(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172253
(43)【公開日】2022-11-15
(54)【発明の名称】経頸動脈神経血管カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
A61M25/00 624
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022138087
(22)【出願日】2022-08-31
(62)【分割の表示】P 2017526039の分割
【原出願日】2015-07-27
(31)【優先権主張番号】62/075,169
(32)【優先日】2014-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/083,128
(32)【優先日】2014-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/029,799
(32)【優先日】2014-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/046,112
(32)【優先日】2014-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/075,101
(32)【優先日】2014-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510015338
【氏名又は名称】シルク・ロード・メディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILK ROAD MEDICAL, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100206140
【弁理士】
【氏名又は名称】大釜 典子
(72)【発明者】
【氏名】ミチ・イー・ギャリソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】頸動脈アクセス部位から前大脳血管にアクセスするために最適化された血管内カテーテルを開示する。
【解決手段】動脈処置用の介入カテーテル105が、首のアクセス位置において総頸動脈に経頸管的に導入されるための大きさおよび形にされた細長い本体を含む。細長い本体は、使用中に最遠位セクションが頭蓋内動脈に配置されることができ、最近位セクションの少なくとも一部が総頸動脈に配置されるような全長を有する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈処置用の介入カテーテルであって、
首のアクセス位置において総頸動脈に経頸管的に導入されるための大きさおよび形にされた細長い本体であって、該首のアクセス位置を経て総頸動脈を通って頭蓋内動脈に遠位にナビゲートされるための大きさおよび形にされた細長い本体と、
該細長い本体における内部ルーメンであって、該細長い本体の近位領域における近位開口、および該細長い本体の遠位領域における遠位開口を形成する内部ルーメンと
を含み、
該細長い本体が最近位セクションおよび最遠位セクションを有し、該最近位セクションが該細長い本体の最高剛性部分であり、かつ該細長い本体が、使用中に該最遠位セクションが頭蓋内動脈に配置されることができ、それと同時に最近位セクションの少なくとも一部が総頸動脈に配置されるような全長および最遠位セクション長さを有する、
動脈処置用の介入カテーテル。
【請求項2】
前記細長い本体が、前記近位セクションと前記最遠位セクションとの間に第一移行セクションを含み、該第一移行セクションが、前記最近位セクションの剛性と前記最遠位セクションの剛性の間の剛性を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記細長い本体が作業長を有し、前記最遠位セクションが、前記細長い本体の前記作業長の3%~15%の長さである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記細長い本体が作業長を有し、前記最遠位セクションが、前記細長い本体の作業長の4%~25%の長さである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第一移行セクションが、カテーテルの作業長の7%~35%の長さである、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第一移行セクションが、カテーテルの作業長の6%~20%の長さである、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記細長い本体が、0.068~0.095インチの内径、および40~60cmの作業長を有する、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記細長い本体が、0.035~0.062インチの内径、および50~70cmの作業長を有する、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記細長い本体が、カテーテルの長さの少なくとも一部に沿って移行する剛性の変化を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記剛性の変化が、いかなる可撓性の突然変化もない可撓性の平滑変化によって示される、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記細長い本体の可撓性が、前記細長い本体の1つのセクションから前記細長い本体の隣接セクションの可撓性にいかなる不連続変化もなしに、前記細長い本体の長さに沿って徐々に移行する、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記最近位セクションが100~500N-mm2の剛性を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記最遠位セクションが3~10N-mm2の剛性を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記最遠位セクションが5~15cmの長さである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記最遠位セクションが3~10cmの長さである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記第一移行セクションが5~10cmの長さである、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記第一移行セクションが4~8cmの長さである、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記細長い本体が40cmの作業長を有し、前記最近位セクションが10~30cmの長さを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項19】
