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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172652
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】紫外光照射装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A61N5/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078670
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503359821
【氏名又は名称】国立研究開発法人理化学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山岬 健一
(72)【発明者】
【氏名】立河 孝
(72)【発明者】
【氏名】古頭 康一
(72)【発明者】
【氏名】小松 聖
(72)【発明者】
【氏名】向井 諭
(72)【発明者】
【氏名】和田 智之
(72)【発明者】
【氏名】神成 淳司
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴代
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA03
4C082PJ01
(57)【要約】
【課題】被照射物に対して紫外光を均一に照射することができる紫外光照射装置の提供。
【解決手段】紫外光照射装置100は、被照射物R1を搬送させる搬送装置2と、複数の第1の光源ユニット1a、1bと、被照射物R1が搬送される搬送路W1を跨ぐフレーム構造体3とを備える。フレーム構造体3が、複数の第1の光源ユニット1a、1bをそれぞれ支持する。複数の第1の光源ユニット1a、1bは、それぞれ、複数の発光部1aa、1baと、複数の光学部材1ab、1bbとを備える。複数の発光部1aa、1baは、それぞれ、複数の光学部材1ab、1bbを通過させて紫外光を出射することによって、紫外光を疑似平行光L1aに変換し、変換された疑似平行光L1aをフレーム構造体3から搬送路W1側へ照射し、疑似平行光L1aは、フレーム構造体3が形成する面に平行である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射物を搬送させる搬送装置と、
複数の第1の光源ユニットと、
前記被照射物が搬送される搬送路を跨ぐフレーム構造体と、を備え、
前記フレーム構造体が、前記複数の第1の光源ユニットをそれぞれ支持し、
前記複数の第1の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材と、を備え、
前記複数の発光部は、それぞれ、前記複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記フレーム構造体から前記搬送路側へ照射し、
前記疑似平行光は、前記フレーム構造体が形成する面に平行である、
紫外光照射装置。
【請求項2】
複数の第1の光源ユニットと、
枠状に互いに連結した複数のフレームを備えるフレーム構造体と、を備え、
フレーム構造体の内側は、被照射物が搬送される搬送路が通過しており、
前記複数の第1の光源ユニットが前記フレームの1つに並んで配置されており、
前記複数の第1の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材と、を備え、
前記複数の発光部は、それぞれ、前記複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記フレームの1つから前記搬送路側へ照射し、
前記疑似平行光は、前記フレーム構造体が形成する面に平行である、
紫外光照射装置。
【請求項3】
前記複数の発光部は、複数の陰極管ランプであり、
前記複数の光学部材は、それぞれ、前記陰極管ランプの軸に対して略垂直な断面において放物線上に延びた反射面を有する反射部と、前記陰極管ランプの軸に沿って延びた導光板と、を備え、
前記反射部と前記導光板との間に、前記陰極管ランプが設けられ、
前記陰極管ランプが前記紫外光を出射し、
前記導光板が前記出射された紫外光の一部を導きつつ、前記反射部が前記出射された紫外光の残部を反射することによって、前記出射された紫外光を前記疑似平行光に変換する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外光照射装置。
【請求項4】
前記複数の発光部は、複数のLEDランプであり、
前記複数の光学部材は、複数のシリンドリカルレンズである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外光照射装置。
【請求項5】
前記複数の発光部は、複数のLEDランプであり、
前記複数の光学部材は、複数のフレネルレンズである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外光照射装置。
【請求項6】
前記複数のフレームから前記搬送路側に延びるフードを備え、
前記フードは、紫外光を遮光しつつ可視光を透過する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の紫外光照射装置。
【請求項7】
前記複数のフレームと前記搬送路との間に設けられた遮光カーテンを備え、
前記遮光カーテンは、紫外光を遮光しつつ可視光を透過する、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の紫外光照射装置。
【請求項8】
前記搬送路の下方から前記搬送路へ紫外光を照射する下側光源ユニットをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の紫外光照射装置。
【請求項9】
前記搬送装置は、互いに間隔を空けた複数のローラと、前記複数のローラを駆動させる駆動部と、備え、
前記下源光源ユニットの照射した紫外光を分岐させて、前記複数のローラ同士の間を通過させて、前記搬送路へ照射させる複数のミラーをさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1を引用する請求項8に記載の紫外光照射装置。
【請求項10】
前記複数のミラーの反射面は、放物線上に延びる、
ことを特徴とする請求項9に記載の紫外光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外光照射装置に関し、特に、紫外光を当該被照射物に照射する紫外光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の紫外光照射装置は、被照射物を移動させつつ、光学部材を用いて紫外光を平行光に変換した後、被照射物に照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-058654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者等は、以下のような技術的な課題を発見した。
