(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022172669
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】検品台
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
G06K7/10 428
G06K7/10 372
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078721
(22)【出願日】2021-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】592184706
【氏名又は名称】SBS東芝ロジスティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 正
(72)【発明者】
【氏名】大野 英俊
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 雅友
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓介
(57)【要約】
【課題】撮像装置で複数の製品のバーコードを撮像できる検品台を提供すること。
【解決手段】検品台3は、コード90aが付された製品90をコード90aが上面となる姿勢で複数並べたトレー91を載置できる載置台12と、載置台12を回転可能に支持するとともに、載置台12上を撮像する撮像装置4を載置台12の上方に配置できるフレーム11と、前記載置台12の上面及び撮像装置4による撮像方向の角度を相対的に変える移動機構13と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードが付された製品を前記コードが上面となる姿勢で複数並べたトレーを載置できる載置台と、
前記載置台を回転可能に支持するとともに、前記載置台上を撮像する撮像装置を前記載置台の上方に配置できるフレームと、
前記載置台の上面及び前記撮像装置による撮像方向の角度を相対的に変える移動機構と、
を備える検品台。
【請求項2】
前記移動機構は、前記載置台の傾斜角度を変える、請求項1に記載の検品台。
【請求項3】
前記移動機構は、前記載置台及び前記撮像装置の傾斜角度を変える、請求項1に記載の検品台。
【請求項4】
前記移動機構は、前記フレームの作業者が作業する側に前記載置台を傾斜させる、請求項2又は請求項3に記載の検品台。
【請求項5】
前記移動機構は、前記撮像装置の傾斜角度を変える、請求項1に記載の検品台。
【請求項6】
前記移動機構は、操作部及び前記操作部の操作によって前記載置台を駆動する駆動部を有する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の検品台。
【請求項7】
前記駆動部は、前記操作部の操作によって回転するモータと、前記モータの回転により前記載置台を傾斜させる伝達機構と、前記モータの回転を制御する制御部と、を有する、請求項6に記載の検品台。
【請求項8】
前記駆動部は、作業者による前記操作部の操作を前記載置台の傾斜に変換する伝達機構を有する、請求項6に記載の検品台。
【請求項9】
前記操作部は、作業者が踏むことで操作するペダルであり、
前記伝達機構は、前記ペダルの操作を前記載置台の傾斜に変換する、請求項8に記載の検品台。
【請求項10】
前記フレームに設けられ、少なくとも前記載置台の上方を覆う暗幕を備える、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の検品台。
【請求項11】
前記撮像装置は、前記トレーに向かって光を照射する発光部を有する、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の検品台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置で検品対象を撮像するための検品台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小売店において、メーカーや販売会社から製品を受け入れるときに、製品毎に全数の入荷検品や仕入計上を行っている。また、小売店、倉庫及び配送センター等において商品を出荷するときに、ピッキングした商品が出荷依頼情報と間違いが無いかを確認する出荷検品が行われている。そこで、製品に付されたJANコード等のバーコードを読み取ることで、入荷検品、仕入計上及び出荷検品等を行うことが知られている。
【0003】
