(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172623
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20221110BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221110BHJP
A63F 13/825 20140101ALI20221110BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/79 510
A63F13/825
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078606
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋平
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣性を高めるとともに、ユーザに対してゲームプレイの動機付けを与える技術を提供する。
【解決手段】実施形態では、コンピュータによって実行されるプログラムにおいて、第1ゲームパートに第1オブジェクトを関連付けることと、ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされたかどうかを判定することと、所定の条件が満たされたと判定される場合に第1オブジェクトのパラメータを変更することと、をコンピュータに実行させるようにした。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ゲームパートに第1オブジェクトを関連付けることと、
ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされたかどうかを判定することと、
前記所定の条件が満たされたと判定される場合に、前記第1オブジェクトのパラメータを変更することと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記関連付けることは、前記第1オブジェクトを育成対象として選択することを含み、
前記変更することは、前記所定の条件に応じて、前記第1オブジェクトの成長度に関するパラメータを変更することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記変更することは、前記所定の条件に応じて、前記第1ゲームパートにおいて前記第1オブジェクトにより使用される1または複数の第2オブジェクトを消耗させることをさらに含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2ゲームパートが実行されている時間に基づいて、前記第1ゲームパートにおいて前記第1オブジェクトにより使用される1または複数の第2オブジェクトを消耗させること
を前記コンピュータにさらに実行させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定の条件が満たされたと判定される場合に、前記育成対象として選択可能な第1オブジェクトの数を増加させること
を前記コンピュータにさらに実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1オブジェクトは、前記第1ゲームパートにおいて、それぞれ属性を有する1または複数の第2オブジェクトを使用可能であり、
前記第1オブジェクトの前記成長度に関するパラメータは、前記第1オブジェクトによって使用される前記1または複数の第2オブジェクトの前記属性に基づいて変更される、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2ゲームパートは、前記ユーザの操作に応じて少なくとも第3オブジェクトにアクションを行わせるゲームパートであり、
前記所定の条件は、前記第2ゲームパートにおける前記アクションを通じて達成可能な条件を含む、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記所定の条件が満たされたと判定される場合に、前記所定の条件に応じて、前記第1ゲームパートにおけるゲーム内時間を経過させること
を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第1オブジェクトのパラメータを変更することは、前記ゲーム内時間の経過に基づいて当該第1オブジェクトのパラメータを変更することを含む、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1ゲームパートに第1オブジェクトを関連付けることと、
ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされたかどうかを判定することと、
前記所定の条件が満たされたと判定される場合に、前記第1オブジェクトのパラメータを変更することと
を備える情報処理方法。
【請求項10】
第1ゲームパートに第1オブジェクトを関連付ける管理部と、
ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされたかどうかを判定する判定部と、
前記所定の条件が満たされたと判定される場合に、前記第1オブジェクトのパラメータを変更する制御部と
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラム、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム内オブジェクトのパラメータを変化させるゲームが知られている。例えば、特許文献1は、パズルゲームに要した時間が短いほど育成対象キャラクタのパラメータをより大きく変化させる技術を記載している。特許文献2は、終了条件に基づいて消耗物パラメータの変化率を変化させることで、シミュレーションゲームのリアリティを高める技術を記載している。パラメータをどのような基準で変化させるかは、ゲームの興趣性に影響を与えるため、さらなる工夫が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6366934号
【特許文献2】特許第4125100号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする課題は、ゲームの興趣性を高めるとともに、ゲームのプレイヤー(以下、「ユーザ」と言う。)にゲームプレイの動機付けを与えるのに役立つ技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明の一態様は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、第1ゲームパートに第1オブジェクトを関連付けることと、ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされたかどうかを判定することと、所定の条件が満たされたと判定される場合に第1オブジェクトのパラメータを変更することと、をコンピュータに実行させるようにしたプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
このように、一態様では、ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて条件が満たされた場合に、第1ゲームパートに関連付けられた第1オブジェクトのパラメータが変更されるようにした。これにより、第1オブジェクトのパラメータを他のゲームパートにおけるゲームプレイにより変化させるという興趣性をもたらしつつ、パラメータの変化によりユーザが第1オブジェクトへの愛着を深めるのにも役立ち、相まって、ユーザに対して第2ゲームパートのゲームプレイをする動機付けを与えるのに役立つ。
【0007】
この発明の一態様に係るプログラムは、ゲームの興趣性を高めるとともに、ユーザにゲームプレイの動機付けを与えるのに役立つ技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るゲームプログラムに関連するゲームシステムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したゲームシステムにおけるサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したゲームシステムにおけるユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るゲームプログラムによって実現されるゲームの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図3に示したユーザ端末の情報処理動作の概要を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5に示した収容可能数制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図5に示したパラメータ変更処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、所持モンスター管理テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、所持施設管理テーブルの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、施設設定管理テーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係るゲームプログラムによって実現されるゲーム画像の第1の例を示す図である。
【
図12】
図12は、クエスト管理テーブルの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、各ユーザの所持オブジェクトデータの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係るゲームプログラムによって実現されるゲーム画像の第2の例を示す図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係るユーザ端末の情報処理動作の第1実施例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係るユーザ端末の情報処理動作の第2実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るプログラムは、ユーザによって使用される端末装置(以下、「ユーザ端末」と言う。)上でゲームを実現させるためのプログラムである。以下では、第1実施形態に係るプログラムを、一般的なコンピュータの機能を実現させるためのプログラムと区別して、ゲームプログラムと呼ぶ。
【0011】
ゲームプログラムは、ゲーム空間に種々のオブジェクトを配置し、ゲームを実現し得る。ゲーム空間は、ゲームプログラムによって実現される種々のオブジェクトを配置するための空間である。以下では、主にゲーム空間が3次元の空間であり、ゲーム空間に配置されるオブジェクトも主に3次元で表示されるものとして説明するが、本実施形態は、2次元のゲーム空間およびオブジェクトにも適用可能である。
【0012】
種々のオブジェクトは、キャラクタのオブジェクトを含む。キャラクタは、例えば、人間のキャラクタ、動物のキャラクタ、または擬人化キャラクタ等であるが、これらに限定されない。キャラクタのオブジェクトは、動作する(動く)オブジェクトである。キャラクタのオブジェクトは、ユーザが操作可能なキャラクタのオブジェクトおよびユーザが操作不可能なNPC(Non Player Character)のオブジェクトを含む。種々のオブジェクトは道具オブジェクトを含む。道具オブジェクトは、キャラクタのオブジェクトが使用可能なオブジェクトである。道具オブジェクトは、例えば、アイテム、装備品および施設等を含む。種々のオブジェクトはまた背景オブジェクトを含む。背景オブジェクトは、木、岩、草、空、川、山等のゲームの背景を構成するオブジェクトである。
【0013】
種々のオブジェクトは、ゲーム設計者等によって定められた設定値を有する。設定値は、位置、大きさ、形状、色、能力、属性およびその他の種々の情報を数値(「パラメータ」とも言う。)で表したものである。ここでは、キャラクタのオブジェクトが有する設定値を特にステータスと呼ぶ。ステータスは、能力値(例えば、腕力、体力(HP)、魔力(MP)、スキル発動力(SP)、攻撃力、防御力、命中率、回避率)、気分、健康状態、属性(例えば、性別、年齢、職業)、所持スキルまたは所持アイテム等の情報を含む。ステータスは、育成によって変化し得るステータスと、変化しないステータスと、を含む。育成によって変化し得るステータスの一例が能力値である。能力値は、成長度に関するパラメータと言い換えることもできる。
【0014】
