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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172579
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】エアカーテン装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 9/00 20060101AFI20221110BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20221110BHJP
   F24F 1/0007 20190101ALI20221110BHJP
   F04D 17/04 20060101ALI20221110BHJP
   F04D 25/16 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
F24F9/00 B
F24F13/20 205
F24F1/0007 321
F04D17/04 C
F04D25/16
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078492
(22)【出願日】2021-05-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】517363012
【氏名又は名称】株式会社アイフューチャー
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 崇裕
【テーマコード(参考)】
3H130
3L050
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB54
3H130AC11
3H130BA73A
3H130BA73Z
3H130BA95A
3H130BA95Z
3H130CA21
3H130DJ06Z
3H130EA07A
3L050BA01
(57)【要約】
【課題】導入障壁が比較的低く、且つレイアウトの変更に対して柔軟に対応可能なエアカーテン装置を提供すること。
【解決手段】エアカーテン装置1は、基台2と、基台に載置され、吹出口13と吸込口14とが穿設される円筒形状のケーシング3と、ケーシングに収容されるクロスフローファン20と、クロスフローファンを回転駆動するためのファンモータとを具備する。ケーシングは、吹出口を有する半割り円筒形状の第1ケーシング部分11と、吸込口を有し、周壁が第1ケーシング部分に対してオーバーラップし且つ第1ケーシング部分より中心角が大きくなるように縦割りに切り欠かれた円筒形状の第2ケーシング部分12とを有する。第2ケーシング部分又は第1ケーシング部分は、基台に固定される。第1ケーシング部分又は第2ケーシング部分は、第2ケーシング部分又は第1ケーシング部分に回動自在に内挿又は外挿される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に垂直に載置され、周壁に吹出口と前記吹出口よりも幅広の吸込口とが穿設される円筒形状のケーシングと、
前記ケーシングとの間に所定の間隙を隔てて前記ケーシングに収容されるクロスフローファンと、
前記基台に設けられ、前記クロスフローファンを回転駆動するためのファンモータとを具備し、
前記ケーシングは、
前記吹出口を有する半割り円筒形状の第1ケーシング部分と、
前記吸込口を有し、周壁が前記第1ケーシング部分に対してオーバーラップし且つ前記第1ケーシング部分より中心角が大きくなるように縦割りに切り欠かれた円筒形状の第2ケーシング部分とを有し、
前記第2ケーシング部分又は前記第1ケーシング部分は、前記基台に固定され、
前記第1ケーシング部分又は前記第2ケーシング部分は、前記第2ケーシング部分又は前記第1ケーシング部分に回動自在に内挿又は外挿される、エアカーテン装置。
【請求項2】
前記第1ケーシング部分の外面又は前記第2ケーシング部分の内面は、前記第2ケーシング部分の内面又は前記第1ケーシング部分の外面に対して摺動する、請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項3】
前記第2ケーシング部分の中心角θ2は前記第1ケーシング部分の中心角θ1よりも略90度大きい、請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項4】
前記第1ケーシング部分の中心角は略180度であり、前記第2ケーシング部分の中心角は略270度である、請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項5】
前記第1ケーシング部分の内面であって、前記吹出口における前記クロスフローファンの回転方向の下流側の縁部には、前記第1ケーシング部分の内面と前記クロスフローファンとの間の間隙を塞ぐためのガイド板が前記クロスフローファンに向かって突設される、請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項6】
前記第2ケーシング部分には円形の蓋板が取り付けられる、請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項7】
