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  • 特開-リモート自動点滅システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172539
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】リモート自動点滅システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20221110BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221110BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20221110BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20221110BHJP
   F21V 25/02 20060101ALI20221110BHJP
   F21S 9/03 20060101ALI20221110BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20221110BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20221110BHJP
   H05B 47/20 20200101ALI20221110BHJP
【FI】
H05B47/19
F21V23/00 140
F21V23/00 110
F21V23/04 500
F21V33/00 400
F21V25/02
F21S9/03
F21S8/08 111
H05B47/11
H05B47/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078378
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】509311252
【氏名又は名称】株式会社共立電照
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】米良 充朝
(72)【発明者】
【氏名】眞方 弘志
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA03
3K014RB01
3K273PA06
3K273PA09
3K273QA29
3K273QA34
3K273RA13
3K273SA04
3K273SA05
3K273SA08
3K273SA24
3K273SA32
3K273SA33
3K273SA46
3K273TA15
3K273TA41
3K273TA54
3K273TA64
3K273TA67
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA27
3K273UA30
3K273VA06
(57)【要約】
【課題】落雷などの誘導雷故障のトラブルが無くなり、メンテナンスフリー、消費電力が少ない等の街灯等のリモート自動点滅システムを提供する。
【解決手段】遠隔地のデーターセンターサーバ1と通信回線で結ばれた照明器具Pが設置された無線機能を有するIoTゲートウェイ2と、照明器具Pが設置されたデーターセンター連動型無線自動点滅器3の無線モジュール4とが無線通信可能に構成され、前記データーセンター連動型無線自動点滅器3は、太陽電池5からDCDCコンバータ9を介して電力を充電するキャパシタ10を備え、前記無線モジュール4は、前記データーセンターサーバ1と接続されたIoTゲートウェイ2の点滅指令で、前記キャパシタ10から供給された電力により前記照明器具Pの点灯/消灯を制御するON-OFF切替手段を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地のデーターセンターサーバと通信回線で結ばれた照明器具が設置された無線機能を有するIoTゲートウェイと、照明器具が設置されたデーターセンター連動型無線自動点滅器の無線モジュールとが無線通信可能に構成され、前記データーセンター連動型無線自動点滅器は、前記無線モジュールと共に太陽電池とDCDCコンバータを介して前記太陽電池からの電力を充電するキャパシタを備え、前記無線モジュールは、前記データーセンターサーバと接続されたIoTゲートウェイの点滅指令で、照明器具に接続されたラッチングリレーにセットパルス及びリセットパルスを流し、前記キャパシタの前記太陽電池により供給された電力により前記照明器具の点灯/消灯を制御するON-OFF切替手段を有することを特徴とするリモート自動点滅システム。
【請求項2】
前記太陽電池は、カバー筐体を閉蓋する透明カバーの裏側に貼り付けて封入されている請求項1に記載のリモート自動点滅システム。
【請求項3】
