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特開2022-1723552つのDFTプリコーディング段を用いるSC-FDMAのための送信方式
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172355
(43)【公開日】2022-11-15
(54)【発明の名称】2つのDFTプリコーディング段を用いるSC-FDMAのための送信方式
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
H04L27/26 311
H04L27/26 313
H04L27/26 113
H04L27/26 114
H04L27/26 411
H04L27/26 412
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143651
(22)【出願日】2022-09-09
(62)【分割の表示】P 2017538965の分割
【原出願日】2016-01-22
(31)【優先権主張番号】14/971,624
(32)【優先日】2015-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/107,038
(32)【優先日】2015-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ジューン チュル ロー
(72)【発明者】
【氏名】ピエール バートランド
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ヤオ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の離散フーリエ変換(DFT)プリコーディング段を使用可能な単一キャリア周波数ドメイン多重アクセス(SC-FDMA)送信方法を提供する。
【解決手段】ベースバンドトランスミッタは、データ信号を受信、巡回冗長検査(CRC)ブロックを付加500、フォワード誤り補正(FEC)502、スクランブル504、記号マッピング506、シリアル-パラレル変換508を行い、第1及び第2のデータストリームを分割出力する。第1及び第2のデータストリームは、それぞれ正の整数であるNDFT0、NDFT1サイズを有するDFT510及びDFT511により第1及び第2の周波数ドメインデータストリームに変換され、それぞれサブキャリアにマッピング512後、逆離散フーリエ変換514、パラレル-シリアル変換516、巡回プレフィックス付加528を経て、時間スロットデータ530を出力する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムを動作させる方法であって、
第1のデータストリームを受信すること、
DFT0サイズを有する離散フーリエ変換(DFT)により前記第1のデータストリームを第1の周波数ドメインデータストリームに変換することであって、NDFT0が正の整数であること、
前記第1のデータストリームと並列に第2のデータストリームを受信すること、
DFT1サイズを有するDFTにより前記第2のデータストリームを第2の周波数ドメインデータストリームに変換することであって、NDFT1が正の整数であること、及び
前記第1及び第2の周波数ドメインデータストリームをそれぞれのサブキャリアにマッピングすること、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1及び第2の周波数ドメインデータストリームを他の物理的チャネルデータと共にそれぞれのサブキャリアにマッピングすることを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
NFFTサイズを有する逆高速フーリエ変換により前記それぞれのサブキャリアを時間ドメインデータストリームに変換することを含み、NFFTが、NDFT0及びNDFT1の和より大きいか又はそれに等しい、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
巡回プレフィックスを前記時間ドメインデータストリームに付加することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
入力データストリームを受信すること、
フォワード誤り補正符号(FEC)符号化データストリームを生成するため、FECで前記入力データストリームを符号化すること、
前記FEC符号化データストリームを複数のデータ記号にマッピングすること、及び
前記複数のデータ記号から前記第1及び第2のデータストリームを生成すること、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、
マッピングする前記工程の前に、前記FEC符号化データストリームをスクランブルすることを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
未使用サブキャリアの数を最小化するようにNDFT0及びNDFT1を選択することを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
第1の入力データストリームを受信すること、
第1のフォワード誤り補正符号(FEC)符号化データストリームを生成するため、第1のFECで前記第1の入力データストリームを符号化すること、
前記第1のFEC符号化データストリームを第1の複数のデータ記号にマッピングすること、
前記第1の複数のデータ記号から前記第1のデータストリームを生成すること、
前記第1の入力データストリームと並列に第2の入力データストリームを受信すること、
第2のフォワード誤り補正符号(FEC)符号化データストリームを生成するため、第
2のFECで前記第2の入力データストリームを符号化すること、
前記第2のFEC符号化データストリームを第2の複数のデータ記号にマッピングすること、及び