請求項1に記載のカテーテルであって、
該カテーテルの前記最遠位セクションが0.035~0.062インチの内径を有し、
該カテーテルが0.100インチの半径の180°屈曲を捻じれずにナビゲートすることができ、
該カテーテルが、0.100インチの半径の180°屈曲をナビゲートする間に、25inHgまでの真空に連結された際に崩壊に耐える、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項20】
請求項1に記載のカテーテルであって、
該カテーテルの前記最遠位セクションが0.068~0.095インチの内径を有し、
該カテーテルが0.100インチの半径の180°屈曲を捻じれずにナビゲートすることができ、
該カテーテルが、0.100インチの半径の180°屈曲をナビゲートする間に、25inHgまでの真空に連結された際に崩壊に耐える、
請求項1に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、下記出願の優先権を主張する:(1)米国仮出願第62/029,799号(2014年7月28日出願);(2)米国仮出願第62/075,101号(2014年11月4日出願);(3)米国仮出願第62/046,112号(2014年9月4日出願);(4)米国仮出願第62/075,169号(2014年11月4日出願);および(5)米国仮出願第62/083,128号(2014年11月21日出願)。前記仮特許出願は全て全体として参照により本明細書に組み入れられ、それらの出願日の優先権が主張される。
【背景技術】
【0002】
血管内カテーテルは、処置を行うために遠隔血管アクセス部位から標的血管領域にアクセスするために使用される。特定カテーテルのデザイン、材料および構造は、カテーテルが血管外傷を生じずに標的血管生体構造に到達しうるようにし、かつカテーテルが標的生体構造に到達した際にカテーテルの意図する機能を果たしうるようにすることを主に指向している。カテーテルは、多くの場合、互いに矛盾しうる多くの要件(multiple requirements)を有する。したがって、優れたデザインはこれらの要件の目標を最適に釣り合わせる。
【0003】
多くのカテーテルはシングル・ルーメン・カテーテルであり、該カテーテルにおいて、ルーメンは、放射線不透剤もしくは治療剤の送達用、または血管への他の介入デバイス用、および/または血液、血栓または他の閉塞物質の血管外への吸引用の、導管として機能する。そのようなカテーテルは、該カテーテルが血管アクセス部位を通って近位端から血管生体構造(該血管生体構造は、多くの場合、非常に湾曲し、繊細であり、曲がりくねっており、かつ血管アクセス部位から離れている)に進むことを可能にする物理的特性を有する。これらのカテーテルは、内部ルーメンに配置された補助デバイス、例えば、ガイドワイヤ、場合によってはより小さいカテーテルと共に使用するようにも設計され、かつ血管アクセスシース、ガイドカテーテル、場合によってはサブ選択的ガイドカテーテル(すなわち、一般的なガイドカテーテルより遠位な位置に行くように特別に設計されているカテーテル)を通って標的生体構造に向かうようにも設計される。換言すれば、カテーテルは、多くの場合、シングルカテーテルではなく、使用者が意図する処置を適切に行うことを可能にするカテーテル、ガイドワイヤ、ガイドカテーテルおよびシースのシステムである。
【0004】
大脳血管系における介入は、多くの場合、特殊なアクセス課題を有する。ほとんどの神経介入処置は、頸動脈または椎骨動脈、およびそこから標的大脳動脈への、経大腿アクセスを使用している。しかし、このアクセス経路は、曲りくねっている場合が多く、大動脈弓ならびに頸動脈および腕頭血管起始部に狭窄性プラーク物質を含有する場合があり、処置のアクセス部分の間に塞栓性合併症のリスクを有する。さらに、大脳血管は、通常、冠血管系または他の抹消血管系より繊細であり、穿孔を生じやすい。近年、介入デバイス、例えば、ワイヤ、ガイドカテーテル、ステントおよびバルーンカテーテルは全て、神経血管生体構造においてより良く機能するために小型化され、より可撓性にされている。しかし、多くの神経介入処置は、デバイスアクセス課題の故に、依然としてより困難または不可能である。ある場合には、所望アクセス部位は頸動脈である。頭蓋内動脈および大脳動脈における処置は、大腿動脈アクセス部位よりこのアクセス部位にかなり近い。重要なことに、大動脈弓および近位頸動脈および腕頭動脈をナビゲートする間の塞栓性合併症のリスクが避けられる。しかし、介入処置に使用されるほとんどのカテーテルは大腿アクセス部位用に設計されているので、現在のデバイスは長さおよび機械的特性の両方において、代替的頸動脈アクセス部位に理想的でない。これにより、大腿アクセス用に設計されたデバイスを頸動脈アクセス処置に使用した場合に、処置をより難しいものにし、ある場合には、よりリスクの高いものにする。
【0005】
米国特許第5,496,294号(‘294特許)は、下記を含むシングルルーメン3層カテーテルデザインを記載している:(1)低摩擦内表面を付与するための内ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ライナ;(2)金属コイルワイヤまたは金属コイルリボンから形成された強化層;および(3)外ジャケット層。一般に、3層は、熱および外部圧力、例えば、熱収縮チューブを使用して、貼り合わされている。カテーテルは、該カテーテルの遠位端に向かって可撓性が増加するように変化する剛性の多くのセクションを有する。この可撓性の変化は、カテーテルの長さに沿って外ジャケット層のデュロメータを変化させることによって達成しうる。可撓性を変化させる他の方法は、カテーテルの長さに沿って強化構造および/または材料を変化させることである。
