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特開2022-172439シリカ粒子の製造方法および化粧品組成物におけるそれらの使用
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  • 特開-シリカ粒子の製造方法および化粧品組成物におけるそれらの使用 図1
  • 特開-シリカ粒子の製造方法および化粧品組成物におけるそれらの使用 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172439
(43)【公開日】2022-11-16
(54)【発明の名称】シリカ粒子の製造方法および化粧品組成物におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/891 20060101AFI20221109BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221109BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20221109BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20221109BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20221109BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20221109BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20221109BHJP
   C01B 33/18 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q19/00
A61Q5/00
A61Q1/00
A61Q17/00
A61Q13/00
A61Q11/00
C01B33/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021156292
(22)【出願日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】17/307,755
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000221111
【氏名又は名称】モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】堀江 豊
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン フォーク
(72)【発明者】
【氏名】キンファ リ
(72)【発明者】
【氏名】アマル パワル
(72)【発明者】
【氏名】末永 浩司
【テーマコード(参考)】
4C083
4G072
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB352
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD212
4C083AD332
4C083AD512
4C083AD572
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB11
4C083BB46
4C083CC05
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083CC38
4C083DD05
4C083DD17
4C083DD31
4C083DD32
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4G072AA25
4G072BB05
4G072BB07
4G072DD04
4G072GG01
4G072GG03
4G072HH28
4G072HH29
4G072MM01
4G072MM36
4G072QQ07
4G072RR01
4G072RR13
4G072TT01
4G072TT02
4G072TT06
4G072UU30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優れた伸び、感触、および皮膚への良好な接着、より少ない化粧崩壊、不均一な肌の色調を作るソフトフォーカス効果の低減、および毛穴およびしわなどの不均一な肌のきめを目立たなくするパーソナルケア配合物を提供する。
【解決手段】(SiO4/2)の繰り返し単位を含むシリカ粒子であって、ここでシリカ粒子は、レーザー回折粒子サイズ分析を利用した粒子サイズ分析器による測定にて、約1.3以下のD90/D10粒子サイズ分布を有し、ここでシリカ粒子は球形であり、そして短軸/長軸で定義される0.9以上の球形度を有する、シリカ粒子を配合する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(SiO4/2)の繰り返し単位を含むシリカ粒子であって、ここでシリカ粒子は、レーザー回折粒子サイズ分析を利用した粒子サイズ分析器による測定にて、約1.3以下のD90/D10粒子サイズ分布を有し、ここでシリカ粒子は球形であり、そして短軸/長軸で定義される0.9以上の球形度を有する、シリカ粒子。
【請求項2】
シリカ粒子は、約1.0から約1.2のD90/D10粒子サイズ分布を有する、請求項1に記載のシリカ粒子。
【請求項3】
シリカ粒子は、約0.5μmから約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する、請求項1に記載のシリカ粒子。
【請求項4】
シリカ粒子は、約0.1m/gから約100m/gのBET表面積を有する、請求項1に記載のシリカ粒子。
【請求項5】
シリカ粒子は、短軸/長軸により定義される0.95以上の球形度を有する、請求項1に記載のシリカ粒子。
【請求項6】
シリカ粒子は非多孔性である、請求項1に記載のシリカ粒子。
【請求項7】
シリカ粒子は、少なくとも1つの疎水性付与剤で表面処理されている、請求項1に記載のシリカ粒子。
【請求項8】
疎水性付与剤は、アルキルシラン、金属石鹸、ステアリル修飾アミノ酸、シリコーン、フッ素化シラン、天然エステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載のシリカ粒子。
【請求項9】
疎水性付与剤はヘキサメチルジシラザンである、請求項7に記載のシリカ粒子。
【請求項10】