このような紫外光照射装置では、被照射体に対して紫外光を均一に照射できないだけでなく、出射した紫外光が外部へ漏れて人体や有機物体に対して影響を及ぼすおそれがあった。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、被照射物に対して紫外光を均一に照射することができる紫外光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施の形態の一つに係る紫外光照射装置は、
被照射物を搬送させる搬送装置と、
複数の第1の光源ユニットと、
前記被照射物が搬送される搬送路を跨ぐフレーム構造体と、を備え、
前記フレーム構造体が、前記複数の第1の光源ユニットをそれぞれ支持し、
前記複数の第1の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材と、を備え、
前記複数の発光部は、それぞれ、前記複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記フレーム構造体から前記搬送路側へ照射し、
前記疑似平行光は、前記フレーム構造体が形成する面に平行である。
【0007】
本開示の実施の形態の一つに係る紫外光照射装置は、
複数の第1の光源ユニットと、
枠状に互いに連結した複数のフレームを備えるフレーム構造体と、を備え、
フレーム構造体の内側は、被照射物が搬送される搬送路が通過しており、
前記複数の第1の光源ユニットが前記フレームの1つに並んで配置されており、
前記複数の第1の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材と、を備え、
前記複数の発光部は、それぞれ、前記複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記フレームの1つから前記搬送路側へ照射し、
前記疑似平行光は、前記フレーム構造体が形成する面に平行である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、被照射物に対して紫外光を均一に照射することができる紫外光照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の一構成例を示す断面図である。
図2】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の一構成例を示す斜視図である。
図3】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の一構成例を示す正面図である。
図4】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第1の一例を示す斜視図である。
図5】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第1の一例を示す側面図である。
図6】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第2の一例を示す斜視図である。
図7】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第2の一例を示す断面図である。
図8】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第3の一例を示す斜視図である。
図9】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第4の一例を示す斜視図である。
図10】実施の形態2にかかる紫外光照射装置の一構成例を示す斜視図である。
図11】実施の形態2にかかる紫外光照射装置の一構成例の要部を示す斜視図である。
図12】実施の形態2にかかる紫外光照射装置の第1の一変形例を示す斜視図である。
図13】実施の形態2にかかる紫外光照射装置の第2の一変形例を示す斜視図である。
図14】実施の形態2にかかる紫外光照射装置の第3の一変形例を示す斜視図である。
図15】実施の形態2にかかる紫外光照射装置の第4の一変形例を示す斜視図である。
図16】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の第1の一変形例を示す斜視図である。
図17】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の第2の一変形例を示す斜視図である。
図18】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の第3の一変形例を示す斜視図である。
図19】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の第4の一変形例を示す斜視図である。
図20】実施の形態1にかかる紫外光照射装置の第4の一変形例の要部の断面を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1図3を参照して本開示の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる紫外光照射装置の一構成例を示す断面図である。図2は、図1に示す紫外光照射装置の一構成例を示す斜視図である。図3は、図2に示す紫外光照射装置の一構成例を示す正面図である。なお、図2及び図3では、分かり易さのため、搬送装置2(後述)の図示を省略した。
【0011】
図1図3に示すように、紫外光照射装置100は、複数の第1の光源ユニット1a、1bと、搬送装置2と、フレーム構造体3とを備える。
【0012】
搬送装置2は、搬送路W1に沿って延びる。搬送装置2は、被照射物R1を搬送路W1に沿って搬送するものであればよく、例えば、ベルト式コンベヤやローラ式コンベヤである。本実施形態に係る搬送装置2は、複数のローラ21と、駆動部(図示略)とを備える。複数のローラ21は、回転可能に支持されて、搬送路W1に沿って並んで配置されている。当該駆動部は、複数のローラ21に回転駆動力を供給する駆動源であればよく、例えば、モータである。被照射物R1は、紫外光を照射されることを望まれる物であればよく、例えば、手荷物や貨物である。
【0013】
フレーム構造体3は、搬送路W1を跨ぐ形状を有する。フレーム構造体3が、複数の第1の光源ユニット1a、1bを支持する。フレーム構造体3は、紫外光を遮る性質を有する材料からなる部材を含むとよい。このような材料として、例えば、金属や樹脂、ゴム等が挙げられる。フレーム構造体3は、紫外光を反射する性質を有する材料からなる部材を含むとよい。
【0014】
第1の光源ユニット1aは、それぞれ、発光部1aaと、光学部材1abとを備える。発光部1aaは、紫外光を出射するものであればよく、例えば、陰極管ランプ、LEDランプ等である。光学部材1abは、紫外光を疑似平行光に変換するために使用可能なものであればよく、例えば、シリンドリカルレンズ、フレネルレンズ、反射部、反射板、導光板、ミラー等が挙げられる。第1の光源ユニット1bは、第1の光源ユニット1aと同じ構成を備える。発光部1baは、発光部1aaと同じ構成を備える。光学部材1bbは、光学部材1abと同じ構成を備える。複数の第1の光源ユニット1a、1bは、それぞれ、深紫外光を出射すると好ましい。複数の第1の光源ユニット1a、1bは、それぞれ、複数の紫外光を出射して、複数の光学部材1ab、1bbを通過させる。これによって、紫外光を疑似平行光L1aに変換する。この変換された疑似平行光L1aを搬送路W1側へ照射する。疑似平行光L1aの光束は、略板状体である。疑似平行光L1aの主面は、フレーム構造体3が形成する面(ここでは、YZ平面)に、平行、又は略平行である。疑似平行光L1aは、フレーム構造体3と搬送路W1との間を覆うとよい。