また、バーコードを読み取る技術として、バーコードの読み取り精度を向上させるために、バーコードを読み取る光学センサを有し、バーコードの範囲、幅、反射量を算出するとともに、バーコードを複号する走査型レーザレーダが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、搬送路で矩形形状の紙葉類を搬送して、紙葉類に印刷されたバーコードを複数のセンサで読み取る光学情報読取装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-144892号公報
【特許文献2】特開2012-252432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、入荷検品、仕入計上及び出荷検品等のバーコード読み取りは、作業者が手作業で行っており、多くの工数を要する。例えば、走査型レーザレーダを使用することも考えられるが、一度に読み取れるバーコードの数が限られる。また、走査型レーザレーダは、無人搬送車に設けられたバーコードを読み取るといったように、広範囲にあるバーコードリーダを読み取ることを目的としていることから、入荷検品、仕入計上及び出荷検品といったように、限られた範囲において用いることが困難な場合がある。また、小物等で数が多い場合には、一度に読み取れるバーコードの数が限られることから、作業性が悪い、という問題がある。
【0007】
また、搬送路で紙葉類を搬送する構成は、搬送できる製品の形状や数に制限が生じる。このため、複数種の製品を取り扱う場合には、対応できない虞がある。また、搬送路で搬送しながら製品のバーコードを読み取ると、一度に読み取りできる製品の数が限られることから、多数の比較的小物な製品を検出するためには、工数及び時間が掛かる、という問題もある。
【0008】
例えば、所定の領域に並べた複数の製品を撮像し、撮像した画像データを処理することで、バーコードを読み取ることも考えられる。しかしながら、製品の形状によっては、撮像装置のフラッシュや蛍光灯等からの光が反射し、バーコードが撮像できない虞がある。また、複数の製品を並べて撮像した画像データを処理する場合、複数の製品のうちいくつかの製品のバーコードが読み取れないと、作業者が読み取れていない製品を確認し、該製品を改めて読み取る作業を行う必要がある。また、作業者の確認作業は、ヒューマンエラーが生じる虞もある。このため、手作業が増える虞や、仕入計上や検品の精度が低下する虞がある。
【0009】
そこで本発明は、撮像装置で複数の製品のバーコードを撮像できる検品台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、検品台は、コードが付された製品を前記コードが上面となる姿勢で複数並べたトレーを載置できる載置台と、前記載置台を回転可能に支持するとともに、前記載置台上を撮像する撮像装置を前記載置台の上方に配置できるフレームと、前記載置台の上面及び前記撮像装置による撮像方向の角度を相対的に変える移動機構と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像装置で複数の製品のバーコードを撮像できる検品台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る検品台を用いた検品装置及び検品システムの構成を示す説明図。
【
図5】同検品台の載置台及びトレーの構成を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る検品台3を用いた検品装置1及び検品システム2の例について、
図1乃至
図5を用いて説明する。
【0014】
検品装置1は、
図5に示すような検品対象物である製品(商品)90を複数配置したトレー91を
図1に示すような検品台3の載置台12に載置し、撮像装置4で商品90に設けられたJANコード等のバーコード90aを撮像することで、検品処理を行う。ここで、検品とは、例えば、ピッキングした商品を検品、計上又は管理する処理を含み、具体例としては、入荷検品、仕入計上及び出荷検品等である。
【0015】
なお、バーコード90aは、JANコードに限定されず、例えば、企業で独自に設定したコードであってもよい。また、商品90が有するコードは、JANコード等の所謂一次元コードであるバーコード90aではなく、QRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよく、検品装置1は、この二次元コードを撮像装置4で撮像して検品処理を行う構成であってもよい。
【0016】
即ち、検品装置1が検品をする商品90は、撮像装置4で撮像し、読み取り可能なコード90aを有し、このコード90aは、一次元コードであっても、二次元コードであってもよい。よって、以下の説明において、商品90がバーコード90aを有する構成を説明するが、以下説明の「バーコード90a」とは、一次元コード及び二次元コードを含む種々のコードであることを意味する。
【0017】