前記第2の複数のデータ記号から前記第2のデータストリームを生成すること、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記第1のFEC符号化データストリームをマッピングする前記工程の前に前記第1のFEC符号化データストリームをスクランブルすること、及び
前記第2のFEC符号化データストリームをマッピングする前記工程の前に前記第2のFEC符号化データストリームをスクランブルすること、
を含む、方法。
【請求項10】
通信システムを動作させる方法であって、
データストリームの第1及び第2の部分を並列に受信すること、
サイズNDFT0を有する逆離散フーリエ変換(IDFT)により前記第1の部分を第1の時間ドメインデータストリームに変換することであって、NDFT0が正の整数であること、及び
サイズNDFT1を有するIDFTにより前記第2の部分を第2の時間ドメインデータストリームに変換することであって、NDFT1が正の整数であること、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
サイズNFFTを有する高速フーリエ変換(FFT)によりサブキャリアのパラレルストリームを生成することであって、NFFTが、正の整数であり、NFFTがNDFT0及びNDFT1の和より大きいか又はそれに等しいこと、及び
前記第1及び第2の部分を生成するため、前記サブキャリアをデマッピング及び等化すること、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
NFFTがNDFT0及びNDFT1の和より大きい、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、
シリアルデータストリームを生成するため、前記第1及び第2の時間ドメインデータストリームの記号をデマッピングすること、
前記シリアルデータストリームのフォワード誤り補正符号(FEC)をデコードすること、及び
前記デコードされたシリアルデータストリームに対して巡回冗長検査を実施すること、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記デコードする工程の前に前記シリアルデータストリームをデスクランブルすることを含む、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、
データストリームの第1及び第2の部分を受信する前記工程の前に巡回プレフィックスを取り除くことを含む、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法であって、
第1のシリアルデータストリームを生成するため、前記第1の時間ドメインデータストリームの記号をデマッピングすること、
前記第1のシリアルデータストリームのフォワード誤り補正符号(FEC)をデコードすること、
前記デコードされた第1のシリアルデータストリームに対して巡回冗長検査を実施すること、
第2のシリアルデータストリームを生成するため、前記第2の時間ドメインデータストリームの記号をデマッピングすること、
前記第2のシリアルデータストリームのフォワード誤り補正コード(FEC)をデコードすること、及び
前記デコードされた第2のシリアルデータストリームに対して巡回冗長検査を実施すること、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記第1のシリアルデータストリームのFECをデコードする前記工程の前に前記第1のシリアルデータストリームをデスクランブルすること、及び
前記第2のシリアルデータストリームのFECをデコードする前記工程の前に前記第2のシリアルデータストリームをデスクランブルすること、
を含む、方法。
【請求項18】
通信システムを動作させる方法であって、
第1のデータストリームを第1の一連の直交振幅変調(QAM)記号にマッピングすること、
第1の擬似ランダムノイズ(PN)シーケンスを生成すること、
前記第1のPNシーケンスの複数のビットを第1の位相パイロット記号にマッピングすること、
前記第1の位相パイロット記号を前記第1の一連のQAM記号に挿入すること、
挿入する前記工程の後、NDFT0サイズを有する離散フーリエ変換(DFT)により前記第1のデータストリームを第1の周波数ドメインデータストリームに変換することであって、NDFT0が正の整数であること、
前記第1の周波数ドメインデータストリームをそれぞれの第1のサブキャリアにマッピングすること、及び
サイズNFFTを有する逆離散フーリエ変換(IDFT)により前記それぞれの第1のサブキャリアを第1の時間ドメインデータストリームに変換することであって、NFFTが正の整数であること、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
遠隔ユニット(RU)インデックス、コードワードインデックス、セル識別、及びダウンリンク(DL)又はアップリンク(UL)インデックスの少なくとも一つに応答して、前記第1のPNシーケンスを生成することを含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
第2のデータストリームを第2の一連のQAM記号にマッピングすること、
第2の擬似ランダムノイズPNシーケンスを生成すること、
前記第2のPNシーケンスの複数のビットを第2の位相パイロット記号にマッピングすること、
前記第2の位相パイロット記号を前記第2の一連のQAM記号に挿入すること、
DFT1サイズを有する離散フーリエ変換(DFT)により前記第2のデータストリームを第2の周波数ドメインデータストリームに変換することであって、NDFT1が正の整数であること、及び
前記第2の周波数ドメインデータストリームをそれぞれの第2のサブキャリアにマッピングすること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概してワイヤレス通信システムに関し、更に特定して言えば、複数のDFTプリコーディング段を用いる単一キャリア周波数ドメイン多重アクセス(SC-FDMA)システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