【0006】
‘294特許および他の既存神経血管カテーテル技術における1つの限界は、デバイスが大脳動脈への大腿アクセスアプローチ用に設計されていることである。大腿動脈から総頸動脈、およびそこから内頸動脈への経路は、長く、かついくつかの後屈および前屈を含む。‘294特許において提供されている寸法は、このデザイン目標と一致している。しかし、この経路をナビゲートするように設計されたカテーテルは、経頸動脈アクセスに適切でなく、実際に経頸動脈カテーテルの性能を損なう長さおよび可撓性移行を有する。例えば、可撓性セクションは、内頸動脈湾曲、および大動脈弓から総頸動脈、次に内頸動脈へ行くために必要な屈曲の両方をナビゲートできるように、遠位端から最近位剛性セクションへの少なくとも40cmの漸増剛性を有する必要がある。
【0007】
‘294特許に記載されているカテーテル構造の他の不利点は、該カテーテルの長さに沿って連続的かつ平滑な可撓性移行を有することにおける、カテーテルの限定的能力である。1つのジャケット材料が別のジャケット材料に隣接する場合において、または1つの強化構造が別の強化構造に隣接する場合において、カテーテルの可撓性に目立たない差がある。さらに、‘294特許の3層カテーテル構造は、製造の間に、カテーテルの3つの層を取扱い、組み立てることができる必要があるので、肉厚に制限がある。さらに、該カテーテル構造は、可撓性、および/または血管における非常に急な屈曲への耐キンク性を維持しながら、比較的大きい内部ルーメン直径を有することを難しくする。概して、より大きい直径のカテーテルは、耐キンク性を維持するためにより剛性になる傾向もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,496,294号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第12/834,869号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第14/537,316号明細書
【発明の概要】
【0009】
頸動脈アクセス部位から大脳血管へアクセスするために最適化された寸法および機械的特性を有する1つのカテーテルが必要とされている。カテーテルの長さに沿って、第一可撓性から少なくとも第二の異なる可撓性への緩やかな平滑移行を有する1つのカテーテルも必要とされている。先行技術のカテーテルと比較して相対的に大きい内径を有し、なおかつ薄い肉厚、耐キンク性および可撓性のような物理的特性を維持することができる1つのカテーテルも必要とされている。
【0010】
頸動脈アクセス部位から前大脳血管にアクセスするために最適化された血管内カテーテルを開示する。
【0011】
さらに、カテーテルの全長またはカテーテルの長さの一部に沿って移行する可撓性または剛性の変化を有する1つのカテーテル(catheter which includes variations in flexibility or stiffness moving along at the entire length of catheter or a portion of the length of the catheter)を開示する。好都合にも、カテーテルの可撓性変化は、突然ではなく平滑な可撓性変化によって示される。換言すれば、カテーテルの可撓性は、該カテーテルの1つのセクションから該カテーテルの隣接セクションにいかなる突然のまたは不連続の変化もなしに、該カテーテルの長さに沿って徐々に移行する。下記に詳述するように、カテーテルがどのように使用されるか、およびカテーテルが血管生体構造のどの特定セクションに使用されるかに応じて、カテーテルを特定の大きさおよび形にすることができる。
【0012】
さらに、動脈処置用の1つの介入カテーテルを開示し、該介入カテーテルは、首のアクセス位置において総頸動脈に経頸管的に導入されるための大きさおよび形にされた細長い本体であって、該首のアクセス位置を経て総頸動脈を通って頭蓋内動脈に遠位にナビゲートされるための大きさおよび形にされた細長い本体と、該細長い本体における内部ルーメンであって、該細長い本体の近位領域における近位開口、および該細長い本体の遠位領域における遠位開口を形成する内部ルーメンとを含み、該細長い本体が最近位セクションおよび最遠位セクションを有し、該最近位セクションが該細長い本体の最高剛性部分であり、かつ該細長い本体が、使用中に該最遠位セクションが頭蓋内動脈に配置されることができ、それと同時に最近位セクションの少なくとも一部が総頸動脈に配置されるような全長および最遠位セクション長さを有する。
【0013】
他の特徴および利点は、本開示の原理を例として示す以下の種々の実施形態の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1B】
図1Bは、1つのカテーテルの代替的実施形態の概略図を示す
【
図2】
図2は、斜めの遠位先端または遠位縁を有するカテーテルの例を示す
【
図3】
図3は、斜めの遠位先端または遠位縁を有するカテーテルの例を示す
【
図4】
図4は、斜めの遠位先端または遠位縁を有するカテーテルの例を示す
【
図5】
図5は、斜めの遠位先端または遠位縁を有するカテーテルの例を示す
【
図6】
図6は、先細同軸内部構成要素を有するカテーテルの実施形態を示す
【
図7】
図7は、先細同軸内部構成要素を有するカテーテルの他の実施形態を示す
【発明を実施するための形態】
【0015】
[発明の詳細な説明]
