(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172538
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】燃料タンク構造
(51)【国際特許分類】
F02M 25/08 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
F02M25/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078376
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武関 尚人
【テーマコード(参考)】
3G144
【Fターム(参考)】
3G144BA18
3G144DA03
3G144DA05
3G144EA08
3G144EA18
3G144FA04
3G144GA03
(57)【要約】
【課題】気流による満タン規制弁のフロートの閉弁を抑制する。
【解決手段】燃料タンク構造10は、燃料タンク12と、燃料タンク12内で発生したベーパを吸着及び脱離可能なキャニスタ20と、燃料タンク12とキャニスタ20とを接続するベーパ通路21と、ベーパ通路21の燃料タンク側の端部に接続される満タン制御弁40と、を備える。満タン制御弁40は、燃料タンク12内の燃料の浮力により浮き、満タン時に閉弁するフロート43を有する満タン規制弁42と、燃料タンク12のタンク内圧力とベーパ通路21内の圧力との圧力差により作動するダイアフラムアクチュエータ45と、を備える。ダイアフラムアクチュエータ45は、作動によりフロート43を閉弁方向へ移動しないように押さえる方向に移動する作動部材67を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクと、
前記燃料タンク内で発生したベーパを吸着及び脱離可能なキャニスタと、
前記燃料タンクと前記キャニスタとを接続するベーパ通路と、
前記ベーパ通路の前記燃料タンク側の端部に接続される満タン制御弁と、
を備える燃料タンク構造であって、
前記満タン制御弁は、前記燃料タンク内の燃料の浮力により浮き、満タン時に閉弁するフロートを有する満タン規制弁と、前記燃料タンクのタンク内圧力と前記ベーパ通路内の圧力との圧力差により作動するアクチュエータと、を備えており、
前記アクチュエータは、作動により前記フロートを閉弁方向へ移動しないように押さえる方向に移動する閉弁規制部材を備える、燃料タンク構造。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料タンク構造であって、
前記アクチュエータはダイアフラムアクチュエータである、燃料タンク構造。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料タンク構造であって、
前記アクチュエータはエアシリンダである、燃料タンク構造。
【請求項4】
燃料タンクと、
前記燃料タンク内で発生したベーパを吸着及び脱離可能なキャニスタと、
前記燃料タンクと前記キャニスタとを接続するベーパ通路と、
前記ベーパ通路の前記燃料タンク側の端部に接続される満タン制御弁と、
を備える燃料タンク構造であって、
前記満タン制御弁は、前記燃料タンク内の燃料の浮力により浮き、満タン時に閉弁するフロートを有する満タン規制弁と、車両のリッドドアを開放するためのリッドスイッチからの信号に基づいて作動される電動機を有するアクチュエータと、を備えており、
前記アクチュエータは、前記電動機の作動により前記フロートを閉弁方向へ移動しないように押さえる方向に移動する閉弁規制部材、を備える、燃料タンク構造。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料タンク構造であって、
前記電動機は回転式モータである、燃料タンク構造。
【請求項6】
請求項5に記載の燃料タンク構造であって、
前記アクチュエータは、前記回転式モータの回転運動を前記閉弁規制部材の往復運動に変換するラックアンドピニオン機構を備える、燃料タンク構造。
【請求項7】
請求項4に記載の燃料タンク構造であって、
前記電動機はリニアソレノイドである、燃料タンク構造。
【請求項8】
請求項4~7のいずれか1つに記載の燃料タンク構造であって、
前記満タン制御弁は、前記ベーパ通路を開閉する封鎖弁を備えており、
前記封鎖弁の駆動源は前記電動機を兼ねる、燃料タンク構造。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つに記載の燃料タンク構造であって、
前記満タン制御弁が備えるケーシングは、前記燃料タンクと結合される前記満タン規制弁側のケース部分と前記アクチュエータ側のケース部分との間に破断しやすい脆弱部を有する、燃料タンク構造。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載の燃料タンク構造であって、
前記閉弁規制部材の前記フロートに対する閉弁規制荷重は、前記満タン時の前記フロートに作用する浮力よりも小さい、燃料タンク構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は燃料タンク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1(「従来例」という)に記載された燃料タンク構造は、燃料タンクと、燃料タンク内で発生したベーパを吸着及び脱離可能なキャニスタと、燃料タンクとキャニスタとを接続するベーパ通路と、ベーパ通路の燃料タンク側の端部に接続される満タン規制弁と、を備える。満タン規制弁は、燃料タンク内の燃料の浮力により浮き、満タン時に閉弁するフロートを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例の満タン規制弁には、フロートの上部付近に、フロートの作動方向(上下方向)と直交する方向(横方向)に流体が通過する流路が存在する。このため、燃料タンク内の流体すなわちベーパを含む気体の流速が速い場合、気流がフロートの上部付近の流路を通過する際に発生する負圧により、フロートが閉弁方向へ移動するおそれがある。なお、気流の流速が速い場合とは、例えば、給油前の燃料タンクの圧抜き時において、タンク内圧力とベーパ通路の圧力との圧力差が大きい場合である。この場合、フロートの閉弁方向への移動により、燃料タンクの圧抜き(以下、単に「圧抜き」という)が困難になる。
【0005】
本明細書に開示の技術が解決しようとする課題は、気流による満タン規制弁のフロートの閉弁を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本明細書が開示する技術は次の手段をとる。
【0007】
第1の手段は、燃料タンクと、前記燃料タンク内で発生したベーパを吸着及び脱離可能なキャニスタと、前記燃料タンクと前記キャニスタとを接続するベーパ通路と、前記ベーパ通路の前記燃料タンク側の端部に接続される満タン制御弁と、を備える燃料タンク構造であって、前記満タン制御弁は、前記燃料タンク内の燃料の浮力により浮き、満タン時に閉弁するフロートを有する満タン規制弁と、前記燃料タンクのタンク内圧力と前記ベーパ通路内の圧力との圧力差により作動するアクチュエータと、を備えており、前記アクチュエータは、作動により前記フロートを閉弁方向へ移動しないように押さえる方向に移動する閉弁規制部材を備える、燃料タンク構造である。
【0008】
