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特開2022-172320ポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置、並びにポイントサイネージ装置組込収容具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172320
(43)【公開日】2022-11-15
(54)【発明の名称】ポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置、並びにポイントサイネージ装置組込収容具
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221108BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142157
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2020099227の分割
【原出願日】2020-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】520006735
【氏名又は名称】株式会社三鷹ホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】羽澤 学
(57)【要約】      (修正有)
【課題】広告効果を推定するための機能を有する新しいポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置並びにポイントサイネージ装置組込収容具を提供する。
【解決手段】ポイントサイネージ装置1は、情報表示部2と、メモリー部102と、情報制御部101と、情報を送受するインターフェース部105と、映像情報を取得する撮影部3と、を有する。情報制御部101に備えられる広告効果指標化部が、撮影部からの映像情報中の特定距離内に存在する人物に関する情報を抽出し、該情報より広告効果を指標化する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する情報表示部と、
前記情報表示部に表示されるべき情報を格納するメモリー部と、
現在位置を計測するGPS部と、
映像情報を取得する撮影部と、
前記撮影部が取得した映像情報中の人物を抽出するとともに、前記情報表示部から前記人物までの距離を観測し、前記抽出された人物のうち特定距離内に存在する人物映像情報を選択する認証部と、
前記認証部によって選択された人物映像情報から人物の概略性別判定、概略年代推定を行いかかる人物映像情報から選択された特定対象向けの広告情報、或いは前記GPS部によって得られた現在地に適合した情報、もしくは前記メモリー部から引き出された情報、のいずれかを前記情報表示部に表示するための制御を行う情報制御部と、
を有するポイントサイネージ装置と、
前記認証部によって選択された前記特定距離内人物に関する視聴者情報を抽出し、該視聴者情報より広告効果を指標化する広告効果指標化手段を備えた中央管理装置と
を有することを特徴とするポイントサイネージ効果指標化システム。
【請求項2】
前記ポイントサイネージ装置は情報を送信する送信部をさらに備え、
前記中央管理装置は、前記ポイントサイネージ装置から送信された情報を受信する受信部をさらに備え、
前記広告効果指標化手段は、前記送信部によって送信された前記映像情報から前記認証部によって選択された前記特定距離内人物に関する視聴者情報を抽出し、該視聴者情報より広告効果を指標化する、ことを特徴とする請求項1記載のポイントサイネージ効果指標化システム。
【請求項3】
情報を表示する情報表示部と、
前記情報表示部に表示されるべき情報を格納するメモリー部と、
現在位置を計測するGPS部と、
映像情報を取得する撮影部と、
前記撮影部が取得した映像情報中の人物を抽出するとともに、前記情報表示部から前記人物までの距離を観測し、前記抽出された人物のうち特定距離内に存在すると識別された人物映像情報を選択する認証部と、
前記認証部によって選択された人物映像情報から人物の概略性別判定、概略年代推定を行いかかる人物映像情報から選択された特定対象向けの広告情報、或いは前記GPS部によって得られた現在地に適合した情報、もしくは前記メモリー部から引き出された情報、のいずれかを前記情報表示部に表示するための制御を行う情報制御部と、
を有することを特徴とするポイントサイネージ装置。
【請求項4】
前記メモリー部は前記撮影部が取得した映像情報を記録することが可能である、請求項3記載のポイントサイネージ装置。
【請求項5】
前記撮影部が取得した映像情報を送信することが可能である送信部をさらに備える、請求項3記載のポイントサイネージ装置。
【請求項6】
前記認証部によって選択された前記特定距離内人物に関する視聴者情報を抽出し、前記視聴者情報より広告効果を指標化する広告効果指標化手段をさらに備えることを特徴とする請求項3記載のポイントサイネージ装置。
【請求項7】
前記広告効果指標化手段は、前記特定距離内人物に関する視聴者情報として、該特定距離内人物の個別存在情報及び/もしくは人数に関する情報を検出することを特徴とする請求項6記載のポイントサイネージ装置。
【請求項8】
前記広告効果指標化手段は、前記特定距離内人物に関する視聴者情報として、該特定距離内人物の正面方向を検出することを特徴とする請求項6もしくは7記載のポイントサイネージ装置。
【請求項9】
前記広告効果指標化手段は、前記特定距離内人物に関する視聴者情報として、該特定距離内人物の男女判別及び/もしくは年代推定を検出することを特徴とする請求項6乃至8のうちのいずれか1項記載のポイントサイネージ装置。
【請求項10】
前記広告効果指標化手段は、前記特定距離内人物に関する視聴者情報として、該特定距離内人物の瞳の位置を検出すること特徴とする請求項6乃至9のうちのいずれか1項記載のポイントサイネージ装置。
【請求項11】
前記広告効果指標化手段は、前記特定距離内人物に関する視聴者情報として、該特定距離内人物の視線方向を検出することを特徴とする請求項6乃至10のうちのいずれか1項記載のポイントサイネージ装置。
【請求項12】
前記広告効果指標化手段は、前記特定距離内人物に関する視聴者情報として、該特定距離内人物の瞳に映るサイネージ映像を検出することを特徴とする請求項6乃至11のうちのいずれか1項記載のポイントサイネージ装置。
