(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172431
(43)【公開日】2022-11-16
(54)【発明の名称】装具注文プロセス管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20221109BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078228
(22)【出願日】2021-05-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】514163169
【氏名又は名称】株式会社P.O.イノベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】見木 太郎
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】医療用の装具を発注者である医師および看護師などの医療スタッフが簡単に発注できるとともに、注文、装具の採型及び引渡しまでを明確に管理することができる装具注文プロセス管理システムを提供すること。
【解決手段】装具注文プロセス管理システム10は、インターネットによるネットワーク11に接続され注文する装具についての所定項目の注文情報を入力するとともに送信する注文端末20と、ネットワーク11に接続され送信された注文情報を受信して記録するとともに装具の作成から引渡しまでの注文情報毎の進捗を管理する管理情報を確認又は入力する受注管理端末40と、を備えている。装具は、採型して作製される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用の装具を注文すると共に注文状況を管理する装具注文プロセス管理システムであって、
インターネットによるネットワークに接続され注文する前記装具についての所定項目の注文情報を入力するとともに送信する注文端末と、前記ネットワークに接続され送信された前記注文情報を受信して記録するとともに前記装具の作成から引渡しまでの前記注文情報毎の進捗を管理する管理情報を確認又は入力する受注管理端末と、を備え、
前記装具は、採型して作製されることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の装具注文プロセス管理システムであって、
前記注文情報には、前記装具の注文から少なくとも引渡しまでの間に貸し出す既製の貸出用簡易装具の項目が含まれていることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【請求項3】
請求項2記載の装具注文プロセス管理システムであって、
前記貸出用簡易装具は、患者の体幹部の前側を支持する所定サイズの殻状の前シェルと、この前シェルとは別体で前記患者の体幹部の後側を支持する所定サイズの殻状の後シェルと、を備えていることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載の装具注文プロセス管理システムであって、
前記注文情報には、予め記載された複数の前記発注者名の中から発注者となる前記発注者名を選択する項目が含まれていることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項記載の装具注文プロセス管理システムあって、
前記注文情報には、前記装具についての硬性、軟性の装具タイプと、前記装具についての胸椎、腰椎、側弯症術後用の装具種類と、前記装具についての肩バンドの有無と、を選択する項目が含まれていることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項記載の装具注文プロセス管理システムあって、
前記管理情報には、前記装具の採型予定日、採型予定時間、引渡し予定日、引渡し予定時間を入力する項目が含まれていることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項記載の装具注文プロセス管理システムあって、
前記管理情報には、前記貸出用簡易装具の有無を確認する項目が含まれていることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項記載の装具注文プロセス管理システムあって、
