IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

特開2022-172561ガラス防曇制御装置及びガラス防曇制御プログラム
<>
  • 特開-ガラス防曇制御装置及びガラス防曇制御プログラム 図1
  • 特開-ガラス防曇制御装置及びガラス防曇制御プログラム 図2
  • 特開-ガラス防曇制御装置及びガラス防曇制御プログラム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172561
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ガラス防曇制御装置及びガラス防曇制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60H 3/00 20060101AFI20221110BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
B60H3/00 C
B60H1/00 101Q
B60H1/00 103H
B60H1/00 103V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078439
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊
(72)【発明者】
【氏名】孝治 吉春
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 毅
(72)【発明者】
【氏名】王 暁峰
(72)【発明者】
【氏名】宇宿 秀希
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 裕規
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA42
3L211EA03
3L211EA12
3L211EA13
3L211EA56
3L211EA66
3L211FA52
3L211FB05
3L211GA04
3L211GA21
(57)【要約】
【課題】車両の室内の温度及び湿度を適切な温度及び湿度とし、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができるガラス防曇制御装置を提供する。
【解決手段】フロントガラス防曇制御装置は、温度測定部10と、湿度測定部20と、撮像部30と、制御部40と、を備える。制御部40は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差を算出し、車両の外部を撮像した撮像画像から車両の周囲の天気を判断し、車両の室内を撮像した撮像画像から車両の乗車人数を特定する。制御部40は、温度差、室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、室内の温度及び湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する、又は室内の温度及び湿度が車両のガラスの内側に曇りが発生しない車内の温度及び湿度となるよう車両の空調装置50を作動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部の温度及び前記車両の室内の温度を測定する温度測定部と、
前記車両の室内の湿度を測定する湿度測定部と、
前記車両の外部を撮像した撮像画像、及び前記車両の室内を撮像した撮像画像を取得する撮像部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記外部の温度と前記室内の温度との温度差を算出し、
前記外部を撮像した撮像画像から前記車両の周囲の天気を判断し、
前記室内を撮像した撮像画像から前記車両の乗車人数を特定し、
前記温度差、前記室内の湿度、前記車両の周囲の天気、及び、前記乗車人数に基づいて、前記室内の温度及び湿度を前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する、又は前記室内の温度及び湿度が前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう前記車両の空調装置を作動させる
ことを特徴とするガラス防曇制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記室内の温度が前記外部の温度よりも所定温度以上高く、前記室内の湿度が所定湿度未満である場合、前記車両の乗員に前記室内の温度を下げるよう通知する、又は前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度まで前記室内の温度を下げるよう前記車両の空調装置を作動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のガラス防曇制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記室内の温度が前記外部の温度よりも所定温度以上高く、前記室内の湿度が所定湿度以上である場合、前記車両の乗員に前記室内の温度及び湿度を下げるよう通知する、又は前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度まで前記室内の温度及び湿度を下げるよう前記空調装置を作動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のガラス防曇制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記室内の温度が前記外部の温度よりも所定温度以上高く、前記室内の湿度が所定湿度以上である場合、前記周囲の天気が雨又は雪であるか否かを判断し、
前記周囲の天気が雨又は雪であると判断した場合、前記空調装置の設定を内気循環モードとするよう通知する、又は内気循環モードとなるよう前記空調装置を作動させ、
