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特開2022-172470特に顕微鏡法で使用するための実験システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172470
(43)【公開日】2022-11-16
(54)【発明の名称】特に顕微鏡法で使用するための実験システム
(51)【国際特許分類】
   B01L 9/02 20060101AFI20221109BHJP
   G02B 21/26 20060101ALI20221109BHJP
   B01L 7/00 20060101ALI20221109BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20221109BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B01L9/02
G02B21/26
B01L7/00
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022076258
(22)【出願日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】21171853
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511079735
【氏名又は名称】ライカ マイクロシステムズ シーエムエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Leica Microsystems CMS GmbH
【住所又は居所原語表記】Ernst-Leitz-Strasse 17-37, D-35578 Wetzlar, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ベンダー
【テーマコード(参考)】
2H052
4B029
4G057
【Fターム(参考)】
2H052AD13
4B029AA01
4B029AA07
4B029BB01
4B029FA01
4B029FA15
4G057AA05
4G057AD03
4G057AE01
4G057AE21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流体、特に液体および/または廃棄される必要のある流体、特に液体の供給を必要とする実験装置を備える、安全要件が満たされた実験システムを提供する。
【解決手段】実験システム(100)であって、実験ベンチ(120)上に人工気候室(160)および/または培養系(140)を備える実験装置(130)を有しており、実験ベンチ(120)は、実験装置(130)に接続された少なくとも1つの流体リザーバ(110)を収容するように構成された少なくとも1つの収容部(180)を有している、実験システム(100)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験システム(100)であって、
前記実験システム(100)は、実験ベンチ(120)のテーブル面(122)上に配置された実験装置(130)を備えており、
前記実験ベンチ(120)は、前記実験ベンチ(120)の前記テーブル面(122)の下側に少なくとも1つの収容部(180)を有しており、前記収容部(180)は、前記実験装置(130)に接続された少なくとも1つの流体リザーバ(110)を収容するように構成されている、
実験システム(100)。
【請求項2】
前記実験装置(130)は、人工気候室(160)および/または培養系(140)を備えており、
前記実験システム(100)は、少なくとも1つの流体を前記人工気候室(160)および/または前記培養系(140)に供給する第1の流体供給系(190)をさらに備えており、前記第1の流体供給系(190)は、前記少なくとも1つの流体を保管可能な前記少なくとも1つの流体リザーバ(110)に接続されている、
請求項1記載の実験システム(100)。
【請求項3】
前記第1の流体供給系(190)は、1つ以上の流体ポンプ(192)、1つ以上のチューブ(194)および前記1つ以上のチューブ(194)のための1つ以上の貫通案内部(196)のうちの少なくとも1つを備えている、
請求項2記載の実験システム(100)。
【請求項4】
前記実験システム(100)は、少なくとも1つの前記流体ポンプ(192)を有しており、前記少なくとも1つの流体ポンプ(192)は、前記実験ベンチ(120)に、前記培養系(140)にまたは前記培養系(140)内に、前記実験装置(130)にまたは前記実験装置(130)内に、かつ/または前記人工気候室(160)にまたは前記人工気候室(160)内に配置されている、