第1の手段によると、満タン制御弁のアクチュエータが燃料タンクのタンク内圧力とベーパ通路の圧力との圧力差により作動する。そして、圧力差が大きく、気流の流速が速い場合には、アクチュエータの閉弁規制部材が満タン規制弁のフロートを押えることによって、気流によるフロートの吸い上げによる閉弁方向への移動が規制される。よって、気流による満タン規制弁のフロートの閉弁を抑制することができる。
【0009】
第2の手段は、第1の手段の燃料タンク構造であって、前記アクチュエータはダイアフラムアクチュエータである、燃料タンク構造である。
【0010】
第2の手段によると、燃料タンクのタンク内圧力とベーパ通路の圧力との圧力差によりダイアフラムアクチュエータが作動する。
【0011】
第3の手段は、第1の手段の燃料タンク構造であって、前記アクチュエータはエアシリンダである、燃料タンク構造である。
【0012】
第3の手段によると、燃料タンクのタンク内圧力とベーパ通路の圧力との圧力差によりエアシリンダが作動する。
【0013】
第4の手段は、燃料タンクと、前記燃料タンク内で発生したベーパを吸着及び脱離可能なキャニスタと、前記燃料タンクと前記キャニスタとを接続するベーパ通路と、前記ベーパ通路の前記燃料タンク側の端部に接続される満タン制御弁と、を備える燃料タンク構造であって、前記満タン制御弁は、前記燃料タンク内の燃料の浮力により浮き、満タン時に閉弁するフロートを有する満タン規制弁と、車両のリッドドアを開放するためのリッドスイッチからの信号に基づいて作動される電動機を有するアクチュエータと、を備えており、前記アクチュエータは、前記電動機の作動により前記フロートを閉弁方向へ移動しないように押さえる方向に移動する閉弁規制部材、を備える、燃料タンク構造である。
【0014】
第4の手段によると、車両のリッドドアを開放するためのリッドスイッチからの信号に基づいて、満タン制御弁のアクチュエータの電動機が作動する。これにより、アクチュエータの閉弁規制部材が満タン規制弁のフロートを押えることによって、気流によるフロートの吸い上げによる閉弁方向への移動が規制される。よって、気流による満タン規制弁のフロートの閉弁を抑制することができる。
【0015】
第5の手段は、第4の手段の燃料タンク構造であって、前記電動機は回転式モータである、燃料タンク構造である。
【0016】
第5の手段によると、回転式モータにより閉弁規制部材を作動させることができる。
【0017】
第6の手段は、第5の手段の燃料タンク構造であって、前記アクチュエータは、前記回転式モータの回転運動を前記閉弁規制部材の往復運動に変換するラックアンドピニオン機構を備える、燃料タンク構造である。
【0018】
第6の手段によると、ラックアンドピニオン機構により回転式モータの回転運動を閉弁規制部材の往復運動に変換することができる。
【0019】
第7の手段は、第4の手段の燃料タンク構造であって、前記電動機はリニアソレノイドである、燃料タンク構造である。
【0020】
第7の手段によると、リニアソレノイドにより閉弁規制部材を作動させることができる。
【0021】
第8の手段は、第4~7のいずれか1つの手段の燃料タンク構造であって、前記満タン制御弁は、前記ベーパ通路を開閉する封鎖弁を備えており、前記封鎖弁の駆動源は前記電動機を兼ねる、燃料タンク構造である。
【0022】
第8の手段によると、封鎖弁の駆動源がアクチュエータの電動機を兼ねるため、燃料タンク構造を簡素化することができる。
【0023】
第9の手段は、第1~8のいずれか1つの手段の燃料タンク構造であって、前記満タン制御弁が備えるケーシングは、前記燃料タンクと結合される前記満タン規制弁側のケース部分と前記アクチュエータ側のケース部分との間に破断しやすい脆弱部を有する、燃料タンク構造である。
【0024】
第9の手段によると、満タン制御弁のケーシングのアクチュエータ側の上ケース部分に衝撃が加わったときに脆弱部が破断する。これにより、満タン規制弁側の下ケース部分の破損を抑制することができる。これにより、満タン規制弁を衝撃から保護することができる。
【0025】
第10の手段は、第1~9のいずれか1つの手段の燃料タンク構造であって、前記閉弁規制部材の前記フロートに対する閉弁規制荷重は、前記満タン時の前記フロートに作用する浮力よりも小さい、燃料タンク構造である。
【0026】
第10の手段によると、閉弁規制部材によりフロートが押さえられた状態でも、満タン時にはフロートが閉弁することができる。
【発明の効果】
【0027】
本明細書に開示の技術によると、気流による満タン規制弁のフロートの閉弁を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施形態1にかかる燃料タンク構造を示す概略構成図である。
【
図3】満タン制御弁の圧抜きにかかる気流の流速が速い状態を示す断面図である。
【
図4】満タン制御弁の圧抜きにかかる気流の流速が遅い状態を示す断面図である。
【
図5】満タン制御弁の満タン状態を示す断面図である。
【
図6】実施形態2の満タン制御弁を示す断面図である。
【
図7】実施形態3にかかる満タン制御弁を示す断面図である。
【
図8】給油時制御にかかるフローチャートを示す図である。
【
図9】実施形態4にかかる満タン制御弁を示す断面図である。
【
図10】実施形態5にかかる燃料タンク構造を示す概略構成図である。
【
図12】満タン制御弁の第1作動状態を示す断面図である。
【
図13】満タン制御弁のフロートの閉弁状態を示す断面図である。
【
図14】満タン制御弁の第2作動状態を示す断面図である。
【
図15】給油時制御にかかるフローチャートを示す図である。
【
図16】実施形態6にかかる満タン制御弁を示す断面図である。
【
図17】実施形態7にかかる満タン制御弁を示す断面図である。
【
図18】実施形態8にかかる満タン制御弁を示す断面図である。
【
図19】実施形態9にかかる満タン制御弁を示す断面図である。
【
図20】実施形態10にかかる満タン制御弁を示す断面図である。
【
図22】実施形態11にかかる作動部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本明細書に開示の技術を実施するための実施形態について図面を用いて説明する。
【0030】
[実施形態1]
(燃料タンク構造の概要)
本実施形態にかかる燃料タンク構造は、内燃機関(エンジン)を搭載する自動車等の車両に搭載されている。
図1は燃料タンク構造を示す概略構成図である。
図1に示すように、燃料タンク構造10は、燃料を貯留可能な燃料タンク12を備えている。
【0031】
燃料タンク12にはインレットパイプ12aの下端部が接続されている。インレットパイプ12aの上端部には給油口12bが形成されている。給油口12bに給油ガンを差し入れることにより給油を行うことができる。給油口12bには、フューエルキャップ13が着脱可能に取り付けられている。給油時には、給油作業者等によりフューエルキャップ13が取り外される。
【0032】
車体のパネルには、フューエルキャップ13を覆うリッドドア14が開閉可能に設けられている。リッドドア14はリッドオープナ16により閉止状態にロックされている。車室内等に設けられたリッドスイッチ15が操作された信号が制御装置(ECU)17に送られると、制御装置17が所定の条件下でリッドオープナ16を作動させ、リッドドア14のロックを解除する。これにより、リッドドア14が開放される(
図1中、二点鎖線14参照)。リッドドア14の開閉状態はリッド開閉センサ16aで検知され、その信号が制御装置17に送られる。
