IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

<>
  • 特開-バッテリーモジュール 図1
  • 特開-バッテリーモジュール 図2
  • 特開-バッテリーモジュール 図3
  • 特開-バッテリーモジュール 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172457
(43)【公開日】2022-11-16
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20221109BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20221109BHJP
   H01M 50/502 20210101ALI20221109BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20221109BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20221109BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20221109BHJP
   H01M 50/588 20210101ALN20221109BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/293
H01M50/502
H01M50/593
H01M10/617
H01M10/655
H01M50/588
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022075727
(22)【出願日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】10 2021 204 435.2
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン・ハウザー
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE01
5H031EE02
5H031KK00
5H040AA18
5H040AA28
5H040AY05
5H040LL01
5H040LL04
5H040LL10
5H040NN03
5H043AA09
5H043FA04
5H043FA24
5H043GA24
5H043GA26
5H043GA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】内部の改善された熱分布がもたらされ得る、バッテリーモジュールを提供する。
【解決手段】本発明は、複数のバッテリーセル(2)を備えたバッテリーモジュールであって、この複数のバッテリーセル(2)が、バッテリーモジュール(1)のハウジング(3)内に収容されており、複数のバッテリーセル(2)とハウジング(3)の間には緩衝要素(4)が配置されており、緩衝要素(4)がカバー(6)を有し、カバー(6)が、緩衝要素(4)の弾性に形成されたエラストマー(5)を取り囲んでいるバッテリーモジュールにおいて、カバー(6)が、グラファイト、アルミニウム、および/または銅から成る少なくとも1つの層を含むことを特徴とするバッテリーモジュールに関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセル(2)を備えたバッテリーモジュールであって、前記複数のバッテリーセル(2)が、
前記バッテリーモジュール(1)のハウジング(3)内に収容されており、
前記複数のバッテリーセル(2)と前記ハウジング(3)の間には緩衝要素(4)が配置されており、
前記緩衝要素(4)がカバー(6)を有し、前記カバー(6)が、
前記緩衝要素(4)の弾性に形成されたエラストマー(5)を取り囲んでいるバッテリーモジュールにおいて、
前記カバー(6)が、グラファイト、アルミニウム、および/または銅から成る少なくとも1つの層(7)を含むことを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記カバー(6)がさらに、少なくとも1つの電気絶縁層(8)を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電気絶縁層(8)がテフロンを含むことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記バッテリーモジュール(1)の前記ハウジング(3)に隣接する前記カバー(6)が、摩擦係数0.1未満の最外層(9)を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記エラストマー(5)がポリウレタン(50)から形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記バッテリーモジュール(1)が少なくとも1つの熱平衡要素(12)を含み、前記少なくとも1つの熱平衡要素(12)が、
前記緩衝要素(4)と前記複数のバッテリーセル(2)の間および/または