【請求項13】
請求項6乃至12のうちのいずれか1項記載のポイントサイネージ装置において、無線送受信部をさらに有することを特徴とするポイントサイネージ装置。
【請求項14】
前記広告効果指標化手段においては、前記情報表示部が特定の地点において情報表示を行った場合に前記指標化に関連するポイントが加点されることを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項記載のポイントサイネージ装置。
【請求項15】
前記情報制御部は、前記情報表示部に仮想キャラクターを表示して、前記特定距離内人物に対して問い掛けを行うように制御し、該特定距離内人物の音声を含む反応を前記問い掛けと共に記録することを特徴とする請求項6乃至14のうちのいずれか1項記載のポイントサイネージ装置。
【請求項16】
前記仮想キャラクターとして都道府県もしくは地域別に設定された県別もしくは地域別アイドルが用いられることを特徴とする請求項15記載のポイントサイネージ装置。
【請求項17】
前記ポイントサイネージ装置の動作日時、動作位置、動作時間、動作時のサイネージ種別、前記特定距離内人物の男女別数、前記特定距離内人物の推定年代、前記特定距離内人物の情報表示部に正対する人物数、正対持続時間、正対する人物の視線方向持続時間、正対する人物の瞳中央持続時間、前記特定距離内人物の瞳中のサイネージ映像持続時間、ポイント数、音声記録、映像記録に係る情報のうち、いずれか3以上の情報を記録し、あるいは/及び、外部に送信することを特徴とする請求項6乃至16のうちのいずれか1項記載のポイントサイネージ装置。
【請求項18】
情報を表示する情報表示部、前記情報表示部に表示されるべき情報を格納するメモリー部、現在位置を計測するGPS部、前記情報表示部を視認できる側における映像情報を取得する撮影部、前記撮影部が取得した映像情報中の人物を抽出するとともに、前記情報表示部から前記人物までの距離を観測し、前記抽出された人物のうち特定距離内に存在すると識別された人物映像情報を選択する認証部、前記認証部によって選択された人物映像情報から人物の概略性別判定、概略年代推定を行いかかる人物映像情報から選択された特定対象向けの広告情報、或いは前記GPS部によって得られた現在地に適合した情報、もしくは前記メモリー部から引き出された情報、のいずれかを前記情報表示部に表示するための制御を行う情報制御部、を備えたポイントサイネージ装置と、
前記ポイントサイネージ装置と直接もしくは間接的に接続され前記ポイントサイネージ装置を可搬にするための可搬化補助機構と
を有することを特徴とするポイントサイネージ装置組込収容具。
【請求項19】
前記認証部によって選択された前記特定距離内人物に関する視聴者情報を抽出し、該視聴者情報より広告効果を指標化する広告効果指標化手段、前記撮影部が取得した映像情報を記録することが可能である映像情報記録手段、前記撮影部が取得した映像情報を送信することが可能である送信手段、のうちの少なくともいずれか一つを前記ポイントサイネージ装置にさらに備えたことを特徴とする請求項18記載のポイントサイネージ装置組込収容具。
【請求項20】
前記情報表示部を視認できる側と反対側における映像情報を取得する第2の撮影部をさらに備えたことを特徴とする請求項18もしくは19記載のポイントサイネージ装置組込収容具。
【請求項21】
前記第2の撮影部は前記可搬化補助機構に備えられたことを特徴とする請求項20記載のポイントサイネージ装置組込収容具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえばポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置、並びにポイントサイネージ装置組込収容具に係り、特に、電子広告看板(デジタルサイネージ)の広告効果を評価する機能を有するポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置、並びにポイントサイネージ装置組込収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージと称する電子広告看板が広く用いられている。液晶等の大型表示器の進歩により、デジタルサイネージは、ビルの屋外壁面や鉄道駅構内の壁面あるいは公共施設の大型柱にも採用・装着され、通行者に対して効果的であると思われる広告がデジタルサイネージによって行われている。さらに、デジタルサイネージは、広告ばかりでなく、公共施設内でのお知らせやキャンペーンにまでも広く用いられている。しかし、肝心の広告やお知らせが、実際にどのくらい通行者の注意を引いて広告効果が上がっているかは不明である。
【0003】
また、大型トラックの荷物台壁面にデジタルサイネージ装置を設置して、街中を走行中に広告宣伝を行っている例も多くみられるが、通行者の注意をどのくらい引くことができ、宣伝効果がどのくらい上がっているかを推測することは難しい。また、トラックが走行する地域に適合した広告形態にする必要がある。例えば東京新宿のような繁華街と郊外の住宅街とでは、それぞれの地域性を踏まえた別異の広告形態であってもよい。
【0004】
以上のような状況の中、これまでは、さまざまな関連する発明がなされてきた。たとえば、特許文献1においては、自家用車を広告媒体とする自動車用電子広告体およびサーバシステムが記載されている。ここでは、自動車用電子広告体は、車外に向けて情報を表示する車載表示器を備え、自車の位置に応じた広告を表示するとともに、表示履歴を記録することが記載されている。また、サーバシステムは、地域に応じた広告を記録し、自動車用電子広告体の位置の情報を受信してその位置情報に応じた広告を配信するとともに、表示履歴の情報を取得するとする技術思想が開示されている。
【0005】
また、特許文献2においては、移動可能なデジタルサイネージ装置が設置された場所に関する位置情報を適宜入手し、その場所に応じて表示させるコンテンツを設定するコンテンツ設定装置が記載されている。ここでは、デジタルサイネージ装置から時間毎に現在位置情報を受信し、受信した現在位置情報が関連付けられた地域にあると判定された場合に、表示すべきコンテンツをデジタルサイネージ装置に送信することが記載されている。デジタルサイネージ装置の現在地に適合した広告を行うという技術思想は開示されているものの、肝心の広告を見て欲しい対象(人間)に適合させた広告を行うという思想についての記述はなされていない。さらに、適合させた広告の効果を何らかの手段で推定するという思想も記述されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-211314号公報
