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特開2022-17236病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物、及びこれを含む血液透析液または腹膜透析液
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  • 特開-病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物、及びこれを含む血液透析液または腹膜透析液 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017236
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物、及びこれを含む血液透析液または腹膜透析液
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/09 20060101AFI20220118BHJP
   C08G 65/329 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
C07F9/09 K CSP
C08G65/329
A61K31/661
A61K9/08
A61P9/00
A61P9/14
A61P13/12
A61P17/00
A61P19/00
A61P19/10
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P13/02
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159270
(22)【出願日】2021-09-29
(62)【分割の表示】P 2018528966の分割
【原出願日】2016-12-12
(31)【優先権主張番号】15199682.4
(32)【優先日】2015-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16164299.6
(32)【優先日】2016-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16173422.3
(32)【優先日】2016-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508139000
【氏名又は名称】エーテーハー・チューリッヒ
【氏名又は名称原語表記】ETH Zurich
(71)【出願人】
【識別番号】510239897
【氏名又は名称】ウニベルジテート ベルン
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】イヴァーソン、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】カスタニエ、バスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ルルー、ジャン-クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】パッシュ、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4H050
4J005
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB14
4C076BB15
4C076BB16
4C076BB17
4C076CC11
4C076CC18
4C076CC50
4C076FF11
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086DA34
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA55
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA44
4C086ZA45
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZA97
4H050AA01
4H050AB20
4H050BB14
4H050BB31
4H050BE20
4J005AA04
4J005BD03
4J005BD07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物、及びこれを含む血液透析液または腹膜透析液を提供する。
【解決手段】下記の式で表される化合物を使用する。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物であって、式(IV f):
【化1】
で表わされることを特徴とする化合物。
【請求項2】
式(IV f)におけるCH-(O-CH-CH-O-は、単分散である
ことを特徴とする、請求項1に記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項3】
病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用に静脈内、腹膜内、筋肉内、動脈内または皮下投与のための剤形を有するように調製される
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項4】
前記疾患は、
血管石灰化、冠状動脈疾患、血管脆化、弁石灰化、腎石灰化症、皮膚石灰沈着症、腎結石、軟骨石灰化、骨粗鬆症、心筋梗塞、心血管死、慢性腎臓病の進行、移植腎の障害および末梢性動脈疾患、重大な肢虚血、カルシフィラキシー、乳児全身性動脈石灰化、大動脈弁狭窄、アテローム性動脈硬化、偽痛風、原発性シュウ酸尿、ならびに弾性線維性仮性黄色腫
から選択される疾患である
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1つに記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項5】
病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用に請求項1~4のいずれか1つに記載された化合物を含む血液透析液または腹膜透析液。
【請求項6】
一般式(II)で表わされる化合物であって、
【化2】
- 1つまたは2つまたは3つのXはRであり、残りのXは各々OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO から選択されるいずれかであり、
- 各Rはポリエチレングリコールまたはポリグリセリンである
ことを特徴とする、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項7】
当該化合物は、一般式(III a)、(III b)、(III c)、または(III d):
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
- Rはポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、
- Xは各々OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO から選択されるいずれかである
のうちのいずれか1つで表わされる
ことを特徴とする、請求項6に記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項8】
- Rは2つまたは3つであり、且つ、当該2つまたは3つのRは同一である
ことを特徴とする、請求項6に記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項9】
当該化合物は、一般式(IV a)、(IV b)、(IV c)、(IV d)、(V a)、または(V b):
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
