(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172429
(43)【公開日】2022-11-16
(54)【発明の名称】犬の散歩用雨具
(51)【国際特許分類】
A01K 13/00 20060101AFI20221109BHJP
A45B 11/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
A01K13/00 B
A45B11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078225
(22)【出願日】2021-05-03
(71)【出願人】
【識別番号】720008298
【氏名又は名称】石原 浩行
(72)【発明者】
【氏名】石原 浩行
(57)【要約】
【課題】ペットとして飼う犬の散歩に際して、雨天時の対策が困難な状況にある。従来のカッパの場合はかなりの労力を要するうえ、犬の動作も制限されてしまう。雨具を使わない場合は犬がずぶ濡れとなり、動物愛護上の問題も生じる。犬でもさすことが出来る傘を開発することで、雨への対策を講じるものである。
【解決手段】通常、散歩させる人は犬を繋ぐ紐を握ることになるが、この紐に傘を装着するものを基本とする。紐に傘を装着し、更に傘は留め具で紐に固定する。犬の上方向に傘が来る形をとることが出来る。風で傘が煽られることも想定されるが、傘の上方向に留め具で紐と固定する。持ち手補助具を装着し犬と散歩させる人との距離を置くことを可能とさせる。このような各パーツの組み合わせによって、犬が傘をさした状態にするもの。各パーツは、サイズ、色、柄、材質、形状、組み合わせ等、多様が想定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨天散歩時に使用する犬用の雨具であるが、犬の首や前足・躯体部分に装着する犬側装着具と、散歩させる人が持つ犬を繋ぐ紐と、犬側装着具と紐の各々を繋ぐ留め具と、傘と、傘の紐への留め具、持ち手補助具から成る用具で、傘は人用として通常用いられるものより柄が短く、さした時に上からのみでなく下からも骨を防水するカバーがあるものや防水加工しているもの若しくは耐水性のものを基本とし、傘自体の手元部分は無く、雨を凌ぐカバーは主として透明のものを想定し、傘の柄部分は筒状で紐を通すこと若しくは留め具により傘の装脱着を可能とする構造をとるものであり、全体として軽量化を図り、簡易的な使い捨てタイプも想定されるものであるが、この構造により傘は散歩に当たって持ち手や紐を握るのみで自ずと犬の上方に来ることになるが、場合によっては犬との距離を確保するための筒状の棒若しくは棒から成る持ち手補助具を紐の上方に装着するものであり、持ち手補助具は持ち手部分のほか荷物の掛け具部分を有することも有り得るもので、全体として各パーツや必要パーツの多様な組み合わせにより、犬用の散歩用の傘として機能する雨具。
(1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬の散歩用雨具である。
【背景技術】
【0002】
現在流通しているものは、カッパとして、犬に着せるタイプの雨具がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ペットとして飼う犬の散歩に際して、雨天時の対策が困難な状況にある。人の場合とは異なり、犬の場合は雨具が限られ、雨天時の散歩中や散歩前後は、かなりの労力を強いられる。雨具を使わない場合は犬がずぶ濡れとなり、動物愛護上の問題も生じるが、このような犬が多いのが現状である。
【0004】
現在流通している犬用の雨具としては、カッパとして、犬に着せるタイプのものがある。大人しい犬ばかりではなく、暴れる犬も多いため、このタイプは着せたり脱がしたりすることが困難となる。背中をかく、尻尾を振る、排便するという、犬がとる通常の動作に支障を来す。体を震わすことで水しぶきが飛散する。カッパの前足や胸の部分が泥で汚れる。カッパに糞尿が付着しやすい。犬の特に横方向への視界が遮られ視野が狭くなる。衣類であるため清潔に保つ必要があり、手入れに労力を強いられる。カッパのサイズや形状の選択が困難等、種々のデメリットがある。