シリカ粒子を製造する方法であって、該方法は、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を500℃以下の温度で加熱してシリカ粒子を形成することを含み、ここでシリカ粒子は球形であり、そして短軸/長軸により定義される0.9以上の球形度を有する、方法。
【請求項11】
ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10分から約6時間加熱される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ポリメチルシルセスキオキサン微粒子の温度を約400℃に低下させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10分から約1時間加熱される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、電気炉、ガス炉、遠赤外線炉、中赤外線炉、または近赤外線炉内で加熱される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
シリカ粒子は、レーザー回折による測定にて、約0.5μmから約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する、請求項10に記載の方法によって調製されたシリカ粒子。
【請求項18】
シリカ粒子は、約0.5μmから約20μmの平均粒子サイズを有する、請求項17に記載のシリカ粒子。
【請求項19】
シリカ粒子は、レーザー回折による測定にて、約1.3以下のD90/D10粒子サイズ分布を有する、請求項18に記載のシリカ粒子。
【請求項20】
シリカ粒子は、短軸/長軸により定義される0.9より高い球形度を有する球形である、請求項17に記載のシリカ粒子。
【請求項21】
シリカ粒子は非多孔性である、請求項17に記載のシリカ粒子。
【請求項22】
請求項1に記載のシリカ粒子を含むパーソナルケア配合物。
【請求項23】
組成物は、防腐剤、抗酸化剤、結合剤、消泡剤、帯電防止剤、着色剤、乳化安定剤、酸化剤、推進剤、不透明剤、UVフィルター、UV吸収剤、変性剤、粘度調整剤、変性剤、キレート剤、ガムまたは増粘剤、油、ワックス、香料、エッセンシャルオイル、乳化剤、界面活性剤、およびそれらの組み合わせをさらに含む、請求項22に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項24】
パーソナルケアは、消臭剤、制汗剤、スキンクリーム、フェイシャルクリーム、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ムース、ヘアスタイリングジェル、ヘアスプレー、保護クリーム、リップスティック、リップカラー、フェイシャルファンデーション、頬紅、メイクアップ、およびマスカラ、スキンケアローション、モイスチャライザー、フェイシャルトリートメント、パーソナルクレンザー、フェイシャルクレンザー、バスオイル、香水、シェービングクリーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、コロン、サッシェ、歯磨き粉、または日焼け止めである、請求項23に記載のパーソナルケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【分野技術】
【0001】
本開示は、レーザー回折により測定した場合に約1.3以下のD90/D10粒子サイズ分布を有し、短軸/長軸により定義される0.9以上の球形度を有する球形である(SiO4/2)の繰り返し単位を含むシリカ粒子に関する。本開示はまた、そのようなシリカ粒子を含むパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア業界は、それぞれが最終的な配合物において重要または望ましい性能特性を有する、いくつかの成分の混合物に基づいて複数の性能製品を提供できることで成長を遂げている。球状シリカ微粒子は、一般に、伸び(広がりやすさ)および感覚に関する美観を高めるために、さまざまなパーソナルケア配合物に添加されている。しかしながら、従来の球状シリカ微粒子は、皮膚への接着性が劣っている。
【0003】
球状シリカ微粒子は、パーソナルケア配合物に組み込むことが以前に提案されてきている。しかしながら、球状粒子の粒子径は均一ではないため、伸びおよび感覚の点で満足のいくものではない。したがって、優れた伸び、感触、および皮膚への良好な接着、より少ない化粧崩壊、不均一な肌の色調を作るソフトフォーカス効果の低減、および毛穴およびしわなどの不均一な肌のきめを目立たなくするパーソナルケア配合物を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様において、本開示は、(SiO4/2)の繰り返し単位を含むシリカ粒子に関し、ここでシリカ粒子は、レーザー回折を利用する粒子サイズ分析器によって測定されると、約1.3以下のD90/D10として定義される粒子サイズ分布を有し、ここでシリカ粒子は球形であり、そして短軸/長軸により定義される0.9以上の球形度を有する。
【0005】
一態様では、シリカ粒子は、約0.5μmから約50μmの中央値粒子サイズ(D50)を有する。
【0006】
一態様では、シリカ粒子は、約0.1m/gから約100m/gのBET表面積を有する。
【0007】
一態様では、シリカ粒子は、0.95以上の球形度を有する。
【0008】
一態様では、シリカ粒子は非多孔性である。
【0009】
一態様では、シリカ粒子は、少なくとも1つの疎水性付与剤で表面処理されている。さらなる態様において、疎水性付与剤は、トリアルコキシシラン化合物である。別の態様では、疎水性付与剤はヘキサメチルジシラザンである。
【0010】
さらなる態様では、本開示は、シリカ粒子を製造する方法を提供し、該方法は、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を500℃以下の温度で加熱してシリカ粒子を形成することを含み、ここでシリカ粒子は球形であり、そして短軸/長軸で定義される0.9以上の球形度を有する。
【0011】
一態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。
【0012】
一態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10分から約6時間加熱される。
【0013】
一態様では、該方法は、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子の温度を約400℃に下げることをさらに含む。
【0014】