【特許文献2】特開2016-143297号公報
【特許文献3】特許第6117954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、現在各種の広告用デジタルサイネージ装置が広く用いられているが、肝心の広告効果がどのくらいあるかという評価手段を有する装置に関する技術思想についての開示はなされていない。本発明は従来のこうした問題点を解決することを企図したもので、上記のような広告効果を推定するための機能を有する新しいポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置、並びにポイントサイネージ装置組込収容具の実現を課題とする。
【0008】
さらには、広告の効果を比較したり判定したりできるポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置、並びにポイントサイネージ装置組込収容具を提供することも課題とする。
【0009】
また、小型・可搬型ポイントサイネージ型装置であって、該装置が位置する地域、時間帯、周囲の対象人物に適合したサイネージ(広告)を表示するポイントサイネージ効果指標化システム、ポイントサイネージ装置、並びにポイントサイネージ装置組込収容具を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような課題を解決するために、本発明の一態様に係るポイントサイネージ効果指標化システムは、情報を表示する情報表示部と、前記情報表示部に表示されるべき情報を格納するメモリー部と、前記メモリー部から情報を取得して該取得された情報を前記情報表示部に表示するための制御を行う情報制御部と、情報を送受するインターフェース部と、映像情報を取得する撮影部と、を有するポイントサイネージ装置と、前記ポイントサイネージ装置の前記撮影部が取得した映像情報中の特定距離内に存在する人物に関する視聴者情報を抽出し、該視聴者情報より広告効果を指標化する広告効果指標化手段を備えた中央管理装置とを有して構成される。
【0011】
上記態様によれば、撮影部からの映像情報を含む各ポイントサイネージ装置が各種取得した情報が、たとえば可搬式記録媒体を介して中央管理装置に集積され、中央管理装置では、上述した広告効果指標化手段を機能させてバッチ処理で行うことができる。すなわち、たとえば大量のデータを処理して広告効果推定を一括して実行する場合や広告効果指標化手段にさらにAI(人工知能)機能を盛り込んで更なる活用を図る場合等に好適となる。
【0012】
本発明の第2の態様として、第1の態様において、前記ポイントサイネージ装置は情報を送信する送信部をさらに備え、前記中央管理装置は、前記ポイントサイネージ装置から送信された情報を受信する受信部をさらに備え、前記広告効果指標化手段は、前記送信部によって送信された前記映像情報から該映像情報中の特定距離内に存在する人物に関する視聴者情報を抽出し、該視聴者情報より広告効果を指標化するようにしてもよい。この態様によれば、中央管理装置にて広告効果の指標化作業をリアルタイムで行うことができることとなり、時間というファクターを盛り込んだうえでの広告効果指標化を一括集中的に行うことができる。
【0013】
また、上記のような課題を解決するために、本発明の第3の態様に係るポイントサイネージ装置は、情報を表示する情報表示部と、前記情報表示部に表示されるべき情報を格納するメモリー部と、前記メモリー部から情報を取得して該取得された情報を前記情報表示部に表示するための制御を行う情報制御部と、情報を送受するインターフェース部と、
映像情報を取得する撮影部とを有して構成される。
【0014】
上記態様によれば、各ポイントサイネージ装置は、中央管理装置で広告効果指標化機能が実行されるための基礎データを収集する機能を有することで、より簡易な機能構成で多量に同時並行的に作動させることができるから、ターゲットごとに異なる場所で同時並行的に広告効果指標化機能が実行されるための基礎データを大量に収集することができる。
【0015】
本発明の第4の態様として、第3の態様において、前記メモリー部は前記撮影部が取得した映像情報を記録することが可能であるようにしてもよい。
【0016】
本発明の第5の態様として、第3の態様において、前記撮影部が取得した映像情報を送信することが可能である送信部をさらに備えるようにしてもよい。
【0017】
本発明の第6の態様として、第3の態様において、前記撮影部が取得した映像情報中の特定距離内に存在する人物に関する視聴者情報を抽出し、該視聴者情報より広告効果を指標化する広告効果指標化手段をさらに備えるようにしてもよい。これにより、広告効果を表す指標(ポイント)が客観的に設定されることができ、このポイント得点により広告の効果を比較したり判定できる。このとき、従来の固定設置型のデジタルサイネージ装置に比較して小型の可搬型ポイントサイネージ型装置として、該装置が位置する地域、時間帯、周囲の対象人物に適合したサイネージ(広告)を表示することも可能となる。
【0018】
本発明の第7の態様として、第6の態様において、前記広告効果指標化手段は、前記人物に関する情報として、該人物の個別存在情報及び/もしくは人数に関する情報を検出するようにしてもよい。
【0019】
本発明の第8の態様として、第6もしくは第7の態様のうちのいずれかの態様において、前記広告効果指標化手段は、前記人物に関する情報として、該人物の正面方向を検出するようにしてもよい。
【0020】
本発明の第9の態様として、第6~第8の態様のうちのいずれかの態様において、前記広告効果指標化手段は、前記人物に関する情報として、該人物の男女判別及び/もしくは年代推定を検出するようにしてもよい。
【0021】
本発明の第10の態様として、第6~第9の態様のうちのいずれかの態様において、前記広告効果指標化手段は、前記人物に関する情報として、該人物の瞳の位置を検出するようにしてもよい。
【0022】
本発明の第11の態様として、第6~第10の態様のうちのいずれかの態様において、前記広告効果指標化手段は、前記人物に関する情報として、該人物の視線方向を検出するようにしてもよい。
【0023】
