(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172492
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】音楽教材セット及び立体物
(51)【国際特許分類】
G09B 15/00 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
G09B15/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078264
(22)【出願日】2021-05-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】521193083
【氏名又は名称】株式会社クレアミュージック
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】▲辻▼ いづみ
(57)【要約】
【課題】音価や拍子等をより直感的に学ぶことが可能な音楽教材セットを提供する。
【解決手段】音楽教材セットは、第1の立体物であって、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトが記載された、複数の前記第1の立体物を具備する。音楽教材セットは、連符として記載可能な音符がそれぞれ記載された複数の第2のパーツと、前記複数の第2のパーツを着脱可能な連桁パーツと、をそれぞれ含む1以上の第2の立体物、(M/分母)拍子を示すオブジェクトと、M個の前記第1の立体物又は前記第2のパーツを載置可能なM個のフレームと、を有する1以上の載置ツール、及び/又は前記第1の立体物と同形であり、分割されず、全音符を示すオブジェクトが記載された1以上の第3の立体物、をさらに具備してもよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の立体物であって、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトが記載された、複数の前記第1の立体物
を具備する音楽教材セット。
【請求項2】
請求項1に記載の音楽教材セットであって、
前記N個の第1のパーツが互いに装着されたときに隣の第1のパーツに接する各第1のパーツの一方の面に、前記N分音符を示すオブジェクトが記載される
音楽教材セット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の音楽教材セットであって、
前記N個の第1のパーツにそれぞれ記載された前記オブジェクトを組み合わせると、前記N分音符を意味する文字列となる
音楽教材セット。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の音楽教材セットであって、
前記複数の第1の立体物のNはそれぞれ異なり、
N=2、4、8又は16である
音楽教材セット。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の音楽教材セットであって、
連符として記載可能な音符がそれぞれ記載された複数の第2のパーツと、前記複数の第2のパーツを着脱可能な連桁パーツと、をそれぞれ含む1以上の第2の立体物
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項6】
請求項5に記載の音楽教材セットであって、
(M/分母)拍子を示すオブジェクトと、M個の前記第1の立体物又は前記第2のパーツを載置可能なM個のフレームと、を有する1以上の載置ツール
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の音楽教材セットであって、
前記複数の第1の立体物それぞれから分割された前記N個の第1のパーツと、分割されていない前記第1の立体物と、前記1以上の第2の立体物と、を表す画像が印刷された印刷物
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の音楽教材セットであって、
前記第1の立体物と同形であり、分割されず、全音符を示すオブジェクトが記載された1以上の第3の立体物
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載に記載の音楽教材セットであって、
前記第1の立体物を前記N個の第1のパーツに分割するための分割ツール
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項10】
第1の立体物であって、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトが記載された
第1の立体物。
【請求項11】
連符として記載可能な音符がそれぞれ記載された複数の第2のパーツと、
前記複数の第2のパーツを着脱可能な連桁パーツと、
を含む第2の立体物。
【請求項12】
第1の立体物であって、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトが記載された前記第1の立体物
と同形であり、分割されず、全音符を示すオブジェクトが記載された
第3の立体物。
【請求項13】
(M/分母)拍子を示すオブジェクトと、M個の第1の立体物又は第2のパーツを載置可能なM個のフレームと、を有する1以上の載置ツールであって、
前記第1の立体物は、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトが記載され、