【0015】
以上より、複数の第1の光源ユニット1a、1bは、紫外光が変換された疑似平行光L1aを搬送路W1側へ照射する。フレーム構造体3は、搬送路W1を跨ぐ形状を有しており、疑似平行光L1aがフレーム構造体3の外部へ漏れることを抑制する。また、搬送装置2が被照射物R1を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が疑似平行光L1aを通過することによって、被照射物R1の少なくとも上面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。つまり、疑似平行光L1aが外部へ漏れることを抑制して、被照射物R1に対して紫外光を均一に照射することができる。紫外光照射装置100は、例えば、手荷物検査において使用すると、手荷物に対する除菌効果が得られる。
【0016】
(光源ユニットの具体例)
次に、図4図9を参照して、第1の光源ユニット1a、1bの具体例について説明する。図4は、実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第1の例を示す斜視図である。図5は、図4に示す光源ユニットの第1の一例の側面図である。図6は、実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第2の一例を示す斜視図である。図7は、図6に示す光源ユニットの第2の一例を示す断面図である。図8は、実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第3の一例を示す斜視図である。図9は、実施の形態1にかかる紫外光照射装置の光源ユニットの第4の一例を示す斜視図である。
【0017】
(光源ユニットの第1の例)
図4及び図5に示す光源ユニット11は、第1の光源ユニット1a、1bの一具体例である。光源ユニット11は、陰極管ランプ11aと、反射部11bと、遮光板11cとを備える。反射部11bと、遮光板11cとは、光学部材1ab、1bbの一具体例である。
【0018】
陰極管ランプ11aは、円柱状体である。陰極管ランプ11aは、その円柱状体の外周面から放射状に紫外光を出射する。陰極管ランプ11aは、反射部11bと、遮光板11cとの間に設けられている。
【0019】
反射部11bは、反射面11b1を有する。反射面11b1は、陰極管ランプ11aの軸に対して垂直な断面(ここでは、ZX平面)において放物線上に延びた形状を有する。陰極管ランプ11aの軸は、Y軸方向に延びる。反射面11b1は、陰極管ランプ11aの軸方向における長さと同じ長さを有するとよい。
【0020】
遮光板11cは、陰極管ランプ11aの軸に沿って延びる。遮光板11cは、陰極管ランプ11aの軸方向における長さと同じ長さを有するとよい。
【0021】
以上より、陰極管ランプ11aは、その外周面から放射状に紫外光を出射する。すると、遮光板11cがこの出射された紫外光の一部L0を遮光しつつ、反射部11bが出射された紫外光の残部L1を反射することによって、この出射された紫外光を疑似平行光L1aに変換する。遮光板11cがこの出射された紫外光の一部L0を遮光することによって、この出射された紫外光を平行度の良好な疑似平行光L1aを変換することができる。このような場合、疑似平行光L1aの平行度が良好なので、被照射物R1に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0022】
(光源ユニットの第2の例)
図6及び図7に示す光源ユニット211は、図1図3に示す第1の光源ユニット1a、1bの一具体例である。光源ユニット211は、遮光板11cではなく導光板11dを備えることを除いて、図4及び図5に示す光源ユニット11と同じ構成を備える。
【0023】
光源ユニット211は、導光板11dを少なくとも1枚備える。導光板11dの表面は、紫外光を反射しない。反射部11bの反射面11b1は、陰極管ランプ11aの軸に対して垂直な断面(ここでは、ZX平面)における端部11b2、11b3を含む。反射部11bは、導光板11dを把持する把持部11fを備えてもよい。導光板11dは、陰極管ランプ11aと端部11b2との間、及び陰極管ランプ11aと端部11b3との間の少なくとも一方に配置されている。導光板11dは、陰極管ランプ11aの軸に沿って延びる。導光板11dは、陰極管ランプ11aの軸方向における長さと同じ長さを有するとよい。
【0024】
以上より、陰極管ランプ11aは、その外周面から放射状に紫外光を出射する。すると、導光板11dがこの出射された紫外光の一部L2を遮る。この出射された紫外光の別のL0が導光板11dの近傍を通過しつつ、反射部11bが出射された紫外光の残部L1を反射することによって、この出射された紫外光を疑似平行光L1aに変換する。これらによって、この出射された紫外光を平行度の良好な疑似平行光に変換することができる。このような場合、疑似平行光の平行度が良好なので、被照射物R1(図1参照)に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0025】
(光源ユニットの第3の例)
図8に示す光源ユニット120は、図1図3に示す第1の光源ユニット1a、1bの一具体例である。光源ユニット120は、複数のLED(Light Emitting Diode)12aと、複数のシリンドリカルレンズ12bと、LED支持部12cとを備える。
【0026】
LED支持部12cは、1個以上のLED12aを支持する。本実施形態に係るLED支持部12cは、3つのLED12aを支持するが、LED12aの個数は、1個、2個、又は4個以上であってもよい。LED支持部12cは、複数のLED12aを支持する場合、複数のLED12aは、LED支持部12cが延びる方向(ここでは、Y軸方向)に所定の間隔を空けて一列に並ぶ。
【0027】
複数のシリンドリカルレンズ12bは、それぞれ、複数のLED12aに対向するように支持されている。各シリンドリカルレンズ12bの長手方向(ここでは、X軸方向)に沿う軸と、LED支持部12cが延びる方向(ここでは、Y軸方向)に沿う軸とが立体交差するように、複数のシリンドリカルレンズ12bがそれぞれ配置される。ここで、立体交差とは、所定の空間内において、異なる平面上で交差することである。LED12aが紫外光を出射する方向(ここでは、Z軸方向プラス側)から視ると各シリンドリカルレンズ12bの長手方向に沿う軸と、LED支持部12cが延びる方向に沿う軸とが交差する。
【0028】