一態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。
【0015】
一態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、電気炉、ガス炉、遠赤外線炉、中赤外線炉、または近赤外線炉で加熱される。
【0016】
別の態様において、本開示は、本明細書に開示された方法によって調製されたシリカ粒子に関する。さらなる態様では、シリカ粒子は、レーザー回折粒子サイズ分析を利用する粒子サイズ分析器によって測定されると、約0.5μmから約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。
【0017】
一態様では、シリカ粒子は、レーザー回折粒子サイズ分析を利用する粒子サイズ分析器によって測定されると、約1.3以下のD90/D10として定義される粒子サイズ分布を有する。
【0018】
一態様では、シリカ粒子は、0.9より高い球形度を有する球形である。
【0019】
一態様では、シリカ粒子は非多孔性である。
【0020】
一態様では、パーソナルケア配合物は、本明細書に記載のシリカ粒子を含む。いくつかの態様において、組成物は、防腐剤、抗酸化剤、結合剤、消泡剤、帯電防止剤、着色剤、乳化安定剤、酸化剤、推進剤、不透明剤、UVフィルター、UV吸収剤、変性剤、粘度調整剤、変性剤、キレート剤、ガムまたは増粘剤、油、ワックス、香料、エッセンシャルオイル、乳化剤、界面活性剤、およびそれらの組み合わせをさらに含む。さらなる態様では、パーソナルケアは、消臭剤、制汗剤、スキンクリーム、フェイシャルクリーム、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ムース、ヘアスタイリングジェル、ヘアスプレー、保護クリーム、リップスティック、フェイシャルファンデーション、頬紅、メイクアップ、およびマスカラ、スキンケアローション、モイスチャライザー、フェイシャルトリートメント、パーソナルクレンザー、フェイシャルクレンザー、バスオイル、香水、シェービングクリーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、コロン、サッシェ(sachet)、歯磨き粉、または日焼け止め(サンスクリーン)である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、狭い粒子サイズ分布(D90/D10=1.1)を有するシリカを有する粉末配合物が、より高い粒子サイズ分布(D90/D10=1.9)を有する配合物よりも低い摩擦係数を示したことを示すグラフである。
【0022】
図2図2は、粒子の球形度(短軸/長軸)の測定を示す画像である。
【0023】
図3図3Aおよび図3Bは、例1(図3A)および比較例6(図3B)の方法を使用して調製された球状粒子の粒子サイズ分布を示す分布グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
I.定義
特に明記しない限り、満たされていない原子価を有する任意の原子は、原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると想定される。
【0025】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0026】
さらに、「および/または」は、本明細書で使用される場合、他方の有無にかかわらず、2つの特定の特徴または構成要素のそれぞれの特定の開示と解釈されるべきである。したがって、本明細書の「Aおよび/またはB」などの句で使用される「および/または」という用語は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B、および/またはC」などの句で使用される「および/または」という用語は、以下の態様、すなわち、A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)のそれぞれを包含することを意図している。
【0027】
態様が「含む(comprising)」という言語で本明細書に記載されている場合は常に、「からなる(consisting of)」および/または「本質的にからなる(consisting essentially of)」に関して記載されている類似の態様ももたらされることが理解される。
【0028】
「約」という用語は、本明細書では、おおよそ、大まかに、その周辺、またはその域を意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲と組み合わせて使用される場合、それは、示された数値の上下の境界を広げることによってその範囲を変更する。一般に、「約」という用語は、例えば、10パーセント、上または下(より高いまたはより低い)の変動によって、記載された値の上および下の数値を変更することができる。
【0029】
本明細書で使用される「BET表面積」という句は、Brunauer-Emmett-Teller表面積を指す。
【0030】
本明細書で使用される「球形度」という用語は、粒子が完全な球形にどれだけ近いかを示すパラメータを指し、そして粒子の走査型顕微鏡画像から得られる長軸/短軸、短軸/長軸として定義される。(図2を参照)
【0031】
本明細書で使用される場合、以下の定義は、別段の指示がない限り適用されるものとする。本開示の目的のために、化学元素は、元素の周期表、CASバージョン、および化学および物理学ハンドブック(the Handbook of Chemistry andPhysics)、第75版、1994年に従って特定される。さらに、有機化学の一般原則は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999、および「March's Advanced Organic Chemistry」、第6版、Smith, M. B. およびMarch, J.編、John Wiley&Sons、ニューヨーク:2007に記載されており、これら内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
本開示の様々な態様を以下により詳細に説明する。
【0033】
II.シリカ粒子
一態様では、本開示は、(SiO4/2)の単位を含むシリカ粒子に関し、ここでシリカ粒子は、レーザー回折粒子サイズ分析を利用した粒子サイズ分析器で測定すると、約1.3以下のD90/D10粒子サイズ分布を有し、ここでシリカ粒子は球形であり、そして短軸/長軸で定義される0.9以上の球形度を有する。
【0034】
a.粒子サイズ