【0033】
燃料タンク12には、燃料タンク12内の気層部12kの圧力(タンク内圧)を検知する圧力センサ18が設けられている。圧力センサ18で検知されたタンク内圧の信号は制御装置17に送られる。圧力センサ18は本明細書でいう「圧力検出手段」に相当する。
【0034】
燃料タンク12外にはキャニスタ20が備えられている。キャニスタ20内には、ベーパ(蒸発燃料)を吸着及び脱離可能な活性炭等の吸着剤が収容されている。燃料タンク12内の気層部12kとキャニスタ20とはベーパ通路21を介して接続されている。燃料タンク12内で発生したベーパを含む気体は、ベーパ通路21を介してキャニスタ20に流入される。これにより、気体中のベーパがキャニスタ20の吸着剤で吸着され、それ以外の気体(エア)が大気通路22を介して大気中に排出される。また、大気通路22には、パージ時においてキャニスタ20に導入されるエアが流れる。大気通路22の大気側端部にはエアフィルタ23が配置されている。
【0035】
キャニスタ20とエンジン25とはパージ通路26を介して接続されている。ベーパ通路21の途中には封鎖弁30が設けられている。封鎖弁30の閉弁状態において、エンジン25の負圧をキャニスタ20に作用させることで、大気通路22から大気を導入すると共にキャニスタ20の吸着剤に吸着されたベーパを脱離(パージ)させることができる。脱離されたベーパはエンジン25で燃焼される。
【0036】
封鎖弁30は、開弁量を調整可能な電動弁である。封鎖弁30は制御装置17によって開閉制御される。封鎖弁30の開弁状態では、燃料タンク12内の気体がベーパ通路21を通じてキャニスタ20に流出可能である。また、封鎖弁30の閉弁状態では、燃料タンク12内の気体の流出が不能となる。なお、封鎖弁30は、開弁量を調整可能な電動弁に限らず、ベーパ通路21を開閉する電磁弁でもよい。
【0037】
ベーパ通路21には、封鎖弁30をバイパスするバイパス通路21aが形成されている。バイパス通路21aにはリリーフ弁装置33が設けられている。リリーフ弁装置33は、正圧リリーフ弁33aと負圧リリーフ弁33bとを備えるバネ式の双方向弁である。正圧リリーフ弁33a及び負圧リリーフ弁33bはバイパス通路21aに並列的に配置されている。両リリーフ弁33a,33bは通常時に閉弁している。
【0038】
正圧リリーフ弁33aは、燃料タンク12のタンク内圧が所定値以上になると開弁し、タンク内圧をキャニスタ20側へ流出させる。また、負圧リリーフ弁33bは、燃料タンク12のタンク内圧が所定値以下になると開弁し、キャニスタ20側のエアを燃料タンク12内へ流入させる。これにより、燃料タンク12等の破損が抑制される。リリーフ弁装置33は、封鎖弁30に一体的に設けてもよいし、封鎖弁30と別個に設けてもよい。
【0039】
ベーパ通路21の燃料タンク12側の端部には満タン制御弁40が設けられている。満タン制御弁40は、燃料タンク12の上部(例えば上壁部12c)に設置されている。満タン制御弁40は満タン規制弁42を備えている。満タン規制弁42は、燃料タンク12内の燃料の浮力により浮き、満タン時すなわち燃料液面FSが満タン液面FTに達した場合に閉弁するフロート43を有する。フロート43の閉弁時には、燃料タンク12内の燃料及び気体のベーパ通路21への流出が阻止される。満タン制御弁40については後述する。なお、燃料タンク12内の燃料は、燃料供給装置35によりエンジン25へ供給される。
【0040】
(燃料タンク構造10の作用)
車両の駐車中において、封鎖弁30が閉弁されることで、燃料タンク12が密閉される。燃料タンク12の密閉により、燃料タンク12内のベーパを含む気体がキャニスタ20へ流出されない。なお、封鎖弁30の閉弁時における燃料タンク12内の圧力は、リリーフ弁装置33の正圧リリーフ弁33a及び負圧リリーフ弁33bによって適正範囲内に保たれる。
【0041】
給油に際し、給油作業者がリッドスイッチ15を押すと、制御装置17が封鎖弁30を開弁させる。これにより、給油前の圧抜きが行われる。そして、燃料タンク12のタンク内圧が所定値以下に下がったことが圧力センサ18で検知されると、制御装置17はリッドオープナ16を作動させる。これにより、リッドドア14が開放される。リッドドア14が開放されたならば、給油作業者は、フューエルキャップ13を給油口12bから取り外し、給油ガンにより給油することができる。
【0042】
給油が進むと、燃料タンク12内の燃料液面FSが徐々に上昇していく。そして、燃料液面FSが満タン液面FTまで上昇すると、満タン規制弁42のフロート43が閉弁し、満タンを規制する。すると、給油ガンの自動停止機能が作動することにより給油が停止される。その後、給油口12bにキャップを取り付けた後、リッドドア14を閉じることで給油が完了する。
【0043】
(満タン制御弁40)
図2は満タン制御弁を示す断面図である。
図2に示すように、満タン制御弁40は、満タン規制弁42とダイアフラムアクチュエータ45とを一体的に備えている。満タン制御弁40はケーシング50を有する。
【0044】
ケーシング50は縦型中空円筒状に形成されている。ケーシング50は、下部に箱状に形成された第1ケース部51と、その上に箱状に形成された第2ケース部52と、を有する。第2ケース部52は、燃料タンク12の上壁部12cに形成された取付孔12dを塞ぐように上壁部12cに結合されている。第1ケース部51は、燃料タンク12内に配置されている。
【0045】
(満タン規制弁42)
満タン規制弁42は、第1ケース部51とフロート43とを備えている。第1ケース部51の内部空間によりフロート室54が形成されている。フロート室54には、燃料による浮力により浮くフロート43が上下方向に移動可能に収容されている。フロート43は、円柱状の外形を有し、上面中央部上に突出する軸状の凸部43aを有する。フロート室54の底壁55には、上下方向に貫通する複数個の連通孔56が形成されている。
【0046】
第1ケース部51と第2ケース部52との間の隔壁57には弁孔58が形成されている。弁孔58の中央部にはフロート43の凸部43aが遊嵌状に挿通されている。フロート43は、通常時は自重により開弁状態を維持する。フロート43は、フロート室54に燃料が流入したときには浮力により上昇し、満タン時に弁孔58を閉弁する(
図5参照)。
【0047】
隔壁57には、第1ケース部51と第2ケース部52とを連通するリリーフ通路60が形成されている。リリーフ通路60にはバネ式のリリーフ弁61が設けられている。リリーフ弁61は、通常時に閉弁しており、フロート43の閉弁時において燃料タンク12のタンク内圧が所定値以上になると開弁し、タンク内圧を第2ケース部52内へ流出させる。
【0048】
(ダイアフラムアクチュエータ45)
ダイアフラムアクチュエータ45は、第2ケース部52とダイアフラム63と作動部材67と支持スプリング68とを備えている。ダイアフラム63は、第2ケース部52に水平状に設置されている。ダイアフラム63は可撓性を有する。ダイアフラム63により第2ケース部52の内部空間が上下2室に区画するように設置されている。下室を圧力室64といい、上室を背圧室65という。
【0049】
ダイアフラム63の中央部には、頭付き軸状の作動部材67の頭部67bが結合されている。第2ケース部52内に、圧力室64の隔壁57とダイアフラム63との間の中央部の壁面から水平状に突出する支持片52aが設けられている。作動部材67の軸部67aは、支持片52aが有する孔52bに挿通されている。軸部67aの先端面(下端面)は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。