請求項3記載の実験システム(100)。
【請求項5】
前記実験装置(130)は、少なくとも1つの液浸対物レンズを備えた顕微鏡を備えており、
前記実験システム(100)は、浸漬流体を前記液浸対物レンズに供給する第2の流体供給系(150)をさらに備えており、前記第2の流体供給系(150)は、前記浸漬流体を保管可能な前記少なくとも1つの流体リザーバ(110)に接続されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の実験システム(100)。
【請求項6】
前記第2の流体供給系(150)は、1つ以上の流体ポンプ(152)、1つ以上のチューブ(154)および前記1つ以上のチューブ(154)のための1つ以上の貫通案内部(156)のうちの少なくとも1つを備えている、
請求項5記載の実験システム(100)。
【請求項7】
前記実験システム(100)は、少なくとも1つの流体ポンプ(152)を有しており、前記少なくとも1つの流体ポンプ(152)は、前記実験ベンチ(120)に、かつ/または、前記実験装置(130)にまたは前記実験装置(130)内に配置されている、
請求項6記載の実験システム(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの収容部(180)は、1つ以上の容器室(182)、1つ以上のネームタグ(484)および1つ以上の保持体部分(486)のうちの少なくとも1つを備えている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の実験システム(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの収容部(180)は、前記実験ベンチ(120)に組み込まれたラックの形式である、
請求項1から8までのいずれか1項記載の実験システム(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの収容部(180)は、1つ以上のベンチ脚部に組み込まれている、または、前記実験ベンチ(120)の1つ以上のベンチ脚部の少なくとも一部を形成している、
請求項1から9までのいずれか1項記載の実験システム(100)。
【請求項11】
前記第1または第2の流体供給系(190;150)は、少なくとも1つの貫通案内部(196;156)を備えており、前記少なくとも1つの貫通案内部(196;156)のうちの少なくとも1つは、前記実験ベンチ(120)と前記実験装置(130)とに隣接する部分に配置されている、
請求項3または5を引用する請求項1から10までのいずれか1項記載の実験システム(100)。
【請求項12】
前記実験装置(130)は、顕微鏡を備えている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の実験システム(100)。
【請求項13】
前記顕微鏡は、前記顕微鏡により検査される試料を収容するための試料チャンバを備える前記人工気候室(160)を備えている、
請求項2を引用する請求項12記載の実験システム(100)。
【請求項14】
前記実験装置(130)は、前記培養系(140)を備えており、前記顕微鏡は、前記顕微鏡の前記試料チャンバに培養雰囲気を提供するための前記培養系(140)に接続されている、
請求項13記載の実験システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の構想は、概して、流体、特に液体および/または廃棄される必要のある流体、特に液体の供給を必要とする実験装置を備える実験システムに関する。より具体的には、実験システムは、顕微鏡を含んでいてよく、顕微鏡は、浸液を供給しかつ/または廃棄するための液浸系を有しており、かつ/または顕微鏡の試料チャンバ内の培養雰囲気の成分である流体、特に気体および/または液体を供給しかつ/または廃棄するための培養系を使用する。
【背景技術】
【0002】
例えば人工気候室を備えた実験装置が知られており、この人工気候室には、流体リザーバから取り出された1つ以上の流体、特に液体が供給される必要があるのに対し、使用済みまたは使い古しの流体は、別の流体リザーバに戻される必要がある。このような液体リザーバは、典型的には実験装置の隣に配置されており、これにより、さもなければ実験室において作業空間として使用することができた貴重なスペースをむだにしている。また、流体を移送するために必要なチューブおよびホースは、作業空間をふさぐ傾向があると共に、損傷しやすいまたはねじれやすい。
【0003】