いくつかの態様において、シリカ粒子は、約1.0から約1.2のD90/D10粒子サイズ分布を有する。いくつかの態様において、シリカ粒子は、約1.0、約1.1、または約1.2のD90/D10粒子サイズ分布を有する。
【0035】
いくつかの態様において、シリカ粒子は、約0.5μmから約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。さらなる態様では、シリカ粒子は、約1μmから約20μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。別の態様では、シリカ粒子は、約1μmから約10μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。さらに別の態様では、シリカ粒子は、約1μmから約5μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。いくつかの態様において、シリカ粒子は、約0.5、約0.75、約1、約1.25、約1.5、約1.75、約2、約2.25、約2.5、約2.75、約3、約3.25、約3.5、約3.75、約4、約4.25、約4.5、約4.75、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。
【0036】
b.表面積
いくつかの態様において、シリカ粒子は、TriStar II Plus(Micromeritics)によって測定されるように、約0.1m/gから約100m/gのBET表面積を有する。さらなる態様では、シリカ粒子は、約0.1m/gから約90m/gのBET表面積を有する。いくつかの態様において、シリカ粒子は、約0.1、約0.25、約0.5、約0.75、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4、約4.5、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、または約100m/gのBET表面積を有する。
【0037】
c.粒子の球形度
いくつかの態様において、シリカ粒子は、0.95以上の球形度を有する。いくつかの態様において、シリカ粒子は、0.95から1の球形度を有する。
【0038】
d.粒子表面
いくつかの態様において、シリカ粒子は非多孔性である。
【0039】
いくつかの態様において、シリカ粒子は、少なくとも1つの疎水性付与剤で表面処理されている。いくつかの態様において、疎水性付与剤は、アルキルシラン(例えば、トリエトキシカプリリルシランまたはジメチルシリル剤)、金属石鹸(例えば、イソプロピルチタントリイソステアレート)、ステアリル修飾アミノ酸(例えば、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウムおよび水酸化アルミニウム)、シリコーン(例えば、ジメチコン)、フッ素化物(例えば、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン)、およびそれらの混合物である。いくつかの態様において、疎水性付与剤は、ヘキサメチルジシラザンである。
【0040】
III.方法
一態様では、本開示は、シリカ粒子を製造する方法に関し、該方法は、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を600℃以下の温度で加熱してシリカ粒子を形成することを含み、ここでシリカ粒子は球形であり、そして短軸/長軸で定義される0.9以上の球形度を有する。
【0041】
i.温度
いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約500℃以下の温度で加熱される。さらなる態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約400℃以下の温度で加熱される。
【0042】
いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、電気炉、ガス炉、遠赤外線炉、中赤外線炉、または近赤外線炉で加熱される。
【0043】
ii.雰囲気
いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。さらなる態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約15%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。またさらなる態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下、約15%以下、約10%以下、または約5%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%、約15%、約10%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%の酸素を含む雰囲気中で加熱される。
【0044】
iii.時間
いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10分から約6時間加熱される。さらなる態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約30分から約5時間加熱される。いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約1時間、約1.25時間、約1.5時間、約1.75時間、約2時間、約2.25時間、約2.5時間、約2.75時間、約3時間、約2.25時間、約3.5時間、約3.75時間、約4時間、約4.25時間、約4.5時間、約4.75時間、約5時間、約5.25時間、約5.5時間、約5.75時間、または約6時間、加熱される。
【0045】
b.任意選択の加熱ステップ
いくつかの態様において、該方法は、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子の温度を約400℃に低下させることをさらに含み得る。
【0046】
i.雰囲気
いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。さらなる態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約15%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。またさらなる態様では、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%以下、約15%以下、約10%以下、または約5%以下の酸素を含む雰囲気中で加熱される。いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約20%、約15%、約10%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%の酸素を含む雰囲気中で加熱される。
