(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172552
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】除草具
(51)【国際特許分類】
A01B 39/18 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A01B39/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078402
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】321004563
【氏名又は名称】粟野 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140671
【弁理士】
【氏名又は名称】大矢 正代
(72)【発明者】
【氏名】粟野 政樹
【テーマコード(参考)】
2B034
【Fターム(参考)】
2B034AA07
2B034BA06
2B034BB01
2B034BC01
2B034HA12
2B034HB01
2B034HB25
2B034HB27
2B034HB46
(57)【要約】
【課題】取扱いが容易であり水田の除草作業を楽に行うことが可能な除草具を提供する。
【解決手段】除草具1に、左右方向へ延出している本体部10と、本体部10から上方へ延出している棒状のハンドル部20とを具備させ、本体部10に、左右方向に延出していると共に奥行方向へ互いに離隔して設けられ、左右方向の中央においてハンドル部20が奥行方向の軸芯周りに対して回転可能に取付けられている一対のフレーム11と、一対のフレーム11の左右方向両端同士を夫々繋いでいる平板状の一対の第一繋板部12と、一対の第一繋板部12における左右方向の夫々の外端辺から斜め上外方へ延出している平板状の一対の案内板部13と、一対の第一繋板部12の夫々から下方へ湾曲しながら延出しており奥行方向へ列設されている複数の刃板部15と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向へ延出している本体部と、該本体部から上方へ延出している棒状のハンドル部と、を具備している除草具であって、
前記本体部は、
左右方向に延出していると共に奥行方向へ互いに離隔して設けられており、左右方向の中央において前記ハンドル部が前記奥行方向の軸芯周りに対して回転可能に取付けられている一対のフレームと、
一対の該フレームの左右方向両端同士を夫々繋いでいる平板状の一対の第一繋板部と、
一対の該第一繋板部における左右方向の夫々の外端辺から斜め上外方へ延出している平板状の一対の案内板部と、
一対の前記第一繋板部の夫々から下方へ湾曲しながら延出しており、前記奥行方向へ列設されている複数の刃板部と
を備えていることを特徴とする除草具。
【請求項2】
前記本体部は、
左右方向の両端が外方へ向かうに従って前記奥行方向が細くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の除草具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水田の除草具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業者が手で持って作業することで水田に生えている雑草を除草することが可能な除草具として、平坦な平板状の本体部と、本体部の下面側において架設されている複数のワイヤーと、本体部から上方へ延出している棒状のハンドル部と、を備えているものが提案されている(特許文献1を参照)。この特許文献1の技術によれば、本体部を作土の上面に浮かせた状態で左右に移動させると、ワイヤーにより根の張った雑草をくの字状に折り畳むことができ、雑草を枯らすことが可能となる。
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術では、本体部が平坦であるため、作土に凹凸があると移動方向の前端側が作土内に喰い込み易く、スムーズに作業することが困難であった。また、稲株間において本体部を移動させるために水中から引き上げる場合、本体部が平板状であるため、その上面に水や泥などの重量がかかり易く、重くなることで引き上げるのに力を要する問題があった。更に、架設されたワイヤーにより除草するようにしているため、当該ワイヤーが伸びたり切れたりしないように取扱いに注意する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、取扱いが容易であり水田の除草作業を楽に行うことが可能な除草具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る除草具は、