このような実験装置の一例には、一般性を失うことなく、試料、特に細胞のような生体試料を検査するための試料チャンバをそれ自体が形成するまたは備える人工気候室を備えた顕微鏡が含まれる。試料チャンバ内に培養雰囲気を生成するために、顕微鏡は、培養系に接続され得る。培養系は、所定の組成および/または所定の温度の培養雰囲気を提供する。典型的には、培養雰囲気のCO含有量、湿度および温度が制御される。このために、気体および/または液体を培養系に供給する必要がある。
【0004】
他の例は、浸液がリザーバから顕微鏡対物レンズのフロントレンズに供給される液浸顕微鏡法に使用される顕微鏡に関する。浸液は、典型的には水性または油性である。例えば、水浸対物レンズによる液浸のために、水は、通常、顕微鏡の内側または外側のどこかに配置された水リザーバから流出させられる。しばしば、培養試料チャンバを有する液浸顕微鏡が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の状況から、このような実験装置の改善された取扱いの必要性が生じる。特に、このような実験装置を使用する実験室における安全要件が満たされねばならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の構想は、請求項1記載の改良された実験システムであって、実験ベンチのテーブル面上に配置された実験装置を有しており、実験ベンチは、実験ベンチのテーブル面の下側に少なくとも1つの収容部を有しており、収容部は、実験装置に接続された少なくとも1つの流体リザーバを収容するように構成されている、実験システムを提供する。本発明の構想によれば、少なくとも1つの流体リザーバは、もはや実験装置の隣または内部に配置される必要がなく、1つ以上の流体リザーバを収容するように構成された少なくとも1つの収容部に少なくとも1つの流体リザーバを入れることにより、テーブル面の下側に「しまう」ことができる。したがって、外見的に流体リザーバにより奪われていた貴重な作業空間が、今や実験装置のオペレータにより自由に使用され得る。1つ以上の収容部は、実験装置の下側の実験ベンチの一部であるため、実験システムの設置面積が最小化されている。さらに、既存の実験ベンチは、少なくとも1つの流体リザーバを収容するために必要な1つ以上の収容部を有するように改造され得る。
【0007】
本発明の構想はさらに、実験装置のより迅速でより安全な操作を可能にする。それというのも、流体リザーバの保管場所が予め決められており、収容部内の流体リザーバは、起こり得る損傷、傾斜および脱落から保護されており、チューブおよびホースは、損傷またはねじれから有効に保護されており、これにより、作業安全要件が満たされているからである。
【0008】
以下に、本発明の構想の別の利点および実施形態を説明する。
【0009】
1つの好適な実施形態では、実験装置には、人工気候室および/または培養系が含まれる。人工気候室および培養系の例は、実験装置の少なくとも一部として使用される顕微鏡に関連して上述した。この実施形態では、実験システムはさらに、少なくとも1つの流体を人工気候室および/または培養系に供給する第1の流体供給系を備えており、流体供給系は、前記少なくとも1つの流体を保管可能な少なくとも1つの流体リザーバに接続されている。例えば、実験システムが顕微鏡および培養系を含む場合、人工気候室は、顕微鏡に組み込まれた一体型の人工気候室であってよい。人工気候室は、顕微鏡の試料チャンバ(培養試料チャンバ)を形成するまたは含むことができる、または試料自体の上面の大部分を取り巻く微小環境を含む小さなチャンバ(ステージトップインキュベータ)を形成することができる。人工気候室内に培養雰囲気を生成するために、顕微鏡は培養系に接続されている。培養系は、所定の組成および/または所定の温度の培養雰囲気を提供する。典型的には、培養雰囲気のCO含有量、湿度および温度が制御される。このためには、気体および/または液体を、培養系および/または人工気候室自体に供給する必要がある。
【0010】
好適には、第1の流体供給系には、(液体および/または気体である)流体を人工気候室および/または培養系に案内するための1つ以上の流体ポンプとチューブとが含まれる。このような流体の例は、水、二酸化炭素または窒素である。水は、典型的には所定の湿度の培養雰囲気を生成するために用いられる。二酸化炭素または窒素は、雰囲気のCO含有量を調節する目的で用いられる。この流体供給系は、流体を人工気候室および/または培養系に供給するために、流体リザーバまたは各流体リザーバに接続されている。実験システムの設置面積を最小にするために、第1の流体供給系は、有利には可能な限り、実験装置および/または実験ベンチに組み込まれている。引き続き以下に、図面にも関連して例を説明する。
【0011】
