(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172398
(43)【公開日】2022-11-15
(54)【発明の名称】タッチセンサ及びタッチセンサ付き表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20221108BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
G06F3/041 440
G06F3/041 410
G06F3/041 422
G06F3/041 650
G06F3/044 124
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146172
(22)【出願日】2022-09-14
(62)【分割の表示】P 2018060420の分割
【原出願日】2018-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 光秀
(57)【要約】
【課題】湾曲した縁を有するタッチセンサ及びタッチセンサ付の表示装置であって、タッチされた座標の検出精度を向上させたタッチセンサ及び表示装置を提供する。
【解決手段】タッチセンサであって、湾曲する縁を有する湾曲領域を少なくとも一部に有するタッチ検出領域を有し、前記タッチ検出領域は、第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の第1電極と、前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列された複数の第2電極と、を有し、前記湾曲領域において、前記複数の第2電極の前記第1方向の間隔は、前記第2方向に向かって段階的に変化し、前記湾曲領域において、前記複数の第1電極の前記第2方向の間隔は一定である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲する縁を有する湾曲領域を少なくとも一部に有するタッチ検出領域を有し、
前記タッチ検出領域は、
第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の第1電極と、
前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列された複数の第2電極と、
を有し、
前記湾曲領域において、前記複数の第2電極の前記第1方向の間隔は、前記第2方向に向かって段階的に変化し、
前記湾曲領域において、前記複数の第1電極の前記第2方向の間隔は一定である、ことを特徴とするタッチセンサ。
【請求項2】
前記湾曲領域において、前記複数の第1電極の長さは、前記第2方向に向かって段階的に変化し、前記複数の第2電極の長さは、前記第1方向に向かって段階的に変化することを特徴とする請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項3】
前記湾曲領域は、
前記第1方向に直線状に延びる第1辺と、
前記第2方向に直線状に延びる第2辺と、
湾曲した辺と、
によって囲まれる領域であることを特徴とする請求項1または2に記載のタッチセンサ。
【請求項4】
前記湾曲領域と隣接する第1領域において、前記複数の第1電極の前記第2方向の間隔及び前記複数の第2電極の前記第1方向の間隔は一定である、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタッチセンサ。
【請求項5】
さらに、前記複数の第1電極または前記複数の第2電極の出力に基づいて、前記タッチセンサ上のタッチされた座標を算出する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1電極または前記第2電極の出力を所定の回数測定し、平均化するフィルタを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタッチセンサ。
【請求項6】
前記複数の第1電極及び前記複数の第2電極は、前記複数の画素の光を発する領域に開口を有する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のタッチセンサ。
【請求項7】
湾曲する縁を有する湾曲領域を少なくとも一部に有する表示装置であって、
発光素子およびトランジスタを有する複数の画素がマトリクス状に配置された表示部と、
第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の第1電極と、前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列された複数の第2電極と、を有する、タッチセンサと、
を有し、
前記表示部が平面視で前記タッチセンサと重ねられ、
前記湾曲領域において、前記複数の第2電極の前記第1方向の間隔は、前記第2方向に向かって段階的に変化し、
前記湾曲領域において、前記複数の第1電極の前記第2方向の間隔は一定である、ことを特徴とするタッチセンサ付き表示装置。
【請求項8】
前記湾曲領域において、前記複数の第1電極の長さは、前記第2方向に向かって段階的に変化し、前記複数の第2電極の長さは、前記第1方向に向かって段階的に変化することを特徴とする請求項7に記載のタッチセンサ付き表示装置。