「左右方向へ延出している本体部と、該本体部から上方へ延出している棒状のハンドル部と、を具備している除草具であって、
前記本体部は、
左右方向に延出していると共に奥行方向へ互いに離隔して設けられており、左右方向の中央において前記ハンドル部が前記奥行方向の軸芯周りに対して回転可能に取付けられている一対のフレームと、
一対の該フレームの左右方向両端同士を夫々繋いでいる平板状の一対の第一繋板部と、
一対の該第一繋板部における左右方向の夫々の外端辺から斜め上外方へ延出している平板状の一対の案内板部と、
一対の前記第一繋板部の夫々から下方へ湾曲しながら延出しており、前記奥行方向へ列設されている複数の刃板部と
を備えている」ことを特徴とする。
【0007】
ここで、除草具における奥行方向とは、左右方向および上下方向に対して直交する方向である。
【0008】
本構成の除草具を使用して水田の雑草を除草する場合、水田における一つの畔と平行な方向と当該畔に対して直交する方向とに一定の間隔で植設されている稲株の間に、本体部を位置させた上で、水田の水面よりも下の土の部分である作土に本体部を載置する。この際に、本体部の左右方向を畔と平行に向けると共に、本体部における一対の第一繋板部から下方へ延出している複数の刃板部を、作土内に挿入する。そして、ハンドル部を持って本体部を左右方向へ移動させると、作土内に挿入されている複数の刃板部により、雑草が刈り取られたり掘り起こされたりする。これにより、雑草が作土から切り離された状態になり、雑草を除草することができる。
【0009】
この除草具の本体部を左右方向へ移動させる際に、本体部の左右方向両端には、斜め上方へ延出している案内板部を有しているため、当該案内板部がソリの先端と同じような役割をし、作土の上面に凹凸があっても本体部が作土内に喰い込むことはない。
【0010】
また、除草具の本体部を、一対のフレームと、一対のフレームの両端同士を繋いでいる一対の第一繋板部とで、主に構成しているため、全体が枠状に形成されている。これにより、本体部には上下に貫通している開口を有することとなり、当該開口により本体部上に水や泥などが溜まり難いものとすることができる。従って、稲株間において本体部を移動させるために水中から引き上げる際に、特許文献1のように本体部を平板状にした場合と比較して、本体部の上面にかかる重量を軽減させることができ、水中から本体部を楽に引き上げることができる。
【0011】
更に、本体部に対してハンドル部を回転可能に取付けているため、水田の作土に凹凸があっても追従し易くすることができ、除草効率の高いものとすることができると共に、作業者に身長差があっても本体部とハンドル部との取付角度を調整する必要が無い。
【0012】
また、除草するための複数の刃板部を板状としているため、特許文献1のようなワイヤーと比較して、強度・剛性が高く破損し難いものとすることができ、慎重に取扱う必要がない。
【0013】
本発明に係る除草具は、上記の構成に加えて、
「前記本体部は、
左右方向の両端が外方へ向かうに従って前記奥行方向が細くなるように形成されている」
ことを特徴としても良い。
【0014】
本構成によれば、本体部における左右方向の両端を、外方へ向かうに従って細くなるようにしているため、稲株の間をすり抜け易くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の効果として、取扱いが容易であり水田の除草作業を楽に行うことが可能な除草具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態である除草具の正面図である。
【
図2】(a)は除草具の本体部を主に示す正面図であり、(b)は(a)の右側面図であり、(c)は(a)の底面図である。
【
図3】(a)は除草具の本体部を上から示す斜視図であり、(b)は(a)を下から示す斜視図である。
【
図4】(a)は水田における除草具の使用方法を平面視で示す説明図であり、(b)は(a)を正面視で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態である除草具1について、
図1乃至
図3を参照して詳細に説明する。本実施形態の除草具1は、左右方向へ延出している本体部10と、本体部10から上方へ延出している棒状のハンドル部20と、を具備している。