本発明の第12の態様として、第6~第11の態様のうちのいずれかの態様において、前記広告効果指標化手段は、前記人物に関する情報として、該人物の瞳に映るサイネージ映像を検出するようにしてもよい。
【0024】
本発明の第13の態様として、第6~第12の態様のうちのいずれかの態様において、さらに無線送受信装置を有するようにしてもよい。
【0025】
本発明の第14の態様として、第6~第13の態様のうちのいずれかの態様において、さらに全地球測位装置(GPS測位装置)を有するようにしてもよい。
【0026】
本発明の第15の態様として、第6~第14の態様のうちのいずれかの態様において、前記広告効果指標化手段においては、前記情報表示部が特定の地点において情報表示を行った場合に前記指標化に関連するポイントが加点されるようにしてもよい。
【0027】
本発明の第16の態様として、第6~第15の態様のうちのいずれかの態様において、前記情報制御部は、前記情報表示部に仮想キャラクターを表示して、前記人物に対して問い掛けを行うように制御し、該人物の音声を含む反応を前記問い掛けと共に記録するようにしてもよい。
【0028】
本発明の第17の態様として、第16の態様において、前記仮想キャラクターとして都道府県もしくは地域別に設定された県別もしくは地域別アイドルが用いられるようにしてもよい。
【0029】
本発明の第18の態様として、第3~第17の態様のうちのいずれかの態様において、前記ポイントサイネージの動作日時、動作位置、動作時間、動作時のサイネージ種別、識別人物の男女数、識別人物の推定年代、識別人物の情報表示部に正対する人物数、正対持続時間、正対する人物の瞳中央持続時間、識別人物の瞳中のサイネージ映像持続時間、音声記録、、映像記録に係る情報のうち、いずれか3以上の情報を記録し、あるいは/及び、外部に送信するようにしてもよい。
【0030】
上記のような課題を解決するために、本発明の第19の態様に係るポイントサイネージ装置組込収容具は、情報を表示する情報表示部、前記情報表示部に表示されるべき情報を格納するメモリー部、前記メモリー部から情報を取得して該取得された情報を前記情報表示部に表示するための制御を行う情報制御部、情報を送受するインターフェース部、前記情報表示部を視認できる側における映像情報を取得する撮影部、を備えたポイントサイネージ装置と、前記ポイントサイネージ装置と直接もしくは間接的に接続され前記ポイントサイネージ装置を可搬にするための可搬化補助機構とを有する。ここで、「ポイントサイネージ装置組込収容具」とは、ポイントサイネージ装置を、たとえばその表面/裏面/内面等にその一部として組み込むことの可能な収容具であり、ここで「収容具」とは、内部に何らかのものを収容することのできるものをいい、たとえば、バッグ(買い物バッグ、旅行バッグを含む)、鞄(業務用鞄、学生鞄を含む)、リュックサック、ナップサック、ポーチ(ウェストポーチ、ショルダーポーチを含む)、スーツケース等はこれに含まれる。「可搬化補助機構」とはポイントサイネージ装置が組み込まれた収容具を可搬/移動可能/持ち運び可能である状態にさせることに供する装備をいい、たとえば、バッグ等の場合には持ち手/ハンドル部、リュックサック等の場合には背負子(ベルト)、ポーチ等の場合には紐、チェーン、スーツケース等の場合にはハンドル部等によって実現されることができ、これらはすべて「可搬化補助機構」に含まれる。
【0031】
上記の構成を備えるポイントサイネージ装置組込収容具によれば、たとえば日常的な携行品であるバッグにポイントサイネージ装置を組込むことができるから、たとえば、職業的広告効果測定補助者だけでなく、学生を初めとする一時的広告効果測定補助者等であっても、本ポイントサイネージ装置を用いた広告効果測定補助作業や、(本ポイントサイネージ装置を企業・団体等の広告事業に活用する場合には)広告宣伝補助作業に容易に参加することが可能となる。しかも、収容具(たとえばバッグ)等にポイントサイネージ装置が組み込まれるので、殊更広告効果測定補助作業への参加を主目的とする場合はもちろん、そうでない場合にも、たとえば主目的である通学・通勤等の対象物を収容して移動する傍らで殊更広告効果測定補助作業への参加を補助的に行うことも可能となる。
【0032】
本発明の第20の態様として、第19の態様において、前記撮影部からの映像情報中の特定距離内に存在する人物に関する視聴者情報を抽出し、該視聴者情報より広告効果を指標化する広告効果指標化手段、前記撮影部が取得した映像情報を記録することが可能である映像情報記録手段、前記撮影部が取得した映像情報を送信することが可能である送信手段、のうちの少なくともいずれか一つを前記ポイントサイネージ装置にさらに備えるようにしてもよい。
【0033】
本発明の第21の態様として、第19もしくは第20の態様のうちのいずれかの態様において、前記情報表示部を視認できる側と反対側における映像情報を取得する第2の撮影部をさらに備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、ポイントサイネージ収容具(たとえばバッグ)携行者の(裏面に加えて)眼前の映像状況が得られるため、緊急災害時等において災害場所に携行して状況を発信報告することにも利用でき、事故や火災時の状況報告、犯罪の状況報告等、定点カメラでは捉えきらない映像情報の収集にも利用することができる。
【0034】
本発明の第22の態様として、第21の態様において、前記第2の撮影部は前記可搬化補助機構に備えられるようにしてもよい。かかる構成によれば、たとえば可搬化補助機構を構成する持ち手/ハンドル部、背負子(ベルト)部、紐、チェーン、ハンドル部等を、撮影を所望する方向に向けるだけで、事故や火災時の状況報告、犯罪の状況報告等の映像情報の収集が容易になる。
【発明の効果】
【0035】
従来の電子広告看板(デジタルサイネージ装置)は設置場所や時間帯によって広告内容を変化させるだけであったが、広告効果がどの位あったかを推定することができなかったところ、本発明の各態様によれば、後述するようないくつかの手段によって広告効果を推定し、それを指標化(ポイント)して評価することにより、商品企画、売上推定、最適な広告手段の予測に役立てることができるという効果がある。
【0036】
また、本発明の各態様によれば、ポイントサイネージ装置を可搬型としてまとめ、移動運用することにより、該装置が位置する地域、時間帯、周囲の対象人物に適合したサイネージ(広告)を表示することが可能となる。