ゲームプログラムによって実現されるゲームは、例えば、育成ゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲームまたはパズルゲーム等であるが、これらに限定されない。ゲームは、そのようなゲームの一部(ミニゲームまたはイベント等)であってもよい。
【0015】
ゲームプログラムは、1台のユーザ端末でローカルにゲームを実現させるゲームプログラム、ユーザ端末とサーバに協働してゲームを実現させるゲームプログラム、(サーバ経由でまたはサーバを介さずに)複数のユーザ端末に協働してゲームを実現させるゲームプログラム等であり得る。以下では一例として、サーバがゲームプログラムを包括的に管理し、ユーザ端末からの要求に応じてゲームプログラムおよび関連データ等を送信し、実際のゲーム進行は主にユーザ端末において実現されるゲームシステムについて説明する。
【0016】
(1)構成
(1-1)ゲームシステム
図1は、ゲームプログラムに関連するゲームシステム1の全体構成の一例を示す。
ゲームシステム1は、複数のユーザ端末100と、サーバ200と、を含む。各ユーザ端末100は、サーバ200との間でネットワークNWを介して通信可能である。サーバ200には、任意の数のユーザ端末100が接続可能であるが、簡単のために1つのユーザ端末100についてのみ詳細な構成を図示し説明する。
【0017】
ネットワークNWは、例えばインターネットであり、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、移動通信網、有線電話網、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable Television)網等のアクセス網を含み得る。
【0018】
ユーザ端末100は、ゲームプレイをするユーザ(プレイヤー)によって使用される端末である。ユーザ端末100は、ゲームプログラムを実行することによりゲームを実現し、ゲーム進行に応じたゲーム画像を表示することによりゲーム画面を実現する。ゲーム画像は、ゲーム空間を描画した画像を含み得る。ゲーム空間を描画した画像は、ゲーム空間に配置された複数のオブジェクトの画像を含み得る。ゲーム画像は、静止画像または動画像を含む。ゲーム画像はまたUI(User Interface)部品の画像を含み得る。ユーザ端末100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末である。ユーザ端末100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型コンピュータであってもよい。ユーザ端末100はまた、ゲームプレイに適した専用のゲーム端末であってもよい。以下では、一例として、ユーザ端末100が、タッチスクリーンを備えるスマートフォンであるものとして説明する。
【0019】
サーバ200は、例えばゲーム開発業者等によって運営および管理される装置である。サーバ200は、ゲームプログラムおよびユーザ情報を包括的に管理し、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援する。サーバ200は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。例えばサーバ200は、ネットワークNWを介してユーザ端末100からユーザ情報や種々の要求を受け付け、ネットワークNWを介してユーザ端末100にゲームプログラムや関連データを送信する。サーバ200は、同時に複数のユーザ端末100との間で情報の送受信が可能であり、複数のユーザ端末100におけるゲームの進行を並行して支援し得る。
【0020】
(1-2)ハードウェア構成
(1-2-1)サーバ
図1に示すように、サーバ200は、ハードウェアとして、プロセッサ2001と、メモリ2002と、ストレージ2003と、通信インタフェース(通信I/F)2004と、入出力インタフェース(入出力I/F)2005と、を備え、これらがバス2006を介して互いに電気的に接続される。
【0021】
プロセッサ2001は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ2001は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサを含む。プロセッサ2001は、汎用プロセッサに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用プロセッサであってもよい。
メモリ2002は、主記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含む。
ストレージ2003は、補助記憶装置であり、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置を含む。ストレージ2003は、プロセッサ2001により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な設定データ等を記憶する。プログラムの一部はROMに記憶されてもよい。
プロセッサ2001は、ストレージ2003からプログラムを読み出してメモリ2002に展開し、展開したプログラムを解釈および実行することによって、後述する処理機能を実現し得る。
【0022】
通信インタフェース(通信I/F)2004は、ネットワークNWを介してユーザ端末100等の外部装置と通信するためのモジュールであり、送受信のための信号処理回路、光コネクタ等を含む。通信インタフェース2004は、例えば光通信モジュールを含んでもよい。
【0023】
入出力インタフェース(入出力I/F)2005は、キーボードやマウス等の入力装置を通じてオペレータが入力した操作データを取り込むとともに、出力データを液晶または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやスピーカ等の出力装置に出力する。
【0024】
(1-2-2)ユーザ端末
図1に示すように、ユーザ端末100は、ハードウェアとして、プロセッサ1001と、メモリ1002と、ストレージ1003と、センサ1004と、通信インタフェース(通信I/F)1005と、入出力インタフェース(入出力I/F)1006と、タッチスクリーン1007とを備え、これらがバス1008を介して互いに電気的に接続される。
【0025】
プロセッサ1001は、ユーザ端末100の全体の動作を制御する。プロセッサ1001は、例えば、CPU、MPU、GPU等の汎用プロセッサを含む。プロセッサ1001もまた、汎用プロセッサに限らず、ASICまたはFPGA等の専用プロセッサであってもよい。
メモリ1002は、主記憶装置であり、ROMおよびRAM等を含む。
ストレージ1003は、補助記憶装置であり、内蔵または外付けの半導体メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を含む。ストレージ1003は、プロセッサ1001により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な設定データ等を記憶する。プログラムの一部は、ROMに記憶されてもよい。
プロセッサ1001は、ストレージ1003からプログラムを読み出してメモリ1002に展開し、展開したプログラムを解釈および実行することによって、後述する処理機能を実現し得る。
【0026】
センサ1004は、例えば、イメージセンサ、サウンドセンサ、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、GPSセンサ、近接センサ、環境光センサ等である。センサ1004は、感知された種々の情報を電気信号に変換し、出力する。
【0027】
通信インタフェース(通信I/F)1005は、ネットワークNWを介してサーバ200等の外部装置と通信するためのモジュールであり、送受信のための信号処理回路、アンテナ、LAN端子等を含む。通信インタフェース1005は、移動通信用のモジュール、無線/有線LAN用のモジュール、近距離無線通信用のモジュール等を含み得る。
【0028】
入出力インタフェース(入出力I/F)1006は、外部装置から入力データを取り込むとともに、出力データを外部装置に出力する。入出力インタフェース1006は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタンや、ユーザ端末100に内蔵されたスピーカ、USB(Universal Serial Bus)ポート等を含み得る。
【0029】
タッチスクリーン1007は、入力部1071と表示部1072とを備え、ユーザの入力操作を受け付けるとともに、ユーザに種々の画像を表示する機能を有する。
【0030】
入力部1071は、例えば静電容量式や抵抗膜式のタッチパネルである。入力部1071は、ユーザが指やタッチペン(スタイラスペン)で触れた接触位置を検知し、接触位置の座標情報を生成する。
【0031】
表示部1072は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、表示データに基づく種々の画像を表示する。表示部1072は、ゲーム画像を表示することによってゲーム画面を実現する。
【0032】
ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるキーボード、マウス、コントローラ等の外部入力装置からユーザの操作を受け付けることもできる。ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるメモリカード等の外部記憶装置からゲームプログラムおよび関連データを取得してもよい。ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるディスプレイやスピーカ等の外部出力装置に表示情報を出力することもできる。ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるメモリカード等の外部記憶装置をストレージ1003として使用してもよい。ユーザ端末100はまた、センサ1004からの信号をユーザ操作として受け付けてもよい。
【0033】
(1-3)機能構成
(1-3-1)サーバ
図2は、
図1に示したゲームシステム1におけるサーバ200の機能構成の一例を示す。なお、一般的なコンピュータの機能構成およびゲームの実現に必要な公知の構成については、図示および説明を省略する。
【0034】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信し、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援する機能を有する。例えば、サーバ200は、各ユーザ端末100からの要求に応じて、各ユーザ端末100にゲームプログラムや、ゲームプログラムの実行に必要な関連データ等を送信する機能を有する。サーバ200は、制御部210と、記憶部220と、を備える。
【0035】
記憶部220は、主にストレージ2003により実現される。記憶部220は、ゲームプログラム記憶部221と、ゲーム情報記憶部222と、ユーザ情報データベース(DB)223と、を備える。
【0036】
ゲームプログラム記憶部221は、ゲームプログラムを記憶する。
ゲーム情報記憶部222は、ゲームプログラムを実行する際に参照される種々のゲーム情報を記憶する。
ユーザ情報データベース(DB)223は、各ユーザ端末100に関連付けられるユーザに関する情報を記憶するデータベースである。ユーザ情報データベース223は、例えば、各ユーザのアカウント情報と、各ユーザの所持オブジェクトに関する情報(例えば後述する所持オブジェクトデータ)と、を記憶する。
【0037】
制御部210は、主にプロセッサ2001およびメモリ2002により実現される。制御部210は、サーバ200全体の機能を制御する。制御部210は、ゲームプログラム記憶部221に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、受信制御部211、送信制御部212およびゲーム進行部213として機能し得る。
【0038】
受信制御部211は、各ユーザ端末100から、ユーザ情報、プログラムまたは関連データの送信要求、および各ユーザ端末100におけるゲームの進行状況に関する情報等を受け付ける。
【0039】
送信制御部212は、各ユーザ端末100に、要求されたプログラムまたは関連データ、あるいは更新されたプログラム等を送信する。送信制御部212はまた、各ユーザ端末100にゲームの進行状況に関する情報の送信を要求し得る。
【0040】
ゲーム進行部213は、ゲームプログラムに記述されたコードに従ってゲーム情報記憶部222およびユーザ情報データベース223に記憶された情報を参照し、各ユーザ端末100におけるゲームの進行状況を管理する。ゲーム進行部213はまた、各ユーザ端末100からの情報収集の要否や各ユーザ端末100へのデータ送信の要否を判定し得る。
【0041】