図1Aは、例示的カテーテル105の概略図を示す。カテーテル105は、血管への挿入のための大きさおよび形にされた外形寸法を有する細長い本体である。ある実施形態において、カテーテル105は、「SYSTEMS AND METHODS FOR TREATING A CAROTID ARTERY」と題する米国特許出願第12/834,869号(該出願は参照により全体として本明細書に組み入れられる)に記載されているような頸動脈アクセスシステムのアクセスシースに挿入するための大きさおよび形にされている。「METHODS AND DEVICES FOR TRANSCAROTID ACCESS」と題する2014年11月10日に出願された米国特許出願第14/537,316号も参照により全体として本明細書に組み入れられる。カテーテル105の近位領域は、カテーテル105の遠位端またはその付近において種々の構成要素を制御するための1つまたはそれ以上の機械的または電気機械的制御機構を有しうる。例えば、該制御機構は、1つまたは複数のバルーンの膨張、システム構成要素(例えばステント)の前進/展開(advancement/deployment)、カテーテルを通して流体のフラッシングまたは吸引、およびそれらの組合せを制御するために使用することができる。
【0016】
再び
図1Aを参照すると、カテーテル105は、アクセスシースを通って頸動脈に挿入されて、遠位ICAまたは大脳血管に遠位にナビゲートされるように構成されている。処置の間の失血を防止または最小限にしながら、デバイス、例えば、マイクロカテーテル、ガイドワイヤ、ステント送達デバイス、動脈瘤コイル送達デバイス、または血栓除去デバイスの導入を可能にするために、止血弁を有する近位ポート2035をカテーテル105の近位端に配置しうる。止血弁は、カテーテル近位アダプタと一体であることもでき、または近位コネクタを介してカテーテルの近位端に取り外し可能に取り付けることもできる。ある実施形態において、この弁は、Tuohy-Borstまたは回転止血弁(RHV)のような調節可能開口弁である。他の実施形態において、該弁はパッシブシール止血弁である。
【0017】
カテーテル105は、2つまたはそれ以上の層の構造を有するように製造しうる。ある実施形態において、カテーテルはPTFEインナーライナ、外ジャケット層を有し、カテーテルの少なくとも一部は強化構造、例えば、巻きコイル、組紐またはカットハイポチューブから形成される管状構造を有する。さらに、カテーテルは、蛍光透視法(fluoroscopy)を使用するデバイスの配置を容易にするために、遠位先端に放射線不透過性マーカを有しうる。
【0018】
カテーテル105は、アクセスシースを通って頸動脈に挿入されて、動脈経路を通って(動脈を通って)遠位ICAまたは大脳血管に挿入される大きさに作られた挿入可能部分(または作業長)を有する。シース止血弁を含む全長約15~20cmのアクセスシースと共に使用されるように適合されたある実施形態において、カテーテル105は40~70cmの作業長を有する。カテーテルの作業長(または挿入可能部分)は、動脈に挿入される大きさおよび形に作られたカテーテルの部分であり、作業長の少なくとも一部は、処置の間に実際に動脈に挿入される。ある実施形態において、カテーテルは、70cm未満、60cm未満または50cm未満の作業長を有する。経大腿アクセス部位用に設計された類似カテーテルは、100~130cmの作業長を有しうる。または、カテーテルの長さは、アクセス部位および標的大脳動脈部位の位置に対して決めることができる。ある実施形態において、カテーテルは、動脈経路を通って測定して(measured through the arterial pathway)、標的部位の位置から40cm未満、30cm未満または20cm未満の動脈の位置で、動脈に導入されるように構成される。その距離は、(作業長)/(カテーテルが動脈切開に入る位置と標的部位との距離)の比率によっても決めることができる。ある実施形態において、この比率は2x未満である。ある実施形態において、デバイスの作業長は、血管系を通るデバイスの進みやすさを向上させるために、親水性コーティングを有しうる。ある実施形態において、カテーテルの作業長の少なくとも40%が親水性物質でコーティングされている。他の実施形態において、カテーテルの作業長の少なくとも50%または少なくとも60%が親水性物質でコーティングされている。ある実施形態において、細長い本体は、使用中に、経頸管的に総頸動脈に挿入される間に、最遠位セクションを頭蓋内動脈に配置させることができ、最近位セクション115(
図1A)の少なくとも一部が総頸動脈に配置されるような全長および最遠位セクションまたは部分の長さを有する。
【0019】
ある実施形態において、最遠位セクション111(
図1A)は、内頸動脈湾曲を首尾よくナビゲートして遠位(内頸動脈)ICAまたは大脳動脈における標的部位に到達するために、近位部分より高い可撓性になるように、1つまたはそれ以上の可撓性セクションで構成されている。シャフトは、シャフトのより近位のセクションに向かって1つまたはそれ以上の漸増剛性セクション(increasingly stiff sections)の移行または中間セクション113を有することができ、最近位部分は最高剛性シャフトセクションを有する。または、該移行セクション(the transition section)は、遠位セクション剛性から近位セクション剛性に連続的に変化する剛性のセクションである。ある実施形態において、最遠位可撓性セクションは5~15cmである。他の実施形態において、最遠位可撓性セクションは3~10cmである。他の実施形態において、遠位セクションは2~7cmである。ある実施形態において、移行セクションは5~15cmである。他の実施形態において、移行セクションは5~10cmである。他の実施形態において、移行セクションは4~8cmである。これらの全ての実施形態において、最近位剛性セクションは作業長の残部を占める。カテーテルが40cmの作業長を有するある実施形態において、最近位剛性セクションは10~30cmである。カテーテルが70cmの作業長を有するある実施形態において、最近位剛性セクションは40~60cmである。ある実施形態において、カテーテルの最高剛性部分は、カテーテルの最近位部分である。カテーテルは、総頸動脈への経頸動脈通路を経て、総頸動脈に挿入される場合に、カテーテルの最高剛性セクションが少なくとも部分的に総頸動脈内に配置されるかまたは総頸動脈内へ少なくとも2cmで配置されることができる長さを有することができる。ある実施形態において、カテーテルは、使用中に最遠位セクションが頭蓋内動脈の中にある場合に、最近位セクションの少なくとも一部が総頸動脈に配置される長さを有する。最遠位セクション、移行セクションおよび最近位セクションの相対長さは、