前記管理情報には、院内での採型・採寸点数といったコスト請求のチェック欄があり、前記患者に医療機関が請求したかどうか確認する項目が含まれていることを特徴とする装具注文プロセス管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採型(型取り)して作製する医療用の装具を注文すると共に注文のみならず、貸出用簡易装具や病院から患者さんへの点数(コスト)請求状況を管理する装具注文プロセス管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用の装具の作製は、医療機関から装具事業者へ注文されて装具事業者で装具が作製される。注文方法は、現状ではアナログ的なものが9割以上占めており、医師が装具事業者へ直接口頭か電話で伝える方法取られることが多い。口頭や電話での注文の際、言い間違いや聞き間違いすることがあり、これにより作製した装具の患者の取り違えとなるおそれもある。
【0003】
また、装具事業者は病院スタッフではなく病院外部の事業者のため、毎日ではなく週に数回しか来院しないことが多く、いつ採型したのか、いつ出来上がるのかなどの情報共有ができずに、病院側から頻繁に装具事業者に確認の問合せがなされる。このような、口頭や電話の注文による聞き違いの防止や確認の問合せを低減するための医療品に関する注文管理システムとして、特許文献1に示す放射性薬剤の受発注管理システムが知られている。
【0004】
特許文献1の放射性薬剤の受発注管理システムでは、発注サーバは、ネットワークに接続されており、患者IDと、患者向けに特徴付けられた放射性薬剤に係る薬剤データと、発注を特定する発注識別情報とを対応付けて保持する発注DBと、発注データを含む発注リクエストを出力する発注処理部と、を備える。ネットワークに接続された受注サーバは、発注データに含まれる薬剤データに基づいて製造された放射性薬剤の容器または包装に付すための注識別情報を出力する出力装置に接続されている。
【0005】
特許文献1の放射性薬剤の受発注管理システムによれば、ネットワークを介して発注サーバと受注サーバが接続されており、発注時から患者と紐付いている薬剤を患者に投与する前に行う患者と薬剤との照合が支援される。
【0006】
ところで、医療用の装具は患者の体形や治療の進行具合に合わせて作製されるため、整形外科などの医師の指示に従って装具事業者が患者に対して採型する必要がある。この点、特許文献1の放射性薬剤の受発注管理システムでは、装具事業者による患者に対する採型がなく、採型後にも治療用の装具に特有のリハビリテーションや退院の都合に合わせて、病院側と装具事業者の間に頻繁にコミュニケーションがおこなわれ、納期等のスケジュールが柔軟に変化するといった提供体制ではないため、放射性薬剤の受発注管理システムを装具の注文管理に単純に適用することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の点に鑑み、医療用の装具を発注者である医師および看護師などの医療スタッフが簡単に発注できるとともに、注文、装具の採型及び引渡しまでのスケジュールや点数の請求状況を装具事業者と医療スタッフがリアルタイムで共有し、明確に管理することができる装具注文プロセス管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例によれば、医療用の装具を注文すると共に注文状況を管理する装具注文プロセス管理システムであって、
インターネットによるネットワークに接続され注文する前記装具についての所定項目の注文情報を入力するとともに送信する注文端末と、前記ネットワークに接続され送信された前記注文情報を受信して記録するとともに前記装具の作成から引渡しまでの前記注文情報毎の進捗を管理する管理情報を確認又は入力する受注管理端末と、を備え、
前記装具は、採型して作製されることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、医療用の装具を注文する注文端末と、注文情報毎の進捗を管理する管理情報を確認又は入力する受注管理端末がネットワークに接続されているので、直接の口頭や電話による伝達にならず、文字で明確にいつでも発注から管理まで行うことができる。さらに、医療用の装具は採型して作製されており、アナログ手法が主流の業界にあっても採型の日程や装具の引渡しの日程を、いつでもネットワークを介してどこでも注文端末や受注管理端末で確認することができる。このため、医療用の装具を発注者である医師が簡単に発注できるとともに、注文、装具の採型及び引渡しまでのスケジュールを医療機関と装具事業者がリアルタイムで共有し、明確に管理することができる装具注文プロセス管理システムを提供することができる。
【0011】
