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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172426
(43)【公開日】2022-11-16
(54)【発明の名称】液体ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B05B 9/00 20060101AFI20221109BHJP
   A47K 5/12 20060101ALI20221109BHJP
   B67D 7/02 20100101ALI20221109BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20221109BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B05B9/00
A47K5/12 A
B67D7/02 Z
A61L2/18
B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078222
(22)【出願日】2021-05-03
(71)【出願人】
【識別番号】591047970
【氏名又は名称】共立製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101742
【弁理士】
【氏名又は名称】麦島 隆
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋一
【テーマコード(参考)】
3E014
3E083
4C058
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PD11
3E014PE14
3E014PE23
3E014PE30
3E014PF05
3E083AA19
3E083AD17
3E083AE01
4C058AA07
4C058AA29
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD16
4C058JJ06
4C058JJ24
4C058JJ27
4F033RA14
4F033RD02
4F033RD09
4F033RE01
4F033RE11
4F033RE19
(57)【要約】
【課題】 ユーザが単にセンサに接近しただけで液体が吐出されるような誤作動を防ぐ液体ディスペンサの提供を目的とする。
【解決手段】 本発明の液体ディスペンサ1は、液体を充填する容器10と、ポンプ装置21を有し、前記ポンプ装置21の駆動によって、前記液体を吸引する吐出機構部20と、前記容器10及び前記吐出機構部20を収容するケーシング40と、ユーザの手指の接近を検出する第1の検出部50と、前記第1の検出部50とは別に前記ユーザの手指の接近を検出する第2の検出部60とを備え、前記ポンプ装置21は、前記第1の検出部50と前記第2の検出部60との検出信号に基づき駆動する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を充填する容器と、
ポンプ装置を有し、前記ポンプ装置の駆動によって、前記液体を吐出する吐出機構部と、
前記容器及び前記吐出機構部を収容するケーシングと、
ユーザの接近を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部とは別に前記ユーザの接近を検出する第2の検出部と、
を備え、
前記ポンプ装置は、前記第1の検出部と前記第2の検出部との両方により検出信号が出力された場合に、前記液体を吐出させるべく駆動する
ことを特徴とする液体ディスペンサ。
【請求項2】
前記第1の検出部と前記第2の検出部の一方は、前記ケーシングにおいて、前記吐出機構部の吐出口の下方への前記ユーザの接近を検出可能な位置に設けられる
請求項1に記載の液体ディスペンサ。
【請求項3】
前記第1の検出部と前記第2の検出部の一方は、前記ケーシングにおいて、前記吐出機構部の吐出口の下方へ前記ユーザの手指が差し入れられたことを検出するセンサである
請求項2に記載の液体ディスペンサ。
【請求項4】
前記吐出口の下方への前記ユーザの接近を検出可能な位置に設けられる前記第1の検出部と前記第2の検出部の一方は、前記ユーザに支持された、吐出口から吐出される液体を染み込ませるための液体保持部材の存在を検出するセンサである
