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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172577
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】表示モジュール
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20221110BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20221110BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G02F1/1333
H04N5/64 541Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078487
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】米谷 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】岩田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】黒田 大輔
【テーマコード(参考)】
2H189
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA86
2H189HA04
5G435AA07
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE04
5G435EE05
5G435GG44
(57)【要約】
【課題】上フレームまたは横フレームが変形した際に表示パネルに悪影響を及ぼすことを防止する。
【解決手段】上フレーム(41)は、両面テープ(13)によってバックシャーシ(6)に固定されると共に、表示パネル(2)の上側周縁部から離間している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
表示パネルの背後に配置され、第1締結材によって前記表示パネルに固定される背面部材と、
前記背面部材の背後に配置されるバックシャーシと、
前記表示パネルの周縁部の背後に配置される支持フレームであって、第2締結材によって前記バックシャーシに固定され、前記周縁部から離間している上フレームまたは横フレームである部分フレームを有する支持フレームとを備えていることを特徴とする表示モジュール。
【請求項2】
前記表示パネルは、自発光型の表示パネルであり、
前記背面部材は、放熱板であることを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記表示パネルは、自発光型の表示パネルであり、
前記背面部材および前記バックシャーシが一体的な構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記部分フレームは、前記表示パネルの端部を覆う部分を有しており、
前記表示パネルの前記端部に対向する前記上フレームの第1端部と、前記表示パネルの前記端部との第1距離は、前記バックシャーシの端部に対向する前記上フレームの第2端部と、前記バックシャーシの前記端部との第2距離よりも大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記部分フレームは、前記表示パネルの端部を覆う部分を有しており、
前記表示パネルの前記端部に対向する前記部分フレームの第1端部と、前記表示パネルの前記端部との第1距離は、前記背面部材の端部に対向する前記部分フレームの第3端部と、前記背面部材の前記端部との第3距離よりも大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記部分フレームは、前記部分フレームにおける前記周縁部に対向する位置に形成される凹部を有していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、
前記背面部材は、光学部材であることを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置では、表示パネルを保護するために、表示パネルの周囲を覆う支持フレームを採用することが一般的になっている。特に、有機ELパネルや液晶表示パネルなどの薄型の表示パネルは破損し易いため、支持フレームの採用は必須であると言って良い。支持フレームを備えた表示装置の一例として、特許文献1に、支持フレームを構成する右フレームと、表示パネルの周縁部とを、第1両面テープによって接合している画像表示装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2020/017210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像表示装置では、支持フレームが画像表示装置の内部に押し込まれる方向に変形すると、その際に発生する力が第1両面テープを通じて表示パネルに伝達されるので、表示パネルに応力がかかる。この応力によって、画像品位の劣化など何らかの悪影響が表示パネルに生じる問題が生ずる。