前記周囲の天気が雨又は雪でないと判断した場合、前記空調装置の設定を外気導入モードとするよう通知する、又は外気導入モードとなるよう前記空調装置を作動させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス防曇制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記乗車人数に基づいて、前記所定湿度を変化させる
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のガラス防曇制御装置。
【請求項6】
車両の外部の温度と前記車両の室内の温度との温度差を算出し、
前記車両の外部を撮像した撮像画像から前記車両の周囲の天気を判断し、
前記車両の室内を撮像した撮像画像から前記車両の乗車人数を特定し、
前記温度差、前記室内の湿度、前記車両の周囲の天気、及び、前記乗車人数に基づいて、前記室内の温度及び湿度を前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する、又は前記室内の温度及び湿度が前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう前記車両の空調装置を作動させる
処理をコンピュータに実行させるためのガラス防曇制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス防曇制御装置及びガラス防曇制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の窓ガラス(以後、単に「ガラス」とも呼ぶ)に曇りが発生する可能性を検出することで、当該窓ガラスの曇りの発生を抑制し、良好な視界を確保できる窓曇り推定装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に開示された窓曇り推定装置は、車両の走行経路前方の気象情報、及び、車両の室内の温度に関する情報である車室内温度情報を取得し、気象情報および車室内温度情報に基づいて、車両の窓ガラスに曇りが発生するか否かを推定する。車両に備わる各々のECUは、窓曇り推定装置により車両の窓ガラスに曇りが発生すると推定された場合、エアコンディショナ(以後、「エアコン」と呼ぶ)及びデフロスタを制御し、窓ガラスに発生する曇りを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-074364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された窓曇り推定装置は、車両の室内全体の環境(温度及び湿度)を窓ガラスの内側に曇りが発生しない環境にしていない。即ち、窓曇り推定装置は、エアコン及びデフロスタを作動させ、一時的に、窓ガラスの内側周辺の温度を高くし、湿度を低下させることで窓ガラスの内側に発生する曇りを防止している。そのため、エアコン及びデフロスタの作動を停止させ、窓ガラスの内側周辺の温度及び湿度がエアコン及びデフロスタを作動させる前の状態に戻った場合、再び窓ガラスの内側に曇りが発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、車両の室内の温度及び湿度を適切な温度及び湿度とし、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができるガラス防曇制御装置及びガラス防曇制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の外部の温度及び前記車両の室内の温度を測定する温度測定部と、前記車両の室内の湿度を測定する湿度測定部と、前記車両の外部を撮像した撮像画像、及び前記車両の室内を撮像した撮像画像を取得する撮像部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記外部の温度と前記室内の温度との温度差を算出し、前記外部を撮像した撮像画像から前記車両の周囲の天気を判断し、前記室内を撮像した撮像画像から前記車両の乗車人数を特定し、前記温度差、前記室内の湿度、前記車両の周囲の天気、及び、前記乗車人数に基づいて、前記室内の温度及び湿度を前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する、又は前記室内の温度及び湿度が前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう前記車両の空調装置を作動させることを特徴とするガラス防曇制御装置を提供する。
【0007】
本発明は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差を算出し、前記車両の外部を撮像した撮像画像から前記車両の周囲の天気を判断し、前記車両の室内を撮像した撮像画像から前記車両の乗車人数を特定し、前記温度差、前記室内の湿度、前記車両の周囲の天気、及び、前記乗車人数に基づいて、前記室内の温度及び湿度を前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する、又は前記室内の温度及び湿度が前記車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう前記車両の空調装置を作動させる処理をコンピュータに実行させるためのガラス防曇制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の室内の温度及び湿度を適切な温度及び湿度とし、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、ガラス防曇制御装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、ガラス防曇制御装置の動作一覧を示す図である。
図3図3は、ガラス防曇制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0011】
[ガラス防曇制御装置の構成]