【0050】
第2ケース部52(詳しくは圧力室64)にはベーパ通路21(
図1参照)が接続されている。支持片52aと作動部材67の頭部67bとの間には支持スプリング68が介在されている。支持スプリング68は、コイルスプリングであり、作動部材67の軸部67aに嵌合されている。支持スプリング68は、通常時は作動部材67を上昇位置(待機位置)に弾性的に支持している。
【0051】
第2ケース部52には、燃料タンク12内の気層部12kと背圧室65とを連通する連絡通路70が形成されている。第2ケース部52の上壁52cの中央部には、垂下状のストッパ72が設けられている。ストッパ72は、作動部材67の過剰な上昇を規制する。ダイアフラムアクチュエータ45は本明細書でいう「アクチュエータ」に相当する。作動部材67は本明細書でいう「閉弁規制部材」に相当する。
【0052】
(満タン制御弁40の動作)
(封鎖弁30の閉弁時(駐車中))
封鎖弁30の閉弁時は、ダイアフラム63の圧力室64の圧力と背圧室65の圧力とは同圧である。したがって、作動部材67は上昇位置(待機位置)にある(
図2参照)。このとき、フロート43は自重により開弁位置にある。
【0053】
(圧抜きにかかる気流の流速が速い場合(例えば給油前の圧抜き時)
封鎖弁30が開弁された際、タンク内圧と大気圧との圧力差が大きく、圧抜きにかかる気流の流速が速い場合には、燃料タンク12のタンク内圧すなわち背圧室65の圧力に比べて、圧力室64の圧力が大きく低下する。したがって、ダイアフラム63が支持スプリング68の付勢に抗して下方へ撓み変形されるにともない、作動部材67が下降位置まで下降される(
図3参照)。これにより、作動部材67の軸部67aがフロート43の凸部43aに当接することにより、フロート43が押さえられる。よって、フロート43が気流の吸い上げにより浮き上がれないため、高流速での圧抜きが可能となる。
【0054】
(圧抜きにかかる気流の流速が遅い場合(例えばパージ中、給油中)
パージ中あるいは給油中のように、タンク内圧と大気圧との圧力差が小さく、圧抜きにかかる気流の流速が遅い場合には、背圧室65と圧力室64との圧力差は小さい。したがって、作動部材67は、下降するものの、下降位置まで下降しない(
図4参照)。このため、作動部材67は、フロート43の閉弁動作を妨げることがない。なお、作動部材67が下降位置まで下降しないように、支持スプリング68の弾性力を調整してもよい。また、封鎖弁30が開弁量を調整可能な電動弁であれば、パージ中の流速を調整することができる。
【0055】
(給油時の満タン到達時)
圧抜き後の給油中において、作動部材67は下降位置まで下降していない(
図4参照)。一方、給油により燃料液面FSが上昇し、満タン近くになると、燃料が第1ケース部51の連通孔56からフロート室54に流入するにともないフロート43が浮上する。そして、満タン液面FTに達すると、フロート43が弁孔58を閉じるすなわち閉弁する(
図5参照)。これにより、満タンが規制される。
【0056】
(パージ中の液面揺動時)
パージ中の液面揺動時において、燃料液面FSの上昇にともない、フロート43が浮上した場合もフロート43が閉弁する。これにより、満タン規制弁42が燃料遮断弁としても機能する。また、パージ中以外において、フロート43が作動部材67により押さえられていない限り、満タン規制弁42が燃料遮断弁として機能することができる。
【0057】
(本実施形態の利点)
本実施形態によると、満タン制御弁40のダイアフラムアクチュエータ45が燃料タンク12のタンク内圧力とベーパ通路21の圧力との圧力差により作動する。そして、圧力差が大きく、気流の流速が速い場合には、ダイアフラムアクチュエータ45の作動部材67がフロート43を押さえることによって、気流によるフロート43の吸い上げによる閉弁方向への移動が規制される。よって、満タン規制弁42内を流れる気流による満タン規制弁42の閉弁を抑制することができる。これにより、給油前の圧抜きを高流量で行うことができ、タンク内圧を大気圧に短時間で戻すことが可能となるため、給油が可能になるまでの待ち時間を短縮することができる。
【0058】
[実施形態2]
本実施形態は、実施形態1の満タン制御弁40(
図2参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図6は満タン制御弁を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態の満タン制御弁80は、実施形態1のダイアフラムアクチュエータ45(
図2参照)をエアシリンダ82に変更したものである。
【0059】
エアシリンダ82は、シリンダ83とピストン85と支持スプリング90とを備えている。ケーシング50の第2ケース部52には、円筒状のシリンダ83が同心状に形成されている。シリンダ83の底壁83aの中央部には、シリンダ83内外を連通する連通孔83bが形成されている。シリンダ83内には、ピストン85が上下方向に移動可能に設けられている。ピストン85により、シリンダ83内が圧力室87と背圧室88とに区画されている。圧力室87は、フロート室54及びベーパ通路21と連通する。背圧室88は、連絡通路70と連通する。
【0060】
ピストン85は、下面中央部に突出する垂下状の軸部85aを有する。軸部85aは、シリンダ83の底壁83aの連通孔83bに遊嵌状に挿通されている。軸部85aの下端面は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。
【0061】
シリンダ83の底壁83aとピストン85との間には支持スプリング90が介在されている。支持スプリング90は、コイルスプリングであり、ピストン85の軸部85aに嵌合されている。支持スプリング90は、通常時はピストン85を上昇位置(待機位置)に弾性的に支持している。エアシリンダ82は本明細書でいう「アクチュエータ」に相当する。ピストン85は本明細書でいう「閉弁規制部材」に相当する。
【0062】
本実施形態の満タン制御弁80によっても、実施形態1の満タン制御弁40(
図2参照)と同様の作用・効果が得られる。
【0063】
[実施形態3]
本実施形態は、実施形態1の満タン制御弁40(
図2参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図7は満タン制御弁を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態の満タン制御弁100は、実施形態1のダイアフラムアクチュエータ45(
図2参照)をリニアソレノイド102に変更したものである。
【0064】
ケーシング50は、第1ケース部51と、第1ケース部51上に箱状に形成された第2ケース部110と、第2ケース部110上に箱状に形成された第3ケース部112と、を有する。第2ケース部110は、燃料タンク12の取付孔12dを塞ぐように上壁部12cに結合されている。第2ケース部110にはベーパ通路21(
図1参照)が接続されている。
【0065】
第3ケース部112内にはリニアソレノイド102が設置されている。リニアソレノイド102は、下方に突出しかつ軸方向(上下方向)に進退移動するプランジャ102aを有する。プランジャ102aは、第2ケース部110と第3ケース部112との間の隔壁111が有する孔111aに挿通されている。プランジャ102aの先端面(下端面)は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。