【0005】
本発明は前記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、上フレームまたは横フレームが変形した際に表示パネルに悪影響を及ぼすことを防止できる表示モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る表示モジュールは、前記の課題を解決するために、表示パネルと、表示パネルの背後に配置され、第1締結材によって前記表示パネルに固定される背面部材と、前記背面部材の背後に配置されるバックシャーシと、前記表示パネルの周縁部の背後に配置される支持フレームであって、第2締結材によって前記バックシャーシに固定され、前記周縁部から離間している上フレームまたは横フレームである部分フレームを有する支持フレームとを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、上フレームまたは横フレームが変形した際に表示パネルに悪影響を及ぼすことを防止できる表示モジュールを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る表示モジュールの前面を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る表示モジュールの背面を示す図である。
図3】表示モジュールの内部を示す図である。
図4】表示モジュールにおける上フレームの近辺の断面を示す断面図である。
図5】表示モジュールにおける左フレームの近辺の断面を示す断面図である。
図6】表示モジュールにおける右フレームの近辺の断面を示す断面図である。
図7】表示モジュールの利点を説明する図である。
図8】本発明の実施形態2に係る表示モジュールにおける上フレームの近辺の断面を示す断面図である。
図9】表示モジュールの利点を説明する図である。
図10】本発明の実施形態3に係る表示モジュールにおける上フレームの近辺の断面を示す断面図である。
図11】本発明の実施形態4に係る表示モジュールにおける上フレームの近辺の断面を示す断面図である。
図12】本発明の実施形態5に係る表示モジュールにおける上フレームの近辺の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係る表示モジュール1の前面を示す図である。図2は、本発明の実施形態1に係る表示モジュール1の背面を示す図である。これらの図に示すように、表示モジュール1は、表示パネル2、支持フレーム4、およびバックシャーシ6を備えている。
【0010】
表示パネル2は、静止画、テキスト、および動画などの各種の情報を表示する部品である。本実施形態では、表示パネル2は、自発光型の表示パネル2であり、例えば有機EL(Electro Luminescence)素子を有する有機ELパネルである。バックシャーシ6は、表示モジュール1の背面を保護するための保護構造物である。バックシャーシ6は、表示パネル2の背後に配置されている。支持フレーム4は、表示モジュール1の周縁部を支持するための支持構造物である。支持フレーム4は、表示パネル2の周縁部の背後に配置されている。
【0011】
図3は、表示モジュール1の内部を示す図である。この図には、表示パネル2を外した状態の表示モジュール1の前面を示している。図3に示すように、表示モジュール1は、表示モジュール1の内部に配置される放熱板8(背面部材)をさらに備えている。放熱板8は、表示パネル2の背後に配置され、かつバックシャーシ6の前方に配置されている。言い換えると、バックシャーシ6は、放熱板8の背後に配置されている。放熱板8は、金属などの熱伝導性の高い材料によって構成されており、表示パネル2において発生する熱を表示パネル2から取り除いて表示モジュール1の外部に放出する役割を有する。
【0012】
図3に示すように、支持フレーム4は、上フレーム41(部分フレーム)、左フレーム42(横フレーム、部分フレーム)、右フレーム43(横フレーム、部分フレーム)、および下フレーム44を有する。上フレーム41は、表示モジュール1の上端周縁部(周縁部)に相当する位置に配置される。左フレーム42は、表示モジュール1の左端周縁部(周縁部)に相当する位置に配置される。右フレーム43は、表示モジュール1の右端周縁部(周縁部)に相当する位置に配置される。下フレーム44は、表示モジュール1の下端周縁部に相当する位置に配置される。
【0013】
図4は、表示モジュール1における上フレーム41の近辺の断面を示す断面図である。図4における左側が、表示モジュール1の前方側に相当し、図4における右側が、表示モジュール1の背後側に相当する。この図に示すように、表示パネル2の背面における放熱板8に対向する箇所は、両面テープ11(第1締結材)によって放熱板8の前面に固定されている。両面テープ11は、熱伝導性が高い材料で構成されており、表示パネル2において発生した熱を放熱板8に効率よく伝える。両面テープ12(第2締結材)は、両面テープ11と同様に熱伝導性が高い材料によって構成されており、表示パネル2から放熱板8に伝わった熱をバックシャーシ6に効率よく伝える。
