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  • 特開-眼科組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172313
(43)【公開日】2022-11-15
(54)【発明の名称】眼科組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/32 20060101AFI20221108BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20221108BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20221108BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20221108BHJP
【FI】
A61K47/32
A61P27/02
A61K9/08
A61K47/44
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141881
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2021123088の分割
【原出願日】2016-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2015232910
(32)【優先日】2015-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清宮 暁
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】中田 温子
(72)【発明者】
【氏名】鄭 翔
(57)【要約】
【課題】べたつきが低減されて良好な使用感を有する眼科組成物を提供する。
【解決手段】ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを含有する眼科組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分(B)とを含有し、
成分(B)が、オリーブ油、トウモロコシ油、ツバキ油、ダイズ油、ナタネ油、およびラッカセイ油からなる群より選択される少なくとも一種の植物油である、
眼科組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルピロリドンは、眼科組成物の分野において、例えば、溶解補助剤等として使用されている(特許文献1)。
【0003】
一方、ポリエチレングリコールは、眼科組成物の分野において、等張化剤等として知られているが、ポリビニルピロリドンを含有する眼科組成物に適用した場合、その使用感に及ぼす影響は、充分に検討されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1-294620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、使用感の良好な眼科組成物の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、眼科組成物の成分として、ポリビニルピロリドンK90(A)を用いると、眼表面や眼瞼部におけるべたつきが発生するという新たな問題を見出した。さらに、本発明者らは、意外にもポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)を用いて得られる眼科組成物は、べたつき感が低減された液性となることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[7]を提供する。
[1]ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを含有する、眼科組成物。
[2]上記(B)成分の油性成分が植物油である、[1]記載の眼科組成物。
[3]上記(B)成分のポリエチレングリコールの重量平均分子量が100~100000である、[1]または[2]記載の眼科組成物。
[4]上記(A)成分のポリビニルピロリドンK90の含有量が、眼科組成物の総量を基準として、0.001~10w/v%である、[1]~[3]のいずれかに記載の眼科組成物。
[5]コンタクトレンズ用である、[1]~[4]のいずれかに記載の眼科組成物。
[6]上記コンタクトレンズがソフトコンタクトレンズである、[5]記載の眼科組成物。
[7]眼科組成物に、ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分またはポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを含有させる工程を含む、眼科組成物に、摩擦低減作用を付与する方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の眼科組成物によれば、ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分、ポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを組み合わせているため、眼に適用された際のべたつきが低減され、使用感が改善されるという効果を奏する。さらに、この眼科組成物と接触する対象物(結膜、角膜、コンタクトレンズ等)における摩擦抵抗が低減されて滑らかになるため、不快感や異物感が軽減され、良好な使用感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例品、比較例品の摩擦低減率を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限るものではない。
【0011】
本明細書において、含有量の単位である「w/v%」は、容積に対する重量の割合を示すものであり、「g/100mL」と同義である。
本明細書において、特に記載のない限り、略号「POE」はポリオキシエチレンを意味する。
本明細書において、特に記載のない限り、略号「POP」はポリオキシプロピレンを意味する。
【0012】
[1.眼科組成物]
本発明の眼科組成物は、ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを含有するものである。
【0013】
上記(A)成分のポリビニルピロリドンK90は、非イオン性の水溶性ポリマーであって、「K90」とは、毛細管粘度計によって測定される相対粘度値(25℃)を下記の式
(1)に適用して算出される粘性特性値(K値)が81.0~97.2の範囲にあるものをいう。
【0014】
[数1]K=(1.5logηrel-1)/(0.15+0.003c)+[300clogηrel+(c+1.5clogηrel1/2/(0.15c+0.003c)…(1)
ηrel:ポリビニルピロリドン水溶液の水に対する相対粘度
c:ポリビニルピロリドン水溶液中のポリビニルピロリドン濃度(%)
【0015】
なお、上記ポリビニルピロリドンK90は、公知の方法により合成してもよいが、アイフタクトK-90(第一工業製薬社製)、コリドンK90(BASFジャパン社製)、プラスドンK90(アイエスピー・ジャパン社製)、ポビドンK90(DSP五協フード&ケミカル社製)等の市販品を用いてもよい。そして、これらは、一種を単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