【0066】
リニアソレノイド102は、例えばプランジャ102aを待機位置(上昇位置))と進出位置(下降位置)との2位置間で切り換えるプッシュ型リニアソレノイドである。リニアソレノイド102は制御装置17によってオン・オフ制御される。リニアソレノイド102は本明細書でいう「電動機」及び「アクチュエータ」に相当する。プランジャ102aは本明細書でいう「閉弁規制部材」に相当する。
【0067】
図7に示すように、プランジャ102aが上昇位置(待機位置)にある状態において、リニアソレノイド102のオン(通電)により、プランジャ102aが下降位置(進出位置)に移動されたときには、プランジャ102aがフロート43の凸部43aに当接し、フロート43が押さえられる(
図7中、二点鎖線102a参照)。よって、フロート43が気流によって浮き上がれないため、高流速での圧抜きが可能となる。また、この状態から、リニアソレノイド102のオフ(非通電)により、プランジャ102aが上昇位置(待機位置)に戻されることにより、フロート43に対する押さえが解除される。
【0068】
(給油時制御)
制御装置17(
図1参照)は、
図8に示すフローチャートに基づいて給油時制御を行う。制御装置17は、まず、リッドスイッチ15が「開」にされたか否かを判断する(ステップS1)。このとき、リッドスイッチ15が「開」の場合、制御装置17はリニアソレノイド102をオンすることにより、プランジャ102aがフロート43を押える(ステップS2)。次に、封鎖弁30を開弁させる(ステップS3)。
【0069】
次に、圧力センサ18で検出されるタンク内圧が大気圧付近であれば(ステップS4)、制御装置17は、リニアソレノイド102をオフし、プランジャ102aによるフロート43に対する押さえを解除する(ステップS5)。次に、制御装置17はリッドオープナ16を作動させることにより、リッドドア14を開く(ステップS6)。
【0070】
その後、給油が開始される(ステップS7)。給油が進み、燃料量が満タンに達する(ステップS8)と、満タン規制弁42が閉弁する(ステップS9)。すると、タンク内圧が上昇するため、給油ガンの自動停止機能により給油が停止される。次に、制御装置17は、リッド開閉センサ16aからの信号に基づき、リッドドア14が閉じられたか否かを判断する(ステップS10)。そして、リッドドア14が閉じられた場合には、制御装置17は封鎖弁30を閉弁する(ステップS11)。
【0071】
(本実施形態の利点)
本実施形態によると、車両のリッドドア14を開放するためのリッドスイッチ15からの信号に基づいて、満タン制御弁100のリニアソレノイド102が作動する。これにより、リニアソレノイド102のプランジャ102aが満タン規制弁42のフロート43を押えることによって、気流によるフロート43の吸い上げによる閉弁方向への移動が規制される。よって、気流による満タン規制弁42のフロート43の閉弁を抑制することができる。これにより、給油前の圧抜きを高流量で行うことができ、タンク内圧を大気圧に短時間で戻すことが可能となるため、給油が可能になるまでの待ち時間を短縮することができる。
【0072】
[実施形態4]
本実施形態は、実施形態3の満タン制御弁100(
図7参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図9は満タン制御弁を示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態の満タン制御弁120は実施形態8のリニアソレノイド102(
図7参照)をアクチュエータ121に変更したものである。
【0073】
アクチュエータ121は、回転式モータ122と閉弁規制部材124とを備えている。第3ケース部112内には回転式モータ122が設置されている。回転式モータ122は、回転するロータ123と、ロータ123と一体的に回転するネジ軸123aを有する。ネジ軸123aは、下方に向けて突出されている。ネジ軸123aは、第2ケース部110と第3ケース部112との間の隔壁111の孔111aに挿通されている。回転式モータ122は制御装置17によって制御される。回転式モータ122は本明細書でいう「電動機」に相当する。なお、ネジ軸123aは、回転式モータ122の出力軸でもよいし、出力軸に接続されたものでもよい。
【0074】
ネジ軸123aには軸状の閉弁規制部材124が螺合されている。閉弁規制部材124は、第2ケース部110に対して軸回り方向に回り止めされており、ネジ軸123aの正逆回転により上下方向に移動する。閉弁規制部材124の先端面(下端面)は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。
【0075】
図9に示すように、閉弁規制部材124が上昇位置(待機位置)にある状態において、回転式モータ122の正方向の回転駆動により、閉弁規制部材124が下降位置(進出位置)に移動される。閉弁規制部材124がフロート43の凸部43aに当接することにより、フロート43が押さえられる(
図9中、二点鎖線124参照)。よって、フロート43が気流によって浮き上がれないため、高流速での圧抜きが可能となる。また、この状態から、回転式モータ122の逆方向の回転駆動により、閉弁規制部材124が上昇位置(待機位置)に戻されることにより、フロート43に対する押さえが解除される。
【0076】
本実施形態の満タン制御弁120によっても、実施形態3(
図7参照)の満タン制御弁100と同様の作用・効果が得られる。
【0077】
[実施形態5]
本実施形態は、実施形態1の満タン制御弁40(
図2参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図10は燃料タンク構造を示す概略構成図である。
図10に示すように、本実施形態の満タン制御弁130は、満タン規制弁42とアクチュエータ131と封鎖弁140とを備えている。
図11は満タン制御弁を示す断面図である。
【0078】
図11に示すように、ケーシング50は、第1ケース部51と、第1ケース部51上から上方に向かって順に箱状に形成された第2ケース部150、第3ケース部152、第4ケース部154及び第5ケース部156と、を有する。第2ケース部150が燃料タンク12の取付孔12dを塞ぐように上壁部12cに結合されている。第5ケース部156にはベーパ通路21(
図1参照)が接続されている。
【0079】
ケーシング50の側部には、第2ケース部150と第4ケース部154とを連通する連絡通路158、及び、連絡通路158と第5ケース部156とを連通するバイパス通路160が形成されている。バイパス通路160にはリリーフ弁装置162が設けられている。リリーフ弁装置162は、実施形態1のリリーフ弁装置33(
図1参照)と同じ構成を有する。
【0080】
アクチュエータ131は、ケーシング50(主として第3ケース部152)と回転式モータ132と閉弁規制部材138とを備えている。第3ケース部152内には回転式モータ132が設置されている。回転式モータ132は、回転するロータ133と、ロータ133と一体的に回転する上ネジ軸134及び下ネジ軸135と、を有する。回転式モータ132は本明細書でいう「電動機」に相当する。
【0081】