前記緩衝要素(4)と前記ハウジング(3)の間に配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記緩衝要素(4)が、前記バッテリーモジュール(1)の、前記複数のバッテリーセル(2)を電気的に直列および/または並列に互いに接続するセルコネクター(20)と前記ハウジング(3)の間に配置されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記エラストマー(5)が、ストランド押出プロファイル(55)として形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記バッテリーモジュール(1)の前記複数のバッテリーセル(2)に隣接する前記カバー(6)が、接着層として形成されている最外層(10)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記カバー(6)が前記エラストマー(5)を、前記エラストマー(5)の長手方向(11)において完全に取り囲むことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリーセルを備えたバッテリーモジュールを出発点とする。
【背景技術】
【0002】
現況技術から、バッテリーモジュールが複数の個々のバッテリーセルから成り得ることが知られており、これらの個々のバッテリーセルは、直列および/または並列に導電性に互いに接続されていてもよく、これにより、個々のバッテリーセルがバッテリーモジュールへと相互接続されている。
【0003】
さらに、このようなバッテリーモジュールが、バッテリーまたはバッテリーシステムへと相互接続される。
現況技術は、例えば独国特許出願公開第102011015152号明細書または米国特許出願公開第2014/356685号明細書である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011015152号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/356685号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
独立形式請求項の特徴を有するバッテリーモジュールは、バッテリーモジュール内部の改善された熱分布がもたらされ得るという利点を提供する。
このために本発明によれば、複数のバッテリーセルを備えたバッテリーモジュールがもたらされる。これらのバッテリーセルは、バッテリーモジュールのハウジング内に収容されている。これに関し、バッテリーセルとハウジングの間には緩衝要素が配置されている。さらに、この緩衝要素がカバーを有し、このカバーが、緩衝要素の弾性に形成されたエラストマーを取り囲む。このカバーは、グラファイト、アルミニウム、および/または銅から成る少なくとも1つの層を含む。
【0006】
引用形式請求項に挙げた措置により、独立形式請求項に提示した装置の有利な変形および改善が可能である。
とりわけ、弾性に形成されており、つまりその形状において適合可能であるかまたはその形状において柔軟であり、これによりとりわけバッテリーモジュールに作用する力からの保護にも役立つ緩衝要素により、バッテリーモジュール内部の熱分布が改善され得る。とりわけバッテリーモジュール内部の熱伝導が改善され得る。したがって総括すると、放熱の改善により、熱のいわゆるホットスポットが阻止され得る。これに関しては、とりわけ、グラファイト、アルミニウム、および/または銅から成る少なくとも1つの層を含むカバーにより、熱分布の改善のために熱伝導特性が改善され得る。
【0007】
例えばグラファイトは400~1000ワット毎メートル・ケルビン(W/(mK))の熱伝導率を有する。
これに関し、グラファイト、アルミニウム、および/または銅から成る少なくとも1つの層は、例えばグラファイト箔、アルミニウム箔、または銅箔として形成されていてもよい。
【0008】
カバーが、少なくとも1つの電気絶縁層を含むことが好ましい。少なくとも1つの電気絶縁層がテフロン(登録商標)を含み得ることが好ましい。これは、例えば電気ショートに対するバッテリーモジュールの安全性を確実に高める。
【0009】
バッテリーモジュールのハウジングに隣接するカバーが、摩擦係数0.1未満の最外層を有する場合が有利である。これにより、バッテリーセルが簡単にハウジング内に収容され得る。これによりとりわけ、組み立て中にバッテリーセルが確実にハウジングに沿って滑り得る。
【0010】
エラストマーがポリウレタンから構成されていることが特に好ましい。これにより、確実な弾性が形成され得る。
バッテリーモジュールが、少なくとも1つの熱平衡要素を含み得ることがさらに好ましく、熱平衡要素は、緩衝要素と複数のバッテリーセルの間および/または緩衝要素とハウジングの間に配置されている。この少なくとも1つの熱平衡要素は、とりわけ電気絶縁性に形成されており、さらに、とりわけいわゆるギャップパッドとして形成されている。これにより熱伝導がさらに確実に改善され得る。
【0011】
緩衝要素が、バッテリーモジュールのセルコネクターとハウジングの間に配置されている場合が有用である。セルコネクターは、複数のバッテリーセルを電気的に直列および/または並列に互いに接続する。
【0012】
本発明の好ましい一態様によれば、エラストマーが、ストランド押出プロファイルとして形成されている。
バッテリーモジュールの複数のバッテリーセルに隣接するカバーが、接着層として形成されている最外層を含むことがさらに好ましい。この接着層が、接着テープとして形成されていることが好ましい。とりわけ、接着層は電気絶縁性に形成されている。それにより、複数のバッテリーセルを確実に緩衝要素に結合することができる。
【0013】