そして、上記(A)成分の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、本発明に係る眼科組成物の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、0.001~10w/v%であることが好ましく、0.005~5.0w/v%であることがより好ましく、0.01~3.0w/v%であることがさらに好ましく、0.03~1.0w/v%であることが特に好ましい。上記(A)成分の含有量は、本発明の効果をより顕著に奏する観点から好適である。また、場合によって、0.001~0.5w/v%、なかでも0.005~0.1w/v%も好適に用いられる。
【0017】
本発明において、上記(A)成分とともに用いられる(B)成分は、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種である。
【0018】
上記油性成分とは、常温(15~25℃)で液状、半固形状、または固形状で存在する疎水性成分全般をいい、通常医薬品や医薬部外品において用いられ得る成分であればよい。例えば、オリーブ油、ゴマ油、トウモロコシ油、ツバキ油、ダイズ油、ナタネ油、ラッカセイ油、ヒマシ油等の植物油や、ラノリン、スクワラン等の動物油、流動パラフィン、ワセリン、白色ワセリン、セレシン等の鉱物油があげられる。なかでも、本発明による効果をより一層高める観点から、植物油が好適であり、ゴマ油、ヒマシ油がさらに好適であり、ゴマ油がとりわけ好適である。
【0019】
また、上記ポリエチレングリコールは、特に限定するものではないが、通常、重量平均分子量が100~100000のものが好適に用いられ、なかでも、200~40000のものがより好ましく、300~20000のものがさらに好ましく、300~6000のものがさらにより好ましく、400~4000のものが特に好ましく、400~1000がさらに特に好ましく、400が最も好ましい。
【0020】
上記ポリエチレングリコールも、公知の方法により合成することができるが、マクロゴール200、300、400、600、1000、1500、1540、4000、6000、20000、35000(アデカ社製、三洋化成工業社製、第一工業製薬社製、日油社製等)等の市販品を用いてもよい。そして、これらは、一種を単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、マクロゴール400、4000、6000が好ましく、マクロゴール400がより好ましい。
【0021】
(B)成分は、一種を単独で使用してもよく、または二種以上を組み合わせて使用してもよい。(B)成分のなかでも、本願の効果をより顕著に奏する観点から、油性成分が好ましい。
【0022】
そして、上記(B)成分の含有量は、特に限定されるものではなく、その種類によっても好適な含有量が異なるが、本発明に係る眼科組成物の総量を基準として、(B)成分の総含有量は、0.00001~10w/v%であることが好ましく、0.00005~5w/v%であることがより好ましく、0.0001~3w/v%であることがさらに好ましく、0.0005~1w/v%であることがさらにより好ましい。
【0023】
(B)成分が油性成分である場合、油性成分の総含有量は、0.00001~10w/v%であることが好ましく、0.00005~1w/v%であることがより好ましく、0.0001~0.5w/v%であることがさらに好ましく、0.0005~0.25w/v%であることがさらにより好ましく、0.001~0.1w/v%であることが特に好ましい。そして、そのなかでも、特に、0.005~0.1w/v%であることが好ましく、0.01~0.1w/v%であることが最も好ましい。また、(B)成分がポリエチレングリコールである場合、ポリエチレングリコールの総含有量は、0.001~10w/v%であることが好ましく、0.005~5w/v%であることがより好ましく、0.01~3w/v%であることがさらに好ましく、0.05~1w/v%であることが特に好ましい。これら(B)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に奏する点から好適である。
【0024】
さらに、上記(A)成分と(B)成分の含有比率も、特に限定されるものではなく、その種類によって好適な含有比率が異なるが、例えば、本発明に係る眼科組成物に含まれる
(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、通常0.0001~10000質量部であり、好ましくは0.0005~1000質量部であり、より好ましくは、0.001~500質量部であり、さらに好ましくは、0.005~100質量部である。
【0025】
(B)成分が油性成分である場合、本発明に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、通常0.0001~1000質量部であり、好ましくは0.0005~500質量部であり、より好ましくは、0.001~100質量部であり、さらに好ましくは、0.005~50質量部であり、さらにより好ましくは、0.005~10質量部であり、さらに特に好ましくは0.01~1質量部であり、最も好ましくは、0.05~1質量部である。また、(B)成分がポリエチレングリコールである場合、本発明に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、通常0.001~10000質量部であり、好ましくは0.005~1000質量部であり、より好ましくは、0.01~500質量部であり、さらに好ましくは、0.05~100質量部である。
【0026】
さらに、本発明の眼科組成物には、本発明による効果をより一層高めるために、アミノ酸類を含有させることが好ましい。アミノ酸類とは、分子内にアミノ基とカルボキシ基もしくはスルホ基とを有する化合物またはその誘導体を意味する。具体的には、アミノ酸およびムコ多糖、並びにそれらの塩が例示される。アミノ酸類のうち、アミノ酸およびその塩としては、例えば、グリシン、アラニン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ吉草酸等のモノアミノモノカルボン酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸およびそれらの塩;アルギニン、リジン等のジアミノモノカルボン酸およびそれらの塩;アミノエチルスルホン酸(タウリン)等の誘導体およびそれらの塩があげられる。アミノ酸およびその塩としては、L体、D体、DL体のいずれであってもよく、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸マグネシウムおよびL-アスパラギン酸マグネシウム・カリウム等量混合物等が例示される。また、アミノ酸類のうち、ムコ多糖およびその誘導体、並びにそれらの塩としては、例えば、酸性ムコ多糖として、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アルギン酸等の誘導体およびそれらの塩があげられる。アミノ酸の塩またはムコ多糖の塩は、医薬上、薬理学的にまたは生理学的に許容される塩を含む。そのような塩としては、有機酸との塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)等]、無機酸との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等が例示でき、化合物によって適宜選択される。例えば、モノアミノジカルボン酸の場合は、無機塩基との塩が好ましく、特にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましい。