【請求項9】
前記湾曲領域は、
前記第1方向に直線状に延びる第1辺と、
前記第2方向に直線状に延びる第2辺と、
湾曲した辺と、
によって囲まれる領域であることを特徴とする請求項7または8に記載のタッチセンサ付き表示装置。
【請求項10】
前記湾曲領域と隣接する第1領域において、前記複数の第1電極の前記第2方向の間隔及び前記複数の第2電極の前記第1方向の間隔は一定である、ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のタッチセンサ付き表示装置。
【請求項11】
さらに、前記複数の第1電極または前記複数の第2電極の出力に基づいて、前記タッチセンサ上のタッチされた座標を算出する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1電極または前記第2電極の出力を所定の回数測定し、平均化するフィルタを有する、
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のタッチセンサ付き表示装置。
【請求項12】
前記複数の第1電極及び前記複数の第2電極は、前記複数の画素の光を発する領域に開口を有する、ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載のタッチセンサ付き表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ及びタッチセンサ付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、
図8に示すように、隣り合う電極が接続部を介して接続された横方向に延びる電極と、隣り合う電極が接続部を介して接続された縦方向に延びる電極と、電圧印加部110と、電荷検出部100と、を有するタッチパネル装置を開示している。タッチパネル装置は、縦方向に延びる電極に近づいた指等によって、電荷検出部100が検出する電荷量の変化に基づいてタッチされた位置を検出する。
【0003】
また、特許文献1は、角部の縁が湾曲する点を開示している。上記電極は、中央付近に配置された矩形の基準電極対と、湾曲した縁の近傍に配置され矩形の一部が欠けた形状である変形電極対と、を含む。タッチパネル装置は、変形電極対の出力を基準電極対の出力と同じレベルに増幅する補正部を有する点を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構成においては、タッチパネル装置の縁に配置された電極のみが中央に配置された電極と異なる形状であり、変形電極対と電気的に接続された基準電極対と接続されていない基準電極対が混在していた。そのため、補正部が電荷検出部100の変形電極対を含む電極の出力を増幅したとしても、当該変形電極対と接続された基準電極対の出力も増幅されてしまうことから、タッチされた座標を高精度に補正することはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、湾曲した縁を有するタッチセンサ及びタッチセンサ付き表示装置であって、タッチされた座標の検出精度を向上させたタッチセンサ及びタッチセンサ付き表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のタッチセンサは、湾曲する縁を有する湾曲領域を少なくとも一部に有するタッチ検出領域を有し、前記タッチ検出領域は、第1方向及び第2方向にそれぞれ並べて配置された複数の第1電極及び第2電極が配置され、前記第1方向に並べて配置された複数の第1電極はそれぞれ連結され、前記第2方向に並べて配置された複数の第2電極はそれぞれ連結され、前記湾曲領域において、前記複数の第1電極及び第2電極の前記第1方向の間隔は、前記第2方向に向かって段階的に変化する、ことを特徴とする。
【0008】
本開示のタッチセンサ付き表示装置は、発光素子およびトランジスタを有する複数の画素がマトリクス状に配置された表示部と、第1方向及び第2方向にそれぞれ並べて配置された複数の第1電極及び第2電極を有し、前記表示部が平面視で重ねられたタッチセンサと、を有し、湾曲する縁を有する湾曲領域を少なくとも一部に有する表示装置であって、前記第1方向に並べて配置された複数の第1電極はそれぞれ連結され、前記第2方向に並べて配置された複数の第2電極はそれぞれ連結され、前記湾曲領域において、前記複数の第1電極及び第2電極の前記第1方向の間隔は、前記第2方向に向かって段階的に変化する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る表示装置の模式的な平面図である。
【
図2】
図1における一点鎖線の枠内を拡大した平面図である。
【
図3】
図1におけるIII-III線の断面を示す模式的な断面図である。
【
図4】第1電極及び第2電極を拡大した断面図である。
【
図6】第2実施形態に係る表示装置の模式的な平面図である。
【
図7】第3実施形態に係る表示装置の模式的な平面図である。
【
図8】従来技術に係る表示装置の模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
