(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172581
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/054 20140101AFI20221110BHJP
【FI】
H01L31/04 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078496
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】井桁 幸一
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151JA23
5F151JA25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発電効率を向上することが可能な太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールは、第1主面と、第1主面の反対側の第2主面と、第1側面と、第1側面と交差する第2側面と、第1側面の反対側の第3側面と、第2側面の反対側の第4側面と、を有する導光板1と、第2主面に対向し、第2主面に対して傾斜した反射面を形成するコレステリック液晶を有し、第1主面から入射した光の少なくとも一部を導光板に向けて反射する光学素子3と、第1側面に対向する太陽電池21と、第2側面、第3側面、及び、第4側面に対向する反射部材5と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、第1側面と、前記第1側面と交差する第2側面と、前記第1側面の反対側の第3側面と、前記第2側面の反対側の第4側面と、を有する導光板と、
前記第2主面に対向し、前記第2主面に対して傾斜した反射面を形成するコレステリック液晶を有し、前記第1主面から入射した光の少なくとも一部を前記導光板に向けて反射する光学素子と、
前記第1側面に対向する太陽電池と、
前記第2側面、前記第3側面、及び、前記第4側面に対向する反射部材と、
を備える、太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記反射部材は、前記第2側面、前記第3側面、及び、前記第4側面に直接形成された反射層である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記反射部材は、前記第2側面、前記第3側面、及び、前記第4側面に接着層を介して接着された反射フィルムである、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
さらに、前記第2側面、前記第3側面、及び、前記第4側面を囲むフレームを備え、
前記反射部材は、前記フレームの内側に形成された反射面である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記太陽電池は、接着層を介して前記第1側面に接着されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記太陽電池は、前記第1側面の延出方向に沿った長さと同等以上の範囲に亘って配置されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
複数の前記太陽電池は、前記第1側面の延出方向に沿って間隔を置いて並び、
前記反射部材は、さらに、前記太陽電池の間において前記第1側面に対向している、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、透明な太陽電池が種々提案されている。例えば、透明な色素増感型太陽電池を表示装置の表面に配置した太陽電池付き表示装置が提案されている。
太陽電池モジュールにおいて、発電効率を向上することが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、発電効率を向上することが可能な太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の太陽電池モジュールは、
第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、第1側面と、前記第1側面と交差する第2側面と、前記第1側面の反対側の第3側面と、前記第2側面の反対側の第4側面と、を有する導光板と、前記第2主面に対向し、前記第2主面に対して傾斜した反射面を形成するコレステリック液晶を有し、前記第1主面から入射した光の少なくとも一部を前記導光板に向けて反射する光学素子と、前記第1側面に対向する太陽電池と、前記第2側面、前記第3側面、及び、前記第4側面に対向する反射部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、太陽電池モジュール100の外観の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、太陽電池モジュール100の一例を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、光学素子3の一例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、光学素子3の他の例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、太陽電池モジュール100の一例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、太陽電池モジュール100の一例を示す断面図である。