【0037】
上記効果に加えて、本発明の態様に係るポイントサイネージ装置を従来の固定式のデジタルサイネージ装置に応用することにより、設置場所、サイネージ装置の周囲人物環境、時刻に適合した広告表示を行い、その広告効果を推定することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置の一実施例の概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置の一実施例のブロックダイヤグラムである。
図3】本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置の一実施例の情報処理フローチャート図である。
図4-1】本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置におけるポイント説明図である。
図4-2】本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置におけるポイント説明図である。
図4-3】本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置におけるポイント説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置におけるポイント説明図である。
図6】本発明の別の実施形態に係るポイントサイネージ効果指標化システムの全体構成を概念的に表した構成図である。
図7】本発明のまた別の実施形態に係るポイントサイネージ効果指標化システムの全体構成を概念的に表した構成図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態に係るポイントサイネージ効果指標化システムの全体構成を概念的に表した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を主略する箇所については公知技術によるものとする。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置を背負子式可搬型バッグ10にまとめた場合の外観図である。背負子(ベルト)7が付いたポイントサイネージ装置組込バッグ(以下、単に「バッグ」ともいう。)10を構成するポイントサイネージ装置1内部には、後述する情報制御部101、メモリー部102、認証部103、表示器駆動・前置処理部104、インターフェース部105、無線送受信部106、GPS装置部107、電源部109等の電子ユニットが収容される。バッグ1(ポイントサイネージ装置)背面には、平面状の情報表示部2、情報表示部2を視認できる側を撮影することのできるデジタルカメラのような撮影部3、マイク6、スピーカー4が、側面には(有線)インターフェース部5が、それぞれ設置されている。なお、撮影部3と略逆方向を指向する第2の撮影部8をオプションで設置し、バッグ本体1の前後を撮影可能としても良いが、この場合には、撮影部3は、たとえば情報表示部2に係る平面の主に略垂直方向を指向するものとすることができる。さらにこの場合、第2の撮影部8は、たとえば背負子上部に設置してもよい。バッグ1本体、情報表示部2、撮影部3、マイク6、スピーカー4、(有線)インターフェース部5、背負子(ベルト)7、が統合されてポイントサイネージ装置組込バッグ(以下、単に「ポイントサイネージバッグ」ともいう。)10が構成されている。
【0041】
情報表示部2は可撓特性を有するカラー表示器を有して構成されることが望ましい。デジタルカメラのような撮影部3は、情報表示部2が表示する映像面を認証部103にて認識できる範囲を超える視野角を有している。スピーカー4は情報表示部2に表示される広告に伴う歌や音楽あるいは広告説明に係る音声が表示器駆動・前置処理部104にて適宜処理されたものを発音する。なお、図1においては、デジタルサイネージの例として架空の「ABCシューズ」の広告を表示している場合が例示されている。
【0042】
(有線)インターフェース部5は、たとえばUSBコネクター等の有線接続にて広告映像情報を後述するメモリー部102に送り込んだり、情報制御部101の制御情報の送受信をしたりする場合のインターフェース機能を実行することができる。また、(有線)インターフェース部5を介して、リモートコントローラー108にて情報制御部101を制御することも可能である。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置1の機能構成を主に表すブロックダイヤグラムである。情報制御部101はメモリー部102に収容されているサイネージ(広告)情報を選択して引き出し、インターフェース部105と表示器駆動・前置処理部104とを介して情報表示部2に広告情報を表示する。上記のメモリー部102からの広告情報の引き出しは、時刻情報あるいはGPS装置107からの位置情報あるいは撮影部3からの映像情報を認証部103にて解析した結果によっても選択されて引き出される。引き出された映像情報は、インターフェース部105、表示器駆動・前置処理部104を介して情報表示部2に表示されるとともにスピーカー4から音声発生される。また、本ポイントサイネージバッグ10はマイク6を内蔵しており、後述するように、広告を見た通行人の言葉をマイク6を介して直に音声記録として収録することも可能である。これに加えて/もしくはこれと代替させて、上記映像情報を映像記録として収録することを可能としても良い。以上のマイク制御あるいは特別広告情報を表示する場合のためにリモートコントロールユニット(「リモートコントローラ」ともいう。)108をインターフェース部105に接続することができる。
【0044】
情報表示部2に示される広告情報は、メモリー部102に蓄えられているほかに、Wi-Fi(登録商標)あるいはブルートゥース(登録商標)により無線送受信部106を介して受信、表示することも可能である。さらに応用としては、ポイントサイネージ装置1の現在地をGPS装置107で計測し、無線送受信部106から外部に送信し、現在地に適合した広告情報を受信して広告表示することも可能である。
【0045】
なお、デジタルカメラのような撮影部3の視野中心線は、図4-1に示すように情報表示部2の中心垂線に平行であり、撮影部3の視野角は、情報表示部2の映像が認識できる角度範囲θに略相当している。
【0046】
