をさらに備えていてもよい。第2導光路は、第2発光部の外周面に対向する第3端面を含む第4部分と、第4部分に接続され、第2発光部の外周面に沿って延びる第5部分と、第3端面とは反対側の端面である第4端面を含む第6部分と、を含んでいてもよい。第2センサは、第4端面に対向するように配置されていてもよい。第2導光路は、第3端面から入射した第2の光を第4端面へと導光する。第5部分の第3側面から入射した第2の光は、第3側面より第2発光部から遠い第4側面へ透過してもよい。第2部分は、第2発光部の外周面に沿って延びていてもよい。第2部分の第1側面から入射した第2の光は、第2側面へ透過してもよい。
【0017】
このように、第2発光部が存在する場合、上記第1導光路および第1センサと同様の機能を第2発光部に対して有する第2導光路および第2センサを採用することにより、第2発光部の発光についても、作業者の目視の妨げとなることを抑制しつつ、作業者に通知することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
【0018】
次に、本開示の信号灯の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
(表示灯の構成の概略)
【0019】
図1は、本実施の形態における信号灯の構造を示す概略斜視図である。
図1を参照して、本実施の形態の信号灯1は、表示部10と、3つの導光路21,22,23と、支持部30と、支持部30内に配置された3つのセンサ(後述する)と、通信部40と、を備えている。信号灯1を構成する表示部10、支持部30および通信部40は、設置面91上に設置されている。設置面91は、たとえば工場内の設備に隣接する壁面であってもよいし、設備のフレーム等であってもよい。
(表示部の構造)
【0020】
表示部10は、柱状の形状を有している。より具体的には、表示部10は、円柱状の形状を有している。表示部10は、柱の軸方向の一部に、外周面11Aから第1の光を発する第1発光部11と、外周面12Aから第2の光を発する第2発光部12と、外周面13Aから第3の光を発する第3発光部とを含んでいる。第1発光部11、第2発光部12および第3発光部13は、積層されている。第1の光、第2の光および第3の光は、たとえば互いに色(波長)の異なる可視光である。第1の光は、たとえば赤色の光である。第2の光は、たとえば黄色の光である。第3の光は、たとえば青色の光である。第1発光部11、第2発光部12および第3発光部13には、それぞれ光源が設置されている。光源は、たとえばLED(Light Emitting Diode)である。第1発光部11、第2発光部12および第3発光部13は、たとえば特定の設備の稼働状況に応じて、予め定められた発光状態(点灯、点滅、消灯等)となる。
(導光路の構造)
【0021】
次に、導光路について説明する。
図2~
図4は、それぞれ第1~第3導光路の機能を説明するための概略平面図である。
図5は、支持部内の構造を示す概略斜視図である。
図2および
図5を参照して、第1導光路21は、第1部分21Bと、第2部分21Cと、第3部分21Dとを含む。第1導光路21は、第1発光部11の外周面11Aから発せられた第1の光81を導光する。第1部分21Bは、第1導光路21の一方の端面である第1端面21Aを含む。第1端面21Aは、第1発光部11の外周面11Aに面している。
【0022】
第2部分21Cは、第1部分21Bに接続されている。第2部分21Cは、直線状の形状を有している。第1部分21Bは、第2部分21Cの一つの端部から第1発光部11の外周面11Aに向けて屈曲するように延びる曲線状の部分である。第2部分21Cは、第1発光部11の外周面11A、第2発光部12の外周面12Aおよび第3発光部13の外周面13Aに沿って延びる。第2部分21Cは、200MPa以上の縦弾性率を有することにより、自立可能な剛性を有している。本実施の形態においては、第1部分21B、第2部分21Cおよび第3部分21Dは、同一材料で構成される一体の構造を有している。第2部分21Cの縦弾性率は、2000MPa以上であってもよい。縦弾性率が2000MPa以上であることにより第2部分21Cが長くなっても自立するので設置しやすくなる。自立可能な剛性を有するため、作業者の目視の妨げとなるような信号灯への取り付け部品を減らすことができる。
【0023】
第3部分21Dは、第2部分21Cに接続されている。第3部分21Dは、第1導光路21の他の端面(第1端面21Aとは反対側の端面)である第2端面21Eを含んでいる。