【0014】
表示パネル2の上端部は、表示モジュール1の外部に露出している。言い換えると、上フレーム41は、表示パネル2の上端部を覆う部分を有していない。上フレーム41の前面は、表示パネル2における上側周縁部の背面と接続されていない。すなわち、上フレーム41の前面は、表示パネル2における上側周縁部の背面から離間している。言い換えると、上フレーム41の前面と表示パネル2の上側周縁部の背面との間には、一定の空間がある。一方、上フレーム41の背面は、両面テープ13によってバックシャーシ6の前面に固定されている。
【0015】
バックシャーシ6の上端部31に対向する上フレーム41の下端部21は、バックシャーシ6の上端部31から離間している。また、放熱板8の上端部32に対向する上フレーム41の下端部22は、放熱板8の上端部32から離間している。図4の例では、下端部21と上端部31との距離は、下端部22と上端部32との距離よりも小さい。
【0016】
図5は、表示モジュール1における左フレーム42の近辺の断面を示す断面図である。図5における下側が、表示モジュール1の前方側に相当し、図5における上側が、表示モジュール1の背後側に相当する。この図に示すように、左フレーム42の前面は、表示パネル2における左側周縁部と接続されていない。すなわち、左フレーム42の前面は、表示パネル2における左側周縁部から離間している。言い換えると、左フレーム42の前面と表示パネル2の左側周縁部との間には、一定の空間が存在している。一方、左フレーム42の背面は、両面テープ13によってバックシャーシ6の前面に固定されている。
【0017】
図6は、表示モジュール1における右フレーム43の近辺の断面を示す断面図である。図6における下側が、表示モジュール1の前方側に相当し、図6における上側が、表示モジュール1の背後側に相当する。この図に示すように、右フレーム43の前面は、表示パネル2における右側周縁部と接続されていない。すなわち、右フレーム43の前面は、表示パネル2における右側周縁部から離間している。言い換えると、右フレーム43の前面と表示パネル2の右側周縁部との間には、一定の空間が存在している。一方、右フレーム43の背面は、両面テープ13によってバックシャーシ6の前面に固定されている。
【0018】
(表示モジュール1の利点)
図7は、表示モジュール1の利点を説明する図である。表示モジュール1のユーザが、上フレーム41を表示モジュール1の下方に向けて押したとする。これにより、上フレーム41は表示モジュール1の下方に向かって変形する。その際、バックシャーシ6は両面テープ12を介して上フレーム41に固定されているので、上フレーム41の変形によって生じる力が両面テープ12を通じてバックシャーシ6に伝わり、バックシャーシ6に応力がかかる。一方、表示パネル2は上フレーム41から離間しているので、上フレーム41が変形したとしても表示パネル2に応力は発生しない。これにより、上フレーム41が変形した際に表示パネル2に悪影響を及ぼすことを、防止することができる。
【0019】
図示は省略するが、表示モジュール1のユーザが、左フレーム42を表示モジュール1の右側に向けて押したとする。これにより、左フレーム42は表示モジュール1の右側に向かって変形する。その際、バックシャーシ6は両面テープ12を介して左フレーム42に固定されているので、左フレーム42の変形によって生じる力が両面テープ12を通じてバックシャーシ6に伝わり、バックシャーシ6に応力がかかる。一方、表示パネル2は左フレーム42から離間しているので、左フレーム42が変形したとしても表示パネル2に応力は発生しない。これにより、左フレーム42が変形した際に表示パネル2に悪影響を及ぼすことを、防止することができる。
【0020】
図示は省略するが、表示モジュール1のユーザが、右フレーム43を表示モジュール1の左側に向けて押したとする。これにより、右フレーム43は表示モジュール1の左側に向かって変形する。その際、バックシャーシ6は両面テープ12を介して右フレーム43に固定されているので、右フレーム43の変形によって生じる力が両面テープ12を通じてバックシャーシ6に伝わり、バックシャーシ6に応力がかかる。一方、表示パネル2は右フレーム43から離間しているので、右フレーム43が変形したとしても表示パネル2に応力は発生しない。これにより、右フレーム43が変形した際に表示パネル2に悪影響を及ぼすことを、防止することができる。
【0021】
以上のように、本実施形態によれば、上フレーム41、左フレーム42、または右フレーム43が変形した際に表示パネル2に悪影響を及ぼすことを防止できる表示モジュール1が提供される。
【0022】
下端部21と上端部31との距離が、下端部22と上端部32との距離よりも小さいため、上フレーム41が表示モジュール1の下方に変形した場合、下端部22が上端部32に接触するよりも前に、下端部21が上端部31に先に接触し、これ以上の上フレーム41の変形が防止される。これにより、上フレーム41が受ける応力を分散することができる。