- 各Rはポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、
- Xは各々OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO から選択されるいずれかである
のうちのいずれか1つで表わされる
ことを特徴とする、請求項6に記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項10】
1つまたは2つまたは3つのXはRであり、残りのXは、
- 全てOPO 2-であるか、または、
- 全てOPSO 2-であるか、または、
- 全てOSO である
ことを特徴とする、請求項6または8に記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項11】
1つまたは2つまたは3つのXはRであり、残りのXは全てOPO 2-であるか、または、全てOPSO 2-であり、
は、ポリエチレングリコールであり、100g/molと3000g/molとの間のモル質量を有する
ことを特徴とする、請求項6または10に記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項12】
は、式R-(O-CH-CH-またはR-(O-CH-CH-O-、ここでRは水素、メチルまたはエチル且つnは2~200、で表わされるポリエチレングリコールである
ことを特徴とする、請求項6~11のいずれか1つに記載の、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物。
【請求項13】
病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物であって、
一般式(III k)、(III l)、(III m)、または(III n):
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
ここでnは2~200
のうちのいずれか1つで表わされることを特徴とする化合物。
【請求項14】
病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物であって、
一般式(IV e)または(V c):
【化17】
【化18】
ここでnは2~200
のうちのいずれか1つで表わされることを特徴とする化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患の治療用または抑止用の化合物、及びこれを含む血液透析液または腹膜透析液に関する。
【背景技術】
【0002】
体内におけるバイオミネラル化工程を管理する要因のホメオスタシスの損失が原因で、慢性腎臓病(CKD)患者は、軟部組織中、特に維管束系中における、石灰化の加速に悩まされている。この堆積物は、動脈壁の脆化を引き起こし、結局、血圧上昇、左室肥大、冠血流減少、内皮機能減弱、および、腎臓内および脳内における微小循環の損傷を引き起こす。その結果、腎機能の低減により、あらゆる原因によるCKD患者の死亡率が指数的に増加する。
【0003】
血中の生理学的カルシウムおよびリン酸の濃度は、過飽和に近い。フェチュイン-A等の血液成分は、カルシウムおよびリン酸塩と相互作用して、カルシプロテイン粒子(CPPs)と呼ばれる可溶性ナノ粒子を形成し、これにより通常の場合の析出およびその結果の石灰化を予防する。いわゆる第1のCPPsはアモルファスであり、その流体力学半径が典型的には100nm未満であり、時間とともに成熟して、流体力学的半径が100nm以上である結晶性の第2のCPPsに再編成する。第2のCPPsはその後、石灰化に進行して、病的反応を開始すると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1のCPPsから第2のCPPsへの進行傾向を減少することが可能で、かつ、それゆえ最終的に病理的結晶化を減少することが可能な、医薬品は、それゆえに、重要な治癒的価値がある。現在までのところ、血管石灰化の減少または防止のために、認可された治療ではなく、または、臨床的に有効な治療はない。
【0005】
従って、本発明の基礎をなす問題は、病理的結晶化を減少させるため、有効な薬理学的治療介入を提供することである。この問題は、独立請求項の対象により解決される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)またはポリグリセリンの共有結合的付加を有しまたは有せずして、軟部組織中における病理的結晶化を予防するまたは減少する、イノシトールリン酸、硫酸塩、および/または、チオリン酸エステルの使用に関する。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、一般式(I)により記載される化合物
【0008】
【化1】
【0009】
を、治療で使用するため、または、病理的カルシウム結晶化に関連する疾患を抑止するために提供し、
- Zは、(CHX)CHX(CHX)であり、
- pおよびqは、(p+q)が0、1または2の値を有する条件で、それぞれ他から独立して0から2までの値を有し、
- 1つ、または2つ、または3つのXは、Rとすることができ、互いから独立した残りのXは、全てのXがOPO 2-とは限らず全てのXがOSO とは限らない条件で、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO から選択され、
- Rは、
・ポリエチレングリコール、または
・ポリグリセリン
含む群から選択される溶解機能Rを備えている。
【0010】
本発明の化合物が特に有用な病理的カルシウム結晶化に関連する疾患は、血管石灰化、冠状動脈疾患、血管脆化、弁石灰化、腎石灰化症、皮膚石灰沈着症、腎結石、軟骨石灰化、骨粗鬆症、心筋梗塞、心血管死亡率(特に慢性腎臓病患者における)、慢性腎臓病の進行および移植腎の障害を含んでいる。病理的結晶化は、慢性腎臓病患者のあらゆる原因による死亡率に関連することが示され、それゆえ、本発明の化合物は、一般の慢性腎臓病患者に必要とされる。
【0011】
本発明の化合物を用いた治療からの利益を与えるだろう更なる状態は、末梢性動脈疾患、重大な肢虚血、カルシフィラキシー、乳児全身性動脈石灰化、大動脈弁狭窄、アテローム性動脈硬化、偽痛風、原発性シュウ酸尿、および、弾性線維性仮性黄色腫である。
【0012】
本発明の状況において、「末梢性動脈疾患」とは、足(最も通常)、胃、腕、および頭部に、末梢血管を狭窄することをいう。病徴は、間欠性跛行(歩く際の足の痛みであって、休みにより解消する)、皮膚潰瘍、青みを帯びた皮膚、低温皮膚または貧弱な爪、および発毛を含んでいる。
【0013】
本発明の状況において、「重大な肢虚血」とは、重大な動脈の障害のことをいい、これは四肢への血流を著しく減少し、激痛およびさらに皮膚潰瘍、傷、または壊疽に進行する。重大な肢虚血は、非常に重大な末梢血管疾患の状態である。
【0014】
本発明の状況において、「カルシフィラキシー」または「石灰沈着性尿毒症性動脈病」とは、血管石灰化、血栓症および皮膚壊死の症候群に関している。
【0015】
本発明の状況において、「偽痛風」、別名「ピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)結晶沈着症」、または、「ピロリン酸関節症」とは、ピロリン酸カルシウム結晶蓄積により起因すると考えられる、結合組織内の、特に膝関節等の関節内のリウマチ性疾患に関している。
【0016】
本発明の状況において、用語「乳児全身性動脈石灰化」(GACI)は、循環系に影響を及ぼす疾患に関しており、それは、出生の前または生後数ヶ月内に明らかになり、動脈の異常な石灰化および動脈壁の肥厚であることを特徴とする。これらの変化は、動脈の狭窄およびこわばりを引き起こし、罹患者によっては、呼吸困難、水腫、チアノーゼ、高血圧および心臓肥大症を含む兆候および症状を有する心臓麻痺を引き起こす。
【0017】
