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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172571
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】液剤タンクおよび洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078470
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 拓馬
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA11
3B166AE01
3B166BA12
3B166BA48
3B166CA01
3B166CA02
3B166CA11
3B166CA18
3B166FA01
3B166FA06
3B166FA12
3B166FB01
(57)【要約】
【課題】タンク本体に対して取り付けやすく、かつ意図せず外れることのない取っ手を有する液剤タンク、およびそれを備えた洗濯機を提供する。
【解決手段】洗剤タンク20は、係合突起2011を有するタンク本体201と、係合穴2031を有し、係合穴2031に係合突起2011を挿通させることでタンク本体201に対して回動可能に取り付けられる取っ手203とを備えている。取っ手203は、洗剤タンク20の洗濯機への装着時の位置であって、取っ手203を横に通した状態を第1位置とし、取っ手203をタンク本体201の上方に立てた状態を第2位置とするとき、第1位置と第2位置との間の回動範囲を利用回動範囲とする。係合穴2031は、取っ手203がタンク本体201に対して特定の回動位置となる向きにおいてのみ係合突起2011の抜き差しが可能であり、その特定の回動位置は取っ手203の利用回動範囲の外にある。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液剤の自動投入機能を有する洗濯機に用いられ、前記洗濯機に対して着脱可能な液剤タンクであって、
係合突起を有するタンク本体と、
係合穴を有し、前記係合穴に前記係合突起を挿通させることで前記タンク本体に対して回動可能に取り付けられる取っ手とを備えており、
前記取っ手は、当該液剤タンクの前記洗濯機への装着時の位置であって、前記取っ手を横に倒した状態を第1位置とし、前記取っ手を前記タンク本体の上方に立てた状態を第2位置とするとき、前記第1位置と前記第2位置との間の回動範囲を利用回動範囲とするものであり、
前記係合穴は、前記取っ手が前記タンク本体に対して特定の回動位置となる向きにおいてのみ、前記係合突起の抜き差しが可能であり、
前記特定の回動位置は、前記利用回動範囲の外にあることを特徴とする液剤タンク。
【請求項2】
請求項1に記載の液剤タンクであって、
前記取っ手の回動範囲を規制する回動規制部を有しており、
前記特定の回動位置は、前記回動規制部によって規制される回動範囲の外にあることを特徴とする液剤タンク。
【請求項3】
請求項2に記載の液剤タンクであって、
前記回動規制部が前記タンク本体に設けられていることを特徴とする液剤タンク。
【請求項4】
請求項2に記載の液剤タンクであって、
前記タンク本体に対して着脱可能なタンク蓋を有しており、
前記回動規制部が前記タンク蓋に設けられていることを特徴とする液剤タンク。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の液剤タンクを着脱自在に備えることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液剤の自動投入機能を有する洗濯機に用いられる液剤タンク、および液剤タンクを備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、洗濯機においては、液体洗剤や柔軟剤などの液剤を洗濯槽へ自動投入するものが広まっている。このような洗濯機では、着脱自在な液剤タンクを設けたものが提案されており、液剤タンクには、予め液剤を収容しておくことで、洗濯時には、ユーザの手を煩わせることなく、液剤が自動投入される。液剤タンクについては、ユーザが液剤を充填したり、清掃したりする際の作業性を考慮すると、洗濯機本体から取り外しできる構造であることが好ましい(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-80918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液剤タンクを洗濯機本体から取り外し可能とする場合、液剤タンクには取っ手が設けられることが好ましい。また、液剤タンクの取っ手は、液剤タンクの洗濯機装着時に邪魔とならないよう、タンク本体に対して回動可能に取り付けられていることが好ましい。