複数のLED12aがそれぞれ紫外光を出射する。すると、この出射された複数の紫外光は、それぞれ、複数のシリンドリカルレンズ12bを通過して、それぞれ、複数の疑似平行光L1aに変換される。図8に示す疑似平行光L1aの光束の形状は、板状体であり、例えば、三角形板状体である。図8に示す疑似平行光L1aの光束の断面形状は、略四角形状である。複数の疑似平行光L1aが、LED支持部12cが延びる方向(ここでは、Y軸方向)に所定の間隔を空けて一列に並ぶ。これによって、搬送路W1に延びる方向(ここでは、Y軸方向)において所定の間隔を空けた複数の疑似平行光L1aを照射することができる。そのため、被照射物R1(図1参照)に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0029】
(光源ユニットの第4の例)
図9に示す光源ユニット121は、第1の光源ユニット1a、1bの一具体例である。光源ユニット121は、LED12aと、1つのシリンドリカルレンズ121bと、LED支持部12cと、ミラー12dとを備える。
【0030】
シリンドリカルレンズ121bは、複数のLED12aに対向するように支持されている。シリンドリカルレンズ121bの長手方向(ここでは、Y軸方向)に沿う軸と、LED支持部12cが延びる方向(ここでは、Y軸方向)に沿う軸とが略平行となるように、シリンドリカルレンズ121bがそれぞれ配置される。
【0031】
ミラー12dは、シリンドリカルレンズ121bから、複数のLED12aによる紫外光の進行方向(ここでは、X軸プラス側)に、所定の間隔を空けて配置されている。ミラー12dの主面は、複数のLED12aによる紫外光の光軸(ここでは、X軸)に対して交差する。
【0032】
複数のLED12aがそれぞれ紫外光を出射する。すると、この出射された複数の紫外光は、それぞれ、複数のシリンドリカルレンズ121bを通過して、それぞれ、複数の疑似平行光L1aに変換される。図9に示す疑似平行光L1aの光束の形状は、板状体であり、例えば、三角形板状体である。図9に示す疑似平行光L1aの光束の断面形状は、略四角形状である。複数の疑似平行光L1aが、LED支持部12cが延びる方向(ここでは、Y軸方向)に一列に並び、隣り合う疑似平行光L1aが重なる。さらに、複数の疑似平行光L1aが進行して、ミラー12dに当たって反射する。これによって、複数の疑似平行光L1aは、複数のLED12aによる紫外光の出射方向と異なる方向(ここでは、Z軸方向)に進行する。よって、重なった疑似平行光L1aを紫外光の出射方向と異なる方向に照射することができる。そのため、被照射物R1(図1参照)に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0033】
(実施の形態2)
次に、図10及び図11を参照して本開示の実施の形態2について説明する。図10は、実施の形態2にかかる紫外光照射装置の一構成例を示す斜視図である。図11は、図10に示す紫外光照射装置の一構成例の要部を示す斜視図である。
【0034】
図10に示すように、紫外光照射装置200aは、枠状フレーム構造体30と、複数の第1の光源ユニット13aとを備える。紫外光照射装置200aは、搬送路W1に沿って、図1に示す被照射物R1を搬送する搬送装置(図示略)に取り付けて使用することができる。
【0035】
枠状フレーム構造体30は、枠状に互いに連結した複数のフレームを備えればよい。枠状フレーム構造体30の内側は、搬送路W1が通過する。図10に示す枠状フレーム構造体30の一例は、上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34を備える。上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34は、窓枠状に互いに連結している。上側フレーム31は搬送路W1の上側に位置し、右側フレーム32は搬送路W1の右側に位置し、左側フレーム33は搬送路W1の左側に位置し、下側フレーム34は搬送路W1の下側に位置する。
【0036】
複数の第1の光源ユニット13aは、上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34のいずれか1つに並んで配置されるとよい。図10に示す複数の第1の光源ユニット13aの一例は、下側フレーム34に並んで配置されている。
【0037】
図11に示すように、第1の光源ユニット13aは、LED131と、フレネルレンズ132とを備える。LED131は、紫外光を出射し、この出射された紫外光をフレネルレンズ132を通過させる。これによって、この出射された紫外光を疑似平行光L3に変換する。図10に示すように、複数の第1の光源ユニット13aは、それぞれ、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。複数の疑似平行光L3の光束は、略板状体である。複数の疑似平行光L3の主面は、枠状フレーム構造体30が形成する面(ここでは、YZ平面)に平行、又は略平行である。疑似平行光L1aは、枠状フレーム構造体30の内側を覆うとよい。
【0038】
以上より、複数の第1の光源ユニット13aは、下側フレーム34に並んで配置されて、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。そのため、疑似平行光L3が枠状フレーム構造体30の内側において進行し、枠状フレーム構造体30から外部へ漏れることを抑制することができる。また、搬送装置によって被照射物R1(図1参照)を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が複数の疑似平行光L3を通過することによって、被照射物R1の少なくとも1つの面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。つまり、複数の疑似平行光L3が外部へ漏れることを抑制して、被照射物R1に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0039】
(実施の形態2にかかる紫外光照射装置の変形例)
次に、図12~15を参照して実施の形態2にかかる紫外光照射装置の変形例について説明する。
【0040】
(紫外光照射装置の第1の変形例)
図12に示す紫外光照射装置200bは、紫外光照射装置200aの一変形例である。紫外光照射装置200bは、複数の第2の光源ユニット13bを備えるところを除いて、紫外光照射装置200aと同じ構成を備える。
【0041】
紫外光照射装置200bは、複数の第2の光源ユニット13bを備える。複数の第2の光源ユニット13bは、複数の第1の光源ユニット13aが並んで配置されたフレームの1つとそれぞれ直接連結する2つのフレームの一方に並んで配置されるとよい。図12に示す紫外光照射装置200bの一変形例では、複数の第1の光源ユニット13aが下側フレーム34に並んで配置されている。また、複数の第2の光源ユニット13bが、下側フレーム34に直接連結する右側フレーム32に並んで配置されている。
【0042】
複数の第1の光源ユニット13aは、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。複数の第2の光源ユニット13bは、複数の疑似平行光L3を右側フレーム32から搬送路W1側へ照射する。
【0043】