さらに、本発明の詳細な説明において、ある構成物と他の構成物の位置関係を規定する際、「上に」「下に」とは、ある構成物の直上あるいは直下に位置する場合のみでなく、特に断りの無い限りは、間にさらに他の構成物を介在する場合を含むものとする。
【0012】
[第1実施形態]
図1(a)は、第1実施形態に係る表示装置1の平面図である。
図1(b)は、タッチセンサ20全体の中で、後述する第1接続線23が配置される位置14を模式的に示した図である。
図2は、
図1(a)に示す一点鎖線の枠内を拡大した図である。表示装置1の例として、有機EL表示装置を挙げる。表示装置1は、例えば赤、緑及び青からなる複数色の単位画素(サブピクセル)を組み合わせてフルカラーの画素を形成し、フルカラーの画像を表示する。
【0013】
表示部10の表示領域15の外側には周辺領域11(額縁領域)が形成される。周辺領域11には画素を駆動するための集積回路チップ12が搭載され、外部との電気的接続のためのFPC13(フレキシブルプリント基板)13が接続されている。以下の説明においては、周辺領域11のFPC13が接続される辺に沿った方向を第1方向とし、それと直交する方向を第2方向とする。なお、第1方向と第2方向は逆であってもよい。
【0014】
表示装置1は、湾曲する縁を有する湾曲領域16を少なくとも一部に有する。具体的には、表示装置1は、長方形の形状の角部を丸めた形状である。表示装置1は、第1方向及び第2方向に沿う直線状の縁と、右上、右下、左上及び左下にそれぞれ湾曲した縁と、を有する。
【0015】
なお、表示装置1の形状は、
図1(a)に示した形状に限られず、湾曲領域16が含まれれば他の形状であってもよい。例えば、表示装置1は、長方形の4つの角の内一部の角を丸めた形状であってもよいし、円形や楕円形であってもよい。
【0016】
以下の説明において、
図1(a)に示すように、湾曲領域16と第1方向及び第2方向に隣接する矩形状の領域を第1領域17とする。第1領域17と第2方向に隣接する矩形状の領域を第2領域18とする。なお、第1領域17及び第2領域18は、表示装置1の形状によっては、表示装置1に含まれなくてもよい。
【0017】
湾曲領域16は、第1方向に直線状に延びる第1辺と、第2方向に直線状に延びる第2辺と、湾曲した辺と、によって囲まれる領域である。具体的には、湾曲領域16は、当該湾曲した縁に沿う湾曲した辺と、当該湾曲した縁と直線の縁の境界を起点として第1方向に直線状に延びる第1辺と第2方向に直線状に延びる第2辺と、によって囲まれる領域である。換言すると、第1辺は、湾曲領域16と、該湾曲領域16と第2方向に隣接する第1領域17との境界線である。第2辺は、湾曲領域16と、該湾曲領域16と第1方向に隣接する第2領域18との境界線である。なお、
図1(a)においては、領域を明確にするため、湾曲領域16、第1領域17、第2領域18の間に間隙を有するように記載しているが、実際は隣り合う2つの領域は接する。
【0018】
表示装置1は、表示部10と、表示部10と平面視で重ねて形成されたタッチセンサ20とを有する。具体的には、表示部10は、発光素子およびトランジスタを有する複数の画素がマトリクス状に配置される。表示部10は、複数の画素が発光することにより画像を表示する。タッチセンサ20は、第1方向及び第2方向にそれぞれ並べて配置された複数の第1電極21及び第2電極22を有し、表示部10と平面視で重ねられる。タッチセンサ20において、表示部10と平面視で重なる領域は、タッチ検出領域である。
【0019】
タッチ検出領域は、ユーザ等にタッチされた座標を検出する領域である。具体的には、タッチ検出領域は、矩形に内接する形状であって、湾曲する縁を有する湾曲領域16を少なくとも一部に有する。例えば、従来のタッチセンサやタッチセンサ付き表示装置のタッチ検出領域は矩形の形状であるが、本発明におけるタッチ検出領域は、当該矩形の形状の4つの角を丸めた形状である。タッチ検出領域は、第1方向及び第2方向にそれぞれ並べて配置された複数の第1電極及び第2電極が配置される。
【0020】
図1(a)に示すように、第1電極21と第2電極22のそれぞれは、第1方向とこれに交差する第2方向とを対角方向とする矩形状に形成されている(
図4(a)及び(b)参照)。なお、表示装置1の縁に接する第1電極21及び第2電極22の一部は、三角形状に形成される。
【0021】
第1方向に並べて配置された複数の第1電極21はそれぞれ連結される。具体的には、
図1(a)、
図2に示すように、複数の第1電極21は第1方向と第2方向とにそれぞれ並んで2次元的に配列されている。これらの第1電極21のうち、第1方向に隣り合う第1電極21は第1の接続線23を介して接続されており、第2方向に隣り合う第1電極21は接続されていない。すなわち、複数の第1電極21は、第1方向に隣り合う第1電極21が第1接続線23を介して接続されることで第1方向に延びる複数の電極列をそれぞれ形成しており、それぞれの電極列は第2方向には電気的に分離されている。
【0022】