第2の立体物は、連符として記載可能な音符がそれぞれ記載された複数の前記第2のパーツと、前記複数の第2のパーツを着脱可能な連桁パーツと、をそれぞれ含む
載置ツール。
【請求項14】
複数の第1の立体物それぞれから等分割されたN個の第1のパーツと、分割されていない前記第1の立体物と、1以上の第2の立体物と、を示す画像が印刷された印刷物であって、
前記第1の立体物は、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割された前記N個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトが記載され、
前記第2の立体物は、連符として記載可能な音符がそれぞれ記載された複数の第2のパーツと、前記複数の第2のパーツを着脱可能な連桁パーツと、をそれぞれ含む
印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音楽教材セットに関する。本開示は、さらに、音楽教材セットに含まれる第1の立体物、第2の立体物、第3の立体物、載置ツール及び印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
主に年少者が音価(音の長さ)や拍子を視覚的に学ぶための教材が提案されている(特許文献1及び非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】丸子あかね著、「リズムのほん1」、初版、株式会社学研プラス、2010年3月25日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、ポスター1(
図1)上で、4分音符の音価を、1玉のリンゴの絵で表現する(
図2)。16分音符の音価を、縦に4分割した輪切りリンゴの絵で表現する(
図5、
図8)。幼児等の年少者は、4分割したうちの1個の輪切りリンゴの絵(
図5)を見ても、1個の輪切りリンゴが1玉のリンゴの1/4を意味する、即ち、16分音符の音価が4分音符の音価の1/4であると、理解できない可能性がある。また、リンゴを縦に輪切りで4分割すると、4個の輪切りリンゴの形状(具体的には、形、面積、向き等)は全て異なる(
図8)。このため、幼児等の年少者は、これら4個の輪切りリンゴが全て同じ音価を示す、即ち、16分音符及び16分休符の音価が全て同じであると、理解できない可能性がある。
【0006】
非特許文献1は、4分音符の音価を、1玉のリンゴの絵で表現する(8頁)。8分音符の音価を、縦に2分割した半分のリンゴの絵で表現する(22頁)。非特許文献1の付録のペーパークラフトを組み立てると、1/4櫛形切りリンゴの立体物を4個作成できる(裏表紙を参照)。しかしながら、非特許文献1には、1玉のリンゴと半分のリンゴの平面的な絵しか記載されていないため、1/4櫛形切りリンゴの立体物を音楽学習にどのように使用するか不明である。また、非特許文献1は、1/4櫛形切りリンゴの立体物の具体的な使用方法を教示も示唆もしていない。このため、1/4櫛形切りリンゴの立体物だけを用いて、あるいは、1/4櫛形切りリンゴの立体物と非特許文献1(書籍)とを有機的に組み合わせて、効果的に音楽を学ぶことは困難である。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、音価や拍子等をより直感的に学ぶことが可能な音楽教材セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一形態に係る音楽教材セットは、
第1の立体物であって、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトが記載された、複数の前記第1の立体物
を具備する。
【0009】
本開示の一形態に係る音楽教材セットは、
連符として記載可能な音符がそれぞれ記載された複数の第2のパーツと、前記複数の第2のパーツを着脱可能な連桁パーツと、をそれぞれ含む1以上の第2の立体物、
(M/分母)拍子を示すオブジェクトと、M個の前記第1の立体物又は前記第2のパーツを載置可能なM個のフレームと、を有する1以上の載置ツール、
前記複数の第1の立体物それぞれから分割された前記N個の第1のパーツと、分割されていない前記第1の立体物と、前記1以上の第2の立体物と、を表す画像が印刷された印刷物、
前記第1の立体物と同形であり、分割されず、全音符を示すオブジェクトが記載された1以上の第3の立体物、及び/又は
前記第1の立体物を前記N個の第1のパーツに分割するための分割ツール
をさらに具備してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、音価や拍子等をより直感的に学ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態に係る音楽教材セットを示す。
【
図2】第1の立体物(2分割)をそれぞれ分割した様子を示す。
【
図3】第1の立体物(4分割)をそれぞれ分割した様子を示す。
【
図4】第1の立体物(8分割)をそれぞれ分割した様子を示す。
【
図5】第1の立体物(16分割)をそれぞれ分割した様子を示す。
【
図9】載置ツールに第1の立体物を載せた様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0013】
1.音楽教材セット
【0014】
図1は、本開示の一実施形態に係る音楽教材セットを示す。
【0015】