【0047】
ii.時間
いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10分から約1時間加熱される。さらなる態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約45分間加熱される。いくつかの態様において、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子は、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、または約1時間、加熱される。
【0048】
c.特性
一態様では、本明細書に記載の方法によって調製されたシリカ粒子は、レーザー回折によって測定されると、約0.5μmから約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。
【0049】
i.粒子サイズ
いくつかの態様において、シリカ粒子は、約0.5μmから約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。さらなる態様では、シリカ粒子は、約1μmから約20μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。別の態様では、シリカ粒子は、約1μmから約10μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。さらに別の態様では、シリカ粒子は、約1μmから約5μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。いくつかの態様において、シリカ粒子は、約0.5、約0.75、約1、約1.25、約1.5、約1.75、約2、約2.25、約2.5、約2.75、約3、約3.25、約3.5、約3.75、約4、約4.25、約4.5、約4.75、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50μmの中央値(D50)粒子サイズを有する。
【0050】
いくつかの態様において、シリカ粒子は、レーザー回折による測定にて、約1.3以下のD90/D10粒子サイズ分布を有する。いくつかの態様において、シリカ粒子は、約1.0、約1.1、約1.2、または約1.3のD90/D10粒子サイズ分布を有する。
【0051】
ii.粒子の球形度
いくつかの態様において、シリカ粒子は、0.9より高い球形度を有する球形である。いくつかの態様において、シリカ粒子は、0.9から1の球形度を有する球形である。
【0052】
iii.粒子表面
いくつかの態様において、シリカ粒子は非多孔性である。
【0053】
いくつかの態様において、シリカ粒子は、少なくとも1つの疎水性付与剤で表面処理されている。いくつかの態様において、疎水性付与剤は、アルキルシラン(例えば、トリエトキシカプリリルシランまたはジメチルシリル剤)、金属石鹸(例えば、イソプロピルチタントリイソステアレート)、ステアリル修飾アミノ酸(例えば、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウムおよび水酸化アルミニウム)、シリコーン(例えば、ジメチコン)、フッ素化物(例えば、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン)、およびそれらの混合物である。いくつかの態様において、疎水性付与剤は、ヘキサメチルジシラザンである。
【0054】
IV.パーソナルケア
本開示のさらなる態様において、本開示の生成物、すなわち、シリカ粒子は、パーソナルケアアイテムに配合され得る。
【0055】
いくつかの態様において、パーソナルケアアイテムは、化粧品または医療製品であり得る。
【0056】
一態様では、パーソナルケア組成物は、防腐剤、抗酸化剤、結合剤、消泡剤、帯電防止剤、着色剤、乳化安定剤、酸化剤、推進剤、不透明剤、UVフィルター、UV吸収剤、変性剤、粘度調整剤、変性剤、キレート剤、ガムまたは増粘剤、油、ワックス、香料、エッセンシャルオイル、乳化剤、界面活性剤、およびそれらの組み合わせをさらに含む。
【0057】
いくつかの態様において、パーソナルケア組成物は、防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、ガムまたは増粘剤、油、ワックス、香料、エッセンシャルオイル、乳化剤、界面活性剤、およびそれらの組み合わせと共に配合され得る。
【0058】
いくつかの態様において、本開示の生成物は、メイクアップ、カラー化粧品、ファンデーション、頬紅、リップスティック、リップクリーム、アイライナー、マスカラ、オイルリムーバー、カラー化粧品リムーバー、および粉末(パウダー)を含む配合物に添加され得る。
【0059】
いくつかの態様において、本開示の生成物は、疎水化粉末と配合されている。疎水化粉末は、1つまたは複数の有機または無機粉末の表面を疎水化することによって得ることができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の有機または無機粉末は、限定されないが、シリコーン樹脂粒子、ナイロン-12、PMMA、セルロース、加工デンプン、タルク、窒化ホウ素、ポリウレタン、およびカオリン粒子を含み得る。
【0060】
パーソナルケア組成物は、脱臭剤、制汗剤、制汗剤/脱臭剤、シェービング製品、スキンローション、モイスチャライザー、化粧液、バス製品、クレンジング製品、ヘアケア製品、例えばシャンプー、コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、ヘアダイ、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、ウェーブ製品、ヘアストレートナー、マニキュア製品(例えば、マニキュア、マニキュアリムーバー、ネイルクリームおよびローション、キューティクルソフトナー)、保護クリーム(例えば、日焼け止め、昆虫忌避剤およびアンチエージング製品)、カラー化粧品(例えば、リップスティック、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、メイクアップ、マスカラ)、およびデンタルケア(例えば、歯磨き粉)を含むパーソナルケア用途であり得る。パーソナルケア用途はまた、皮膚に適用することができる医薬組成物の局所適用のためのドラッグデリバリーシステムであり得る。