1つ以上の流体/液体ポンプおよびチューブ/ホースとは別に、第1の流体供給系には、前記チューブ/ホースのための1つ以上の貫通案内部が含まれていてよい(「ホース」という用語は、「チューブ」と交換可能であると見なされてよい)。このような貫通案内部は、チューブを実験装置および/または実験ベンチに組み込むことを補助しており、これにより、可撓性のチューブおよびホースを実験ベンチおよび/または実験装置の外側に外付けすることが回避される。
【0012】
これに関連して、前記少なくとも1つの流体ポンプが、実験ベンチにまたは実験ベンチ内に、培養系にまたは培養系内に、実験装置にまたは実験装置内に、かつ/または人工気候室にまたは人工気候室内に配置されていると有利である。このことは、系の設置面積の最小化にも役立つ。
【0013】
1つの好適な実施形態では、実験装置には、少なくとも1つの液浸対物レンズを備えた顕微鏡が含まれており、実験システムにはさらに、浸漬流体を液浸対物レンズに供給する第2の流体供給系が含まれており、第2の流体供給系は、前記浸漬流体を保管可能な少なくとも1つの流体リザーバに接続されている。浸漬流体は、典型的には浸液リザーバから顕微鏡対物レンズのフロントレンズに供給される浸液である。浸液は、典型的には水性または油性である。多くの場合、人工気候室を有する液浸顕微鏡は、生体細胞の検査に使用される(上述の実施形態を参照)。
【0014】
したがって、液浸顕微鏡の実施形態では、一般性に制限されることなく、特に明記しない限り、液体は一般的な「流体」という用語の一例と見なされる。第2の流体/液体供給系には、典型的には、1つ以上の浸液を液浸対物レンズに供給する、浸液を案内するための1つ以上の流体ポンプおよびチューブが含まれている。ここでも、実験システムの設置面積を最小にするために、第2の流体/液体供給系は、有利には可能な限り、実験装置および/または実験ベンチに組み込まれている。引き続き以下に、図面にも関連して例を説明する。
【0015】
1つ以上の流体/液体ポンプおよびチューブ/ホースとは別に、第2の流体供給系には、前記チューブ/ホースのための1つ以上の貫通案内部も含まれていてよい(「ホース」という用語は、「チューブ」と交換可能であると見なされてよい)。このような貫通案内部は、チューブを実験装置および/または実験ベンチに組み込むことを補助しており、これにより、可撓性のチューブおよびホースを実験ベンチおよび/または実験装置の外側に外付けすることが回避される。
【0016】
これに関連して、前記少なくとも1つの流体ポンプが、実験ベンチにまたは実験ベンチ内に、かつ/または実験装置/顕微鏡にまたは実験装置/顕微鏡内に配置されていると有利である。このことは、系の設置面積の最小化にも役立つ。
【0017】
1つの実施形態では、少なくとも1つの収容部は、1つ以上の容器室、1つ以上のネームタグおよび1つ以上の保持体部分のうちの少なくとも1つを有している。容器室は、流体リザーバを収容するように構成されており、容器室が、2つ以上の流体リザーバを収容するように構成されている場合も有利であり得る。ネームタグは、各容器室内に保管された流体/液体の種類を示すために用いられてよい。保持体部分は、流体/液体リザーバが容器室外に傾くこと、特に落下することを回避するのに適している。
【0018】
実験システムの少なくとも1つの収容部は、特に、実験ベンチに組み込まれたラックの形式であってよい。少なくとも1つの収容部は、1つ以上のベンチ脚部に組み込まれていてもよい、または実験ベンチの1つ以上のベンチ脚部の少なくとも一部を形成していてもよい。これらの実施形態もまた、系の設置面積の最小化に役立ち、実験システムのコンパクトな設計を可能にする。
【0019】
既に上述したように、液体供給系には、好適には、実験ベンチと実験装置とに隣接する部分に配置された少なくとも1つの貫通案内部が含まれる。このような貫通案内部は、チューブの長さを最短にすると共にチューブの外付けを回避する、実験装置と流体リザーバとの最適な接続を可能にする。
【0020】
本明細書の導入部において既に示したように、実験装置の1つの好適な実施形態は顕微鏡である。顕微鏡は、好適には、顕微鏡により検査される試料を収容するための試料チャンバを含むまたは成す、人工気候室を有している。さらに、顕微鏡は、培養系に接続され得、この場合、培養系は、顕微鏡の試料チャンバ/人工気候室内に培養雰囲気を提供するための、実験装置の別の部分である。択一的には、顕微鏡自体が、(組み込まれた)培養系を有している。
【0021】
本明細書で用いられるように、「および/または(かつ/または)」という用語は、関連する記載項目のうちの1つ以上の項目の任意のあらゆる組合せを含み、「/」として略記されてもよい。
【0022】
本発明の構想による実施形態の上述した特徴を-全体的にまたは部分的に-組み合わせて、添付の特許請求の範囲に規定された本発明の構想の範囲になお含まれる他の実施形態を達成することができる、ということに留意されたい。