音楽教材セット1は、複数(本例では4個)の第1の立体物100A、100B、100C及び100Dと、複数(本例では2個)の第2の立体物200A及び200Bと、1以上(本例では1個)の第3の立体物300と、複数(本例では5個)の載置ツール400A、400B、400C、400D及び400Eと、分割ツール500と、印刷物600とを含む。
【0016】
以下の説明において、4個の第1の立体物100A、100B、100C及び100Dを区別しないとき、単に「第1の立体物100」と称する。2個の第2の立体物200A及び200Bを区別しないとき、単に「第2の立体物200」と称する。5個の載置ツール400A、400B、400C、400D及び400Eを区別しないとき、単に「載置ツール400」と称する。
【0017】
2.第1の立体物
【0018】
第1の立体物100は、年少者から年長者までにとって身近であり、日常生活の中で分割又は切断することが一般的であり、全方位から見て略一様な形状(即ち、球体に近い形状)を有する立体的な物体(例えば、果物、野菜、食品等)を模した立体物である。本例では、第1の立体物100は、1玉のリンゴを模した立体物である。第1の立体物100は、例えば、プラスチック、木材、繊維製品、樹脂、ゴム、シリコン、金属等で製造される。
【0019】
第1の立体物100は、第1の立体物100の中心線(即ち、リンゴの果梗(カコウ)と蕚(ガク)を結ぶ直線)をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含む。複数の第1の立体物100のNはそれぞれ異なり、N=2、4、8又は16である。
【0020】
N個の第1のパーツは、互いに着脱可能である。例えば、N個の第1のパーツが互いに装着されたときにN個の第1のパーツ同士が接する面である内面(即ち、リンゴの切り口面)にマグネットが内蔵される。あるいは、N個の第1のパーツの内面に面ファスナが設けられる。これにより、握力や腕の力の弱い年少者が、N個の第1のパーツを容易に着脱可能である。N個の第1のパーツの内面(即ち、リンゴの切り口面)には、リンゴの切り口面に存在する皮、果肉等を表現する色彩や絵が付してある。内面にさらに種子を表現する色彩や絵が付してもよい。第1のパーツの内面(即ち、リンゴの切り口面)の周縁や、内面に接続する部分である外面(即ち、リンゴの皮面)の周縁に、着脱のガイドとなる様な濃色のガイド線を設けてもよい。色彩や絵の表現により、年少者が、N個の第1のパーツを直感的に(リンゴを切るように)着脱可能である。
【0021】
第1の立体物100をN個の第1のパーツに分割するには、分割ツール500を利用することができる。分割ツール500は、日常生活の中で、第1の立体物100のモデルとなる物体(例えば、果物、野菜、食品等)を分割又は切断するのに利用するツールを模した形状を有する。本例では、分割ツール500は、ナイフ又は包丁を模した形状を有する。年少者は、ナイフ(分割ツール500)でリンゴ(第1の立体物100)を切るというままごとの様な作業をおこなうことで、自然に、興味を持って、第1の立体物100をN個の第1のパーツに分割することができる。
【0022】
N個の第1のパーツには、N分音符を示すオブジェクトが記載される。本例では、N個の第1のパーツの内面(即ち、リンゴの切り口面)に、N分音符を示すオブジェクトが記載される。これに代えて、N個の第1のパーツの外面(即ち、リンゴの皮面)に、N分音符を示すオブジェクトを記載してもよい。N個の第1のパーツ110には、N分音符を示すオブジェクトとして、音楽記号(音符)、漢字(N個に分割した「N分音符」)及び平仮名(N個に分割した「Nぶおんぷ」)がそれぞれ記載される。漢字及び平仮名の代わりに、あるいは、漢字及び平仮名に追加して、N分音符を示すオブジェクトとして他の言語(英語等)を記載してもよい。N個の第1のパーツにそれぞれ記載された漢字及び平仮名のオブジェクトを組み合わせると、N分音符を意味する文字列(即ち、漢字の「N分音符」及び平仮名の「Nぶおんぷ」)となる。学習者は、N個の第1のパーツを正しい文字列の順序で並べることで、音楽記号「N分音符」の名称を学ぶことができる。また、平仮名と漢字を併記することで、年少者は平仮名の「Nぶおんぷ」を読むことができ、年長者は漢字の「N分音符」を読むことができる。また、全音符の音価を第1の立体物100全体としたときに、N分音符の音価は、第1の立体物100の1/N、即ち、N個の第1のパーツの1個分に相当する。このため、学習者がN分音符の音価を、第1の立体物100全体を基準として、容易且つ直感的に理解することができる。
【0023】
以下、4個の第1の立体物100A、100B、100C及び100Dの構成を具体的に説明する。
【0024】
図2は、第1の立体物(2分割)を分割した様子を示す。
【0025】
第1の立体物100Aは、第1の立体物100Aの中心線をそれぞれ含むように等分割(縦半分割り)された2個の第1のパーツ110A、110Bを含む。2個の第1のパーツ110A、110Bは、互いに着脱可能である。2個の第1のパーツ110A、110Bの内面111A、111Bには、2分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される。
【0026】
1個目の第1のパーツ110Aの内面111Aには、音楽記号「2分音符」112A、漢字「2分」113A及び平仮名「にぶ」114Aが記載される。2個目の第1のパーツ110Bの内面111Bには、音楽記号「2分音符」112B、漢字「音符」113B及び平仮名「おんぷ」114Bが記載される。
【0027】