【0061】
一態様では、パーソナルケア組成物は、1つまたは複数のパーソナルケア原料をさらに含む。適切なパーソナルケア原料には、限定されないが、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、湿潤剤、顔料(例えば、オキシ塩化ビスマスおよび二酸化チタンでコーティングされたマイカ(雲母)などの真珠光沢顔料)、着色剤、香料、殺生物剤、防腐剤、抗酸化剤、抗真菌剤、制汗剤、剥離剤、ホルモン、酵素、薬用化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、界面活性剤、シリコーン油、有機油、ワックス、フィルム形成剤、増粘剤(例えば、ヒュームドシリカまたは水和シリカ)、粒子状充填剤(例えば、タルク、カオリン、デンプン、加工デンプン、マイカ、ナイロン、粘土、例えば、ベントナイトおよび有機変性粘土)が含まれる。
【0062】
いくつかの態様において、パーソナルケア組成物に含まれる1つまたは複数のパーソナルケア成分は、湿潤剤、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、顔料、着色剤、香料、殺生物剤、防腐剤、抗酸化剤、抗真菌剤、制汗剤、剥離剤、ホルモン、酵素、薬用化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、界面活性剤、シリコーン油、有機油、ワックス、フィルム形成剤、および増粘剤からなる群から選択される。いくつかの態様において、1つまたは複数の皮膚軟化剤は、トリグリセリドエステル、ワックスエステル、脂肪酸のアルキルまたはアルケニルエステル、多価アルコールエステル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの態様において、1つまたは複数のパーソナルケア成分は、シリコーン油、有機油、またはそれらの混合物である。
【0063】
一態様では、パーソナルケア組成物は、本明細書に記載のポリマー組成物または生成物と、1つまたは複数の活性制汗剤とを含む制汗剤組成物である。適切な制汗剤には、米国食品医薬品局の1993年10月10日の処方箋なしで購入できるヒト用制汗剤製品に関するモノグラフに記載されているカテゴリーIの活性制汗剤原料、例えば、ハロゲン化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシハライド、例えばアルミニウムクロロハイドレート、およびジルコニルオキシハライドおよびジルコニルヒドロキシハライドとの複合体またはそれらの混合物(例えば、アルミニウム-ジルコニウムクロロハイドレート、およびアルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスグリシンなどのアルミニウムジルコニウムグリシン複合体)が含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
別の態様では、パーソナルケア組成物は、本明細書に記載のポリマー組成物または生成物、およびシリコーン油または有機油などのビヒクルを含むスキンケア組成物である。スキンケア組成物はまた、皮膚軟化剤、例えばトリグリセリドエステル、ワックスエステル、脂肪酸のアルキルまたはアルケニルエステルまたは多価アルコールエステル、顔料、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、およびビタミンE)、日焼け止めまたはサンブロック化合物(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、メトキシケイヒ酸オクチル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、p-アミノ安息香酸、およびオクチルジメチル-p-アミノ安息香酸)を含み得る。
【0065】
さらに別の態様では、パーソナルケア組成物は、リップスティック、メイクアップまたはマスカラなどのカラー化粧品組成物である。カラー化粧品組成物は、本明細書に記載のポリマー組成物または生成物、および着色剤(例えば、顔料、水溶性染料、または脂溶性染料)を含む。
【実施例0066】
以下の例は、本開示の様々な態様を実証するために含まれている。以下の例に開示される技術は、本開示の実施において良好に機能することが発明者によって発見された技術を表し、したがって、その実施のための好ましい形態を構成すると見なすことができることを当業者は理解すべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の例に多くの変更を加えることができ、それでも開示の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
【0067】
例1:球状粒子(A)の調製
幅x奥行x高さが415x415x50mmの適切な容器で、平均粒子サイズ4.5μmのポリメチルシルセスキオキサン微粒子(Momentive TOSPEARL 145A)500gを添加し、そして窒素混合空気中の酸素濃度が10%の雰囲気にて500℃で30分間加熱した。次に、粒子を空気雰囲気にて400℃で45分間加熱した。445gの球状シリカ微粒子(A)が得られた。得られた球状シリカ微粒子の中央値(D50)粒子サイズは3.8μmであり、粒子サイズ分布D90/D10は1.11であり、TriStar II Plus(Micromeritics、ジョージア州ノークロス)による測定でBET比表面積は1.32m/gであった。
【0068】
例2:球状粒子(B)の調製
幅x奥行x高さが415x415x50mmの適切な容器で、平均粒径2μmのポリメチルシルセスキオキサン微粒子(Momentive TOSPEARL 120A)500gを添加し、そして空気雰囲気にて450℃で5時間加熱した。448gの球状シリカ微粒子(B)が得られた。得られた球状シリカ微粒子の中央値(D50)粒子サイズは1.7μmであり、粒子サイズ分布D90/D10は1.17であり、そして比表面積はTriStar II Plusで測定して2.7m/gであった。
【0069】
例3:球状粒子(C)の調製