前記ON-OFF切替手段は、受信モジュール搭載の電照製の照明器具と、前記照明器具の近傍に設置された太陽電池の筐体に搭載された無線送信モジュールとが通信可能に設けられ、太陽電池のキャパシタによって充電された電力を日出/日入の変化があったときだけ前記太陽電池の筐体の無線モジールから前記照明器具の受信モジュールへ電波として送信可能にさせる請求項1に記載のリモート自動点滅システム。
【請求項4】
前記太陽電池の筐体には、転倒センサを備え、転倒時の変化があったときだけ、電波を送信する請求項3に記載のリモート自動点滅システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱の街灯、照明柱、鉄塔等に配置された照明器具のリモート自動点滅システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具の内部に無線モジュールを組込み、既存の自動点滅器の代わりに照度センサを供えた無線モジュールから日の出/日の入時に点滅制御するシステムなるものがある。
【0003】
例えば特許文献1に開示されているように、建物内に設置されている照明灯を、その設置場所の明るさの変化のみによって自動的に点滅させる自動点滅制御装置が存在する。すなわちこの技術は、自然光の検知視野と照明灯の照射野との少なくとも一部が共通している光電変換素子と、光電変換素子から出力される出力レベルが設定された点灯開始レベルよりも低下したときに点灯信号を発生する第1比較回路と、照明灯の点灯後における上記光電変換素子から出力される出力レベルのデータを格納するメモリ回路と、このメモリ回路に格納された点灯後のレベルと光電変換素子から出力される出力レベルとを比較し、光電変換素子から出力される出力レベルが、格納された点灯後のレベルより上昇したときに消灯信号を発生する第2比較回路と、により構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再公表特許 WO2010/150701号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は光センサで日照を感知して点灯・消灯を行っていて、AC電源を使用することから落雷などによるトラブルが多発していた。
【0006】
また、前記した特許文献1によるものでは、太陽電池を使用して筐体の外側に取り付ける場合、必ず内部との貫通穴が必要になるため、雨水の侵入による故障リスクや構造の複雑化によるコストアップがある。また、太陽電池の表面が風雨や紫外線で劣化することも考えられる。
【0007】
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、既存の照明器具に点滅装置を後付けるものとし、AC電源を使わず、太陽電池とキャパシタ(畜電)、ラッチングリレーを使うことで落雷などの誘導雷故障のトラブルが無くなり、メンテナンスフリー、消費電力が少ない等の街灯等のリモート自動点滅システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、筐体の一部を透明プラスチックとし、筐体の内部に太陽電池無線モジュールを搭載し、充電させる構造とする。太陽電池は、弱い光でも発電するアモルファスや色素増感電池を想定している。蓄電池は、高温環境に強く長寿命のスーパーキャパシタ又はリチウムイオンキャパシタとすることで、交換不要のメンテナンスフリーとする。キャパシタはリチウムイオン蓄電池と比較して容量が少ないが、低消費電力の無線モジュールとラッチングリレー(ワンショットパルスでメカリレーをラッチ)を用いることで、少ない電力で動作する仕組みとする。また、既存の自動点滅器はトライアック等の半導体の無接点リレーを使用しているため、誘導雷故障が多発しているが、本発明では有接点リレーのメカリレーとすることで絶縁を高めたものとする。
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係るリモート自動点滅システムにあっては、遠隔地のデーターセンターサーバと通信回線で結ばれた照明器具が設置された無線機能を有するIoTゲートウェイと、照明器具が設置されたデーターセンター連動型無線自動点滅器の無線モジュールとが無線通信可能に構成され、前記データーセンター連動型無線自動点滅器は、前記無線モジュールと共に太陽電池とDCDCコンバータを介して前記太陽電池からの電力を充電するキャパシタを備え、前記無線モジュールは、前記データーセンターサーバと接続されたIoTゲートウェイの点滅指令で、照明器具に接続されたラッチングリレーにセットパルス及びリセットパルスを流し、前記キャパシタの前記太陽電池により供給された電力により前記照明器具の点灯/消灯を制御するON-OFF切替手段を有することを特徴とする。
【0010】
前記太陽電池は、カバー筐体を閉蓋する透明カバーの裏側に貼り付けて封入されているものとすることができる。
【0011】