【0018】
本体部10は、左右方向に延出していると共に奥行方向へ互いに離隔して設けられている一対のフレーム11と、一対のフレーム11の左右方向両端同士を夫々繋いでいる平板状の一対の第一繋板部12と、一対の第一繋板部12における左右方向の夫々の外端辺から斜め上外方へ延出している平板状の一対の案内板部13と、一対の第一繋板部12の間において一対のフレーム11同士を繋いでおり左右方向へ間隔をあけて設けられている平板状の一対の第二繋板部14と、一対の第一繋板部12および一対の第二繋板部14の夫々から下方へ湾曲しながら延出している複数の刃板部15と、を有している。
【0019】
一対のフレーム11は、夫々が幅方向を上下に向けた左右に長い帯板状である。一対のフレーム11は、左右方向両端から一定の距離の範囲が、互いに接近するように屈曲させられている屈曲部11aを有している。また、一対のフレーム11は、左右方向の中央において奥行方向へ貫通している軸受孔11bを有している(
図3を参照)。軸受孔11bは、ハンドル部20を奥行方向の軸芯周りに回転可能に取付けるためのものである。
【0020】
一対の第一繋板部12は、一対のフレーム11の左右方向両端における夫々の屈曲部11a同士を繋いでいる。また、一対の第一繋板部12は、夫々がフレーム11の下辺と同じ高さに設けられている。夫々の第一繋板部12は、奥行方向の両端が上方へ屈曲しており、当該部位がボルトによりフレーム11に取付けられている。
【0021】
一対の案内板部13は、夫々が第一繋板部12の端辺から外方へ向かうに従って奥行方向が細くなるように延出している。一対の案内板部13は、奥行方向の両方の端辺がフレーム11における屈曲部11aの延長線上と一致するように設けられている。一対の案内板部13は、奥行方向の端辺から上方へ延出している立板部13aを有している。本実施形態の案内板部13は、第一繋板部12と一体に構成されている。
【0022】
一対の第二繋板部14は、一対のフレーム11の左右方向中央を境にして対称の位置に設けられている。また、一対の第二繋板部14は、夫々がフレーム11の下辺と同じ高さに設けられている。夫々の第二繋板部14は、奥行方向の両端が上方へ屈曲しており、当該部位がボルトによりフレーム11に取付けられている。
【0023】
複数の刃板部15は、一対の第一繋板部12および一対の第二繋板部14における本体部10の左右方向中央を向いている端辺から下方へ延出しており、奥行方向に列設されている。複数の刃板部15は、一対の第一繋板部12および一対の第二繋板部14を構成している板体に対して、端辺から斜めに切込みを入れて下方側へ折り返すことで形成されている。従って、刃板部15は、第一繋板部12や第二繋板部14と一体に構成されている。
【0024】
複数の刃板部15は、一つの第一繋板部12や第二繋板部14ではその先端が同一方向を向くように設けられている。また、複数の刃板部15は、隣り合う第一繋板部12と第二繋板部14とでは、先端が逆方向を向くように設けられている(
図2および
図3を参照)。
【0025】
この本体部10は、一対のフレーム11における左右方向両端の屈曲部11aと、案内板部13における奥行方向両端の立板部13aとにより、左右方向の両端が外方へ向かうに従って奥行方向が細くなるように形成されている。また、本体部10は、一対のフレーム11、一対の第一繋板部12、一対の第二繋板部14、などにより枠状に構成されており、上下に貫通している複数の開口を有している。
【0026】
本実施形態の本体部10は、ステンレス鋼により形成されている。本体部10は、左右方向の長さが300mm~400mm、奥行方向の長さが150mm~180mm、左右方向両端における奥行方向の長さが80mm~120mm、である。また、フレーム11の高さが10mm~20mmである。更に、案内板部13は、水平に対して20度~30度の角度で傾斜している。
【0027】
ハンドル部20は、棒状の棹部21と、棹部21の先端に取付けられているグリップ部22と、棹部21の基端側を本体部10に連結している連結部23と、を有している。棹部21は、径の異なる複数のパイプを嵌め合わせた構造であり、例えば、1500mm~3000mmの間で伸縮自在に構成されている。グリップ部22は、筒状に形成されており、棹部21に外嵌されている。連結部23は、丸棒により形成されている。
【0028】