アニオン結合部およびポリマーの溶解機能の最適組成物に関して、ある種の柔軟性が存在する。理論に束縛されることを望むものではないが、治療的利益を提供する相互作用は、主として、立体障害との併用で、小さなアニオンとカチオンとの間での静電的相互作用から成っており、双方の現象は、分子相互作用の適合の必要条件に関して、例えばタンパク質-リガンド相互作用より選択的でない、という事実であることを、本発明者らは仮定する。
【0018】
特定の実施形態では、RはRであり、化合物が上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0019】
特定の実施形態では、Rは、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであるか、または、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンを備え、Rは、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/mol~2000g/molのモル質量を有し、化合物が上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0020】
特定の実施形態では、Rは、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであるか、または、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンを備え、Rは、200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/mol~2000g/molのモル質量を有し、化合物が上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0021】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、
【0022】
【化2】
【0023】
- 1つ、または2つ、または3つのXは、Rであり、他のXから独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO とすることができ、
- Rは、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、
化合物は、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0024】
式IIの直線は、独自の環炭素原子の立体化学が不確定であることを、示している。この式は、いずれかのジアステレオマーを覆うと定められている。
【0025】
特定の実施形態では、Rはポリエチレングリコールである。
【0026】
特定の実施形態では、Rは、式R-(O-CH-CH-またはR-(O-CH-CH-O-により記載されるポリエチレングリコールであり、Rは、水素、メチルまたはエチルであり、nは、2~200の値を有している。
【0027】
特定の実施形態では、nは、3~200の値を有している。
【0028】
特定の実施形態では、nは、3~20の値を有している。特定の実施形態では、nは、10~30の値を有している。特定の実施形態では、nは、9~45の値を有している。
【0029】
特定の実施形態では、nは、7~11までの値を有している。
【0030】
特定の実施形態では、nは、2の値を有している。特定の実施形態では、nは、7の値を有している。特定の実施形態では、nは、9の値を有している。特定の実施形態では、nは、11の値を有している。特定の実施形態では、nは、45の値を有している。
【0031】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、1つのXは、Rであり、他のXから独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO とすることができ、Rは、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/mol~2000g/molの、モル質量を有する、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0032】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、1つのXは、Rであり、他のXと独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO とすることができ、Rは、200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/mol~2000g/molの、モル質量を有する、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0033】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、
- 1つのXは、Rであり、残りのXは、OPO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、モル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0034】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、
- 1つのXは、Rであり、残りのXは、OPO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/molの、または約2000g/molの、のモル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0035】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、
- 2つのXは、Rであり、他のXと独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO であり、
- 他から独立したそれぞれのRは、ポリエチレングリコールおよびポリグリセリンから選択され、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0036】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)に記載され、2つのXは、Rであり、他のXから独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO とすることができ、他と独立したそれぞれのRは、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/mol~2000g/molの、モル質量を有するポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0037】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、2つのXは、Rであり、他のXから独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO とすることができ、他と独立したそれぞれのRは、200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/mol~2000g/molの、モル質量を有する、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0038】
特定の実施形態では、化合物は一般式(II)により記載され、
- 2つのXは、Rであり、残りのXは、OPO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、
- 100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、または、
- 200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/molの、または約2000g/molの、