【
図7】
図7は、太陽電池モジュール100の他の例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、太陽電池モジュール100の他の例を示す分解斜視図である。
【
図9】
図9は、太陽電池モジュール100の一例を示す平面図である。
【
図10】
図10は、太陽電池モジュール100の他の例を示す平面図である。
【
図11】
図11は、太陽電池モジュール100の他の例を示す平面図である。
【
図12】
図12は、太陽電池モジュール100の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。X軸及びY軸によって規定される面をX-Y平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視という。第1方向X及び第2方向Yは、太陽電池モジュールに含まれる基板の主面に平行な方向に相当し、また、第3方向Zは、太陽電池モジュールの厚さ方向に相当する。
【0009】
図1は、太陽電池モジュール100の外観の一例を示す図である。
太陽電池モジュール100は、導光板1と、フレーム10と、発電装置20と、を備えている。導光板1は、例えば、窓ガラスとして機能する。なお、導光板1は、透明なガラス板に限らず、透明な合成樹脂板によって構成されてもよい。また、導光板1は、可撓性を有していてもよい。
図1では、屋外側から見た太陽電池モジュール100を示している。導光板1は、屋外に面した第1主面1Aを有している。フレーム10は、導光板1の3辺を囲んでいる。発電装置20は、導光板1のその他の1辺に沿って設けられている。発電装置20は、後述する太陽電池を備えている。
【0010】
図2は、太陽電池モジュール100の一例を示す分解斜視図である。
図2では、屋内側から見た太陽電池モジュール100を示している。太陽電池モジュール100は、導光板1、フレーム10、一点鎖線で示した発電装置20に加えて、二点鎖線で示した光学素子3と、反射部材5と、を備えている。
【0011】
導光板1は、第1主面1Aに加えて、第2主面1Bと、第1側面S1と、第2側面S2と、第3側面S3と、第4側面S4と、を有している。第2主面1Bは、
図1に示した第1主面1Aの反対側の面であり、例えば、屋内に面している。第1主面1A及び第2主面1Bは、X-Y平面と平行な面である。
【0012】
第1側面S1及び第3側面S3は、第2方向Yに沿って延出している。第2側面S2及び第4側面S4は、第1方向Xに沿って延出し、第1側面S1と交差している。第3側面S3は、第1側面S1の反対側の面である。第4側面S4は、第2側面S2の反対側の面である。
【0013】
光学素子3は、第3方向Zにおいて、第2主面1Bに対向している。光学素子3の詳細については後述する。
【0014】
反射部材5は、第2方向Yにおいて第2側面S2及び第4側面S4に対向し、第1方向Xにおいて第3側面S3に対向している。なお、反射部材5は、第1側面S1には対向していない。反射部材5は、例えば、銀、アルミニウムなどの高反射率の金属材料を含んでいてもよいし、異なる屈折率を有する透明な膜を積層させた干渉膜でもよい。このような反射部材5は、後に詳述するが、各側面に直接形成された反射層であってもよいし、別途形成された反射フィルムであってもよい。反射フィルムは、透明な接着層を介して各側面に接着される。
【0015】
図示した例では、反射部材5は、各側面の全面を覆うように配置されているが、この例に限らない。例えば、反射部材5は、各側面の一部分(例えば、第2側面S2及び第4側面S4のうちの第1側面S1に近接する部分)を覆うように配置されてもよいし、各側面においてドット状(点在する島状)に配置されてもよい。
【0016】
フレーム10は、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4をそれぞれ囲むように形成されている。
【0017】
発電装置20は、太陽電池21を備えている。太陽電池21は、基板22の上に設置されている。太陽電池21は、第1方向Xにおいて、第1側面S1に対向している。
太陽電池21は、光を受光して、受光した光のエネルギーを電力に変換するものであり、光電変換素子の一種である。つまり、太陽電池21は、受光した光によって発電するものであるが、その種類は、特に限定されない。例えば、太陽電池21は、シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、有機半導体系太陽電池、ペロブスカイト型太陽電池、又は、量子ドット型太陽電池である。
一例では、太陽電池21は、赤外線を受光して発電するように構成されている。
【0018】