この場合、取っ手はタンク本体とは別部材となるため、タンク本体に対して取り付けやすい構造であることが好ましいが、取り付けた後に取っ手がタンク本体から意図せず外れる恐れがあり、取っ手を持っての液剤タンクの持ち運びが安定して行えないとの問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、タンク本体に対して取り付けやすく、かつ意図せず外れることのない取っ手を有する液剤タンク、およびそれを備えた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様である液剤タンクは、液剤の自動投入機能を有する洗濯機に用いられ、前記洗濯機に対して着脱可能な液剤タンクであって、係合突起を有するタンク本体と、係合穴を有し、前記係合穴に前記係合突起を挿通させることで前記タンク本体に対して回動可能に取り付けられる取っ手とを備えており、前記取っ手は、当該液剤タンクの前記洗濯機への装着時の位置であって、前記取っ手を横に倒した状態を第1位置とし、前記取っ手を前記タンク本体の上方に立てた状態を第2位置とするとき、前記第1位置と前記第2位置との間の回動範囲を利用回動範囲とするものであり、前記係合穴は、前記取っ手が前記タンク本体に対して特定の回動位置となる向きにおいてのみ、前記係合突起の抜き差しが可能であり、前記特定の回動位置は、前記利用回動範囲の外にあることを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、タンク本体に対する取っ手の取り付けは、タンク本体の係合突起を取っ手の係合穴に挿通させるといった簡易な手順で行える。また、前記係合穴に対する係合突起の抜き差しは、取っ手がタンク本体に対して特定の回動位置となる向きにおいてのみ可能であり、その特定の回動位置は取っ手の利用回動範囲の外にある。このため、ユーザによる液剤タンクの通常使用において、取っ手は利用回動範囲外に回動されることはないと想定され、取っ手がタンク本体から意図せず外れることを防止できる。
【0008】
また、上記液剤タンクは、前記取っ手の回動範囲を規制する回動規制部を有しており、前記特定の回動位置は、前記回動規制部によって規制される回動範囲の外にある構成とすることができる。
【0009】
上記の構成によれば、回動規制部による取っ手の回動範囲の規制により、取っ手がタンク本体から意図せず外れることをより確実に防止できる。
【0010】
また、上記液剤タンクは、前記回動規制部が前記タンク本体に設けられている構成とすることができる。
【0011】
上記の構成によれば、取っ手がタンク本体から意図せず外れることを常に防止することができる。
【0012】
また、上記液剤タンクは、前記タンク本体に対して着脱可能なタンク蓋を有しており、前記回動規制部が前記タンク蓋に設けられている構成とすることができる。
【0013】
上記の構成によれば、タンク本体への取っ手の取り付けをタンク蓋が装着されていない状態で行えば、回動規制部が邪魔にならずにタンク本体への取っ手の取り付けが簡単に行える。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、本発明の第2の態様である洗濯機は、上記記載の液剤タンクを着脱自在に備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の液剤タンクおよび洗濯機は、タンク本体に対する取っ手の取り付けを、取っ手がタンク本体に対して特定の回動位置となる向きにおいてのみ可能とし、その特定の回動位置を取っ手の利用回動範囲の外とすることで、取っ手がタンク本体から意図せず外れることを防止できるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】洗濯機の上部付近の構成を示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る洗剤タンクの斜視図である。
図3】洗剤タンクにおけるタンク本体の側面図である。
図4】洗剤タンクにおける取っ手の側面図である。
図5】取っ手が第1位置にある状態の洗剤タンクの側面図である。
図6】取っ手が第2位置にある状態の洗剤タンクの側面図である。
図7】実施の形態2に係る洗剤タンクの斜視図である。
図8】取っ手が第1位置にある状態の洗剤タンクの側面図である。
図9】取っ手が第2位置にある状態の洗剤タンクの側面図である。
図10】取っ手の係合穴とタンク本体の係合突起の係止部とが同じ向きにある状態の洗剤タンクの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態1に係る洗濯機(以下、本洗濯機)の上部付近の構成を示す斜視図である。尚、本洗濯機の外部筐体は、図1に示される上面板10と下部筐体とに分割されて構成されている。下部筐体には内部に洗濯槽などが配置されるが、この部分は公知の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0018】