モル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0039】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、
- 2つのXは、Rであり、残りのXは、OPSO 2-であり、
- Rはポリエチレングリコールであり、
- 100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、または
- 200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/molの、または約2000g/molの、
モル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0040】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、
- 2つのXは、Rであり、残りのXは、OSO であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、
- 100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、または、
- 200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/molの、または約2000g/molの、
モル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0041】
特定の実施形態では、化合物は一般式(II)により記載され、
- 3つのXは、Rであり、他のXと独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO とすることができ、
- 他から独立したそれぞれのRは、ポリエチレングリコールおよびポリグリセリンから選択され、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0042】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、3つのXは、Rであり、他のXと独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO とすることができ、
他と独立したそれぞれのRは、
- 100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/mol~2000g/molの、または、
- 200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/mol~2000g/molの、
モル質量を有する、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンであり、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0043】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(II)により記載され、
- 3つのXは、Rであり、残りのXは、OPO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、
- 100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、または、
- 200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/molの、または約2000g/molの、
モル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0044】
特定の実施形態では、化合物は一般式(II)により記載され、
- 3つのXは、Rであり、残りのXは、OPSO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、
- 100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、または、
- 200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/molの、または約2000g/molの、
モル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0045】
特定の実施形態では、化合物は一般式(II)により記載され、
- 3つのXは、Rであり、残りのXは、OSO であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、
- 100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、または、
- 200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/molの、または約2000g/molの、
モル質量を有しており、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0046】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(III a)、(III b)、(III c)または(III d)であること特徴とし:
【0047】
【化3】
【0048】
【化4】
【0049】
【化5】
【0050】
【化6】
それぞれのX(独立して)およびRは、上記に概説される意味を有し、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0051】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(III e)、(III f)、(III g)、(III h)、(III i)または(III j)であることを特徴とし:
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】
【化9】
【0055】
【化10】
【0056】
【化11】
【0057】
【化12】
【0058】
は、上記に概説される意味を有し、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0059】
特定の実施形態では、複数のRが存在し、それぞれのRは他のRと同じである。
【0060】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(IV a)、(IV b)、(IV c)、(IV d)、(V a)、または、(V b)であることを特徴とし:
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】
それぞれのX(独立して)およびRは、上記に概説される意味を有し、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0068】
特定の実施形態では、1つ、または2つ、または3つのXは、Rであり、残りのXは、
- 全てOPO 2-であるか、または、
- 全てOPSO 2-であるか、または
- 全てOSO である。
【0069】
特定の実施形態では、
- 1つ、または2つ、または3つのXは、Rであり、残りのXは、OPO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、モル質量を有している。
【0070】
特定の実施形態では、
- 1つ、または2つ、または3つのXは、Rであり、残りのXは、OPSO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、モル質量を有している。
【0071】
特定の実施形態では、3つのXは、Rである。
【0072】
特定の実施形態では、1つのXは、Rであり、残りのXは、
- 3つのXは、OSO であり、2つのXは、OPSO 2-であり、または、3つのXは、OSO であり、2つのXは、OPO 2-であり、