好ましくは、前記注文情報には、前記装具の注文から少なくとも引渡しまでの間に貸し出す既製の貸出用簡易装具の項目が含まれている。
【0012】
従来一般的に、整形外科では手術後に患者の体幹部に装着するコルセット(以下、装具という)が使用されることがある。医療用の装具は医師の指示により、装具事業者が採型して1週間後に患者に引き渡すことが通例であったところ、近年では、早期リハビリテーション(以下、早期リハビリという)、早期退院、早期社会復帰という流れが尊重されるようになってきており、特に早期リハビリを行うために、1週間以内で装具の引渡しを医療機関から求められるようになってきている。通常、装具の作製には1週間かかるところ、この急ぎの要求に応えるために夜遅くまで残業などで対処していた。
【0013】
この点、本発明の実施例による構成によれば、注文情報には、採型による装具の注文から少なくとも引渡しまでの間に貸し出す既製の貸出用簡易装具の項目が含まれているので、採型時に既製の貸出用簡易装具を患者に装着して使用してもらい、従来かかっていた1週間よりも3日から4日早く患者の身体を起させることができる。さらに、貸出用簡易装具の項目を注文情報に含めることで、必要とあらば装具事業者が採型に伺ったタイミング(初回の訪問時)で貸出用簡易装具の引渡しができ、1週間後の採型した装具の完成を待たずとも貸出用の装具を活用して、早期に離床やリハビリテーションを行うことができる。
【0014】
好ましくは、前記貸出用簡易装具は、患者の体幹部の前側を支持する所定サイズの殻状の前シェルと、この前シェルとは別体で前記患者の体幹部の後側を支持する所定サイズの殻状の後シェルと、を備えている。
【0015】
かかる構成によれば、貸出用簡易装具は、患者の体幹部の前側を支持する所定サイズの殻状の前シェルと、この前シェルとは別体で患者の体幹部の後側を支持する所定サイズの殻状の後シェルと、を備えているので、簡単な構成で患者にその場で装着することができる。このため、貸出用簡易装具を持ち帰り調整なしの1回で患者に装着させ、1週間後の採型した装具の完成を待たずとも貸出用の装具を活用して、早期に離床やリハビリテーションを行うことができる。
【0016】
好ましくは、前記注文情報には、予め記載された複数の前記発注者名の中から発注者となる前記発注者名を選択する項目が含まれている。
【0017】
かかる構成によれば、予め記載された複数の発注者名の中から発注者名を選択するだけであるので、文字入力の操作が不要で、医療用の装具を発注者である医師が簡単に発注できる。
【0018】
好ましくは、前記注文情報には、前記装具についての硬性、軟性の装具タイプと、前記装具についての胸椎、腰椎、側弯症術後用の装具種類と、前記装具についての肩バンドの有無と、を選択する項目が含まれている。
【0019】
かかる構成によれば、採型する装具について、硬性、軟性の装具タイプと、胸椎、腰椎、側弯症術後用の装具種類と、肩バンドの有無と、を選択する項目が含まれているので、発注者である医師が簡単に発注できるとともに、採型の際に持ち込む貸出用簡易装具を予めある程度まで絞ることができ、採型時に身体に合わずに貸出用簡易装具を持ち帰ることなく患者に引渡しすることができる。
【0020】
好ましくは、前記管理情報には、前記装具の採型予定日、採型予定時間、引渡し予定日、引渡し予定時間を入力する項目が含まれている。このため、注文、装具の採型及び引渡しまでのスケジュールを明確に管理することができる。
【0021】
かかる構成によれば、管理情報には、装具の採型予定日、採型予定時間、引渡し予定日、引渡し予定時間を入力する項目が含まれているので、口頭による間違い易い伝達をなくし、日時を明確にして管理することができる。
【0022】
好ましくは、前記管理情報には、前記貸出用簡易装具の有無を確認する項目が含まれている。
【0023】
かかる構成によれば、管理情報には、貸出用簡易装具の有無を確認する項目が含まれているので、装具の採型及び引渡しまでのスケジュールをより明確に管理することができる。
【0024】
また、医療機関は24時間体制で稼働しており、医師や看護師など日勤や夜勤スタッフといった多くのスタッフが一人の患者さんにかかわることとなっており、患者さんの治療情報は電子カルテや口頭での引継ぎによって伝達されている。しかし、病院外の装具事業者が装具を採寸、採型する際に発生する医療点数(700点、200点)は必ず病院側は患者さんに請求をしなければならないが、医師や看護師は装具事業者に発注することに気が行ってしまい、ついつい院内作業である医療点数の患者さんへの請求業務がおろそかになってしまうことがある。医療機関では現場でのそういった請求漏れは、未収の発生や患者さんとのトラブルの原因となるためできれば避けたい事案の一つである。そこで、好ましくは、発注や注文状況の管理だけではなく、装具作成の際に必要となるプロセス管理の一部として医療点数請求のチェック欄を設ける。