次に、このように構成されるポイントサイネージ装置1ないしはポイントサイネージバッグ10の動作について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置1もしくはポイントサイネージバッグ10に係る動作を説明するための情報フローチャートの概略図である。図3におけるスタート時点は、本発明のポイントサイネージ装置に電源109から電源が加えられ、任意のスタート映像が情報表示部2に表示され、撮影部3からの映像情報が情報制御部101に入力された時点である(ステップS101)。
【0047】
前述したように、撮影部3からの映像情報には周囲の人物のほかに周囲に存在する構造物等の映像情報が含まれるが、まず、認証部103は、その中から広告の対象となる人物(人間)のみ識別をして抽出する(ステップS102)。現在、デジタルカメラの性能は飛躍的に向上したため、こうした映像情報処理はほぼ確立されており、複合映像中から人物を識別、抽出する詳細処理方法については従来技術を採用することができる。したがって、その詳細な説明については記載を省略する。人物抽出と同時に、認証部103は情報表示部2からその人物までの距離を観測し、特定の距離R内の人物映像情報のみを選択抽出する(ステップS103)。
【0048】
次に、情報制御部101は、抽出された特定距離内の人物映像情報の概略性別判定、概略年代推定を行う(ステップS104)。かかるプロセスの次からはサイネージ(広告)選択のステップに入る。まず、特定対象向けの広告とするかが選択される(ステップS105)。かかる選択はシステム的に行われるが、一部人為的に選択されるようにしてもよい。かかる選択がシステム的に行われる場合、すなわち、情報制御部101の自動選択あるいはインターフェース部105よりのコントロール信号により特定対象向け(例えば若い女性向き)であることが選択された場合は、情報制御部101は例えば上記人物情報の結果から若い女性向きの広告を選択表示する(ステップS106)。
【0049】
一方、特定対象向けが選択されていない場合(ステップS105で「N」)は、ポイントサイネージ装置1が位置している場所に適合する広告にするか否かが選択される(ステップS107)。場所選択がなされた場合(ステップS107で「Y」)は、GPS装置107により現在位置が判明しているので、情報制御部101は当該場所に適合する広告を選択して表示する(ステップS108)。例えば、現在地が秋葉原であれば、情報制御部101は、若い男性向きの広告を選択して情報表示部2に表示する(ステップS108)。特定対象向けも現在地向きも選択されていない場合(ステップS107で「N」)は、情報制御部101は既定の広告を表示する(ステップS109、S110)。
【0050】
以上のような手順により、いずれかの広告が情報表示部2に表示され(ステップS110)、次のステップとして後述する広告効果の推定を行い(ステップS111)、推定結果のリストを作成し、及び/もしくは、記録する(ステップS112)が、必要に応じて無線送受信部106により外部にリストを送信することも可能である。
【0051】
上記広告効果推定にはいろいろな方法があるが、図4-1~図4-3には、本発明の一実施形態に係る3つの代表的な効果推定方法を示す。図4-1は、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージバッグ10の情報表示部2が視認できる視野θ及び距離R内に人物が存在する場合を示した概念的斜視図である。認証部103は、視野θ及び距離R内に存在する人物を識別し、情報制御部101はこれを受けてそれぞれの人物が広告を視認したと仮定して、ある単位時間内の人数(図4-1の場合は3名)を広告効果の指標(ポイント)として記録する。併せて、本ポイントサイネージバッグ10が稼動した日時、場所、サイネージ種別(どのような広告表示を行ったか)に関する情報を記録することができるようにすることが望ましい。
【0052】
図4-2は、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージバッグ10が、図4-1における場合の態様に加えて、さらに人物の向きを検出する場合を示した概念的斜視図である。ポイントサイネージバッグ10の情報制御部101は、情報表示部2に正対する向きの人物は広告を見ている可能性が高いとして、単位時間内の正対人数を広告効果のポイントとして記録する。この場合は図4-1と同様に、正対人数、日時、場所、サイネージ種別、さらには正対した人物の男女別、推定年代、を記録することが望ましい。図4-2の例では斜線表示した2名の人物が広告を見ていた可能性があるとしてポイントに加えることとなる。
【0053】
図4-3は、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージバッグ10が、図4-1及び/もしくは図4-2における場合の態様に加えて、人物の眼の瞳を検出する場合を示した概念的斜視図である。ポイントサイネージバッグ10の情報制御部101は、認証部103が検出した人物の瞳の位置が目の中央にあれば、高い確率で広告画面を認めているはずであるから、この瞳9に係る位置が留まっている時間を広告効果のポイントとする。また、瞳9検出で最も良いと思われるのは、瞳9中に映った広告映像の検出である。例えば、広告映像としてアイドルが赤い服を着て踊っている広告とすれば、瞳9中の映像がはっきりしなくとも、瞳9中に赤い色が映っていたり、アイドルの動きに伴い瞳9中の映像が移動すれば確実に広告を見ていることが判明する。こうした点に鑑みた場合には、この瞳9中の映像残存時間は、情報制御部101が算定する最も確実な広告効果ポイントとなり得る。この場合の記録としては、瞳9中の映像停留時間、日時、場所、サイネージ種別に係る各情報を記録することが望ましい。
【0054】
上記では、図4-3について人物の位置や瞳中の映像によって、人物の視線が広告映像に指向している態様を例に本願に係る技術思想について説明したが、近年人の視線視線検出方法は非常に進歩し、各種手法によって視線検出が行われている。本願に係る技術思想に用いるものとしては図4-3の方法に限られることはなく、上述した最新の方法によって視線検出を行い、本ポイントサイネージ装置に応用し、視線滞留時間をポイントとするものであってもよく、これらは全て本発明の技術思想に含まれるものである。
【0055】