【0005】
人用の主要雨具の1つに傘があるが、犬の手に相当する部分は前足であるため犬自身ではさすことが出来ない。しかしながら、これを犬がさすことが出来れば、カッパで発生するようなデメリットは無くなるか軽減させることが可能となり、全体として雨天時の散歩や散歩前後においても負担軽減に繋げることが出来る。
【0006】
これらを鑑み、犬でもさすことが出来る傘を開発することで、犬の散歩における雨への対策を講じるものである。
(2)
【課題を解決するための手段】
【0007】
犬でもさすことができ、散歩する人の負担を可能な限り軽減させ、犬と人の双方において散歩しやすい傘の考案が必要である。通常、散歩させる人は、犬を繋ぐ紐を握ることになるが、この紐を通常通り握る程度で傘をさせる状態とする。散歩させる人は、自身も傘をさす可能性もあり、フン袋やスコップ等の荷物を抱えることも想定され、危険回避のためにも、手への負担は極力避ける必要がある。このため、犬を繋ぐ紐に柄を短くした傘を装着することで対応する。
【0008】
犬側においては、通常、首や前足を固定する輪や金具等を利用した装着具を装着するが、紐と連結させる留め具の位置は、犬の上から見て犬の中央かやや前寄りとする。紐に傘の柄を通すことで傘を装着し、更に傘は留め具で紐に固定する。紐は通常、犬から上方向に持ち上げられて使用されるため、犬の上方向に傘が来る形をとることが出来る。風で傘が煽られることも想定されるが、安定化を図るため、傘の上方向に留め具を使用することで、傘と紐とを固定する。この場合に、犬と散歩する人は紐を手に持つことで、傘は犬のやや上方向に位置することになり、傘は紐に対して安定し、この状態が保たれることになる。なお、傘の柄については筒状で紐を通すのではなく、犬側装着具や持ち手補助具と直接若しくは間接的に連結させることも有り得る。
【0009】
散歩時に傘をさすことで、散歩させる人の周りにおいて、傘をさした犬が動き回ることになるが、傘自体が歩行の妨げになるほか、犬の性格や体格によっては、距離を置きたい場合が生じる。これを想定して持ち手補助具が必要になるが、筒状の棒から成るものや棒から成るものとし、紐に通すことや紐に連結させることで、犬と散歩させる人との距離を置くことを可能とさせる。当該筒状の棒や棒は、10cmから1m程度の長さで頑丈で軽量なものが基本となるが、凹凸や突起を設けたり、持ち手部分を作ったり、手首や指に掛ける輪を設けたりすることで、手で持ちやすいものとする。散歩時は、フン袋やスコップ等の荷物を抱えることも想定されることから、荷物の掛け具部分を当該持ち手補助具に設けることも想定され得る。また、通常、人が用いる傘については、雨の雫を落とす目的として骨の先に突起を設けているが、本願発明においては、突起自体が危険であるため、突起を設けないか、突起に防護措置をとることで、安全を確保するものである。
(3)
【0010】
傘の下に入ることになる犬は、雨の中でもはしゃぎ、雨水の水しぶきを上げることが想定されることから、骨部分の老朽化を早める要因になる。このため骨にも、ある程度の防水加工が必要になるが、傘の下側からの雨の飛散を防ぐために下側にもカバーを付けること若しくは防水加工することや耐水性素材を用いることを基本とする。人用の傘は上からの防水を図るものであるが、本願発明の犬用の傘は下からの防水も図るものである。また、カバー自体は完全防水のものを基本とするが、少雨や強風等の天候や犬の性格、散歩の仕方等によって柔軟に対処できるよう、カバー自体に通気性を持たせ若干の漏水が発生し得るタイプも想定する。なお、傘は骨自体を設けす若しくは簡易的なものとすることも想定され、1回若しくは数回の使用で取り換えるような、使い捨てタイプも想定される。
【0011】