図1Aにおいて、必ずしも正確な縮尺率で示されているわけではない。
【0020】
または、可撓性遠位セクションおよび移行セクションは、全カテーテル作業長の一部と記述することもできる。ある実施形態において、可撓性最遠位セクションは、カテーテルの作業長の3~15%の長さである。他の実施形態において、可撓性最遠位セクションは、カテーテルの作業長の4~25%の長さである。同様に、ある実施形態において、移行セクションは、カテーテルの作業長の7~35%の長さである。他の実施形態において、移行セクションは、カテーテルの作業長の6~20%の長さである。
【0021】
ある実施形態において、最遠位セクションの可撓性は3~10N-mm2であり、最近位セクションの可撓性は100~500N-mm2であり、移行セクションの可撓性/複数の可撓性は、これらの2つの値の間である。
【0022】
前記のように、カテーテルは、目立たないかつ/または連続的変化剛性のシャフト(discreet and/or continuously variable stiffness shaft)を有するセクションを有しうる。該変化可撓性のセクションは、多くの方法によって達成できる。例えば、外ジャケット層は、異なるデュロメータ、組成および/または厚さを有するポリマーの目立たないセクションから構成しうる。他の実施形態において、外層は、可撓性が変化する連続的変化外層材料の1つまたはそれ以上のセクションを有する。カテーテルは、該カテーテルのPTFEライナおよび強化アセンブリ上にジャケット押出物を貼合わせるのではなく、外層をディップコーティングすることによって、連続的変化外層材料を備えうる。ディップコーティングは、例えば、重合してカテーテルの外ジャケット層を形成するポリマー溶液であることができる。カテーテルの長さに沿った1つの可撓性(例えばデュロメータ)から他の可撓性への平滑移行は、多変化デュロメータ材料にカテーテルアセンブリを浸漬することによって達成でき、それにより、1つのデュロメータから他のデュロメータへの移行を段階的に達成でき、例えば、移行区域において漸減する1つのデュロメータにおいてカテーテルの片側から浸漬し、同じ移行区域において漸減する別のデュロメータにおいて他の側から浸漬することによって行われ、それによって、1つのデュロメータから他のデュロメータへの緩やかな移行が存在する。この実施形態において、ディップコーティングは、貼合わせアセンブリより薄肉の外ジャケットを形成することができる。他の実施形態において、カテーテルの長さに沿って変化する可撓性を与えるために、カテーテルは、長さに沿って変化するデュロメータで押し出される外ジャケット層を有する。
【0023】
ある実施形態において、カテーテルの少なくとも一部は強化構造を有し、例えば、剛性を変化させるための目立たない(discreet)または連続的に変化する構造(例えば変化するコイルピッチまたは組紐ピッチ)から成る巻きコイル、組紐から形成される管状構造を有する。ある実施形態において、強化構造は、長さに沿って徐々に変化するカットパターンを有するカットハイポチューブであり、例えば、連続的変化ピッチまたは断続的変化カットギャップを有するスパイラルパターンのカット、または管が曲がるのを可能にする反復カットパターンを有し、それによって反復パターンは連続的に変化する反復距離もしくは反復サイズまたはそれらの両方を有する。カットハイポチューブ強化カテーテルは、巻きコイルと比較して、軸方向において潜在的により高い安定性を有する構造であるので、コイル強化カテーテルより優れた押し込み性も有することができる。強化構造用の材料は、ステンレス鋼、例えば304ステンレス鋼、ニチノール、コバルトクロム合金、または強度、可撓性および耐圧潰性の所望の組合せを付与する他の金属合金であることができる。ある実施形態において、強化構造は、可撓性の種々のセクションに沿って、多材料(multiple materials)を含む。
【0024】
他の実施形態において、カテーテルは、可撓性の変化セクションに沿って1つまたはそれ以上の厚さを有するPTFEインナーライナを有する。ある実施形態において、PTFEインナーライナは、極めて薄くなるように、例えば0.0005~0.0010インチになるように構成される。この実施形態は、高レベルの可撓性を有するカテーテル、ならびにより薄肉のカテーテルを構成する能力を提供する。例えば、PTFEライナは、薄肉PTFEチューブ製造の従来方法(すなわち、PTFEペーストを押し出し、次に、乾燥させ、焼結させて、PTFEチューブを形成する)ではなく、液体PTFE溶液を通ってマンドレルを引き抜くことによって構成される。引き抜き法は、非常に薄い、制御された肉厚、例えば0.0005~0.0010インチを可能にする。
【0025】
前記の製造法のいずれかを組み合わせて使用して、所望の可撓性および耐キンク性要件を構成することができる。現在の3層カテーテルは、0.005~0.008インチの肉厚を有する。これらの製造法は、同じ肉厚においてより高いカテーテル性能を有するか、または例えば0.003~0.005インチのより薄い肉厚において同等かまたはより高いカテーテル性能を有するカテーテルを生じうる。
【0026】
ある実施形態において、カテーテルの遠位可撓性セクションは、1つまたはそれ以上の下記の層:浸漬被覆外層、極薄引き抜きPTFE層、およびカットハイポチューブ強化層を使用して構成することができ、可撓性セクションからより剛性の近位セクションへの緩やかな移行を有する。ある実施形態において、カテーテル全体が、1つまたはそれ以上のこれらの要素で構成されている。
【0027】