上面板10には、本洗濯機の上面を覆う(すなわち、洗濯物投入口を覆う)上蓋11が設けられている。上蓋11は、後端側(洗濯機背面側)でヒンジ軸を介して上面板10と接続されており、上蓋11の前端側を上下方向に回動させるようにして開閉可能となっている。
【0019】
上蓋11の後方にはパネルカバー12が設けられており、パネルカバー12を開くことで、液剤タンクである洗剤タンク20および柔軟剤タンク21の上面が露出するようになっている。すなわち、パネルカバー12は、本洗濯機における液剤タンクの収納領域(タンク収納領域)を開閉可能に覆うものである。パネルカバー12は、上蓋11と同様に、後端側でヒンジ軸を介して上面板10と接続されており、パネルカバー12の前端側を上下方向に回動させるようにして開閉可能となっている。洗剤タンク20および柔軟剤タンク21は、パネルカバー12を開いた状態で本洗濯機に対して着脱可能とされており、本洗濯機から外した状態で液剤の補充が可能とされている。
【0020】
図2は、本実施の形態1に係る洗剤タンク20の斜視図である。尚、柔軟剤タンク21の形状も、洗剤タンク20の形状とほぼ同じ(この例では、略左右対称)である。さらに、以下に説明する洗剤タンク20の構造は柔軟剤タンク21においても同様に適用されるものであり、この構造による効果も柔軟剤タンク21において同様に得られる。したがって、以下では、本発明の液剤タンクの特徴を、洗剤タンク20を例示して説明する。
【0021】
図2に示すように、洗剤タンク20は、タンク本体201、タンク蓋202および取っ手203によって構成されている。洗剤タンク20を本洗濯機から取り外して洗浄する場合は、タンク本体201の上面を覆うタンク蓋202を外して洗浄することが好適である。また、洗剤タンク20を本洗濯機から取り外して液体洗剤の補充を行う場合は、タンク本体201の上面を覆うタンク蓋202を外して補充作業を行うこともできる。
【0022】
また、タンク蓋202(すなわち、洗剤タンク20の上面)には、小窓となる開口が設けられ、小窓を開閉可能に覆う窓カバー202aも設けられている。洗剤タンク20は、窓カバー202aを開くことで、タンク本体201からタンク蓋202を外すことなく、タンク蓋202の小窓から液体洗剤を補充することもできる。窓カバー202aを閉じれば、洗剤タンク20内の液体洗剤の揮発が防止される。
【0023】
取っ手203は、タンク本体201とは別部材として設けられるものであり、かつ、タンク本体201に対して回動可能に取り付けられる。すなわち、取っ手203は、ユーザが洗剤タンク20を持ち運びするときは、タンク本体201の上方に立つように回動させて、ユーザが取っ手203を持ちやすいようにすることができる。一方、洗剤タンク20を本洗濯機に装着しているときは、取っ手203を横に倒すように回動させ(図2に示す状態)、パネルカバー12を閉める際に取っ手203が邪魔にならないようにすることができる。尚、取っ手203は、タンク本体201への取り付けが容易に行えるように、比較的柔らかい(弾性変形域の大きい)樹脂で形成されている。
【0024】
続いて、タンク本体201に対する取っ手203の取付構造について図3ないし図6を参照して説明する。図3はタンク本体201の側面図である。図4は取っ手203の側面図である。図5および図6は洗剤タンク20の側面図であり、図5は取っ手203が第1位置にある状態、図6は取っ手203が第2位置にある状態を示している。
【0025】
タンク本体201の両側面には、図3に示すように、取っ手203を取り付けるための係合突起2011が設けられている。一方、取っ手203の両端部には、図4に示すように、係合穴2031が設けられている。
【0026】
係合突起2011は、円柱形状の軸部2011Aと長円(互いに直交する短径および長径を有する形状:楕円を含む)柱形状の係止部2011Bとから構成されており、軸部2011Aの中心軸と係止部2011Bの中心軸とが同一直線上に配置されている。また、軸部2011Aおよび係止部2011Bは、軸部2011Aが内側(タンク本体201の側面に近い側)に配置され、係止部2011Bが外側(タンク本体201の側面から遠い側)に配置されている。さらには、係止部2011Bの長径は軸部2011Aの直径よりも大きい寸法とされており、係止部2011Bの短径は軸部2011Aの直径よりも小さい寸法とされている。尚、係合突起2011の形状は上記の形状に限らず、例えば、係止部2011Bの周囲の少なくとも1箇所が軸部2011Aの直径よりも大きく、その他の箇所が軸部2011Aの直径以下とする形状を含む。
【0027】