上ネジ軸134と下ネジ軸135とはネジの向きが同じネジ軸である。上ネジ軸134は、第3ケース部152と第4ケース部154との間の隔壁153が有する孔153aに挿通されている。下ネジ軸135は、第2ケース部150と第3ケース部152との間の隔壁151が有する孔151aに挿通されている。回転式モータ132は制御装置17によって開閉制御される。なお、上ネジ軸134及び/又は下ネジ軸135は、回転式モータ132の出力軸でもよいし、出力軸に接続されたものでもよい。
【0082】
下ネジ軸135には軸状の閉弁規制部材138が螺合されている。閉弁規制部材138は、第2ケース部150に対して軸回り方向に回り止めされており、下ネジ軸135の正逆回転により上下方向に移動する。閉弁規制部材138の先端面(下端面)は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。
【0083】
封鎖弁140は、ケーシング50(主として第4ケース部)と弁体142とを備えている。第4ケース部154と第5ケース部156との間の隔壁155は弁口155aを有する。弁口155aは、燃料タンク12からベーパ通路21に連通する通路上に配置されている。上ネジ軸134には、短円柱状の弁体142が螺合されている。弁体142は、第4ケース部154に対して軸回り方向に回り止めされており、上ネジ軸134の正逆回転により上下方向に移動し、弁口155aを開閉する。弁体142は通路開口面積を可変可能である。回転式モータ132は、封鎖弁140を駆動する駆動源を兼ねている。上ネジ軸134と下ネジ軸135とのネジの向きが同じであるため、回転式モータ132の駆動により、閉弁規制部材138と弁体142とは同じ方向に移動する。
【0084】
(満タン制御弁130の動作)
(封鎖弁140の閉弁時(駐車中))
図11に示すように、閉弁規制部材138が上昇位置(待機位置)にあり、弁体142が閉弁位置にある。また、フロート43は、閉弁規制部材138により押さえられておらず、弁孔58を閉弁可能である。このため、満タン規制弁42が燃料遮断弁として機能することができる。
【0085】
(走行中の圧抜き時(例えば(エンジン稼働中やパージ実行中)
回転式モータ132の駆動により、閉弁規制部材138及び弁体142が少し下げられる(
図12参照)。このため、弁体142の半開により通路開口面積が小さいため、圧抜きにかかる気流の流速は遅い。したがって、フロート43は気流によって浮き上がらない。この状態を第1作動状態という。
【0086】
また、フロート43が閉弁規制部材138により押さえられていない。このため、フロート43が液面揺動により浮上することにより閉弁可能である(
図13参照)。すなわち、満タン規制弁42が燃料遮断弁として機能することができる。
【0087】
(給油前圧抜き時)
給油前圧抜き時には、回転式モータ132の駆動により、閉弁規制部材138及び弁体142が大きく下げられる(
図14参照)。このため、弁体142の全開により通路開口面積が大きいため、圧抜きにかかる気流の流速は速い。しかし、閉弁規制部材138がフロート43の凸部43aに当接することにより、フロート43が押さえられる。よって、フロート43が気流によって浮き上がれないため、高流速での圧抜きが可能となる。この状態を第2作動状態という。
【0088】
(給油中)
圧抜きにより、タンク内圧が大気圧付近に下がったら、回転式モータ132の反転駆動により、弁体142が半開状態に戻されるとともに、閉弁規制部材138が上昇され、フロート43に対する押さえが解除される(
図12参照)。これにより、給油中のベーパをキャニスタ20側へ流すことができる。
【0089】
(給油時の満タン到達時)
給油中の状態(
図12参照)から満タン液面FTに達すると、フロート43が閉弁することにより、満タンが規制される(
図13参照)。
【0090】
(給油時制御)
制御装置17(
図10参照)は、
図15に示すフローチャートに基づいて給油時制御を行う。制御装置17は、まず、リッドスイッチ15が「開」にされたか否かを判断する(ステップS21)。このとき、リッドスイッチ15が「開」の場合、制御装置17は、回転式モータ132を正転駆動することにより、封鎖弁140が全開されると共に閉弁規制部材138がフロート43を押える(ステップS22)。これにより、満タン制御弁130が給油前圧抜き状態(第2作動状態、
図14参照)とされる。
【0091】
次に、圧力センサ18で検出されるタンク内圧が大気圧付近であれば(ステップS23)、制御装置17は回転式モータ132を反転駆動することにより、弁体142を半開状態に戻すとともに、閉弁規制部材138を上昇させ、フロート43に対する押さえを解除する(ステップS24)。これにより、満タン制御弁130が給油中の状態(第1作動状態、
図12参照)とされる。
【0092】
次に、制御装置17はリッドオープナ16を作動させることにより、リッドドア14を開く(ステップS25)。その後、給油が開始される(ステップS26)。給油が進み(ステップS27)、燃料量が満タンに達すると、満タン規制弁42が閉弁する(ステップS28)。すると、タンク内圧が上昇するため、給油ガンの自動停止機能により給油が停止される。
【0093】
次に、制御装置17は、リッド開閉センサ16aからの信号に基づき、リッドドア14が閉じられたか否かを判断する(ステップS29)。そして、リッドドア14が閉じられた場合には、制御装置17は回転式モータ132を反転駆動することにより、満タン制御弁130を給油前の状態(
図11参照)に戻す(ステップS30)。
【0094】
(本実施形態の利点)
車両のリッドドア14を開放するためのリッドスイッチ15からの信号に基づいて、満タン制御弁130の回転式モータ132が作動する。これにより、閉弁規制部材138が満タン規制弁42のフロート43を押えることによって、気流によるフロート43の吸い上げによる閉弁方向への移動が規制される。よって、気流による満タン規制弁42のフロート43の閉弁を抑制することができる。また、回転式モータ132の作動により、封鎖弁140を開閉させることができる。これにより、給油前の圧抜きを高流量で行うことができ、タンク内圧を大気圧に短時間で戻すことが可能となるため、給油が可能になるまでの待ち時間を短縮することができる。
【0095】
また、封鎖弁140の駆動源がアクチュエータ131の電動機を兼ねるため、燃料タンク構造10を簡素化することができる。
【0096】
[実施形態6]
本実施形態は、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図16は満タン制御弁を示す断面図である。
図16に示すように、本実施形態の満タン制御弁170は、満タン規制弁42とアクチュエータ171と封鎖弁180とを備えている。
【0097】
ケーシング50は、第1ケース部51と、第1ケース部51上から上方に向かって順に箱状に形成された第2ケース部190、第3ケース部192及び第4ケース部194と、を有する。第2ケース部190が燃料タンク12の取付孔12dを塞ぐように上壁部12cに結合されている。第3ケース部192にはベーパ通路21(
図1参照)が接続されている。ベーパ通路21と第2ケース部190内とを連通するバイパス通路196が形成されている。バイパス通路196にはリリーフ弁装置162が設けられている。第2ケース部190と第3ケース部192との間の隔壁191は弁口191aを有する。弁口191aは、燃料タンク12からベーパ通路21に連通する通路上に配置されている。
【0098】