第2方向に並べて配置された複数の第2電極22はそれぞれ連結される。具体的には、複数の第2電極22は、第1方向と第2方向とにそれぞれ並んで2次元的に配列されている。これらの第2電極22のうち、第2方向に隣り合う第2電極22は第1接続線23と平面視で交差する第2接続線24を介して接続されており、第1方向に隣り合う第2電極22は接続されていない。すなわち、複数の第2電極22は、第2方向に隣り合う第2電極22が第2接続線24を介して接続されることで第2方向に延びる複数の電極列を形成しており、それぞれの電極列は第1方向には電気的に分離されている。第1接続線23は、連結された第2電極22の上層に設けられているが、下層に設けられていても良い。
【0023】
それぞれの第2電極22は、平面視で第1電極21に囲まれるよう配置されている。例えば、それぞれの第2電極22は、第1方向と第2方向の両方に交差する方向(例えば45度又は-45度の方向)に隣り合う第1電極21の間に配置されており、4つの第1電極21に囲まれている。第1電極21と第2電極22とは、互いに接触しないように間隔を空けることで電気的に分離されている。
【0024】
湾曲領域16及び第1領域17において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は、第2方向に向かって段階的に変化する。具体的には、
図1(b)に示すように、表示装置1のFPC13が設けられた側(
図1(b)の下側)の湾曲領域16において、第1方向(
図1(b)の左右方向)に並んだ接続線23の間隔は、第2方向(
図1
(b)の上側方向)に行くにつれて、段階的に広くなっている。従って、表示装置1のFPC13が設けられた側の湾曲領域16において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は、第2方向に向かって段階的に広くなる。同様に、表示装置1のFPC13が設けられた側の湾曲領域16と第1方向に隣り合う第1領域17において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は第2方向に向かって段階的に広くなっている。
【0025】
表示装置1のFPC13が設けられた側とは反対側(
図1(b)の上側)の湾曲領域16においては、第1方向(
図1(b)の左右方向)に並んだ接続線23の間隔は、第2方向(
図1(b)の上側方向)に行くにつれて、段階的に狭くなる。同様に、表示装置1のFPC13が設けられた側と反対側の湾曲領域16と第1方向に隣り合う第1領域17において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は第2方向に向かって段階的に狭くなっている。
【0026】
一方、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は一定である。具体的には、
図1(b)に示すように、タッチセンサ20のいずれの領域(湾曲領域16、第1領域17及び第2領域18)においても、第2方向(
図1(b)の上下方向)に並んだ接続線23の間隔は一定である。従って、タッチセンサ20の全ての領域において、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は一定である。
【0027】
図3は、
図1に示すIII-III線で切断したときの断面図である。
図3では、断面構造を見易くするため、基板30、平坦化膜51及び画素分離膜55などの一部の層のハッチングを省略している。また、集積回路チップ12の記載は省略している。以下の
図3に関する説明では、積層方向を上方向とする。
【0028】
基板30は、例えばガラス、又はポリイミド等の可撓性がある樹脂からなる。基板30はアンダーコート層31によって覆われている。アンダーコート層31上には半導体層41が形成されており、半導体層41はゲート絶縁膜33によって覆われている。ゲート絶縁膜33上にはゲート電極43が形成されており、ゲート電極43はパッシベーション膜35によって覆われている。ドレイン電極45及びソース電極47は、ゲート絶縁膜33とパッシベーション膜35とを貫通して半導体層41に接続されている。半導体層41、ゲート電極43、ドレイン電極45及びソース電極47により薄膜トランジスタ40が構成される。薄膜トランジスタ40は、複数の単位画素のそれぞれに対応するように設けられている。アンダーコート層31、ゲート絶縁膜33及びパッシベーション膜35は、例えばSiO2、SiN、又はSiON等の無機絶縁材料で形成されており、上記無機絶縁材料を含む単層の他、複数層の積層構造を有していても良い。アンダーコート層31については、基板30及び半導体層41に接しない層に、樹脂層を含んでいても良い。
【0029】
パッシベーション膜35上には、ドレイン電極45及びソース電極47に加えて、周辺領域11に配線49が形成されている。図示の配線49は、タッチセンサ20とFPC13とを電気的に接続するための配線である。ドレイン電極45、ソース電極47及び配線49は平坦化膜51によって覆われており、平坦化膜51は無機絶縁膜53によって覆われている。ドレイン電極45、ソース電極47及び配線49は、例えばAl、Ag、Cu、Ni、Ti、Mo等を含む導電性材料で形成されている。平坦化膜51は、例えばアクリル樹脂等の有機絶縁材料で形成され、平坦な上面を有している。無機絶縁膜53は、例えばSiO2、SiN、又はSiON等の無機絶縁材料で形成されている。
【0030】