太陽電池21は、第1方向Xに沿って延出している。太陽電池21は、第1側面S1の延出方向に沿った長さと同等以上の範囲に亘って配置されている。つまり、第1側面S1の第1方向Xに沿った長さをL1とし、太陽電池21の第1方向Xに沿った長さをL2としたとき、長さL2は長さL1と同等以上である(L1≦L2)。
【0019】
図3は、光学素子3の一例を示す断面図である。光学素子3は、反射型の偏光回折格子として機能するものである。
【0020】
光学素子3は、コレステリック液晶CLを有する液晶層である。なお、
図3では、簡略化のため、コレステリック液晶CLを構成する液晶分子LM1として、X-Y平面に平行な同一平面に位置する複数の液晶分子のうちの1つの液晶分子LM1を図示しており、この液晶分子LM1の配向方向は、同一平面に位置する複数の液晶分子の長軸の平均的な配向方向に相当する。光学素子3は、第3方向Zに沿った厚さd1を有している。
【0021】
1つのコレステリック液晶CLに着目すると、コレステリック液晶CLは、その一端側に位置する液晶分子LM11と、その他端側に位置する液晶分子LM12と、を有している。液晶分子LM11及び液晶分子LM12を含む複数の液晶分子LM1は、螺旋軸AXを中心として、旋回しながら螺旋状に積み重ねられ、コレステリック液晶CLを構成している。
【0022】
コレステリック液晶CLは、螺旋ピッチPを有している。螺旋ピッチPは、螺旋の1周期(液晶分子LM1が360度回転するのに要する螺旋軸AXに沿った厚さ)を示す。
図3に示す例では、螺旋軸AXは、光学素子3の法線方向である第3方向Zに対して平行である。
【0023】
光学素子3において、複数のコレステリック液晶CLは、第1方向Xに配列されるとともに、第2方向Yにも配列されている。第1方向Xに沿って隣接する複数のコレステリック液晶CLは、互いに配向方向が異なっている。第1方向Xに沿って並んだ複数の液晶分子LM11の配向方向は、連続的に変化している。同様に、第1方向Xに沿って並んだ複数の液晶分子LM12の配向方向は、連続的に変化している。
【0024】
光学素子3は、一点鎖線で示すような複数の反射面RSを有している。複数の反射面RSは、互いに略平行である。反射面RSは、ブラッグの法則に従って、入射光のうち、特定波長の第1円偏光を反射し、第1円偏光とは逆回りの第2円偏光を透過する。ここでの反射面RSは、液晶分子LM1の配向方向が揃った面、あるいは、空間位相が揃った面(等位相面)に相当する。
図3に示すX-Z断面においては、反射面RSは、第2主面1BあるいはX-Y平面に対して傾斜している。なお、本明細書において、円偏光は、厳密な円偏光であってもよいし、楕円偏光に近似した円偏光であってもよい。
【0025】
コレステリック液晶CLは、特定波長λの光のうち、コレステリック液晶CLの旋回方向と同じ旋回方向の円偏光を反射する。例えば、コレステリック液晶CLの旋回方向が右回りの場合、特定波長λの光のうち、右回りの円偏光を反射し、左回りの円偏光を透過する。同様に、コレステリック液晶CLの旋回方向が左回りの場合、特定波長λの光のうち、左回りの円偏光を反射し、右回りの円偏光を透過する。
【0026】
このような光学素子3は、液晶分子LM11及び液晶分子LM12を含む液晶分子LM1の配向方向が固定された状態で硬化している。つまり、液晶分子LM1の配向方向は、電界に応じて制御されるものではない。このため、光学素子3は、配向制御のための電極を備えていない。
【0027】
一般的に、垂直入射した光に対するコレステリック液晶CLの選択反射帯域Δλは、コレステリック液晶CLの螺旋ピッチP、異常光に対する屈折率ne、及び、常光に対する屈折率noに基づいて、「no*P~ne*P」で示される。このため、反射面RSにおいて特定波長λの円偏光を効率よく反射するためには、特定波長λが選択反射帯域Δλに含まれるように、螺旋ピッチP、屈折率ne及びnoが設定される。
【0028】
ここでは、選択反射帯域Δλが赤外線となるように、コレステリック液晶CLの螺旋ピッチPが調整されている。光学素子3の反射面RSでの反射率を高くする観点では、光学素子3の厚さd1は、螺旋ピッチPの数倍から10倍程度とすることが望ましい。つまり、光学素子3の厚さは、3~10μm程度となる。
【0029】
図3に示す例では、光学素子3が導光板1から離間しているが、この例に限らない。例えば、光学素子3が別途フィルムとして形成されている場合には、光学素子3は、透明な接着層を介して導光板1に接着される。また、導光板1を基材として、光学素子3が形成されてもよい。この場合、導光板1と光学素子3との間に、所定の配向パターンを有する配向膜が介在する。
【0030】
また、複数の光学素子3が第3方向Zに沿って積層されていてもよい。例えば、それぞれの光学素子3に含まれるコレステリック液晶CLの螺旋ピッチPが同一であり、螺旋の旋回方向が互いに逆である2つの光学素子3が積層されることにより、特定波長λの第1円偏光のみならず、第1円偏光とは逆回りの第2円偏光も反射するように構成することができる。
また、それぞれの光学素子3に含まれるコレステリック液晶CLの螺旋ピッチPが互いに異なる複数の光学素子3が積層されることにより、選択反射帯域Δλを広帯域化することができる。
【0031】