幅x奥行x高さが415x415x50mmの適切な容器で、平均粒子サイズ11μmのポリメチルシルセスキオキサン微粒子(Momentive TOSPEARL 1110A)300gを添加し、そして窒素混合空気雰囲気中、酸素濃度10%下にて500℃で30分間加熱した。次に、粒子を空気雰囲気中にて400℃で45分間加熱した。267gの球状シリカ微粒子(C)が得られた。得られた球状シリカ微粒子の中央値(D50)粒子サイズは9.4μmであり、粒子サイズ分布D90/D10は1.08であり、比表面積は、TriStar II Plusによって測定して、0.6m/gであった。
【0070】
例4:表面処理された球状粒子(D)の調製
適切な容器内で、20グラムの球状シリカ粒子(A)を10グラムの水に分散させた。混合物をオーバーヘッドスターラー(IKA Eurostar 100デジタルオーバーヘッドスターラー)にて混合した。次に、6グラムのヘキサメチルジシラザンを混合物に加え、混合物を25℃で6時間撹拌した。次に、スラリーを150℃で3時間乾燥させた。次に、乾燥した粉末を50ミクロンのふるいを通してふるいにかけた。得られた球状粉末(D)は、中央値粒子サイズ(D50)約3.8ミクロンを有していた。D90/D10として測定された粒子サイズ分布は1.11であった。
【0071】
例5:粉末ファンデーション
上記のシリカ微粒子(A)から(C)およびTospearl微粒子およびシリカ微粒子を用いて、表1に示す組成で粉末ファンデーションを調製した。調製方法では、まず相Aおよび相Bの原料をHanil Labミキサーで混合し、次に相Cの予混合原料を加え、そしてHanil Labミキサーを使用して再度均一に混合し、最後に混合物を金属板に圧縮成形した。
【表1A】

【表1B】
【0072】
「伸び」、「肌の滑らかさ」、「肌へのなじみ」、「ソフトフォーカス効果」、および「12時間後の化粧持ち」の評価結果も、組成とともに表2に示す。評価は、10人のパネリストによって行われ、以下の基準に従って各項目を採点し、そしてその平均値で評価した。
【0073】
「非常に良い」:5点;「良い」:4点;「普通」:3点;「やや不良」:2点;および「不良」:1点。
【表2】
【0074】
例6;粉末配合物
粉末配合物は、例1の上記シリカ微粒子(A)および4ミクロンの平均粒子サイズおよびD90/D10=2.7を有する比較球状シリカ(サンスフェアNP-30、AGCエスアイテック株式会社)を使用して、以下の表3に示される組成で調製された。原料を100gmスピードミキサー容器内で混合し、そして粉末を5分間混合して、均一に混合された緩い粉末配合物を得た。
【0075】
粉末配合物の摩擦係数は、CSM Tribometerで測定された。粉末をレザー(2mg/cm)に10秒間こすりつけた。摩擦は、レザー(Testfabrics Inc.)に平面を付けて直径1cmのステンレス鋼プローブで測定した。摩擦は、2cm前後に10サイクル往復するプローブについて1cm/秒の速度で測定された。摩擦係数は、10サイクルの平均摩擦係数として報告された。
【表3】
【0076】
図1は、狭い粒子サイズ分布(D90/D10=1.1)のシリカを有する粉末配合物が、より広い粒子サイズ分布(D90/D10=2.7)を有する配合物よりも低い摩擦係数を示したことを示す。図3Aおよび図3Bは、例1(D90/D10=1.1、D50=3.9μm)および比較シリカ(D90/D10=2.70、D50=4.3μm)の球状粒子の粒子サイズ分布を示す。
【0077】
例7:乳化ファンデーション
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成の乳化ファンデーションを調製した。調製方法は、まず、原料(5)から(8)をHenschelミキサーで混合し、次に原料(1)および(3)から(4)をそれに加え、そして混合物をよく混合した後、粉砕して分類した。さらに原料(2)および(9)から(18)を加え、ホモミキサーで処理し、脱気し、そして容器に充填した。
【表4】
【0078】
例8:粉末ファンデーション
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成の二つの目的を兼ねた粉末ファンデーションを調製した。調製方法は、まず原料(1)および(3)から(10)を混合して粉砕し、Henschelミキサーに移し、そして原料(2)および(11)から(16)を加えて均一に混合した。次に混合物を金属板に圧縮成形した。
【表5】
【0079】
例9:粉末アイシャドウ
上記のシリコーン粒子(A)を用いて、以下に示す組成の粉末アイシャドウを調製した。調製方法は、まず原料(1)および(3)から(10)を混合して粉砕し、Henschelミキサーに移し、次に原料(2)および(11)を加えて均一に混合し、次に混合物を金属板に圧縮成形した。
【表6】
【0080】
例10:2層分離型日焼け止め
上記のシリコーン粒子(A)を用いて、以下に示す組成を有する2層分離型日焼け止めエマルジョンを調製した。調製方法では、まず原料(1)から(7)を、ディスパーを用いて分散させて混合し、次に水相原料(8)から(11)を加えて攪拌して乳化した。
【表7】
【0081】
例11.日焼け止めクリーム
上記のシリコーン粒子(A)を用いて、以下に示す組成の日焼け止めクリームを調製した。調製方法では、まず原料(1)から(8)を、ディスパーを用いて分散させて混合し、次に水相原料(8)から(10)を加えて攪拌して乳化した。
【表8】
【0082】
例12:固体白色粉末
上記のシリコーン粒子(A)を用いて、以下に示す組成の固体白色粉末を調製した。調製方法は、まず、原料(1)および(3)から(6)を混合して粉砕し、Henschelミキサーに移し、次に原料(2)および(7)から(10)を加えて均一に混合し、そして金属板に圧縮成形した。
【表9】
【0083】
例13:頬紅
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成を有する頬紅を調製した。調製方法は、まず原料(1)から(6)を混合して破砕し、Henschelミキサーに移し、原料(7)から(10)を加えて均一に混合し、そして金属板に圧縮成形した。
【表10】
【0084】
例14:リップスティック
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のリップスティックを調製した。調製方法は、原料(1)から(11)を加熱して溶解し、次に(12)および(13)を加えて混合し、そして混合物を脱気して容器に注ぎ、急冷して硬化させた。
【表11】
【0085】
例15:スキンプライマー
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のスキンプライマーを調製した。調製方法は、原料(1)から(7)を加熱して混合し、原料(8)から(13)を別々によく混合し、次に原料(1)から(7)に加えてよく混合し、最後に水相原料(14)から(18)を加えて攪拌して乳化させた。