このような検品装置1は、例えば、小売店、倉庫、配送センター等の建造物内の検品場に設置される。具体例として、検品場は、家電販売店、百貨店、生活雑貨店、コンビニエンスストア等の小売店、企業の配送センターや倉庫等を含む。
【0018】
検品装置1は、例えば、ネットワーク200に接続される。検品装置1は、ネットワーク200を介して管理サーバ100に接続される。このような検品装置1は、例えば、同じ建造物内に複数設けられてもよく、また、異なる建造物にそれぞれ設けられてもよい。
【0019】
例えば、検品装置1は、複数の検品場に設けられ、ネットワーク200を介してそれぞれ管理サーバ100に接続される。管理サーバ100は、検品装置1と同じ建造物内に設けられてもよく、異なる建造物に設けられてもよい。検品装置1は、検品処理のための情報を管理サーバ100から取得するとともに、検品処理の結果を管理サーバ100に送信する。このような複数の検品装置1及び管理サーバ100は、検品システム(管理システム)2を構成する。
【0020】
ここで、ネットワーク200は、建造物内のLAN(Local Area Network)であってもよく、また、インターネットやVPN(Virtual Private Network)であってもよい。ネットワーク200は、情報の送受信を可能に、処理装置5及び管理サーバ100を接続する。なお、検品システム2は、ネットワーク200を介さず、処理装置5及び管理サーバ100を直接接続することで構成されていてもよい。
【0021】
このような検品システム2は、例えば、小売店において、メーカーや販売会社から製品を受け入れるときに、製品毎に全数の入荷検品や仕入計上を行い、入荷及び在庫管理等に用いられる。また、検品システム2は、小売店、例えば、倉庫及び配送センター等において、ピッキングした商品を出荷するときに、出荷依頼情報とピッキングした商品とに間違いが無いかを確認する出荷検品や在庫管理等に用いられる。
【0022】
図1に示すように、検品装置1は、検品台3と、撮像装置4と、処理装置5と、を備える。検品装置1は、検品台3に配置されたトレー91上の複数の撮影対象物である商品(製品)90を撮像装置4で撮像し、撮像した画像データを処理することで、複数の商品90のバーコード90aを読み取る。
【0023】
図1乃至
図4に示すように、検品台3は、フレーム11と、載置台12と、移動機構13と、暗幕14と、を備える。検品台3は、例えば、商品90が並べられたトレー91を載置台12に載置し、撮像装置4で商品90を含むトレー91を撮像するときに、載置台12を移動機構13により所定の角度範囲で回転させて傾斜角度を変えることで、撮像装置4の撮像方向に対して商品90を傾斜させる。なお、検品台3は、載置台12に商品が並べられたトレー91を載置させるのではなく、直接載置台12に商品90を載置させてもよい。
【0024】
図3に示すように、フレーム11は、例えば、方体枠状のフレーム本体21と、フレーム本体21の下面に設けられた複数のキャスタ22と、各種機器等を載置する載置部23と、載置台12を支持する支持部24と、撮像装置4を固定する固定部25と、を備える。
【0025】
フレーム本体21は、例えば、金属管を組み合わせることで形成される。フレーム本体21は、例えば、暗幕14を被せる骨組みである。なお、フレーム本体21は、支持部24で載置台12を支持でき、且つ、撮像装置4を支持可能であれば、形状は適宜設定できる。複数のキャスタ22は、フレーム11を移動可能とする。
【0026】
載置部23は、例えば、フレーム本体21の下部に設けられたパネルにより形成される。載置部23は、例えば、移動機構13の一部構成、撮像装置4の一部構成、処理装置5の一部構成等が配置される配置スペースを形成する。
【0027】
支持部24は、載置台12を回転(傾斜)可能に支持する。例えば、支持部24は、載置台12のフレーム本体21の前方側を回転中心として載置台12を回転可能に支持する。なお、載置台12の回転中心は、前方側に限定されず、作業性等を考慮して、適宜設定される。なお、本実施形態においては、フレーム本体21の前方で作業者が作業し、かつ、載置台12へ前方側からトレー91を配置及び取り出しするため、前方に向かって傾斜することが好ましい。支持部24の高さは、作業者がトレー91の設置及び取り出しが容易である等の、作業者の作業性が好ましい高さに設定される。
【0028】
固定部25は、撮像装置4を固定する。例えば、固定部25は、棒状又は板状に形成され、例えば、フレーム本体21の上部に、左右方向に渡って設けられる。固定部25は、撮像装置4を締結部材によって直接的に、又は、部材を介在させて間接的に取り付け可能に形成される。
【0029】
載置台12は、トレー91を載置可能に形成される。また、例えば、載置台12は、商品90を直接載置可能に形成される。例えば、載置台12は、支持部24に回転可能に固定される。載置台12は、例えば、上面にトレー91を所定の位置に位置決めして配置可能に形成される。具体例として、載置台12は、