以上より、複数の第1の光源ユニット13a、及び複数の第2の光源ユニット13bは、それぞれ、下側フレーム34及び右側フレーム32に並んで配置されている。そして、複数の第1の光源ユニット13a、及び複数の第2の光源ユニット13bは、それぞれ、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34及び右側フレーム32から搬送路W1側へ照射する。そのため、疑似平行光L3が枠状フレーム構造体30内において進行し、枠状フレーム構造体30から外部へ漏れることを抑制することができる。また、搬送装置によって被照射物R1(図1参照)を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が複数の疑似平行光L3を通過することによって、被照射物R1の少なくとも2つの面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。また、紫外光照射装置200bは、紫外光照射装置200aと比較して、被照射物R1への紫外光の照射量が多い。よって、被照射物R1に対して多量の紫外光を均一に照射することができる。
【0044】
(紫外光照射装置の第2の変形例)
図13に示す紫外光照射装置200cは、紫外光照射装置200aの一変形例である。紫外光照射装置200cは、吸収材4を備えるところを除いて、紫外光照射装置200aと同じ構成を備える。
【0045】
紫外光照射装置200cは、吸収材4を備える。吸収材4は、紫外光を吸収する性質を有する材料からなるとよい。吸収材4は、例えば、帯状体であるとよい。吸収材4は、複数の第1の光源ユニット13aが配置されたフレームとは別の上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34の少なくとも1つに配置されている。吸収材4は、複数の第1の光源ユニット13aが配置されたフレームと対向する上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34のいずれか1つに配置されているとよい。図13に示す紫外光照射装置200cの一変形例では、吸収材4が上側フレーム31に配置されている。また、複数の第1の光源ユニット13aは、下側フレーム34に並んで配置されている。上側フレーム31、及び下側フレーム34は、互いに対向する。
【0046】
複数の第1の光源ユニット13aは、それぞれ、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。
【0047】
以上より、複数の第1の光源ユニット13aは、下側フレーム34に並んで配置されて、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。吸収材4は上側フレーム31に配置されているから、複数の疑似平行光L3を吸収し、疑似平行光L3が上側フレーム31から反射することを抑制することができる。よって、紫外光照射装置200cは、紫外光照射装置200aと比較して、疑似平行光L3が枠状フレーム構造体30から外部へ漏れることを抑制することができる。つまり、紫外光照射装置200cは、複数の疑似平行光L3が外部へ漏れることをさらに抑制して、被照射物R1(図1参照)に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0048】
(紫外光照射装置の第3の変形例)
図14に示す紫外光照射装置200dは、紫外光照射装置200aの一変形例である。紫外光照射装置200dは、反射材5を備えるところを除いて、紫外光照射装置200aと同じ構成を備える。
【0049】
紫外光照射装置200dは、反射材5を備える。反射材5は、紫外光を反射する性質を有する材料からなるとよい。反射材5は、例えば、帯状体であるとよい。反射材5は、複数の第1の光源ユニット13aが配置されたフレームとは別の上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34の少なくとも1つに配置されている。反射材5は、複数の第1の光源ユニット13aが配置されたフレームと対向する上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34のいずれか1つに配置されているとよい。図14に示す紫外光照射装置200dの一例では、反射材5が上側フレーム31に配置されている。また、複数の第1の光源ユニット13aは、下側フレーム34に並んで配置されている。上側フレーム31、及び下側フレーム34は、互いに対向する。
【0050】
複数の第1の光源ユニット13aは、それぞれ、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。
【0051】
以上より、複数の第1の光源ユニット13aは、下側フレーム34に並んで配置されて、複数の疑似平行光L3を下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。反射材5は上側フレーム31に配置されているから、複数の疑似平行光L3を反射して、再び搬送路W1側へ進行させる。そのため、疑似平行光L3が枠状フレーム構造体30から外部へ漏れることを抑制することができる。また、搬送装置によって被照射物R1(図1参照)を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が複数の疑似平行光L3を通過することによって、被照射物R1の少なくとも2つの面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。また、紫外光照射装置200dは、紫外光照射装置200aと比較して、被照射物R1への紫外光の照射量が多い。よって、被照射物R1に対して多量の紫外光を均一に照射することができる。
【0052】
(紫外光照射装置の第4の変形例)
図15に示す紫外光照射装置200eは、紫外光照射装置200bの一変形例である。紫外光照射装置200eは、複数の第3の光源ユニット13c、及び複数の第4の光源ユニット13dを備えるところを除いて、紫外光照射装置200bと同じ構成を備える。複数の第3の光源ユニット13c、複数の第4の光源ユニット13dが、図11に示す複数の第1の光源ユニット13aと同じ構成を備える。図15に示す紫外光照射装置200eの一例では、複数の第3の光源ユニット13cが上側フレーム31に並んで配置される。また、複数の第4の光源ユニット13dが左側フレーム33に並んで配置される。
【0053】
複数の第3の光源ユニット13cは、それぞれ、複数の疑似平行光L3を上側フレーム31から搬送路W1側へ照射する。複数の第4の光源ユニット13dは、それぞれ、複数の疑似平行光L3を左側フレーム33から搬送路W1側へ照射する。
【0054】
以上より、複数の第1の光源ユニット13a、複数の第2の光源ユニット13b、複数の第3の光源ユニット13c、及び複数の第4の光源ユニット13dは、それぞれ、複数の疑似平行光L3を上側フレーム31、右側フレーム32、左側フレーム33、及び下側フレーム34から搬送路W1側へ照射する。そのため、疑似平行光L3が枠状フレーム構造体30から外部へ漏れることを抑制することができる。また、搬送装置によって被照射物R1(図1参照)を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が複数の疑似平行光L3を通過することによって、被照射物R1の4つの面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。また、紫外光照射装置200eは、紫外光照射装置200a、200bと比較して、被照射物R1への紫外光の照射量が多い。よって、被照射物R1に対して多量の紫外光を均一に照射することができる。