2個の第1のパーツ110A、110Bにそれぞれ記載されたオブジェクトを組み合わせると、2分音符を意味する文字列(即ち、漢字の「2分/音符」及び平仮名の「にぶ/おんぷ」)となる。学習者は、2個の第1のパーツ110A、110Bを正しい順序で並べることで(即ち、「おんぷ/にぶ」ではなく「にぶ/おんぷ」)、音楽記号「2分音符」の名称を学ぶことができる。また、全音符の音価を第1の立体物100A全体としたときに、2分音符の音価は、第1の立体物100Aの1/2、即ち、2個の第1のパーツ110A、110Bの1個分に相当する。このため、学習者が2分音符の音価を容易且つ直感的に理解することができる。
【0028】
図3は、第1の立体物(4分割)を分割した様子を示す。
【0029】
第1の立体物100Bは、第1の立体物100Bの中心線をそれぞれ含むように等分割(1/4櫛形切り)された4個の第1のパーツ120A~120Dを含む。4個の第1のパーツ120A~120Dは、互いに着脱可能である。4個の第1のパーツ120A~120Dの一方の内面121A~121Dには、4分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される。
【0030】
1個目の第1のパーツ110Aの一方の内面121Aには、音楽記号「4分音符」122A、漢字「4」123A及び平仮名「し」124Aが記載される。2個目の第1のパーツ120Bの一方の内面121Bには、音楽記号「4分音符」122B、漢字「分」123B及び平仮名「ぶ」124Bが記載される。3個目の第1のパーツ120Cの一方の内面121Cには、音楽記号「4分音符」122C、漢字「音」123C及び平仮名「おん」124Cが記載される。4個目の第1のパーツ120Dの一方の内面121Dには、音楽記号「4分音符」122D、漢字「符」123D及び平仮名「ぷ」124Dが記載される。
【0031】
4個の第1のパーツ120A~120Dにそれぞれ記載されたオブジェクトを組み合わせると、4分音符を意味する文字列(即ち、漢字の「4/分/音/符」及び平仮名の「し/ぶ/おん/ぷ」)となる。学習者は、4個の第1のパーツ120A~120Dを正しい順序で並べることで(即ち、「おん/ぷ/し/ぶ」ではなく「し/ぶ/おん/ぷ」)、音楽記号「4分音符」の名称を学ぶことができる。また、全音符の音価を第1の立体物100B全体としたときに、4分音符の音価は、第1の立体物100Bの1/4、即ち、4個の第1のパーツ120A~120Dの1個分に相当する。このため、学習者が4分音符の音価を容易且つ直感的に理解することができる。
【0032】
図4は、第1の立体物(8分割)を分割した様子を示す。
【0033】
第1の立体物100Cは、第1の立体物100Cの中心線をそれぞれ含むように等分割(1/8櫛形切り)された8個の第1のパーツ130A~130Hを含む。8個の第1のパーツ130A~130Hは、互いに着脱可能である。8個の第1のパーツ130A~130Hの一方の内面131A~131Hには、8分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される。
【0034】
1個目の第1のパーツ130Aの一方の内面131Aには、音楽記号「8分音符」132A、平仮名「は」134Aが記載される。2個目の第1のパーツ130Bの一方の内面131Bには、音楽記号「8分音符」132B及び平仮名「ち」134Bが記載される。3個目の第1のパーツ130Cの一方の内面131Cには、音楽記号「8分音符」132C及び平仮名「ぶ」134Cが記載される。4個目の第1のパーツ130Dの一方の内面131Dには、音楽記号「8分音符」132D及び平仮名「お」134Dが記載される。5個目の第1のパーツ130Eの一方の内面131Eには、音楽記号「8分音符」132E、平仮名「ん」134Eが記載される。6個目の第1のパーツ130Fの一方の内面131Fには、音楽記号「8分音符」132F及び平仮名「ぷ」134Fが記載される。7個目の第1のパーツ130Gの一方の内面131Gには、音楽記号「8分音符」132G、漢字「8部」133Gが記載される。8個目の第1のパーツ130Hの一方の内面131Hには、音楽記号「8分音符」132H及び漢字「音符」133Hが記載される。
【0035】
8個の第1のパーツ130A~130Hにそれぞれ記載されたオブジェクトを組み合わせると、8分音符を意味する文字列(即ち、漢字の「8分/音符」及び平仮名の「は/ち/ぶ/お/ん/ぷ」)となる。学習者は、8個の第1のパーツ130A~130Hを正しい順序で並べることで、音楽記号「8分音符」の名称を学ぶことができる。また、全音符の音価を第1の立体物100C全体としたときに、8分音符の音価は、第1の立体物100Cの1/8、即ち、8個の第1のパーツ130A~130Hの1個分に相当する。このため、学習者が8分音符の音価を容易且つ直感的に理解することができる。
【0036】
図4は、第1の立体物(16分割)を分割した様子を示す。
【0037】
第1の立体物100Dは、第1の立体物100Dの中心線をそれぞれ含むように等分割(1/16櫛形切り)された16個の第1のパーツ140A~140Pを含む。16個の第1のパーツ140A~140Pは、互いに着脱可能である。16個の第1のパーツ140A~140Pの一方の内面141A~141Pには、16分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される。
【0038】