【0023】
(変形例)
下端部21と上端部31との距離は、下端部22と上端部32との距離よりも大きくても良い。本例では、上フレーム41が表示モジュール1の下方に変形した場合、下端部21が上端部31に接触するよりも前に、下端部22が上端部32に先に接触し、これ以上の上フレーム41の変形が防止される。したがって、上フレーム41が受ける応力が分散することができる。
【0024】
あるいは、下端部21と上端部31との距離は、下端部22と上端部32との距離と同一であってもよい。本例では、上フレーム41が表示モジュール1の下方に変形した場合、下端部21が上端部31に接触するのと同時に、下端部22が上端部32に先に接触する。したがって、これ以上の上フレーム41の変形が防止されるので、上フレーム41が受ける応力が分散することができる。
【0025】
以上のように、下端部21と上端部31との距離は、下端部22と上端部32との距離と同一であっても良く、あるいは一方が他方よりも小さくても良い。
【0026】
〔実施形態2〕
図8は、本発明の実施形態2に係る表示モジュール1Aにおける上フレーム41Aの近辺の断面を示す断面図である。図8における左側が、表示モジュール1Aの前面側に相当し、図8における右側が、表示モジュール1Aの背後側に相当する。この図に示すように、表示モジュール1Aは、表示パネル2、支持フレーム4A、バックシャーシ6、および放熱板8を備えている。表示パネル2、バックシャーシ6、および放熱板8の構成は、実施形態1と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0027】
表示モジュール1Aは、支持フレーム4Aの構造が実施形態1の支持フレーム4の構造と異なる点において、表示モジュール1と相違する。具体的には、支持フレーム4Aの上フレーム41Aは、表示パネル2の上端部(端部)を覆う部分を有している。したがって、表示パネル2の上端部は、表示モジュール1の外部に露出せず、表示モジュール1の内部に隠れている。図示は省略するが、右フレーム43Aは、上フレーム41Aと同様に、表示パネル2の右端部を覆う構造を有している。さらに、左フレーム42Aは、上フレーム41Aと同様に、表示パネル2の左端部を覆う構造を有している。
【0028】
図8に示すように、表示パネル2の上端部33に対向する上フレーム41の下端部23(第1端部)は、表示パネル2の上端部33から離間している。図8の例では、下端部23と上端部33との距離(第1距離)は、下端部21(第2端部)と上端部31との距離(第2距離)よりも大きい。さらに、下端部23(第3端部)と上端部33との距離は、下端部22と上端部32との距離(第3距離)よりも大きい。
【0029】
図9は、表示モジュール1Aの利点を説明する図である。表示モジュール1Aのユーザが、上フレーム41Aを表示モジュール1の下方に押したとする。これにより、上フレーム41Aは下方に向かって変形する。その際、バックシャーシ6は両面テープ12を介して上フレーム41Aに固定されているので、上フレーム41Aの変形によって生じる力が両面テープ11を通じてバックシャーシ6に伝わり、バックシャーシ6に応力がかかる。一方、表示パネル2は上フレーム41Aから離間しているので、上フレーム41Aが変形したとしても表示パネル2に応力は発生しない。これにより、表示パネル2に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0030】
詳細な説明は省略するが、左フレーム42Aまたは右フレーム43Aが変形した際も、表示パネル2は左フレーム42Aおよび右フレーム43Aから離間しているので、表示パネル2に応力は発生しない。以上のように、本実施形態によれば、上フレーム41A、左フレーム42A、または右フレーム43Aが変形した際に表示パネル2に悪影響を及ぼすことを防止できる表示モジュール1Aが提供される。
【0031】
また、図9に示すように、下端部23と上端部33との距離が、下端部21と上端部31との距離よりも大きいため、上フレーム41Aは、表示パネル2の上端部33に接触する前に、バックシャーシ6の上端部31に接触する。これにより、これ以上の上フレーム41の変形が防止される。したがって、上フレーム41Aが上端部33に接触されずに済むため、上フレーム41が変形した際に表示パネル2の上端部33側が破損することを防止することができる。
【0032】
(変形例)
下端部23と上端部33との距離は、下端部21と上端部31との距離と、下端部22と上端部32との距離とのうち少なくともいずれかよりも大きければよい。すなわち、下端部23と上端部33との距離は、下端部21と上端部31との距離よりも小さく、かつ下端部22と上端部32との距離よりも大きくてもよい。あるいは、下端部23と上端部33との距離は、下端部21と上端部31との距離よりも大きく、かつ下端部22と上端部32との距離よりも小さくてもよい。いずれの場合も、上フレーム41Aが変形する際、上フレーム41Aは、表示パネル2の上端部33に接触するよりも前に、バックシャーシ6または放熱板8に接触し、上フレーム41Aはそれ以上変形されない。これにより、上フレーム41Aが表示パネル2の上端部33に接触せずに済むので、表示パネル2の上端部33側が破損することを防止することができる。