図1を参照して、本実施形態に係るガラス防曇制御装置の全体構成について説明する。当該ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度及び湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する、又は車両の室内の温度及び湿度が車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう車両の空調装置を作動させる装置である。本実施形態に係るガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度が車両の外部の温度より高く、車両の室内の湿度が所定湿度より高い状況において作動するよう想定されたものである。
【0012】
ガラス防曇制御装置は、車両に搭載され、温度測定部10、湿度測定部20、撮像部30、制御部40を備える。
【0013】
温度測定部10は、車両の外部(以後「車外」とも呼ぶ)の温度及び車両の室内(以後「車内」とも呼ぶ)の温度を測定する。具体的には、温度測定部10は、車外の温度を測定する車外温度測定部11と、車内の温度を測定する車内温度測定部12とを備える。
【0014】
車外温度測定部11は、車両の外部に設置され、車外の温度を測定する。車外温度測定部11は、例えば、車両のフロントバンパ又はフロントグリルの内側(車室側)に設置される。これにより、車外温度測定部11は、エンジン及びエンジンの補器等による熱の影響を低減させて、精度良く車両の車外の温度を測定することができる。車外温度測定部11は、測定した車外の温度を制御部40に転送する。なお、車外温度測定部11は、車両の空調装置50が利用する車外の気温を測定する外気温センサと同じであり、制御部40は、当該外気温センサから出力される車外の気温を取得するよう構成してもよい。
【0015】
車内温度測定部12は、車両の室内に設置され、車内の温度を測定する。車内温度測定部12は、例えば、ステアリングとセンタコンソールとの間のインストルメントパネル内に設置される。車内温度測定部12は、測定した車内の温度を制御部40に転送する。なお、車内温度測定部12は、車両の空調装置50が利用する車内の温度を測定する内気温センサと同じであり、制御部40は、当該内気温センサから出力される車内の温度を取得するよう構成してもよい。
【0016】
湿度測定部20は、車両の室内の湿度を測定する。具体的には、湿度測定部20は、車内温度測定部12が設置される位置に隣接して設置される。湿度測定部20は、測定した車内の湿度を制御部40に転送する。なお、湿度測定部20は、車両の空調装置50が利用する車内の湿度を測定する湿度センサと同じであり、制御部40は、当該湿度センサから出力される車内の湿度を取得するよう構成してもよい。
【0017】
撮像部30は、車両の外部を撮像した撮像画像、及び車両の室内を撮像した撮像画像を取得する。具体的には、撮像部30は、車両の外部の撮像画像を取得する車外撮像部31と、車両の室内の撮像画像を取得する車内撮像部32とを備え、1つの撮像ユニットとして構成される。撮像部30は、車両のフロントガラスの内側上部に設置される。撮像部30は、車両のフロントガラスの内側上部に設置された状態において、車外撮像部31が車両前方を向き、車内撮像部32が車両後方の室内を向くよう構成されている。
【0018】
車外撮像部31は、車両の外部を撮像した撮像画像を取得する。具体的には、車外撮像部31は、車両のフロントガラスを含む車外の景色を撮像した撮像画像を取得する。車外撮像部31は、取得した撮像画像を制御部40に転送する。
【0019】
車内撮像部32は、車両の室内を撮像した撮像画像を取得する。具体的には、車内撮像部32は、車両の室内全体を撮像した撮像画像を取得する。車内撮像部32は、取得した撮像画像を制御部40に転送する。
【0020】
なお、本実施形態では、撮像部30が、1つの撮像ユニットとして車外撮像部31及び車内撮像部32を備える例を示すが、車外撮像部31及び車内撮像部32は、それぞれ個別の撮像部として構成されていてもよい。
【0021】
制御部40は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差を算出し、車両の外部を撮像した撮像画像から車両の周囲の天気を判断し、車両の室内を撮像した撮像画像から車両に乗車している乗車人数を特定する。
【0022】
制御部40は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、車両の室内の温度及び湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する。又は、制御部40は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、車両の室内の温度及び湿度が車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう車両の空調装置50を作動させる。
【0023】
制御部40は、CPU(中央処理装置)、RAM及びROMなどのメモリ(記憶部)、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータには、ガラス防曇制御装置として機能させるためのガラス防曇制御プログラムがインストールされている。ガラス防曇制御プログラムを実行することにより、マイクロコンピュータは、ガラス防曇制御装置が備える複数の情報処理回路(41、42、43、44)として機能する。なお、本実施形態では、ソフトウェアによってガラス防曇制御装置が備える複数の情報処理回路(41、42、43、44)を実現する例を示すが、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0024】
次に、車両が備える空調装置50及びインターフェイス60について説明する。
【0025】
空調装置50は、車内の温度及び湿度を調節する装置である。具体的には、空調装置50は、設定された車内の温度に基づいて、車内に設置された吹き出し口から送風される空気の温度及び湿度を調整し、車内の温度及び湿度を調節する。
【0026】