図5に示すように、平板状に形成され、その上面に、トレー91の側面と複数位置で当接する複数のガイド片12aを有する。
【0030】
移動機構13は、載置台12及び撮像装置4を、撮像装置4の撮像方向に対して、相対的に回転させる。移動機構13は、載置台12の上面及び撮像装置4の撮像方向の角度を相対的に変える。具体例として、移動機構13は、載置台12を、支持部24に対して初期位置から所定の角度θまでの角度範囲で回転させる。移動機構13は、作業者の操作によって入力された指令に基づいて自動的に載置台12を回転させるか、又は、作業者の操作を載置台12の回転に変換して、手動的に載置台12を回転させる。このような、移動機構13は、トレー91を撮像する撮像装置4の撮像方向を、トレー91に配置された商品90のバーコード90aに対して変えることが可能に形成される。
【0031】
本実施形態において、移動機構13は、作業者の指令に基づいて、自動的に載置台12を回転させる例を説明する。例えば、移動機構13は、支持部24とともに、作業者が作業する側であるフレーム11の前方に向かって載置台12を傾斜させる。即ち、移動機構13及び支持部24は、載置台12の前方を回転中心として、載置台12の後方が上下方向に移動させることで、載置台12を回転(傾斜)させる。
【0032】
図4に示すように、移動機構13は、例えば、モータ31と、ギアヘッド32と、伝達部材33と、操作ボックス34と、制御ボックス35と、を備える。モータ31、ギアヘッド32及び伝達部材33は、駆動部であり、そして、ギアヘッド32及び伝達部材33は、モータ31の回転を載置台12の上下方向における所定の角度範囲の回転とする伝達機構である。
【0033】
モータ31は、制御ボックス35から電力が供給されることで駆動する。モータ31は、回転軸を有する。
【0034】
ギアヘッド32は、例えば、モータ31の回転軸に接続され、モータ31の回転速度を減速するとともに、トルクを増幅する。
【0035】
伝達部材33は、例えば、ギアヘッド32に接続される。伝達部材33は、例えば、ギアヘッド32の回転軸に接続され、回転することで、載置台12を所定の角度範囲で回転させる。ここで、所定の角度θとは、載置台12の初期位置から載置台12の最大回転位置の間の角度である。なお、初期位置における載置台12の上面は、例えば、水平方向に沿う。また、最大回転位置は、例えば、載置台12の初期位置を0°とすると、初期位置に対して3°~5°となる位置である。所定の角度θは、3~5°以外であってもよい。
【0036】
即ち、所定の角度θには、トレー91及びトレー91に載置した商品が移動しない載置台12の傾斜角度であって、且つ、照射される光が商品90で反射されたとしても、角度が変わることで、撮像装置4で撮像したときにすべての商品90のバーコード90aを撮像できる傾斜角度が含まれる。なお、ここで、トレー91及びトレー91に載置した商品が移動しないトレー91の傾斜角度とは、トレー91や商品90の移動を防止する滑り止めやガイドを用いない状態でトレー91や商品90が移動しない傾斜角度であってもよく、トレー91や商品90の移動を防止する滑り止めやガイドを用いる場合には、該滑り止めやガイドを用いることでトレー91や商品90が移動しない傾斜角度であってもよい。所定の角度θは、トレー91と撮像装置4との位置関係、撮像装置4の性能、トレー91や商品90の材質等に応じて適宜設定可能である。
【0037】
操作ボックス34は、単数又は複数の操作釦34aを有する。操作ボックス34は、作業者によって操作釦34aが操作されることで、信号を出力する。例えば、
図4に示すように、操作ボックス34は、3つの操作釦34aを有する。例えば、3つの操作釦34aは、操作されることで、モータ31の始動、停止及び緊急停止の3つの指令に対応した信号を出力する。なお、操作の入力は、操作ボックス34によって行わず、例えば、処理装置5の入力部51で指令を入力する構成であってもよい。また、操作ボックス34は、フレーム11に固定される例を示すが、フレーム11に対して、操作ボックス34や入力部51を移動可能に構成してもよく、別体としてもよい。
【0038】
制御ボックス35は、例えば、制御盤、ブレーカー及びリレー等を有する。制御ボックス35は、モータ31及び処理装置5の後述するインターフェース54に接続される。制御ボックス35は、操作ボックス34の操作に基づいて、所定の回転数でモータ31を駆動し、そして、停止する。
【0039】
このように構成された移動機構13は、撮像装置4が連写して複数の画像データを取得する所定の時間(例えば、4秒)の間に、所定の角度範囲(例えば、0°から5°の範囲)で載置台12を往復させて、載置台12の傾斜角度を変化させる。
【0040】