- Rは、ポリエチレングリコールであり、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/molの、または約2000g/molの、モル質量を有している。
【0073】
特定の実施形態では、Rは、式R-(O-CH-CH-、または、R-(O-CH-CH-O-を特徴とする、ポリエチレングリコールであるか、または、ポリエチレングリコールを備え、Rは、水素、メチルまたはエチルである。
【0074】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(III k)、(III l)、(III m)または(III n)により記載され、
【0075】
【化19】
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】
【化22】
【0079】
nは、2~200の値を有している。特定の実施形態では、nは2、または、nは7~50である。特定の実施形態では、nは2、7~12、または40~50である。特定の実施形態では、nは2、7、9、11、または45である。化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0080】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(III k)、(III l)、(III m)または(III n)により記載され、nは、3~200、特に7~50、より詳しくは7~12または40~50、さらにより詳しくは9または45、の値を有しており、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0081】
特定の実施形態では、化合物は、式(III o)、(III p)、(III q)、(III r)、(III s)、(III t)、(III u)、(III v)、(III w)、(III x)、(III y)または(III z)のいずれか1つにより記載され、
【0082】
【化23】
【0083】
【化24】
【0084】
【化25】
【0085】
【化26】
【0086】
【化27】
【0087】
【化28】
【0088】
【化29】
【0089】
【化30】
【0090】
【化31】
【0091】
【化32】
【0092】
【化33】
【0093】
【化34】
【0094】
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0095】
置換基(OPO 2-、OPSO 2-、OSO )およびPEG部分の長さに関し、
- n=2の式(III m)は、式(III o)/化合物INS-2001に対応し、
- n=7の式(III m)は、式(III p)/化合物INS-2031に対応し、
- n=11の式(III m)は、式(III q)/化合物INS-2041に対応し、
- n=2の式(III n)は、式(III u)/化合物INS-4001に対応し、
- n=7の式(III n)は、式(III v)/化合物INS-4031に対応し、
- n=11の式(III n)は、式(III w)/化合物INS-4041に対応する。
【0096】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(IV e)または(V c)により記載され、
【0097】
【化35】
【0098】
【化36】
【0099】
nは、2~200、特に2、または7~50、より詳しくは2、7~12または40~50、さらにより詳しくは2、7、9、11または45である、値を有しており、化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0100】
特に高い活性を示す本発明の一実施形態は、上記に記載される症状のために、約400g/mol(n=9)または約2000g/mol(n=45)のモル質量を有するPEG部分を有する式(IV e)により指定される2-PEG-IP5(ミオペンタキスイノシトールリン酸(myo-pentakis-inositolphosphate)-(2)-PEG)を使用することである。CKD患者および腎臓移植患者(図1)におけるあらゆる原因による死亡率の予測因子として臨床的に有効であった、ヒト血清の石灰化の傾向を評価するインビトロ分析の結果から、この結論が導き出される。本発明者らは、驚くべきことに、IP5-PEGは、ヒト血清の石灰化の傾向を低減することにおいて、IP6よりも非常に強力な阻害剤であることを、示している。リン酸基を除去がカルシウムの分子の親和性を低減すると推測されるが、これはPEG部分の添加により、結果的に大きく補正されるため、この結果は予想外であった。理論に束縛されることを望むものではないが、これは、PEG部分が、CPP錯体の溶解を増加させて、アモルファスから結晶性リン酸カルシウムへの変化を予防する立体障害、および/または結晶成長を、提供するという事実のためであることを、本発明者らは仮定する。さらに、PEG(または他のポリマー)部分を分子に添加することにより、その循環時間を調整する可能性を提供し、それゆえに、IP6よりフレキシブルな投与スケジュールを提供する。この態様は、すでにIP6類似体に対して考慮されてこなかったものであり、現在の症状のためにIP6に対する競争優位性を示す。
【0101】
特定の実施形態では、化合物は、式(IV f)、(IV g)、(IV h)、(IV i)、(IV j)、(IV k)、(V d)、(V e)、(V f)、(V g)、(V h)または(V i)のいずれか1つにより記載される。
【0102】
【化37】
【0103】
【化38】
【0104】
【化39】
【0105】
【化40】
【0106】
【化41】
【0107】
【化42】
【0108】
【化43】
【0109】
【化44】
【0110】
【化45】
【0111】
【化46】
【0112】
【化47】
【0113】
【化48】
【0114】
置換基(OPO 2-、OPSO 2-、OSO )およびPEG部分の長さに関し、
- n=2の式(IV e)は、式(IV f)/化合物INS-3001に対応し、
- n=7の式(IV e)は、式(IV g)/化合物INS-3031に対応し、
- n=11の式(IV e)は、式(IV h)/化合物INS-3041に対応し、
- n=2の式(V c)は、式(V d)/化合物INS-5001に対応し、
- n=7の式(V c)は、式(V e)/化合物INS-5031に対応し、
- n=11の式(V c)は、式(V f)/化合物INS-5041に対応する。
【0115】
特定の実施形態では、本明細書にポリエチレングリコール鎖が式として示されるか否かを問わず、PEG部分は、単分散のポリエチレングリコールである。所定の式において、単分散のPEG部分として、略語mdPEGを割り当てる。
【0116】
特定の実施形態では、化合物は、一般式(III o)、(III p)、(III q)、(III u)、(III v)または(III w)により記載される。
【0117】
【化49】
【0118】
【化50】
【0119】
【化51】
【0120】
【化52】
【0121】
【化53】
【0122】
【化54】
【0123】
特定の実施形態では、
a)(p+q)は、0であり、5つ中の2つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXは、OSO であり、または、
b)(p+q)は、0であり、5つ中の3つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXは、OSO であり、または、
c)(p+q)は、1であり、6つ中2つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXは、OSO であり、または、
d)(p+q)は、1であり、6つ中3つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXは、OSO であり、または、