【0023】
以下に、本発明の構想のさらなる実施形態および利点を、以下の図に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の構想による実験システムの1つの実施形態を概略的に示す図である。
図2】別の視点から見た図1の実施形態を概略的に示す図である。
図3】本発明の構想の1つの実施形態の一部をより詳細に示す概略横断面図である。
図4】本発明の構想の1つの実施形態の別の部分をより詳細に示す概略図である。
図5】実験システムの別の実施形態を示す図である。
図6】実験システムの別の実施形態を示す図である。
図7】実験システムのさらに別の実施形態を示す図である。
図8】実験システムのさらに別の実施形態を示す図である。
図9】本発明の構想による実験システムのさらに別の実施形態を示す図である。
図10】本発明の構想による実験システムのさらに別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を包括的に説明する。同じ参照符号は、同じまたは少なくとも構造的に同じコンポーネントを示す。
【0026】
図1は、本発明の構想の1つの実施形態を右から見た斜視図で概略的に示しており、実験システム100は、実験ベンチ120のテーブル面122上に配置された実験装置130を有している。実験ベンチ120は、液体を実験装置130に供給するためかつ/または液体を実験装置130から廃棄するために実験装置130に接続された1つの液体リザーバ110を収容するように構成された収容部180を有している。
【0027】
以下では、実験装置130は、顕微鏡132と、顕微鏡132の人工気候室160の内部に培養雰囲気を生成するための培養系140と、を備えている。
【0028】
図1から看取されるように、顕微鏡132は培養系140に接続されている。培養系140は、所定のCO含有量、所定の湿度および温度の培養雰囲気を、顕微鏡132の人工気候室160内に提供する。このために、培養系140および/または人工気候室160には、流体、特に液体および/または気体を供給しなければならない。
【0029】
他方では、図1の顕微鏡132は、液浸対物レンズ(図示せず)を有する液浸顕微鏡として構成されている。典型的には、液浸対物レンズは、倒立顕微鏡の一部であり、したがって、検査される試料の下、すなわち人工気候室160の下に配置されている。
【0030】
図1の本実施形態では、液体リザーバ110は、培養液、すなわち培養雰囲気を生成するために使用される液体、特に水を収容するボトルである。
【0031】
図1に示されたボトル110は、容器室182内に配置されており、可撓性のチューブ194に接続されている。このチューブ194は、実験ベンチ120のテーブル上面の下に位置しており、そこから培養系140に通じている(図2参照)。
【0032】
図2に示されたボトル110は、対応する収容部180内に配置されており、図1に示したように1つ以上の貫通案内部156を通って液体ポンプ152に案内されたチューブ154に接続されている。液体ポンプ152と貫通案内部156とチューブ154とは共に、図1に示されたような第2の/浸液供給系150を形成している。液体ポンプ152は、顕微鏡132の液浸対物レンズに浸液を供給する。
【0033】
図2に示す視点からより明らかになるように、図1に示したボトル110は、図2にも示すように可撓性のチューブ/ホース194を介して培養系140に接続されている。他方では、図2に示された2つのボトル110は、図1に示されたチューブ154を介して流体ポンプ152に接続されている。このようにして、チューブの長さを可能な限り短く保つことができる。しかしながら、特定の用途に応じて、異なる接続も妥当であり得る。
【0034】
図1および図2に示したように、収容部180は、実験ベンチ120の、互いに反対の側の2つのベンチ脚部に組み込まれたラック内に形成されている。これは結果として、極めて小さい設置面積の実験システム100を生成することになり、小さな、したがって貴重な作業空間が液体リザーバにより奪われることはなく、チューブ154,194は損傷およびねじれから保護されており、これにより、作業安全要件を満たすことができる。
【0035】
以下でさらに説明するように、別の液体/流体ポンプを、培養系140および/または人工気候室160に接続されたまたは組み込まれた第1の流体供給系190の一部とすることができる。ポンプ152は、この実施形態では実験装置130に、より正確には、実験装置130または顕微鏡132の凹部に配置されている。
【0036】
図3は、液体ポンプ152に通じる1つ以上のチューブ154のチューブ配置をより詳細に示している。チューブ154は、実験装置130下方の実験ベンチ120から出るために、ボトル110から複数の貫通案内部156を通って案内されている。このチューブ配置は、チューブ154が実験システムの作業空間をふさがないと共に、損傷されないまたはねじられない、ということを保証する。