暗幕14は、フレーム本体21に設けられる。暗幕14は、少なくとも、載置台12に載置されたトレー91の上方を覆う。暗幕14は、例えば、フレーム本体21の側方、後方及び上方を覆う。また、暗幕14は、例えば、フレーム本体21の作業者が作業する前方を、トレー91を載置台12に、及び載置台12から、移動できる高さ位置であって、且つ、外部の蛍光灯等の光を載置台12に配置された商品90に対して遮光できる位置まで覆う。なお、暗幕14は、遮光する高さ位置を調整できる構成としてもよい。
【0041】
撮像装置4は、載置台12上を撮像する。具体例として、撮像装置4は、載置台12に載置されたトレー91を撮像し、トレー91上に配置された複数の商品90に設けられたバーコード90aの画像データを処理装置5に出力する。撮像装置4は、バーコード90aを撮像できるバーコードリーダである。
【0042】
撮像装置4は、処理装置5の指令に基づいて撮像する。撮像装置4は、所定の範囲を撮像できる。撮像装置4は、所定の範囲を撮像するときに、焦点を調整する等のピント調節機能、絞り値やシャッター速度を調整できる露出調整機能を有する構成であってもよい。例えば、撮像装置4は、カメラと、光源である発光部と、を備える。発光部は、例えば、間欠的に、又は、連続的に、トレー91(載置台12)に光を照射する。即ち、発光部は、撮像装置4で複数回撮像するときに、各撮像時に光を照射してもよく、また、撮像装置4で複数回撮像する間、光を照射し続けてもよい。ここで、発光部は、例えば、所謂フラッシュやストロボと呼ばれ、撮像時に光をトレー91に向かって照射する。
【0043】
このような撮像装置4は、インターフェース54を介して処理装置5に接続される。撮像装置4は、処理装置5の指令に基づいて、発光部で光をトレー91に照射するとともに、載置台12内のトレー91を撮像する。また、撮像装置4は、撮像した画像データを処理装置5に出力する。なお、撮像装置4は、撮像した画像データを処理し、バーコード90aのデータを読み取り、この読み取ったバーコード90aを処理装置5に出力する構成であってもよい。即ち、撮像装置4は、トレー91上の複数の商品90を撮像することで、複数のバーコード90aを撮像した画像データを出力可能であれば、その構成は適宜設定可能である。
【0044】
また、撮像装置4は、撮像条件を記憶する記憶部、及び、カメラを制御する制御部を有する構成であってもよい。即ち、撮像装置4は、予め撮像条件が記憶部に記憶され、そして、処理装置5から撮像の指令が入力されると、制御部が撮像条件に基づいてカメラを制御してトレー91を撮像する構成であってもよい。
【0045】
図1に示すように、処理装置5は、例えば、入力部51と、表示部52と、通信部53と、インターフェース54と、記憶部55と、制御部56と、を備える。例えば、処理装置5は、パーソナルコンピュータであってもよく、タブレット端末、携帯端末であってもよく、また、撮像及び画像処理のための専用端末であってもよく、他の端末であってもよい。また、処理装置5は、例えば、パーソナルコンピュータ及びタブレット端末を組み合わせて使用するなど、複数の装置を組み合わせることで構成されていてもよい。
【0046】
入力部51は、例えば、ボタンを含む操作パネル、タッチパネル、キーボード、マウス等のユーザ入力を受け付ける装置である。また、入力部51は、移動機構13の駆動指令を入力する操作部を構成してもよい。
【0047】
表示部52は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイなどの表示デバイスである。
【0048】
通信部53は、制御部56により制御され、有線通信技術又は無線通信技術を用いて、ネットワーク200を介して管理サーバ100と通信可能な任意の通信インターフェースである。なお、通信部53は、ネットワーク200を介さず、管理サーバ100と直接接続される構成であってもよい。
【0049】
通信部53は、例えば、通信モジュール又は通信基板等として実装されていてもよい。具体例として、通信部53は、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信技術やLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の携帯電話回線を含めた汎用無線通信技術等の遠距離無線通信技術等を用いた基地局を介して、ネットワーク200に接続される。
【0050】
インターフェース54は、外部機器と接続可能な端子又は回路である。例えば、インターフェース54は、撮像装置4と接続される。また、移動機構13がモータ31によって載置台12を回転させる構成である場合には、インターフェース54は、移動機構13の制御ボックス35と接続される。
【0051】