e)(p+q)は、1であり、6つ中4つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXは、OSO であり、または、
f)(p+q)は、2であり、7つ中3つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXは、OSO であり、または、
g)(p+q)は、2であり、7つ中4つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXは、OSO であり、または、
h)(p+q)は、2であり、7つ中5つのXは、OPO 2-およびOPSO 2-から独立して選択され、残りのXはOSO であり、
化合物が、上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0124】
特定の実施形態では、化合物は、式により記載され、
【0125】
【化55】
【0126】
【化56】
【0127】
上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0128】
図1は、この化合物(4,6-ジ-(O-チオリン酸エステル)-イノシトール-1,2,3,5-テトラ-O-硫酸エステル、IT2S4)が、第1のCPPsの第2のCPPsへの転位を阻害することにおいて、IP6より活性であることを明示するものであり、従って、ヒト血清の石灰化の傾向を低減することが可能である。
【0129】
特定の実施形態では、化合物は、式により記載され、
【0130】
【化57】
【0131】
【化58】
【0132】
上記に記載される症状の治療に用いられる。
【0133】
図1は、この化合物(4,6-ジ-(O-リン酸エステル)-イノシトール-1,2,3,5-テトラ-O-硫酸エステル、IP2S4)が、第1のCPPsの第2のCPPsへの転位を阻害することにおいて、IP6より活性であることを明示するものであり、従って、ヒト血清の石灰化の傾向を低減することが可能である。
【0134】
本発明の第2の態様によれば、上記の式のいずれにも指定される化合物を備える投薬剤が、病理的カルシウム結晶化に関した疾患の治療または抑止に使用するために提供される。
【0135】
たとえば静脈内、腹膜内、筋肉内、動脈内、または、皮下投与等の、非経口投与のために、投薬剤を調製してもよい。任意に、薬理学的許容しうるキャリアおよび/または賦形剤が、存在していてもよい。
【0136】
本発明の第3の態様によれば、本発明の上記の態様に規定されるように化合物を備える血液透析、血液濾過または腹膜透析に用いられる透析液が、病理的カルシウム結晶化に関連した疾患の治療または抑止に使用するために提供される。
【0137】
本発明の他の態様に従い、必要に応じて、対象に対する上記式のいずれかに定められるような化合物の管理を備えた、上記に記載される病理的カルシウム結晶化に関連する疾患のいずれかに対する、治療または抑止の方法が提供される。
【0138】
化合物は、静脈内に、腹膜内に、筋内に、動脈内に、または皮下に、投与されてもよい。代替的に、化合物は、血液透析液または腹膜透析液の成分として投与されてもよい。
【0139】
化合物クレーム
本発明のさらにもう一つの態様によれば、一般式(II)による化合物が提供され、
-2つまたは3つのXは、Rであり、他のXから独立した残りのXは、OPO 2-、OPSO 2-、およびOSO から選択され、
-Rは、ポリエチレングリコールまたはポリグリセリンである。
【0140】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、2つまたは3つのXは、Rであり、残りのXは、
- 全てOPO 2-であるか、または
- 全てOPSO 2-であるか、または
- 全てOSO である。
【0141】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、Rは、ポリエチレングリコールであり、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/mol~2000g/molの、モル質量を有している。
【0142】
本発明の他の態様は、式(IV a)、(IV b)(IV c)(IV d)、(V a)、または、(V b)のいずれか1つにより記載される化合物に関連し、それぞれのX(独立して)およびRは、上記に概説される意味を有している。本発明のこの態様の特定の実施形態では、n(Rの定義の一部として)は、2~200までの値を有している。本発明のこの態様の特定の実施形態では、nは2、または、nは7~50である。本発明のこの態様の所定の実施形態では、nは2、7~12、または40~50である。本発明のこの態様の所定の実施形態では、nは2、7、9、11または45である。
【0143】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、式(IV e)または(V c)のいずれか1つにより記載され、nは2~200の値を有している。本発明のこの態様の特定の実施形態では、nは2、または、nは7~50である。本発明のこの態様の特定の実施形態では、nは、2、7~12または40~50である。本発明のこの態様の特定の実施形態では、nは、2、7、9、11または45である。
【0144】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、Rである2つのまたは3つのX以外の、全てのXは、リン酸エステルである。
【0145】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、Rは、ポリエチレングリコールである。
【0146】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、Rは、100g/mol~3000g/mol、特に100g/mol~2500g/mol、より詳しくは約100g/mol~2000g/molの、モル質量を有している。
【0147】
本発明のこの態様の特定の実施形態では、Rは、200g/mol~3000g/mol、特に300g/mol~2500g/mol、より詳しくは約400g/mol~2000g/molの、モル質量を有している。
【0148】
本発明の他の態様は、式(IV f)、(IV g)、(IV h)、(IV i)、(IV j)、(IV k)、(V d)、(V e)、(V f)、(V g)、(V h)または(V i)のいずれか1つにより記載される化合物に関している。
【0149】
本明細書に記載されるいずれかの新規な化合物または化合物群は、本質的に提供される。有利なことに、病理的結晶化の治療および本明細書に提供される具体的な医療用用途の薬剤として、用いられてもよい。
【0150】
病理的カルシウム結晶化に関連する疾患における、使用のための前述のクレームのいずれか1つに従った化合物、投薬剤または組成物であって、上記疾患は、血管石灰化、冠状動脈疾患、血管脆化、弁石灰化、腎石灰化症、皮膚石灰沈着症、腎結石、軟骨石灰化、骨粗鬆症、心筋梗塞、心血管死亡率、慢性腎臓病の進行、移植腎の障害および末梢性動脈疾患、重大な肢虚血、カルシフィラキシー、乳児全身性動脈石灰化および大動脈弁狭窄、アテローム性動脈硬化、偽痛風、原発性シュウ酸尿、および弾性線維性仮性黄色腫から選択される。
【0151】
本明細書に開示される化合物は、一般に製薬技術に用いられるいずれの形態に存在していてもよい。特定の実施形態は、ソーダ塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、遊離酸、または前述の形態の混合物を非限定的に含んでいる。他の薬理学的に許容しうる塩は、当業者に知られており、とりわけ、ヘインズら、米国薬学会誌94、2005、2111-2120、DOI 10.1002/jps.20441(JHaynes et al., Pharmaceutical Sci. 94, 2005, 2111-2120, DOI 10.1002/jps.20441)から取得することが可能である。
【0152】