場合によっては、可能な最大の内部ルーメンサイズのカテーテルを使用して、解剖学的標的(anatomic targets)に到達する必要がある。例えば、カテーテルは、血管内の閉塞を吸引するために使用される場合がある。したがって、薄肉および大きい内径を有する可撓性、耐キンク性および耐崩壊性の非常に高いカテーテルが必要とされている。本明細書に開示されている構成方法を使用するカテーテルは、これらの要件を満たす。例えば、カテーテルは、0.068~0.095インチの内径、および40~60cmの作業長を有する。他の実施形態において、カテーテルは、より遠位の大脳動脈に到達するための大きさにすることができ、0.035~0.062インチの内径、および50~70cmの作業長を有しうる。ある実施形態において、カテーテルは、0.050または0.100インチもの小さい半径の180°屈曲(半径の周りの180°屈曲の周り:around a 180° bend around a radius)を捻じれずにナビゲートするように構成され、ここで、屈曲は、動脈を通って測定して、動脈切開の5cm、10cmまたは15cm以内に位置している。ある実施形態において、カテーテルは、20inHgまでの真空に連結された際に崩壊(collapsing)せずに、曲がりくねった生体構造中にある間に180°x0.050インチ半径屈曲まで崩壊に耐えることができる。ある実施形態において、カテーテルは、同条件において、25inHgまでの真空に連結された際に崩壊に耐えることができる。
【0028】
図1Bに示されている他の実施形態において、内径および外径が、カテーテルの近位領域107において段階的に増加しうる。該段階的増加は、カテーテルの隣接領域に対する直径の増加に対応する。この実施形態は、さらに、カテーテルの吸引力を最適化する。例えば、処置の間に、より近位の、より大きい血管内にあるカテーテルの部分は、カテーテルの遠位領域109(これは最遠位領域であることができる)より大きい直径を有しうる。この実施形態において、カテーテルは遠位領域109(例えば最遠位10~15cm)のために、ある直径を有することができ、次に、作業長の近位領域107のために、最遠位直径の10~25%の直径の段階的増加を有することができる。該段階的増加は、段階的増加の大きさおよび平滑移行を形成する必要性に応じて、3~10mmの長さの先細移行セクション(tapered transition section)にわたって生じる。または、カテーテルは、より大きい直径の近位領域を有する段階的シースと共に使用される。この場合、カテーテルは、段階的シースと適合させるために、長さおよび直径を段階的に増加しうる。例えば、シースが、該シースの近位20cmにおいてより大きい直径を有する部分を有する場合、カテーテルは、近位アダプタおよび弁(例えばRHV)のための付加的長さを可能にするために、近位25cmにおいてより大きい直径を有する。残りの遠位領域は、より小さい直径を有し、段階的増加の大きさおよび平滑移行(smooth transition)を形成する必要性に応じて、3~10mmの長さの先細移行セクションにわたって段階的増加を有する。
【0029】
場合によっては、神経血管カテーテルは、大脳血管または頭蓋内血管内のクロットまたは他の障害物を吸引するために使用される。
図2~5は、斜めの遠位先端または遠位縁を有するカテーテルの例を示す。
図2を参照すると、カテーテル105の遠位領域が示されている。カテーテル105は、カテーテル105の遠位端において開口215を形成する最遠位先端または最遠位縁210を有する。最遠位縁210は、長手方向軸Lに対して非垂直の角度を形成している。そのような先端は、該先端が該軸Lに対して垂直である場合と異なる大きさの開口215を規定する。すなわち、開口215は、長手方向軸に垂直にカットされた遠位先端と比較して、より大きく、かつより大きい吸引面積を与える。したがって、カテーテルは、該先端の近くに位置する閉塞に、より大きい吸引力を与えうる。さらに、より大きい面積の開口215は、該先端において吸引力でクロットを単に捕捉して、捕捉したクロットをカテーテルで引き出すのではなく、カテーテルのルーメン内にクロットを吸引することをも促進する。
図2において、カテーテル105は、楕円形開口215を形成する斜めの、直線状の最遠位縁210を有する。
図3、
図4および
図5において、最遠位縁210は、遠位開口215が非平面になるように曲線状であるかまたは非直線状であり、かつ、先端長さをそれほど伸ばさずにより大きい開口を与えることができ、該開口は閉塞との接触面積をさらに最適化しうる。最遠位縁210は、直線状、曲線状、波状または不規則でありうる。カットハイポチューブ強化カテーテルのある実施形態において、ハイポチューブの遠位先端は、非正方形に形成することができる。放射線不透過性マーカバンドを有するある実施形態において、該放射線不透過性マーカバンドは非正方形の縁を有する場合があり、次に、該縁を使用して非正方形のカテーテル先端形を形成することができる。ある実施形態において、該カテーテルは斜めの遠位先端を有しうる。すなわち、該カテーテルの遠位先端は、カテーテルの長手方向軸に対して斜めまたは非垂直である。
【0030】
激しい屈曲を通っておよび側枝を横切って(through severe bends and across side branches)、カテーテルを前進させることが困難な原因は、カテーテルと、内部ガイド要素、例えば、より小さいカテーテル、マイクロカテーテルまたはガイドワイヤとのミスマッチである。カテーテルを前進させる1つの方法は3軸法と呼ばれ、該方法において、より小さいカテーテルまたはマイクロカテーテルが、カテーテルとガイドワイヤとの間に配置される。しかし、現在のシステムにおいて、より小さいカテーテルが、より大きいカテーテル、ガイドワイヤまたはそれらの両方との直径ミスマッチを有し、該ミスマッチにより、システムが血管系を前進するにつれて、システムの前縁(leading edge)に段差が生じる。この段差は、特に側枝が存在する場所、例えば眼動脈において、非常に湾曲した血管をナビゲートする場合に困難を生じうる。ある実施形態において、
図6に示されるように、カテーテル105に、一般に使用されるより小さいカテーテルに取って代わる先細同軸内部構成要素2652が付与されている。該内部構成要素2652は、カテーテルの内部ルーメンを通って挿入される大きさおよび形にされている。該内部構成要素2652は、ある外径を有する先細領域を有し、該先細領域は、カテーテル2030の内径から、ガイドワイヤ2515またはマイクロカテーテル(これは、内部構成要素2652の内部ルーメンを通って伸長している)の外径への、平滑移行を形成している。ある実施形態において、先細拡張器または内部構成要素2652は、カテーテル内に配置された場合に、より大きいカテーテル105の最遠位先端から、ガイドワイヤ2515の外径(例えば、0.014~0.018インチの直径でありうる)への、平滑移行を形成している。例えば、内部ルーメン内径は0.020~0.024インチでありうる。他の実施形態において、該内径は、0.030~0.040インチの外径を有するマイクロカテーテルまたは0.035インチのガイドワイヤを内部ルーメンに収容するように作られ、例えば、該ルーメン内径は0.042~0.044インチでありうる。