請求項2又は3に記載の液体ディスペンサ。
【請求項5】
前記第1の検出部と前記第2の検出部は、前記ケーシングにおいて、検出範囲が重ならない位置に設けられる
請求項2~4のいずれか一項に記載の液体ディスペンサ。
【請求項6】
前記第1の検出部は、前記吐出機構部の吐出口より上方側に位置するユーザの手指を検出し、
前記第2の検出部は、前記吐出機構部の吐出口より下方側に位置するユーザの手指を検出する
請求項2~5のいずれか一項に記載の液体ディスペンサ。
【請求項7】
前記第1の検出部と前記第2の検出部とは、前記ケーシングの異なる面に設けられる
請求項6に記載の液体ディスペンサ。
【請求項8】
前記ポンプ装置は、前記第1の検出部及び前記第2の検出部と無線通信可能に接続される
請求項1~7のいずれか一項に記載の液体ディスペンサ。
【請求項9】
前記液体が除菌剤である請求項1~8のいずれか一項に記載の液体ディスペンサ。
【請求項10】
前記液体は、トイレの便座表面を除菌する除菌剤である請求項9記載の液体ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ等に設置される除菌剤ディスペンサやソープディスペンサ等の液体ディスペンサが提供されている。ここで、液体ディスペンサは、例えば下記特許文献1に示されるように、薬液(除菌剤)や石鹸液等の液体を充填した容器と、吸引管を介して容器内の液体を吸い上げ、容器を収めるケーシングの外部に液体を吐出するポンプ装置(吐出機構部)と、吐出機構部のヘッド部を押下する駆動レバー等を備える。
【0003】
特許文献1に示される液体ディスペンサは、ユーザの駆動レバーの押下によって、容器内の液体を吐出させるマニュアル式(機械式)のものである。これに対して、ケーシング外面に設けられた押圧板の押下を感圧センサが検出し、吐出機構部を駆動させる自動式の液体ディスペンサも提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-286406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年のウィルス感染症対策等の観点から、例えば、非接触型の操作部を備えた製品への需要が高まっている。多くのユーザによって接触操作される液体ディスペンサに関しても同様であり、ケーシング外面の所定位置にユーザの接近を検出するセンサ(例えば、光センサ)を配し、液体の吐出を非接触で操作するタイプのものが開発されている。
【0006】
しかしながら、この場合、1つのセンサからの検出信号によって、液体の吐出が制御されるため、吐出操作を意図しないユーザがセンサの検出範囲に入ることで、液体が吐出されるような事態が想定される。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、ユーザが単にセンサ(検出部)に接近しただけで液体が吐出されるような誤作動を防ぐ液体ディスペンサの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の液体ディスペンサは、
液体を充填する容器と、
ポンプ装置を有し、前記ポンプ装置の駆動によって、前記液体を吐出する吐出機構部と、
前記容器及び前記吐出機構部を収容するケーシングと、
ユーザの接近を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部とは別に前記ユーザの接近を検出する第2の検出部と、
を備え、
前記ポンプ装置は、前記第1の検出部と前記第2の検出部との両方により検出信号が出力された場合に、前記液体を吐出させるべく駆動する
ことを特徴とする。
【0009】
前記第1の検出部と前記第2の検出部の一方は、前記ケーシングにおいて、前記吐出機構部の吐出口の下方への前記ユーザの接近を検出可能な位置に設けられることが好ましい。
前記第1の検出部と前記第2の検出部の一方は、前記ケーシングにおいて、前記吐出機構部の吐出口の下方へ前記ユーザの手指が差し入れられたことを検出するセンサであることが好ましい。
前記吐出口の下方への前記ユーザの接近を検出可能な位置に設けられる前記第1の検出部と前記第2の検出部の一方は、前記ユーザに支持された、吐出口から吐出される液体を染み込ませるための液体保持部材の存在を検出するセンサであることが好ましい。
【0010】
また、前記第1の検出部と前記第2の検出部は、前記ケーシングにおいて、検出範囲が重ならない位置に設けられることが好ましい。