【0024】
図3および
図5を参照して、第2導光路22は、第4部分22Bと、第5部分22Cと、第6部分22Dとを含む。第2導光路22は、第2発光部12の外周面12Aから発せられた第2の光82を導光する。第4部分22Bは、第2導光路22の一方の端面である第3端面22Aを含む。第3端面22Aは、第2発光部12の外周面12Aに面している。
【0025】
第5部分22Cは、第4部分22Bに接続されている。第5部分22Cは、直線状の形状を有している。第4部分22Bは、第5部分22Cの一方の端部から第2発光部12の外周面12Aに向けて屈曲するように延びる曲線状の部分である。第5部分22Cは、第2発光部12の外周面12Aおよび第3発光部13の外周面13Aに沿って延びる。第5部分22Cは、200MPa以上の縦弾性率を有している。第5部分22Cは、自立可能な剛性を有している。本実施の形態においては、第4部分22B、第5部分22Cおよび第6部分22Dは、同一材料で構成される一体の構造を有している。第5部分22Cの縦弾性率は、2000MPa以上であってもよい。
【0026】
第6部分22Dは、第5部分22Cに接続されている。第6部分22Dは、第2導光路22の他方の端面(第3端面22Aとは反対側の端面)である第4端面22Eを含んでいる。
【0027】
図4および
図5を参照して、第3導光路23は、第7部分23Bと、第8部分23Cと、第9部分23Dとを含む。第3導光路23は、第3発光部13の外周面13Aから発せられた第3の光83を導光する。第7部分23Bは、第3導光路23の一方の端面である第5端面23Aを含む。第5端面23Aは、第3発光部13の外周面13Aに面している。
【0028】
第8部分23Cは、第7部分23Bに接続されている。第8部分23Cは、直線状の形状を有している。第7部分23Bは、第8部分23Cの一方の端部から第3発光部13の外周面13Aに向けて屈曲するように延びる曲線状の部分である。第8部分23Cは、第3発光部13の外周面13Aに沿って延びる。第8部分23Cは、200MPa以上の縦弾性率を有している。第8部分23Cは、自立可能な剛性を有している。本実施の形態においては、第7部分23B、第8部分23Cおよび第9部分23Dは、同一材料で構成される一体の構造を有している。第8部分23Cの縦弾性率は、2000MPa以上であってもよい。
【0029】
縦弾性率の測定は、JIS K7161-1:2014の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則」、JIS K7161-2:2014の「プラスチック-引張特性の求め方-第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試験条件」に基づいて測定する。
【0030】
第9部分23Dは、第8部分23Cに接続されている。第9部分23Dは、第3導光路23の他方の端面(第5端面23Aとは反対側の端面)である第6端面23Eを含んでいる。
(支持部の構造およびセンサの配置)
【0031】
次に、支持部の構造について説明する。
図1を参照して、支持部30は、設置面91上において表示部10に隣接して配置される。支持部30は、円柱状の形状を有する表示部10の外周面に沿う円弧状の形状を有している。
図1および
図5を参照して、支持部30は、第1導光路21、第2導光路22および第3導光路23を支持している。第1導光路21、第2導光路22および第3導光路23の第2部分21C、第5部分22Cおよび第8部分23Cは、200MPa以上の縦弾性率を有することにより自立可能な剛性を有している。そのため、端部に近い領域において支持部30によって支持されることで、表示部10に対する相対的な位置関係が固定される。
【0032】