係合穴2031は、円と長円(互いに直交する短径および長径を有する形状:楕円を含む)とを、それぞれの中心が一致するように重ね合わせた形状をしている。係合穴2031における長円は、その長径および短径が、係合突起2011の係止部2011Bにおける長径および短径とほぼ等しくされるが、係合穴2031に対して係止部2011Bを挿通しやすくなるように、ある程度のマージンを有していることが好ましい。同様に、係合穴2031における円は、その直径が、係合突起2011の軸部2011Aにおける直径とほぼ等しくされるが、取っ手203が軸部2011A周りでスムーズに回動できるように、ある程度のマージンを有していることが好ましい。尚、係合穴2031の長円における短径は係合穴2031の円における径よりも小さい寸法であるため、係合穴2031の外縁部に長円の短径寸法は現れない。言い換えれば、係合穴2031においては、長円の直径と直交する径の寸法は円の直径となっている。尚、係合穴2031の形状は上記の形状に限らず、例えば、係合穴2031の周縁における少なくとも1箇所が、その他の箇所となる円弧形状の周縁から凹んでいる形状を含む。
【0028】
タンク本体201に取っ手203を取り付けるには、取っ手203の係合穴2031にタンク本体201の係合突起2011を挿通させる。但し、係合穴2031への係合突起2011の抜き差しは、取っ手203がタンク本体201に対して特定の回動位置となる向きにおいてのみ可能である。具体的には、係止部2011Bおよび係合穴2031における向き(長径の向き)を一致させた状態でのみ、係合穴2031に対して係合突起2011の抜き差しが可能となる。
【0029】
このため、タンク本体201への取っ手203の取り付けは、取っ手203をタンク本体201に対して特定の回動位置となるようにして係止部2011Bおよび係合穴2031の向きを一致させ、取っ手203の係合穴2031を係合突起2011の軸部2011Aまで差し込む。係合穴2031が軸部2011Aまで差し込まれると、取っ手203が軸部2011A周りで回動可能となる。取っ手203を回動させることで、図5に示すように、係止部2011Bおよび係合穴2031における向きが不一致となれば、取っ手203はタンク本体201から外れなくなる。
【0030】
このように、タンク本体201に対する取っ手203の取付構造は、タンク本体201および取っ手203以外の他の部材を必要としない簡易な構造となっている。また、タンク本体201に対する取っ手203の取付方法も、タンク本体201の係合突起2011に取っ手203の係合穴2031を差し込んでから、取っ手203を回動させるといった簡易な手順で行える。
【0031】
取っ手203はタンク本体201に対して回動可能であるが、その回動範囲はタンク本体201に設けられた回動規制突起(回動規制部)2012によって所定の範囲に規制される。尚、回動規制突起2012は、洗剤タンク20の両側面において設けられることが好ましいが、洗剤タンク20の片方の側面において設けられるものであってもよい。
【0032】
回動規制突起2012は、係合突起2011に近接して配置されており、取っ手203と当接することで取っ手203の回動範囲を規制するものとなっている。具体的には、取っ手203は図5に示す第1位置と図6に示す第2位置との間で回動可能となっており、取っ手203は、第1位置および第2位置の両方で回動規制突起2012に当接することにより回動範囲が規制される。
【0033】
尚、取っ手203は、係合穴2031に対して取っ手本体(ユーザが掴む箇所)と反対側に当接部2032(図4図5および図6参照)を有し、第1位置および第2位置の少なくとも一方で当接部2032を回動規制突起2012に当接させてもよい。本例では、第1位置において当接部2032が回動規制突起2012に当接している。
【0034】
第1位置にある取っ手203は、第2位置に向かう方向(図5における矢印A方向)への回動のみが許容され、逆方向への回動は制限される。第2位置にある取っ手203は、第1位置に向かう方向(図6における矢印B方向)への回動のみが許容され、逆方向への回動は制限される。また、取っ手203は、第1位置と第2位置との間の回動範囲内において、取っ手203を横に倒した状態と、取っ手203をタンク本体201の上方に立てた状態との2つの状態を取りうる。
【0035】
さらに、洗剤タンク20では、取っ手203の回動範囲内において、係止部2011Bおよび係合穴2031における向きが一致しない、つまり、特定の回動位置を含まない構成とされている。すなわち、取っ手203の回動範囲内において、取っ手203がタンク本体201から外れる位置にはない。これにより、本洗濯機において洗剤タンク20を着脱する場合や、洗剤タンク20を持ち運びする場合などで、ユーザが取っ手203を持って動かしても取っ手203がタンク本体201から意図せず外れることはない。したがって、ユーザが安定して取っ手203を持って、洗剤タンク20を持ち運びできるようになる。
【0036】
また、本実施の形態1では、回動規制突起2012はタンク本体201に設けられているため、タンク本体201にタンク蓋202が装着されていない場合でも取っ手203の回動範囲を規制することができ、取っ手203がタンク本体201から意図せず外れることを常に防止することができる。
【0037】
尚、取っ手203をタンク本体201に取り付ける際には、取っ手203の弾性変形を利用し、取っ手203の回動範囲外の状態から取っ手203を少しひねりながら係合突起2011に係合穴2031を嵌め込むようにすればよい。