【0055】
(実施の形態1にかかる紫外光照射装置の変形例)
次に、図16~18を参照して実施の形態1にかかる紫外光照射装置の各変形例について説明する。
【0056】
(紫外光照射装置の第1の変形例)
図16に示す紫外光照射装置100aは、図1に示す紫外光照射装置100の一変形である。紫外光照射装置100aは、下側光源ユニット6aを備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備える。図16では、分かりやすさのため、複数の第1の光源ユニット1a、1b、フレーム構造体3の図示を省略した。
【0057】
紫外光照射装置100aは、下側光源ユニット6aを備える。下側光源ユニット6aは、搬送装置2の下方に配置される。下側光源ユニット6aは、LEDランプ60と、反射部61と、ミラー62と、筐体63とを備える。筐体63は、搬送装置2の下側に配置される。筐体63は、LEDランプ60と、反射部61と、複数のミラー62とを収納して、それぞれ所定の位置に保持する。複数のミラー62は、それぞれ、搬送装置2の複数のローラ21同士の間の下方に配置されているとよい。複数のミラー62は、LEDランプ60から近い順に高い位置に配置されているとよい。
【0058】
LEDランプ60は、紫外光を出射する。紫外光は、適宜、反射部61に反射させる等して、疑似平行光L6aに変換されるとよい。疑似平行光L6aは、複数のミラー62に反射されて、疑似平行光L6a1、L6a2、L6a3に分岐する。疑似平行光L6a1、L6a2、L6a3は、それぞれ複数のミラー62同士の間を通過して、搬送路W1側に照射される。
【0059】
以上より、紫外光照射装置100aは、下側光源ユニット6aを備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備えるから、紫外光照射装置100と同様に、疑似平行光L1aが外部へ漏れることを抑制する。さらに、下側光源ユニット6aが疑似平行光L6a1、L6a2、L6a3を搬送路W1側へ照射する。搬送路W1が延びる方向において、所定の間隔を空けて複数の疑似平行光L6a1、L6a2、L6a3を搬送路W1側に照射する。また、搬送装置2が被照射物R1(図1参照)を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が疑似平行光L1aを通過することによって、被照射物R1の少なくとも上面及び底面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。つまり、被照射物R1に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0060】
(紫外光照射装置の第2の変形例)
図17に示す紫外光照射装置100bは、図1に示す紫外光照射装置100の一変形である。紫外光照射装置100bは、下側光源ユニット6bを備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備える。図17では、分かりやすさのため、複数の第1の光源ユニット1a、1b、フレーム構造体3の図示を省略した。
【0061】
紫外光照射装置100bは、下側光源ユニット6bを備える。下側光源ユニット6bは、搬送装置2の下方に配置される。下側光源ユニット6bは、陰極管ランプ60aと、反射板611、612、613と、筐体63とを備える。
【0062】
陰極管ランプ60aは、搬送装置2のローラ21の回転軸に平行な方向(ここでは、Y軸方向)に延びる円柱状体である。陰極管ランプ60aは、その外周面から放射状に紫外光を出射する。
【0063】
筐体63は、搬送装置2の下側に配置される。筐体63は、陰極管ランプ60aと、反射板611、612、613とを収納して、それぞれ所定の位置に保持する。
【0064】
反射板611、612、613の反射面は、それぞれ、陰極管ランプ60aの軸(ここでは、Y軸方向)に対して垂直な断面(ここでは、ZX平面)上において、放物線上に延びた形状を有する。反射板611、612、613の反射面は、陰極管ランプ60aの軸方向における長さと同じ長さを有するとよい。
【0065】
陰極管ランプ60aは、その外周面から放射状に紫外光を出射する。すると、反射板611の反射面が、紫外光の一部を反射することによって、この紫外光の一部を疑似平行光L6a1に変換する。また、反射板612の反射面が、紫外光の別の一部を反射することによって、この紫外光の別の一部を疑似平行光L6a2に変換する。また、反射板613の反射面が、紫外光の残部を反射することによって、この紫外光の残部を疑似平行光L6a3に変換する。疑似平行光L6a1、L6a2、L6a3は、それぞれ複数のローラ21同士の間を通過して、搬送路W1側に照射される。
【0066】
以上より、紫外光照射装置100bは、下側光源ユニット6bを備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備えるから、紫外光照射装置100と同様に、疑似平行光L1aが外部へ漏れることを抑制する。さらに、下側光源ユニット6bが疑似平行光L6a1、L6a2、L6a3を搬送路W1側へ照射する。搬送路W1が延びる方向において、所定の間隔を空けて複数の疑似平行光L6a1、L6a2、L6a3を搬送路W1側に照射する。また、搬送装置2が被照射物R1(図1参照)を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が疑似平行光L1aを通過することによって、被照射物R1の少なくとも上面及び底面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。つまり、被照射物R1に対して紫外光を均一に照射することができる。
【0067】
(紫外光照射装置の第3の変形例)
図18に示す紫外光照射装置100cは、図1に示す紫外光照射装置100の一変形である。紫外光照射装置100cは、下側光源ユニット6cを備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備える。図18では、分かりやすさのため、複数の第1の光源ユニット1a、1b、フレーム構造体3の図示を省略した。
【0068】
紫外光照射装置100cは、下側光源ユニット6cを備える。下側光源ユニット6cは、搬送装置2の下方に配置される。下側光源ユニット6cは、陰極管ランプ60aと、反射部61と、ミラー64、65と、筐体63とを備える。筐体63は、搬送装置2の下側に配置される。筐体63は、陰極管ランプ60aと、反射部61とを収納して、それぞれ所定の位置に保持する。ミラー64、65は、それぞれ、陰極管ランプ60aの軸(ここでは、Y軸方向)に対して垂直な断面(ここでは、ZX平面)上において、放物線上に延びた形状を有する。ミラー64、65は、陰極管ランプ60aの軸方向(ここでは、Y軸方)における長さと同じ長さを有するとよい。
【0069】