ここで、空調装置50の制御方法について具体的に説明する。空調装置50は、操作部として、A/Cスイッチ51、内外気切替え部52、温度設定部53、風量設定部54を有している。
【0027】
A/Cスイッチ51は、空調装置50のエアコンを作動させるスイッチである。具体的には、A/Cスイッチ51をONにすることでエアコンが作動する。エアコンは、車内に設置された吹き出し口から送風される空気の冷却及び除湿を行う。これにより、空調装置50は、車内の温度を車外の温度よりも低い温度とし、車内の除湿を行うことができる。
【0028】
内外気切替え部52は、空調装置50の内気循環モードと外気導入モードとの切替えを行う操作部である。具体的には、空調装置50は、内外気切替え部52からの情報に基づいて、車外の空気を車内に導くダクトに備わるフラップを制御し、内気循環モードと外気導入モードとを切替える。
【0029】
空調装置50は、内気循環モードが選択された場合、車外の空気を車内に導くダクトに備わるフラップを閉じるよう制御する。これにより、空調装置50は、車外の空気を遮断し、車内の空気を循環させる内気循環モードとすることができる。
【0030】
空調装置50は、外気導入モードが選択された場合、車外の空気を車内に導くダクトに備わるフラップを開くよう制御する。これにより、空調装置50は、車外の空気を車内に取り込む外気導入モードとすることができる。
【0031】
温度設定部53は、吹き出し口から送風される空気の温度を設定する操作部である。空調装置50は、温度設定部53に設定された温度に基づいて、ヒータ及びエアコンを制御し、吹き出し口から送風される空気の温度を調節する。
【0032】
空調装置50は、車外の温度よりも高い温度が設定された場合、ヒータを作動させ、吹き出し口から送風される空気の温度が設定された温度となるよう制御する。これにより、空調装置50は、車内の温度を車外の温度より高い温度とすることができる。
【0033】
空調装置50は、車外の温度よりも低い温度が設定された場合、A/Cスイッチ51がONである場合、エアコンを作動させ、吹き出し口から送風される空気が設定された温度となるよう制御する。これにより、空調装置50は、車内の温度を車外の温度より低い温度とすることができる。
【0034】
風量設定部54は、吹き出し口から送風される空気の風量を設定する操作部である。具体的には、風量設定部54は、段階的に設定された風量の中から何れかの風量を選択することができる。空調装置50は、風量設定部54によって設定された風量に基づいてブロアモータを制御する。これにより、空調装置50は、吹き出し口から送風される風量を設定された風量とすることができる。
【0035】
インターフェイス60は、スピーカ61及びモニタ62を備えている。
【0036】
インターフェイス60は、ガラス防曇制御装置から車両の室内の温度及び湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知するデータを受信した場合、当該データを出力して、車両の乗員に通知する。
【0037】
インターフェイス60は、ガラス防曇制御装置から車両の室内の温度及び湿度が車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう車両の空調装置50を作動させていることを通知するデータ受信した場合、当該データを出力して車両の乗員に通知する。
【0038】
具体的には、スピーカ61から受信したデータを音声で出力し、モニタ62に受信したデータをテキスト及びグラフィックで出力する。
【0039】
次に、制御部40が備える複数の情報処理回路について具体的に説明する。
【0040】
制御部40は、温度差算出部41、天気判断部42、乗車人数特定部43、空調制御部44を備える。
【0041】
温度差算出部41は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差を算出する。具体的には、車外温度測定部11が測定した車外の温度と、車内温度測定部12が測定した車内の温度との温度差を算出する。
【0042】
天気判断部42は、車両の外部を撮像した撮像画像から車両の周囲の天気を判断する。具体的には、車外撮像部31が取得した車外の撮像画像から車両の周囲の天気が雨又は雪であるか否かを判断する。天気判断部42は、既知の画像解析技術を用いることにより、車外を撮像した撮像画像から車両のフロントガラス上の雨滴及び雪滴を検出することができ、車両の周囲の天気が雨又は雪であるか否かを判断することができる。
【0043】
乗車人数特定部43は、車両の室内を撮像した撮像画像から車両に乗車している乗車人数を特定する。具体的には、車内撮像部32が取得した車両の室内全体を撮像した撮像画像から車両に乗車している乗車人数を特定する。乗車人数特定部43は、既知の画像解析技術を用いることにより、車両の室内全体を撮像した撮像画像に含まれる人物を特定することができ、特定された人物の数から車両の乗車人数を特定することができる。
【0044】
空調制御部44は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、車両の室内の温度及び湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知するデータをインターフェイス60に送信する。空調制御部44は、対処方法を通知するデータとして、スピーカ61から出力するための音声データ、及びモニタ62に表示させるためのテキスト及びグラフィックデータを送信する。
【0045】
又は、空調制御部44は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、車両の乗車人数に基づいて、車両の室内の温度及び湿度が車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう車両の空調装置50を作動させる。なお、空調制御部44は、空調装置50を作動させていることを通知するデータ、及び空調装置50の設定を示すデータをインターフェイス60に出力してもよい。
【0046】
ここで、図2を参照して、空調制御部44の処理について具体的に説明する。
【0047】