【0038】
〔実施の形態2〕
図7は、本実施の形態2に係る洗剤タンク20の斜視図である。図8および図9は洗剤タンク20の側面図であり、図8は取っ手203が第1位置にある状態、図9は取っ手203が第2位置にある状態を示している。尚、本実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成について同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0039】
上記実施の形態1では、タンク本体201に設けた回動規制突起2012によって取っ手203の回動範囲を規制する構成としていた。これに対し、本実施の形態2では、図7ないし図9に示すように、タンク蓋202に回動規制突起(回動規制部)2021を設け、回動規制突起2021によって取っ手203の回動範囲を規制するものとなっている。
【0040】
回動規制突起2021は、実施の形態1における回動規制突起2012と同様、係合突起2011に近接して配置されており、取っ手203と当接することで取っ手203の回動範囲を規制する。すなわち、取っ手203は回動規制突起2021との当接により、図8に示す第1位置と図9に示す第2位置との間が回動範囲なる。
【0041】
本実施の形態2においても、取っ手203の回動範囲内(第1位置と第2位置との間)において、係止部2011Bおよび係合穴2031における向きは一致せず、回動範囲内において取っ手203がタンク本体201から意図せず外れることはない。これにより、ユーザが安定して取っ手203を持って、洗剤タンク20を持ち運びできるようになる。
【0042】
本実施の形態2においては、回動規制突起2021によって取っ手203の回動範囲が規制されるのは、タンク本体201にタンク蓋202が装着されている場合のみである。すなわち、タンク本体201にタンク蓋202が装着されていない場合は、取っ手203の回動範囲を広げることができる。このため、タンク本体201への取っ手203の取り付けは、タンク蓋202が装着されていない状態で行えばよい。この場合、図10に示すように、(回動規制突起2012が邪魔にならずに)係止部2011Bおよび係合穴2031の向きを一致させることが容易となり、タンク本体201への取っ手203の取り付けが簡単に行える。
【0043】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0044】
例えば、上記実施の形態1および2では、取っ手203を第1位置および第2位置の両方で同じ回動規制部(回動規制突起2012または2021)に当接させる構成となっている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、取っ手203は、第1位置および第2位置のそれぞれで異なる回動規制部に当接して回動が規制される構成であってもよい。
【0045】
また、上記実施の形態1および2では、回動規制部によって取っ手203の回動範囲を規制し、規制された回動範囲内で取っ手203がタンク本体201から外れない(係止部2011Bおよび係合穴2031における向きが一致しない)構成としている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、洗剤タンク20は、回動規制部による取っ手203の回動範囲の規制を受けない構成であってもよい。具体的には、取っ手203の回動範囲を規制する代わりに、取っ手203において利用回動範囲を想定し、想定される利用回動範囲内で取っ手203がタンク本体201から外れない構成としてもよい。
【0046】
例えば、洗剤タンク20の本洗濯機への装着時、取っ手203を横に通した状態を第1位置とし、洗剤タンク20の持ち運び時、取っ手203を上方に立てた状態を第2位置とすれば、第1位置と第2位置との間の約90°の範囲を利用回動範囲と想定することができる。すなわち、ユーザによる洗剤タンク20の通常使用において、取っ手203は利用回動範囲外に回動されることはないと想定される。このため、想定される利用回動範囲内で取っ手203がタンク本体201から外れない構成とすれば、取っ手203がタンク本体201から意図せず外れることを防止できる。尚、上記実施の形態1および2における洗剤タンク20では、回動規制部によって規制される回動範囲の中に、取っ手203の利用回動範囲が含まれることになる。
【符号の説明】
【0047】
10 上面板
11 上蓋
12 パネルカバー
20 洗剤タンク(液剤タンク)
21 柔軟剤タンク(液剤タンク)
201 タンク本体
2011 係合突起
2011A 軸部
2011B 係止部
2012 回動規制突起(回動規制部)
202 タンク蓋
2021 回動規制突起(回動規制部)
203 取っ手
2031 係合穴
2032 当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10