例えば、制御部210は、受信制御部211により、ユーザ端末100からゲームプログラムの送信要求を受け付け、ゲーム進行部213により、当該ユーザ端末100に送信すべきゲームプログラムと関連データを決定し、送信制御部212により、決定されたゲームプログラムおよび関連データをユーザ端末100に送信する。
【0042】
(1-3-2)ユーザ端末
図3は、
図2に示したゲームシステム1におけるユーザ端末100の機能構成の一例を示す。なお、一般的なコンピュータの機能構成およびゲームの実現に必要な公知の構成については、図示および説明を省略する。
【0043】
ユーザ端末100は、制御部110と、記憶部120と、を含む。
記憶部120は、主にストレージ1003により実現される。記憶部120は、ゲームプログラム記憶部121と、ゲーム情報記憶部122と、ファーム情報記憶部123と、を含む。
【0044】
ゲームプログラム記憶部121は、ゲームプログラムを記憶する。
ゲーム情報記憶部122は、ゲームプログラムを実行する際に参照される種々のゲーム情報を記憶する。ゲーム情報記憶部122はまた、ゲーム画像を表示させるための表示データを生成する際に参照される画像、音声および音楽等の表示情報を記憶する。
【0045】
ファーム情報記憶部123は、ファームパートに関連する種々の情報を記憶する。ファームパートは、第1オブジェクトを関連付けることのできる第1ゲームパートの一例である。ファーム情報記憶部123は、ファームパートに関連する情報として、例えば、所持モンスター管理テーブル、所持施設管理テーブル、施設設定管理テーブルおよびクエスト管理テーブルを記憶する。ファーム情報記憶部123はまた、ユーザ端末100のユーザが育成対象として選択可能な第1オブジェクトの数の上限値(収容可能数)の情報を記憶する。これらの詳細は後述する。
【0046】
制御部110は、主にプロセッサ1001およびメモリ1002により実現される。制御部110は、ユーザ端末100全体の機能を制御する。制御部110は、ゲームプログラム記憶部121に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、ゲーム進行部111、オブジェクト制御部112、操作受付部113、表示制御部114、ファーム管理部115、条件判定部116およびパラメータ制御部117として機能し得る。
【0047】
ゲーム進行部111は、ゲームプログラムに記述されたコードに従って、ゲーム情報記憶部122に記憶されたゲーム情報を参照し、ゲーム空間にオブジェクトを配置してゲームを進行させる処理を行う。
【0048】
オブジェクト制御部112は、ゲーム空間に配置された種々のオブジェクトの動作またはステータスを制御する。
【0049】
操作受付部113は、入力部1071を介して入力されたユーザの操作を受け付ける。以下、「ユーザの操作」は、入力部1071を介して入力されたユーザの操作を指すものとする。ユーザの操作は、タップ操作など、入力部1071を介した種々の操作を含む。
【0050】
表示制御部114は、表示部1072にゲーム画像を表示させるための表示データを生成する。
【0051】
ファーム管理部115は、ファームパートに関連する情報を管理する。ファーム管理部115はまた第1ゲームパートに第1オブジェクトを関連付ける管理部として機能する。
【0052】
条件判定部116は、ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされたかどうかを判定する判定部として機能する。
【0053】
パラメータ制御部117は、条件判定部116により所定の条件が満たされたと判定される場合に、第1ゲームパートに関連付けられた第1オブジェクトのパラメータを変更する制御部として機能する。
【0054】
(1-4)ゲームの構成
第1実施形態に係るゲームプログラムによって実現されるゲームは、第1オブジェクトを関連付けることが可能な第1ゲームパートと、ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートと、を含む。
【0055】
図4は、第1実施形態に係るゲームプログラムによって実現されるゲームの構成を示す。一例として、ゲームは、ファームパート2、クエストパート3、ホームパート4および抽選パート5という、4つのゲームパートを含む。
ファームパート2は、オブジェクトの育成に関するゲームパートであり、第1ゲームパートの一例である。ゲームプログラムは、ファームと呼ばれるゲーム空間でファームパート2を実現する。ファームパート2には種々のオブジェクトが関連付けられる。ユーザは、ゲーム内で1または複数のモンスターキャラクタのオブジェクト(以下、単に「モンスター」)を所持し、所持するモンスターの中から選択したモンスターを育成対象とすることができる。モンスターは第1オブジェクトの一例である。ゲームプログラムは、ユーザにより選択されたモンスターをファームパート2に関連付ける(ファームに関連付ける、またはファームに配置する、とも言う)。またユーザは、モンスターによって使用される訓練施設をファームに設置する選択を行うことができる。ゲームプログラムは、ユーザにより選択された訓練施設をファームパート2に関連付ける。訓練施設は第2オブジェクトの一例である。訓練施設は、小型の器具から大型の設備まで多種多様な施設を含み得る。ユーザはさらに、育成対象として選択したモンスターに対し、ファームに設置した訓練施設による訓練を実行させる(モンスターに訓練を設定する、とも言う。)ことができる。ゲームプログラムは、ユーザにより選択されたモンスターと訓練施設とを相互に関連付ける。ユーザはまたファームパート2に関連付けられたアイテム生成オブジェクトにより生成されるアイテムを獲得することができる。アイテムは、武器、防具、素材、薬、食べ物など、ゲーム内で使用可能なアイテムを含む。ファームパート2において、ユーザはモンスターに食事を与えるなどのコミュニケーションをとることもできる。ここではこのようなファームパート2における行為を総括的に「育成」と称する。
【0056】
クエストパート3は、何らかの目標達成を目指すゲームパートであり、第2ゲームパートの一例である。ユーザは、クエストパート3において、操作対象のキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」と言う。)を介したアクション、モンスター獲得およびアイテム獲得等を行うことができる。操作キャラクタは第3オブジェクトの一例である。ユーザは、所持するモンスターを操作キャラクタとして使用できる。クエストパート3は、それぞれに目標が設定された複数のクエストを含む。ここでは「クエスト」は、目標が設定されたゲーム空間を指すこともあり、目標自体を指すこともある。目標はクリア条件と言い換えることもできる。アクションは、例えば操作キャラクタを攻撃する敵キャラクタ(NPC)との戦闘を含む。ユーザは、クエストパート3において、例えば敵キャラクタに勝利した報酬として新たなモンスターまたはアイテムを獲得する。アクションはまた、操作キャラクタにトラップやギミックを回避させるアクション、操作キャラクタを指定された位置に移動させるアクション、または操作キャラクタにアイテムを獲得させるアクションなど、多様なアクションを含み得る。クエストパート3には終了条件が設定され、終了条件が満たされるとゲームはいったんホームパート4に遷移する。終了条件は、クエストのクリア条件が満たされること、制限時間が満了すること、操作キャラクタが行動不能になること、または何らかの理由でゲームが中断されること、等を含む。
【0057】
ホームパート4は、ゲームの拠点として設けられたゲームパートである。ホームパート4は第2ゲームパートの他の例であり得る。例えば、ゲームが起動されるとまずホームパート4が実現され、ホームパート4のゲーム画面においてユーザが所定の操作を行うと、ゲームは、ホームパート4から、ファームパート2、クエストパート3または抽選パート5のいずれかに遷移する。ユーザは、ホームパート4においてファームの監視、パーティの編成およびクエストの選択を行うことができる。例えば、ユーザは、ホームパート4において所定の操作ボタンを押すことでファームの情報を一覧表示させ、ファームの監視を行う。パーティの編成は、ユーザがクエストパート3で使用する操作キャラクタを選択する操作を言う。ユーザは、所定の操作を介して、所持するモンスター、またはモンスター以外の仲間キャラクタ(例えば人間を模したキャラクタオブジェクト)の中から、操作キャラクタを選択することができる。ユーザはまた所定の操作を介して、プレイ可能なクエストの情報を一覧表示させ、プレイしたいクエストを選択することができる。いずれかのクエストが選択されると、ホームパート4からクエストパート3に遷移し、選択されたクエストに関するゲームが実現される。
【0058】
抽選パート5は、ランダム型アイテム抽選方式(いわゆる「ガチャ」)によりオブジェクトを獲得可能なゲームパートである。抽選パート5は第2ゲームパートの他の例であり得る。抽選には有料の抽選と無料の抽選が含まれる。有料の抽選は、現実世界の通貨またはゲーム内の通貨もしくはアイテムと引き換えに実行可能である。無料の抽選は、期間もしくは回数制限付きでまたは制限なしに実行可能である。ユーザは、抽選により仲間キャラクタまたはアイテムを獲得することができる。仲間キャラクタもまたクエスト3において操作キャラクタとして使用され得る。抽選パート5は、所望のキャラクタまたはアイテムをゲーム内の通貨等と交換できる交換パート、あるいは現実世界の通貨を介して所望のキャラクタまたはアイテムを獲得できる販売パートを含む。
【0059】
第1実施形態によれば、第1ゲームパートとしてのファームパート2には特殊な時間の概念が適用される。ゲームプログラムは、第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされた場合に、その条件にあらかじめ対応付けられた値に応じてファームパート2に係るゲーム内時間(ファーム内の時間)を経過させるように構成される。所定の条件は、クエストパート3、ホームパート4または抽選パート5において達成可能な条件を含む。例えば、所定の条件は、クエストのクリア条件が満たされること、ゲームに設定されたミッション(課題、任務)を達成すること、またはプレイ時間が一定時間以上であることを含む。各条件には、時間経過ポイントが対応付けられる。時間経過ポイントは、ファーム内の時間をどれだけ経過させるべきかの指標であり、数値で表される。時間経過ポイントとファーム内の時間との対応は、例えば、時間経過ポイント「1」がゲーム内の「1時間」、「1日」、または「1年」に対応する、など、任意に設定されてよい。
【0060】
ファーム内の時間経過は、ファームに関連付けられたオブジェクトのうち時間経過の影響を受けるオブジェクトの少なくとも1つに反映される。例えば、ファームに関連付けられたモンスターは、ファーム内の時間経過に応じてステータスを変化させ得る。特に、モンスターに訓練施設が関連付けられた場合、ファーム内の時間経過に応じてモンスターの能力値が向上し得る。言い換えれば、第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされると、第1ゲームパートに関連付けられたモンスターのパラメータが変更される。変更されるパラメータの一例が成長度に関するパラメータである。またファームでは、モンスターに関連付けられた訓練施設が時間経過に応じて消耗するように設定され得る。消耗は、訓練施設を使用可能な残り時間または残り回数を表すパラメータを変更する(例えば、低下させる)処理を含む。さらにファームでは時間経過に応じて種々のイベントが起こり得る。例えば、時間経過に応じてファーム内でアイテムが生成される。ファームではこのような種々のイベントもパラメータの変更を介して制御される。
【0061】
(2)動作
(2-1)第1実施例
以降の動作の前提として、ユーザ端末100の制御部110および記憶部120の連携により、ゲームプログラムに記述されたコードに従ってゲームが進行され、所定のフレームレートで表示データが生成されているものとする。
【0062】
図5は、
図3に示したユーザ端末100の情報処理動作の概要を示すフローチャートである。
まずステップS1において、制御部110は、第1ゲームパートに第1オブジェクトを関連付ける処理を行う。一例として制御部110は、ユーザによって育成対象として選択されたモンスターをファームパート2に関連付ける。
次いでステップS2において、制御部110は、ユーザの操作に応じて実行される第2ゲームパートにおいて所定の条件が満たされたかどうかを判定する。所定の条件が満たされたと判定された場合(YES)、後続の処理に進む。所定の条件が満たされていないと判定された場合(NO)、処理を終了する。所定の条件が満たされていない場合、次の判定タイミングまで待機し、所定の条件が満たされるまでステップS2の判定が繰り返されてもよい。
ステップS3において、制御部110は、所定の条件が満たされたと判定される場合に、育成対象として選択可能な第1オブジェクトの数を増加させる処理を実行する。この処理は、ファームに収容可能なモンスターの上限数を制御する処理(収容可能数制御処理)と言い換えることもできる。ただし、この処理は第1実施形態において必須の処理ではなく省略されてもよい。