空調制御部44は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く(温度差が所定温度差以上)、車両の室内の湿度が所定湿度未満である場合、車両の乗員に室内の温度を下げるよう通知するデータをインターフェイス60に送信する。
【0048】
例えば、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する可能性があることを通知し、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度を通知するデータをインターフェイス60に送信する。そして、空調制御部44は、対処方法として、車両の窓を開ける又は当該温度まで空調装置50の設定温度を下げるよう通知するデータをインターフェイス60に送信する。
【0049】
又は、空調制御部44は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く(温度差が所定温度差以上)、車両の室内の湿度が所定湿度未満である場合、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度まで室内の温度を下げるよう車両の空調装置50を作動させる。
【0050】
空調制御部44は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度以上である場合、車両の乗員に室内の温度及び湿度を下げるよう通知するデータをインターフェイス60に送信する。
【0051】
例えば、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する可能性があることを通知し、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度を通知するデータをインターフェイス60に送信する。空調制御部44は、対処方法として、車両のガラスの内側に曇りが発生しないようにするための空調装置50の設定を通知し、室内の温度及び湿度を下げるよう通知するデータをインターフェイス60に出力する。
【0052】
空調装置50の設定の通知として、例えば、空調制御部44は、A/Cスイッチ51をONとし、設定温度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度とするよう通知するデータをインターフェイス60に出力する。
【0053】
又は、空調制御部44は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度以上である場合、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度まで室内の温度及び湿度を下げるよう空調装置50を作動させる。
【0054】
空調制御部44は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度以上である場合、天気判断部42から車両の周囲の天気の判断結果を取得する。
【0055】
空調制御部44は、車両の周囲の天気が雨又は雪であると判断された場合、空調装置50の設定を内気循環モードとするよう通知する、又は内気循環モードとなるよう空調装置50を作動させる。
【0056】
空調制御部44は、車両の周囲の天気が雨又は雪でないと判断された場合、空調装置50の設定を外気導入モードとするよう通知する、又は外気導入モードとなるよう空調装置50を作動させる。
【0057】
ここで、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度、所定温度及び所定湿度について説明する。
【0058】
空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度を特定し、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度に基づいて、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度、並びに所定温度及び所定湿度を設定する。
【0059】
先ず、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度を特定する。車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度は、車両の外部の温度と室内の温度、及び車両の室内の湿度の関係によって定められる。
【0060】
例えば、車両の外部の温度が15℃であり、車両の室内の温度が20℃である場合、車両の室内の湿度が約75%以上となると車両のガラスの内側に曇りが発生する。また、当該状態における実際の車両の室内の湿度が55%である場合、車両の室内の温度が約25℃以上となると、車両のガラスの内側に曇りが発生する。即ち、前記した状態における、車両のガラスの内側に曇りが発生する温度は25℃、湿度は75%と特定することができる。
【0061】
次に、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度を設定する。具体的には、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度より、それぞれ所定余裕温度だけ低い温度及び所定余裕湿度だけ低い湿度を、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度として設定する。即ち、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度から所定余裕温度だけ低い温度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度として設定し、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の湿度から所定余裕湿度だけ低い湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の湿度として設定する。
【0062】