セルラーネットワークにおいてデータ需要がますます増大しており、マクロセルにより典型的にサービスされるユーザーの数よりも少ないユーザー数へのロングタームエボリューション(LTE)接続性を提供するスモールセルの配備につながってきている。これにより、より大きな送信/受信リソース機会をユーザーに提供することだけでなく、マクロネットワークの負荷を軽減することの両方が可能となる。スモールセルの無線アクセスネットワーク(RAN)の技術的課題は、3GPPリリース10~12を通してかなりの標準化の取り組みの焦点となってきている。これは、特に、灯柱、道路標識、バス待合所、及び交通信号など、スモールセルサイトの非従来的なロケーションに起因する野外のスモールセル配備では、技術的に困難な課題である。
【0003】
E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)としても知られているLTEワイヤレスアクセス技術は、3GPPワーキンググループにより標準化された。直交周波数分割多元接続(OFDMA)及びSC-FDMA方式が、それぞれ、E‐UTRANのダウンリンク(DL)及びアップリンク(UL)に対して選択された。ユーザー機器(UE)が、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)及び物理的アップリンク制御チャネル(PUCCH)上で時間及び周波数多重化され、UE間の時間及び周波数同期が、最適なセル間直交性を保証する。LTEエアインタフェースは、最良のスペクトル効率と、最近のセルラーネットワーク規格のコストトレードオフとを提供するので、無線アクセスネットワーク(RAN)のための固有の4G技術としてオペレータによって広く採用されており、それを、ロバスト且つ実証済みの技術にしてきた。RANトポロジーにおける傾向が、旧来のマクロセルの近辺にスモールセルを付加することによりセル密度を増加させることであるので、関連するバックホールリンク密度がそれに応じて増加し、また、RANとバックホールワイヤレスチャネルとの違いが減少する。いくつかの特殊な問題は、10-6のパケット誤り率(PER)を備える高信頼性のための要件や、スパースなスペクトル利用可能性、クリティカルレイテンシ、コスト、緩和されたピーク対平均電力比(PAPR)など、スモールセルサイトに関連付けられる。また、ハンドオーバーがなく、遠隔ユニットがユーザー機器(UE)と同じレートで接続及び接続解除せず、NLOS(Non-Line-Of-Sight)遠隔ユニット(RU)及びスモールセルサイトがモバイルでない点で、スモールセルサイトの挙動はRANと異なる。
【0004】
スモールセルトポロジーにおける先行する改善は、データスループットにおけるかなりの改善を提供してきているが、更なる改善が可能である。
【発明の概要】
【0005】
第1の実施形態において、ワイヤレス通信システムを動作させる方法が、第1のデータストリームを受信すること、及びNDFT0サイズを有する離散フーリエ変換(DFT)によりそれを第1の周波数ドメインデータストリームに変換することを含み、NDFT0は正の整数である。この方法は更に、第1のデータストリームと並列に第2のデータストリームを受信することを含む。第2のデータストリームは、NDFT1サイズを有するDFTにより第2の周波数ドメインデータストリームに変換され、NDFT1は正の整数である。第1及び第2の周波数ドメインデータストリームは、それぞれのサブキャリアにマッピングされる。
【0006】
第2の実施形態において、ワイヤレス通信システムを動作させる方法が、第1及び第2の部分を有するパラレルデータストリームを受信することを含む。第1の部分は、サイズNDFT0を有する逆離散フーリエ変換(IDFT)により第1の時間ドメインデータストリームに変換され、NDFT0は正の整数である。第2の部分は、サイズNDFT1を有するIDFTにより第2の時間ドメインデータストリームに変換され、NDFT1は正の整数である。
【0007】
第3の実施形態において、ワイヤレス通信システムを動作させる方法が、フォワード誤り補正(FEC)符号化データを生成するため、FECコードでシリアルデータストリームを符号化することを含む。FEC符号化データは、一連の記号にマッピングされる。この一連の記号に、位相パイロット記号が挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スモールセルと複数のユーザー機器(UE)との間の通信を中継する遠隔ユニット(RU)をサーブするバックホールポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ハブユニット(HU)をホストするセルラーマクロサイトを備えるワイヤレス通信システムの図である。
【0009】
図2】フレーム構成のサブセットの図である。
【0010】
図3】従来のベースバンドトランスミッタの図である。
【0011】
図4】50個の所定の離散フーリエ変換(DFT)又は逆離散フーリエ変換(IDFT)サイズ、及びそれらの対応するインデックスを示す表である。
【0012】
図5A】2つの個別のDFTプリコーディング段を有するベースバンドトランスミッタの図である。
【0013】
図5B】2つの個別のIDFTデコード段を有するベースバンドレシーバーの図である。
【0014】
図6A】5MHzのシステム帯域幅のための所定のDFT/IDFTサイズを示す表である。
図6B】10MHzのシステム帯域幅のための所定のDFT/IDFTサイズを示す表である。
図6C】15MHzのシステム帯域幅のための所定のDFT/IDFTサイズを示す表である。
図6D】20MHzのシステム帯域幅のための所定のDFT/IDFTサイズを示す表である。
【0015】
図7A】2つの個別の及び並列のDFTプリコーディング段を有するベースバンドトランスミッタの図である。
【0016】
図7B】2つの個別の及び並列のIDFTデコード段を有するベースバンドレシーバーの図である。
【0017】
図8A】時間ドメイン位相パイロット記号挿入を有するベースバンドトランスミッタの図である。
【0018】