1個目の第1のパーツ140Aの一方の内面141Aには、音楽記号「16分音符」142A、平仮名「じ」144Aが記載される。2個目の第1のパーツ140Bの一方の内面141Bには、音楽記号「16分音符」142B及び平仮名「ゅ」144Bが記載される。3個目の第1のパーツ140Cの一方の内面141Cには、音楽記号「16分音符」142C及び平仮名「う」144Cが記載される。4個目の第1のパーツ140Dの一方の内面141Dには、音楽記号「16分音符」142D及び平仮名「ろ」144Dが記載される。5個目の第1のパーツ140Eの一方の内面141Eには、音楽記号「16分音符」142E、平仮名「く」144Eが記載される。6個目の第1のパーツ140Fの一方の内面141Fには、音楽記号「16分音符」142F及び平仮名「ぶ」144Fが記載される。7個目の第1のパーツ140Gの一方の内面141Gには、音楽記号「16分音符」142G、平仮名「お」144Gが記載される。8個目の第1のパーツ140Hの一方の内面141Hには、音楽記号「16分音符」142H及び平仮名「ん」144Hが記載される。9個目の第1のパーツ140Iの一方の内面141Iには、音楽記号「16分音符」142I、平仮名「ぷ」144Iが記載される。10個目の第1のパーツ140Jの一方の内面141Jには、音楽記号「16分音符」142J及び漢字「1」143Jが記載される。11個目の第1のパーツ140Kの一方の内面141Kには、音楽記号「16分音符」142K及び漢字「6」143Kが記載される。12個目の第1のパーツ140Lの一方の内面141Lには、音楽記号「16分音符」142L及び漢字「分」143Lが記載される。13個目の第1のパーツ140Mの一方の内面141Mには、音楽記号「16分音符」142M、漢字「音」143Mが記載される。14個目の第1のパーツ140Nの一方の内面141Nには、音楽記号「16分音符」142N及び漢字「符」143Nが記載される。15個目の第1のパーツ140Oの一方の内面141Oには、音楽記号「16分音符」142Oが記載される。16個目の第1のパーツ140Pの一方の内面141Pには、音楽記号「16分音符」142Pが記載される。
【0039】
16個の第1のパーツ140A~140Pにそれぞれ記載されたオブジェクトを組み合わせると、16分音符を意味する文字列(即ち、漢字の「1/6/分/音/符」及び平仮名の「じ/ゅ/う/ろ/く/ぶ/お/ん/ぷ」)となる。学習者は、16個の第1のパーツ140A~140Pを正しい順序で並べることで、音楽記号「16分音符」の名称を学ぶことができる。また、全音符の音価を第1の立体物100D全体としたときに、16分音符の音価は、第1の立体物100Dの1/16、即ち、16個の第1のパーツ140A~140Pの1個分に相当する。このため、学習者が16分音符の音価を容易且つ直感的に理解することができる。
【0040】
3.第3の立体物
【0041】
【0042】
第3の立体物300は、第1の立体物100と同形(即ち、リンゴ形)であり、同サイズである。第3の立体物300は、例えば、プラスチック、木材、繊維製品、樹脂、ゴム、シリコン、金属等で製造される。
【0043】
上述のように、全音符の音価を第1の立体物100全体としたときに、N分音符の音価は、第1の立体物100の1/N、即ち、N個の第1のパーツの1個分に相当する。第3の立体物300は、第1の立体物100と同形でありながら分割されない。即ち、第3の立体物300は、全音符の音価を表す。第3の立体物300の外面311には、全音符を示すオブジェクトが記載される。具体的には、第3の立体物300の外面には、全音符を示すオブジェクトとして、音楽記号「全音符」312、漢字「全音符」313及び平仮名「ぜんおんぷ」314が記載される。
【0044】
4.第2の立体物
【0045】
【0046】
第2の立体物200は、年少者から年長者までにとって身近であり、第1の立体物100のモデルとなる物体(即ち、リンゴ)と同様の属性(即ち、果物)であり房状に成る物体を模した立体物である。本例では、第2の立体物200は、1房のバナナを模した立体物である。第2の立体物200は、例えば、プラスチック、木材、繊維製品、樹脂、ゴム、シリコン、金属等で製造される。
【0047】
第2の立体物200は、複数(本例では3個)の第2のパーツ210A、210B及び210Cと、連桁パーツ220とを含む。3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cを区別しないとき、単に「第2のパーツ210」と称する。複数の第2のパーツ210の数は、連符として記載可能な音符の数である。具体的には、複数の第2のパーツ210の数は、3連符の「3」、5連符の「5」又は7連符の「7」等である。
【0048】
3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cには、連符として記載可能な音符がそれぞれ記載される。本例では、連符として記載可能な音符として、8分音符211A、211B及び211Cがそれぞれ記載される。また、1個目の第2の立体物200Aの第2のパーツ210A、210B及び210Cには、連続する数字「1」221A、「2」221B及び「3」221Cがそれぞれ記載される。2個目の第2の立体物200Bの第2のパーツ210A、210B及び210Cには、連続する数字「4(1)」221D、「5(2)」221E及び「6(3)」221Fがそれぞれ記載される。
【0049】