図4は、光学素子3の他の例を示す断面図である。
図4に示す例は、
図3に示した例と比較して、コレステリック液晶CLの螺旋軸AXが光学素子3の法線方向(第3方向Z)に対して傾斜している点で相違している。
【0032】
光学素子3において、第1方向Xに沿って隣接する複数のコレステリック液晶CLは、互いに配向方向が異なっている。第1方向Xに沿って並んだ複数の液晶分子LM11の配向方向は、連続的に変化している。同様に、第1方向Xに沿って並んだ複数の液晶分子LM12の配向方向は、連続的に変化している。
【0033】
光学素子3は、一点鎖線で示すような複数の反射面RSを有している。複数の反射面RSは、互いに略平行である。反射面RSは、ブラッグの法則に従って、入射光のうち、一部の円偏光を反射し、他の円偏光を透過する。
図4に示すX-Z断面においては、反射面RSは、第2主面1BあるいはX-Y平面に対して傾斜している。
【0034】
図5は、太陽電池モジュール100の一例を示す平面図である。
図5に示す例では、反射部材5は、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4にそれぞれ直接形成されている。このような反射部材5は、例えば、銀等の金属材料を含むペーストを塗布した後に硬化させたり、金属材料を蒸着したりすることで形成された反射層である。
太陽電池21は、透明な接着層6を介して第1側面S1に接着されている。
【0035】
図6は、太陽電池モジュール100の一例を示す断面図である。
図6は、
図5のA-B線に沿った太陽電池モジュール100の断面図に相当する。
【0036】
ここでは、太陽電池モジュール100の動作について説明する。
導光板1の第1主面1Aに入射する光Liは、例えば、太陽光である。つまり、光Liは、可視光の他に、赤外線を含んでいる。
【0037】
光Liは、導光板1を透過し、光学素子3に入射する。光学素子3は、光Liのうち、一部の光Lrを導光板1及び太陽電池21に向けて反射し、他の光Ltを透過する。光学素子3の反射面RSで反射される光Lrは、例えば赤外線の第1円偏光である。また、光学素子3を透過する光Ltは、赤外線の第2円偏光と、可視光を含んでいる。
但し、上記の通り、螺旋ピッチPが同一であり且つ螺旋の旋回方向が互いに逆である2つの光学素子3が積層された場合には、赤外線の第1円偏光及び第2円偏光の双方が光学素子3において反射される。
【0038】
光学素子3で反射された光Lrは、再び導光板1に進入し、導光板1において反射を繰り返しながら導光板1の内部を伝播する。
太陽電池21は、第1側面S1から出射した光Lrを受光し、発電する。
【0039】
ここで、再び
図5を参照すると、太陽電池モジュール100の正面から第1主面1Aに向かう光Liaは、ほぼ正面に反射され、光Ltaとして太陽電池21に向かって伝播する。太陽電池モジュール100に対して斜め方向から第1主面1Aに向かう光Libは、第2側面S2に向かう方向に反射される。反射された光Ltbは、第2側面S2に向かって伝播した後に、反射部材5によって反射され、太陽電池21に向かって伝播する。同様に、太陽電池モジュール100に対して斜め方向から第1主面1Aに向かう光Licは、第4側面S4に向かう方向に反射される。反射された光Ltcは、第4側面S4に向かって伝播した後に、反射部材5によって反射され、太陽電池21に向かって伝播する。
【0040】
また、導光板1にて散乱した光、反射面RSで反射された光、光学部材の間の界面で屈折した光など、導光板1の面内に広がって伝播する光は、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4に到達した後に反射部材5によって反射され、太陽電池21に向かって伝播する。
つまり、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4での光漏れが抑制される。
【0041】
また、
図2を参照して説明したように、太陽電池21は、第1側面S1の長さと同等以上の長さの範囲に亘って配置されている。このため、太陽電池21に向かって伝播した光は、発電に利用することができる。
【0042】
したがって、発電効率を向上することができる。
【0043】
図7は、太陽電池モジュール100の他の例を示す平面図である。
図7に示す例では、反射部材5は、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4にそれぞれ接着層7を介して接着されている。このような反射部材5は、例えば、予め形成された反射フィルムである。接着層7は、散乱性が低い材料、あるいは、透明な材料で形成されることが望ましい。
【0044】
図示した例では、反射部材5としての3個の反射フィルムは、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4にそれぞれ接着されている。なお、一連の反射フィルムが途切れることなく3つの側面に亘って接着されてもよい。
【0045】
このような例においても、上記したのと同様の効果が得られる。加えて、反射部材5として、反射フィルムを接着する工程は、ペーストを塗布して硬化させる工程や反射材を蒸着する工程と比較して、容易である。また、導光板1が大型化した場合であっても、反射部材5を容易に形成することができる。