なお、上記3例の広告効果指標(ポイント)によって広告効果を高める一方、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置を図1のごとく可搬型にまとめることにより、市中に持ち歩いて広告宣伝をすることが可能になり、上記の広告指標を効率的に集めることができる。さらには、広告を見た通行人から「素敵な靴ですね!」、あるいは「どこで売っているのですか?」等の直接的な広告効果反応を、マイク6によって音声記録を収集することも、及び/もしくは、映像情報を映像記録として収録することも可能であり、この音声記録及び/もしくは映像記録も広告効果の重要な指標とすることができる。
【0056】
上記の機能をさらに発展させ、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置のスピーカーから通行者に問いかけを行い、通行者からの返答を録音することも可能である。すなわち、ポイントサイネージ装置が広告表示を行った後、仮想のキャラクター(宣伝員)を表示し、そのキャラクターが例えば「今、広告したスニーカーは何色が好きですか?」あるいは「購入したいですか?」等、広告主が知りたい情報を問いかけ、通行者からの返答を録音(宣伝効果情報となる)することができる。上記キャラクターとして本発明者が発明した特許文献3に記載する県別コレクションのアイドルを用いればより効果的である。
【0057】
今までのデジタルサイネージ装置においては、効果的と思われる地点や時間帯に広告を行うというパッシブ型の広告であったが、本発明の一実施形態に係るポイントサイネーシ装置を可搬型とすることによれば、かかる可搬型ポイントサイネーシ装置を携行した者(以下、「携行者」ともいう。)が通行者の多い繁華街等で歩きながら広告を行うことにより今までに無いポジティブ型の広告を行うことができる。なお、本装置の広告情報の切り替え、音量調整等は無線あるいはインターフェース部を介して優先コントロールすることは通常的技術、従来技術によって実現することが可能である。
【0058】
さらに、通行者の性別概略年代推定機能により、図5に示す如く、「そこの赤いドレスのお嬢さん、こんにちは」とか「今このスニーカーを購入すると20%オフになりますよ。」、あるいは「どんな色のスニーカーがお好きですか?」等を通行者に宣伝したり問いかけを行ったりし、それらに対する返答により、今後のより適合した販売宣伝にも拡張利用することができる。従来のサイネージによる広告は、サイネージ装置の前を通行する通行者に広告を行うだけの一方向的(一方通行的)な広告媒体であった。しかし、上記問いかけ機能により、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置は、広告を見た通行者が発した広告に対する感想ばかりか要望や苦情についての情報を収集することができるという、全く新しい双方向的広告媒体の出現であると言える。
【0059】
本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置を用いれば、広告を表示する一方、その広告の効果をいくつかの手法によって推定することができる。これらの効果をポイントとして指標化することが可能なため、本発明の名称をポイントサイネージ装置と名付けたものである。屋外における広告媒体として、バスやトラック、乗用車等の移動体を用い、車体の外部等に広告を表示しながら移動することが広く行われている。また、近年広く普及してきたデジタルサイネージの技術を用い、広告媒体が移動することを活かして、走行地域や位置等に応じた広告を表示することも行われている。
【0060】
本発明の技術思想としては、さらに、特定のチエックポイント(地点)において広告を行うことによりポイント(広告効果指標)が加点される機能を持たせることができる。該機能により、ポケモン・ゴー(登録商標)で知られるようなゲーム感覚を持たせることができ、広告実行者は広告主の希望する地点を探しながら楽しく広告実行を行うことができる。これにより、広告・宣伝の訴求効果はさらに倍増・深化する。
【0061】
例えば、特開2002-211314号公報(特許文献1)には、自家用車を広告媒体とする自動車用電子広告体およびサーバシステムが記載されている。ここでは、自動車用電子広告体は、車外に向けて情報を表示する車載表示器を備え、自車の位置に応じた広告を表示するとともに、表示履歴を記録することが記載されている。また、サーバシステムは、地域に応じた広告を記録し、自動車用電子広告体の位置の情報を受信してその位置情報に応じた広告を配信するとともに、表示履歴の情報を取得することが記載されている。
【0062】
また、特開2016-143297号公報(特許文献2)には、移動可能なデジタルサイネージ装置が設置された場所を適宜入手し、その場所に応じて表示させるコンテンツを設定するコンテンツ設定装置が記載されている。ここでは、デジタルサイネージ装置から時間毎に現在位置情報を受信し、受信した現在位置情報が関連付けられた地域にあると判定された場合に、表示すべきコンテンツをデジタルサイネージ装置に送信することが記載されている。
【0063】
以上、説明してきたように、本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置を用いれば、大変効率よく広告宣伝等を行うことが可能となり、さらにその広告効果をいくつかの指標で表すことが可能となる。
【0064】
本願に係る技術思想は、上述した実施形態に限られることなく、さまざまな拡大、縮小、代替、追加等が可能であり、これらはすべて本願に係る技術思想に包含される。たとえば、広告効果推定機能を実現する一態様として、上記では、撮影部3からの映像情報を認証部103にて解析し、これを基に、ポイントサイネージ装置1に備えられた情報制御部101にて広告効果ポイントを算定する場合、すなわち撮影部3、認証部103からの情報を基にして、情報制御部101が一つの機能体としての広告効果指標化部(図示しない)を構成する態様を一例として詳述したが、広告効果ポイント算定機能を実現するための部分である広告効果指標化部を、各端末(ポイントサイネージ装置)に担わせるのに換えて或いは追加して、管理サーバ装置に担わせるような態様にしてもよい。或いは、上記に換えて、撮影部3からの映像情報を認証部103にて認証し、その解析機能は広告効果指標化部が担うような態様としてもよい。これらはすべて本願の技術思想に包摂される。
【0065】