所定余裕温度及び所定余裕湿度は、車両の室内の温度及び湿度が最大の変化量で変化した場合において、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度から車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度となるまでの時間が、所定猶予時間以上となる温度及び湿度である。即ち、所定余裕温度及び所定余裕湿度は、所定猶予時間内で上昇する車両の室内の温度及び湿度の変化量を定めたものであり、当該変化量を所定猶予時間内で車両の室内の温度及び湿度が変化する最大の変化量として用いる。所定猶予時間は、例えば10分である。
【0063】
次に、空調制御部44は、所定温度及び所定湿度を設定する。具体的には、先ず、空調制御部44は、制御開始温度及び所定湿度を設定する。制御開始温度及び所定湿度は、車両の室内の温度及び湿度が最大の変化量で変化した場合において、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度となるまでの時間が、所定時間以内となる温度及び湿度である。なお、制御開始温度及び所定湿度は、温度及び湿度の変化量ではなく、温度及び湿度そのものである。所定時間は、例えば5分である。従って、空調制御部44は、車両の室内の温度及び湿度が最大の変化量で変化した場合において、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度となるまでの時間が、所定時間以内となる温度及び湿度を算出することで、制御開始温度及び所定湿度を設定することができる。そして、空調制御部44は、車両の外部の温度と制御開始温度との差分を所定温度として設定する。
【0064】
従って、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高くなった状態、又は車両の室内の湿度が所定湿度以上となった状態、又は、前記2つの状態の両方である場合、今後、車両の室内の温度又は湿度が最大の変化量で変化した場合、所定時間内に車両のガラスの内側に曇りが発生する状態とであること意味する。
【0065】
空調制御部44は、車両に乗車している乗車人数に基づいて、所定湿度を変化させる。より具体的には、空調制御部44は、乗車人数が増えるほど所定湿度を低く設定する。
【0066】
空調制御部44は、空調装置50の設定に関する信号を空調装置50に送信する。より具体的には、空調制御部44は、エアコンを作動させるよう指示する信号、風量を設定可能な風量の中央値に設定するよう指示する信号、外気導入モード又は内気循環モードとなるよう指示する信号を空調装置50に送信する。さらに、空調制御部44は、ガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度を設定するよう指示する信号を空調装置50に送信する。これにより、空調制御部44は、ガラスの内側に曇りが発生しない車内の温度及び湿度まで車内の温度及び湿度を下げるよう空調装置50を作動させることができる。
【0067】
[ガラス防曇制御装置の動作]
次に、図3を参照して、図1に示すガラス防曇制御装置の動作の一例を説明する。図3のフローチャートに示すガラス防曇制御装置の動作は、車両のイグニッションスイッチ又はパワースイッチがONとなると同時に開始され、イグニッションスイッチ又はパワースイッチがOFFとなった時点で処理を終了する。
【0068】
ステップS10において、温度差算出部41は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差を算出し、処理はステップS20に進む。
【0069】
なお、ステップS10において、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度を特定し、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度より、それぞれ所定余裕温度だけ低い温度及び所定余裕湿度だけ低い湿度を、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度として設定する。即ち、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度から所定余裕温度だけ低い温度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度として設定し、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の湿度から所定余裕湿度だけ低い湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の湿度として設定する。
【0070】
そして、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する室内の温度及び湿度に基づいて所定温度及び所定湿度を設定する。具体的には、先ず、空調制御部44は、制御開始温度及び所定湿度を設定する。そして、空調制御部44は、車両の外部の温度と制御開始温度との差分を所定温度として設定する。
【0071】
ステップS20において、空調制御部44は、算出された温度差に基づいて、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高いか否かを判断する。
【0072】
ステップS20において、空調制御部44は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高いと判断した場合(ステップS20でYES)、処理はステップS30に進む。
【0073】
ステップS20において、空調制御部44は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高くないと判断した場合(ステップS20でNO)、処理を終了する。
【0074】
ステップS30において、乗車人数特定部43は、車両の室内を撮像した撮像画像から車両の乗車人数を特定し、処理はステップS40に進む。
【0075】