【0027】
このようなアミノ酸類のなかでも、特に、アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、ムコ多糖が好ましく、ムコ多糖がより好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムがさらに好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウムがとりわけ好ましい。
【0028】
上記アミノ酸類の含有量は特に限定されず、アミノ酸類の種類、併用する(A)成分、(B)成分の種類および含有量等に応じて適宜設定される。アミノ酸類の含有量としては、例えば、本発明に係る眼科組成物の総量を基準として、アミノ酸類の総含有量が、0.01~7.5w/v%であることが好ましく、0.02~5w/v%であることがより好ましく、0.05~3w/v%であることがさらに好ましく、0.1~2w/v%であることが特に好ましい。上記アミノ酸類の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、好適である。
【0029】
また、本発明の眼科組成物には、本発明による効果を一層高めるために、清涼化剤を含有させることが好ましい。清涼化剤は、眼科組成物に清涼感を付与する物質であれば、特に制限されない。例えば、テルペノイド、テルペノイドを含有する精油(例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ローズ油、ケイヒ油、スペアミント油、樟脳油、クールミントおよびハッカ油等)等があげられる。テルペノイドとしては、例えば、メントール、メントン、カンフル(「ショウノウ」または「樟脳」ともいう)、ボルネオール(「リュウノウ」または「竜脳」ともいう)、ゲラニオール、ネロール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロールおよび酢酸リナリルがあげられる。テルペノイドはd体、l体およびdl体のいずれであってもよく、l-メントール、d-メントール、dl-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、dl-ボルネオールおよびd-ボルネオールが例示される。本発明の効果をより顕著に奏する観点から、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオールまたはハッカ油が好適であり、l-メントール、d-カンフル、dl-カンフルまたはd-ボルネオールがより好適であり、l-メントールが特に好適である。
【0030】
上記清涼化剤の含有量は特に限定されず、清涼化剤の種類、併用する(A)成分、(B)成分の種類および含有量等に応じて適宜設定される。清涼化剤の含有量としては、テルペノイドとして測定することができ、例えば、本発明に係る眼科組成物の総量を基準として、清涼化剤(テルペノイドとして)の総含有量が、0.00002~0.3w/v%であることが好ましく、0.0001~0.1w/v%であることがより好ましく、0.0005~0.05w/v%であることがさらに好ましく、0.001~0.02w/v%であることが特に好ましい。上記清涼化剤の含有量は、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、好適である。
【0031】
そして、本発明の眼科組成物には、本発明による効果をより一層高めるために、非イオン界面活性剤を含有させることが好ましい。非イオン界面活性剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)または生理学的に許容されるものであれば特に制限されない。
【0032】
本発明の眼科組成物に用いることのできる非イオン界面活性剤として、具体的には、モノウラリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油;POE(10)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油10)、POE(35)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油35)等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル;POE(20)POP(20)グリコール(プルロニック〔登録商標、以下同じ〕L44)、POE(42)POP(67)グリコール(ポロクサマー403、プルロニックP123)、POE(54)POP(39)グリコール(ポロクサマー235、プルロニックP85)、POE(120)POP
(40)グリコール(プルロニックF87)、POE(160)POP(30)グリコール(ポロクサマー188、プルロニックF68)、POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)、POE(200)POP(70)グリコール等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール;ステアリン酸ポリオキシル40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等があげられる。なお、上記で例示する化合物において、括弧内の数字は、アルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
【0033】
これらの非イオン界面活性剤は、一種を単独で使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用してもよい。非イオン界面活性剤のなかでも、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコールまたはPOE・POPグリコールが好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、POEヒマシ油10、POEヒマシ油35、ステアリン酸ポリオキシル40、ポロクサマー188またはポロクサマー407がより好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、ポロクサマー407がさらに好ましい。
【0034】
上記非イオン界面活性剤を含有する場合、その含有量は、用いる非イオン界面活性剤の種類、他の配合成分の種類および含有量、眼科組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定されるが、例えば、本発明に係る眼科組成物の総量を基準に、非イオン界面活性剤の総含有量が、0.001~3w/v%であることが好ましく、0.005~2w/v%であることがより好ましく、0.01~1w/v%であることがさらに好ましく、0.05~1w/v%であることが特に好ましい。