ステップS4において、制御部110は、所定の条件が満たされたと判定される場合に、第1ゲームパートに関連付けられた第1オブジェクトのパラメータを変更する、パラメータ変更処理を実行する。
【0063】
以下、各ステップの詳細をさらに説明する。
ステップS1は、例えばファームパート2でユーザから所定の操作を受け付けたことをトリガに実行される。ステップS1において、制御部110は、ファーム管理部115の制御の下、ファーム(ファームパート2)にオブジェクトを関連付ける処理を行う。ファームにオブジェクトを関連付ける処理は、モンスターをファームに関連付ける処理、訓練施設をファームに関連付ける処理、およびモンスターに訓練施設を関連付ける処理を含む。例えばユーザは、所持しているモンスターの育成設定を行う専用のゲーム画面を介して、育成対象とするモンスターを選択する操作を行うことができる。また例えばユーザは、訓練施設の新設を行う専用のゲーム画面を介して、新たにファームに設置可能な訓練施設の一覧から特定の訓練施設を選択する操作を行うことができる。また例えばユーザは、モンスターの訓練設定を行うゲーム画面を介して、モンスターをどの訓練施設に関連付けるかを選択する操作を行うことができる。制御部110は、ユーザの操作を受け付けて、ファーム情報記憶部123に記憶された所持モンスター管理テーブルおよび所持施設管理テーブルを書き換える。
【0064】
図8は、所持モンスター管理テーブルの一例を示す。図示の例では、所持モンスター管理テーブル1231は、所持モンスター、育成、訓練設定、耐久度残値およびステータスを表す情報を含む。「所持モンスター」は、ユーザ端末100のユーザが所持するモンスターの名称またはID(identification/identifier)を含む。図示の例では、ユーザは、モンスターA、モンスターBおよびモンスターCを所持する。「育成」は、各モンスターが育成中であるか(ファームに関連付けられているか)否かを示す。図示の例では「1」は育成中であることを示し、「0」は育成中でないことを示す。モンスターA,Bは育成中であるが、モンスターCは育成中ではない。ユーザの操作によりモンスターAまたはBが育成対象から外されると、その育成フィールドが「1」から「0」に書き換えられる。ユーザの操作によりモンスターCが育成対象として選択されると、モンスターCの育成フィールドが「1」に書き換えられる。「訓練設定」は、各モンスターに訓練が設定されているか否かを示す。図示の例では、モンスターAには「訓練器A1」を用いた訓練が設定され、モンスターBには「訓練器B1」を用いた訓練が設定されている。ここでは育成中でないモンスターには訓練設定できないというゲーム設定を想定し、モンスターCの訓練設定は「NA」(Not available/Not applicable)を示す。モンスターAの訓練が解除されると、その訓練設定フィールドが「訓練器A1」から訓練設定されていないことを示す任意の値(例えば「0」または「NA」)に書き換えられる。各モンスターに同時に2以上の訓練施設を関連付け可能としてもよい。「ステータス」は、各モンスターのステータスのパラメータを示す。図示の例では、モンスターAは「HP=100,SP=50,きぶん=30・・・」を有する。HP(体力)は、成長度に関するパラメータの一例で、値が大きいほど大きなダメージに耐えられることを表す。SP(スキル発動力)も、成長度に関するパラメータの一例で、値が大きいほど高度なスキル(特殊技)を多く発動できることを表す。きぶんパラメータは、モンスターの気分を表し、成長度に関するパラメータ以外のステータスの一例である。きぶんパラメータは、例えばゲーム内で食べ物を与えられると上昇し、ファーム内で放置されると低下するように設定される。きぶんパラメータが閾値以下の状態が一定時間続くと、例えばそのモンスターをクエストパート3の操作キャラクタとして使用できなくなる。ユーザが新たなモンスターを獲得した場合、そのモンスターの情報が新レコードとして所持モンスター管理テーブル1231に追加される。
【0065】
図9は、所持施設管理テーブルの一例を示す。図示の例では、所持施設管理テーブル1232は、所持施設、耐久度残値および訓練設定を表す情報を含む。「所持施設」は、ユーザ端末100のユーザが所持する(ファームに設置済みの)訓練施設の名称またはIDを含む。図示の例では、ユーザは、訓練器A1,訓練器B1,訓練器C1を所持する。「耐久度残値」は、各訓練施設に設定された耐久度の最大値に対する残値を示す。耐久度残値は、訓練施設を使用可能な残り時間または残り回数に対応する。訓練施設は、モンスターに関連付けられると、ファームの時間経過に応じてその耐久度残値が減少(消耗)していき、ゼロになると使用不能となる。図示の例では、訓練器A1の耐久度残値は「350/500」で、最大値500のうち残値350である。訓練器B1の耐久度残値は「200/500」で、最大値500のうち残値200である。訓練器A1は訓練器B1よりもまだ1.75倍(=350/200)長い時間使用できる。訓練器C1の耐久度残値は「20/100」である。「訓練設定」は、所持モンスター管理テーブル1231の訓練設定の値と連動する。訓練器A1はモンスターAに関連付けられ、訓練器B1はモンスターBに関連付けられ、訓練器C1は、ファームに設置済みであるが、いずれのモンスターにも関連付けられていない。ユーザが新たな訓練施設をファームに設置した場合、その訓練施設の情報が新レコードとして所持施設管理テーブル1232に追加される。
【0066】
ステップS1の処理はまた、ファーム内のモンスターに所定のアクションを実行させる処理と、ファームパート2に係るゲーム画像の表示データを生成する処理と、を含む。
モンスターは、ファームパート2において自律的に動作する。ファームに関連付けられたモンスターは、例えばオブジェクト制御部112により、「歩く」、「遊ぶ」、「眠る」などのアクション群からランダムに選ばれたアクションを実行する。ファームに関連付けられ、かつ訓練設定されたモンスターは、オブジェクト制御部112により、ファーム情報記憶部123に記憶された施設設定管理テーブルで指定されたアクションを実行する。
【0067】
図10は、施設設定管理テーブルの一例を示す。図示の例では、施設設定管理テーブル1233は、訓練施設種別、効果、耐久度、設置許容数、素材、およびモンスターのアクションを指定する情報を含む。「訓練施設種別」は、訓練施設の種類を区別する情報である。図示の例では、訓練施設種別は、上級者用の訓練器S、普通の訓練器A、普通の訓練器B、初心者用の訓練器Cおよび初心者用の訓練器Dを含む(以下、それぞれ、訓練器S、訓練器A、訓練器B、訓練器Cおよび訓練器Dと呼ぶ)。「効果」は、各訓練施設がモンスターに関連付けられた場合に単位時間当たりにモンスターの成長度に関するパラメータをどのように変更すべきかを指定する値を示す。効果は、第2オブジェクトの属性の一例である。図示の例で、訓練器Sの「腕力+10」は、腕力の値を単位時間あたりに10増加させることを指定する。同様に、訓練器AはHPを5増加させ、訓練器BはSPを5増加させ、訓練器Cは腕力を2増加させ、訓練器DはMPを2増加させる。腕力およびMPもモンスターの成長度に関するパラメータの一例である。例えば腕力は、物理攻撃力を表し、値が高いほど敵キャラクタに大きなダメージを与えることができる。例えばMPは、魔力を表し、値が高いほど高度な魔法を多く使用することができる。訓練器Sは、訓練器Cに比べモンスターを成長させる効果が5倍(=10/2)高い。なお、単位時間は、ゲーム内の1時間または1日など、任意に設定されてよい。このように、モンスターの成長度に関するパラメータは、モンスターによって使用される(モンスターに関連付けられる)訓練施設の属性に基づいて変更される。「耐久度」は、所持モンスター管理テーブル1231における「耐久度残値」の最大値に等しく、各訓練施設の初期使用可能時間に対応する。図示の例では、訓練器Sの耐久度は1000、訓練器Aは500、訓練器Bは500、訓練器Cは100、訓練器Dは100である。訓練器Sは、訓練器Aよりも2倍(=1000/500)長い時間使用可能である。「設置許容数」は、各訓練施設をファームに設置可能な最大数を表す。図示の例では、訓練器Sは1台、訓練器Aは2台、訓練器Bは2台、訓練器Cは10台、訓練器Dは10台まで設置可能である。所持モンスター管理テーブル1231に記載された訓練器A1は、設置可能な2台の訓練器Aのうちの1台である(ここでは「訓練器X1」、「訓練器X2」等と言うとき、「訓練器X」は訓練施設の種別を表し、続く数字「1」、「2」は個々を識別する情報を表すものとする)。いずれかの訓練施設が耐久度ゼロになって使用不能となった場合、そのぶん同種別の訓練施設を新設できるように設定されてもよい。「素材」は、各訓練施設の新設に必要なアイテムを表す。訓練施設を新設する難易度は、必要な素材アイテムの種類、数、または入手難度によって調整される。図示の例では、訓練器Sを新設するには、「丸太」、「大理石」および「宝石」が必要である。訓練器Aの新設には「大理石」と「宝石」、訓練器Bの新設には「大理石」と「魔法石」が必要で、訓練器Sよりも訓練器Aまたは訓練器Bを新設する方が容易であるように設定される。訓練器Cの新設には「丸太」と「ロープ」、訓練器Dの新設には「魔法石」と「ロープ」が必要で、例えば「ロープ」はゲーム内で入手しやすいように設定される。「モンスターのアクション」は、ファームパート2に係るゲーム画像に表示されるモンスターの動作を指定する。図示の例では、訓練器Sには「激しい打撃」、訓練器Aには「走り回る」、訓練器Bには「瞑想」、訓練器Cには「軽い打撃」、訓練器Dには「魔法を使う」が設定される。訓練器Sに関連付けられたモンスターは、激しい打撃の動作を行い、訓練器Aに関連付けられたモンスターは、走り回る動作を行う。
【0068】
図11は、ファームパート2に係るゲーム画像の第1の例を示す。ゲーム画像10は、ユーザ端末100の表示部1072に表示される。ゲーム画像10は、ファームに配置された仮想カメラ(図示せず)によって撮影される画像または映像を含む。図示の例では、ゲーム画像10は、ファームに配置されたモンスター11と、訓練施設12と、を含む。ゲーム画像10はまた、草、岩、木、柵、山、空等の背景オブジェクトを含む。ゲーム画像10のように、3次元的に表現されたゲーム空間(ファーム)でモンスターを育成する様子を描画することによって、ユーザに高い没入感をもたらすことができる。
【0069】
モンスター11は、第1ゲームパートに関連付けられる第1オブジェクトの一例である。モンスター11は、ユーザが所持する1または複数のモンスターの中から育成対象として選択されたモンスターの1つであり、ファームに関連付けられている。
訓練施設12は、第1ゲームパートにおいて第1オブジェクトにより使用される第2オブジェクトの一例である。ゲーム画像10では、訓練施設12は、パンチングバッグ状の外観を有するオブジェクトとして表示される。訓練施設12は、モンスター11に関連付けられている。モンスター11は、訓練施設12を用いた訓練を設定された状態であり、訓練施設12について指定されたアクションを実行するように制御される。
【0070】
例えば所持モンスター管理テーブル1231に示した「モンスターA」の周辺のゲーム画像を生成する場合、ステップS1において、制御部110は、所持モンスター管理テーブル1231からモンスターAの情報(育成=1,訓練設定=訓練器A1,HP=100,SP=50,きぶん=30・・・)を読み出す。制御部110は、読み出した情報に基づき、モンスターAおよび訓練器A1を含むゲーム画像を表示させる。ゲーム画像にはモンスターのステータスが反映されてもよい。例えばきぶんパラメータが閾値以下のモンスターは元気のない様子で描画される。訓練施設の耐久度残値がゲーム画像に反映されてもよい。例えば、耐久度が低い訓練施設は壊れた外観で描画される。制御部110はまた、施設設定管理テーブル1233から「訓練器A」に指定されたアクション「走り回る」を読み出す。ゲーム画像においてモンスターAは訓練器A1の周辺で走り回る動作を行う。
【0071】
図5のステップS2において、制御部110は、条件判定部116の制御の下、所定の条件が満たされたかどうかを判定する。ステップS1の後にステップS2を実行するためのトリガは任意に設定されてよい。第1実施例では所定の条件としていずれかのクエストのクリア条件が満たされたか否かを判定する。そのため、第1実施例では、ゲームがクエストパート3からホームパート4に遷移したことをトリガとしてステップS2が実行されるものとする。トリガが検知されるまで、ゲームプログラムは、ユーザの操作に応じて所定の処理を実行する。例えば、ステップS1においてユーザがファームパート2で育成対象モンスターの選択や訓練設定を行った後、所定の操作ボタンを押すと、ステップS1は終了し、ゲームはホームパート4に遷移する。ホームパート4において、ユーザは上述したような所望の操作を行うことができる。ユーザがクエストを選択すると、制御部110は、選択されたクエストの情報をファーム情報記憶部123に記憶されたクエスト管理テーブルから読み出し、ゲーム進行部111により当該クエストのゲームを実現する。