【0046】
図8は、太陽電池モジュール100の他の例を示す分解斜視図である。
図8に示す例は、
図2に示した例と比較して、発電装置20が複数の太陽電池21を備えた点で相違している。複数の太陽電池21は、第1側面S1の延出方向である第2方向Yに沿って間隔を置いて並んでいる。これらの太陽電池21は、共通の基板22の上に設置されている。太陽電池21の各々は、第1方向Xにおいて、第1側面S1に対向している。
【0047】
反射部材5は、第2側面S2、第3側面S3、第4側面S4にそれぞれ対向するとともに、第2方向Yに隣接する太陽電池21の間において第1側面S1に対向している。
【0048】
図9は、太陽電池モジュール100の一例を示す平面図である。
図9に示す例では、反射部材5は、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4にそれぞれ直接形成されている。また、反射部材5は、太陽電池21の間において、第1側面S1に直接形成されている。このような反射部材5は、例えば、銀等の金属材料を含むペーストを塗布した後に硬化させたり、金属材料を蒸着したりすることで形成された反射層である。
複数の太陽電池21は、それぞれ透明な接着層6を介して第1側面S1に接着されている。
【0049】
このような例によれば、第1側面S1において、隣接する太陽電池21の間からの光漏れが抑制される。したがって、
図5及び
図6等を参照して説明したのと同様の効果が得られる。
【0050】
図10は、太陽電池モジュール100の他の例を示す平面図である。
図10に示す例では、反射部材5は、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4にそれぞれ接着層7を介して接着されている。また、反射部材5は、太陽電池21の間において、第1側面S1に接着層7を介して接着されている。このような反射部材5は、例えば、予め形成された反射フィルムである。接着層7は、散乱性が低い材料、あるいは、透明な材料で形成されることが望ましい。
【0051】
図示した例では、反射部材5としての3個の反射フィルムは、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4にそれぞれ接着されている。なお、一連の反射フィルムが途切れることなく3つの側面に亘って接着されてもよい。
【0052】
このような例においても、
図7を参照して説明したのと同様の効果が得られる。
【0053】
図11は、太陽電池モジュール100の他の例を示す平面図である。
図11に示す例では、第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4のそれぞれにおいて、上記の反射層が形成されず、また、上記の反射フィルムも接着されていない。これらの第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4は、フレーム10で囲まれており、しかも、後述するように、フレーム10の内側に形成された反射部材と対向している。
【0054】
図示した例では、単一の太陽電池21が接着層6によって第1側面S1に接着されているが、
図9等に示したような複数の太陽電池21がそれぞれ接着層6によって第1側面S1に接着されてもよい。
【0055】
図12は、太陽電池モジュール100の一例を示す断面図である。
図12は、
図11のC-D線に沿った太陽電池モジュール100の断面図に相当する。なお、
図12では、光学素子3の図示を省略している。
【0056】
反射部材5は、フレーム10の内側に形成された反射面である。反射面は、金属面であってもよいし、鏡面であってもよい。図示した第2側面S2を含む断面において、反射部材5は、第2側面S2に対向している。図示した例では、反射部材5は、第2側面S2に接しているが、第2側面S2から離間していてもよい。
このような反射部材5は、フレーム10の内側のほぼ全体に亘って形成されている。このため、第3側面S3を含む断面においても同様に、反射部材5は第3側面S3に対向しており、また、第4側面S4を含む断面においても同様に、反射部材5は第4側面S4に対向している。
【0057】
図11及び
図12に示した例によれば、導光板1を伝播する光が第2側面S2、第3側面S3、及び、第4側面S4から漏れ出たとしても、反射面によって反射され、再び導光板1を伝播し、発電に利用される。このため、上記の各例と同様に、発電効率を向上することができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、発電効率を向上することが可能な太陽電池モジュールを提供することができる。
【0059】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
100…太陽電池モジュール
1…導光板 1A…第1主面 1B…第2主面
S1…第1側面 S2…第2側面 S3…第3側面 S4…第4側面
3…光学素子 CL…コレステリック液晶 RS…反射面
5…反射部材
10…フレーム 20…発電装置 21…太陽電池