前記第1の検出部は、前記吐出機構部の吐出口より上方側に位置するユーザの手指を検出し、前記第2の検出部は、前記吐出機構部の吐出口より下方側に位置するユーザの手指を検出する構成であることが好ましい。
また、前記第1の検出部と前記第2の検出部とは、前記ケーシングの異なる面に設けられることが好ましい。
【0011】
更に、前記ポンプ装置は、前記第1の検出部及び前記第2の検出部と無線通信可能に接続されることが好ましい。
【0012】
前記液体が除菌剤であることが好ましい。
更に、前記液体は、トイレの便座表面を除菌する除菌剤であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の液体ディスペンサは、ユーザの手指等の接近を検出する第1の検出部と、第1の検出部とは別に前記ユーザの手指等の接近を検出する第2の検出部を備え、少なくとも第1の検出部及び第2の検出部の双方でユーザの手指等の接近が検出された後、容器に充填された液体を吐出するよう制御される。そのため、ユーザがセンサ(検出部)の検出範囲に単に侵入しただけで液体が吐出されるような誤作動を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に係る液体ディスペンサの構成を示す概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る液体ディスペンサの動作を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施形態に係る液体ディスペンサの作用を説明するための図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る液体ディスペンサの作用を説明するための別の図である。
図5図5(a)は、本発明の他の実施形態に係る液体ディスペンサを示す概略斜視図であり、図5(b)は、その底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る液体ディスペンサ1の構成を示す概略図である。ここで、本実施形態に係る液体ディスペンサ1は、例えば、トイレ個室の壁部などに取り付けられ、便座表面を除菌するための除菌剤(なお、本明細書の「除菌剤」には、静菌剤、殺菌剤等、菌の繁殖を抑制するものを全て含む。)を吐出する除菌剤ディスペンサである。ただし、液体ディスペンサ1の種類(用途)は、これに限られず、ウイルスを抑制する薬剤用のディスペンサ、石鹸液を吐出するソープディスペンサや、他の薬剤・洗剤を吐出する各種ディスペンサであってもよい。
【0016】
図1に示されるように、液体ディスペンサ1は、容器10、吐出機構部20、吸引管30、ケーシング40、第1の検出部50、第2の検出部60等を備える。少なくとも、容器10及び吐出機構部20は、ケーシング40に収容される。
【0017】
液体ディスペンサ1から吐出される液体(除菌剤)は、容器10に充填される。また、吐出機構部20は、ケーシング40内の上方側に設けられ、ポンプ装置21、吐出口22を備える。
【0018】
ポンプ装置21は、図示しない駆動部(例えば、モータ)を備えると共に、吸引管30の一端と接続される。駆動部の動作によって、ポンプ装置21が駆動すると、容器10内に臨む吸引管30の他端から除菌剤が吸引される。吸引された除菌剤は、吐出口22から吐出される。
【0019】
吐出口22は、ケーシング40の前面41に設けられる開口411に臨む。吐出口22から吐出された除菌剤は、開口411を通じてユーザの手指(または、除菌剤を浸み込ませるためにユーザの手指に置かれたトイレットペーパー)に供給される。
【0020】
次に、第1の検出部50は、ユーザの接近、特に手指の接近を検出するセンサ(赤外センサ等の光センサ)である。第1の検出部50の位置は、特に限定されないが、図1に示されるように、使用時にユーザが視認し易いケーシング40の上面42の所定位置であることが好ましい。なお、第1の検出部50は、光センサに限られず、超音波センサ、画像センサ等であってもよい。
【0021】
また、第1の検出部50は、検出信号を送信するための通信手段を備え、ポンプ装置21(より正確には、ポンプ装置21の駆動部の動作を制御する制御部)と無線通信可能に接続されることが好ましい。これにより、第1の検出部50と駆動部との間に通信ケーブルを配す必要がなくなり、ケーシング40内の構造を簡素化することができる。その結果、液体ディスペンサ1のコスト低減を図ることができると共に、設計の自由度を高めることができる。