前記蓋板の表面には凸部が設けられ、前記基台の底面には前記凸部に嵌合する凹部が設けられ、他のエアカーテン装置を縦積み可能である、請求項6に記載のエアカーテン装置。
【請求項8】
前記吸込口にはメッシュガードが取り付けられる、請求項1に記載のエアカーテン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン状の気流により対峙する人間の間を遮断するエアカーテン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のコロナ禍の状況においては例えばレストランでは飲食客の間をアクリル製のパーティションで仕切ることにより飛沫感染リスクを抑えることが一般化してきている。
【0003】
従業員等はこのパーティションを例えば除菌剤を染み込ませた布で拭きとる等の殺菌作業を飲食客の入れ替えごとに繰り返す必要があり、多大な負担を強いられている。
【0004】
また従来から、エアカーテン装置が存在する。多くのエアカーテン装置は出入り口等の壁面に据え付けられ、外気の遮断に活用されている(特許文献1、2、3参照)。
【0005】
エアカーテン装置をパーティションのように飲食客を仕切るために活用する場合、多大な工事が必要とされ、導入障壁は低くはない。また食卓レイアウトの変更に対して柔軟に対応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-44737号公報
【特許文献2】特開2018-96545号公報
【特許文献3】特開2016-138709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
目的は、導入障壁が比較的低く、且つレイアウトの変更に対して柔軟に対応可能なエアカーテン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係るエアカーテン装置は、基台と、基台に垂直に載置され、周壁に吹出口と吹出口よりも幅広の吸込口とが穿設される円筒形状のケーシングと、ケーシングとの間に所定の間隙を隔ててケーシングに収容されるクロスフローファンと、基台に設けられ、クロスフローファンを回転駆動するためのファンモータとを具備する。ケーシングは、吹出口を有する半割り円筒形状の第1ケーシング部分と、吸込口を有し、周壁が第1ケーシング部分に対してオーバーラップし且つ第1ケーシング部分より中心角が大きくなるように縦割りに切り欠かれた円筒形状の第2ケーシング部分とを有する。第2ケーシング部分又は第1ケーシング部分は、基台に固定される。第1ケーシング部分又は第2ケーシング部分は、第2ケーシング部分又は第1ケーシング部分に回動自在に内挿又は外挿される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本発明の実施形態に係るエアカーテン装置を示す斜視図である。
図2図2図1のエアカーテン装置の分解図である。
図3図3図1のエアカーテン装置の横断面図である。
図4図4図1のエアカーテン装置の吸込方向に対する吹出方向の角度変更を示す図である。
図5図5図1のエアカーテン装置の設置例を示す図である。
図6図6図1のエアカーテン装置を縦列に設置した例を示す図である。
図7図7図1のエアカーテン装置を縦積みに設置した例を示す図である。
図8図8図1のエアカーテン装置を対象を取り囲むように設置した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るエアカーテン装置を説明する。
図1(a)、図1(b)、図2図3に示すように、本実施形態に係るエアカーテン装置1は、短円柱形の基台2に、円筒形状のケーシング3が垂直に載置される。ケーシング3の上部は円形の蓋板5で閉じられる。実際には蓋板5は第2ケーシング部分12の上縁に固定される。
【0011】
ケーシング3の周壁には、軸方向と平行に縦長細隙の吹出口13が穿設され、また吹出口13の反対側には吹出口13よりも幅広の縦長細隙の吸込口14が軸方向と平行に穿設される。吸込口14にはメッシュガード16が嵌め込まれる。
【0012】
ケーシング3の内側には、ケーシング3の内面から所定の間隙を隔ててクロスフローファン20がケーシング3と同軸に収容される。基台2には、クロスフローファン20を回転駆動するためのファンモータ(図示せず)が内蔵される。ファンモータの駆動軸19は基台2から上方に突出し、クロスフローファン20の中心軸に接続される。なお、基台2の周面にはファンモータのオン/オフを操作するためのスイッチ又は一対のボタン4が装備される。
【0013】
ケーシング3は、吹出口13を有する半割り円筒形状の第1ケーシング部分11と、吸込口14を有し、周壁が第1ケーシング部分11に対してオーバーラップし且つ中心角θ2が第1ケーシング部分11の中心角θ1より大きくなるように2箇所で縦割りされ、切り欠かれた円筒形状の第2ケーシング部分12とからなる。第1ケーシング部分11は、第2ケーシング部分12の切り欠きを塞ぐように第2ケーシング部分12に対して位置合わせされる。
【0014】