使用に当たって最も懸念される事項は、犬が恐怖したりはしゃいだりすることで、暴れ回る犬に装脱着出来るかどうかである。先に犬側装着具や紐を犬に装着しておき、紐や連結具に対して傘を後付けする用具とすることで、装着を容易とさせる。脱着についても、先に傘を取り外す構造とすることで容易とさせる。総じて、暴れ回ることが想定される犬に対しても、可能な限り装脱着を容易とするものである。
【0012】
全体として、散歩する人から見て、さし下す傘とすることで、手への負担軽減とする。犬との間は頑丈な固い構造体のもののみならず、柔軟性を有する紐や、各パーツにおける関節のような役割を持つ連結具を経由させることで、利便性や快適性を確保する。また、傘の上側からでも犬の動作や状態を確認できるよう、傘のカバーを透明とする。犬の動作や状態を見ながら、持ち手を操作し、散歩できるようにするものである。
【0013】
使用後は、各パーツに分解することができるものとすることで、保管や洗浄のしやすさを確保する。主要パーツとなる傘部分については、中長期使用を想定した精度の高いものから、使い捨てのような簡易的なものまでを想定する。
【0014】
小型犬から大型犬まで網羅させるために、種々のサイズを設けるほか、利用者の好みや、時々の状況によって、種々の多様な色や柄、材質や形状等を想定する。全体として、各パーツから成り立つものであるため、各パーツの部分的な取り替えや交換も有り得る。各パーツを任意で組み合わせできるような連結構造とする。
(4)
【発明の効果】
【0015】
本願発明を使用することで、犬に傘をさして散歩させることが可能となる。傘の装脱着は容易であり、散歩中も散歩する犬から見ても散歩する人から見ても、各々利便性や快適性を確保できる。傘の不使用時も保管や洗浄のしやすさを確保できる。人用の傘と同様に、種々のサイズ、色、柄、材質、形状等が想定できるほか、各パーツの組み合わせにより、多様な傘の流通も見込むことができる。
【0016】
傘であるため、従来のカッパと比較して、脱着が容易にできるほか、背中をかく、尻尾を振る、排便するという、犬がとる通常の動作が可能となる。衣類とは異なり、衛生上の問題も少ない。透明な傘を用いるため、犬の視界が遮られにくく、犬の動きや状態が分かりやすい等のメリットがある。
【0017】
従来のカッパも使用せず、雨の中、ずぶ濡れで散歩する犬も多いが、本願発明で、その状態を回避させ、ずぶ濡れとなる犬を減少させることができる。動物愛護の効果を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本願発明(概要例)を示した説明図である。うち、1は首輪、2は紐、3は首輪と紐を繋ぐ留め具、4は傘、5は傘の紐への留め具、6は持ち手補助具を示す。本図は犬側装着具として首輪を示したものであるが、前足や躯体部分を巻き付けるようなハーネス状の装着具や、上着に近しい布状の装着具も想定される。また、基本的には各々のパーツは連結して使用するものであるが、1と3が1つのパーツとして一体化するような複数のパーツが一体化することや、一部のパーツが省略されて使用することも有り得る。
【0019】
【
図2】
図2は、本願発明(使用例)を示した説明図である。概略ではあるが、左側の3つの図は犬を横側から、右側の3つの図は犬を正面から、それぞれ見た図である。犬の上の三角形は傘、一番上は持ち手補助具であり、犬と傘と持ち手補助具は紐や連結具で繋がっている。持ち手補助具の先端は、通常、斜め下に向くことが想定される。この持ち手を持ち、操作しながら散歩することになる。 (5)
【発明を実施するための形態】
【0020】
雨天散歩時に使用する犬用の雨具であるが、犬の首や前足・躯体部分に装着する犬側装着具と、散歩させる人が持つ犬を繋ぐ紐と、犬側装着具と紐の各々を繋ぐ留め具と、傘と、傘の紐への留め具、持ち手補助具から成る用具で、傘は人用として通常用いられるものより柄が短く、さした時に上からのみでなく下からも骨を防水するカバーがあるものや防水加工しているもの若しくは耐水性のものを基本とし、傘自体の手元部分は無く、雨を凌ぐカバーは主として透明のものを想定し、傘の柄部分は筒状で紐を通すこと若しくは留め具により傘の装脱着を可能とする構造をとるものであり、全体として軽量化を図り、簡易的な使い捨てタイプも想定されるものであるが、この構造により傘は散歩に当たって持ち手や紐を握るのみで自ずと犬の上方に来ることになるが、場合によっては犬との距離を確保するための筒状の棒若しくは棒から成る持ち手補助具を紐の上方に装着するものであり、持ち手補助具は持ち手部分のほか荷物の掛け具部分を有することも有り得るもので、全体として各パーツや必要パーツの多様な組み合わせにより、犬用の散歩用の傘として機能する雨具。