アクチュエータ171は、ケーシング50(主として第4ケース部194)と回転式モータ172と閉弁規制部材178とを備えている。第4ケース部194内には回転式モータ172が設置されている。回転式モータ172は、回転するロータ173と、ロータ173と一体的に回転する上ネジ軸174と、上ネジ軸174の先端に接続された下ネジ軸175と、を有する。回転式モータ172は制御装置17によって制御される。回転式モータ172は本明細書でいう「電動機」に相当する。
【0099】
上ネジ軸174と下ネジ軸175とは、ネジの向きが逆向きのネジ軸である。上ネジ軸174は、第3ケース部192と第4ケース部194との間の隔壁193が有する孔193a、及び、隔壁191が有する弁口191aに挿通されている。また、下ネジ軸175は、第2ケース部190内に配置されている。なお、上ネジ軸174は回転式モータ172の出力軸でもよい。また、上ネジ軸174及び下ネジ軸175は、回転式モータ172の出力軸に接続されたものでもよい。
【0100】
下ネジ軸175には軸状の閉弁規制部材178が螺合されている。閉弁規制部材178は、第2ケース部190に対して軸回り方向に回り止めされており、下ネジ軸175の正逆回転により上下方向に移動する。閉弁規制部材178の先端面(下端面)は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。
【0101】
封鎖弁140は、ケーシング50(主として第3ケース部192)と弁体182とを備えている。第3ケース部192内において、上ネジ軸174には、短円柱状の弁体182が螺合されている。弁体182は、第3ケース部192に対して軸回り方向に回り止めされており、上ネジ軸174の正逆回転により上下方向に移動し、弁口191aを開閉する。弁体182は通路開口面積を可変可能である。回転式モータ172は、封鎖弁180を駆動する駆動源を兼ねている。上ネジ軸174と下ネジ軸175とのネジの向きが逆向きであるため、回転式モータ172の駆動により、閉弁規制部材178と弁体182とは相反方向に移動する。
【0102】
図16に示すように、弁体182が閉弁位置にあり、閉弁規制部材178が上昇位置(待機位置)にある状態において、回転式モータ172の正転駆動により、閉弁規制部材178が下降によりフロート43を押さえる一方、弁体182が上昇により開弁される(
図16中、二点鎖線178、182参照)。また、この状態から、回転式モータ172の逆転駆動により、弁体182が下降により閉弁されるにともない、閉弁規制部材178が上昇され、フロート43に対する押さえが解除される。また、回転式モータ172によって弁体182及び閉弁規制部材178を中間位置に移動させることもできる。
【0103】
本実施形態の満タン制御弁170によっても、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)と同様の作用・効果が得られる。
【0104】
[実施形態7]
本実施形態は、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図17は満タン制御弁を示す断面図である。
図17に示すように、本実施形態の満タン制御弁200は、実施形態5のアクチュエータ131(
図11参照)をアクチュエータ201に変更したものである。
【0105】
アクチュエータ201は、回転式モータ202の回転運動をラック207の往復運動に変換するラックアンドピニオン機構206を備えている。回転式モータ202は、第3ケース部152内に設置されている。回転式モータ202は、回転するロータ203と、ロータ203と一体的に回転するウォームギヤ204と、を有する。回転式モータ202は制御装置17によって開閉制御される。回転式モータ202は本明細書でいう「電動機」に相当する。なお、ウォームギヤ204は、回転式モータ202の出力軸に形成されたものでもよいし、出力軸に接続されたものでもよい。
【0106】
ラックアンドピニオン機構206は、ラック207とピニオン208とを備えている。ラック207は、第3ケース部152に対して軸回り方向に回り止めされた状態で上下方向に移動可能に支持されている。
【0107】
ラック207の上部は、第3ケース部152と第4ケース部154との間の隔壁153が有する孔153aに挿通されている。ラック207の上端部には、封鎖弁140の弁体(符号、144を付す)が結合されている。弁体144は、ラック207と一体で上下方向に移動する。ラック207の下部は、第2ケース部150と第3ケース部152との間の隔壁151が有する孔151aに挿通されている。ラック207の下端面は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。ラック207は本明細書でいう「閉弁規制部材」に相当する。
【0108】
ピニオン208は、ウォームギヤ204とラック207との間に配置されている。ピニオン208は、第3ケース部152に対して支軸208aを介して回転可能に支持されている。ピニオン208は、ウォームギヤ204及びラック207に噛み合わされている。回転式モータ202のウォームギヤ204の回転運動は、ピニオン208を介してラック207の上下方向の往復運動に変換される。
【0109】
図17に示すように、ラック207が上昇位置(待機位置)にあり、弁体144が閉弁位置にある状態において、回転式モータ202の正転駆動により、ウォームギヤ204及びピニオン208を介してラック207が下降される。これにより、弁体144が開弁される一方、ラック207がフロート43を押さえる(
図17中、二点鎖線144、207参照)。この状態から、回転式モータ202の逆転駆動により、ウォームギヤ204及びピニオン208を介してラック207が上昇される。これにより、弁体144が閉弁されるにともない、ラック207によるフロート43に対する押さえが解除される。また、回転式モータ202によって弁体144及びラック207を中間位置に移動させることができる。
【0110】
本実施形態の満タン制御弁200によっても、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)と同様の作用・効果が得られる。
【0111】
[実施形態8]
本実施形態は、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図18は満タン制御弁を示す断面図である。
図18に示すように、本実施形態の満タン制御弁210は実施形態5のアクチュエータ131(
図11参照)をリニアソレノイド212に変更したものである。
【0112】
第3ケース部152内にはリニアソレノイド212が設置されている。リニアソレノイド212は制御装置17によってリニア制御される。リニアソレノイド212は、上下両方向に突出しかつ軸方向(上下方向)に進退移動するプランジャ212aを有する。プランジャ212aの上部は、第3ケース部152と第4ケース部154との間の隔壁153が有する孔153aに挿通されている。プランジャ212aの上端部には、弁体(符号、146を付す)が結合されている。弁体146は、プランジャ212aと一体で上下方向に移動する。
【0113】
プランジャ212aの下部は、第2ケース部150と第3ケース部152との間の隔壁151が有する孔151aに挿通されている。プランジャ212aの下端面は、フロート43の凸部43aの上端面に対して対向状に配置されている。リニアソレノイド212は本明細書でいう「電動機」及び「アクチュエータ」に相当する。プランジャ212aは本明細書でいう「閉弁規制部材」に相当する。
【0114】