【0072】
図12は、クエスト管理テーブルの一例を示す。クエスト管理テーブル1234は、クエストの識別情報、想定攻略時間、時間経過ポイント、出現ボス、出現モンスター、出現アイテム、クリア条件、および収容可能数の制御に関する情報を含む。これらの情報の一部は、ホームパート4におけるクエスト選択の際にユーザに提示され得る。クエストの識別情報「クエスト」は名称またはID(クエスト1,クエスト2,クエスト3・・・)を含む。各クエストは同じゲーム空間で実現されてもよいし、異なるゲーム空間で実現されてもよい。「想定攻略時間」は、各クエストのプレイ開始から攻略(クリア)までに要すると想定される時間であり、例えば各クエストの難易度に応じてあらかじめ設定される。図示の例では、クエスト1は「5分」、クエスト2は「7分」、クエスト3は「10分」である。「時間経過ポイント」は、ファーム内の時間をどれだけ経過させるべきかの指標であるとともに、ファームに関連付けられたオブジェクトのパラメータ変更量の指標でもある。図示の例では、時間経過ポイントは、想定攻略時間(分)に60を乗じた値として計算される。クエスト1の時間経過ポイントは300(=5×60)であり、クエスト2は時間経過ポイント420(=7×60)であり、クエスト3は時間経過ポイント600(=10×60)である。時間経過ポイントは、想定攻略時間に依存しない値でもよいし、サーバ200の管理下にある複数のユーザの実際の攻略時間に基づいて調整されてもよい。より難易度の高いクエストにより大きな値の時間経過ポイントを対応付けることで、ユーザに難易度の高いクエストに挑戦する動機付けを与えることができる。
【0073】
クエスト管理テーブル1234において、「出現ボス」は、各クエストに「ボス(ボスキャラ)」として設定された敵キャラクタの情報を示す。図示の例では、クエスト1にはボス1、クエスト2にはボス2、クエスト3にはボス3が設定される。1つのクエストに複数のボスキャラが設定されてもよいし、ボスキャラが出現しないクエストがあってもよい。「出現モンスター」は、各クエストに出現するボス以外の敵キャラクタ(ザコキャラ)の情報を示す。図示の例では、クエスト1にはザコ1が、クエスト2にはザコ2とザコ3が、クエスト3にはザコ1とザコ4が出現する。各ザコキャラは各クエストに複数体出現し得る。ザコキャラは一般にボスキャラよりも攻撃力または防御力を低く設定される。ボスキャラまたはザコキャラは、各クエストの空間の初期位置に配置され、移動を伴うまたは移動を伴わない動作をし、操作キャラクタから一定距離以内に近づくと操作キャラクタに攻撃を仕掛けるように制御される。ユーザは、操作キャラクタを介して敵キャラクタにダメージを与え、敵キャラクタの残り体力値をゼロにすることで、敵キャラクタを倒す(戦闘に勝利する)。例えば、ザコキャラとの戦闘に勝利すると一定の確率でユーザがそのザコキャラを育成可能なモンスターとして獲得できるように設定される。時間経過ポイントは、出現ボスまたは出現モンスターの情報に応じて算出されてもよい。「出現アイテム」は、各クエストで獲得可能なアイテムの情報を示す。図示の例では、クエスト1では大理石、クエスト2では魔法石、クエスト3では宝石が獲得可能である。ユーザは、例えばゲーム空間に配置された宝箱に操作キャラクタを接近させることにより、または敵キャラクタを倒すことにより所定の確率でアイテムを獲得できる。「クリア条件」は、各クエストをクリアしたと判定するための条件で、クエストごとに設定される。図示の例では、クエスト1のクリア条件は「ボスを倒す」であり、ボス1の残り体力をゼロ以下にすればクエスト1をクリアしたと判定される。クエスト2のクリア条件は「特定地点に到達」であり、ボス2を倒したか否かに関わらず、操作キャラクタがゲーム空間内に設定された特定地点に到達すればクリアしたと判定される。クエスト3のクリア条件は「すべての敵を倒す」であり、クエスト3に出現するすべての敵キャラクタ(ボス3、ザコ1、ザコ4)を倒すことでクリアしたと判定される。「収容可能数制御」は、各クエストをクリアした場合に収容可能数(育成対象として選択可能な第1オブジェクトの数の上限値)を変更するかどうかを指定する。収容可能数は、ユーザ端末100のユーザが同時に育成可能なモンスターの数を表す。図示の例では、クエスト1には「NA」が設定され、クエスト1をクリアした場合には収容可能数は変更されない。クエスト2も同様である。クエスト3には「+1」が指定され、クエスト3をクリアした場合には収容可能数が1増加される。クエスト管理テーブル1234は、クリア条件以外の終了条件の情報を含み得る。
【0074】
施設設定管理テーブル1233およびクエスト管理テーブル1234に含まれる情報は、全ユーザに共通の設定情報としてゲーム設計者等によって任意に設定され、更新されるものであってよい。例えばユーザ端末100においてゲームプログラムが起動されるたびに最新の設定情報がサーバ200から受信され、ファーム情報記憶部123に格納される。設定されるクエストは、ユーザが好きな順序でプレイできるものを含んでよい。クエストは、プレイ可能な順序が設定されていて、あるクエストをクリアすることで後続のクエストがプレイ可能となるものを含んでもよい。クエストは、特定の期間のみプレイ可能なもの、または操作キャラクタが特定のレベルに達していること等の条件付きでプレイ可能なものを含んでよい。クエストはまた、一度クリアしたらプレイできなくなるクエスト、またはクリア後も繰り返しプレイ可能なクエストを含んでよい。初回クリア時のみ時間経過ポイントを発生させるか、2回目以降も発生させるかは、任意に設定されてよい。このような設定情報もまたクエスト管理テーブル1234で管理されることができる。
【0075】
制御部110は、クエストパート3の実行中、ゲーム進行部111により、クリア条件または終了条件が満たされるのを監視する。クリア条件が満たされた場合、制御部110は、例えば、クエストIDによりクエスト管理テーブル1234に紐づけられた各クエストのクリア状況を管理するテーブル(図示せず)においてクリアフラグを立て、ゲームをクエストパート3からホームパート4に遷移させる。クリア条件が満たされないまま何らかの終了条件が満たされた場合、制御部110は、クリアフラグを立てずにホームパート4に遷移させる。上述のように、第1実施例ではゲームがクエストパート3からホームパート4に遷移したことをトリガとしてステップS2が実行される。
【0076】
ステップS2において、制御部110は、条件判定部116の制御の下、上記のクリアフラグを確認し、所定の条件としてクリア条件が満たされたかどうかを判定する。クリアフラグが立てられている場合、クリア条件が満たされたと判定し(YES)、ステップ3に進む。クリア条件が満たされていない場合(NO)、処理を終了する。
【0077】
ステップS3において、制御部110は、収容可能数制御処理を実行する。
図6は、
図5のステップS3に示した処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS301において、制御部110は、条件判定部116の制御の下、クエスト管理テーブル1234から、クリアフラグに対応するクエストの収容可能数制御フィールドの値を読み出し、特定のクエストをクリアしたかどうかを判定する。読み出した値が「NA」以外の指定値の場合、特定のクエストをクリアしたと判定し(YES)、ステップS302に進む。読み出した値が「NA」の場合、特定のクエストでないと判定し(NO)、処理を終了する。
図11の例で言えばクリアしたクエストが「クエスト3」の場合、読み出した値が「+1」であるので「YES」に進み、「クエスト1」または「クエスト2」の場合、値が「NA」であるので「NO」に進む。
【0078】
ステップS302において、制御部110は、ファーム管理部115の制御の下、収容可能数制御フィールドの値に基づいて収容可能数(上限値)を増加させる。収容可能数もファーム情報記憶部123に記憶され管理される。
図11の「クエスト3」の例で言えば、ファーム管理部115は、「直前の収容可能数+1」の値で収容可能数を更新する。
【0079】
次いで
図5のステップS4において、制御部110は、ファームパート2に関連付けられたオブジェクトのパラメータを変更するパラメータ変更処理を実行する。パラメータ変更処理は、ファーム内の時間経過を発生させる処理と言い換えることもできる。
図7は、
図5のステップS4に示した処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS401において、パラメータ制御部117は、ファーム情報記憶部123に記憶されたクエスト管理テーブル1234から時間経過ポイントを取得する。
図11の「クエスト1」の例で言えば「時間経過ポイント=300」が取得される。
【0080】
ステップS402において、パラメータ制御部117は、ファーム管理部115と連携して、ファーム情報記憶部123から時間経過の影響を受けるオブジェクトに関する情報を取得する。例えばパラメータ制御部117は、所持モンスター管理テーブル1231から育成中の全モンスター(育成=1)に関する情報(訓練設定およびステータスパラメータ)を読み出す。パラメータ制御部117はまた他のオブジェクトの情報も読み出す。
【0081】
次いで育成中の各モンスターについてステップS403~S409の処理を実行する。
ステップS403において、パラメータ制御部117は、モンスターに訓練が設定されているか否かを判定する。訓練が設定されている場合(YES)、ステップS404に移行し、訓練が設定されていない場合(NO)、ステップS409に移行する。
【0082】
ステップS404において、パラメータ制御部117は、所持施設管理テーブル1232から当該モンスターに関連付けられた訓練施設の耐久度残値を読み出し、耐久度残値がステップS403で取得された時間経過ポイント以上であるか否かを判定する。耐久度残値が時間経過ポイント以上の場合(YES)、ステップS405に進み、耐久度残値が時間経過ポイント未満の場合(NO)、ステップS407に進む。例えばモンスターAに関連付けられた訓練器A1の耐久度残値は350であるので、時間経過ポイントが300の場合、耐久度残値の方が時間経過ポイントより大きいことから「YES」と判定される。
【0083】
ステップS405において、パラメータ制御部117は、ファーム管理部115と連携して、訓練施設の耐久度残値から時間経過ポイントを減算し、減算結果で所持施設管理テーブル1232に記憶された耐久度残値を更新する。上記の例で言えば、
350-300=50
により、更新後の耐久度残値は「50」となる。時間経過ポイントに所定の係数を乗じてからステップS404の判定およびステップS405の減算が行われてもよい。すなわちステップS405では、時間経過ポイントに応じて訓練施設の耐久度残値が変更される。
【0084】
ステップS406において、パラメータ制御部117は、ファーム管理部115と連携して、施設設定管理テーブル1233から当該モンスターに関連付けられた訓練施設の効果を読み出し、時間経過ポイントに応じてモンスターの成長度に関するパラメータを変更する。モンスターAに関連付けられた訓練器A1の例では、施設設定管理テーブル1233から「普通の訓練器A」の効果「HP+5」が読み出される。これは単位時間当たりにHPを5増加させるべきことを指定する。例えば、「時間経過ポイント1」=「単位時間」とすると、時間経過ポイントが300の場合、パラメータ制御部117は、
5×300=1500
だけHPの値を増加させる。パラメータ制御部117は、変更後の値で所持モンスター管理テーブル1231に記憶された値を更新する。所持モンスター管理テーブル1231に記憶されたモンスターAのHPが100であるので、更新後のHPは1600(=100+1500)となる。あるいは、「時間経過ポイント10」=「単位時間」とすると、時間経過ポイントが300の場合、パラメータ制御部117は、
5×300/10=5×30=150
だけHPの値を増加させる。モンスターAの更新後HPは250(=100+150)となる。これは、時間経過ポイントに所定の係数(成長率)を乗じてから成長度に関するパラメータを変更する、と言い換えることもできる。単位時間が時間経過ポイント1に等しい場合、成長率=1であり、単位時間が時間経過ポイント10に等しい場合、成長率=0.1である。その後、処理はステップS409に進む。
【0085】
一方、ステップS407において、パラメータ制御部117は、訓練施設の耐久度残値に応じて、ステップS406と同様にモンスターの成長度に関するパラメータを変化させ、所持モンスター管理テーブル1231を更新する。このステップでは、取得した時間経過ポイントのうち耐久度残値に対応するポイントの分が有効なものとしてモンスターの成長に反映されることになる。例えば、時間経過ポイントが600であっても、耐久度残値が100の場合、訓練器Aによる効果(HP+5)は耐久度残値100の分(成長率=1の場合、5×100=500)となる。
【0086】