【0035】
本発明の眼科組成物には、本発明による効果をより一層高める観点から、さらに(B)成分以外の多価アルコールを含有させることが好ましい。(B)成分以外の多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン等があげられる。(B)成分以外の多価アルコールとして、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、プロピレングリコールが好ましい。そして、(B)成分以外の多価アルコールとして、市販のものを用いることもできる。多価アルコールは、一種を単独で使用しても二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0036】
本発明の眼科組成物に用いることのできる、(B)成分以外の多価アルコールの含有量は、特に限定されず、多価アルコールの種類、他の配合成分の種類および含有量、眼科組成物の用途および製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分以外の多価アルコールの含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、(B)成分以外の多価アルコールの総含有量が、0.01~5w/v%であることが好ましく、0.05~2w/v%であることがより好ましく、0.1~1w/v%であることがさらに好ましく、0.1~0.5w/v%であることが特に好ましい。
【0037】
また、本発明の眼科組成物には、本発明による効果をより一層高めるために、防腐剤を含有させることが好ましい。防腐剤としては、例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、アレキシジン、塩酸ポリヘキサニド、塩化ポリドロニウム、グローキル(ローディア社製)等があげられる。防腐剤は、市販のものを用いることもできる。
【0038】
防腐剤のなかでも、本発明による効果をより一層高める観点から、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、アレキシジン、塩酸ポリヘキサニドが好ましく、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、塩酸ポリヘキサニドがより好ましく、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサニドがさらに好ましく、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサニドがより一層好ましく、塩酸ポリヘキサニドが特に好ましい。防腐剤は、一種を単独で使用しても二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
本発明の眼科組成物に用いることのできる防腐剤の含有量は、化合物の種類および分子量に応じて適宜設定される。防腐剤の含有量としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、防腐剤の総含有量が、通常0.0000001~0.5w/v%であり、0.0000001~0.2w/v%であることが好ましく、0.000001~0.05w/v%であることがより好ましく、0.00001~0.01w/v%であることがさらに好ましい。
【0040】
防腐剤として塩酸ポリヘキサニドを使用する場合、塩酸ポリヘキサニドの含有量としては、本発明による効果をより一層顕著に発揮することから、例えば、眼科組成物の総量を基準として、通常0.0000001~0.001w/v%であり、0.000001~0.0005w/v%であることが好ましく、0.00001~0.0001w/v%であることがより好ましい。
【0041】
本発明の眼科組成物は、本発明による効果をより一層高めるために、さらに緩衝剤を含有することが好ましい。これにより、本発明の効果をより一層顕著に発揮できる。緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)または生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤等があげられる。これらの緩衝剤は、一種単独で使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸またはその塩(ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等)があげられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸またはその塩(リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等)があげられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸またはその塩(炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等)があげられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸またはその塩(クエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等)があげられる。酢酸緩衝剤としては、酢酸またはその塩(酢酸アルカリ金属塩、酢酸アルカリ土類金属塩等)があげられる。また、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤または酢酸緩衝剤として、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩または酢酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸またはその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸またはその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸またはその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸またはその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸またはその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等)等が例示できる。これらの緩衝剤のなかでも、ホウ酸緩衝剤(例えば、ホウ酸とホウ砂の組合せ等)、リン酸緩衝剤(例えば、リン酸水素二ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムの組合せ等)が好ましく、ホウ酸緩衝剤がさらに好ましい。
【0042】