カバーがエラストマーを、エラストマーの長手方向において完全に取り囲む場合が有用である。長手方向がエラストマーの最も大きな広がりの方向に延びていることをここで補足しておく。
【0014】
とりわけストランド押出プロファイルとして形成されているエラストマーの、様々な幾何形状での、例えば高さ、幅、または直径での形成により、様々な応力または予応力が形成され得る。これによりとりわけ、ストランド押出プロファイルの比較的平らな、つまり比較的低い高さでの形成により、バッテリーモジュールのハウジングと複数のバッテリーセルまたはセルコネクターとの間隔を短くすることができる。総括すると、エラストマーはとりわけハウジングに対して複数のバッテリーセルを支持するためにも役立ち得る。
【0015】
本発明の例示的実施形態を図面に示しており、かつ以下の説明においてより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ハウジング内に複数のバッテリーセルを入れるところを示す図である。
図2】複数のバッテリーセルを示す図である。
図3】緩衝要素と、本発明によるバッテリーモジュール内でのその配置とを概略的に示す図である。
図4】緩衝要素の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、バッテリーモジュール1のハウジング3内にバッテリーモジュール1の複数のバッテリーセル2を入れるところを示す。これに関し、この場合は緩衝要素4が配置されていないことをここで補足しておく。
【0018】
図2は、バッテリーモジュール1の複数のバッテリーセル2を示す。
これに関し、バッテリーモジュール1のセルコネクター20も認識でき、セルコネクター20は、複数のバッテリーセル2を電気的に直列および/または並列に互いに接続する。
【0019】
図3は、緩衝要素4と、バッテリーモジュール1内でのその配置とを概略的に示す。
これに関し、緩衝要素4が、弾性に形成されているエラストマー5を含むことが認識され得る。エラストマー5がポリウレタン50から形成されていることが特に好ましい。
【0020】
緩衝要素4はさらに、エラストマー5を取り囲むカバー6を有する。
この緩衝要素4は、バッテリーモジュール1のバッテリーセル2とバッテリーモジュール1のハウジング3との間に配置される。
【0021】
とりわけ、バッテリーモジュール1が全部で2つの緩衝要素4を含むことが認識され得る。さらに、1つの緩衝要素4または複数の緩衝要素4が、バッテリーモジュール1のセルコネクター20とハウジング3の間に配置されていることが認識され得る。
【0022】
図3ではさらに、バッテリーセル2がバッテリーモジュール1のハウジング3内に収容されていることが認識され得る。
バッテリーモジュール1はさらに熱平衡要素12を含むことができ、熱平衡要素12は、例えば、緩衝要素4と複数のバッテリーセル2の間および緩衝要素4とハウジング3の間に配置されている。
【0023】
図4は、緩衝要素4の一実施形態を示す。
最初に、緩衝要素4が、弾性に形成されたエラストマー5を含むことが認識でき、エラストマー5はポリウレタン50から形成されていることが好ましい。
【0024】
これに関し、エラストマー5はストランド押出プロファイル55として形成されている。緩衝要素4は、とりわけ、それぞれ好ましくはストランド押出プロファイル55として形成されていてもよい複数のエラストマー5を有する。
【0025】
緩衝要素4がさらにカバー6を含むことが認識され得る。
カバー6は、グラファイト、アルミニウム、および/または銅から成る少なくとも1つの層7を含む。
【0026】
カバー6はこれに加えて電気絶縁層8を含む。電気絶縁層8は例えばテフロンを含み得る。
少なくとも1つの層7が、例えばカバー6の内側にあるように配置されており、つまり言い換えれば、エラストマー5に直接隣接して配置されていること、および電気絶縁層8が、例えば外側にあるように配置されており、つまり言い換えれば、ハウジング3または複数のバッテリーセル2に直接隣接して配置されていることをここで補足しておく。
【0027】
さらに、バッテリーモジュール1のハウジング3に隣接するカバー6は、摩擦係数0.1未満を有する最外層9を有し得る。これに関しては、この最外層9は、少なくとも部分的に電気絶縁層8の表面に配置されていてもよく、または電気絶縁層8の代わりに配置されていてもよいことが見て取れる。
【0028】
さらに、バッテリーモジュール1の複数のバッテリーセル2に隣接するカバー6が接着層として形成されている最外層10を有することもできる。これに関しては、この最外層10が、少なくとも部分的に電気絶縁層8の表面に配置されていてもよく、または電気絶縁層8の代わりに配置されていてもよいことが見て取れる。
【0029】
さらに、1つのエラストマー5または複数のエラストマー5は、エラストマー5の最も大きな広がりの方向に延びている長手方向11を有する。これに関し、カバー6は、1つのエラストマー5または複数のエラストマー5を長手方向11において完全に取り囲む。
【符号の説明】
【0030】
1 バッテリーモジュール
2 バッテリーセル
3 ハウジング
4 緩衝要素
5 エラストマー
6 カバー
7 層
8 電気絶縁層
9 最外層
10 最外層
11 長手方向
12 熱平衡要素
20 セルコネクター
50 ポリウレタン
55 ストランド押出プロファイル
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】