無機絶縁膜53上には画素電極61(例えば陽極)が形成されている。画素電極61は、平坦化膜51と無機絶縁膜53とを貫通してソース電極47に接続されている。画素電極61は、複数の単位画素のそれぞれに対応するように設けられている。画素電極61は反射電極として形成されている。また、周辺領域11には、基板30の上面側において無機絶縁膜53等から露出された第1端子67、第2端子68が形成されており、平坦化膜51と無機絶縁膜53とを貫通して配線49の両方の端部にそれぞれ接続されている。第2端子68は、第1端子67よりも表示領域15から離れた位置に配置される。即ち、第2端子68は、第1端子67よりも、後述する発光素子60から離れた位置に配置されている。
【0031】
画素電極61及び第1端子67、第2端子68は、例えばAl、Ag、Cu、Ni、Ti、Mo等を含む導電性材料を含んで形成されている。また、第1端子67、第2端子68は、工程中に雰囲気に曝される機会が多いため、表面酸化等を生じにくい材料、例えばITO、IZO等のインジウム系酸化物が含まれていてもよい。即ち、Al、Ag、Cu、Ni、Ti、Mo等を含む導電性材料と、表面酸化等を生じにくいインジウム系酸化物との2層構造を有していてもよい。
【0032】
第1端子67、第2端子68が、その表面側にインジウム系酸化物を含んでいる場合、第1無機絶縁膜71、第2無機絶縁膜75、及び層間絶縁膜83などをエッチングして除去する際に、インジウム系酸化物は、エッチング液に対する選択比が小さいため、第1端子67、第2端子68の形状を保持することができ望ましい。また、表示装置1がボトムエミッション方式の場合は、画素電極61は透過電極として形成される必要があり、この場合も前述のインジウム系酸化物を用いることができる。
【0033】
画素電極61の周囲には画素分離膜55が配置されている。画素分離膜55はリブ又はバンクとも呼ばれる。画素分離膜55には、画素電極61が底に露出する第1開口55aが形成されている。第1開口55aを形成する画素分離膜55の内縁部分は画素電極61の周縁部分に載っており、上方に向かうに従って外方に広くなる。テーパー形状を有している。なお、画素分離膜55は、表示領域15、及び周辺領域11と表示領域15との境界近傍に形成される。画素分離膜55は、例えばアクリル樹脂等の有機絶縁材料で形成されている。
【0034】
画素分離膜55の第1開口55aの底に露出した画素電極61上には、発光層63が互いに離れて個別に形成されている。発光層63は、複数の単位画素のそれぞれに対応して例えば赤、緑及び青からなる複数色で発光する。発光層63とともに、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも一層が形成されてもよい。発光層63はマスクを用いて個別に蒸着形成される。発光層63は、表示領域15の全体に広くなる。一様な膜として蒸着形成されてもよく、その場合、発光層63は単色(例えば白色)で発光し、カラーフィルタ103や色変換層によって例えば赤、緑及び青からなる複数色のそれぞれの成分が取り出される。なお、発光層63は蒸着形成に限らず、塗布形成されてもよい。
【0035】
発光層63及び画素分離膜55は対向電極65(例えば陰極)によって覆われている。対向電極65は、表示領域15の全体に広くなる。一様な膜として形成されている。発光層63並びに発光層63を挟む画素電極61及び対向電極65によって発光素子60が構成され、発光層63は画素電極61と対向電極65との間を流れる電流によって発光する。対向電極65は、例えばITO等の透明導電材料又はMgAg等の金属薄膜で形成される。表示装置1がトップエミッション方式の場合は、対向電極65は透過電極として形成される必要があり、金属薄膜を用いる場合は、光が透過する程度に膜厚を小さくする必要がある。
【0036】
画素分離膜55及び対向電極65は、封止膜(パッシベーション膜)70によって覆われることで封止され、水分から遮断される。封止膜70は、例えば第1無機絶縁膜71、有機絶縁膜73及び第2無機絶縁膜75を下からこの順に含む三層積層構造を有している。第1無機絶縁膜71、第2無機絶縁膜75は、例えばSiO2、SiN、又はSiON等の無機絶縁材料で形成されている。有機絶縁膜73は、例えばアクリル樹脂等の有機絶縁材料で形成されており、封止膜70の上面を平坦化させる。表示部10は、基板30乃至封止膜70の各層によって構成される。
【0037】
表示装置1は、封止膜70上にタッチセンサ20を有している。具体的には、封止膜70上に保護絶縁膜81が形成されており、保護絶縁膜81上に2次元的に配列された複数の第1電極21と複数の第2電極22とが形成されている。第1電極21及び第2電極22上に層間絶縁膜83が形成されている。第1電極21と第2電極22とは、静電容量方式タッチセンサ20の駆動電極と検出電極とを構成する。保護絶縁膜81と層間絶縁膜83とは、例えばアクリル樹脂等の有機絶縁材料で形成されている。なお、保護絶縁膜81は省略されてもよく、その場合、封止膜70上に第1電極21、第2電極22が形成される構成となる。
【0038】
本実施形態において、第1電極21、第2電極22は、インジウム系材料とオーミックコンタクトするAgやMoW等の材料を含む第1の層と、第1の層上に設けられ、ITO、IZO、IGZOなどのインジウム系酸化物を含む第2の層と、を含む積層構造を有する。