連結部23は、奥行方向へ水平に延出している軸部23aと、軸部23aの一方の端部から上方へ延出しており上端が棹部21の基端に取付けられている取付部23bと、を有している。軸部23aは、本体部10における奥行方向の長さよりも長く形成されている。取付部23bは、軸部23aの一方の端部から上方へ延出した後に、軸部23a側に斜め上方へ屈曲した上で、軸部23aの中央の上方の部位で垂直に上方へ延びるようにクランク状に屈曲している(
図2および
図3を参照)。
【0029】
また、連結部23は、軸部23aにおける取付部23bに近い端部側において外方へ突出している複数の突起部23cと、軸部23aにおける突起部23cとは反対側の端部付近において上下に貫通している貫通孔(符号は省略)と、を有している。連結部23の貫通孔には、スナップピン24が装着される。
【0030】
本実施形態では、棹部21は、アルミニウムにより形成されている。また、グリップ部22は、ゴムにより形成されている。更に、連結部23は、ステンレス鋼により形成されている。
【0031】
本実施形態の除草具1は、以下のようにして組立てられる。まず、連結部23における軸部23aに平ワッシャ25を嵌める。次に、軸部23aの先端を、本体部10における一対のフレーム11の軸受孔11bに対して、奥行方向の外方から挿通させ、反対側のフレーム11の軸受孔11bを通して外方へ突出させる。そして、軸部23aの先端に別の平ワッシャ25を嵌め、当該平ワッシャ25を軸部23aの貫通孔よりもフレーム11側へ位置させる。その後、軸部23aの貫通孔にスナップピン24を装着することにより、除草具1の組立てが完了する。
【0032】
除草具1は、組立てた状態では、一対のフレーム11の軸受孔11bに挿通されている連結部23の軸部23aを回転させることができる。また、この状態では、一対のフレーム11の両外側に、平ワッシャ25を間にして軸部23aから突出している突起部23cと軸部23aの貫通孔に装着されているスナップピン24とが位置しており、連結部23が本体部10に対して奥行方向への相対的な移動が規制されている。
【0033】
本実施形態の除草具1では、本体部10に対してハンドル部20を垂直に立てた状態で、軸部23aを中心にして奥行方向の軸芯周りに対して時計回り・反時計回りの方向(左右方向)へ夫々80度の角度範囲でハンドル部20を回転させることが可能である。
【0034】
次に、本実施形態の除草具1の使用方法について、主に
図4を参照して説明する。ここでは、水田Aにおける一つの畔と平行な方向(左右方向)と当該畔に対して直交する方向(奥行方向)とに一定の間隔をあけて複数の稲株Dが植設されている水田Aの雑草を除草する場合について説明する。以下では、奥行方向に並んでいる稲株Dと稲株Dとの間の左右方向へ延びている空間を「筋」と称して説明する。なお、
図4(a)における網掛け部分は、除草していない領域を示している。
【0035】
まず、水田A内の作業者Eが位置している状態で、その作業者Eの例えば左側において、奥行方向に列設されている稲株Dと稲株Dとの間の一筋に、除草具1の本体部10を位置させた上で、水田Aの水面Bよりも下の土の部分である作土Cに本体部10を載置する。この際に、本体部10の左右方向を畔と平行に向けると共に、本体部10における一対の第一繋板部12および一対の第二繋板部14から下方へ延出している複数の刃板部15を、作土C内に挿入する。
【0036】
そして、作業者Eがハンドル部20を持って本体部10を筋に沿って左右方向へ移動させる。この際に、本体部10に対してハンドル部20が回転可能に設けられているため、作業者Eが左右方向へ移動しなくても、作業者Eから左方へ繰り出されるハンドル部20を持つ位置や姿勢などを変化させることで、本体部10と棹部21との間の角度が変化し、本体部10を作業者から遠ざけたり近づけたりすることができる。つまり、作業者Eが左右方向へ移動しなくても、本体部10を作土Cの上面に載置させたまま左右方向へ移動させることができる。
【0037】
このようにして本体部10を左右方向へ移動させると、作土C内に挿入されている複数の刃板部15により、雑草が刈り取られたり掘り起こされたりする。これにより、雑草が作土Cから切り離された状態になり、雑草を除草することができる。
【0038】
この除草具1では、本体部10を左右方向へ移動させる際に、本体部10の左右方向両端には、斜め上方へ延出している案内板部13を有しているため、当該案内板部13がソリの先端と同じような役割をし、作土Cの上面に凹凸があっても本体部10が作土C内に喰い込むことはない。
【0039】