【0031】
図7に示されているこの実施形態の変型において、内部構成要素2652は、先細領域に加えて、均一直径または単一直径で形成された延長部である最遠位領域2653を含み、該最遠位領域は、内部構成要素2652の先細部分を超えて遠位に延長している。この実施形態において、内部構成要素2652の最遠位領域2653は、介入処置の間にマイクロカテーテルが果たす機能のいくつかまたは全てを果たすことができ、例えば、閉塞を横切って遠位血管造影を行い、動脈内薬剤を注入し、または動脈瘤コイルもしくはステントリトリーバのようなデバイスを送達しうる。このように、マイクロカテーテルは、これらの措置を行うために拡張器と交換する必要がない。
【0032】
ガイドワイヤの可撓性からカテーテルの可撓性への平滑移行を形成するために、拡張器(内部構成要素2652)の材料は充分に可撓性であり、かつ先細りは充分に長い。この構成は、湾曲した生体構造を通って標的大脳血管系に入るカテーテルの前進を促進する。ある実施形態において、拡張器は変化する剛性を有するように構成され、例えば、最遠位セクションはより軟質の材料から作られ、より近位セクションに向かって漸増的により硬質の材料から作られる。ある実施形態において、先細拡張器の遠位端は、放射線不透過性マーカ、例えば、白金/イリジウムバンド、タングステン、白金もしくはタンタル含浸ポリマー、または他の放射線不透過性マーカを有する。
【0033】
本明細書において、種々の方法およびデバイスの実施形態がいくつかのバージョンに関して詳しく記載されているが、他のバージョン、実施形態、使用法およびそれらの組合せも可能であるものと理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲を、本明細書に含まれている実施形態の記載に限定すべきでない。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈処置用の介入カテーテルであって、
首のアクセス位置において総頸動脈に経頸管的に導入されるための大きさおよび形にされた細長い本体であって、該首のアクセス位置を経て総頸動脈を通って頭蓋内動脈に遠位にナビゲートされるための大きさおよび形にされた細長い本体と、
該細長い本体における内部ルーメンであって、該細長い本体の近位領域における近位開口、および該細長い本体の遠位領域における遠位開口を形成する内部ルーメンと
を含み、
該細長い本体が最近位セクションおよび最遠位セクションを有し、該最近位セクションが該細長い本体の最高剛性部分であり、かつ該細長い本体が、使用中に該最遠位セクションが頭蓋内動脈に配置されることができ、それと同時に最近位セクションの少なくとも一部が総頸動脈に配置されるような全長および最遠位セクション長さを有し、
カテーテルの最遠位セクションは、0.889mm~1.574mm(0.035インチ~0.062インチ)の内径を有し、
カテーテルは、2.54mm(0.100インチ)の半径の180°屈曲を捻じれずにナビゲートすることができ、
カテーテルは、2.54mm(0.100インチ)の半径の180°屈曲をナビゲートする間に、12.278PSI(20inHg)までの真空に連結された際に崩壊に耐えるように構成され、
カテーテルは、0.0127mm~0.0254mm(0.0005インチ~0.0010インチ)の厚みのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)インナーライナを有する、
動脈処置用の介入カテーテル。
【請求項2】
前記細長い本体が、前記近位セクションと前記最遠位セクションとの間に第一移行セクションを含み、該第一移行セクションが、前記最近位セクションの剛性と前記最遠位セクションの剛性の間の剛性を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記細長い本体が作業長を有し、前記最遠位セクションが、前記細長い本体の前記作業長の3%~15%の長さである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記細長い本体が作業長を有し、前記最遠位セクションが、前記細長い本体の作業長の4%~25%の長さである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第一移行セクションが、カテーテルの作業長の7%~35%の長さである、または好ましくは、
前記第一移行セクションが、カテーテル(105)の作業長の6%~20%の長さである、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記細長い本体が、1.727mm~2.413mm(0.068~0.095インチ)の内径、および40~60cmの作業長を有する、または、
0.889mm~1.574mm(0.035~0.062インチ)の内径、および50~70cmの作業長を有する、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記細長い本体が、カテーテルの長さの少なくとも一部に沿って移行する剛性の変化を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記剛性の変化が、いかなる可撓性の突然変化もない可撓性の平滑変化によって示される、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記細長い本体の可撓性が、前記細長い本体の1つのセクションから前記細長い本体の隣接セクションの可撓性にいかなる不連続変化もなしに、前記細長い本体の長さに沿って徐々に移行する、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記最近位セクションが100~500N-mm2の剛性を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記最遠位セクションが3~10N-mm2の剛性を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記最遠位セクションが5~15cmの長さである、または好ましくは