【0022】
次に、第2の検出部60は、第1の検出部50とは別にユーザの接近、特に手指の接近を検出する光センサ(赤外センサ)である。本実施形態の液体ディスペンサ1は、ユーザの手指の接近を別々に検出する少なくとも2つの検出部(第1の検出部50と第2の検出部60)を備えることで、ユーザがいずれかの検出部(センサ)の検出範囲に単に侵入しただけで除菌剤が吐出されるような誤作動を防ぐことができる。なお、第2の検出部60も、光センサに限られず、超音波センサ、画像センサ等であってもよい。また、液体ディスペンサ1は、さらに他の検出部を別途備えてもよい。
【0023】
また、第2の検出部60も、検出信号を送信するための通信手段を備え、ポンプ装置21の駆動部(制御部)と無線通信可能に接続されることが好ましい。これにより、第1の検出部50と駆動部との間だけでなく、第2の検出部60と駆動部との間にも通信ケーブルを配す必要がなくなり、ケーシング40内の構造を更に簡素化することができる。その結果、液体ディスペンサ1のコスト低減を図ることができると共に、設計の自由度を高めることができる。
【0024】
第1の検出部50及び第2の検出部60のうちの一方は、除菌剤が供給される吐出口22へのユーザの手指の接近を検出可能な部位に設けられることが好ましい。また、第1の検出部50及び第2の検出部60のケーシング40における取り付け位置は、各検出部50,60の検出範囲が重ならないような位置とすることが好ましい。これにより、2つの検出部50,60による手指の同時検出を抑制できる。例えば、第2の検出部60の位置を、第1の検出部50が設けられるケーシング40の面(本実施形態の場合、上面42)とは別の面(本実施形態の場合、前面41)の所定位置とすることで検出範囲が重ならないように設定できる。
【0025】
第1の検出部50と第2の検出部60とを上記のように設けることで、各検出部を異なる方向に指向させることができる(本実施形態の場合、第1の検出部50は、ケーシング40の上面42より上方側を指向する。これに対して、第2の検出部60は、ケーシング40の前面41より前方側を指向する。)。
【0026】
これにより、ユーザが吐出操作を意図する以外に、ユーザが第1の検出部50の検出範囲と第2の検出部60の検出範囲にほぼ同タイミングで侵入する可能性を大きく低減できる。その結果、ユーザが単に検出部(センサ)の検出範囲に侵入しただけで除菌剤が吐出されるような誤作動をより有効に防ぐことができる。
【0027】
また、第1の検出部50は、吐出口22の高さ位置より上方側に配されたユーザの手指を検出し、第2の検出部60は、吐出口22の高さ位置より下方側に差し入れられたユーザの手指を検出することが好ましい。
【0028】
ここで、液体ディスペンサ1は、通常、前面41がユーザと相対した状態で、ユーザの顔(目)より下方側に設置される。すなわち、液体ディスペンサ1の使用時、吐出口22の高さ位置より上方側(特に、ケーシング40の上面42)が、ユーザから視認され易い領域となる。これに対して、例えば、除菌剤を浸み込ませるためにトイレットペーパーを持ったユーザの手指は、吐出口22より下方側から接近する。そのため、第1の検出部50と第2の検出部60との検出範囲をこのように調整することで、液体(除菌剤)の吐出操作をより簡便に行うことができる。
【0029】
このように、本実施形態の液体ディスペンサ1は、第1の検出部50と第2の検出部60の双方でユーザの手指の接近が検出されたことを契機に、容器10に充填された液体(除菌剤)を吐出するよう制御される。そのため、液体ディスペンサ1は、狭いトイレ個室内に設置され、ユーザがいずれかの検出部に接近し易い除菌剤ディスペンサとして利用されても、意図せず除菌剤が吐出される事態を防止できる。すなわち、本実施形態の液体ディスペンサ1は、除菌剤ディスペンサとしての用途に適する。
【0030】
次に、図2から図4を参照して、本実施形態の液体ディスペンサ1の動作を説明する。ここで、図2は、液体ディスペンサ1の動作を示すフローチャートである。また、図3は、液体ディスペンサ1の作用を説明するための図である。更に、図4は、液体ディスペンサ1の作用を説明するための別の図である。
【0031】