また、除草具1では、本体部10における左右方向の両端を、外方へ向かうに従って細くなるようにしているため、稲株Dの間をすり抜け易くすることができ、稲株Dを巻き込むことなく本体部10を左右方向へ容易に移動させることができる。また、本体部10が左右方向に並んでいる稲株Dを越えて他の筋へ移動することはない。
【0040】
このように、一筋における作業者Eの左側において、本体部10が届く範囲で雑草を除草したら、本体部10を水中から引き上げて、同じ筋における作業者の右側に本体部10を位置させた上で、作土Cに本体部10を載置する。この際に、本体部10を枠状として上下に貫通している開口を複数有するようにしていることから、当該開口により本体部10上に水や泥などが溜まり難くなっているため、本体部10を移動させるために水中から引き上げる際に、本体部10を平板状にした場合と比較して、本体部10の上面にかかる重量を軽減させることができ、水中から本体部10を楽に引き上げることができる。
【0041】
そして、作業者Eの右側においても、上記と同様に、本体部10を筋に沿って左右方向へ移動させ、当該筋における作業者Eの右側の雑草を除草する。その後、本体部10を水中から引き上げ、奥行方向の次の筋に本体部10を位置させて、上記と同様に当該筋の雑草を除草する。なお、本実施形態では、作業者Eを中心にして左右方向の距離が6m~7mの範囲を除草することが可能である。
【0042】
このような作業を繰り返すことにより、作業者Eが左右方向へ移動することなく、本体部10が届く左右方向の所定の幅で、奥行方向へ雑草を除草することができる。
【0043】
このように、本実施形態の除草具1によれば、ハンドル部20の棹部21を伸縮可能としていると共に、本体部10に対してハンドル部20を回転可能に取付けているため、本体部10の下面を常に水田Aにおける作土Cの上面に接触させることができ、除草効率の高いものとすることができると共に、作業者Eを中心にして広範囲の除草作業を可能とすることができる。
【0044】
また、本実施形態の除草具1によれば、本体部10に対してハンドル部20を回転可能に取付けているため、作土Cに凹凸があっても追従し易くすることができると共に、作業者Eに身長差があっても本体部10とハンドル部20との取付角度を調整する必要が無い。
【0045】
また、本実施形態の除草具1によれば、本体部10を稲株Dと稲株Dとの間に入る大きさとしていると共に、枠状に形成していることから、コンパクトにして軽量にしているため、水や泥の抵抗を小さくして作業効率の向上を図ることができ、高齢者や女性でも扱い易いものとすることができる。
【0046】
更に、本実施形態の除草具1によれば、本体部10を枠状としていることから上下に貫通している開口を有しているため、当該開口により本体部10上に水や泥などを溜まり難くすることができ、稲株間の移動作業などにおいて、水中から引き上げる抵抗を少なくすることができる。
【0047】
また、本実施形態の除草具1によれば、本体部10に対してハンドル部20を回転可能に取付けていると共に、ハンドル部20の棹部21を伸縮可能としているため、水田Aの畔からでも除草作業を行うことができる。
【0048】
また、本実施形態の除草具1によれば、除草するための複数の刃板部15を板状としているため、ワイヤーを使用して除草する場合と比較して、強度・剛性が高く破損し難いものとすることができ、慎重に取扱う必要がない。
【0049】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計の変更が可能である。
【0050】
例えば、上記の実施形態では、本体部10にハンドル部20を、奥行方向の軸芯周りに対して回転可能に取付けたものを示したが、これに限定するものではなく、奥行方向の軸芯周りに加えて、上下方向の軸芯周りに対してもハンドル部20を回転可能に取付けるようにしても良い。これにより、除草具1の汎用性をより高めることが可能となる。
【0051】
また、上記の実施形態では、除草具1を水田Aの除草に使用することを示したが、これに限定するものではなく、畑に使用しても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 除草具
10 本体部
11 フレーム
11a 屈曲部
11b 軸受孔
12 第一繋板部
13 案内板部
14 第二繋板部
15 刃板部
20 ハンドル部
21 棹部
22 グリップ部
23 連結部
23a 軸部
23b 取付部
23c 突起部
24 スナップピン
25 平ワッシャ
A 水田
B 水面
C 作土
D 稲株
E 作業者