ステップS408において、パラメータ制御部117は、ファーム管理部115と連携して、訓練施設を使用不能とする処理を行う。例えばパラメータ制御部117は、所持施設管理テーブル1232の当該訓練施設の耐久度残値をゼロに書き換える。あるいはパラメータ制御部117は、当該訓練施設に使用不能フラグを立てる処理を行ってもよい。訓練施設が使用不能になると自動的に訓練が解除されるように設定されてもよい。ステップS408の後、処理はステップS409に進む。
【0087】
なお、ステップS403で訓練設定されていないと判定された場合(NO)、モンスターの成長度に関するパラメータを変更せずにステップS409に進む例を説明したが、これに限られない。ファームに関連付けられているだけで訓練設定されていないモンスターも、ステップS406またはステップS407で使用されたよりも小さい成長率の値を用いて、時間経過ポイントに応じていずれかの能力値のパラメータが変更されてよい。例えばパラメータ制御部117は、訓練設定されていないモンスターについては、時間経過ポイントに成長率0.001を乗じた値だけHPを増加させるように設定される。時間経過ポイントが300であれば、HPは0.3(=300×0.001)増加される。
【0088】
また、各モンスターの成長度に関するパラメータには上限値が設定されてよい。例えば、いずれかの能力値が上限値に達した場合、その能力値に対する訓練施設の効果は発揮されず、その訓練施設の耐久度残値も変更されないように設定される。
【0089】
ステップS409において、パラメータ制御部117は、ファーム管理部115と連携して、ファームに関連付けられたモンスターの他のパラメータを時間経過ポイントに応じて変更する。他のパラメータは、上記のきぶんパラメータを含む。例えばパラメータ制御部117は、モンスターが訓練設定されていない場合、または訓練設定されたまま放置されている場合(一例として、訓練施設の耐久度残値は残っているが、モンスターの能力値が上限値に達し、それ以上訓練の効果が見込めない場合)、そのモンスターのきぶんパラメータを低下させる。例えば、変更前のきぶんパラメータが30、時間経過ポイントが300、きぶんパラメータ変更用の係数が0.01の場合、変更後のきぶんパラメータは、
30-300×0.01=30-3=27
となる。このように、能力値以外のステータスのパラメータも時間経過に応じて変更されるので、モンスターという仮想生物を育てるリアリティをもたらし、ゲームの興趣性を高めることができる。ファームに関連付けられたすべてのモンスターについてステップS409の処理が終了したら、ステップS410に進む。
【0090】
ステップS410において、パラメータ制御部117は、ファーム管理部115と連携して、時間経過ポイントに応じてファーム内の他のイベントのパラメータを変更する。他のイベントには、例えば、ファーム内の天候の変化、時間帯(朝昼夜)の変化および季節の変化が含まれ、これらもファームに関連付けられたオブジェクト(例えば背景オブジェクト)のパラメータとして記憶され更新される。例えばパラメータ制御部117は、時間経過ポイントに応じてファーム内の時計またはカレンダーを進ませ、更新後の時計またはカレンダーに従って、天候、時間帯または季節を定めるパラメータを変更する。ファームパート2が実行されるとき、ファーム管理部115および表示制御部114が連携して、変更後のパラメータを用いてゲーム画像を表示させる。ゲーム画像は、パラメータに従い、例えば、空や山の色、オブジェクトの影、衣服、街のデコレーション等を描画し得る。ユーザはゲーム画面を介してファームの変化を視覚的に楽しむことができる。
【0091】
他のイベントにはまた、ファームに関連付けられたアイテム生成オブジェクトによるアイテムの生成が含まれる。アイテム生成オブジェクトは、例えば、人間や動植物を模したオブジェクトまたは鉱山や工場を模したオブジェクトを含む。アイテム生成オブジェクトは、時間経過ポイントに応じたパラメータ変化としてアイテムを生成する。アイテム生成オブジェクトは、ユーザの選択によりファームに関連付けられてもよいし、ゲーム設計者によって関連付けられたものでもよい。他のイベントは、モンスターに関連付けられていない訓練施設の耐久度残値の変更を含む。
【0092】
このように、第1実施例は、クエストパート3の各クエストにあらかじめ時間経過ポイントを設定し、ユーザによるゲームプレイを介していずれかのクエストのクリア条件が満たされた場合に、設定された時間経過ポイントに応じてファーム内の時間を経過させる。仮に、どのクエストをプレイしても時間経過が同じになるように設定された場合、所要時間5分のクエストAを10回プレイしても、所要時間7分のクエストBを10回プレイしても、ファーム内の経過時間は同じとなり、モンスターの成長度または施設の耐久度の変化も同じとなる。しかし、クエストAを10回プレイしたら現実には50分、クエストBをプレイしたら現実には70分かかり、現実の所要時間/労力と乖離した印象を生む。そこで第1実施例では、クエストクリア時にどのくらいのゲーム内時間が経過するかという「時間経過ポイント」を設定した。これにより、ゲーム内の時間進行を現実の時間ではなくクエストプレイに紐づけたうえで、クエストの所要時間や労力に応じた時間経過量を設定できる。すなわち、所要時間の短いクエストよりも長いクエストをプレイしている方がモンスターの成長が速い、というように、ゲーム内の挙動にリアリティを与えることができる。また難易度の高いクエストにより高い時間経過ポイントを設定すれば、モンスターを効率的に成長させたいユーザは、より難易度の高いクエストに挑戦しようとする。難易度の高いクエストをプレイするには、より強力な操作キャラクタが望ましいので、ユーザはモンスターのさらなる成長を望む。このような好循環により、ゲームの興趣性を高め、ユーザにモンスターへの愛着、ひいてはゲームへの愛着を深めてもらうことができる。
【0093】
なお、
図7のすべてのステップが必須というわけではなく、時間経過をどのオブジェクトのどのパラメータに反映するかはゲーム設計者等によって任意に設定されてよい。例えば、モンスターの成長度に関するパラメータのみに時間経過が反映されてもよいし、施設の耐久度のみに反映されてもよいし、モンスターの他のパラメータのみに反映されてもよいし、ファーム内の他のイベントのみに反映されてもよい。同様に、
図6の処理も一例にすぎず、ファーム内の時間経過に応じて収容可能数が変更されてもよい。
【0094】
ユーザ端末100は、例えばバックアップのために、一定時間ごとにまたはゲームプログラム終了時に、ファーム情報記憶部123から所定のデータを抽出し、サーバ200に送信する。例えばユーザ端末100は、所持するモンスターの情報、所持する訓練施設の情報およびファームの収容可能数の情報を抽出し、ユーザの識別情報とともにサーバ200に送信する。所持するモンスターの情報は所持モンスター管理テーブル1231から、所持する訓練施設の情報は所持施設管理テーブル1232から抽出されることができる。ファームの収容可能数も同様の管理テーブル(図示せず)から抽出されることができる。サーバ200は、各ユーザ端末100から受信したデータを所持オブジェクトデータとして、各ユーザのアカウント情報に紐づけてユーザ情報データベース223に記憶する。
【0095】
図13は、所持オブジェクトデータの一例を示す。図示の例では、所持オブジェクトデータ2231は、ユーザの識別情報、所持モンスター、所持施設および収容可能数の情報を含む。ユーザの識別情報「ユーザ」は、ユーザ名またはユーザID(ユーザ1,ユーザ2,・・・)を含む。「所持モンスター」は、各ユーザが所持するモンスターの名称またはIDを含む。図示の例では、ユーザ1は、モンスターA、モンスターBおよびモンスターCを所持し、ユーザ2は、モンスターDを所持する。「所持施設」は、各ユーザが所持する訓練施設の名称またはIDを含む。図示の例では、ユーザ1は訓練器A1および訓練器B1を所持し、ユーザ2は訓練器D1を所持する。「収容可能数」は、各ユーザが育成対象として選択可能なモンスターの上限値で、ユーザ1は10体、ユーザ2は6体を選択可能である。所持モンスターおよび所持施設の情報はそれぞれのパラメータを含んでよい。
【0096】
図14は、ファームパート2に係るゲーム画像の第2の例である。
図14のゲーム画像20は、モンスターの訓練設定を行うゲーム画面として、例えば
図11のゲーム画像10においてモンスター11または訓練施設12をタップする操作を受け付けた場合にユーザ端末100の表示部1072に表示される。表示制御部114は、所持モンスター管理テーブル1231、所持施設管理テーブル1232および施設設定管理テーブル1233から必要な情報を読み出し、ゲーム情報記憶部122に記憶された表示情報を参照してゲーム画像20のための表示データを生成する。ゲーム画像20は、モンスター11の画像と、UI部品22と、UI部品25A~25Dと、を含む。
【0097】
UI部品22は、モンスター11に設定中の訓練の情報を提示する。図示の例では、UI部品22は、訓練施設の種別「普通の訓練器A」、効果「HP増加」および訓練施設の耐久度残値を最大値に対して視覚的に示すゲージを含む。UI部品22には訓練中であることを示すバッジ23が重畳表示される。UI部品22はまた「終了する」ボタン24を含み、ボタン24が選択されると、訓練設定が終了(解除)され、所持モンスター管理テーブル1231の訓練設定フィールドが「0」または「NA」に変更される。これに伴い所持施設管理テーブル1232の訓練設定フィールドも「0」に変更される。訓練解除された訓練施設は、耐久度がゼロになっていなければ他のモンスターの訓練に使用されることができる。訓練解除された場合、例えば
図11のゲーム画像10においてモンスター11は訓練施設12から離れた場所でランダムなアクションを実行する。訓練施設12は、ゲーム画像10から消されてもよいし、ゲーム画像10内に維持されてもよい。
【0098】
UI部品25A~25Dは、新設可能な訓練施設の候補またはモンスター11に設定可能な訓練の候補を提示する。これらは例えば、表示制御部114が、所持施設管理テーブル1232に記憶された所持施設の情報と、施設設定管理テーブル1233の設置許容数の情報と、から、まだ設置許容数に達していない訓練施設の種別を判別し、判別された訓練施設の種別を新設可能な候補として提示することによって実行される。例えば、UI部品25Aは、ユーザ端末100のユーザがまだ所持していない「上級者用の訓練器S」に関する情報(効果および必要素材)を含む。図示の例では、UI部品25Aは腕力増加の効果を上向き矢印で示しているが、施設設定管理テーブル1233に示した「腕力+10」のような数値情報を含んでもよい。同様に、UI部品25Aは必要素材をアイコンで示しているが、「丸太+大理石+宝石」のような文字情報を含んでもよい。また例えば、UI部品25Bは「普通の訓練器B」の情報(効果および必要素材)を含み、UI部品25Cは「初心者用の訓練器D」の情報を含む。UI部品25Cには「素材不足」のバッジが表示されており、訓練器Dの新設に必要な素材をユーザが所持していないことを示している。このバッジは、例えば表示制御部114がファーム情報記憶部123に記憶されたユーザの所持アイテムを管理するテーブル(図示せず)を参照し、表示の要否を判定する。表示される訓練施設の候補または訓練の候補は、すでにファームに設置済みで、いずれのモンスターにも訓練設定されていない訓練施設(例えば、
図9の例で言えば訓練器C1)を含んでもよい。このような訓練施設は、新設した際に素材と引き換え済みであるので、例えば、必要素材部分が空白表示される。訓練施設は、「訓練器A」という種別ではなく、「訓練器A1」、「訓練器A2」という個々の区別が可能に表示されてもよい。ユーザは、例えばUI部品25Aまたは25Bをタップすることによって、所持するアイテムの中から必要素材を消費して訓練施設をファームに設置することができる。設置された訓練施設は、自動的にモンスター11に関連付けられ、またはユーザの追加操作に応じてモンスター11に関連付けられる。すでにモンスター11に関連付けられていた訓練施設は、例えば強制的に解除される。ファーム管理部115は、このようなユーザの操作に応じて所持モンスター管理テーブル1231および所持施設管理テーブル1232を書き換える。
【0099】
所持モンスター管理テーブル1231および/または所持施設管理テーブル1232の情報は、例えばホームパート4のゲーム画像に常に表示され、またはホームパート4において所定の操作をすることでゲーム画像に表示される。表示される情報には、ファーム内の時計やカレンダーに基づく情報、またはファームで生成されたアイテムに関する情報が含まれてもよい。あるいはクエストパート3からホームパート4に遷移するたびに、最新のファームの情報が文字または音声で通知されるように構成されてもよい。これにより、ユーザは、ホームパート4においてファームの監視を行うことができる。
【0100】
(2-2)第2実施例
以下で、「所定の条件」として採用可能な他の例について説明する。