図8B】位相ノイズ緩和(PNM)を有するベースバンドレシーバーの図である。
【0019】
図8C】2つの個別のDFTプリコーディング段を備えた時間ドメイン位相パイロット記号挿入を有するベースバンドトランスミッタの図である。
【0020】
図8D】時間ドメイン位相パイロット記号挿入及び2つの個別の及び並列のDFTプリコーディング段を有するベースバンドトランスミッタの図である。
【0021】
図9A図8A図8C、又は図8Dにおいて用いることができる位相パイロット記号生成器回路の図である。
【0022】
図9B】48QAM記号内に挿入される位相パイロット記号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、例示的な実施形態に従った、NLOS時分割複信(TDD)ワイヤレスバックホールシステムを示す。セルラーマクロサイト100が、マクロ基地局をホストする。マクロサイト100は、ワイヤレスバックホールハブユニット(HU)もホストする。マクロサイト100は、スモールセルサイト104などのスモールセルサイトと接続される。各スモールセルサイトは、スモールセル基地局及びワイヤレスバックホール遠隔ユニット(RU)と共に同じ場所に配置される。マクロサイト100は、バックホールリンク110などのバックホールリンクを介して、ポイント・ツー・マルチポイント(P2MP)ワイヤレスバックホールシステムを通じて、スモールセルサイトと通信する。マクロサイト100の基地局は、RANリンク112を介してUE102と直接的に通信する。しかし、UE106は、RANアクセスリンク108を介してスモールセルサイト104のスモールセル基地局と直接的に通信する。スモールセルサイト104のRUは、バックホールリンク110を介してマクロセルサイト100のHUと直接的に通信する。システムは、スペクトル再利用を最大化するように設計される。バックホールリンク110設計は、レイテンシを最小化するために0.5msのスロットベースの送信時間インタバル(TTI)と、TD-LTEとの互換性のための5msのUL及びDLフレームとを利用する。代替の実施形態が、異なるフレーム期間及び異なるスロットベースのTTIを用い得る。
【0024】
図2は、UL/DLフレーム構成1、3、及び5を図示する。各フレームが5ms期間を有し、各フレームは、サブフレームベースではなく、スロットベースである。各フレームは、10個(0~9)のスロットを有する。各スロットは、0.5ms期間を有する。もちろん、代替の実施形態が、異なるフレーム期間及び異なるスロットベースの送信時間インタバル(TTI)を用い得る。ここでは、Dはダウンリンクスロットを示し、Uはアップリンクスロットを示す。3個のUL/DL構成の各々において、スロット3は、Sで示される特殊スロットである。特殊スロットのこの固定の場所は、TD-LTEフレームとの互換性を保証する。それは有利にも、任意の5ms期間のTD-LTE UL/DLサブフレーム構成と100%互換性があるNLOS UL/DL構成を常に見つけることを可能にする。例えば、これは、両方が同じ周波数で動作するとき、NLOSバックホールDL伝送が、アクセスリンク上のTD-LTE RAN UL伝送と干渉するのを防ぐ。言い換えると、それは有利にも、1つのシステムのマクロセルサイト100におけるトランスミッタが、同じ場所に配置されるシステムの受信機と干渉するのを防ぐ。
【0025】
図3は、従来のベースバンドトランスミッタの図である。この説明において、回路についての任意の参照は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって形成される回路を含み得る。図3のベースバンドトランスミッタは、データ信号を受信し、巡回冗長検査(CRC)ブロックを付加する。データはその後、フォワード誤り補正(FEC)エンコーダにより符号化又はプリコードされ、スクランブル回路によりスクランブルされる。スクランブルされたデータは、適切な記号コンステレーション(constellation)にマッピングされ、パラレルデータストリームに変換される。離散フーリエ変換(DFT)プリコーディング段が、データを周波数ドメインに変換し、それを制御チャネル及び他の物理的(PHY)チャネルデータと共にサブキャリア(SC)マッピング回路に印加する。その後、パラレルデータストリームは、時間ドメインデータに変換され、シリアルデータストリームに変換される。巡回プレフィックスがシリアルデータストリームに追加される。結果として生じる、時間スロットの出力データは、時間を横軸として及び周波数を縦軸として、右に概念的に表わされている。時間スロットは、好ましくは、7つのSC-FDMA記号を備える期間に0.5msである。第1のSC-FDMA記号は、チャネル推定を実施する際にレシーバーをアシストするために所定の周波数ドメイン信号を送信するパイロット信号である。時間における次の6つのSC-FDMA記号は、データチャネルのためである。時間スロットの帯域幅は、5MHzから20MHzまでであり得、周波数帯の各端部における制御チャネルのためにリザーブされた上側及び下側サブキャリアを含む。制御チャネルとパイロット信号/データチャネルとの間の空間は、場合によっては用いられないサブキャリアを示す。これは、特定のサイズのDFTがサポートされないとき起こり得る。これは、少数のUE又はRUが、利用可能な無線リソースにアサインされるときに頻繁に起こり、スペクトル効率が低減される。
【0026】
従来のDFT回路に関する問題点の一つは、離散サイズに必ず制限される点である。これは、DFTオペレーションが、典型的に、高データスループット要件に起因してハードウェアにおいて実現されるためである。もちろん、これ以降に詳述するように、同じ制約がレシーバー及びそれらの対応する逆離散フーリエ変換(IDFT)に適用する。図4は、50個の所定の離散フーリエ変換(DFT)又は逆離散フーリエ変換(IDFT)サイズ、及びそれらの対応するインデックスを示す表である。これらの所定のサイズは、テキサス・インスツルメンツ社によりシステムオンチップ(SoC)製品の同社Keystoneファミリにおいて提供される。単一伝送リンク又は少数の伝送リンクが大きな周波数帯にアサインされるとき、周波数スペクトル全体が満たされ得ず、幾つかのサブキャリアが通信に用いられないことがあり得る。例えば、LTE20MHzシステムが、15KHzサブキャリア間隔の1200個のサブキャリアを有する。制御チャネル(図3)が、データチャネルの上に12個及び下に12個を含む24個のサブキャリアを要する場合、データチャネルのために1176個サブキャリアがまだ利用可能である。データチャネルのためにDFTインデックス41(図4)が用いられるが、24個のサブキャリア(1200-24-1152=24)が用いられないままである。そのため、通信システムのスペクトル効率は最適とは言えない。