【0021】
散歩する犬と散歩する人の間には、犬側装着具、犬側装着具と紐の留め具、紐、傘、傘と紐の留め具、持ち手補助具から成る本願発明が位置することになる。これら各パーツのうち、首輪やハーネス状若しくは布状となる犬側装着具は犬に常時装着することも想定されるほか、紐も傘や傘の紐への留め具、持ち手補助具を装着しないまま使用することも想定され得る。
【0022】
不使用時は各パーツに分解可能で、保管や洗浄をしやすくしている。使用時は各パーツを順次装着していくことで、犬と人の双方の負担を軽減させている。脱着時も各パーツを順次取り外していくものである。
【0023】
種々多様なパーツの組み合わせが想定され得る。基本的には犬側装着具、紐、犬側装着具と紐の各々を繋ぐ留め具、傘、傘の紐への留め具、持ち手補助具から成るものであるが、各々が種々のサイズ、色、柄、材質、形状等が想定される。各パーツの組み合わせについても、犬側装着具、犬側装着具と紐の各々を繋ぐ留め具が一体となったものや、更に紐が一体化したもの、傘そのものも一体化したもの、紐自体を省略して連結させたもの、パーツを使い捨てとしたもの、頻繁に交換が可能なもの、すべてのパーツを一体化したもの等、多様が想定される。
(6)
【実施例0024】
図1を基に説明する。1の首輪は犬の首に装着するものであり、2の紐とは3の留め具を経由して連結させるものである。各々は輪や金具等を利用して連結させるものであるが、1と3を一体化したものや、1と2と3を一体化したものも想定され得る。2の犬側の連結部分には傘の上から見た中央が来ることから、可能な限り、上から見て犬の中央かやや前寄りに位置させるものである。4の傘の柄は長さ5cmから20cmを想定し、筒状であり、傘の下から上までを筒状である柄を通して貫通させるような形で2の紐を通すものである。図の骨は例であり、骨の位置や本数、形状、材質は多様が想定される。骨の下にカバーを設けたものや、骨に防水加工を施したもの、骨が耐水性のもの、骨自体が無いもの、骨を簡略化したものも想定する。よって、傘自体は中長期使用を想定するものから使い捨てのようなものや、開閉可能なものや折り畳み可能なもの若しくは不可のものまで多様となる。4の傘を2の紐に固定して安定化を図るために傘の上部分を5の留め具を用いて、一時固定する。この状態で、傘をさして散歩できる状態になるが、犬との距離を確保するためにも、6の持ち手補助具を2の紐の持ち手となる上方部分に装着する。図では、2の先端に作られた穴に6の留め具部分を通して連結させるものを示している。6の持ち手補助具は、筒状で2の紐を中に通して紐を手に持つタイプや、棒状として先端に2の紐と連結させるようなタイプを想定するが、図は棒状のものを示す。手に持つ部分は多様が想定されるが、図では手首に輪を通して棒部分を持つタイプを示す。使用に当たっての装着順は、1、3、2、4、5、6が基本となり、脱着順は、6、5、4、2、3、1となる。うち1は日常的に犬に装着し続けることも有り得るほか、1、2、3、6は傘を要しない散歩で使用する場合も有り得る。
【0025】
図2を基に説明する。犬に本願発明を装着した図である。犬と持ち手補助具の間に傘が位置している。犬や人が動くことで傘にも傾きが生じるものであるが、基本的に傘は犬の上側に位置し、持ち手補助具を操作して傾きを調整することが可能である。傘は基本的には透明を想定することから、犬の動きや状態は散歩する人から見えるため、操作もしやすい。持ち手補助具は、実際には犬側の先端は斜め下に傾けての使用が想定され、長さや材質、形状等も多様が想定される。犬や傘の位置を持ち手補助具で操作調整しながら散歩するものである。