陰極管ランプ60aは、その外周面から放射状に紫外光を出射する。すると、反射部61が紫外光を反射し、紫外光を疑似平行光L6aに変換する。さらに、ミラー64が、疑似平行光L6aの一部を反射することによって、疑似平行光L6aの一部を疑似平行光L6a4に変換する。また、ミラー65が、疑似平行光L6aの残部を反射することによって、疑似平行光L6aの残部を疑似平行光L6a5に変換する。疑似平行光L6a4、L6a5は、それぞれ複数のローラ21同士の間に向けて出射される。疑似平行光L6a4、L6a5の光束の厚みが複数のローラ21同士の間において最も小さくなるように、疑似平行光L6a4、L6a5を絞られる。疑似平行光L6a4、L6a5の光束の厚みは、複数のローラ21同士の上方(ここでは、Z軸プラス側)において拡大する。疑似平行光L6a4、L6a5は、それぞれ複数のローラ21同士の間を通過して、搬送路W1側に照射される。
【0070】
以上より、紫外光照射装置100cは、下側光源ユニット6cを備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備えるから、紫外光照射装置100と同様に、疑似平行光L1aが外部へ漏れることを抑制する。さらに、下側光源ユニット6cが疑似平行光L6a4、L6a5を搬送路W1側へ照射する。搬送路W1が延びる方向において、所定の間隔を空けて複数の疑似平行光L6a4、L6a5を搬送路W1側に照射する。また、搬送装置2が被照射物R1(図1参照)を搬送路W1に沿って搬送する。そのため、被照射物R1の全体が疑似平行光L1aを通過することによって、被照射物R1の少なくとも上面及び底面全体に対して紫外光を均一に照射することができる。つまり、被照射物R1に対して紫外光を均一に照射することができる。しかも、疑似平行光L6a4、L6a5の光束の厚みが複数のローラ21同士の間において最も小さくなるから、複数のローラ21同士の間の距離を短縮化することができる。
【0071】
(紫外光照射装置の第4の変形例)
図19及び図20に示す紫外光照射装置100dは、図1に示す紫外光照射装置100の一変形である。紫外光照射装置100dは、フード71、72、及び遮光カーテン81、82を備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備える。
【0072】
紫外光照射装置100dは、フード71、72、及び遮光カーテン81、82を備える。
【0073】
遮光カーテン81は、紫外光を遮光しつつ可視光を透過する、又は遮光する材料からなる帯状体であればよい。このような材料として、例えば、ゴムや樹脂等が挙げられる。遮光カーテン81は、被照射物R1a、R1b、R1cの搬送が可能なよう必要な可撓性を有するとよい。遮光カーテン81は、フレーム構造体3における搬送路W1の上流側に設けられている。遮光カーテン81の上端が、フレーム構造体3における上側に保持されており、遮光カーテン81は、フレーム構造体3における上側から搬送路W1側へ垂れ下がっている。遮光カーテン81は、紫外光を遮光することから、紫外光がフレーム構造体3の内側から外側へ漏れることを抑制する。遮光カーテン81は、可視光を透過する場合、搬送路W1上流側から被照射物R1bの視認が可能である。遮光カーテン81は、可視光を遮光する場合、搬送路W1上流側から被照射物R1bの視認を抑えることができる。
【0074】
遮光カーテン82は、遮光カーテン81と同じ構成を備えればよい。遮光カーテン82は、フレーム構造体3における搬送路W1の下流側に設けられている。遮光カーテン82の上端が、フレーム構造体3における上側に保持されており、遮光カーテン82は、フレーム構造体3における上側から搬送路W1側へ垂れ下がっている。遮光カーテン82は、紫外光を遮光することから、紫外光がフレーム構造体3の内側から外側へ漏れることを抑制する。遮光カーテン82は、可視光を透過する場合、搬送路W1下流側から被照射物R1bを視認することができる。遮光カーテン82は、可視光を遮光する場合、搬送路W1下流側から被照射物R1bの視認を抑えることができる。
【0075】
フード71は、紫外光を遮光しつつ可視光を透過する材料からなる帯状体であればよい。このような材料として、例えば、ゴムや樹脂等が挙げられる。フード71は、フレーム構造体3における搬送路W1の上流側に設けられている。フード71は、フレーム構造体3における搬送路W1の上流側を覆う。
【0076】
フード72は、フード71と同じ構成を備えればよい。フード72は、フレーム構造体3における搬送路W1の下流側に設けられている。フード72は、フレーム構造体3における搬送路W1の下流側を覆う。
【0077】
以上より、複数の第1の光源ユニット1a、1b(図1参照)が疑似平行光L1aを搬送路W1側へ照射しつつ搬送装置2が被照射物R1a、R1b、R1cの搬送を開始する。被照射物R1a全体を疑似平行光L1aを通過させると、疑似平行光L1aを被照射物R1aの少なくとも上面全体に照射することができる。同様に、疑似平行光L1aを被照射物R1b、R1cの少なくとも上面全体に照射することができる。紫外光照射装置100dは、フード71、72、及び遮光カーテン81、82を備えるところを除いて、紫外光照射装置100と同じ構成を備えるから、紫外光照射装置100と同様に、疑似平行光L1aが外部へ漏れることを抑制する。
【0078】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態1及び2にかかる紫外光照射装置の各構成を組み合わせてもよい。
【0079】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
被照射物を搬送させる搬送装置と、
複数の第1の光源ユニットと、
前記被照射物が搬送される搬送路を跨ぐフレーム構造体と、を備え、
前記フレーム構造体が、前記複数の第1の光源ユニットをそれぞれ支持し、
前記複数の第1の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材と、を備え、
前記複数の発光部は、それぞれ、前記複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記フレーム構造体から前記搬送路側へ照射し、
前記疑似平行光は、前記フレーム構造体が形成する面に平行である、
紫外光照射装置。
(付記2)
複数の第1の光源ユニットと、
枠状に互いに連結した複数のフレームを備えるフレーム構造体と、を備え、
フレーム構造体の内側は、被照射物が搬送される搬送路が通過しており、
前記複数の第1の光源ユニットが前記フレームの1つに並んで配置されており、
前記複数の第1の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材と、を備え、
前記複数の発光部は、それぞれ、前記複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記フレームの1つから前記搬送路側へ照射し、
前記疑似平行光は、前記フレーム構造体が形成する面に平行である、
紫外光照射装置。
(付記3)
前記複数の発光部は、複数の陰極管ランプであり、
前記複数の光学部材は、それぞれ、前記陰極管ランプの軸に対して略垂直な断面において放物線上に延びた反射面を有する反射部と、前記陰極管ランプの軸に沿って延びた遮光板と、を備え、
前記反射部と前記遮光板との間に、前記陰極管ランプが設けられ、
前記陰極管ランプが前記紫外光を出射し、
