(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172541
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ゴルフスイング練習具
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A63B69/36 502C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078384
(22)【出願日】2021-05-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】509292010
【氏名又は名称】軽部 央
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】軽部 央
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ゴルファーに対して、スイング軌道だけでなくスイングの癖を意識付けさせ、ゴルフクラブのクラブフェイスの向き(オリエンテーション乃至はローテション)を正しくすることができるゴルフスイング練習具の提供。
【解決手段】略水平方向において湾曲しかつ所定の幅を有する長尺状の本体2と、前記本体2において、中央領域に第1の色彩で着色されて、スイング時のクラブフェイスの方向を意識付けさせる第1の表示部3と、前記本体2において、前記中央領域の両端側の領域に第2の色彩で着色されて、スイング時にリラックスするように意識付けさせる第2の表示部4と5、とを具備することを特徴とするゴルフスイング練習具1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平方向において湾曲しかつ所定の幅を有する長尺状の本体と、
前記本体において、中央領域に第1の色彩で着色されて、スイング時のクラブフェイスの方向を意識付けさせる第1の表示部と、
前記本体において、前記中央領域の両端側の領域に第2の色彩で着色されて、スイング時にリラックスするように意識付けさせる第2の表示部と、
を具備することを特徴とするゴルフスイング練習具。
【請求項2】
前記本体の中央領域の下側中央に、前記本体の略垂直方向に延びるように設けられた溝部を更に含むこと、
を特徴とする請求項1に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項3】
前記第1の表示部が、前記打球方向に沿って延びる第1の線、並びに、前記第1の線に対して対称に配置されて互いに交差する第2及び第3の線を含むこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項4】
前記第2の色彩が、前記両端に向かうに連れて薄くなるように変化すること、
を特徴とする請求項2に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項5】
前記第2の表示部が、前記本体の伸びる方向に沿って整列する複数の略V字状模様を含むこと、
を特徴とする請求項2又は4に記載のゴルフスイング練習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフスイング練習具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1(特開2004-358176号公報)は、ゴルファーの視覚に訴えて正しいスウィングを体得させるべく、クラブヘッドの正しい動きをマットの形状及びセンターラインで示したゴルフ練習用マットを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ゴルフスイングは、スイング軌道だけでなく、例えば力み、体の開き、捻りなどのスイングの癖にも影響を受け、ゴルフクラブのクラブフェイスがいずれかの向きに傾斜するとボールが左右上下にブレてしまうことから、かかる癖をも意識したスイング練習を行うべくゴルファーを意識付けすることが適切である。
【0005】
そこで、本発明は、ゴルファーに対して、スイング軌道だけでなくスイングの癖を意識付けさせ、ゴルフクラブのクラブフェイスの向き(フェイスローテション)を正しくすることができるゴルフスイング練習具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
略水平方向において湾曲しかつ所定の幅を有する長尺状の本体と、
前記本体において、中央領域に第1の色彩で着色されて、スイング時のクラブフェイスの方向を意識付けさせる第1の表示部と、
前記本体において、前記中央領域の両端側の領域に第2の色彩で着色されて、スイング時にリラックスするように意識付けさせる第2の表示部と、
を具備することを特徴とするゴルフスイング練習具、
を提供する。
【0007】