連桁パーツ220は、3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cを着脱可能である。連桁パーツ220は、音楽記号の連桁を模した形状であり、例えば、細長い棒状である。具体的には、3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cの一端(即ち、バナナの果柄)が、細長い棒状の連桁パーツ220に等間隔に装着される。3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cの一端と、連桁パーツ220の等間隔な3箇所とに、マグネットが内蔵される。あるいは、3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cの一端及び連桁パーツ220の等間隔な3箇所に面ファスナが設けられる。これにより、握力や腕の力の弱い年少者が、3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cを連桁パーツ220に対して容易に着脱可能である。
【0050】
3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cを連桁パーツ220に装着したとき、3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cが連桁パーツ220によって等間隔に連なる。要するに、第2の立体物200は、3個の第2のパーツ210A、210B及び210Cに記載された8分音符211A、211B及び211Cが連桁により連なった3連符を模した形状を有する。これにより、学習者が3連符の成り立ちを直感的に学ぶことができる。
【0051】
5.載置ツール
【0052】
【0053】
載置ツール400は、複数の第1の立体物100又は複数の第2のパーツ210を載置するためのツールである。載置ツール400は、縁無しのプレート、縁ありのトレイや皿、側壁があるボックス等の形状である。載置ツール400は、例えば、複数の第1の立体物100又は複数の第2のパーツ210を一列に載置可能な、一方向に長い形状(例えば、長方形状)を有する。1個の載置ツール400の形状(即ち、一方向に長い形状)は、1小節を表現する。載置ツール400は、例えば、厚紙、プラスチック、木材、繊維製品、樹脂、ゴム、シリコン、金属等で製造される。載置ツール400の輪郭形状は、直線的でもよいし、曲線的でもよい。
【0054】
載置ツール400A~400Dは、(M/分母)拍子を示すオブジェクトが記載される。複数の載置ツール400A~400Dが表現する(M/分母)拍子はそれぞれ異なり、例えば、M/分母=4/4、3/4、2/4又は6/8である。載置ツール400A~400Dには、(M/分母)拍子を示すオブジェクトとして、数字の「M/分母」、漢字「(分母)分のM拍子」及び平仮名「(分母)ぶんのMびょうし」がそれぞれ記載される。
【0055】
載置ツール400A~400Dは、M個(M=分子)の第1の立体物100又は第2のパーツ210を載置可能なM個のフレームを有する。1小節を表現する1個の載置ツール400A~400DがM個のフレームを有することで、学習者は、1小節に含まれる拍子(即ち、(M/分母)拍子)を理解しやすい。フレームは、例えば、載置ツール400A~400Dにフレームを表現する形や色彩が平面的に印刷されたものでもよい。一例として、フレームは、第1の立体物100又は第2のパーツ210のシルエットを表現する形や色彩が印刷されたものでもよい。あるいは、フレームは、物理的な仕切りでもよいし、ボウルやカップ状の凹みでもよいし、第1の立体物100又は第2のパーツ210が繊維製品で製造される場合にはこれらを安定的に設置するための面ファスナ領域でもよい。フレームの形状は、載置される第1の立体物100又は第2のパーツ210のシルエットを模した形状でもよい。あるいは、第1の立体物100又は第2のパーツ210とは異なる形状のフレームに、載置される第1の立体物100又は第2のパーツ210を模したイラストをプリントしてもよい。載置ツール400A~400DのM個のフレーム内又はフレーム付近には、それぞれ、拍子を表現する1~Mの数字が連続して記載される。
【0056】
M個のフレームは、第1の立体物100又は第2のパーツ210を模した形状を有し、拍子を表現する1~Mの数字が連続して記載される。これにより、学習者は、第1の立体物100を模した形状のフレーム上に、M個の第1の立体物100(第3の立体物300を含めてもよい)を載せ、拍子を学ぶことができる。また、学習者は、第2のパーツ210を模した形状のフレーム上に、フレームに記載された連続する数字通りに、連続する数字が記載されたM個の第2のパーツ210を載せ、拍子を学ぶことができる。また、学習者は、第1の立体物100又は第2のパーツ210を、M個のフレームのうち一部のフレームに載せ、残りのフレームには載せないことで、休符を学ぶことができる。
【0057】
載置ツール400Aには、4/4拍子を示すオブジェクトとして、数字の「4/4」411、漢字「4分の4拍子」412及び平仮名「よんぶんのよんびょうし」413がそれぞれ記載される。載置ツール400Aは、4個の第1の立体物100を載置可能な4個のフレーム414を有する。4個のフレーム414内には、それぞれ、拍子を表現する1~4の数字が連続して記載される。これにより、学習者は、第1の立体物100を模した形状のフレーム上に、4個の第1の立体物100(第3の立体物300を含めてもよい)を載せ、4/4拍子を学ぶことができる。
【0058】
載置ツール400Bには、3/4拍子を示すオブジェクトとして、数字の「3/4」421、漢字「4分の3拍子」422及び平仮名「よんぶんのさんびょうし」423がそれぞれ記載される。載置ツール400Bは、3個の第1の立体物100を載置可能な3個のフレーム424を有する。3個のフレーム424内には、それぞれ、拍子を表現する1~3の数字が連続して記載される。これにより、学習者は、第1の立体物100を模した形状のフレーム上に、3個の第1の立体物100(第3の立体物300を含めてもよい)を載せ、3/4拍子を学ぶことができる。