【0025】
好ましくは、前記管理情報には、院内での採型・採寸点数といったコスト請求のチェック欄があり、前記患者に医療機関が請求したかどうか確認する項目が含まれている。
【0026】
このコスト請求のチック欄は病院側で編集することができ、患者さんに医療点数を請求した場合には担当の医療スタッフがチェックを付けることにより医療点数の請求漏れを防ぐことができる。また、医療点数の請求は毎月行われるので、注文状況のシートから月別のシートにデータが自動転記されることによって、毎月の医療点数のチェックシートとして役立てることができる。
【発明の効果】
【0027】
医療用の装具を発注者である医師が簡単に発注できるとともに、注文、装具の採型及び引渡しまでを明確に管理することができる装具注文プロセス管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明に係る装具注文プロセス管理システムの説明図である。
【
図2】本発明に係るオーダーフォームの説明図である。
【
図6】本発明に係る貸出用簡易装具の前側からの斜視図である。
【
図7】本発明に係る貸出用簡易装具の後側からの斜視図である。
【
図8】本発明に係る貸出用簡易装具の横側からの斜視図である。
【
図9】本発明に係る貸出用簡易装具の作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、装具注文プロセス管理システムの説明図は構成の一例を概念的(模式的)に示すものとする。
【実施例0030】
図1に示されるように、装具注文プロセス管理システム10は、採型して作製される医療用の装具を注文すると共に注文状況を管理し、装具を中心としたリハビリテーションや退院のスケジュールや医療点数の請求チェックといった装具治療のプロセス管理と装具事業者と医療スタッフ間でのリアルタイムな情報共有に役立てるためのシステムである。不図示の装具(コルセット)は、主に整形外科の医師の指示により、装具事業者が患者81(
図9参照)から採型(型取り)して作製するものである。実施例では、装具は患者81の体幹部に装着するものとしている。なお、装具は患者81の体幹部に装着するものに限定されず、上肢用の装具、下肢用の装具などであってもよい。
【0031】
装具注文プロセス管理システム10は、インターネットによるネットワーク11に接続され注文する装具についての所定項目の注文情報をオーダーフォーム21に入力するとともに送信する注文端末20と、ネットワーク11に接続され送信された注文情報を受信して記録するとともに装具の作成から引渡しまでの注文情報毎の進捗を管理する管理情報を管理シート41で確認又は入力する受注管理端末40と、を備えている。
【0032】
注文端末20は、注文側が使用するものであり、例えば病棟の医師が居る場所(病棟、診察室など)にそれぞれ備えられている。受注管理端末40は、受注・管理側が使用するものであり、例えば装具を作製する装具事業者が居る場所に備えられている。なお、実施例では、注文端末20及び受注管理端末40をノート型パソコンとしたが、これに限定されず、デスクトップ型パソコン、タブレット、スマートフォンなどでもよく、入力、閲覧ができる端末であれば種類は問わない。また、実施例では、注文端末20及び受注管理端末40をネットワーク11に有線で接続しているが、これに限定されず、無線で接続しても差し支えない。
【0033】
次にオーダーフォーム21の注文情報について説明する。
図2に示されるように、オーダーフォーム21の注文情報には、注文者名(Dr.名、医師名)22の情報と、発注装具タイプ23の情報と、装具種類24の情報と、肩バンド25の情報と、場所・病棟26の情報と、患者名27の情報と、貸出用簡易装具(ポストオペシェル(登録商標))タイプ28の情報と、装具装着希望日31の情報と、特記事項32の情報と、が含まれている。
【0034】
注文者名(Dr.名、医師名)22の情報の項目は、氏名A(Dr.A)、氏名B(Dr.B)、その他、というように予め記載された複数の発注者名22の中から発注者となる発注者名22を選択する項目となっている。発注装具タイプ(装具タイプ)23の情報の項目は、装具についての硬性、軟性、その他、というように予め記載されたタイプを選択する項目となっている。なお、脊椎装具以外で、下肢装具などの場合は、その他に記入して選択するようになっている。