【0037】
図4は、相上下する各収容部180内に配置された2つのボトル110の別の詳細図を示している。図4から看取されるように、各収容部180は、容器室182と、ネームタグ484と、保持体部分486と、を有している。この実施形態では、ネームタグは、ボトル110内の液体が「新鮮」または「廃棄物」であるか否かを示す。保持体部分486により、ボトル110が安全に保管され、室182からのボトル110の傾斜または脱落が回避される、ということが保証される。さらに、各ボトル110は、流体レベルのインジケータを有している。(浸)液が、「新鮮な」液体を含む上側のボトル110からチューブ154を通って顕微鏡132の液浸対物レンズに案内される一方で、液浸対物レンズの使用済みの液体または「廃棄物」の(浸)液は、図4に示すように別のチューブ154を通って下側のボトル110に戻される。
【0038】
図5および図6は、実験装置130を含む実験システム100の別の実施形態を示しており、実験装置130には、人工気候室160および培養系140が含まれている。実験装置130は、実験ベンチ120のテーブル面122に配置されている。図5および図6は、少なくとも1つの流体を人工気候室160および/または培養系140に供給するための第1の流体供給系190の1つの可能な実装形態を、より詳細に示している。流体リザーバ/ボトル110は、可撓性のチューブ194および流体ポンプ192を介して培養系140に接続されている。チューブが実験ベンチ120の外側に配置されることを回避するためかつチューブの長さを可能な限り短く保つために、複数の貫通案内部196が実験ベンチ120内に設けられている。ポンプ192は、実験ベンチ120のテーブル上面の下に配置されており、ボトル110から液体/水を吐出させ、それを培養系140に案内するように構成されている。典型的には、液体として水が使用され、これにより、培養系140が人工気候室160内の所定の湿度を制御することができるようになっている。
【0039】
図7および図8は、図5および図6に示したものと同様の実験システム100のさらに別の実施形態を示している。したがって、ここでは図5および図6の実施形態との差異のみを説明する。図7および図8から看取されるように、ボトル110から水のような培養流体を圧送するためのポンプ192は、人工気候室160内に配置されている。図8から看取されるように、供給チューブ194は、実験ベンチ120の内部を通り、さらに実験ベンチ120のテーブル面122と、実験装置130または顕微鏡132の内部と、を通って人工気候室160内に通じている。対応する貫通案内部は図7および図8には示されていない。培養流体ポンプ192はさらに、水蒸気を人工気候室160内に供給するための気化器を含んでいてよい、または気化器に接続され得る。択一的に、ポンプ192は、培養系140に組み込まれてもよい。
【0040】
図9および図10は、第2の流体供給系150のポンプ152の択一的な配置を備える実験システム100の別の実施形態を示している。図9に示すように、この実施形態における浸液ポンプ152は、実験ベンチ120において、実験ベンチ120のテーブル上面の下でボトル110に隣接して配置されている。図10から看取されるように、供給チューブ154は新鮮な水/浸液を、上側のボトル110からポンプ152を介して、かつ顕微鏡132内の別のチューブ154を介して、顕微鏡132の液浸対物レンズに供給する。廃棄物の水/浸液は、下側のボトル110に戻される。貫通案内部156も示されている。
【0041】
上述した、図1図10に基づく実施形態は、本明細書に記載の説明自体に限定されるものではなく、異なる図面/実施形態の要素を組み合わせて、図面に明示的に示されていないが、添付の特許請求の範囲に規定された本発明の構想により依然としてカバーされている新規の実施形態を形成することができる、ということに留意されたい。例えば、浸液供給に関して示された配置は、培養雰囲気供給に用いられてもよく、逆の場合も同様である。
【符号の説明】
【0042】
100 実験システム
110 流体リザーバ
120 実験ベンチ
122 テーブル面
130 実験装置
132 顕微鏡
140 培養系
150 第2の流体供給系
152 流体ポンプ
154 チューブ
156 貫通案内部
160 人工気候室、試料チャンバ
180 収容部
182 容器室
190 第1の流体供給系
192 流体ポンプ
194 チューブ
196 貫通案内部
484 ネームタグ
486 保持体部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】