支持部30の内部には、平板状の基板60が配置されている。基板60は、絶縁体製の平板上に銅などの導電体からなる回路パターン(図示しない)が形成された構造を有している。基板60の一方の主面69上(回路パターン上)には、第1センサ61と、第2センサ62と、第3センサ63と、ソケット68とが搭載されている。第1センサ61は、第1導光路21の第2端面21Eに対向するように配置されている。第2センサ62は、第2導光路22の第4端面22Eに対向するように配置されている。第3センサ63は、第3導光路23の第6端面23Eに対向するように配置されている。第1センサ61は、第1の光81(たとえば赤色の光)を検知する。第2センサ62は、第2の光82(たとえば黄色の光)を検知する。第3センサ63は、第3の光83(たとえば青色の光)を検知する。ソケット68は、基板60を介して第1センサ61、第2センサ62および第3センサ63と電気的に接続されている。ソケット68は、第1配線51、第2配線52および第3配線53の端部に接続されたコネクタ59を受け入れる。これにより、第1配線51、第2配線52および第3配線53は、基板60と電気的に接続されている。第1配線51、第2配線52および第3配線53は、それぞれ第1センサ61、第2センサ62および第3センサ63からの信号を伝送する。
(通信部の構造)
【0033】
次に、通信部の構造について説明する。
図1を参照して、通信部40は、設置面91上において表示部10および支持部30と離れて配置される。
図1をおよび
図6を参照して、通信部40は、ケース41と、ケース41内に配置された通信モジュール49とを含む。通信モジュール49は、基板42と、通信チップ43と、ソケット44A,44B,44Cとを含んでいる。基板42は、絶縁体製の平板上に銅などの導電体からなる回路パターン(図示しない)が形成された構造を有している。
【0034】
基板42の一方の主面上(回路パターン上)には、通信チップ43と、ソケット44A,44B,44Cとが搭載されている。第1配線51の支持部30側とは反対側の端部にコネクタ58Aが配置されている。第2配線52の支持部30側とは反対側の端部にコネクタ58Bが配置されている。第3配線53の支持部30側とは反対側の端部にコネクタ58Cが配置されている。ソケット44A,44B,44Cは、それぞれコネクタ58A,58B,58Cを受け入れる。これにより、通信チップ43は、基板42、配線51~53、基板60を介してセンサ61~63と電気的に接続されている。その結果、通信部40は、発光部11~13の発光の情報を外部に送信することができる。
(信号灯の動作)
【0035】
次に、本実施の形態の信号灯1の動作について説明する。
図2、
図5および
図6を参照して、第1発光部11が発光すると、第1端面21Aから入射した第1の光81は、第1導光路21の内壁で反射を繰り返しながら進み、第2端面21Eから出射する。第2端面21Eから出射した第1の光81は、第1センサ61へと到達する。その結果、第1センサ61は第1発光部11の発光を示す信号を、基板60、第1配線51、基板42を介して通信チップ43へと伝送する。通信チップ43は、第1発光部11の発光の情報を外部に送信する。このとき、
図2に示すように、第1導光路21の第1側面21Gへと入射した第1の光81は、第1導光路21(第2部分21C)の第2側面21Hへ透過する。また、第2発光部12および第3発光部13が発光した場合、第1導光路21の第1側面21Gへと入射した第2の光82および第3の光83は、第1導光路21(第2部分21C)の第2側面21Hへ透過する。
【0036】
図3、
図5および
図6を参照して、第2発光部12が発光すると、第3端面22Aから入射した第2の光82は、第2導光路22の内壁で反射を繰り返しながら進み、第4端面22Eから出射する。第4端面22Eから出射した第2の光82は、第2センサ62へと到達する。その結果、第2センサ62は第2発光部12の発光を示す信号を、基板60、第2配線52、基板42を介して通信チップ43へと伝送する。通信チップ43は、第2発光部12の発光の情報を外部に送信する。このとき、
図3に示すように、第2導光路22の第3側面22Fへと入射した第2の光82は、第2導光路22(第5部分22C)の第4側面22Gへ透過する。また、第3発光部13が発光した場合、第2導光路22の第3側面22Fへと入射した第3の光83は、第2導光路22(第5部分22C)の第4側面22Gへ透過する。
【0037】
図4、
図5および
図6を参照して、第3発光部13が発光すると、第5端面23Aから入射した第3の光83は、第3導光路23の内壁で反射を繰り返しながら進み、第6端面23Eから出射する。第6端面23Eから出射した第3の光83は、第3センサ63へと到達する。その結果、第3センサ63は第3発光部13の発光を示す信号を、基板60、第3配線53、基板42を介して通信チップ43へと伝送する。通信チップ43は、第3発光部13の発光の情報を外部に送信する。このとき、
図4に示すように、第3導光路23の第5側面23Fへと入射した第3の光83は、第3導光路23(第8部分23C)の第6側面23Gへ透過する。