記憶部55は、所謂メモリやストレージである。記憶部55、種々のデータを格納する。例えば、記憶部55は、各種の制御プログラム及び制御データなどを記憶する。記憶部55は、例えば、検品を行う商品の情報である商品マスタ等の検品処理のためのデータを記憶する。また、記憶部55は、撮像装置4で撮像した画像データを記憶する。記憶部55は、画像データを処理して取得したバーコード90aの情報及び商品90の情報を記憶する。記憶部55は、制御部56の処理中のデータなどを一時的に格納する。記憶部55は、データベースとして、アプリケーションプログラムの実行に必要な設定値を格納する。また、記憶部55は、及びアプリケーションプログラムの実行結果等を格納する。
【0052】
このような記憶部55は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)(登録商標)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NAND型フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等を含む。
【0053】
制御部56は、処理回路を有するプロセッサである。制御部56は、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。プロセッサは、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。単数又は複数のプロセッサは、マザーボードやグラフィックボード等の回路基板に実装される。
【0054】
制御部56は、例えば、記憶部55に記憶された制御プログラムや制御データなどに従って、撮像装置4の撮像処理、撮像した画像データの画像処理、画像データのバーコード90aの読取処理、読み取った情報や商品マスタ等に基づく検品(計上)処理、各種処理の情報を表示部52に表示する表示処理等の各種機能を発揮する。なお、制御部56は、撮像処理、画像処理、読取処理、検品(計上)処理等の各種機能を実行せず、管理サーバ100に該機能を実行するための指令や各種データを送信する送信処理のみを行う構成であってもよい。
【0055】
管理サーバ100は、通信部153と、記憶部155と、制御部156と、を備える。例えば、処理装置5は、入力部、表示部及びインターフェース等を有する構成であってもよい。また、管理サーバ100は、処理装置5と同じ構成であってもよい。例えば、管理サーバ100は、在庫管理等を行うWMS(倉庫管理システム:Warehouse Management System)を構成する。
【0056】
通信部153は、制御部156により制御され、有線通信技術又は無線通信技術を用いて、ネットワーク200を介して処理装置5と通信可能な任意の通信インターフェースである。なお、通信部153は、ネットワーク200を介さず、処理装置5と直接接続される構成であってもよい。
【0057】
通信部153は、例えば、通信モジュール又は通信基板等として実装されていてもよい。具体例として、通信部153は、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信技術やLTE(Long Term Evolution)等の携帯電話回線を含めた汎用無線通信技術等の遠距離無線通信技術等を用いた基地局を介して、ネットワーク200に接続される。
【0058】
記憶部155は、所謂メモリやストレージである。記憶部155、種々のデータを格納する。例えば、記憶部155は、検品(計上)処理を行う商品の情報等が格納された商品マスタを有する。記憶部155は、各種の制御プログラム及び制御データなどを記憶する。記憶部55は、例えば、検品を行う商品の情報である商品マスタ等の検品処理のためのデータを記憶する。また、記憶部55は、撮像装置4で撮像された画像データや処理装置5で検品(計上)処理した情報を記憶する。
【0059】
このような記憶部155は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)(登録商標)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NAND型フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等を含む。
【0060】
制御部156は、処理回路を有するプロセッサである。制御部156は、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。プロセッサは、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。単数又は複数のプロセッサは、マザーボードやグラフィックボード等の回路基板に実装される。
【0061】