上記緩衝剤を含有する場合、その含有量は、緩衝剤の種類、他の含有成分の種類および含有量等に応じて適宜設定される。緩衝剤の含有量としては、例えば、本発明に係る眼科組成物の総量を基準として、緩衝剤の総含有量が、0.01~10w/v%であることが好ましく、0.05~5w/v%であることがより好ましく、0.1~3w/v%であることがさらに好ましく、0.5~2w/v%であることが特に好ましい。
【0043】
また、本発明の眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、本発明の(A)成分、(B)成分以外の粘稠剤を含有することができる。このような粘稠剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全または部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30)、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体[メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース、2208、2906、2910等)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロースまたはそれらの塩等]、アラビアゴム、トラガント、デキストラン(40、70等)等が例示でき、好ましくはポリビニルアルコール(完全または部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30)、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体、デキストラン(70)であり、より好ましくは、セルロース誘導体であり、さらに好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、さらにより好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910であり、特に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース2906である。これらの粘稠剤は、一種単独で使用してもよく、また二種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0044】
上記粘稠剤を含有する場合、その含有量は、粘稠剤の種類、他の含有成分の種類および含有量等に応じて適宜設定される。粘稠剤の含有量としては、例えば、本発明に係る眼科組成物の総量を基準として、粘稠剤の総含有量が、0.0001~5w/v%であることが好ましく、0.0001~1w/v%であることがより好ましく、0.0005~0.5w/v%であることがさらに好ましく、0.001~0.2w/v%であることが特に好ましい。
【0045】
また、本発明の眼科組成物は、さらに等張化剤を含有することができる。等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)または生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような等張化剤の具体例として、例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、ブドウ糖、キシリトール、マンニトール、ソルビトール等があげられる。これらの等張化剤のなかでも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムが好ましい。これらの等張化剤は、一種単独で使用しても二種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0046】
上記等張化剤を含有する場合、その含有量は、等張化剤の種類、他の含有成分の種類および含有量等に応じて適宜設定される。等張化剤の含有量としては、例えば、本発明に係る眼科組成物の総量を基準として、等張化剤の総含有量が、0.01~10w/v%であることが好ましく、0.05~5w/v%であることがより好ましく、0.1~3w/v%であることがさらに好ましく、0.1~1w/v%であることが特に好ましい。
【0047】
なお、本発明の眼科組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)または生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されない。眼科組成物のpHとしては、例えば、4.0~9.5であることが好ましく、5.0~9.0であることがより好ましく、5.5~8.5であることがさらに好ましい。
【0048】
また、本発明の眼科組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。眼科組成物の浸透圧比としては、例えば、0.5~5.0であることが好ましく、0.6~3.0であることがより好ましく、0.7~2.0であることがさらに好ましく、0.9~1.55であることが特に好ましい。浸透圧の調整は、無機塩、多価アルコール、糖アルコールまたは糖等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液
(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)については、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500~650℃で40~50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
【0049】
本発明の眼科組成物の粘度については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。回転粘度計(RE550型粘度計、東機産業社製、ローター:1°34´×R24)で測定した25℃における粘度が、例えば、0.1~1000mPa・sであることが好ましく、0.5~100mPa・sであることがより好ましく、1~50mPa.sであることがさらに好ましく、1~10mPa・sであることが特に好ましい。
【0050】
また、本発明の眼科組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分または生理活性成分を適当量含有していてもよい。このような成分は、特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会監修)に記載された各種医薬における有効成分を例示することができる。具体的には、眼科用薬において用いられる成分として、以下の成分があげられる。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェン、塩酸オロパタジン、塩酸レボカバスチン等。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl-塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン等。
消炎剤:例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、プラノプロフェン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アラントイン、トラネキサム酸、ε-アミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、リゾチーム、甘草等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール等。