用語および定義
本発明の状況において、単分散のポリエチレングリコール(mdPEG)は、PEGであり、それは、単一の鎖長および分子量を有している。mdPEGsは、典型的には、クロマトグラフィーによる重合混合物からの分離により、生成される。
【0153】
単一分離可能対象の代替物が「実施形態」として本明細書に設定されたとしても、この代替物を自由に混合して、本明細書に開示される本発明の離散実施形態を形成してもよいことが理解されるべきである。
【0154】
本発明は、さらなる実施態様および利点を引き出されることが可能な、以下の例および図により、さらに例示される。これらの例は、本発明を例示することを目的とするものの、その範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0155】
図1】Paschら、JASN 2012、に記載される試験に従って、ヒト血清中のカルシプロテイン粒子(CPP)熟成時間を表す図である。y軸は、第1のCPPsの第2のCPPsへの分時間における、最大半減転位時間(T50)を示す。IP6:ミオイノシトール六リン酸エステル(Biosynth)、IS6:ミオイノシトール六硫酸エステル(Sigma)、IP2S4:4,6-ジ-(O-リン酸エステル)-ミオイノシトール1,2,3,5-テトラ-O-硫酸エステル、IT2S4:4,6-ジ-(O-チオリン酸エステル)-ミオイノシトール1,2,3,5-テトラ-O-硫酸エステル、IP5-PEG:2-PEG(2000)-ミオイノシトール五リン酸エステル。
図2図1(最後に反応混合物に試験化合物を添加する)におけると類似した試験に従った、ヒト血清中における、カルシプロテイン粒子(CPP)熟成時間の決定の結果を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0156】
[実施例]
【0157】
【表1】
【0158】
石灰化分析
本発明者らは、ヒト血清の石灰化の傾向を評価するインビトロ分析を実行し、CKD患者および腎臓移植レシピエントにおいてあらゆる原因による死亡率の予測因子として、臨床的に有効であった(Pasch、米国腎臓学会誌、1744-1752、2012(Journal of the American Society of Nephrology 23,1744-1752,2012)に記載)。カルシウム溶液、ヒトプール血清、指示される終濃度での試験化合物、およびリン酸エステル溶液、を混合することにより、実験を実施し、第1のCPPsから第2のCPPsへの遷移時間を、600分まで比濁計を用いて、37°Cで評価した。
【0159】
図1のデータは、化合物IP2S4およびIT2S4がIP6より活性であることを示している。さらに、化合物2-PEG-IP5は、この分析におけるその他の化合物より、はるかに活性である。この結果は、第1のCPPsの第2のCPPsへの転位を予防することと、ヒト血清の石灰化の傾向を低減することとにおける、ポリマー部分の重要な役割を暗示している。
【0160】
図2のデータは、化合物INS-2031(III p)、INS-3001(IV f)およびINS-3031(IV g)が、IP6より活性であることを示している。2つのPEG部分を有する化合物(INS-3001、INS-3031)は、1つのPEG部分を有している化合物(INS-2031)より活性がある。この結果は、第1のCPPsの第2のCPPsへの転位を予防することと、ヒト血清の石灰化の傾向を低減することにおける、ポリマー部分の重要な役割を暗示している。
【0161】
IT2S4の合成(VIa)
合成では、下記のスキームに示すシーケンスを行った:
【0162】
【化59】
【0163】
PTSA:pトルエンスルホン酸、DMF:ジメチルホルムアミド、TBDMSCl:第三級ブチルジメチルシリルクロライド、TBSO:第三級ブチルジメチルシリルエーテル保護基、DCM:ジクロロメタン、S8:元素硫黄、pyr.:ピリジン、TMSBr:臭化トリメチルシリル、TFA:トリフルオロ酢酸リン酸化。
【0164】
リン酸化
既知の2-第三級ブチルジメチルシリルイノシトールオルトギ酸エステルを、トルエンで3x繰り返し蒸発させて、ジクロロメタン(DCM)に溶解した。1Hテトラゾール(4eq.)と、これに続いてホスホラミダイト(8eq.)とを、反応物に添加し、一晩撹拌した。ピリジンと、これに続いて圧砕硫黄破片(20eq.)とを、反応物に添加し、一晩撹拌した。得られた粗混合物を、DCMで希薄化し、飽和NaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して、濃縮した。製品を、トルエン中のDCMでフラッシュクロマトグラフィにより精製した。
【0165】
H-NMR(400MHz、CDCl):δ7.35-7.29(m、4H)、7.15(dd、J=6.6、2.1Hz、2H)、7.07-7.04(m、2H)、5.54(d、J=1.1Hz、1H)、5.45-5.41(m、2H)、5.30-4.97(m、8H)、4.51-4.49(m、1H)、4.33-4.32(m、2H)、4.27(d、J=1.3Hz、1H)、0.93(s、9H)、0.13(s、6H)、
31P-NMR(162MHz、CDCl):δ70.1。
【0166】
脱保護
以下の脱保護疾患は、アメリカ化学会誌(the Journal of the American Chemical Society)(JACS 2005、127、5288)に発表される合成に類似している。
【0167】
出発原料(50mg)を、チオフェノール(300μl)、m-クレゾール(300μl)、トリフルオロ酢酸(1.8ml)で処理した。臭化トリメチルシリル(TMSBr)を、その後ゆっくりと添加した(360μl)。混合物を、室温で2時間撹拌した。その後、トルエンから2回蒸発させた。粗残基を、DCMおよび約5mlの水で希薄化し、1N NaOHで中和した。水層(わずかに濁り)を、直接、SolEx C18カートリッジ(サーモフィッシャー、1g、6ml)の上に注ぎ、水で溶出させた。場合によって、終末産物中に、ある芳香族不純物を見出したが、水中で経時的に沈殿するものであり、フィルタ処理で除去することが可能である。
【0168】
H-NMR(500MHz、DO):δ4.36(q、J=9.6Hz、2H)、4.02(t、J=2.7Hz、1H)、3.64(dd、J=9.7、2.8Hz、2H)、3.50(t、J=9.3Hz、1H)。
31P-NMR(203MHz、DO):δ45.7
【0169】
硫酸化
チオリン酸エステルが、反応条件下でリン酸エステルに結果的に変換されるため、チオリン酸エステルの硫酸化反応は、慎重に実行されなければならない。従って、本発明者らは慎重に硫酸化をモニタし、約30分後に反応が完結したことと、この時間中に分解が観察できなかったこととを、参照した。従って、ジメチルホルムアミド三酸化硫黄(SO-DMF)錯体(12eq.)を、DMF中でイノシトールリン酸の懸濁液に添加し、反応物を35分撹拌した。1N NaOHをpH約8まで、その後メタノール(MeOH)を約3mlまで、添加して、反応物を急冷して、塩を沈殿させた。セファデックスLH-20カラムにより、固体を精製して、水で溶出させた。
H-NMR(500MHz、DO):δ5.06(s、1H)、5.04-4.98(m、4H)、4.79-4.76(m、1H)。
31P-NMR(203MHz、DO):δ44.5。
【0170】
IP2S4(VI c)の合成
合成では、下記のスキームに示すシーケンスを行った:
【0171】
【化60】
【0172】
PTSA:p-トルエンスルホン酸、DMF:ジメチルホルムアミド、TBDMSCl:第三級ブチルジメチルシリルクロライド、TBDMSO:第三級ブチルジメチルシリルエーテル保護基、DCM:ジクロロメタン、ACN:アセトニトリル、mCPBA:メタ-クロロペルオキシ安息香酸、TMSBr:臭化トリメチルシリル、SO-EtN:三酸化硫黄トリエチルアミン、TfOH:トリフルオロメタンスルホン酸。
【0173】
加水分解
4,6-ジ-O-ホスフェート-ミオイノシトール(2)