ステップS40において、空調制御部44は、乗車人数に基づいて、所定湿度を変化させる。具体的には、空調制御部44は、乗車人数が増えるほど所定湿度を低く設定し、処理はステップS50に進む。
【0076】
ステップS50において、空調制御部44は、車両の室内の湿度が所定湿度未満であるか否かを判断する。
【0077】
ステップS50において、空調制御部44は、車両の室内の湿度が所定湿度未満であると判断した場合(ステップS50でYES)、処理はステップS60に進む。
【0078】
ステップS50において、空調制御部44は、車両の室内の湿度が所定湿度未満でないと判断した場合(ステップS50でNO)、処理はステップS70に進む。
【0079】
ステップS60において、空調制御部44は、車両の乗員に室内の温度を下げるよう通知する、又は車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度まで室内の温度を下げるよう車両の空調装置50を作動させる。そして、処理はステップS70に進む。
【0080】
例えば、乗員への通知として、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する可能性があることを通知し、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度を通知するデータをインターフェイス60に送信する。そして、空調制御部44は、対処方法として、車両の窓を開ける又は当該温度まで空調装置50の設定温度を下げるよう通知するデータをインターフェイス60に送信する。
【0081】
例えば、車両の空調装置50の作動させるため、空調制御部44は、エアコンを作動させるよう指示する信号、風量を設定可能な風量の中央値に設定するよう指示する信号、ガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度を設定するよう指示する信号を空調装置50に送信する。
【0082】
なお、空調装置50の内外気切替え部52の設定は、内気循環モード、外気導入モードのどちらでもよい。
【0083】
ステップS70において、空調制御部44は、車両の外部を撮像した撮像画像から車両の周囲の天気を判断し、車両の周囲の天気が雨又は雪であるか否かを判断する。
【0084】
ステップS70において、空調制御部44は、車両の周囲の天気が雨又は雪であると判断した場合(ステップS70でYES)、処理はステップS80に進む。
【0085】
ステップS70において、空調制御部44は、車両の周囲の天気が雨又は雪でないと判断した場合(ステップS70でNO)、処理はステップS90に進む。
【0086】
ステップS80において、空調制御部44は、車両の乗員に空調装置50の設定を内気循環モードとするよう通知するデータをインターフェイス60に送信する、又は内気循環モードとなるよう空調装置50を作動させ、処理はステップS100に進む。
【0087】
ステップS90において、空調制御部44は、車両の乗員に空調装置50の設定を外気導入モードとするよう通知するデータをインターフェイス60に送信する、又は外気導入モードとなるよう空調装置50を作動させ、処理はステップS100に進む。
【0088】
ステップS100において、空調制御部44は、車両の乗員に室内の温度及び湿度を下げるよう通知する、又は車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度まで室内の温度及び湿度を下げるよう空調装置50を作動させ、処理を終了する。
【0089】
例えば、車両の乗員への通知として、空調制御部44は、車両のガラスの内側に曇りが発生する可能性があることを通知し、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度を通知するデータをインターフェイス60に送信する。そして、空調制御部44は、対処方法として、車両のガラスの内側に曇りが発生しないようにするための空調装置50の設定を通知し、室内の温度及び湿度を下げるよう通知するデータをインターフェイス60に出力する。
【0090】
空調装置50の設定の通知として、空調制御部44は、例えば、A/Cスイッチ51をONとし、設定温度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度とするよう通知するデータをインターフェイス60に出力する。
【0091】
例えば、車両の空調装置50の作動させるため、空調制御部44は、エアコンを作動させるよう指示する信号、風量を設定可能な風量の中央値に設定するよう指示する信号、ガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度を設定するよう指示する信号を空調装置50に送信する。
【0092】
[作用効果]
以上、説明したように、本実施形態によれば以下作用効果が得られる。
【0093】
ガラス防曇制御装置は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、車両の室内の温度及び湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知する。
【0094】
又は、ガラス防曇制御装置は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、車両の室内の温度及び湿度が車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう車両の空調装置50を作動させる。
【0095】
これにより、ガラス防曇制御装置は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、車両のガラスの内側に曇りが発生しない温度及び湿度を特定することができる。また、ガラス防曇制御装置は、車両の外部の温度と車両の室内の温度との温度差、車両の室内の湿度、車両の周囲の天気、及び、乗車人数に基づいて、車両の乗員に車両の室内の温度及び湿度を車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするための対処方法を通知することができる。車両の乗員は、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度とするよう対処することができ、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができる。