局所麻酔剤:例えば、リドカイン等。
その他:例えば、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等。
【0051】
また、本発明の眼科組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途または製剤形態に応じて、常法にしたがい、様々な添加物を適宜選択し、一種または二種以上を併用して適当量含有していてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分としてつぎの添加物があげられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
糖類:例えば、シクロデキストリン等。
安定化剤:例えば、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等。
陰イオン界面活性剤:例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、α-スルホ脂肪酸エステル塩、α-オレフィンスルホン酸等。
【0052】
本発明の眼科組成物は、上記(A)成分および(B)成分と、必要に応じて他の任意成分とを、所望の含有量となるように担体に添加することにより調製される。上記担体としては医薬上、薬理学的に(製薬上)または生理学的に許容される水を使用すればよく、このような水として、具体的には、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等が例示される。
【0053】
そして、例えば、精製水で、これらの成分を溶解または懸濁させ、所定のpHおよび浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することにより、本発明の眼科組成物を調製することができる。
【0054】
本発明の眼科組成物は、眼科組成物の総量に対して、水の含有量が85w/v%以上であり、90w/v%以上であることが好ましく、92w/v%以上であることがより好ましく、94w/v%以上であることがさらに好ましく、96w/v%以上であることが特に好ましい。
【0055】
本実施形態に係る眼科組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。製剤形態として、例えば、液剤、ゲル剤、半固形剤(軟膏等)等があげられる。本実施形態に係る眼科組成物は、液剤であることが好ましい。
【0056】
本発明の眼科組成物は、任意の容器に収容して提供される。本発明の眼科組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドおよびこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら二種以上を混合したものがあげられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートである。また、本発明の眼科組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。好ましくは透明容器である。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器および有色透明容器の双方が含まれる。本発明の眼科組成物は、例えば、有色透明のプラスチック製容器等に、繰り返し使用可能なマルチドーズの形態で収容して使用できる。また、別の態様として、ユニットドーズの形態で収容して使用することもできる。
【0057】
そして、本発明の眼科組成物は、医薬品または医薬部外品の製剤として使用でき、いわゆる点眼剤(ただし、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む)の他に、人工涙液、洗眼剤(ただし、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む)、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤、コンタクトレンズ用消毒・洗浄・保存液<マルチパーパスソリューション>)等]等が含まれる。本発明の好適な一例として、点眼剤、人工涙液、洗眼剤、コンタクトレンズ装着液があげられ、特に好適な例として点眼剤、人工涙液があげられる。なお、コンタクトレンズ用組成物として用いる場合には、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性および非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズおよび非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを包含する)を含むあらゆるコンタクトレンズに適用可能である。
【0058】
また、本実施形態において、コンタクトレンズ装用中においては、コンタクトレンズと結膜との間、コンタクトレンズと角膜の間等に摩擦が生じることから、摩擦低減効果がより一層顕著に奏される。よって、眼科組成物はコンタクトレンズ用であることが好ましく、なかでもソフトコンタクトレンズ用であることが、とりわけ好ましい。ソフトコンタクトレンズのなかでも、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズや、表面に色や模様がプリント等の方法で施されたカラーコンタクトレンズは、カラーコンタクトレンズ以外のハイドロゲルコンタクトレンズに比べて、コンタクトレンズ表面の摩擦が大きいことから、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物またはカラーコンタクトレンズ用眼科組成物であることが特に好ましい。
【0059】
そして、本実施形態に係る眼科組成物とすることにより、点眼時のべたつきの改善効果、摩擦の低減効果の他に、疲れ目の抑制効果が期待できる。
【0060】
[2.摩擦の低減方法]
本実施形態に係る眼科組成物は、瞬目時やコンタクトレンズ装用時の、該眼科組成物と接触する対象部分(結膜[眼瞼縁の結膜:lid wiper]を含む)、角膜、コンタクトレンズ(表面[装用時に外界に接する面]、裏面[装用時に眼球に接する面]およびエッジ部分を含む)等における、摩擦抵抗が低減されて滑らかになるため、不快感が軽減され、良好な使用感が得られるという効果を奏する。したがって、本発明の一実施形態として、ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを含む眼科組成物からなる、摩擦の低減剤(好ましくは、コンタクトレンズ装用中の摩擦の低減剤)が提供される。
【0061】