【0027】
図5Aは、2つの個別のDFTプリコーディング段を有する第1の実施形態に従ったベースバンドトランスミッタの図である。図5Aのベースバンドトランスミッタは、データ信号を受信し、巡回冗長検査(CRC)ブロックを付加する500。データはその後、符号化されるか又はフォワード誤り補正(FEC)エンコーダ502によりプリコードされ、スクランブリング回路によりスクランブルされる504。スクランブルされたデータは、適切な記号コンステレーションにマッピングされ506、パラレルデータストリームに変換される508。離散フーリエ変換(DFT)回路510及び511は、データを周波数ドメイン信号に変換し、それを制御チャネル及び他の物理的(PHY)チャネルデータと共にサブキャリア(SC)マッピング回路512に印加する。DFT回路510は、DFTインデックス31を用い、NDFT0=600である。DFT回路511は、DFTインデックス30を用い、NDFT1=576である。総合すると、それらは、1176個のサブキャリアをデータチャネル530に割り当て、全ての利用可能なサブキャリアが用いられる。周波数ドメインデータは、制御チャネル及び他の物理的(PHY)チャネルデータと共にサブキャリア(SC)マッピング回路512に印加される。パラレルデータストリームはその後、時間ドメインデータ514に変換され、シリアルデータストリーム516に変換される。巡回プレフィックスがシリアルデータストリームに追加される528。結果として生じる、時間スロット530の出力データは、時間が横軸として及び周波数が縦軸として、右に概念的に表わされる。データチャネルの上部は、DFT回路510により生成されるNDFT0サブキャリアに対応し、データチャネルの下部は、DFT回路511により生成されるNDFT1サブキャリアに対応する。図5Aの実施形態は、有利にも、利用可能なサブキャリアをフルに用いるために並列のDFTプリコーディング段510及び511を用い、それにより、スペクトル効率が最大化される。
【0028】
図5Bは、2つの個別のIDFT段を有するベースバンドレシーバーの図である。データ530がベースバンドレシーバーに印加され、巡回プレフィックス(CP)が取り除かれる540。シリアル-パラレル回路542が、データをパラレルデータストリームに変換し、これは高速フーリエ変換(FFT)回路544に印加される。結果として生じる周波数ドメインデータが、サブキャリアデマッピング及び等化回路546に印加される。ここで、個々のサブキャリアは、チャネル効果を補償するように等化されることが好ましい。等化されたデータはその後、逆離散フーリエ変換(IDFT)回路548及び549に印加される。IDFT回路548は、DFT回路510に対応するNDFT0=600変換を実施する。IDFT回路549は、DFT回路511に対応するNDFT1=576変換を実施する。結果として生じる時間ドメインデータが、パラレル・シリアル回路550に印加される。結果として生じるシリアルデータストリームはその後、記号デマッピング回路552に印加される。ここで、各情報ビットに対して軟判定情報をFECデコーダ(ターボデコーダーなど)に提供するため、受信及び等化されたQAM記号に対して対数尤度比(LLR)計算が実施される。結果として生じる軟判定情報はその後、デスクランブルされ554、デコード回路556に印加される。結果として生じるデコードされたデータはその後、正しいデータ受信を検証するため、巡回冗長検査(CRC)回路558に印加される。
【0029】
前述の図5A及び図5Bの例は有利にも、未使用又はガードサブキャリアなしに、20MHz帯域幅の全ての1200サブキャリアを用いる。データ及び制御チャネル割り当てサイズが、エアインタフェース標準の一部として特定される。もちろん、他のサイズのDFT及びIDFT組合せが可能である。例えば、DFT回路510は、NDFT0=1080のDFTインデックス40を用い得、DFT回路511は、NDFT1=96のDFTインデックス11を用い得る。代替として、DFT回路510は、NDFT0=960のDFTインデックス37を用い得、DFT回路511は、NDFT1=216のDFTインデックス18を用い得る。しかし、総合すると、選択された組合せはいずれもデータチャネル530の1176個のサブキャリアを用いる。
【0030】
図6A図6Dは、それぞれ、300、600、900、及び1200個のシステムサブキャリアを有する、5MHz、10MHz、15MHz、及び20MHzのそれぞれのシステム帯域幅に対する、所定のDFT/IDFTサイズを示す表である。実施形態は、好ましくは、DFT及びIDFT割り当てに対して同じ表を用いる。各行は、それぞれのPHYチャネルカテゴリーを示し、制御チャネル、データチャネル、及び未使用又はガードサブキャリア割り当て、並びに、データチャネルに対するDFT0及びDFT1サイズを含む。各列は、2又は4個の物理リソースブロック(PRB)を有する制御チャネルに対する種々のサブキャリア割り当てを示す。オペレーションの各モードにおける制御情報の必要とされる量に応じて、4つの異なる制御チャネル割り当てサイズが存在する。最大スペクトル効率のため、各列における制御チャネル、データチャネル、及びガードサブキャリアの和は、それぞれのシステム帯域幅に対するシステムサブキャリアの総数に等しくすべきである。NDFT0及びNDFT1の和は、データチャネルにおけるサブキャリアの数に等しい。パラレルDFTプリコーディング段の図6A図6Dの2つの選択されたDFTサイズは、有利にも、最小数の未使用又はガードサブキャリアを提供し、それにより、システムのスペクトル効率が最大化される。前述の図5A及び図5Bの例は、図6Dの第1の列における、NDFT0=600及びNDFT1=576の割り当てを用いる。また、幾つかの場合において、単一のDFT及び単一のIDFT回路のみが必要となる。例えば、図6Bの左の列に示すように2PRBの10MHz帯域幅に対してNDFT0=576の単一DFTプリコーディング段のみが必要となる。また、図6Dの第2の列に示すように4PRBの20MHz帯域幅に対してNDFT0=1152の単一のDFTプリコーディング段のみが必要となる。最終的に、2つのDFT/IDFTサイズのみが例によって提供されるが、全ての利用可能なサブキャリアを用いるために3つ又はそれ以上のDFT/IDFTサイズが割り当てられてもよい。