【0035】
装具種類24の情報の項目は、装具についての胸椎、腰椎、側弯症後用装具、その他、というように予め記載された装具種類を選択する項目となっている。装具についての肩バンド25の情報の項目は、あり、なし、というように予め記載された有無を選択する項目となっている。場所・病棟26の情報の項目は、東9A、東9B、小児病棟、その他、というように、予め記載された場所を選択する項目となっている。患者名(患者様名)27の情報の項目は、患者氏名を回答入力する形式となっている。
【0036】
貸出用簡易装具(ポストオペシェル(登録商標))タイプ28の情報の項目は、貸出用簡易装具60が、ロングシェル60a、ショートシェル60b、なし、というように予め記載された装具の注文から少なくとも引渡しまでの間に貸し出す既製の貸出用簡易装具60(
図6参照)のタイプ又は不要(なし)を選択する項目となっている。装具装着希望日31の情報の項目は、通常納期(採型日より1週間)、早期納品希望(弊社までご連絡ください)、というように予め記載された納期を選択する項目となっている。特記事項32の情報の項目は、その他事項を回答入力する形式となっている。
【0037】
次に管理シート41の管理情報について説明する。
図3に示されるように、管理シート41の管理情報には、注文情報毎の管理番号42の情報と、発注日43の情報と、発注時刻44の情報と、患者名(患者様名)45の情報と、患者ID(患者様ID)45aと、商品名(例えば、脊椎硬性)46の情報と、発注者名(発注医師名、発注Dr.名)47の情報と、受注・管理側の受付状況(当社受付状況)48の情報と、採型予定日51の情報と、採型予定時間52の情報と、引渡し予定日(お渡し予定日)53の情報と、引渡し予定時間(お渡し予定時間)54の情報と、貸出用簡易装具の貸出(ポストオペシェル、POシェル)55の有無の情報と、備考56の情報と、コスト請求のチェック欄57の情報と、が含まれている。
【0038】
注文情報毎の管理番号42の情報の項目は、1、2、3、というように番号が記載されている。発注日43の情報の項目は、2021/4/17、というように受信した注文日(発注日)が記載されている。発注時刻44の情報の項目は、09時28分、というように受信した注文時間(発注時間、時刻)が記載されている。患者名(患者様名)45の情報の項目は、〇〇〇〇、というように受信した患者の氏名が記載されている。
【0039】
商品名46の情報の項目は、胸椎硬性、というように受信した装具のタイプ・種類からなる商品名が記載されている。発注者名47の情報の項目は、〇〇〇〇、というように受信した発注者(医師、Dr.)の氏名が記載されている。受注・管理側の受付(済)48の情報の項目は、済み、というように受注・管理側で注文を確認済みであることが入力されている。採型予定日51の情報の項目は、2021/4/19、というように受注・管理側又は注文側で調整した採型予定日が入力されている。採型予定時間52の情報の項目は、14時~16時、というように受注・管理側又は注文側で調整した採型予定時間が入力されている。
【0040】
引渡し予定日(お渡し予定日)53の情報の項目は、2021/4/26、というように受注・管理側で調整した装具の引渡し予定日が入力されている。引渡し予定時間(お渡し予定時間)54の情報の項目は、14時~16時、というように受注・管理側で調整した装具の引渡し予定時間が入力されている。貸出用簡易装具の貸出(ポストオペシェル、POシェル)55の有無の情報の項目は、あり、というように受注・管理側で装具の貸出の有無が入力されている。備考56の情報の項目は、未記入、または備考の内容が入力されている。
【0041】
注文のフローについて説明する。
図4に示されるように、注文側において、STEP1(図ではSTEPをSと表記する)で発注者名を選択し、STEP2で発注装具タイプを選択し、STEP3で装具種類を選択し、STEP4で肩バンドの有無を選択する。
【0042】
また、注文側において、STEP5で場所・病棟を選択し、STEP6で患者名を入力し、STEP7で貸出用簡易装具のタイプを選択し、STEP8で装具装着希望日を入力し、STEP9で特記事項を入力し、STEP10で注文情報を送信する。
【0043】
受注及び管理のフローについて説明する。
図5に示されるように、受注・管理側において、STEP11で受信した注文情報を確認し、STEP12で受注を受け付け済みであることを確認するとともに入力し、STEP13で採型予定日を入力し、STEP14で採型予定時間を入力し、STEP15で引渡し予定日を入力し、STEP16で引渡し予定時間を入力し、STEP17で貸出用簡易装具の有無を確認し、STEP18で備考を入力する。