【0059】
載置ツール400Cには、2/4拍子を示すオブジェクトとして、数字の「2/4」431、漢字「4分の2拍子」432及び平仮名「よんぶんのにびょうし」433がそれぞれ記載される。載置ツール400Cは、2個の第1の立体物100を載置可能な2個のフレーム434を有する。2個のフレーム434内には、それぞれ、拍子を表現する1~2の数字が連続して記載される。学習者は、第1の立体物100を模した形状のフレーム上に、2個の第1の立体物100(第3の立体物300を含めてもよい)を載せ、2/4拍子を学ぶことができる。
図9は、一例として、載置ツール400Cに2個の第1の立体物100A、100Bを載せた様子を示す。
【0060】
載置ツール400Dには、6/8拍子を示すオブジェクトとして、数字の「6/8」441、漢字「8分の6拍子」442及び平仮名「はちぶんのろくびょうし」443がそれぞれ記載される。載置ツール400Dは、6個の第2のパーツ210を載置可能な6個のフレーム444を有する。6個のフレーム444内には、それぞれ、拍子を表現する1~6の数字が連続して記載される。これにより、学習者は、第2のパーツ210を模した形状のフレーム上に、フレームに記載された連続する数字通りに、連続する数字1~6が記載された6個の第2のパーツ210を載せ、6/8拍子を学ぶことができる。
【0061】
載置ツール400Eは、載置ツール400A~400Dのレイアウトと異なる。載置ツール400Eは、3連符を学ぶためのツール、具体的には、8分音符の3連符の音価が4分音符の音価と等しいことを学ぶためのツールである。載置ツール400Eには、漢字「4分音符」451、平仮名「しぶおんぷ」452及び音楽記号「4分音符」453が記載される。載置ツール400Eには、さらに、漢字「3連符」454及び平仮名「さんれんぷ」455が記載され、1個の第2の立体物200を載置可能なフレーム456が設けられる。4分音符を表すオブジェクト451~453と、3連符を表すオブジェクト454及び455並びにフレーム456との間には、音価が等しいことを示すオブジェクト「=(イコール)」457が記載される。
【0062】
1個の第2の立体物200を載置可能なフレーム456は、連桁パーツ220に接続された3個の第2のパーツ210を模した形状である。フレーム456内の、3個の第2のパーツ210に相当する部分には、それぞれ、3連符を表現する1~3の数字が連続して記載される。これにより、学習者は、第2の立体物200を模した形状のフレーム上に、フレームに記載された連続する数字通りに、連続する数字1~3が記載された3個の第2のパーツ210を含む1個の第2の立体物200を載せ、3連符を学ぶことができる。
【0063】
6.印刷物
【0064】
【0065】
印刷物600は、書籍、ワークブック、ポスター、ワークシート等、紙媒体に印刷された印刷物である。印刷物600には、複数の第1の立体物100それぞれから分割されたN個の第1のパーツ110と、分割されていない第1の立体物100(即ち、第3の立体物300)と、1以上の第2の立体物200と、を表す画像が印刷される。印刷物600に印刷される画像のレイアウトは、
図10のレイアウトに限定されない。
【0066】
印刷物600には、第1の立体物100Aから分割された2個の第1のパーツ110A、110Bの内面111A、111B(2分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される)を表す画像と、第1の立体物100Aを表現する名称「2のりんご」602とが印刷される。
【0067】
印刷物600には、第1の立体物100Bから分割された4個の第1のパーツ120A~120Dの内面121A~121D(4分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される)を表す画像と、第1の立体物100Bを表現する名称「3のりんご」603とが印刷される。
【0068】
印刷物600には、第1の立体物100Cから分割された8個の第1のパーツ130A~130Hの内面131A~131H(8分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される)を表す画像と、第1の立体物100Cを表現する名称「4のりんご」604とが印刷される。
【0069】
印刷物600には、第1の立体物100Dから分割された16個の第1のパーツ140A~140Pの内面141A~141P(16分音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される)を表す画像と、第1の立体物100Dを表現する名称「5のりんご」605とが印刷される。
【0070】
印刷物600には、分割されていない第1の立体物100と同一の形状である、第3の立体物300の外面(全音符を示すオブジェクト(即ち、音楽記号、漢字及び平仮名)が記載される)を表す画像と、第3の立体物300を表現する名称「1のりんご」601とが印刷される。
【0071】
印刷物600には、2個の第2の立体物200(即ち、音楽記号及び連続する数字)が記載される)を表す画像と、第2の立体物200が表現する3連符の説明文606が印刷される。
【0072】
7.変形例
【0073】
本実施形態では、音楽教材セット1は、複数(本例では4個)の第1の立体物100A、100B、100C及び100Dと、複数(本例では2個)の第2の立体物200A及び200Bと、1以上(本例では1個)の第3の立体物300と、複数(本例では5個)の載置ツール400A、400B、400C、400D及び400Eと、分割ツール500と、印刷物600とを含む。