また、本発明の一実施形態として、摩擦の低減用(好ましくは、コンタクトレンズ装用中の摩擦の低減用)である眼科組成物の製造のための、ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)との併用が提供される。さらに、本発明の一実施形態として、眼科組成物に、ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを含有させることを含む、眼科組成物に摩擦の低減作用(好ましくは、コンタクトレンズ装用中の摩擦の低減作用)を付与する方法が提供される。さらにまた、本発明の一実施形態として、コンタクトレンズ装用中の摩擦の低減方法であって、ポリビニルピロリドンK90(A)と、油性成分およびポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種(B)とを含有する眼科組成物をコンタクトレンズに適用するステップを含む方法が提供される。なお、当該方法において、眼科組成物のコンタクトレンズへの適用は、コンタクトレンズ装用中であってもよく、コンタクトレンズ装着時であってもよい。
【0062】
本発明の(A)成分、(B)成分の少なくとも一方は、有効成分として含有されていてもよい。
【実施例0063】
以下に、評価試験ごとに実施例および比較例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
表1~表5における各成分量の単位は、全て「w/v%」である。
【0064】
試験例1:べたつき評価
[実施例1、比較例1]
後記の表1に示す処方(実施例1-1、1-2、比較例1-1)にしたがい、各眼科組成物を調製し、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL無菌充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着し、裸眼の被験者4名に、各眼科組成物を、左右の眼に点眼させた。そして、点眼後すぐに、下記の方法にしたがって、点眼後のべたつきをVAS(Visual analog scale:視覚的評価スケール)によって評価させ、べたつきの改善率(%)を求めた。その結果を後記の表1に併せて示した。なお、本発明の「べたつき」とは、セルロース等の糖類に由来する、粘性に起因して発生する「粘つき」とは異なり、膜が張ったような感じに伴うべたべたとした感触をいう。
【0065】
<べたつきの評価手法>
100mmの線が引いてある自覚症状調査シート上に、べたつきが全く感じられない場合を0mm、強く感じる場合を100mmとして、被験者が感じた項目の程度のところに印を付けた。この長さ(mm)をVAS値とした。すなわち、VAS値が高いほど、べたつきの自覚スコアが高いということになる。そして、VASの平均値を求め、下記の式(2)にしたがって、比較例1-1に対するべたつきの改善率を算出した。
【0066】
[数2]
べたつきの改善率(%)=(比較例1-1のスコアの平均値-各実施例のスコアの平均値)/比較例1-1のスコアの平均値×100 ……(2)
【0067】
【表1】
【0068】
表1の結果から、(A)成分および(B)成分を組み合わせて使用した場合には、意外なことに、(A)成分のみを含む眼科組成物と比べて、点眼後の眼のべたつきが顕著に改善する傾向が確認された。
【0069】
試験例2:摩擦評価
[実施例2、比較例2]
ソフトコンタクトレンズ(製品名:プロクリアワンデー(オマフィルコンA(omafilconA))、米国食品医薬品局(FDA)基準によるソフトコンタクトレンズ分類:グループII、クーパービジョン社製)一枚を、リン酸緩衝生理食塩水(塩化ナトリウム:0.83w/v%、リン酸水素ナトリウム12水和物:0.5993w/v%、リン酸二水素ナトリウム2水和物:0.0528w/v%)ですすぎ、表面に付着した余分な液を拭き取った後に、下記の表2に示す処方の各眼科組成物(実施例2-1、2-2、比較例2-1、2-2、2-3、2-4、2-5)中に10秒間浸漬させた。その後、摩擦感テスター(Tribomaster TL201Ts、トリニティラボ社製)の接触子にソフトコンタクトレンズを接着させた。一方、生理食塩水に1時間浸漬した人工皮革を摩擦感テスターの移動テーブルに張り付け、人工皮革上に生理食塩水4mLを、接触子が移動しうる全面に充分に行き渡るように広げた。つぎに測定ユニットに20gの錘を装着した。ソフトコンタクトレンズを接着させた接触子を、測定ユニットに取り付け、1秒あたり100回、20秒間測定を行った。測定開始後5~20秒の測定結果から得られた動摩擦係数の平均値を算出し、その製剤の動摩擦係数(μk)とした。下記の式(3)にしたがい、下記の表2に示す対照例の動摩擦係数を基準として、他の動摩擦係数が低下した割合を算出し、摩擦低減率(%)とした。その結果を、下記の表2に併せて示す。また、縦軸を対照例に対する摩擦低減率(%)として、実施例2-1、2-2と、比較例2-1、2-2、2-3、2-4、2-5とを対比して示す棒グラフを作成し、図1に示す。
【0070】
[数3]
摩擦低減率(%)=(対照例の摩擦係数-各製剤例の動摩擦係数)/対照例の動摩擦係数×100 ……(3)
【0071】
【表2】
【0072】
表2の結果、および図1のグラフ図からわかるように、ゴマ油、ポリエチレングリコールをそれぞれ単独で含有する比較例2-2、比較例2-3は、対照例と比較して、殆ど摩擦を低減させる効果がないのに対して、ポリビニルピロリドンK90と、ポリエチレングリコールおよびゴマ油の少なくとも一方を組み合わせて含有した実施例2-1、2-2は、意外なことに、ポリビニルピロリドンK90を単独で含有した比較例2-1と比較して、摩擦低減率が顕著に向上することが確認された。一方、ポリビニルピロリドンK90の代わりにポリビニルピロリドンK25を用いた比較例2-4、2-5は、顕著な摩擦低減作用を示さなかった。
【0073】
試験例3:使用感評価I
[実施例3、比較例3]
後記の表3に示す処方(実施例3、比較例3)にしたがい、各眼科組成物を調製し、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL無菌充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着し、裸眼の被験者3名に、各眼科組成物を、左右の眼にそれぞれ1滴ずつ点眼させた。そして、下記の方法にしたがって、点眼後の使用感を項目ごとにVAS(Visual analog scale:視覚的評価スケール)によって評価させ、スコアの変化率を求めた。その結果を後記の表3に併せて示した。なお、試験は被験者の左右の目の状態に差がないことを確認した後に実施した。
【0074】
<使用感の評価>
100mmの線が引いてある自覚症状調査シート上に、点眼直後のべたつきが全く感じられない場合を0mm、べたつきをとても強く感じる場合を100mm、点眼10分後の滞留感を全く感じない場合を0mm、滞留感をとても強く感じる場合を100mmとして、被験者が感じた項目の程度のところに印を付けた。この長さ(mm)をVAS値とした。すなわち、べたつきに関してはVAS値が低いほど、べたつきの自覚スコアが低く、10分後の滞留感についてはVAS値が高いほど、滞留感の自覚スコアが高いことを表す。そして、VASの平均値を求め、下記の式(4)にしたがって、比較例3に対する実施例3のスコアの変化率を算出した。例えば、べたつき感の評価では、実施例3の方が比較例3よりもべたつき感が改善し、自覚スコアが低くなっているため、式(4)において、(実施例のスコアの平均値-比較例のスコアの平均値)の値が-(マイナス)となり、変化率(%)も-(マイナス)となる。なお、本発明において、「滞留感」とは、眼科組成物が目に留まっている感触をいい、滞留感が向上することは、所望の薬効や清涼感を持続させるために有効である。