【0096】
また、ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度及び湿度が車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度となるよう車両の空調装置50を作動させることで、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができる。
【0097】
ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度未満である場合、車両の乗員に室内の温度を下げるよう通知する。
【0098】
又は、ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度未満である場合、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度まで室内の温度を下げるよう車両の空調装置50を作動させる。
【0099】
これにより、ガラス防曇制御装置は、車両の室内の湿度が高くなった場合、車両のガラスの内側に曇りが発生する可能性が高くなると判断することができ、車両の乗員に室内の温度を下げるよう通知することができる。そして、車両の乗員は、室内の温度を下げることで、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができる。
【0100】
また、ガラス防曇制御装置は、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度まで室内の温度を下げるよう車両の空調装置50を作動させることで、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができる。
【0101】
ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度以上である場合、車両の乗員に室内の温度及び湿度を下げるよう通知する。
【0102】
又は、ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度以上である場合、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度まで室内の温度及び湿度を下げるよう車両の空調装置50を作動させる。
【0103】
これにより、ガラス防曇制御装置は、車両のガラス内側に曇りが発生する可能性が高くなっていると判断し、車両の乗員に室内の温度及び湿度を下げるよう通知することができる。そして、車両の乗員は、室内の温度及び湿度を下げることで、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができる。
【0104】
また、ガラス防曇制御装置は、ガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度まで室内の温度及び湿度を下げるよう車両の空調装置50を作動させることで、車両のガラスの内側に発生する曇りを未然に防止することができる。
【0105】
ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度以上である場合、車両の周囲の天気が雨又は雪であるか否かを判断する。ガラス防曇制御装置は、車両の周囲の天気が雨又は雪であると判断した場合、空調装置50の設定を内気循環モードとするよう通知する、又は内気循環モードとなるよう空調装置50を作動させる。
【0106】
車両の周囲の天気が雨又は雪の時に外気導入モードとなっている場合、車外の湿度の高い空気が室内に導入されることで室内の湿度が高くなる可能性がある。そのため、ガラス防曇制御装置は、車両の周囲の天気が雨又は雪であると判断した場合、空調装置50を内気循環モードとするよう車両の乗員に通知する、又は内気循環モードとなるよう空調装置50を作動させる。これにより、車両のガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度まで室内の温度及び湿度をより効率的に下げることができる。
【0107】
ガラス防曇制御装置は、車両の室内の温度が車両の外部の温度よりも所定温度以上高く、車両の室内の湿度が所定湿度以上である場合、車両の周囲の天気が雨又は雪であるか否かを判断する。ガラス防曇制御装置は、車両の周囲の天気が雨又は雪でないと判断した場合、空調装置50の設定を外気導入モードとするよう通知する、又は外気導入モードとなるよう空調装置50を作動させる。
【0108】
車両の周囲の天気が雨又は雪でないと判断された場合、外気導入モードを選択することで、車両の室内の空気よりも湿度の低い空気を導入できる可能性が高い。そのため、ガラス防曇制御装置は、車両の周囲の天気が雨又は雪でない判断した場合、空調装置50を外気導入モードとするよう車両の乗員に通知する、又は外気導入モードとなるよう空調装置50を作動させる。これにより、ガラスの内側に曇りが発生しない室内の温度及び湿度まで室内の温度及び湿度をより効率的に下げることができる。
【0109】
ガラス防曇制御装置は、車両の乗車人数に基づいて、所定湿度を変化させる。車内の湿度は、人体の呼気及び発汗により上昇する。そのため、乗車人数が多いほど車内の湿度が高くなる速度は速くなる。即ち、ガラス防曇制御装置は、乗車人数に基づいて、所定湿度を変化させることにより、ガラスの内側に曇りが発生する可能性をより精度良く判断することができる。
【0110】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0111】
10 温度測定部
20 湿度測定部
30 撮像部
40 制御部
50 空調装置
図1
図2
図3