【0039】
本実施形態では、複数の第1電極21と複数の第2電極22とは、封止膜70と層間絶縁膜83との間の同層に配置されているが、これに限られず、互いに異なる層に配置されてもよい。すなわち、第1電極21と第2電極22との一方が層間絶縁膜83下に配置され、他方が層間絶縁膜83上に配置されてもよい。また、第1電極21と第2電極22との両方が層間絶縁膜83上に配置されてもよい。
【0040】
図2乃至
図4(b)に示すように、第1接続線23と第2接続線24とは平面視で交差している。平面視で交差する第1接続線23と第2接続線24との間には層間絶縁膜83が介在しており、両者は電気的に分離されている。
【0041】
第1接続線23は、層間絶縁膜83上に配置されたいわゆるブリッジ配線である。具体的には、
図3及び
図4(a)に示すように、第1接続線23は、層間絶縁膜83に形成されたスルーホール90を通じて第1電極21に接続されている。一方、第2接続線24は、層間絶縁膜83下で第2電極22と連続的に形成されている。なお、
図4(a)は、
図1(a)の第2領域18における第1電極21及び第2電極22を拡大した図である。
【0042】
第1接続線23は、例えばAl、Ag、Cu、Ni、Ti、Mo等を含む導電性材料で形成されている。第1接続線23は、例えば、Ti、Al、Tiの3層構造を有してもよく、Mo、Al、Moの3層構造を有してもよい。第1接続線23をこのような積層構造とすることにより、第1接続線23の低抵抗化を図ることができ、タッチセンサ20における検出の時定数の遅延の発生を抑制することができる。第2接続線24は、インジウム系材料とオーミックコンタクトするAgやMow等の材料を含む第1の層と、第1の層上に設けられ、ITO、IZO、IGZOなどのインジウム系酸化物を含む第2の層と、を含む積層構造を有する。
【0043】
なお、第1電極21及び第2電極22は、均一な厚さの矩形状の電極であってもよいし、複数の画素の光を発する領域に第3開口91を有する形状であってもよい。具体的には、
図4(a)に示すように、複数の第1電極21及び第2電極22はそれぞれ、矩形状の均一な厚さで形成されてもよい。また、
図4(b)に示すように、複数の第1電極21及び第2電極22は、それぞれ複数の第3開口91を有するメッシュ状に形成されてもよい。各第3開口91は、複数の画素の光を発する領域(すなわち第1開口55a)と平面視で重なる位置に形成される。これにより、第1電極21及び第2電極22による画素が発する光の反射、吸収等を低減することができ、表示装置1の輝度を向上できる。
【0044】
また、第2接続線24が層間絶縁膜83上にブリッジ配線として配置され、第1接続線23が層間絶縁膜83下で第1電極21と連続的に形成されてもよい。また、第1接続線23がブリッジ配線として第2接続線24と交差する交差部と、第2接続線24がブリッジ配線として第1接続線23と交差する交差部とが混在していてもよい。
【0045】
引出配線25は、表示領域15の周縁部から周辺領域11にかけて、層間絶縁膜83の上に配置される。具体的には、引出配線25は、例えば、Ti、Al、Ti、または、Mo、Al、Moの3層構造を有する。引出配線25は、層間絶縁膜83に形成された第1第2開口83aを通じて第1電極21又は第2電極22に接続される。引出配線25は、第1無機絶縁膜71、第2無機絶縁膜75、及び層間絶縁膜83の端面に亘って形成され、露出された第1端子67の上面に接続される。引出配線25は、第1端子67を介して、発光素子60よりも下方に配置された配線49に接続される。
【0046】
表示領域15から離れた側に配置された第2端子68には、FPC13が接続される。また、周辺領域11には発光素子60に電気的に接続された不図示の端子(第3端子)も設けられており、この不図示の端子にFPC13が接続される。この不図示の端子は、例えば薄膜トランジスタ40及び集積回路チップ12等を介して発光素子60に電気的に接続されている。
【0047】
さらに、FPC13は、タッチセンサ20に電気的に接続された第2端子68と、発光素子60に電気的に接続された不図示の端子(第3端子)との両方に接続されている。このため、1枚のFPC13によってタッチセンサ20と発光素子60との両方に外部から信号を供給できる。
【0048】
続いて、タッチセンサ20状のタッチされた位置を算出する制御部105の一例について説明する。
図5は、制御部105の機能的な構成を示す図である。制御部105は、I-V変換部101と、アナログデジタル変換部102(ADC)と、フィルタ103と、信号処理部104と、を有する。
【0049】
I-V変換部101は、第1電極21へのタッチの有無によって現れる電流値の変化量を電圧値の変化量に変換する。具体的には、I-V変換部101は、引出配線25を介して第1電極21と電気的に接続される。また、第2電極22は、引出配線25を介して電圧印加部110(図示なし)と電気的に接続される。第2電極22は、電圧印加部110によって、例えばパルス信号を入力される。第1電極21は、第2電極22との間に形成される静電容量を介して、電圧が変化する。この際、第1タッチ電極とI-V変換部101との間で電荷が移動する。すなわち、第1タッチ電極からI-V変換部101に電流が流れる。第1電極21へのタッチが有る場合と無い場合とで、この電流値は異なる。I-V変換部101は、当該第1タッチ電極から供給された電流を電圧に変換する。なお、第1電極21と第2電極22は交換可能であって、第1電極21が電圧印加部110と接続され、第2電極22がI-V変換部101と接続されてもよい。