前記最遠位セクションが3~10cmの長さである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記第一移行セクションが5~10cmの長さである、または好ましくは
前記第一移行セクションが4~8cmの長さである、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記細長い本体が40cmの作業長を有し、前記最近位セクションが10~30cmの長さを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
請求項1に記載のカテーテルであって、
該カテーテルの前記最遠位セクションが1.727mm~2.413mm(0.068~0.095インチ)の内径を有し、
該カテーテルが2.54mm(0.100インチ)の半径の180°屈曲を捻じれずにナビゲートすることができ、
該カテーテルが、2.54mm(0.100インチ)の半径の180°屈曲をナビゲートする間に、12.278PSI(25inHg)までの真空に連結された際に崩壊に耐えるように構成されている、
請求項1に記載のカテーテル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
本明細書において、種々の方法およびデバイスの実施形態がいくつかのバージョンに関して詳しく記載されているが、他のバージョン、実施形態、使用法およびそれらの組合せも可能であるものと理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲を、本明細書に含まれている実施形態の記載に限定すべきでない。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
動脈処置用の介入カテーテルであって、
首のアクセス位置において総頸動脈に経頸管的に導入されるための大きさおよび形にされた細長い本体であって、該首のアクセス位置を経て総頸動脈を通って頭蓋内動脈に遠位にナビゲートされるための大きさおよび形にされた細長い本体と、
該細長い本体における内部ルーメンであって、該細長い本体の近位領域における近位開口、および該細長い本体の遠位領域における遠位開口を形成する内部ルーメンと
を含み、
該細長い本体が最近位セクションおよび最遠位セクションを有し、該最近位セクションが該細長い本体の最高剛性部分であり、かつ該細長い本体が、使用中に該最遠位セクションが頭蓋内動脈に配置されることができ、それと同時に最近位セクションの少なくとも一部が総頸動脈に配置されるような全長および最遠位セクション長さを有する、
動脈処置用の介入カテーテル。
(態様2)
前記細長い本体が、前記近位セクションと前記最遠位セクションとの間に第一移行セクションを含み、該第一移行セクションが、前記最近位セクションの剛性と前記最遠位セクションの剛性の間の剛性を有する、態様1に記載のカテーテル。
(態様3)
前記細長い本体が作業長を有し、前記最遠位セクションが、前記細長い本体の前記作業長の3%~15%の長さである、態様1に記載のカテーテル。
(態様4)
前記細長い本体が作業長を有し、前記最遠位セクションが、前記細長い本体の作業長の4%~25%の長さである、態様1に記載のカテーテル。
(態様5)
前記第一移行セクションが、カテーテルの作業長の7%~35%の長さである、態様2に記載のカテーテル。
(態様6)
前記第一移行セクションが、カテーテルの作業長の6%~20%の長さである、態様2に記載のカテーテル。
(態様7)
前記細長い本体が、0.068~0.095インチの内径、および40~60cmの作業長を有する、態様3に記載のカテーテル。
(態様8)
前記細長い本体が、0.035~0.062インチの内径、および50~70cmの作業長を有する、態様3に記載のカテーテル。
(態様9)
前記細長い本体が、カテーテルの長さの少なくとも一部に沿って移行する剛性の変化を有する、態様1に記載のカテーテル。
(態様10)
前記剛性の変化が、いかなる可撓性の突然変化もない可撓性の平滑変化によって示される、態様9に記載のカテーテル。
(態様11)
前記細長い本体の可撓性が、前記細長い本体の1つのセクションから前記細長い本体の隣接セクションの可撓性にいかなる不連続変化もなしに、前記細長い本体の長さに沿って徐々に移行する、態様9に記載のカテーテル。
(態様12)
前記最近位セクションが100~500N-mm
2
の剛性を有する、態様1に記載のカテーテル。
(態様13)
前記最遠位セクションが3~10N-mm
2
の剛性を有する、態様1に記載のカテーテル。
(態様14)
前記最遠位セクションが5~15cmの長さである、態様1に記載のカテーテル。
(態様15)
前記最遠位セクションが3~10cmの長さである、態様1に記載のカテーテル。
(態様16)
前記第一移行セクションが5~10cmの長さである、態様2に記載のカテーテル。
(態様17)
前記第一移行セクションが4~8cmの長さである、態様2に記載のカテーテル。
(態様18)
前記細長い本体が40cmの作業長を有し、前記最近位セクションが10~30cmの長さを有する、態様1に記載のカテーテル。
(態様19)
態様1に記載のカテーテルであって、
該カテーテルの前記最遠位セクションが0.035~0.062インチの内径を有し、
該カテーテルが0.100インチの半径の180°屈曲を捻じれずにナビゲートすることができ、
該カテーテルが、0.100インチの半径の180°屈曲をナビゲートする間に、25inHgまでの真空に連結された際に崩壊に耐える、
態様1に記載のカテーテル。
(態様20)
態様1に記載のカテーテルであって、
該カテーテルの前記最遠位セクションが0.068~0.095インチの内径を有し、
該カテーテルが0.100インチの半径の180°屈曲を捻じれずにナビゲートすることができ、
該カテーテルが、0.100インチの半径の180°屈曲をナビゲートする間に、25inHgまでの真空に連結された際に崩壊に耐える、
態様1に記載のカテーテル。
【外国語明細書】