【0075】
[数4]
スコアの変化率(%)=(実施例のスコアの平均値-対応する比較例のスコアの平均値)/対応する比較例のスコアの平均値×100 ……(4)
【0076】
【表3】
【0077】
上記表3の結果から、l-メントール、塩酸ポリヘキサニド、エデト酸ナトリウム等の存在下においては、(A)成分および(B)成分を組み合わせて使用した場合には、(A)成分のみを含む眼科組成物と比べて、点眼後の眼のべたつきが顕著に改善され、さらに、より点眼剤の滞留感が感じられるようになることが確認された。
【0078】
試験例4:使用感評価II
[実施例4、比較例4]
後記の表4に示す処方(実施例4、比較例4)にしたがい、各眼科組成物を調製し、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL無菌充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着し、裸眼の被験者3名に、各眼科組成物を、左右の眼にそれぞれ1滴ずつ点眼させた。そして、下記の方法にしたがって、点眼後の使用感を項目ごとにVAS(Visual analog scale:視覚的評価スケール)によって評価させ、スコアの変化率を求めた。その結果を後記の表4に併せて示した。なお、試験は被験者の左右の目の状態に差がないことを確認した後に実施した。
【0079】
<使用感の評価>
100mmの線が引いてある自覚症状調査シート上に、点眼10分後において、目のべたつきが全く感じられない場合を0mm、べたつきをとても強く感じる場合を100mm、目の乾きを感じない場合を0mm、目の乾きをとても強く感じる場合を100mmとして、被験者が感じた項目の程度のところに印を付けた。この長さ(mm)をVAS値とした。すなわち、べたつきに関してはVAS値が低いほど、べたつきの自覚スコアが低く、目の乾きについては、VAS値が低いほど、目の乾きの自覚スコアが低いということになる。そして、VASの平均値を求め、前記の式(4)にしたがって、比較例4に対する実施例の自覚スコアの変化率を算出した。
【0080】
【表4】
【0081】
表4の結果から、ポロクサマー407、塩酸ポリヘキサニド、エデト酸ナトリウム等の存在下においては、(A)成分および(B)成分を組み合わせて使用した場合には、(A)成分のみを含む眼科組成物と比べて、点眼後の眼のべたつきが顕著に改善し、さらに、目の乾きも顕著に改善されることが確認された。
【0082】
試験例5:使用感評価III
[実施例5、比較例5]
後記の表5に示す処方(実施例5、比較例5)にしたがい、各眼科組成物を調製し、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL無菌充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着し、裸眼の被験者3名に、各眼科組成物を、左右の眼にそれぞれ1滴ずつ点眼させた。そして、下記の方法にしたがって、点眼後の使用感を項目ごとにVAS(Visual analog scale:視覚的評価スケール)によって評価させ、スコアの変化率を求めた。その結果を後記の表5に併せて示した。なお、試験は被験者の左右の目の状態に差がないことを確認した後に実施した。
【0083】
<使用感の評価>
100mmの線が引いてある自覚症状調査シート上に、点眼直後において、べたつきが全く感じられない場合を0mm、とても強く感じる場合を100mm、霧視があり大変見づらい場合を0mm、霧視がなく見やすい場合を100mm、異物感が全く感じられない場合を0mm、とても強く感じる場合を100mm、コロコロする感じが全く感じられない場合を0mm、とても強く感じる場合を100mmとして、被験者が感じた項目の程度のところに印を付けた。この長さ(mm)をVAS値とした。すなわち、べたつきに関してはVAS値が低いほど、べたつきの自覚スコアが低く、見やすさ(霧視の起こりにくさ)ついては、VAS値が高いほど、見やすさの自覚スコアが高く、異物感、コロコロする感じについては、VAS値が低いほど、異物感、コロコロする感じの自覚スコアが低いということになる。そして、VASの平均値を求め、前記の式(4)にしたがって、比較例5に対する実施例の自覚スコアの変化率を算出した。
【0084】
【表5】
【0085】
表5の結果から、コンドロイチン硫酸ナトリウム、塩酸ポリヘキサニド、エデト酸ナトリウム等の存在下においては、(A)成分および(B)成分を組み合わせて使用した場合には、(A)成分のみを含む眼科組成物と比べて、点眼後の眼のべたつきが顕著に改善されることが確認された。さらに、霧視による見にくさ、異物感、コロコロする感じも顕著に改善されることが確認された。
【0086】
以下の表6~表11に、処方例1~28を示す。表6~表11における各成分量の単位は、全て「w/v%」である。
なお、処方例1~25の点眼剤をポリエチレンテレフタレート製容器に充填し、ポリエチレン製のノズルを装着したものを製剤例1~25とした。また、処方例1~25の点眼剤をポリエチレンテレフタレート製容器に充填し、ポリブチレンテレフタレート製のノズルを装着したものを製剤例26~50とした。さらに、処方例26の洗眼剤をポリエチレンテレフタレート製容器に充填したものを製剤例51とし、処方例27のコンタクトレンズ消毒・洗浄・保存液を高密度ポリエチレン製容器に充填したものを製剤例52、処方例28のコンタクトレンズ装着液をポリエチレンテレフタレート製容器に充填したものを製剤例53とした。そして、処方例27のコンタクトレンズ消毒・洗浄・保存液を、ポリプロピレン製容器に充填したものを製剤例54とし、ポリエチレンテレフタレート製容器に充填したものを製剤例55とした。
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】
【表10】
【0092】
【表11】
【0093】
以下の表12、表13にまたがって、処方例29~32の処方例を示し、後記の表14、表15にまたがって、処方例33~36の処方例を示す。表12~表15における各成分量の単位は、全て「w/v%」である。そして、処方例29~36の点眼剤を、ポリエチレンテレフタレート製容器に充填し、ポリエチレン製ノズルを装着したものを、製剤例56~63とした。また、処方例29~36の点眼剤を、ポリエチレンテレフタレート製容器に充填し、ポリブチレンテレフタレート製ノズルを装着したものを、製剤例64~71とした。
【0094】
【表12】
【0095】
【表13】
【0096】
【表14】
【0097】
【表15】
【0098】
なお、上記実施の形態においては、本発明における具体的な形態について示したが、上記実施の形態は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。当業者に明らかな様々な変形は、全て本発明の範囲内であることが企図されている。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、点眼後のべたつきが低減された、良好な使用感を有する眼科組成物として、広く利用することができる。また、瞬目時やコンタクトレン装用時における摩擦低減用の眼科組成物としても、広く利用することができる。
図1