【0050】
アナログデジタル変換部102は、I-V変換部101が変換したアナログの電圧値を、デジタルの電圧値に変換する。
【0051】
フィルタ103は、デジタルに変換された電圧を所定の回数測定し、平均化する。具体的には、例えば、フィルタ103は、1秒間に4回測定された電圧値を平均化する処理を行う。フィルタ103は、所定の回数測定された電圧値の内、最大値と最小値を除外し、その他の電圧値を平均化する処理を行ってもよい。
【0052】
なお、フィルタ103は、I-V変換部101と第1電極21との間、または、I-V変換部101とアナログデジタル変換部102との間に設けられてもよい。この場合、フィルタ103は、ローパスフィルタ103、または、バンドパスフィルタ103等によって構成されるようにしてもよい。
【0053】
信号処理部104は、フィルタ103が出力した電圧値に基づいて、タッチセンサ20状のタッチされた座標を算出する。具体的には、信号処理部104は、複数の第1電極21の位置と、各第1電極21の出力から算出された電圧値と、の関係に基づいて、該位置と電圧値の関係を近似した関数を算出する。信号処理部104は、該関数のピーク値によって、タッチされた第2方向の座標を算出する。また、信号処理部104は、パルス信号が入力された第2電極22の位置と、各第1電極21の出力から算出された電圧値と、の関係に基づいて、該位置と電圧値の関係を近似した関数を算出する。信号処理部104は、該関数のピーク値によって、タッチされた第1方向の座標を算出する。
【0054】
制御部105は、FPC13の上に配置されたIC(図示なし)に含まれる。また、制御部105は、画素を駆動するための集積回路チップに含まれる構成としてもよい。
【0055】
以上のように、第1実施形態では、湾曲領域16及び第1領域17において、同じ第2方向の座標に配置された第1電極21及び第2電極22は、第1方向に一定の間隔で形成されている。そのため、従来技術のように、表示装置1の縁に沿って配置された電極のみが特異な形状とならない。従って、信号処理部104がタッチされた座標を算出する際に、特異な形状の第1電極21及び第2電極22による影響を第1方向に平均化することができる。これにより、第1方向に対する座標の算出精度を向上させることができる。
【0056】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図6(a)は、本発明の第2実施形態にかかる表示装置1の平面図である。
図6(b)は、タッチセンサ20全体の中で、接続線23が配置される位置を模式的に示した図である。
【0057】
第2実施形態では、第1領域17及び第2領域18において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向及び第2方向の間隔は一定である。すなわち、湾曲領域16以外の領域に配置された第1電極21及び第2電極22は、いずれも同じ形状の菱形状に形成される。なお、第1領域17の表示装置1の縁に接して配置される第1電極21及び第2電極22の一部は、三角形状に形成される。
【0058】
一方、湾曲領域16において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は、第2方向に向かって段階的に変化する。具体的には、
図6(b)に示すように、表示装置1のFPC13が設けられた側(
図6(b)の下側)の湾曲領域16において、第1方向(
図6(b)の左右方向)に並んだ接続線23の間隔は、第2方向(
図6(b)の上側方向)に行くにつれて、段階的に広くなっている。従って、湾曲領域16において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は、第2方向に向かって段階的に広くなる。
【0059】
表示装置1のFPC13が設けられた側とは反対側(
図6(b)の上側)の湾曲領域16においては、第1方向(
図6(b)の左右方向)に並んだ接続線23の間隔は、第2方向(
図6(b)の上側方向)に行くにつれて、段階的に狭くなる。
【0060】
また、湾曲領域16において、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は、第1方向に向かって段階的に変化する。具体的には、
図6(b)に示すように、
図6
(b)の左側の湾曲領域16において、第2方向(
図6(b)の上下方向)に並んだ接続線23の間隔は、第1方向(
図6(b)の右側方向)に行くにつれて、段階的に広くなっている。従って、湾曲領域16において、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は、第1方向に向かって段階的に広くなる。
【0061】
図6(b)の右側の湾曲領域16において、第2方向(
図6(b)の上下方向)に並んだ接続線23の間隔は、第1方向(