【0044】
なお、実施例では、受付・管理側の受付管理端末40で、注文情報毎の進捗を管理する管理情報を確認するものとしたが、これに限定されず、注文側からIDとパスワードなどで受付管理端末40の管理情報にログインして進捗を確認できるものとしてもよい。また、注文情報は受注管理端末40で受信するものとしたが、これに限定されず、注文情報を受注・管理側に設置したサーバで受信し、このサーバで管理情報を処理及び保存し、このサーバに受注管理端末40を接続して入力、確認するようにしてもよい。
【0045】
次に貸出用簡易装具60について説明する。なお、便宜上、ショートシェル60bについて説明するが、ロングシェル60aはショートシェル60bよりも上に長いだけで、基本構造は同様とする。
【0046】
図6~
図9に示されるように、貸出用簡易装具60(60b)は、患者81の体幹部の前側を支持する所定サイズの殻状の前シェル61と、この前シェル61とは別体で患者81の体幹部の後側を支持する所定サイズの殻状の後シェル71と、を備えている。前シェル61、後シェル71ともに合成樹脂である。なお、後シェル71は前シェル61よりも硬いことが好ましい。これにより、患者81の背中をしっかりと支持するともに、胸側を少し柔らかくして患者81のあばらが当たっても痛くならないようにすることができる。
【0047】
後シェル71は、患者81の腰から背中にかけて支持する後面部72と、この後面部72の左右から前方に湾曲して延びるとともに患者81の側部を支持する側面湾曲部73と、後面部72の上部に連続して背中の上部を支持する後上支持部74と、を備えている。
【0048】
後面部72及び後上支持部74の内側には、患者81に装着した際に、患者81の背骨の両側に沿って上下に延びるように柔軟性を有する緩衝部材75が設けられている。これにより、患者81は背骨が硬質の後シェル71に直接当たることなく、快適に貸出用簡易装具60を装着し続けることができる。
【0049】
また、後面部72には、患者81に装着した際に、患者81の背骨の両側に沿って上下に延びるように内側に膨らむ背骨横内凸部76を形成してもよい。これにより、後シェル71に、緩衝部材75がなくても緩衝部材75と同様の効果を持たせることができる。なお、後シェル71は、背骨横内凸部76を形成した上で、緩衝部材75を設けてもよい。背骨横内凸部76がリブの役割を果たし、後シェルの剛性を向上させ、患者の背中をよりしっかりと支持することができる。
【0050】
前シェル61は、患者81の腹から胸にかけて支持する前面部62と、この前面部62の左右から後方に湾曲して延びるとともに後シェル71の側面湾曲部73を覆う側面覆い部63と、前面部62の上部に連続して胸の上部を支持する前上支持部64と、を備えている。
【0051】
前面部62にはベルト66を保持するベルト保持部65が設けられ、後面部72にはベルト66を保持するベルト保持部77が設けられ、ベルト66は面ファスナーにより着脱可能に設けられている。
【0052】
次に貸出用簡易装具60の作用について説明する。
【0053】
図9(A)に示されるように、貸出用簡易装具10の前シェル61によって、患者81の体幹部の前側が支持されている。さらに前上支持部64によって患者81の胸が支持されている。
【0054】
図9(B)に示されるように、患者81の体幹部を前シェル61と後シェル71とで挟み込む状態にし、ベルト66で後シェル71に対して前シェル61を固定する。これにより、患者81の前後左右を支持することができる。さらに、前シェル61と後シェル71とで患者81を挟み込む構造としたことで、患者81が細くても太くても体型によらず、貸出用簡易装具10しっかりと患者81の体幹部を支持することができる。さらには、患者81をベッドに寝かせたまま後シェル71を装着し、患者81をベッド上で寝返りをうつように回転させ、前シェル61を装着することで、患者81がベッドに寝たままであっても貸出用簡易装具10を装着することができる。
【0055】
図9(C)に示されるように、貸出用簡易装具10の後シェル71によって、患者81の体幹部の後側が支持されている。さらに後上支持部74によって患者81の背中の上部が支持されている。柔軟性を有する緩衝部材75によって、患者81の背骨が後シェル71にあたることを防止するとともに、患者81の体の動きや多少の凹凸を吸収し、貸出用簡易装具10の装着を快適にすることができる。
【0056】