また、前記ON-OFF切替手段は、受信モジュール搭載の電照製の照明器具と、前記照明器具の近傍に設置された太陽電池の筐体に搭載された無線送信モジュールとが通信可能に設けられ、太陽電池のキャパシタによって充電された電力を日出/日入の変化があったときだけ前記太陽電池の筐体の無線モジールから前記照明器具の受信モジュールへ電波として送信可能にさせることを特徴とする。
【0012】
前記太陽電池の筐体には、転倒センサを備え、転倒時の変化があったときだけ、電波を送信することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、AC電源を使わず、太陽電池とキャパシタ(畜電)、ラッチングリレーを使うことで落雷などの誘導雷故障のトラブルが無くなり、メンテナンスフリー、消費電力が少ない等の街灯等のリモート自動点滅システムを提供することができ、配線作業の能率向上を図ることができる。
【0014】
すなわち、これは本発明に係るリモート自動点滅システムが、遠隔地のデーターセンターサーバと通信回線で結ばれた照明器具が設置された無線機能を有するIoTゲートウェイと、照明器具が設置されたデーターセンター連動型無線自動点滅器の無線モジュールとが無線通信可能に構成され、前記データーセンター連動型無線自動点滅器は、前記無線モジュールと共に太陽電池とDCDCコンバータを介して前記太陽電池からの電力を充電するキャパシタを備え、前記無線モジュールは、前記データーセンターサーバと接続されたIoTゲートウェイの点滅指令で、照明器具に接続されたラッチングリレーにセットパルス及びリセットパルスを流し、前記キャパシタの前記太陽電池により供給された電力により前記照明器具の点灯/消灯を制御するON-OFF切替手段を有するので、太陽電池とキャパシタ(畜電)、ラッチングリレーを使うことで落雷などの誘導雷故障のトラブルが無くなり、また入力レンジの広いDCDCコンバータを用いることで互換性が担保される。
【0015】
前記太陽電池は、カバー筐体を閉蓋する透明カバーの裏側に貼り付けて封入されているので、透明カバーによりプラボックス内での充電を可能とし、従来の貫通孔が不要となって浸水リスクを低減でき、また、非防水タイプの太陽電池を使用することも可能となる。
【0016】
また、前記ON-OFF切替手段は、受信モジュール搭載の電照製の照明器具と、前記照明器具の近傍に設置された太陽電池の筐体に搭載された無線送信モジュールとが通信可能に設けられ、太陽電池のキャパシタによって充電された電力を日出/日入の変化があったときだけ前記太陽電池の筐体の無線モジールから前記照明器具の受信モジュールへ電波として送信可能にさせるので、AC電源を使わず、誘導雷故障がなくなり、また配線工事が不要となり、コストも低減でき、キャパシタにすることで電池交換が不要となり、電波到達範囲であれば、自動点滅器のように複数設ける必要がなく、モジュール1個で多点灯制御でき低コストとなる。
【0017】
前記太陽電池の筐体には、転倒センサを備え、転倒時の変化があったときだけ、電波を送信するので、これにより、土砂に埋もれても通信が可能である。また、土砂崩れによる転倒センサをACラインと分離し、配線遮断や誘導雷故障の心配がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明を実施するための一形態におけるリモート自動点滅システムの斜視図である。
図2】同じく太陽電池内蔵無線モジュールの組込態様の斜視図である。
図3】本実施形態の他例におけるワイヤレス送信モジュールの使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明では、通常はリレーのコイルに常時電流を流す必要があるが、ラッチングリレーはセットパルスとリセットパルス状の電流を与えるだけで良いので蓄電池の容量が小さいキャパシタでの駆動を可能にする。
【0020】
すなわち、既存の金属製照明器具(無線モジュール搭載不可)をそのままとし、既存の自動点滅器を、ラッチングリレーを搭載した無線自動点滅器に置き換える。また、照度センサは搭載せず、データーセンターサーバと接続された親機(マイコン+無線モジュール)から複数の無線自動点滅器に点滅指令を無線通信する。これにより、データーセンターサーバと通信し、照度センサが無くてもデーターセンターサーバからの指令で任意に点灯/消灯制御ができるデーターセンター連動型無線の自動点滅器(IoT)である。
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明する。図1及び図2は本実施形態に係るリモート自動点滅システムである。これは遠隔地にあるデーターセンターサーバ1と通信回線で結ばれた照明器具Pが設置された無線機能を有するIoTゲートウェイ2と、照明器具Pが設置されたデーターセンター連動型無線自動点滅器3のワイヤアンテナ4Aを有する無線モジュール4とが無線通信可能に構成され、前記データーセンターサーバ1と接続されたIoTゲートウェイ2の点滅指令信号が無線モジュール4に受信されるようになっている。
【0022】