【0031】
図7Aは、2つの個別の及び並列のDFTプリコーディング段を有する第2の実施形態に従ったベースバンドトランスミッタの図である。この実施形態は、各々それ自体のそれぞれのトランスポートブロックを有する、2つの個別のデータチャネルを提供する。データチャネル0は、CRC回路700及びFECエンコーダ回路702を含み、その後スクランブリング回路704が続く。スクランブルされたデータは、回路706により記号マッピングされ、シリアル・パラレル(S/P)回路708に印加される。パラレルデータストリームはその後、前述したようにサイズNDFT0を有するDFT回路710に印加される。データチャネル1は、データチャネル0と並列に形成され、CRC回路701及びFECエンコーダ回路703を含み、その後スクランブリング回路705が続く。スクランブルされたデータは、回路707により記号マッピングされ、S/P回路709に印加される。パラレルデータストリームはその後、前述したようにサイズNDFT1を有するDFT回路711に印加される。周波数ドメインデータは、制御チャネル及び他の物理的(PHY)チャネルデータと共にサブキャリア(SC)マッピング回路712に印加される。パラレルデータストリームはその後、時間ドメインデータ714に変換され、シリアルデータストリーム716に変換される。巡回プレフィックスがシリアルデータストリーム718に追加される。時間スロット730のその結果生じる出力データは、時間が横軸として及び周波数が縦軸として、右に概念的に表わされる。上部(データチャネル0)は、DFT回路710により生成されるNDFT0サブキャリアに対応し、下部(データチャネル2)は、DFT回路711により生成されるNDFT1サブキャリアに対応する。
【0032】
図7Bは、図7Aのベースバンドトランスミッタに対応するベースバンドレシーバーの図であり、2つの個別の及び並列のIDFT段を有する。データ730が、ベースバンドレシーバーに印加され、巡回プレフィックス(CP)が取り除かれる740。シリアル-パラレル回路742が、データをパラレルデータストリームに変換し、パラレルデータストリームは高速フーリエ変換(FFT)回路744に印加される。結果として生じる周波数ドメインデータは、サブキャリアデマッピング及び等化回路746に印加される。ここで、個々のサブキャリアは、チャネル効果を補償するように等化されることが好ましい。等化されたデータはその後、逆離散フーリエ変換(IDFT)回路748及び749に印加される。IDFT回路748は、データチャネル0に対してDFT回路710に対応するNDFT0変換を実施する。IDFT回路749は、データチャネル1に対してDFT回路711に対応するNDFT1変換を実施する。結果として生じる時間ドメインデータは、パラレル-シリアル回路750及び751に印加される。結果として生じるシリアルデータストリームは各々、それぞれの回路752及び753によりデマッピングされる。ここで、各情報ビットに対して軟判定情報をFECデコーダ(ターボデコーダなど)に提供するため、受信及び等化されたQAM記号に対して対数尤度比(LLR)計算が実施される。結果として生じる軟判定情報はその後、それぞれの回路754及び755によりデスクランブルされる。デスクランブルされたデータストリームは、それぞれのデコード回路756及び757に印加される。正しいデータ受信を検証するため、それぞれの回路758及び759により各データストリームに対して巡回冗長検査(CRC)が実施される。
【0033】
前述の図7A及び図7Bの例は有利にも、付加的なハードウェアを要することなく、5MHz~20MHz帯域幅の全てのサブキャリアを用いる。データ及び制御チャネル割り当てサイズが、エアインタフェース標準の一部として特定され、そのため、付加的なソフトウェアは必要とされない。図7A及び図7Bの実施形態はまた、個別のデータチャネル及びそれらのそれぞれのトランスポートブロックに適合される。
【0034】
図8Aは、時間ドメイン位相パイロット記号挿入を有するベースバンドトランスミッタの図である。図8Aのベースバンドトランスミッタは、データ信号を受信し、巡回冗長検査(CRC)ブロックを付加する800。データはその後、フォワード誤り補正(FEC)エンコーダにより符号化又はプリコードされ802、スクランブリング回路によりスクランブルされる804。スクランブルされたデータは、適切な記号コンステレーションにマッピングされる806。位相パイロット記号(PPS)生成器900が、位相パイロット記号挿入回路808により時間ドメインデータストリームに挿入された位相パイロット記号のシーケンスを生成する。位相パイロット記号は、レシーバーに、受信したQAM記号における位相ノイズを、推定、追跡、及び補償させ得る。これは、著しい位相ノイズ緩和を可能にし、256QAM又はそれより高いQAMを含む高次変調方式にとって非常に重要である。これは、5GHzのライセンス不要帯域、マイクロ波帯域、及びミリ波帯域など、一層高い周波数帯において特に有利である。位相パイロット記号を備える、結果として生じるデータストリームは、パラレルデータストリーム810に変換される。離散フーリエ変換(DFT)回路812が、データを周波数ドメインに変換し、それを制御チャネル及び他の物理的(PHY)チャネルデータと共にサブキャリア(SC)マッピング回路814に印加する。パラレルデータストリームはその後、時間ドメインデータ816に変換され、シリアルデータストリーム818に変換される。巡回プレフィックスがシリアルデータストリーム820に追加される。