【0038】
このように、本実施の形態の信号灯1においては、発光部11~13の外周面11A~13Aからの光81~83が、導光路21~23によりセンサ61~63へと導光される。そして、導光路21~23は、端面21A,22A,23Aから入射した光をセンサに対向する端面21E,22E,23Eへと導光する一方で、導光路21~23の側面から入射した光はそれぞれ導光路21~23を透過する。その結果、センサ61~63が検知した発光部11~13の発光の情報は、通信部40により外部へと送信され、作業者へと通知される。一方、導光路21~23の側面から入射した光81~83はそれぞれ導光路21~23を透過するため、導光路21~23が作業者の目視の妨げとなることが抑制される。このように、本実施の形態の信号灯1は、作業者の目視の妨げとなることを抑制しつつ、信号灯1の点灯をセンサ61~63によって検知し、作業者に通知することが可能な信号灯となっている。なお、光の屈折があるため、第1の光81、第2の光82、第3の光83は第1導光路21の第1側面と第2側面を直線的に透過しなくてもよい。第2導光路22、第3導光路23においても同様である。
(その他の構成)
【0039】
導光路21~23内での光81~83の反射は、全反射であることが理想的であるが、センサ61~63に発光部11~13の発光を検知できる程度の光が到達する程度の反射率が確保されればよい。また、導光路21~23の側面に入射した光81~83の透過率は100%であることが理想的であるが、作業者による認識に影響が小さい透過率であれば足りる。具体的には、透過率は、少なくとも70%以上であってもよく、85%以上であってもよく、さらには90%以上であってもよい。70%以上であれば作業者による認識に影響が小さく、85%以上であればより小さく、90%以上であればより小さい。
【0040】
導光路21~23(特に、第2部分21C、第5部分22Cおよび第8部分23C)を構成する材料は、上記反射および透過の条件を満たせば特に限定されない。具体例としては、たとえばポリカーボネート、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン(汎用ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂)、ポリスルホン、ポリアリレート、透明ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、透明ポリアミド、透明エポキシ樹脂などを挙げることができる。特に、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ塩化ビニルを採用してもよい。導光路21~23(特に、第2部分21C、第5部分22Cおよび第8部分23C)の長手方向に垂直な断面の形状としては、たとえば円形、楕円形、四角形(長方形、正方形)などを採用することができる。導光路21~23(特に、第2部分21C、第5部分22Cおよび第8部分23C)の径(長手方向に垂直な断面が円形の場合は直径、円形以外の場合は断面の外接円の直径)は、特に限定されるものではないが、たとえば3mm以上10mm以下である。導光路21~23(特に、第2部分21C、第5部分22Cおよび第8部分23C)の長さは、特に限定されるものではないが、たとえば300mm以下である。
【0041】
また、本実施の形態においては、表示部が3つの発光部を含み、これに対応する3つの導光路が採用される場合について説明した。しかし、表示部に含まれる発光部は1つ、または2つでもよいし、4つ以上であってもよい。また、導光路は、発光部の数に対応する数だけ設置されることが好ましいが、必ずしもすべての発光部に対応する導光路が設置される必要はない。すなわち、導光路の数は、発光部の数よりも小さくてもよい。また、1つの発光部に対して複数の導光路が設置されてもよい。
(導光路の変形例)
【0042】
次に、導光路の変形例について説明する。
図7は、変形例における第1導光路の構造を示す概略斜視図である。
図8は、変形例における第1導光路が屈曲した状態を示す概略斜視図である。
【0043】
変形例における第1導光路21は、基本的には上記実施の形態の第1導光路21と同様の構造および機能を有している。しかし、本変形例の第1導光路21は、第2部分21Cと第3部分21Dとの間に、可撓性を有する関節部21Fを含む点において、上記実施の形態の構造とは異なっている。関節部21Fを有することにより、