メタノール/ジクロロメタン(MeOH/DCM)30%(30ml、0.05M)中の、2-O-第三級-ブチルジメチルシリル-1,3,5-オルトギ酸エステル-4,6-(O-ジキシリレンリン酸)-ミオイノシトール(1.00g、1.5mモル、1eq.)を、臭化トリメチルシリル(TMSBr)(11ml、83.8mモル、56eq.)で処理し、5時間撹拌した。反応混合物をNで脱ガスし、1MのNaOH溶液でHBrを中和した。1~2時間後、濃縮して乾燥させた。粗物は、アセトンで2回、アセトニトリル(ACN)で2回洗浄して、白色の固体として2を与えた(539mg、定量収率)。
【0174】
H-NMR(400MHz、MeOD):δ(ppm)=4.40(q、3JHH=9.1Hz、2JHP=9.1Hz、2H、H-C4/6)、4.01(t、J=2.6Hz、1H、H-C2)、3.63(dd、J=9.68、2.76Hz、2H、H-C1/3)、3.61(t、J=9.27Hz、1H、H-C5)、
31P-NMR(160MHz、1H-分離、MeOD):δ(ppm)=1.15(P-C4/6)、13CNMR(150MHz、MeOD):δ(ppm)=81.28(d、2JCP=6.1Hz、2C、C4/6)、74.12(t、3JCP=3.8Hz、1C、C5)、73.75(s、1C、C2)、72.13(d、3JCP=3.2Hz、2C、C1/3)、[m/z(ESI)(M+H)+C6H15O12P2 必要量が341.0033、測定量が341.0037]。
【0175】
硫酸化
1,2,3,5-テトラ-O-スルホニル-4,6-(ジ-O-リン酸エステル)-ミオ-イノシトール(1)
4,6-ジ-O-ホスフェート-ミオイノシトール(30mg、90μモル、1eq.)を、トルエン(3x)で、繰り返し蒸発させ、高真空下で1時間乾燥させた。ドライジメチルホルムアミド(DMF)(1ml、0.09M)を添加し、SO-EtN(197mg、109μモル、12eq.)およびTfOH(190μl、215μモル、24eq.)で反応混合物を処理した。45°Cで加熱し、一晩撹拌させた。EtN(0.15ml、12eq.)を添加して、反応混合物を中和させた。中和直後、混合物を、ナノ純度水(2ml)中に希薄させ、セファデックスG10カラムに装填させた。3~4mlの14分画を収集し、凍結乾燥器に一晩保持した。3~7分画を混合して、白色固体(46.31μモル、51%)として1を与えた。
【0176】
H-NMR:(400MHz、DO):δ(ppm)=5.40(br、1H、H-C2)、4.64~4.44(m、5H、H-C1/3、H-C5、H-C4/6)、3.70(s、8H、内部標準ジオキサン)、3.15(q、J=7.3Hz、6H、CH2-EtN)、1.23(t、J=7.3Hz、9H、CH3-EtN)。
【0177】
PEG-IP5(III o、III p、III q)の合成
合成では、下記スキームに示すシーケンスを行った:
【0178】
【化61】
【0179】
DCM:ジクロロメタン、DMF:ジメチルホルムアミド、SBTO:第三級ブチルジメチルシリルエーテル保護基、TFA:トリフルオロ酢酸、mCPBA:メタクロロペルオキシ安息香酸。
【0180】
イノシトールオルトギ酸エステルを、1eq.のPEGトシル酸塩と反応して、単独でPEG化の4-、または、6-PEGイノシトールオルトギ酸エステルとした。トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンを用いて、オルトギ酸エステル保護基を除去した。化合物を、ホスホラミダイト、1Hテトラゾール、ジクロロメタンおよびメタクロロペルオキシ安息香酸と反応させた。得られた化合物を、H、MeOHおよびPdOと反応させて、それぞれ、4-PEG-IP5または6-PEG-IP5とした。
【0181】
4,6-PEG-IP4(IV f、IV g、IV h)の合成
合成では、下記スキームに示すシーケンスを行った:
【0182】
【化62】
【0183】
DCM:ジクロロメタン、DMF:ジメチルホルムアミド、SBTO:第三級ブチルジメチルシリルエーテル保護基、TFA:トリフルオロ酢酸、mCPBA:メタクロロペルオキシ安息香酸。
【0184】
イノシトールオルトギ酸エステルを、PEGトシル酸塩と反応させて、二重にPEG化の4,6-PEGイノシトールオルトギ酸エステルとした。トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンを用いて、オルトギ酸エステル保護基を除去した。化合物を、ホスホラミダイト、1H-テトラゾール、ジクロロメタン、およびメタクロロペルオキシ安息香酸と反応させた。得られた化合物を、H、MeOHおよびPdOと反応させて、4,6-PEG-IP4とした。
【0185】
4-PEG-IP2S3(III u、III v、III w)の合成
合成では、下記スキームに示すシーケンスを行った:
既知のミオイノシトールオルトギ酸エステルを、DMF中の、水素化ナトリウム等の強塩基の存在下で、市販のPEGトシル酸塩とモノアルキル化させることが可能である。反応混合物を、その後水で急冷させ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥して、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより、製品を精製することが可能である。ホスホラミダイト試薬を用いて、標準的な条件下で、フリーな水酸基のリン酸化を行った後、メタ-クロロ過安息香酸で酸化を行った。標準または逆相クロマトグラフィーにより、製品を精製することが可能である。その後、過剰なブロモトリメチルシランを用いて、メタノールおよびジクロロメタンの混合物中で、オルソエステルとリン酸基とを併用的に脱保護した。析出または逆相クロマトグラフィーにより、製品を精製することが可能である。ドライなDMFの中に製品を懸濁することにより、および、過剰な三酸化硫黄-DMF錯体と反応することにより、フリーな水酸基の硫酸化を実行する。その後、反応物を水で急冷して、中和する。終末産物を、メタノールを添加することにより、反応混合物から沈殿することが可能であり、サイズ排除クロマトグラフィーにより、または逆相クロマトグラフィーにより、精製することが可能である。
【0186】
【化63】
【0187】
PEG-IT5、4,6-PEG-IT4およびPEG-IT2S3の合成
1Hテトラゾール(4eq.)を添加してリン酸化を実行した後、反応物にホスホラミダイト(8eq.)を添加して、一晩撹拌した以外、PEG-IT5(III r、III s、III t)、4,6-PEG-IT4(IV i、IV j、IV k)、およびPEG-IT2S3(III x、III y、III z)の合成を、PEGIP5、4,6-PEG-IP4およびPEG-IP2S3に対して定めたシーケンスで行った。その後、ピリジンと、その後に、圧砕硫黄破片(20eq.)とを、反応物に添加し、一晩撹拌して、チオホスホリル化を完了させた。
【0188】
2,4,6-PEG-IP3(V d、V e、V f)の合成
合成では、下記スキームに示すシーケンスを行った:
【0189】
【化64】
【0190】
イノシトールオルトギ酸エステルを、PEGトシル酸塩と反応させて、3倍のPEG化2,4,6-PEGイノシトールオルトギ酸エステルとした。トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンを用いて、オルトギ酸エステル保護基を除去した。化合物を、ホスホラミダイト、1H-テトラゾール、ジクロロメタン、およびメタクロロペルオキシ安息香酸と反応させた。得られた化合物を、H、MeOHおよびPdOと反応させて、2,4,6-PEG-IP4とした。
【0191】
2,4,6-PEG-IT3(V g、V h、V i)の合成
1Hテトラゾール(4eq.)の添加によりリン酸化を実行した後、ホスホラミダイト(8eq.)を反応物に加えて、一晩撹拌したこと以外は、2,4,6-PEG-IP3のために記載された通りに、2,4,6-PEG-IT3を合成した。その後、ピリジンと、その後に圧砕硫黄破片(20eq.)とを、反応物に添加し、一晩撹拌して、チオホスホリル化を完了した。
図1
図2