【0035】
図8Bは、図8Aのベースバンドトランスミッタと共に用いられ得るベースバンドレシーバーの図である。データがベースバンドレシーバーに印加され、巡回プレフィックス(CP)が取り除かれる840。シリアル-パラレル回路842が、データを、高速フーリエ変換(FFT)回路844に印加されるパラレルデータストリームに変換する。結果として生じる周波数ドメインデータは、サブキャリアデマッピング及び等化回路846に印加される。ここで、個々のサブキャリアは、チャネル効果を補償するように等化されることが好ましい。等化されたデータはその後、逆離散フーリエ変換(IDFT)回路848に印加される。IDFT回路848は、DFT回路810に対応するNIDFT変換を実施する。結果として生じる時間ドメインデータは、パラレル-シリアル回路850に印加される。結果として生じるシリアルデータストリームはその後、位相ノイズ緩和(PNM)回路552に印加される。PNM回路は、受信及び等化された直交振幅変調(QAM)記号に埋め込まれた位相ノイズを推定及び追跡する。PNM回路は、ベースバンドトランスミッタからの既知の位相パイロット記号900を用いて、埋め込まれた位相ノイズを補償する。補償されたQAMデータストリームはその後、記号デマッピング回路854に印加される。結果として生じる情報ビットは、その後、デスクランブルされ856、デコード回路858に印加される。結果として生じるデコードされたデータはその後、正しいデータ受信を検証するために巡回冗長検査(CRC)回路860に印加される。
【0036】
図8Cは、2つの個別のDFTプリコーディング段を有する時間ドメイン位相パイロット記号挿入を有するベースバンドトランスミッタの図である。図8Cのベースバンドトランスミッタのプリコーディング部(800~806)は、図8Aを参照して上述したように動作する。位相パイロット記号(PPS)生成器900は、位相パイロット記号挿入回路808により時間ドメインデータストリームに挿入された位相パイロット記号のシーケンスを生成する。位相パイロット記号を備える、結果として生じるデータストリームは、パラレルデータストリーム810に変換される。離散フーリエ変換(DFT)回路812及び813は、データを周波数ドメインに変換し、それを制御チャネル及び他の物理的(PHY)チャネルデータと共にサブキャリア(SC)マッピング回路814に印加する。DFT回路812はNDFT0変換を実施する。DFT回路813はNDFT1変換を実施する。総合すると、それらは、全ての利用可能なサブキャリアをデータチャネルに割り当て、全ての利用可能なサブキャリアが用いられる。パラレルデータストリームはその後、時間ドメインデータ816に変換され、シリアルデータストリーム818に変換される。巡回プレフィックスがシリアルデータストリーム820に追加される。
【0037】
図8Dは、時間ドメイン位相パイロット記号挿入、並びに、2つの個別の及び並列のDFTプリコーディング段を有する、ベースバンドトランスミッタの別の実施形態の図である。図7Aを参照して上述したように、この実施形態は、各々それ自体のそれぞれのトランスポートブロックを有する、2つの個別のデータチャネルを提供する。データチャネル0は、CRC回路800及びFECエンコーダ回路802を含み、その後スクランブリング回路804が続く。スクランブルされたデータは、回路806により記号マッピングされ、位相パイロット挿入回路808に印加される。位相パイロット挿入回路808は、PPS生成器回路900からの位相パイロット記号をシリアルデータストリームに挿入する。シリアル・パラレル(S/P)回路810は、これをパラレルデータストリームに変換し、それをサイズNDFT0を有するDFT回路812に印加する。データチャネル1は、データチャネル0と並列に形成され、CRC回路801及びFECエンコーダ回路803を含み、その後スクランブリング回路805が続く。スクランブルされたデータは、回路807により記号マッピングされ、位相パイロット挿入回路809に印加される。位相パイロット挿入回路809は、PPS生成器回路901からの位相パイロット記号をシリアルデータストリームに挿入する。シリアル・パラレル(S/P)回路811は、これをパラレルデータストリームに変換し、それをサイズNDFT1を有するDFT回路813に印加する。データチャネル1及び2からの、結果として生じる周波数ドメインデータは、制御チャネル及び他の物理的(PHY)チャネルデータと共にサブキャリア(SC)マッピング回路814に印加される。パラレルデータストリームはその後、時間ドメインデータ816に変換され、シリアルデータストリーム818に変換される。巡回プレフィックスがシリアルデータストリーム818に追加される。
【0038】
図9Aは、図8A図8C、又は図8Dにおいて用いることができる位相パイロット記号(PPS)生成器回路900又は901の図である。PPS生成器は、適切なフィードバック回路要素を備える一つ又は複数の線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)から形成され得る擬似ランダムノイズ(PN)生成器回路902を含む。PN生成器回路902は、好ましくは、PPS記号に対して用いられるGold符号などの擬似ランダムノイズ(PN)シーケンスを生成する。PPS生成器は、PNシーケンスを受信するように結合される記号マッパ回路906を含む。記号マッパ回路906は、好ましくは、PPSを形成するため、2つのPNシーケンスビットを4位相偏移変調(QPSK)記号にマッピングする。もちろん、記号マッパは、PNシーケンスビットをQAM記号などの他の記号にマッピングするように適合され得る。QPSK PPSは、低SNR又は良好でないチャネル条件下でのレシーバー位相ノイズ緩和を促進するため、QAMデータ記号より高い電力で生成されることが好ましい。また、PPS生成器は、負荷信号を受信するように結合されるシード回路904を含む。負荷信号のアクティブレベルは、各無線フレームの開始時に初期化シーケンスcinitを生成器回路902にロードする。好ましい一実施形態において、cinitは、式[1]