図2に示されるように、第1の検出部50が、ユーザの接近(例えば、ユーザの左手の接近)を検出すると(図3に示される状態)、当該検出信号をポンプ装置21の駆動部の制御部(以下、「ポンプ装置21の制御部」)に送信する(S21)。それに伴い、第1の検出部50から検出信号を受信したポンプ装置21の制御部は、第2の検出部60からの検出信号の受信を待機する待機状態に遷移する。
【0032】
続いて、第2の検出部60が、吐出口22の下方に差し入れられた、除菌剤を浸み込ませるためにトイレットペーパーを持ったユーザの手指(例えば、ユーザの右手)の接近を検出すると(図4に示される状態)、当該検出信号をポンプ装置21の制御部に送信する(S22)。
【0033】
ここで、ポンプ装置21の制御部は、第2の検出部60から検出信号を受信した時点が、ポンプ装置21の制御部が待機状態に遷移してから所定期間内であるか否かを判定する(S23)。
【0034】
第2の検出部60から検出信号を受信した時点が、前記の所定期間内である場合、制御部は、ユーザによって液体ディスペンサ1の吐出操作が行われたと判定し、ポンプ装置21を駆動する(S24)。その結果、吐出口22から除菌剤が、例えば、ユーザの手指に保持されているトイレットペーパーに向かって吐出される。
【0035】
これに対して、第2の検出部60から検出信号を受信した時点が、前記の所定期間外である場合(すなわち、ポンプ装置21の制御部が待機状態でない場合)、制御部は、ユーザが第2の検出部60の検出範囲に単に侵入しただけと判定し、ポンプ装置21を駆動しない(S25)。その結果、吐出口22から除菌剤が吐出されない。
【0036】
図5(a),(b)は、他の実施形態に係る液体ディスペンサ100を示す。この液体ディスペンサ100の吐出機構部、ポンプ装置等の構成は、上記実施形態と同様であり、それらの説明は省略するが、ケーシング140が略筒型で、その下面141に吐出機構部の吐出口220が設けられている。よって、本実施形態では、ケーシング140の下面141に位置する吐出口220にトイレとペーパを保持したユーザの手指が接近したことを検出するセンサ(第2の検出部600)を設ける。他のセンサ(第1の検出部500)500は、ケーシング140において、第1の検出部600の検出範囲に重ならない適宜部位、例えば、上面142に設ける。これにより、上記実施形態と同様、2つの検出部500,600の双方で手指等が検出された場合のみ、除菌剤が吐出される。
【0037】
ここで上記の各実施形態は、便座表面を除菌するための除菌剤を吐出するものであるため、吐出口22から、ユーザの手指に置かれたトイレットペーパーに除菌剤が供給されるが、第2の検出部60は、吐出口22の下方に差し入れられるユーザの手指を検出する構成となっている。通常、吐出口22の下方に差し入れられるユーザの手指には除菌剤を染み込ませるためのトイレットペーパーが保持されているため、第2の検出部60により手指を検出して除菌剤を吐出させればトイレットペーパーに向かって除菌剤が吐出される。
【0038】
しかしながら、誤ってトイレットペーパーを保持せずに手指のみを吐出口22の下方に差し入れるケースも想定される。そこで、上記実施形態のように、トイレットペーパーなど、除菌剤等の液体を染み込ませる液体保持部材を用いる必要がある場合には、第2の検出部60として、その液体保持部材の存在を検出可能なものを用いる構成とすることもできる。この場合、第2の検出部60は、ユーザの手指が接近しただけでは検出信号を出力せず、所定の液体保持部材が接近した場合にその検出信号を出力する構成とする。これにより、液体保持部材を持たずに、ユーザの手指のみが接近しただけでは、吐出口22からの液体の吐出がなくなり、例えば便座表面を拭くためのトイレットペーパーが存在しないのに除菌剤が噴霧されるような無駄を抑制できる。また、通常は、トイレットペーパーなどの液体保持部材は、ユーザの手指に置かれるため、ユーザの手指とトイレットペーパーなどの液体保持部材の両方を第2の検出部60が検出した場合のみ、ポンプ装置21を駆動させるための検出信号を送信する構成とすることで、不要な吐出動作をより抑制できる。トイレットペーパーなどの液体保持部材を手指と区別して検出するセンサは、特に制限されるものではないが、例えば画像センサを用いることができる。
【符号の説明】
【0039】
1,100 液体ディスペンサ
10 容器
20 吐出機構部
21 ポンプ装置
22,220 吐出口
30 吸引管
40,140 ケーシング
50,500 第1の検出部
60,600 第2の検出部
図1
図2
図3
図4
図5