【0033】
〔実施形態3〕
図10は、本発明の実施形態3に係る表示モジュール1Bにおける上フレーム41の近辺の断面を示す断面図である。図10における左側が、表示モジュール1Bの前面側に相当し、図10における右側が、表示モジュール1Bの背後側に相当する。この図に示すように、表示モジュール1Bは、表示パネル2、支持フレーム4、およびバックシャーシ6Bを備えている。表示パネル2および支持フレーム4の構成は、実施形態1と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0034】
本実施形態に係る表示モジュール1Bでは、バックシャーシ6Bは、実施形態1のバックシャーシ6と放熱板8とが一体的になった構造を有する。バックシャーシ6Bは、実施形態1のバックシャーシ6に相当する部分と、実施形態1の放熱板8に相当する部分とを有する。したがって、バックシャーシ6Bの厚さは、バックシャーシ6の厚さよりも大きい。バックシャーシ6Bは、金属などの熱伝導性の高い材料によって構成されており、表示パネル2において発生する熱を表示パネル2から取り除いて表示モジュール1の外部に放出する役割を有する。すなわち、バックシャーシ6Bは、放熱板8の機能を兼ね備えている。
【0035】
図10に示すように、表示パネル2の背面におけるバックシャーシ6Bに対向する箇所は、両面テープ11によってバックシャーシ6Bの前面に固定されている。バックシャーシ6Bにおける表示パネル2に固定される箇所の厚さは、実施形態1の放熱板8における表示パネル2に固定される箇所の厚さよりも大きい。したがって、バックシャーシ6Bの放熱性能は、放熱板8の放熱性能よりも大きい。さらに、バックシャーシ6Bの厚さは、実施形態1のバックシャーシ6の厚さよりも大きいため、バックシャーシ6Bの強度はバックシャーシ6の強度よりも大きい。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、放熱効率がより高くかつ強度がよりより高い表示モジュール1Bが提供される。
【0037】
〔実施形態4〕
図11は、本発明の実施形態4に係る表示モジュール1Cにおける上フレーム41Cの近辺の断面を示す断面図である。図11における左側が、表示モジュール1Cの前面側に相当し、図11における右側が、表示モジュール1Cの背後側に相当する。この図に示すように、表示モジュール1Cは、表示パネル2、支持フレーム4C、バックシャーシ6、および放熱板8を備えている。表示パネル2、バックシャーシ6、および放熱板8の構成は、実施形態1と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0038】
表示モジュール1Cは、支持フレーム4Cの構造が実施形態1の支持フレーム4の構造と異なる点において、表示モジュール1と相違する。具体的には、支持フレーム4Cの上フレーム41Cは、上フレーム41Cにおける表示パネル2の上側周縁部に対向する位置に形成される凹部51を有する。図示は省略するが、左フレーム42Cは、表示パネル2の左側周縁部に対向する位置に形成される凹部51を有する。右フレーム43Cは、表示パネル2の右側周縁部に対向する位置に形成される凹部51を有する。
【0039】
表示モジュール1Cでは、上フレーム41Cに生じた力がバックシャーシ6または放熱板8によって充分に吸収しきれなかった場合、支持フレーム4Cが表示パネル2の側に倒れる可能性がある。その際、表示パネル2の上側周縁部が支持フレーム4Cの凹部に面しているため、仮に支持フレーム4Cが表示パネル2の側に倒れたとしても、表示パネル2の上側周縁部は上フレーム41Cの凹部51内に収まり、支持フレーム4Cに接触することがない。これにより、支持フレーム4Cが表示パネル2の側に倒れた際に表示パネル2の上側周縁部に応力がかかることを防止できるため、表示パネル2に悪影響を与えることを防止することができる。
【0040】
〔実施形態5〕
図12は、本発明の実施形態5に係る表示モジュール1Dにおける上フレーム41の近辺の断面を示す図である。表示モジュール1Dは、表示パネル2D、支持フレーム4、バックシャーシ6、および光学部材61(背面部材)を備えている。支持フレーム4およびバックシャーシ6の構成は、実施形態1と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0041】
表示パネル2Dは、液晶素子を有する液晶表示パネルである。したがって、表示パネル2Dを備える表示モジュール1Dは、いわゆる液晶表示モジュールである。光学部材61は、表示パネル2Dの背後に配置されており、表示パネル2Dの背面に光を照射するための部材である。光学部材61は、例えば、バックライト、導光板、拡散板、光学シート、またはレンズなどの任意の光学部材であればよい。表示パネル2Dの背面は、両面テープ11によって光学部材61の前面に固定されている。両面テープ11は、表示パネル2における情報表示に悪影響を与えない程度の屈折率および光拡散性能を有する材料によって構成されている。