により定義されるようになり得る。ここで、nRUは、図1にあるような遠隔ユニット(RU)又はその他の受信ユニットのインデックスであり、qは、ダウンリンク(DL)又はアップリンク(UL)シーケンスを示すバイナリコードワードインデックスiDL,ULであり、NはワイヤレスセルのセルIDである。表記2は、初期化シードを受信するLFSRの段Kを示すために用いられる。
【0039】
図9Bは、48QAM記号内に挿入される位相パイロット記号を示す図である。PPSは、48など、所定の偶数長NPHPを有する位相パイロット(PHP)ブロックに挿入される。NDFT/NPHP位相パイロット記号が、PHPブロックに挿入される。好ましくは、NPHP/2-1変調記号がPPS前であり、NPHP/2変調記号がPPS後であるように、各PPSが挿入される。例えば、図9Bの左のPHPブロックは、総計48個の記号に対し、23個の先行する変調記号、一個のPPS、及び24個の後続の変調記号を含む。同様に、最後のPHPブロックが長さNPHP,lastを有する場合、NPHP,last/2-1変調記号がPPS前であり、NPHP,last/2変調記号がPPS後であるように、PPSが挿入される。図9Bの例において、PPSは、有利にも、2%のみのオーバーヘッドでQAM記号ストリームに埋め込まれた位相ノイズを補償する。PPSの挿入は、各RU又は受信ユニットに対して独立して一層高次の層シグナリングを介してイネーブル又はディセーブルされることが好ましい。
【0040】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施形態に変形が成され得、他の実施形態が可能である。実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれら両方の組み合わせにおいて実装され得る。

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
【手続補正書】
【提出日】2022-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
第1のデータストリームを受信することと、
前方誤り訂正コード(FEC)エンコードされたデータストリームを生成するために前記第1のデータストリームを前方誤り訂正コード(FEC)でエンコードすることと、
前記FECエンコードされたデータストリームを第1のシンボルにセットと第2のシンボルのセットとにマッピングすることと、
第1の離散フーリエ変換(DFT)回路によって、第1のシンボルのセットを第1の周波数領域信号に変換することと、
サブキャリアマッピング回路によって、前記第1の周波数領域信号をそれぞれの第1のサブキャリアにマッピングすることと、
第2のDFT回路によって、前記第2のシンボルのセットを第2の周波数領域信号に変換することと、
前記サブキャリアマッピング回路により、前記第2の周波数領域信号をそれぞれの第2のサブキャリアにマッピングすることと、
単一の逆離散フーリエ変換(IDFT)回路によって、前記それぞれの第1のサブキャリアと前記第2のサブキャリアとを時間領域信号に変換することと、
前記時間領域信号を送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
遠隔ユニット(RU)インデックスとコードワードインデックスとセル識別子とダウンリンク(DL)又はアップリンク(UL)インデックスとの少なくとも1つに応答して疑似ランダム雑音(PN)シーケンスを生成することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記時間領域信号に巡回プリフィックスを付加することを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記FECエンコードされたデータストリームをマッピングすることの前に前記FECエンコードされたデータストリームをスクランブルすることを更に含む、方法。
【請求項5】
ユーザー機器(UE)であって、
前方誤り訂正コード(FEC)エンコードされたデータストリームを生成するために第1のデータストリームを前方誤り訂正コード(FEC)でエンコードするように構成される前方誤り訂正エンコーダと、
前記FECエンコードされたデータストリームを第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットとにマッピングするように構成されるシンボルマッピング回路と、
前記第1のシンボルのセットを第1の周波数領域信号に変換るように構成される第1の離散フーリエ変換(DFT)回路と、
前記第2のシンボルのセットを第2の周波数領域信号に変換するように構成される第2の離散フーリエ変換(DFT)回路と、
前記第1の周波数領域信号をそれぞれの第1のサブキャリアにマッピングし、前記第2の周波数領域信号をそれぞれの第2のサブキャリアにマッピングするように構成されるサブキャリアマッピング回路と、
前記それぞれの第1のサブキャリアと第2のサブキャリアとを時間領域信号に変換するように構成される単一の逆離散フーリエ変換(IDFT)回路と、
前記時間領域信号を送信するように構成されるトランスミッタと、
を含む、UE。
【請求項6】
請求項5に記載のUEであって、
遠隔ユニット(RU)インデックスと第1のコードワードインデックスとセル識別子とダウンリンク(DL)又はアップリンク(UL)インデックスとの少なくとも1つに応答して第1の疑似ランダム雑音(PN)シーケンスを生成するように構成される回路要素を更に含む、UE。
【請求項7】
請求項5に記載のUEであって、
前記時間領域信号に巡回プリフィックスを付加するように構成される回路要素を更に含む、UE。
【請求項8】
請求項5に記載のUEであって、
前記FECエンドードされたデータストリームをスクランブルするように構成される回路要素を更に含む、UE。