第2実施例は、第1実施例と同様の処理フローで実行され得るので、主に相違点を説明する。第2実施例は、いずれかのゲームパートに設定された複数のミッションのいずれかが達成された場合に、各ミッションにあらかじめ設定された時間経過ポイントに応じてファーム内の時間を経過させるように構成される。ミッションは、デイリーミッションなど、期間の指定があるもの、または常駐ミッションなど、期間の指定のないものを含む。ミッションの具体的な内容、期限、達成した場合に与えられる時間経過ポイント等はゲーム設計者やゲーム販売者等によって任意に設定されてよく、その設定情報は、例えばゲームプログラムを起動するたびにサーバ200からユーザ端末100に送信され、ファーム情報記憶部123に記憶される。
【0101】
ミッションは、クエストパート3に係るミッションを含む。この場合、ミッションは、例えば、火属性の敵キャラクタを3体倒せ、水属性の必殺技を使用せよ、といった、クエストパート3のゲームプレイを介して達成できるものを含む。ミッションは、単一のクエスト内で達成されるものまたは複数のクエストをまたいで達成されるものを含む。制御部110は、クエストパート3からホームパート4に遷移するたびに、
図5のステップS2において、クエストをクリアしたか否かに関わらず、またはクエストをクリアした場合に、いずれかのミッションが達成されたかどうかを判定する。いずれかのミッションが達成された場合、制御部110は、ファーム情報記憶部123からそのミッションに設定された時間経過ポイントを取得し、時間経過ポイントに応じてファームに関連付けられたオブジェクトのパラメータ変更処理を行う。
【0102】
ミッションは、ホームパート4に係るミッションを含む。この場合、ミッションは、例えば、ホームパート4のゲーム画面をカスタマイズせよ、ミニゲームに挑戦せよ、といったホームパート4のゲームプレイで達成できるもの、または、所持モンスター数を累計5にせよ、所持訓練施設数を累計10にせよ、といったファームパート2の監視を介して達成できるものを含む。制御部110は、ホームパート4において一定時間ごとにまたは所定の操作をトリガとして、
図5のステップS2において、いずれかのミッションが達成されたかどうかを判定する。いずれかのミッションが達成された場合、制御部110は、そのミッションに設定された時間経過ポイントを取得し、パラメータ変更処理を行う。
【0103】
ミッションは、抽選パート5に係るミッションを含む。この場合、ミッションは、例えば、抽選を累計10回実行せよ、といった抽選パート5のゲームプレイで達成できるものを含む。制御部110は、抽選パート5からホームパート4に遷移するたびに、
図5のステップS2において、いずれかのミッションが達成されたかどうかを判定する。いずれかのミッションが達成された場合、制御部110は、そのミッションに設定された時間経過ポイントを取得し、パラメータ変更処理を行う。
【0104】
第2実施例においても、ステップS3の収容可能数制御処理が実行されてよい。例えば、ステップS3では、特定のクエストクリアに基づいて収容可能数制御処理が行われ、ステップS4では、ミッション達成に基づいてパラメータ変更処理が行われてよい。
【0105】
(2-3)第3実施例
第3実施例は、クエストパート3における実際のプレイ時間に基づいてファーム内の時間を経過させる。第3実施例も、第1実施例と同様の処理フローで実行され得るので、主に相違点を説明する。
【0106】
第3実施例では、制御部110は、
図5のステップS2において所定の条件としてクエストパート3が一定時間以上プレイされたか否かを判定する。制御部110は、クエストパート3からホームパート4に遷移するたびに、
図5のステップS2において、クエストをクリアしたか否かに関わらず、またはクエストをクリアした場合にのみ、プレイ時間が所定の閾値(例えば3分)を超えるかどうかを判定する。プレイ時間が所定の閾値を超える場合、制御部110は、プレイ時間に応じて、または閾値を超過した分のプレイ時間に応じて、時間経過ポイントを算出し、パラメータ変更処理を行う。例えば、プレイ時間が7分であった場合、制御部110は、7分に所定の係数(例えば60)を乗じて時間経過ポイント420(=7×60)を取得し、またはプレイ時間7分から閾値3分を減じてから所定の係数を乗じて、時間経過ポイント240(=(7-3)×60)を取得する。
【0107】
第3実施例においても、ステップS3の収容可能数制御処理が実行されてよい。例えば、ステップS3では、特定のクエストクリアに基づいて収容可能数制御処理が行われ、ステップS4では、プレイ時間に基づいてパラメータ変更処理が行われてよい。
【0108】
第1実施例、第2実施例または第3実施例は、単独で採用されてもよいし、組み合わせて採用されてもよい。例えば、クエストクリアに設定された時間経過ポイント、ミッションに設定された時間経過ポイント、およびクエストパート3のプレイ時間に基づく時間経過ポイントのうちの2以上が組み合わせて採用されてよい。
【0109】
(3)追加要素例
(3-1)訓練施設の消耗を抑える要素
上記のように、第1実施形態では、モンスターが成長する代償として訓練施設が消耗する設定を採用した。このようなゲーム設定は、リアリティを高め、ゲームの興趣性を高める。さらに興趣性を高めるため、訓練施設の消耗を防ぐゲーム要素を追加可能である。
【0110】
(i)補強材
訓練施設の消耗を抑制する補強材オブジェクト(以下、補強材)がゲームに採用されてもよい。補強材は、例えば、木材、コーティング剤、または囲い/覆い(屋根や壁)等を模したオブジェクトを含む。補強材の効果は任意に設定される。例えば、補強材が訓練施設に適用されると、その訓練施設については一定回数にわたって、時間経過ポイントの値そのままではなく、時間経過ポイントに所定の係数S(0≦S<1)を乗じた値が訓練施設の耐久度から減じられる(例えば
図7のステップS404)。これにより訓練施設の消耗を抑えることができ、ユーザはゲームを有利に進めることができる。一例として、時間経過ポイントが100の場合に、通常は訓練施設の耐久度の残値が100低下するところ、係数S=0.5の補強材を適用すると耐久度が50しか低下しない。補強材は、例えば、貴重なアイテムとしてファームパート2で生成され、クエストパート3で獲得され、または抽選パート5で入手される。補強材は有料アイテムとして販売されてもよい。
【0111】
(ii)修理材
モンスターに関連付けられていない訓練施設の耐久度を回復させる修理材オブジェクト(以下、修理材)がゲームに採用されてもよい。修理材は、例えば、石材、ハンマー、または接着剤等を模したオブジェクトを含む。修理材の効果は任意に設定される。例えば、修理材が訓練施設に適用されると、その訓練施設は時間経過ポイントに応じて耐久度が一定値回復する。これにより、耐久度の残値が低くなったまたはゼロになった訓練施設を再使用できる。修理材もまた、貴重なアイテムとしてファームパート2で生成され、クエストパート3で獲得され、抽選パート5で入手され、または販売される。
【0112】
(iii)トレーナー
上述のように、ユーザは、ゲーム内で1または複数の仲間キャラクタを所持することができる。ユーザは、仲間キャラクタを操作キャラクタとして使用してクエストパート3をプレイすることができる。仲間キャラクタは、育成対象ではないが、育成を支援する効果を有するように設定されてもよい。例えば、仲間キャラクタをモンスターの訓練のトレーナー(訓練士)として設定することにより、訓練施設の適切な使用を支援し、その消耗を抑制するという効果が設定されてもよい。トレーナーが設定されたモンスターが使用する訓練施設については、補強材と同様に、時間経過ポイントの値そのままではなく時間経過ポイントに所定の係数T(0≦T<1)を乗じた値が訓練施設の耐久度残値から減じられる。係数Sと係数Tは同値でも異なる値でもよい。トレーナーにはまたモンスターの成長を促進する効果が設定されてもよい。例えば、トレーナーが設定されたモンスターについては、
図7のステップS406またはS407で使用される成長率が増大され、または訓練が設定されていなくてもステップS406に従って成長する。また、トレーナーには、きぶんパラメータの低下を抑制する効果が設定されてもよい。例えば、トレーナーが設定されたモンスターには、ステップS409の処理が実行されなくなる。
【0113】
この場合、各仲間キャラクタには、訓練施設の消耗を抑制する効果、モンスターの成長速度を高める効果、またはきぶんパラメータの低下を抑制する効果が設定されてよい。例えば、消耗抑制効果は高いが攻撃力が低いファームパート向きのキャラクタ、成長速度を高める効果はないが攻撃力が高いクエストパート向きのキャラクタ、オールマイティなキャラクタ、などを設定して、ゲームの戦略性および興趣性を高めることができる。仲間キャラクタはまた、モンスターとの相性または訓練施設との相性に応じて異なる効果を発揮するように設定されてもよい。例えば、仲間キャラクタAとモンスターAの組合せは、相性が「通常」なので成長率が2倍になるが、仲間キャラクタAとモンスターBの組合せは、相性が「良好」なので成長率が3倍になる、などの設定が可能である。
【0114】
(3-2)時間経過を加速させる要素
ファームの時間経過を加速させるため、特定のクエストの時間経過ポイントを大きく設定することが可能である。例えば、クエストYおよびクエストZの想定攻略時間がいずれも3分である場合に、クエストYの時間経過ポイントが180ポイントであるのに対し、クエストZは500ポイントに設定することができる。これにより育成効率を高めたいユーザにとってクエストZをプレイする動機付けとなる。このようなクエストZをプレイするためにゲーム内の通貨が必要等の設定をすれば、収益化にもつながる。あるいは、時間経過ポイントに交換できるアイテム(例えば、成長促進剤)が設定されてもよい。現実またはゲーム内通貨と引き換えに時間経過ポイントを取得可能としてもよい。
【0115】
(3-3)アイテム獲得の要素
上述したように、時間経過に伴ってファーム内でアイテム生成オブジェクトによりアイテムが自動生成されるように設定することもできる。アイテム生成オブジェクトとして、例えば、小型のモンスター(ミニモンスター)をユーザの選択に応じてファームに関連付けられるようにすることができる。ミニモンスターは、ファーム内に配置されると時間経過の影響を受けるオブジェクトの一例であり、例えば抽選パート5を介して獲得される。ミニモンスターによって生成されるアイテムは、例えば、訓練施設の新設に必要な素材、モンスターに与える食べ物、クエストで使用できる武器や防具、または上記補強材等を含む。アイテム生成オブジェクトとしてキャラクタオブジェクトを採用することで、ユーザのゲームへの愛着を深める要素を増やすことができる。
【0116】
(4)効果
上述したように、第1実施形態では、ユーザが所持するモンスターをファームに配置して育成するゲームにおいて、モンスターを成長させるために、他のゲームパートにおけるゲームプレイを必要とするようにした。言い換えれば、ファームに配置して訓練を設定しただけではモンスターは変化せず、ゲームプレイを介して所定の条件が満たされたときにはじめてモンスターが成長するようにした。モンスターの成長度に関するパラメータに加え、ファームに関連付けられたオブジェクトの様々なパラメータも、時間経過ポイントという独自の概念を介して変更される。これにより、所定の条件を満たすこと自体の満足感に加え、所定の条件を満たすことでファーム内の時間が経過するという興趣性をもたらし、ゲームプレイの動機付けを与えることができる。またファーム内の時間経過によってモンスターが成長し、ファーム内イベントが発生することにより、ユーザにモンスターへの愛着、ひいてはゲーム自体への愛着を深めてもらうのに役立つ。これらが相まって、さらにユーザにゲームプレイの動機付けを与えることができる。アイテムや仲間キャラクタの活用によって育成を効率化できるようにすれば、ゲームの興趣性を高めるとともに、収益化の機会も得られる。このように、第1実施形態によれば、ゲームの興趣性を高めるとともに、ユーザにゲームプレイの動機付けを与えるのに役立つ技術が提供される。
【0117】
[第2実施形態]
第2実施形態に係るゲームプログラムは、現実世界の時間(リアル時間)に応じてオブジェクトのパラメータを変更する構成を含む。この構成は、第1実施形態で説明した「所定の条件が満たされたと判定される場合にオブジェクトのパラメータを変更する」構成に追加して採用されることができる。第2実施形態は、第1実施形態に関して説明したゲームシステム1、サーバ200およびユーザ端末100と同様のハードウェア構成および機能構成(ソフトウェア構成)を有することができる。
【0118】
(1)第1実施例
第1実施例は、ゲームプログラムが起動されゲームが実行されている時間(ログイン時間またはアクセス時間と言い換えることもできる)に応じて、パラメータを変化させる。第1実施例では、ユーザ端末100のパラメータ制御部117は、追加的に、複数のタイマー機能を備え、タイマーにより計時されたリアル時間を各オブジェクトのパラメータに反映できるように構成される。
【0119】
図15は、第2実施形態に係るユーザ端末100の情報処理動作の第1実施例を示すフローチャートである。