【0042】
図12に示すように、上フレーム41の前面は、表示パネル2Dにおける上側周縁部の背面と接続されていない。すなわち、上フレーム41の前面は、表示パネル2Dにおける上側周縁部の背面から離間している。言い換えると、上フレーム41の前面と表示パネル2Dの上側周縁部の背面との間には、一定の空間がある。一方、上フレーム41の背面は、両面テープ13によってバックシャーシ6の前面に固定されている。このように、表示パネル2Dは上フレーム41から離間しているので、上フレーム41が変形したとしても表示パネル2Dに応力は発生しない。これにより、上フレーム41が変形した際に表示パネル2Dに悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0043】
図示は省略するが、左フレーム42の前面は、表示パネル2Dにおける左側周縁部の背面と接続されていない。すなわち、左フレーム42の前面は、表示パネル2Dにおける左側周縁部の背面から離間している。また、右フレーム43の前面は、表示パネル2Dにおける右側周縁部の背面と接続されていない。すなわち、右フレーム43の前面は、表示パネル2Dにおける右側周縁部の背面から離間している。したがって、詳細な説明は省略するが、左フレーム42または右フレーム43が変形した際も、表示パネル2Dは左フレーム42および右フレーム43から離間しているので、表示パネル2Dに応力は発生しない。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、上フレーム41、左フレーム42、または右フレーム43が変形した際に表示パネル2Dに悪影響を及ぼすことを防止できる表示モジュール1Dが提供される。
【0045】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示モジュールは、表示パネルと、表示パネルの背後に配置され、第1締結材によって前記表示パネルに固定される背面部材と、前記背面部材の背後に配置されるバックシャーシと、前記表示パネルの周縁部の背後に配置される支持フレームであって、第2締結材によって前記バックシャーシに固定され、前記周縁部から離間している上フレームまたは横フレームである部分フレームを有する支持フレームとを備えている構成である。
【0046】
本発明の態様2に係る表示モジュールは、前記の態様1において、前記表示パネルは、自発光型の表示パネルであり、前記背面部材は、放熱板である構成としてもよい。
【0047】
本発明の態様3に係る表示モジュールは、前記の態様1において、前記表示パネルは、自発光型の表示パネルであり、前記背面部材および前記バックシャーシが一体的な構造となっている構成としてもよい。
【0048】
本発明の態様4に係る表示モジュールは、前記の態様1~3のいずれかにおいて、前記部分フレームは、前記表示パネルの端部を覆う部分を有しており、前記表示パネルの前記端部に対向する前記上フレームの第1端部と、前記表示パネルの前記端部との第1距離は、前記バックシャーシの端部に対向する前記上フレームの第2端部と、前記バックシャーシの前記端部との第2距離よりも大きい構成としてもよい。
【0049】
本発明の態様5に係る表示モジュールは、前記の態様1~3のいずれかにおいて、前記部分フレームは、前記表示パネルの端部を覆う部分を有しており、前記表示パネルの前記端部に対向する前記部分フレームの第1端部と、前記表示パネルの前記端部との第1距離は、前記背面部材の端部に対向する前記部分フレームの第3端部と、前記背面部材の前記端部との第3距離よりも大きい構成としてもよい。
【0050】
本発明の態様6に係る表示モジュールは、前記の態様1~5のいずれかにおいて、前記部分フレームは、前記部分フレームにおける前記周縁部に対向する位置に形成される凹部を有している構成としてもよい。
【0051】
本発明の態様7に係る表示モジュールは、前記の態様1において、前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、前記背面部材は、光学部材である構成としてもよい。
【0052】
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることによって、新しい技術的特徴を形成することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1、1A、1B、1C、1D 表示モジュール
2、2D 表示パネル
4、4A、4C 支持フレーム
6、6B バックシャーシ
8 放熱板
11、12、13、14 両面テープ
21、22、23 下端部
31、32、33 上端部
41、41A、41C、41D 上フレーム
42、42A、42C、42D 左フレーム
43、43A、43C、43D 右フレーム
44 下フレーム
51 凹部
61 光学部材
図1
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