図6は、本発明の別の実施形態に係るポイントサイネージ効果指標化システムの全体構成を概念的に表した構成図である。同図に示されるように、上記形態のポイントサイネージ装置1(ただし、ポイントサイネージ装置1が有している情報制御部101は広告効果ポイント算定機能を実現するための部分である広告効果指標化部を有していても有していなくてもよい)が複数稼働される中で、各ポイントサイネージ装置1が、広告効果指標化部が備えられる管理サーバ装置200と無線通信を介して接続されている。この態様における作用・動作を次に説明する。各ポイントサイネージ装置1において、撮影部3からの映像情報及びマイク6からの音声情報を含む各ポイントサイネージ装置1が各種取得した情報が、無線送受信部106を介して、リアルタイムでもしくは一定時間間隔ごとに、管理サーバ装置200に送信される。これを受信する管理サーバ装置200において、上述した広告効果推定機能が実行される。この場合には、管理サーバ装置にて上記推定を含む情報処理を集中して行うことができ、また、ポイントサイネージ装置1及びポイントサイネージ装置組込バッグ10の機能装備を軽減することができる。リアルタイムで行う場合には後述の効果を得ることができる。
【0066】
図7は、本発明のまた別の実施形態に係るポイントサイネージ効果指標化システムの全体構成を概念的に表した構成図である。同図に示されるように、上記形態のポイントサイネージ装置1(ただし、ポイントサイネージ装置1が有している情報制御部101は広告効果ポイント算定機能を有していても有していなくてもよい)が複数稼働される中で、各ポイントサイネージ装置1が、広告効果指標化部が備えられる管理サーバ装置200とネットワークNWを介して接続されている。この態様における作用・動作を次に説明する。各ポイントサイネージ装置1において、撮影部3からの映像情報及びマイク6からの音声情報を含む各ポイントサイネージ装置1が各種取得した情報が、ネットワークNWを介して管理サーバ装置200に送信される。これを受信する管理サーバ装置200において、上述した広告効果推定機能が実行される。この場合には、管理サーバ装置にて上記推定を含む情報処理をリアルタイムで集中して行うことができるから、即時的マーケティング機能を実現すること、すなわち、いかなる層がいかなる商品に対してどの程度の関心を持つかを即時的に把握し、これをもとに広告宣伝内容を換えたり、ターゲットを変更したりすることでよりマーケティング的効果を発現させるような新たな機能、を実現することができる。こうした新たな機能の実現にはAI(人工知能)機能を活用しても、すなわち広告効果指標化部がAI部(図示しない)を装備してもよい。また、ポイントサイネージ装置1及びポイントサイネージ装置組込バッグ10の機能装備を軽減することができる。
【0067】
図8は、本発明のさらに別の実施形態に係るポイントサイネージ効果指標化システムの全体構成を概念的に表した構成図である。同図に示されるように、上記形態のポイントサイネージ装置1(ただし、ポイントサイネージ装置1が有している情報制御部101は広告効果ポイント算定機能を有していても有していなくてもよい)が複数稼働される中で、各ポイントサイネージ装置1と、広告効果指標化部が備えられる管理サーバ装置200とは特に接続されていてもいなくてもよい。各ポイントサイネージ装置1のメモリー部102には、撮影部3からの映像情報及びマイク6からの音声情報を含む各ポイントサイネージ装置1が各種取得した情報が格納される。このメモリー部102に格納された情報は可搬式記録媒体Mにて吸い上げることが可能である。この態様における作用・動作を次に説明する。各ポイントサイネージ装置1において、撮影部3からの映像情報及びマイク6からの音声情報を含む各ポイントサイネージ装置1が各種取得した情報が、可搬式記録媒体Mを介して管理サーバ装置200に集積される。こうして各ポイントサイネージ装置1からの情報が集積されると管理サーバ装置200において、上述した広告効果推定機能が一括して、すなわちバッチ処理的に、実行される。この大量のデータ処理を行う場合に好適であり、たとえばAI(人工知能)機能を活用してさらなるマーケティング的展開を技術的に図る場合により好適である。
【0068】
本発明の態様の別の利用として、撮影部と逆方向を指向する第2撮影部をたとえば背負子(ベルト)部に設けた形態によれば、ポイントサイネージバッグ携行者の前後の映像状況が得られるため、上記のような緊急災害時等には災害場所に携行して状況を発信報告することにも利用できる。同様に、事故や火災時の状況報告、犯罪の状況報告等、定点カメラでは捉えきらない映像情報の収集にも利用することができる。さらにこれらの映像情報を映像記録として別途記録媒体に保存することを可能としても良い。この場合には、たとえば何らかの犯罪等の異常事態の発生後にかかる記録から重要な手掛かりをつかむ作業に資することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の一実施形態に係るポイントサイネージ装置は、従来の固定デジタルサイネージ装置のような待ち受け型広告媒体ではなく、可搬型の特性を生かして積極的に移動広告を行い、同時にその広告効果を指標化できるという新しい積極的広告機能を有している。この特性を生かし、従来の広告宣伝方法をより効率的に改善し、新しい広告宣伝ビジネスの形態を生み出す可能性があり、さらには公共機関のお知らせや、通達等への応用にも発展する可能性がある。
【0070】
また、一般的な広告ばかりでなく、災害時の緊急通報や、ポイントサイネージ装置の位置検出機能を生かし、装置が存在する地域の緊急避難場所の表示や緊急避難経路の表示等、災害時の救助活動の有効な装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1…ポイントサイネージ装置、2…情報表示部、3…撮影部、4…スピーカー、5…有線インターフェース部、6…マイク、7…背負子(ベルト)、8…第2撮影部、9…瞳、10…ポイントサイネージ装置組込バッグ(ポイントサイネージバッグ)、101…情報制御部、102…メモリー部、103…認証部、104…前置処理部、105…インターフェース部、106…無線送受信部、107…GPS装置、108…リモートコントローラー、109…電源、200…管理サーバ装置、NW…ネットワーク、M…可搬式記録媒体
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5
図6
図7
図8