まずステップS21において、例えばゲームプログラム起動後の適時のタイミングで、制御部110が、ファーム管理部115およびパラメータ制御部117の制御の下、すでにファームに関連付けられているオブジェクトについて、共通のカウントアップタイマーを起動し、計時を開始する。その後、制御部110は、新たにファームに関連付けられたオブジェクトがあれば、オブジェクトごとに専用タイマーを起動する。モンスターについては、ファームに関連付けられた時点に対応する専用タイマーまたは訓練が設定された時点に対応する専用タイマーの一方または両方が起動される。
【0120】
ステップS22において、制御部110は、経過時間をパラメータに反映するタイミングであるか否かを判定する。反映タイミングであれば(YES)、ステップS23に進み、反映タイミングでなければ(NO)、待機する。反映タイミングは任意に設定されてよい。反映タイミングは、例えば、第1実施形態と同様にクエストパート3からホームパート4に遷移したタイミング、一定時間ごと(例えばゲーム開始から30分ごと)、いずれかのオブジェクトの訓練設定が解除されたタイミング、いずれかのオブジェクトが育成対象から外されたタイミング、いずれかのタイマーが上限値に達したタイミングまたはゲーム終了の操作を受け付けたタイミング等、1または複数のタイミングを含む。
【0121】
ステップS23において、制御部110は、パラメータ制御部117の制御の下、各タイマーから経過時間を取得する。
【0122】
ステップS24において、制御部110は、パラメータ制御部117の制御の下、経過時間を時間経過ポイントに換算する。換算係数または換算式は任意に設定されてよい。
【0123】
次いで、ステップS4において、制御部110は、パラメータ制御部117の制御の下、時間経過ポイントに基づいてファーム内の各オブジェクトのパラメータを変更する。ステップS4は
図7に示した詳細な処理を採用することができる。なお、第2実施形態においても、
図7に関して説明したのと同様に、モンスターの成長度に関するパラメータ、訓練施設の耐久度残値、モンスターの成長度以外のパラメータ、またはファーム内の他のオブジェクトのパラメータのうち、任意に選択された1または複数が変更されてよい。
【0124】
ステップS25において、制御部110は、処理の終了条件を満たすかどうか判定する。例えば、制御部110は、ステップS22の反映タイミングがゲーム終了であったかどうかを判定する。ゲーム終了の場合(YES)、処理を終了する。ゲーム終了でない場合(NO)、ステップS26に進む。処理の終了条件は他の基準に基づいてもよい。
【0125】
ステップS26において、制御部110は、共通タイマーをリセットし、オブジェクトごとに設定されていた専用タイマーがあれば解除する。その後、ステップS21に戻り、再び共通タイマーを再起動して、処理を繰り返す。なお、第1実施例では、共通タイマーおよび専用タイマーとしてゲームプログラムが終了されるとリセットまたは解除されるタイマーを想定している。
【0126】
(2)第2実施例
第2実施例は、ゲームプログラムの実行の有無にかかわらず、ファームパート2にオブジェクトが関連付けられた時点からの現実の時間経過に応じてパラメータを変化させる。
図16は、第2実施形態に係るユーザ端末100の情報処理動作の第2実施例を示すフローチャートである。
図16の処理は、例えば、オブジェクトごとに並行して実行され、モンスターに関連付けられた訓練施設についてはモンスターと一体的に実行される。
【0127】
まずステップS31において、制御部110は、時間経過の影響を受けるオブジェクトが新たにファームに関連付けられた時点に対応する時刻をそれぞれの設定時刻として記憶する。例えば、モンスターの場合、設定時刻は、育成対象として選択された時点に対応する時刻および訓練設定された時点に対応する時刻を含む。背景オブジェクトの場合、設定時刻は、例えばゲームプログラムの初期起動時に対応する。
【0128】
ステップS32において、制御部110は、経過時間をパラメータに反映するタイミングであるか否かを判定する。反映タイミングであれば(YES)、ステップS23に進み、反映タイミングでなければ(NO)、待機する。反映タイミングは任意に設定されてよい。反映タイミングは、例えば、第1実施形態と同様にクエストパートからホームパートに遷移したタイミング、ゲームが起動されたタイミング、一定時間ごと(例えばゲーム開始から30分ごと)、モンスターの訓練設定が解除されたタイミングまたはモンスターが育成対象から外されたタイミング等を含む。
【0129】
ステップS33において、制御部110は、パラメータ制御部117の制御の下、各オブジェクトの設定時刻と現在時刻とに基づいて経過時間を取得する。単一のモンスターについて育成開始と訓練開始の両方に対応する設定時刻が記憶されている場合、例えば、訓練開始に対応する設定時刻からの経過時間のみが取得される。両方の設定時刻からの経過時間が取得されてもよい。
【0130】
ステップS34において、制御部110は、パラメータ制御部117の制御の下、経過時間を時間経過ポイントに換算する。換算係数または換算式は任意に設定されてよい。
【0131】
ステップS4において、制御部110は、パラメータ制御部117の制御の下、時間経過ポイントに応じて当該オブジェクトのパラメータを変更する。ステップS4は
図7に示した詳細な処理のうち関連する部分を採用することができる。例えば、オブジェクトがモンスターである場合、ステップS410は省略される。オブジェクトがモンスターと訓練施設のセットである場合も同様にステップS410は省略される。オブジェクトが、ファーム内の他のイベントに係るオブジェクト(例えば、ミニモンスターや背景オブジェクト)である場合、ステップS403~S409は省略される。
【0132】
ステップS35において、制御部110は、記憶した設定時刻を、時間経過の反映を行った時点に対応する時刻(反映時刻)で書き換える処理を実行する。記憶された設定時刻は、ゲーム終了後も記憶部120に保持される。
【0133】
ステップS36において、制御部110は、処理の終了条件を満たすかどうか判定する。例えば、制御部110は、オブジェクトがモンスターで、ステップS32の反映タイミングが育成対象から外されたタイミングであった場合、終了条件を満たすと判定する。終了条件を満たす場合(YES)、処理を終了する。終了条件を満たさない場合(NO)、ステップS32に進み、書き換えた設定時刻を用いて処理が繰り返される。あるいは制御部110は、オブジェクトがモンスターで、ステップS32の反映タイミングが訓練設定を解除されたタイミングであった場合、終了条件を満たさないと判定する。この場合、制御部110は、訓練開始に対応する設定時刻を消去し、育成開始に対応する設定時刻(ステップS35で反映時刻に書き換え済み)を用いてステップS32以降の処理を繰り返す。
【0134】
第1実施例または第2実施例は、第2実施形態に係るゲームプログラムにおいて単独で採用されてもよいし、組み合わせて採用されてもよい。
【0135】
(3)効果
上述したように、第2実施形態によれば、第1実施形態の時間経過に加えて、さらに現実の時間に応じてファームの時間経過が生じるように構成される。
第1実施例では、ゲームが実行されている時間に応じてファームの時間経過が生じる。したがって、操作に不慣れな初心者ユーザでも、ゲームを実行している時間に応じてモンスターを成長させることができ、ゲームの興趣性を高めつつ、モンスターへの愛着を深めるのに役立ち、ゲームを実行する動機付けを与えることができる。
第2実施例では、ファームに関連付けられた時刻から経過した現実の時間に応じてファームの時間経過が生じる。したがって、学業や仕事などの事情でゲームを起動できない期間が続いたユーザ、またはゲームに飽きたユーザでも、ゲームを起動できなかった期間の分もファームの時間経過を生じさせることができる。したがって、ユーザに対し、モンスターの成長を期待させて起動を促すことができ、放置していたにも関わらず成長しているモンスターへの愛着を深めてもらい、ゲームの再開を動機付けることができる。
【0136】
第1実施形態に関して説明した第1実施例、第2実施例、または第3実施例と、第2実施形態に関して説明した第1実施例または第2実施例と、は、任意に組み合わされることができる。例えば、モンスターの成長および訓練施設の消耗については第1実施形態の第1実施例を採用し、ファーム内の他のイベントについては第2実施形態の第2実施例を採用するなど、オブジェクトごとに異なる時間経過ルールが採用されてもよい。あるいは、第2実施形態の構成は、第1実施形態を前提とせずに単独で採用されてもよい。
【0137】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、育成対象の第1オブジェクトはモンスターに限られず、パラメータを変更し得るものであれば無生物のオブジェクトであってもよい。同様に、第1ゲームパートはファームパート2に限られない。
【0138】
所定の条件は、クエストパート3、ホームパート4または抽選パート5のうちの2以上のゲームパートの組合せにおいて達成可能な条件であってもよい。所定の条件はまた、クエストパート3、ホームパート4または抽選パート5以外のゲームパートに係るものでもよい。第2ゲームパートは必ずしもファームパート2を除外するものではない。収容可能数制御処理は、「第1クエスト~第10クエストがすべてクリアされていない状態では収容可能数=1、第1クエスト~第10クエストをすべてクリアしたら収容可能数=2」といった情報を含んでもよい。
【0139】
ファームでは、1のモンスターに複数の訓練施設を同時に関連付け可能としてもよい。同様に1のモンスターに複数のトレーナーを同時に関連付け可能としてもよい。トレーナーは、モンスターに関連付けられてもよいし、訓練施設に関連付けられてもよい。
【0140】
タッチパネルを入力部1071の例にして説明したが、これに限定されない。入力部1071は、複数のボタンを備えるコントローラであってもよい。入力部1071に対するユーザの操作は、このようなコントローラのボタン、またはキーボードもしくはマウスを介した操作に置き換えられてもよい。
【0141】
操作受付部113は、センサ1004からの信号をユーザの操作として受け付けることもできる。例えば、操作受付部113は、イメージセンサまたはジェスチャセンサを介してユーザの表情またはジェスチャを検出し、操作として受け付けることもできる。あるいは操作受付部113は、サウンドセンサを介してユーザの音声を検出し、操作として受け付けることもできる。
【0142】
さらに、フローチャートを用いて説明した処理の流れは、説明した手順に限定されるものではなく、いくつかのステップの順序が入れ替えられてもよいし、いくつかのステップが同時並行で実施されてもよい。また、以上で説明した一連の処理は、時間的に連続して実行される必要はなく、各ステップは任意のタイミングで実行されてもよい。時間経過ポイントを取得する処理または時間経過ポイントに換算する処理は省略可能である。例えば、クエストAをクリアしたらモンスターの訓練中の能力値を10増加させる、またはミッションBを達成したらモンスターの訓練中の能力値を5%高めるなど、条件に応じてパラメータ変更が設定されてもよい。あるいは訓練設定の有無にかかわらず、条件に応じてファーム内のモンスターの能力値を一律に増加させてもよい。
【0143】
サーバ200およびユーザ端末100の構成は、実施形態に係るゲームプログラムを実現可能な他の構成に置き換えられてもよい。サーバ200の構成およびユーザ端末100の構成は、省略され、複数の装置に分散配置され、類似の構成に置き換えられてもよい。サーバ200およびユーザ端末100の各機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0144】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリ等である。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【0145】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0146】
1…ゲームシステム、100…ユーザ端末、110…制御部、111…ゲーム進行部、112…オブジェクト制御部、113…操作受付部、114…表示制御部、115…ファーム管理部、116…条件判定部、117…パラメータ制御部、120…記憶部、121…ゲームプログラム記憶部、122…ゲーム情報記憶部、123…ファーム情報記憶部、200…サーバ、211…受信制御部、212…送信制御部、213…ゲーム進行部、220…記憶部、221…ゲームプログラム記憶部、222…ゲーム情報記憶部、223…ユーザ情報データベース、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…センサ、1005…通信インタフェース、1006…入出力インタフェース、1007…タッチスクリーン、1008…バス、1071…入力部、1072…表示部、2001…プロセッサ、2002…メモリ、2003…ストレージ、2004…通信インタフェース、2005…入出力インタフェース、2006…バス。