次に以上に述べた装具注文プロセス管理システム10の効果を説明する。
本発明の実施例では、医療用の装具を注文する注文端末20と、注文情報毎の進捗を管理する管理情報を確認又は入力する受注管理端末40がネットワーク11に接続されているので、直接の口頭や電話による伝達にならず、文字で明確にいつでも発注から管理まで行うことができる。さらに、医療用の装具は採型して作製されており、アナログ手法が主流の業界にあっても採型の日程や装具の引渡しの日程を、いつでもネットワーク11を介してどこでも注文端末20や受注管理端末40で確認することができる。このため、医療用の装具を発注者である医師が簡単に発注できるとともに、注文、装具の採型及び引渡しまでを明確に管理することができる装具注文プロセス管理システム10を提供することができる。
【0057】
さらに、注文情報には、採型による装具の注文から少なくとも引渡しまでの間に貸し出す既製の貸出用簡易装具60の項目が含まれているので、採型時に既製の貸出用簡易装具60を患者81に装着して使用してもらい、従来かかっていた1週間よりも3日から4日早く患者81の身体を起させることができる。さらに、貸出用簡易装具60の項目を注文情報に含めることで、従来、採型した装具の完成を待たなければならなかったが、採型時(初回訪問時)に貸出用装具を引渡しできることにより、早期離床や早期リハビリテーションが可能となる。
【0058】
さらに、貸出用簡易装具60は、患者81の体幹部の前側を支持する所定サイズの殻状の前シェル61と、この前シェル61とは別体で患者81の体幹部の後側を支持する所定サイズの殻状の後シェル71と、を備えているので、簡単な構成で患者にその場で装着することができる。このため、貸出用簡易装具60を持ち帰り調整なしの1回で患者81に装着させ、従来、採型した装具の完成を待たなければならなかったが、採型時(初回訪問時)に貸出用装具を引渡しできることにより、早期離床や早期リハビリテーションが可能となる。
【0059】
さらに、予め記載された複数の発注者名22の中から発注者名22を選択するだけであるので、文字入力の操作が不要で、医療用の装具を発注者である医師が簡単に発注できる。
【0060】
さらに、採型する装具について、硬性、軟性の装具タイプ23と、胸椎、腰椎、側弯症術後用の装具種類24と、肩バンド25の有無と、を選択する項目が含まれているので、発注者である医師が簡単に発注できるとともに、採型の際に持ち込む調整前の装具を予めある程度まで絞ることができ、採型時に、適切な貸出用装具を提供でき、すぐに離床やリハビリテーション可能な状況にすることができる。このため、注文、装具の採型及び引渡しまでを明確に管理することができる。
【0061】
さらに、管理情報には、装具の採型予定日51、採型予定時間52、引渡し予定日53、引渡し予定時間54を入力する項目が含まれているので、口頭による間違い易い伝達をなくし、日時を明確にして管理することができる。
【0062】
さらに、管理情報には、貸出用簡易装具60の有無を確認する項目が含まれているので、装具の採型及び引渡しまでをより明確に管理することができる。
【0063】
尚、実施例では、実施例では、注文情報を受注管理端末40で直接受信するようにしたが、これに限定されず、ネットワーク11と受注管理端末40との間にサーバを設置し、注文情報及び管理情報をサーバで受信または保存し、受注管理端末40を入力や閲覧のみに使用する構成としてもよい。また、実施例では、注文情報の入力において、予め入力された選択肢を選択する形式とした項目もあるが、これに限定されず、文字入力の形式としてもよい。
【0064】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明の貸出用のコルセット使用を含めた装具注文のプロセス管理システムは、採型して作製される医療用の装具の注文管理する装具注文プロセス管理システムに好適である。
10…装具注文プロセス管理システム、11…ネットワーク、12…床面(地面、路面)、20…注文端末、21…オーダーフォーム、22…発注者名(医師名、Dr.名)、23…発注装具タイプ、24…装具種類、25…肩バンド、26…場所・病棟、28…貸出用簡易装具タイプ、31…装具装着希望日、40…受注管理端末、41…管理シート、51…採型予定日、52…採型予定時間、53…引渡し予定日(お渡し予定日)、54…引渡し予定時間(お渡し予定時間)、55…貸出用簡易装具欄(POシェル貸出欄)、57…コスト請求のチェック欄、60…貸出用簡易装具(ポストオペシェル、POシェル)、61…前シェル、71…後シェル、81…患者。