前記太陽電池5は、カバー筐体6により封入されている(図2参照)。すなわち、太陽電池5が透明カバー7の裏側に貼り付け、この透明カバー7を、前記無線モジュール4内蔵のデーターセンター連動型無線自動点滅器3を備えたカバー筐体6に左右4カ所の引っ掛け具8によって固定してなる。
【0023】
データーセンター連動型無線自動点滅器3は、太陽電池5からDCDCコンバータ9を介して電力を充電するキャパシタ10と、キャパシタ10に第1ダイオード11によって接続され、且つリチウムコイン電池13に第2ダイオード12によって接続された無線モジュール4と、無線モジュール4から電流増幅用のNMOSトランジスタ14A,14Bを介してセットパルス及びリセットパルスを流すことでON/OFFの状態とされるラッチングリレー15と、を備え、前記無線モジュール4は、前記データーセンターサーバ1と接続されたIoTゲートウェイ2の点滅指令で、照明器具Pに接続されたラッチングリレー15にセットパルス及びリセットパルスを流し、照明器具Pに電力を与える交流電源16による点灯/消灯を任意に制御するON-OFF切替手段Qを有するものとしている。
【0024】
次に、以上のように構成された形態についての使用の一例について説明すると、先ず、ON-OFF切替手段Qは、太陽光で太陽電池5からキャパシタ10に充電された電力でセットパルスが与えられてON状態とし、照明器具Pは交流電源16によって点灯する。このとき、データーセンターサーバ1と接続されたIoTゲートウェイ2の点滅指令信号が無線モジュール4に受信される。すなわち、ラッチングリレー15を搭載した複数のデーターセンター連動型無線自動点滅器3に、データーセンターサーバ1と接続された親機(マイコン+無線モジュール)から点滅指令を無線通信し、データーセンター連動型無線自動点滅器3側の無線モジュール4からラチングリレー15にセットパルスが送られてON状態とし照明器具Pは交流電源16によって点灯する。
【0025】
落雷などの誘導雷故障の発生が生じるものと想定されると、データーセンターサーバ1と接続された親機(マイコン+無線モジュール)から点滅指令を無線通信し、ON-OFF切替手段Qは、データーセンター連動型無線自動点滅器3側の無線モジュール4からラッチングリレー15にリセットパルスが送られてオフ状態とし、照明器具Pは交流電源16との経路を遮断し、消灯する。このようにデーターセンターサーバ1と通信し、照度センサが無くてもデーターセンターサーバ1からの指令で任意に照明器具Pの点灯/消灯制御ができる。
【0026】
図3は、本実施形態の他例におけるワイヤレス送信モジュールの使用例を示すもので、受信モジュール25を搭載した電照製の照明器具Pと、前記照明器具Pの近傍に設置された太陽電池5の筐体24に搭載された無線送信モジュール22とが通信可能に設けられている。この照明器具Pは、不図示のカメラ連動機能及びメール通知機能を備えている。
【0027】
太陽電池5によって充電されたリチウムイオンキャパシタ21による電力を日出/日入の変化があったときだけ前記ON-OFF切替手段は前記太陽電池5の筐体24の無線送信モジール22から前記照明器具Pの受信モジュール25へ電波として送信させることで前記ON-OFF切替手段Qによる照明器具PのON-OFF切替が可能となる。
【0028】
これにより、AC電源を使わず、誘導雷故障がなくなり、また配線工事が不要となり、コストも低減でき、リチウムイオンキャパシタ21にすることで電池交換が不要となり、電波到達範囲であれば、自動点滅器のように複数設ける必要がなく、モジュール1個で多点灯制御でき低コストとなる。
【0029】
前記太陽電池5の筐体には、転倒センサ23を備え、転倒時の変化があったときだけ、無線送信モジュール22から複数の照明器具Pの受信モジュール25へ電波を送信するので、これにより、土砂に埋もれても通信が可能となり、また土砂崩れによる転倒センサ23をACラインと分離しているため、配線遮断や誘導雷故障の心配がない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係るリモート自動点滅システムは、照明器具Pの他に、複数の電子機器間、あるいは特定の電子機器と情報入出力機器、駆動源、報知機器等との間を電気的に接続するために使用する等、その他様々な用途に応用しても良い。
【符号の説明】
【0031】
P…照明器具
Q…ON-OFF切替手段
1…データーセンターサーバ
2…IoTゲートウェイ
3…データーセンター連動型無線自動点滅器
4A…ワイヤアンテナ
4…無線モジュール
5…太陽電池
6…カバー筐体
7…透明カバー
8…引っ掛け具
9…DCDCコンバータ
10…キャパシタ
11…第1ダイオード
12…第2ダイオード
13…リチウムコイン電池
14A,14B…NMOSトランジスタ
15…ラッチングリレー
16…交流電源
21…リチウムイオンキャパシタ
22…無線送信モジュール
23…転倒センサ
24…筐体
25…受信モジュール
図1
図2
図3