図18に示すように、プランジャ212aが上昇位置(待機位置)にあり、弁体146が閉弁位置にある状態において、リニアソレノイド212によりプランジャ212aが下降される。これにより、弁体146が開弁される一方、プランジャ212aがフロート43を押さえる(
図18中、二点鎖線146、212a参照)。この状態から、リニアソレノイド212の駆動によりプランジャ212aが上昇される。これにより、弁体146が閉弁されるにともない、プランジャ212aによるフロート43に対する押さえが解除される。また、リニアソレノイド212によってプランジャ212aを中間位置に移動させることができる。
【0115】
本実施形態の満タン制御弁210によっても、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)と同様の作用・効果が得られる。
【0116】
[実施形態9]
本実施形態は、実施形態8の満タン制御弁210(
図18参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図19は満タン制御弁を示す断面図である。
図19に示すように、本実施形態の満タン制御弁220は実施形態8のリニアソレノイド212及び弁体146(
図18参照)の配置を変更したものである。
【0117】
ケーシング50は、第1ケース部51と、第1ケース部51上から上方に向かって順に円筒箱状に形成された第2ケース部230及び第3ケース部232と、を有する。第2ケース部230が燃料タンク12の取付孔12dを塞ぐように上壁部12cに結合されている。第3ケース部232にはベーパ通路21(
図1参照)が接続されている。
【0118】
ケーシング50の側部には、第2ケース部230内と第3ケース部232内とを連通するバイパス通路235が形成されている。バイパス通路235にはリリーフ弁装置162が設けられている。第2ケース部230と第3ケース部232との間の隔壁231には弁口231aが形成されている。
【0119】
第3ケース部232の上壁部233上にはリニアソレノイド212が設置されている。リニアソレノイド212のプランジャ212aは、上壁部233が有する孔233a、及び、隔壁231の弁口231aに挿通されている。第2ケース部230内において、プランジャ212aには弁体146が結合されている。弁体146は、プランジャ212aと一体で上下方向に移動する。弁体146により弁口231aが開閉される。
【0120】
本実施形態の満タン制御弁220によっても、実施形態8の満タン制御弁210(
図18参照)と同様の作用・効果が得られる。
【0121】
[実施形態10]
本実施形態は、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図20は満タン制御弁を示す断面図である。
図20に示すように、ケーシング50の第2ケース部150の側壁150aは、破断しやすい脆弱部250を有する。
【0122】
脆弱部250は、側壁150aにおける燃料タンク12の上壁部12cから露出した部位に配置されている。脆弱部250は、第2ケース部150の側壁150aの全周に亘って形成されている。ケーシング50の脆弱部250より下方部分は、満タン規制弁42側の下ケース部分252とされている。また、脆弱部250より上方部分は、アクチュエータ131側の上ケース部分254とされている。
【0123】
図21に示すように、脆弱部250は、側壁150aの内周面及び外周面に断面V字状の溝250aを形成することにより、側壁150aを薄肉化することにより形成されている。
【0124】
(本実施形態の利点)
本実施形態によると、満タン制御弁130のケーシング50のアクチュエータ131側の上ケース部分254に車両の衝突等による衝撃が加わったときに脆弱部250が破断する。これにより、満タン規制弁42側の下ケース部分252の破損を抑制することができる。したがって、満タン規制弁42を衝撃から保護し、フロート43の機能すなわち燃料遮断弁としての機能を保護することができる。本実施形態は、実施形態1~4、6~9のケーシング50に適用してもよい。
【0125】
なお、脆弱部250は、第2ケース部150の側壁150aの周方向に断続的に形成してもよいし、その側壁150aの軸方向に複数配置してもよい。また、溝250aは、側壁150aの内周面及び外周面のいずれか一方の周面に形成してもよい。また、溝250aの断面形状は、V字状に限らず、U字状でもよい。
【0126】
[実施形態11]
本実施形態は、実施形態5の満タン制御弁130(
図11参照)に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。
図22は作動部材を示す断面図である。
図22に示すように、本実施形態は、実施形態5の満タン制御弁130の閉弁規制部材138(
図11参照)を閉弁規制部材260に変更したものである。
【0127】
閉弁規制部材260が、上部の本体部262と、本体部262に上下方向に所定の範囲内で移動可能に連結された下部の可動部264と、本体部262と可動部264との間に介在されたスプリング266と、を備えている。可動部264は、本体部262に対して軸方向(上下方向)に所定に範囲内で移動可能に連結されている。スプリング266は、本体部262に対して可動部264を下方へ付勢している。閉弁規制部材260のスプリング266によるフロート43に対する押さえ荷重としての閉弁規制荷重は、満タン時にフロート43に作用する浮力よりも小さい。
【0128】
本実施形態によると、閉弁規制部材260によりフロート43の閉弁方向への移動が規制された状態(
図14参照)においても、満タン時には、フロート43がスプリング266の付勢に抗して、可動部264を押し上げることで閉弁することができる(
図22中、二点鎖線43、264参照)。本実施形態は、実施形態1~4、6~9の閉弁規制部材に適用してもよい。
【0129】
[他の実施形態]
本明細書に開示の技術は、前記した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0130】
10 燃料タンク構造
12 燃料タンク
14 リッドドア
15 リッドスイッチ
17 制御装置
18 圧力センサ(圧力検出手段)
20 キャニスタ
21 ベーパ通路
30 封鎖弁
40 満タン制御弁
42 満タン規制弁
43 フロート
45 ダイアフラムアクチュエータ(アクチュエータ)
50 ケーシング
63 ダイアフラム
67 作動部材(閉弁規制部材)
80 満タン制御弁
82 エアシリンダ(アクチュエータ)
85 ピストン(閉弁規制部材)
100 満タン制御弁
102 リニアソレノイド(電動機、アクチュエータ)
102a プランジャ(閉弁規制部材)
120 満タン制御弁
121 アクチュエータ
122 回転式モータ(電動機)
124 閉弁規制部材
130 満タン制御弁
131 アクチュエータ
132 回転式モータ(電動機)
138 閉弁規制部材
140 封鎖弁
142 弁体
170 満タン制御弁
171 アクチュエータ
172 回転式モータ(電動機)
178 閉弁規制部材
180 封鎖弁
182 弁体
200 満タン制御弁
201 アクチュエータ
202 回転式モータ(電動機)
206 ラックアンドピニオン機構
207 ラック(閉弁規制部材)
210 満タン制御弁
212 リニアソレノイド(電動機、アクチュエータ)
212a プランジャ(閉弁規制部材)
220 満タン制御弁
250 脆弱部
252 下ケース部分
254 上ケース部分
260 閉弁規制部材
262 本体部
264 可動部
266 スプリング