図6(b)の右側方向)に行くにつれて、段階的に狭くなる。従って、湾曲領域16において、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は、第1方向に向かって段階的に狭くなる。
【0062】
以上のように、第2実施形態では、湾曲領域16以外の領域において、第1電極21及び第2電極22は、第1方向及び第2方向に一定の間隔で配置される。これにより、湾曲領域16以外の領域では従来技術と同様の座標検出精度を維持しつつ、湾曲領域16における検出精度を第1実施形態と同様に向上することができる。
【0063】
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図7(a)は、本発明の第3実施形態にかかる表示装置1の平面図である。
図7(b)は、タッチセンサ20全体の中で、接続線23が配置される位置を模式的に示した図である。
【0064】
第3実施形態では、湾曲領域16と第1領域17と第2領域18とにおいて、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は、第2方向に向かって段階的に変化し、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は、第1方向に向かって段階的に変化する。
【0065】
具体的には、
図7(b)に示すように、表示装置1の中央より下側の領域において、第1方向(
図7(b)の左右方向)に並んだ接続線23の間隔は、第2方向(
図7(b)の上側方向)に行くにつれて、段階的に広くなっている。従って、表示装置1の中央より下側の領域において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は、第2方向に向かって段階的に広くなる。
【0066】
表示装置1の中央より上側の領域において、第1方向(
図7(b)の左右方向)に並んだ接続線23の間隔は、第2方向(
図7(b)の上側方向)に行くにつれて、段階的に狭くなっている。従って、表示装置1の中央より上側の領域において、複数の第1電極21及び第2電極22の第1方向の間隔は、第2方向に向かって段階的に狭くなる。
【0067】
表示装置1の中央より左側の領域において、第2方向(
図7(b)の上下方向)に並んだ接続線23の間隔は、第1方向(
図7(b)の右側方向)に行くにつれて、段階的に広くなっている。従って、表示装置1の中央より左側の領域において、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は、第1方向に向かって段階的に広くなる。
【0068】
表示装置1の中央より右側の領域において、第2方向(
図7(b)の上下方向)に並んだ接続線23の間隔は、第1方向(
図7(b)の右側方向)に行くにつれて、段階的に狭くなっている。従って、表示装置1の中央より右側の領域において、複数の第1電極21及び第2電極22の第2方向の間隔は、第1方向に向かって段階的に狭くなる。
【0069】
以上のように、第3実施形態では、表示装置1の全ての領域において、第1電極21及び第2電極22の間隔は、それぞれ第1方向及び第2方向に段階的に変化する。これにより、表示装置1の縁が湾曲することによる影響を、表示装置1全体に分散させることで、タッチされた座標の検出精度を向上させることができる。
【0070】
上記各実施形態においては、開示例として有機EL表示装置の場合を例示したが、その他の適用例として、液晶表示装置、その他の自発光型表示装置、あるいは電気泳動素子等を有する電子ペーパー型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置1が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能であることは言うまでもない。
【0071】
また、以上の実施形態においては、タッチセンサ20が表示領域に重畳するように一体形成された表示装置を例として説明してきたが、タッチセンサ20単体、すなわちタッチパネル装置それ自身へも当然に適用される。
【0072】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 表示装置、10 表示部、11 周辺領域、12 集積回路チップ、13 FPC、14 第1接続線の位置、15 表示領域、16 湾曲領域、17 第1領域、18 第2領域、20 タッチセンサ、21 第1電極、22 第2電極、23 第1接続線、24 第2接続線、25 引出配線、30 基板、31 アンダーコート層、33 ゲート絶縁膜、35 パッシベーション膜、40 薄膜トランジスタ、41 半導体層、43 ゲート電極、45 ドレイン電極、47 ソース電極、49 配線、51 平坦化膜、53 無機絶縁膜、55 画素分離膜、55a 第1開口、60 発光素子、61 画素電極、63 発光層、65 対向電極、67 第1端子、68 第2端子、70 封止膜、71 第1無機絶縁膜、73 有機絶縁膜、75 第2無機絶縁膜、81 保護絶縁膜、83 層間絶縁膜、83a 第2開口、90 スルーホール、91 開口、100 電荷検出部、110 電圧印加部、101 I-V変換部、102 アナログデジタル変換部、103 フィルタ、104 信号処理部、105 制御部。