前記遮光板が前記出射された紫外光の一部を遮光しつつ、前記反射部が前記出射された紫外光の残部を反射することによって、前記出射された紫外光を前記疑似平行光に変換する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の紫外光照射装置。
(付記4)
前記複数の発光部は、複数の陰極管ランプであり、
前記複数の光学部材は、それぞれ、前記陰極管ランプの軸に対して略垂直な断面において放物線上に延びた反射面を有する反射部と、前記陰極管ランプの軸に沿って延びた導光板と、を備え、
前記反射部と前記導光板との間に、前記陰極管ランプが設けられ、
前記陰極管ランプが前記紫外光を出射し、
前記導光板が前記出射された紫外光の一部を導きつつ、前記反射部が前記出射された紫外光の残部を反射することによって、前記出射された紫外光を前記疑似平行光に変換する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の紫外光照射装置。
(付記5)
前記複数の発光部は、複数のLEDランプであり、
前記複数の光学部材は、複数のシリンドリカルレンズである、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の紫外光照射装置。
(付記6)
前記疑似平行光の光束は、板状体であり、
前記シリンドリカルレンズの長手方向に沿う軸と、前記複数のLEDランプが並ぶ方向に沿う軸とが立体交差する、
ことを特徴とする付記5に記載の紫外光照射装置。
(付記7)
前記疑似平行光の光束は、板状体であり、
前記シリンドリカルレンズの長手方向に沿う軸と、前記複数のLEDランプが並ぶ方向に沿う軸とが平行である、
ことを特徴とする付記5に記載の紫外光照射装置。
(付記8)
前記複数の発光部は、複数のLEDランプであり、
前記複数の光学部材は、複数のフレネルレンズである、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の紫外光照射装置。
(付記9)
複数の第2の光源ユニットをさらに備え、
前記複数のフレームは、前記複数の第1の光源ユニットが並んで配置されたフレームの1つとそれぞれ直接連結する2つのフレームを備え、
前記複数の第2の光源ユニットは、前記2つのフレームの一方に並んで配置されており、
前記複数の第2の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材とを備え、
前記複数の第2の光源ユニットは、それぞれ、前記複数の発光部が前記複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記前記複数の第2の光源ユニットの前記複数の発光部がそれぞれ出射した紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記2つのフレームの一方から前記搬送路側へ照射する、
ことを特徴とする付記2に記載の紫外光照射装置。
(付記10)
前記複数の第1の光源ユニットが並んで配置されたフレームの1つと対向するフレームに並んで配置される複数の第3の光源ユニットと、
前記2つのフレームの他方に並んで配置される複数の第4の光源ユニットと、をさらに備え、
前記複数の第3及びダ第4の光源ユニットは、それぞれ、複数の発光部と、複数の光学部材とを備え、
前記複数の第3の光源ユニットは、それぞれ、前記複数の発光部が複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記前記複数の第3の光源ユニットの前記複数の発光部がそれぞれ出射した紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記対向するフレームから前記搬送路側へ照射し、
前記複数の第4の光源ユニットは、それぞれ、前記複数の発光部が複数の光学部材を通過させて紫外光を出射することによって、前記前記複数の第4の光源ユニットの前記複数の発光部がそれぞれ出射した紫外光を疑似平行光に変換し、前記変換された疑似平行光を前記2つのフレームの他方から前記搬送路側へ照射する、
ことを特徴とする付記9に記載の紫外光照射装置。
(付記11)
吸収材をさらに備え、
前記複数のフレームは、前記複数の第1の光源ユニットが並んで配置されたフレームの1つと対向するフレームを備え、
前記吸収材は、前記対向するフレームに配置されている、
ことを特徴とする付記2に記載の紫外光照射装置。
(付記12)
反射材をさらに備え、
前記複数のフレームは、前記複数の第1の光源ユニットが並んで配置されたフレームの1つと対向するフレームを備え、
前記反射材は、前記対向するフレームに配置されている、
ことを特徴とする付記2に記載の紫外光照射装置。
(付記13)
前記複数のフレームから前記搬送路側に延びるフードを備え、
前記フードは、紫外光を遮光しつつ可視光を透過する、
ことを特徴とする付記1~12のいずれか1項に記載の紫外光照射装置。
(付記14)
前記複数のフレームと前記搬送路との間に設けられた遮光カーテンを備え、
前記遮光カーテンは、紫外光を遮光しつつ可視光を透過する、
ことを特徴とする付記1~13のいずれか1項に記載の紫外光照射装置。
(付記15)
前記搬送路の下方から前記搬送路へ紫外光を照射する下側光源ユニットをさらに備える、
ことを特徴とする付記1~7のいずれか1項に記載の紫外光照射装置。
(付記16)
前記搬送装置は、互いに間隔を空けた複数のローラと、前記複数のローラを駆動させる駆動部と、備え、
前記下源光源ユニットの照射した紫外光を分岐させて、前記複数のローラ同士の間を通過させて、前記搬送路へ照射させる複数のミラーをさらに備える、
ことを特徴とする、付記1を引用する付記15に記載の紫外光照射装置。
(付記17)
前記複数のミラーの反射面は、放物線上に延びる、
ことを特徴とする付記16に記載の紫外光照射装置。
【符号の説明】
【0080】
100、100a、100b、100c、100d、100e、200a、200b、200c、200d、200e 紫外光照射装置
1a、1b、11、13a (第1の)光源ユニット
13b 第2の光源ユニット 13c 第3の光源ユニット
13d 第4の光源ユニット
1ab、1bb 光学部材
11a 陰極管ランプ 11b 反射部
11b1 反射面 11b2、11b3 端部
11c 遮光板 11d 導光板
11f 把持部
12b シリンドリカルレンズ 12c 支持部
12d ミラー
2 搬送装置 21 ローラ
3 フレーム構造体
4 吸収材 5 反射材
6a、6b、6c 下側光源ユニット
30 枠状フレーム構造体
31 上側フレーム 32 右側フレーム
33 左側フレーム 34 下側フレーム
60 LEDランプ 60a 陰極管ランプ
61 反射部 611、612、613 反射板
62、64、65 ミラー 63 筐体
71、72 フード 81、82 遮光カーテン
120、121、211 光源ユニット
121b シリンドリカルレンズ 132 フレネルレンズ
L0 紫外光の一部 L1 紫外光の残部
L1a、L3、L6a、L6a1、L6a2、L6a3、L6a4、L6a5 疑似平行光
R1、R1a、R1b、R1c 被照射物 W1 搬送路
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