【0074】
音楽教材セット1は、これらを全て含んでもよい。一方、音楽教材セット1は、必ずしもこれらを全て含む必要は無く、複数の第1の立体物100を少なくとも含めばよい。
【0075】
音楽教材セット1を構成する各第1の立体物100と、各第2の立体物200と、第3の立体物300と、各載置ツール400と、分割ツール500と、印刷物600とは、それぞれ単品で実施(製造販売等)することが可能である。それぞれ単品の各第1の立体物100と、各第2の立体物200と、各第3の立体物300と、各載置ツール400と、分割ツール500と、印刷物600も、本開示に係る実施形態の範囲に含まれる。
【0076】
8.結語
【0077】
本実施形態に係る音楽教材セット1を使用することにより、音の音価、リズム、拍子及び休符等を自然に学習することができる。本実施形態に係る音楽教材セット1は、リンゴを切る、バナナを房から外す、という日常的な行動を音楽学習に取り入れている。分割ツール500を使って着脱可能な第1の立体物100(リンゴ)を切っていくことにより、第1の立体物100(リンゴ)の内側に記載してある音価を学習することができる。音楽学習は、平面的な図形や絵で表現されることが一般的である。これに対して、本実施形態に係る音楽教材セット1は、年少者が日常的に身近に触れる機会の多いリンゴ、バナナ等をモチーフとした立体物を用いて音楽学習できる。立体物に直接触れることができるので、年少者の遊びの中に自然に音楽学習を取り入れることができる。文字が理解できない年少者も、形や大きさから直感的に音価を学ぶことができる。文字を学習する年齢の年少者には、教材に平仮名、漢字、音符記号の表記もあるので、形や大きさの直感的な学習から、文字や言葉の学習に発展が可能である。
【0078】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0079】
音楽教材セット1
第1の立体物100
第1のパーツ110
第2の立体物200
第2のパーツ210
連桁パーツ220
第3の立体物300
載置ツール400
分割ツール500
印刷物600
【手続補正書】
【提出日】2021-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の立体物であって、前記第1の立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトがそれぞれ記載された、複数の前記第1の立体物
を具備し、
前記複数の第1の立体物のNはそれぞれ異なり、
N=2、4、8又は16であり、
前記N個の第1のパーツにそれぞれ記載された前記オブジェクトは、前記N分音符を意味する文字列が分割された1以上の文字をそれぞれ含み、
前記N個の第1のパーツにそれぞれ記載された前記1以上の文字を組み合わせると、前記N分音符を意味する前記文字列となる
音楽教材セット。
【請求項2】
請求項1に記載の音楽教材セットであって、
前記N個の第1のパーツが互いに装着されたときに隣の第1のパーツに接する各第1のパーツの一方の面に、前記N分音符を示すオブジェクトが記載される
音楽教材セット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の音楽教材セットであって、
連符として記載可能な音符がそれぞれ記載された複数の第2のパーツと、前記複数の第2のパーツを着脱可能な連桁パーツと、をそれぞれ含む1以上の第2の立体物
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項4】
請求項3に記載の音楽教材セットであって、
(M/分母)拍子を示すオブジェクトと、M個の前記第1の立体物又は前記第2のパーツを載置可能なM個のフレームと、を有する1以上の載置ツール
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の音楽教材セットであって、
前記複数の第1の立体物それぞれから分割された前記N個の第1のパーツと、分割されていない前記第1の立体物と、前記1以上の第2の立体物と、を表す画像が印刷された印刷物
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の音楽教材セットであって、
前記第1の立体物と同形であり、分割されず、全音符を示すオブジェクトが記載された1以上の第3の立体物
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載に記載の音楽教材セットであって、
前記第1の立体物を前記N個の第1のパーツに分割するための分割ツール
をさらに具備する音楽教材セット。
【請求項8】
立体物であって、前記立体物の中心線をそれぞれ含むように等分割されたN個の第1のパーツを含み、前記N個の第1のパーツは互いに着脱可能であり、前記N個の第1のパーツにN分音符を示すオブジェクトがそれぞれ記載され、
N=2、4、8又は16であり、
前記N個の第1のパーツにそれぞれ記載された前記オブジェクトは、前記N分音符を意味する文字列が分割された1以上の文字をそれぞれ含み、
前記N個の第1のパーツにそれぞれ記載された前記1以上の文字を組み合わせると、前記N分音符を意味する前記文字列となる
立体物。
【請求項9】
請求項8に記載の立体物であって、
前記N個の第1のパーツが互いに装着されたときに隣の第1のパーツに接する各第1のパーツの一方の面に、前記N分音符を示すオブジェクトが記載される
立体物。