換言すると、上記の本発明に係るゴルフスイング練習具では、長尺状の本体が、ユーザとゴルフボールとの間に配置されて、ゴルフクラブのスイング軌道に概ね沿うように湾曲している。そして、前記本体において、第1の表示部が、前記ゴルフボールに対向する中央領域に第1の色彩で着色されて構成され、前記ユーザに対して、スイング時(特にインパクト時)にクラブフェイスを所望する打球方向に正しく向けるようクラブフェイス及び/又はスイングの方向を意識付けさせる。また、第2の表示部が、前記中央領域の両端側の領域に第2の色彩で着色されて構成され、前記ユーザに対して、スイング時(特にインパクト時)の前後においてリラックスするように意識付けさせる。
【0008】
本発明のゴルフスイング練習具は、
前記本体の中央領域の下側の中心部に、前記本体の略垂直方向に延びるように設けられた溝部を更に含むこと
第2の表示部、が好ましい。
【0009】
また、本発明のゴルフスイング練習具では、前記第1の表示部が、前記打球方向に沿って延びる第1の線、並びに、前記第1の線に対して対称に配置されて互いに交差する第2及び第3の線を含むこと、が好ましい。
【0010】
更に、本発明のゴルフスイング練習具では、前記第2の色彩が、前記両端に向かうに連れて薄くなるように変化すること、が好ましい。
【0011】
更にまた、本発明のゴルフスイング練習具では、前記第2の表示部が、前記本体の伸びる方向に沿って整列する複数の略V字状模様を含むこと、が好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のゴルフスイング練習具によれば、ゴルファーに対して、スイング軌道だけでなくスイングの癖を意識付けさせ、ゴルフクラブのクラブフェイスの向き(フェイスローテション)を正しくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係るゴルフスイング練習具1の概略図である。
【
図2】ゴルフスイング練習具1の使用例を示す背面側斜視図である。
【
図3】ゴルフスイング練習具1の使用例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の代表的な実施形態に係るゴルフスイング練習具を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0015】
本実施形態に係るゴルフスイング練習具1は、ユーザ7がゴルフスイングを練習する際のガイドとして用いられるものである。ここではユーザ7が右打ちであることを想定して、ゴルフスイング練習具1を説明する。
【0016】
図1~3に示すように、ゴルフスイング練習具1は、設置面に略水平な方向において湾曲する本体2、第1の表示部3、及び、第2の表示部4,5を含む(
図1の(a))。以下、ゴルフスイング練習具1の各構成要素を順に詳細に説明する。
【0017】
本体2は、ユーザ7とゴルフボール9との間に配置される長尺状又は帯状の部材であり、所定の幅(例えば3~10cm、好ましくは5~8cm)を有し、ゴルフクラブ8の軌道Pに沿って湾曲する。本体2の寸法及び形状は本発明の作用効果を発揮できるよう適宜調整することができ、例えば本体2の曲率半径の下限は、800であればよく、950であるのが好ましく、更には、1100であるのが特に好ましい。また、本体2の曲率半径の上限は、1500であればよく、1400であるのが好ましく、更には1300であるのが特に好ましい。
【0018】
また、本体2を円弧の一部とみた場合、本体2の弦長の下限は、80cm程度であればよく、90cmであるのが好ましく、更には95cmであるのが特に好ましい。本体2の矢高の上限は、15cmであればよく、13.5cmであるのが好ましく、更には12cmであるのが特に好ましい。
【0019】
図1の(b)に示すように、本体2の側面をみると、中央が最も厚くなり両端にむかって薄くなるように形成されており、詳細は後述するが、本体2の中央領域Aの下側中央に、本体2の幅方向に延びるように設けられた溝部2aを含む。また、
図1の(c)に示すように、本体2の端面をみると、所定の厚みを有する略台形の形状を呈しているとともに、上下両端部の角が丸みを帯びるようにR加工されている。
【0020】
本体2は、樹脂材料やアルミニウム等の金属材料で構成することができ、可撓性乃至は柔軟性を有していてよい。本体2は、ベースとして例えば白色(第1,第2の色彩とは異なる色彩)に着色されていてもよく、金属色を呈していてもよい。
【0021】
第1の表示部3は、本体2においてゴルフボール9に対向する中央領域Aに例えば黄色(第1の色彩)で着色されて、ユーザ7に対して、インパクト時にクラブフェイスを打球方向に向けるようスイング方向及び/又はクラブフェイス方向を意識付けさせる部位である。なお、中央領域Aはいわゆるビジネスゾーン(乃至はインパクトゾーン)に対応しているとも言える。
【0022】
ここで、ビジネスゾーンは、スイング中でクラブの位置が右腰~左腰の範囲にあるスイング領域である。ビジネスゾーンは、打球を飛ばす方向にクラブフェイスを真っすぐに向けるために大切な領域であり、黄色に着色して目立たせることで、ユーザ7に対してスイング動作中に凝視しなくても感覚的に意識をさせる(いわば無意識に意識させる)役割がある。
【0023】
第1の表示部3の説明に戻ると、第1の表示部3は、
図1~3に矢印で示す打球方向に沿って延びる第1の線31、第1の線31と斜めに交差するとともに第1の線31に対して対称に配置されるとともに互いに斜めに交差する第2及び第3の線32,33を含む。