図8に示すように、関節部21Fにおいて第1導光路21を屈曲させることができる。その結果、信号灯1の取り付け場所に合わせた設置が容易となる。関節部21Fを構成する材料は、たとえばシリコーン樹脂である。同様の変形例を、第2導光路22および第3導光路23にも適用することができる。
【0044】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0045】
1 信号灯
10 表示部
11 第1発光部
11A
12 第2発光部
12A
13 第3発光部
13A
21 第1導光路
21A 第1端面
21B 第1部分
21C 第2部分
21D 第3部分
21E 第2端面
21F 関節部
21G 第1側面
21H 第2側面
22 第2導光路
22A 第3端面
22B 第4部分
22C 第5部分
22D 第6部分
22E 第4端面
22F 第3側面
22G 第4側面
23 第3導光路
23A 第5端面
23B 第7部分
23C 第8部分
23D 第9部分
23E 第6端面
23F 第5側面
23G 第6側面
30 支持部
40 通信部
41 ケース
42 基板
43 通信チップ
44A,44B,44C ソケット
49 通信モジュール
51 第1配線
52 第2配線
53 第3配線
58A,58B,58C コネクタ
59 コネクタ
60 基板
61 第1センサ
62 第2センサ
63 第3センサ
68 ソケット
69 主面、
81 第1の光
82 第2の光
83 第3の光
91 設置面
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の形状を有する表示部と、
前記表示部の軸方向の一部に配置され、外周面から第1の光を発する第1発光部と、
前記第1の光を導光する第1導光路と、
前記第1導光路によって導光された前記第1の光を検知する第1センサと、
前記第1センサに電気的に接続され、前記第1発光部の発光の情報を外部に送信する通信部と、を備える信号灯であって、
前記第1導光路は、
前記第1発光部の外周面に対向する第1端面を含む第1部分と、
前記第1部分に接続され、前記軸方向に沿って延びる第2部分と、
前記第1端面とは反対側の端面である第2端面を含む第3部分と、を含み、
前記第1センサは、前記第2端面に対向するように配置され、
前記第1導光路は、前記第1端面から入射した前記第1の光を前記第2端面へと導光し、
前記第2部分の第1側面から入射した前記第1の光は、前記第1側面よりも前記第1発光部から遠い第2側面へ透過し、
前記第1部分は、前記第2部分に接続するように屈曲している、信号灯。
【請求項2】
前記第1部分および前記第2部分を構成する材料は、透明な樹脂である、請求項1に記載の信号灯。
【請求項3】
前記信号灯は、前記第1導光路を支持する支持部をさらに備え、
前記支持部に前記第1センサが設置されている、請求項1または請求項2に記載の信号灯。
【請求項4】
前記第1導光路は、可撓性を有する関節部をさらに含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の信号灯。
【請求項5】
前記関節部を構成する材料はシリコーン樹脂である、請求項4に記載の信号灯。
【請求項6】
前記関節部は、前記第2部分と前記第3部分の間に配置される、請求項4または請求項5に記載の信号灯。
【請求項7】
前記表示部は、前記軸方向に前記第1発光部に並んだ位置に、外周面から第2の光を発する第2発光部をさらに含み、
前記信号灯は、
前記第2の光を導光する第2導光路と、
前記第2導光路によって導光された前記第2の光を検知する第2センサと、をさらに備え、
前記第2導光路は、
前記第2発光部の外周面に対向する第3端面を含む第4部分と、
前記第4部分に接続され、前記第2発光部の外周面に沿って延びる第5部分と、
前記第3端面とは反対側の端面である第4端面を含む第6部分と、を含み、
前記第2センサは、前記第4端面に対向するように配置され、
前記第2導光路は、前記第3端面から入射した前記第2の光を前記第4端面へと導光し、
前記第5部分の第3側面から入射した前記第2の光は、前記第3側面よりも前記第2発光部から遠い第4側面へ透過し、
前記第2部分は、前記第2発光部の外周面に沿って延び、
前記第1側面から入射した前記第2の光は、前記第2側面へ透過する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の信号灯。