【表12】
【0086】
例16:BBクリーム
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のBBクリームを調製した。調製方法は、原料(1)から(9)を均一になるまで混合し、原料(10)から(15)を別々によく混合し、次に原料(1)から(9)に加えてよく混合し、次に水相原料(16)から(21)を加えてよく混合し、最後に(22)を加えて均質化して均一にした。
【表13】
【0087】
例17:CCクリーム
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のCCクリームを調製した。調製方法は、原料(5)から(14)を均一になるまで混合し、原料(15)から(17)を別々によく混合し、次に原料(5)から(14)に加えてよく混合し、次に水相原料(1)から(4)を加えてよく混合し、最後に(18)から(20)を加えて混合して均一にした。
【表14】
【0088】
例18:マスカラ
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のマスカラを調製した。調製方法は、原料(3)および(4)を水に混ぜてから加熱して均一にし、原料(2)および(5)を(9)に加えてよく混ぜ、原料(10)から(15)を別々に加熱し、次に混合物に加えてよく混ぜ、次に45℃に冷まし、原料(16)および(17)を1つずつ加えて混ぜて均一にした。
【表15】
【0089】
例19:コンシーラー
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のコンシーラーを調製した。調製方法は、原料(1)と(7)を均一になるまで混合し、そして90℃に加熱し、原料(8)から(10)を加え、そして均一になるまで混合し、混合物を適切な容器に注いだ。
【表16】
【0090】
例20;O/Wクリーム
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のO/Wクリームを調製した。調製方法は、原料(1)から(3)を混合して80℃に加熱し、原料(4)から(6)を別々に混合して原料(1)から(3)に加え、均一になるまで混合し、室温まで冷まし、そして原料(7)と(8)を加え、均一になるまで混合した。
【表17】
【0091】
例21:W/Oクリーム
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のW/Oクリームを調製した。調製方法は、原料(1)から(6)を混合して70℃に加熱し、原料(7)から(9)を別々に混合して原料(1)から(6)に加え、混合して乳化させ、そして室温まで冷ました。
【表18】
【0092】
例22:アイクリーム
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のアイクリームを調製した。調製方法は、原料(1)から(4)を混合して70℃に加熱し、原料(5)から(12)を別々に混合して70℃に加熱し、次に原料(1)から(4)に加え、混合して乳化し、次に50℃に冷却し、原料(13)を加え、そして均一になるまで混合した。
【表19】
【0093】
例23:スキンセラム
上記の表面処理シリカ微粒子(D)を用いて、以下に示す組成のスキンセラムを調製した。調製方法は、原料(1)から(4)を均一になるまで混合し、原料(5)から(7)を別々に混合し、そして原料(1)から(4)に加え、均一になるまで混合し、次に原料(8)から(11)を1つずつ加え、そして均一になるまで混合した。
【表20】
【0094】
例24:シャンプー
上記のシリカ微粒子(A)を用いて、以下に示す組成のシャンプーを調製した。調製方法は、原料(3)を水に加え、均一に混合し、そして80℃に加熱し、混合物が透明になった後、原料(2)および(5)から(10)を1つずつ加えて混合物が透明であることを確認し、室温まで冷まし、そして原料(11)から(15)を1つずつ加えて、均一になるまで混合した。
【表21】
【0095】
発明の概要および要約の部分ではなく、発明を実施するための形態の部分が、特許請求の範囲を解釈するために使用されることを意図していることを理解されたい。発明の概要および要約の部分は、発明者によって企図される本開示のすべてではないが1つまたは複数の例示的な実施形態を説明することができ、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を決して限定することを意図されていない。
【0096】
本開示は、特定の機能の実装およびそれらの関係を説明する機能的基礎的要素の助けにより上記にて説明されてきた。これらの機能的基礎的要素の境界は、説明の便宜のために本明細書で任意に定義されている。特定の機能およびそれらの関係が適切に実施される限り、代替境界を定義することができる。
【0097】
特定の実施形態の前述の説明は、他者が当業者の技術の範囲内の知識を適用することによって、本開示の一般概念から逸脱することなく、過度の実験なしに、そのような特定の実施形態などの様々な用途のため容易に修正および/または適応できるように、開示の一般的な性質を完全に明らかにすることになる。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示される教示およびガイダンスに基づく、開示された実施形態の均等の意味および範囲内にあることが意図されている。本明細書の語句または用語は、説明を目的とするものであり、限定ではなく、本明細書の語句または用語は、教示およびガイダンスに照らして当業者によって解釈されるものであることが理解されるべきである。
【0098】
本開示の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等に従ってのみ定義されるべきである。
【0099】
他の態様
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願における用語が、参照により本明細書に組み込まれる文献において異なって定義されることが見出される場合、本明細書で提供される定義は、その用語の定義として機能することになる。
【0100】
本開示は、その特定の態様に関連して説明されてきたが、本開示は、さらなる修正が可能であり、そして本出願は、一般に本発明の原理に従い、そして本発明が関連する技術の範囲内の既知または慣行の範囲内にあり、前述の本質的な特徴に適用することができ、そして請求された範囲に従う本開示からのそのような逸脱を含む本発明の任意の変形、使用、または適合を網羅することが意図されていることが理解されよう。

図1
図2
図3
【外国語明細書】