【0024】
3本の線31~33は、ユーザ7によってスイング動作中に必要以上に開いたり、ひねったりしたりと、スイングの癖があることから、それぞれのユーザ7の癖に応じてスイング方向を意識させるために設けられる。第1の線31と第2及び第3の線32,33とを区別するために、例えば、第1の線31を黒色で、第2及び第3の線32,33をグレーで、それぞれ表してもよい。
【0025】
次いで、第2の表示部4,5は、本体2における打球方向の両端側の領域に例えば赤色(第2の色彩)で着色されて、ユーザ7に対して、インパクトの前後においてリラックスするよう意識付けさせる。つまり、第2の表示部4,5は、ユーザの力みによりクラブフェイスの向きが許容範囲から外れることを防止している。
【0026】
第2の色彩は、両端に向かうに連れて薄くなるように変化することが好ましい。つまり、色の濃淡ないしグラデーションで力の入れ具合を示唆しているのである。また、第2の表示部4,5は、本体2の伸びる方向に沿って整列する略V字状の模様を含んでいてもよい。
【0027】
なお、第1の表示部3及び第2の表示部4,5は、それぞれ本体2に各種印刷技術によって印刷された印刷層で構成されていればよく、又は、別途のシール部材等を貼付することによって構成されていてもよい。本体2が金属製である場合には、磁石で脱着可能に貼付できるシート部材であってもよい。
【0028】
次いで、ゴルフスイング練習具1の使用方法を説明する。
ユーザ7は、スイング練習に先立ち、自身とゴルフボール9との間にゴルフスイング練習具1を敷く。このとき、ゴルフスイング練習具1がゴルフボール9に向かって凸となるように、かつ、中央領域Aがゴルフボール9に対向して、本体2の他の部分よりもゴルフボール9に近付くようにする(
図2参照)。
【0029】
更には、本体2の中央領域Aの下側の中心部に、本体2の幅方向に延びるように設けられた溝部2aに、棒状体10からなる従来公知のアライメントスティックを挿入して設置することができる。棒状体10は断面略円形であり、例えば7~10mmの径を有していればよく、したがって溝部2aは、この棒状体10を固定することができように、同様に7~10mmの幅を有していればよい。
【0030】
これにより、本体2の中央領域Aの中央において、本体2の幅方向(即ち、本体2を円弧とみてその接線に対して略垂直な方向)に棒状体10を設置し、ユーザ7はゴルフスイング練習具1のセンターにゴルフボール9を合わせて配置することができる。なお、上記した第1の線31はこの棒状体10と略垂直の位置関係にある。
【0031】
次いで、ユーザ7は、ゴルフクラブ8を構える。このとき、ユーザ7の視界には、ゴルフボール9の手前に、あるいは、ゴルフクラブ8のシャフト越しに、ゴルフスイング練習具1が入る。このとき、ユーザ7は、第1の表示部3を確認することで、スイング方向及び/又はゴルフクラブのフェイス方向を意識する。併せて、ユーザ7は、第2の表示部4,5を確認することで、バックスイング及びフォロースイングにおいて力み過ぎないように意識する。
【0032】
このような意識付けの下で練習を行うことで、ユーザ7は、無意識のうちに自己のスイングの癖をなくし、ゴルフクラブのクラブフェイスの向き(フェイスローテーション)及びスイング軌道を改善し定着させることができる。
【0033】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。例えば、
図1の(a)における本体2の左右端部領域の一方又は両方に吊下げ孔を設けていてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 ゴルフスイング練習具
2 本体
2A 溝
3 第1の表示部
4,5 第2の表示部
10 棒状体
【手続補正書】
【提出日】2021-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平方向において湾曲しかつ所定の幅を有する長尺状の本体と、
前記本体において、中央領域に第1の色彩で着色されて、スイング時のクラブフェイスの方向を意識付けさせる第1の表示部と、
前記本体において、前記中央領域の両端側の領域に第2の色彩で着色されて、スイング時にリラックスするように意識付けさせる第2の表示部と、
前記本体の中央領域の下側中央に、前記本体の略垂直方向に延びるように設けられた溝部と、
を具備することを特徴とするゴルフスイング練習具。
【請求項2】
前記第1の表示部が、前記打球方向に沿って延びる第1の線、並びに、前記第1の線に対して対称に配置されて互いに交差する第2及び第3の線を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項3】
前記第2の色彩が、前記両端に向かうに連れて薄くなるように変化すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項4】
前記第2の表示部が、前記本体の伸びる方向に沿って整列する複数の略V字状模様を含むこと、
を特徴とする請求項1又は3に記載のゴルフスイング練習具。