第2ケーシング部分12は、基台2上に固定され、第1ケーシング部分11は、第2ケーシング部分12に回動自在に内挿される。なお、第1ケーシング部分11を基台2上に固定し、第2ケーシング部分12を第1ケーシング部分11に回動自在に外挿するように構成しても良い。第1ケーシング部分11の外径は、第1ケーシング部分11の外面が第2ケーシング部分12の内面に対して摺動する寸法に設定される。第1ケーシング部分11を回動させることにより、吸込口14に対する吹出口13の角度を変更する、つまり吸込方向と吹出方向との角度を変化させることができる。
【0015】
吹出口13は第1ケーシング部分11の中心に配置され、吸込口14は第2ケーシング部分12の中心に配置される。第1ケーシング部分11の内面であって、吹出口13の縁、特にクロスフローファン20の回転方向における下流側の縁に、縦長のガイド板15がクロスフローファンに向かって突設される。クロスフローファン20の回転に伴って吸込口14から吸い込まれた空気は、クロスフローファン20と第1、第2ケーシング部分11、12との間隙を流通して、ガイド板15に沿って吹出口13から吹き出される。
【0016】
第1ケーシング部分11の中心角θ1は、180度+αに設定される。αは、例えば5度又はその近似値に設定される。第2ケーシング部分12の中心角θ2は、第1ケーシング部分11の中心角θ1よりも略90度広い270度に設定される。第1ケーシング部分11は第2ケーシング部分12に対して略90度回動させることができる。
【0017】
第1ケーシング部分11は略90度の範囲で可動である。第1ケーシング部分11が当該可動範囲RM内のいずれの位置にあっても、第1ケーシング部分11は第2ケーシング部分12の切り欠きを塞ぎ、且つ吹出口13が第2ケーシング部分12の切り欠き内に位置して開放される状態を確保するように第1ケーシング部分11が第2ケーシング部分12に対して位置合わせされる。
【0018】
蓋板5の表面には円形凸部17が設けられ、基台2の底面には図示しないが凸部17に嵌め合う円形の凹部が設けられる。凸部17の周面には爪部18が水平に張り出しており、爪部18を受容する窪みが基台2の底面の凹部に設けられている。爪部18を窪みに位置合わせしながら凸部17を凹部に嵌め込むことにより、吸込口14を揃えながら複数台のエアカーテン装置1を縦積みすることができる。
【0019】
図4(a)、(b)には、第1ケーシング部分11をその可動範囲RMの上流側の一端(ゼロ度)の位置に配置した姿勢(ゼロ度姿勢)を示し、図4(c)、(d)には、第1ケーシング部分11をその可動範囲RMの中心である45度の位置に配置した姿勢(中心姿勢)を示し、図4(e)、(f)には、第1ケーシング部分11をその可動範囲RMの下流側の他端(90度)の位置に配置した姿勢(90度姿勢)を示している。中心姿勢においては、平面視において、円筒中心Cから吸込口14の中心に向かう方向(吸込方向)に対する、円筒中心Cから吹出口13の中心に向かう方向(吹出方向)の角度は180度を示す。ゼロ度姿勢においては、平面視において、吸込方向に対する吹出方向の角度は中心姿勢から上流側に45度屈曲した135度を示す。90度姿勢においては、吸込方向に対する吹出方向の角度は中心姿勢から下流側に45度屈曲した135度を示す。
【0020】
このように第1ケーシング部分11の回動により、吸込方向に対する吹出方向の角度を90度の範囲で変更することができるので、複数のエアカーテン装置1を遮断すべき状況に応じて様々にレイアウトを変更することができる。最も典型的には図5(a)、(b)に示すように、中心姿勢にセットした2台のエアカーテン装置1を縦列配置することにより、例えば飲食店において対峙する飲食客G1,G2の間を仕切り、相互の飛沫感染を抑えることができる。図6に示すように、さらに多くの台数のエアカーテン装置1を縦列配置することにより、縦横に着座した多くの飲食客Gの間を仕切り、相互の飛沫感染を効果的に抑えることができる。
【0021】
図7に示すように、複数台のエアカーテン装置1を縦積みし、さらにそれらを縦列に配置することにより、立ち姿勢にある歩行者P1,P2の間を効果的に仕切り、相互の飛沫感染を抑えることができる。図8(a)、(b)に示すように、4台のエアカーテン装置1をゼロ度姿勢と90度姿勢とを混在させて四方配置することにより、顧客G1,G2を、隣席の顧客G3-G6に対して隔絶させて、相互の飛沫感染を効果的に抑えることができる。
【0022】
以上述べたように、本実施形態によれば、据え付け工事を一切不要にして、エアカーテン装置1を任意にレイアウトすることにより容易に飛沫防止対策を図ることができるので、導入障壁を下げることができる。また第1ケーシング部分11を任意に回動させることにより、レイアウトの変更に対して柔軟に対応することができる。エアカーテンであるので、アクリル板のパーティションのような除菌作業が不要になるので、作業負担の増大を抑えることができる。
【0023】
なお、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない区域で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0024】
1…エアカーテン装置、2…基台、3…ケーシング、4…ボタン、5…蓋板、20…クロスフローファン、11…第1ケーシング部分、12…第2ケーシング部分、13…吹出口、14…吸込口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8