制御部156は、通信部153を制御し、記憶部55に記憶された制御プログラム、制御データ、商品マスタ等を、ネットワーク200を介して処理装置5に送信する。また、制御部156は、通信部153を制御し、処理装置5で処理した各種情報を受信し、記憶部155に記憶する。
【0062】
次に、このように構成された検品台3を有する処理装置5を用いた商品の検品(計上)処理について説明する。
先ず、メーカーや販売会社から入荷した商品(製品)や入荷情報又は出荷依頼情報等に基づいてピッキングした商品90を、トレー91上に載置する。なお、このとき、
図5に示すように、バーコード90aが設けられた面が上面となる姿勢で、商品90をトレー91上に配置する。
【0063】
作業者は、商品90が配置されたトレー91を、フレーム本体21の前方の暗幕14の下方から載置台12に配置する。このとき、トレー91は、載置台12の複数のガイド片12aによって案内され、所定の撮像位置に配置される。
【0064】
次に、作業者が入力部51及び/又は操作ボックス34の操作釦34aを操作することで、撮像装置4による画像データの取得の指令を入力する。
【0065】
なお、例えば、移動機構13及び処理装置5を接続し、操作ボックス34を操作してモータ31を駆動する指令を入力すると、信号が処理装置5に出力され、制御部56が撮像処理を実行する構成としてもよい。
【0066】
また、例えば、移動機構13及び処理装置5を接続し、処理装置5の入力部51を操作して撮像処理実行の指令を入力すると、該指令の信号が制御ボックス35に出力され、制御ボックス35が信号に基づいてモータ31の駆動制御を実行する構成としてもよい。また、制御ボックス35を有さず、モータ31及び操作ボックス34がインターフェース54に接続され、制御部56が操作ボックス34からの出力信号に基づいてモータ31を駆動制御する構成であってもよい。
【0067】
撮像処理が開始し、モータ31の駆動指令が入力されると、モータ31が駆動され、初期位置から所定の角度θまでの角度範囲で載置台12が回転する。載置台12が回転し、傾斜角度が変わると、載置台12に配置されたトレー91の商品90の上面の角度も変化する。このため、撮像装置4による撮像方向に対して、商品90のバーコード90aが設けられた上面の角度が変わる。よって、撮像装置4は、複数の角度において、トレー91上のバーコード90aを含む商品90を撮像することができる。
【0068】
撮像装置4は、撮像した画像データを処理装置5に送信する。なお、撮像装置4は、画像データを画像処理して、画像データとともに、処理したデータを処理装置5に送信してもよい。制御部56は、受信した画像データを画像処理することで、複数の商品90のバーコード90aを読み取り、記憶部55に記憶された商品マスタからバーコード90aの情報等を読み出して、検品(計上)処理を行う。なお、撮像装置4で画像処理を行う場合には、制御部56は、画像処理を行わなくてもよい。また、検品(計上)処理は、種々設定できる。また、制御部56は、検品処理の結果を表示部52に表示する。また、画像処理や検品処理は、処理装置5で行わずに、管理サーバ100で行う構成であってもよい。
【0069】
表示部52に表示された情報に基づいて、載置台12に載置したトレー91の商品の検品処理又はバーコード90aの読み取りが完了すると、作業者が入力部51を操作して、処理完了の指令を入力する。制御部56は、処理完了の指令を受信すると、通信部53を制御して管理サーバ100に情報を送信する。
【0070】
作業者は、処理完了後、載置台12からトレー91を取り出して、検品済みのトレー置き場へトレー91を載置する。このような作業を繰り返すことで、検品処理が行われる。
【0071】
このように構成された検品台3によれば、撮像方向(光の照射方向)に対して商品90のバーコード90aが形成された上面の角度を変化させるべく、撮像装置4及び載置台12を相対的に傾斜(回転)させることができる。本実施形態においては、検品台3は、撮像装置4の撮像方向とトレー91に対して、載置台12の傾斜角度を変化させる。よって、検品台3は、撮像装置4の発光部により照射された光の反射方向を変化させながら、複数の商品90のバーコード90aを撮像装置4に撮像させることができる。即ち、検品台3を用いることで、撮像装置4は、撮像方向に対して複数の異なる姿勢(傾斜角度)で、トレー91上の複数の商品90のバーコード90aを撮像できる。
【0072】
商品90の姿勢が異なる画像データを用いてバーコード90aの読み取り処理を行うことで、光の反射によって複数の商品90のうち、いずれかのバーコード90aの読み取りができない等の、バーコード90aの読み取り漏れの発生を防止できる。なお、検品台3は、暗幕14を用いない構成とした場合であっても、蛍光灯等の光の反射方向を変化させることができるため、同様に、バーコード90aの読み取り漏れの発生を抑制できる。
【0073】
このため、検品台3は、バーコード90aの読み取り精度を向上させることができる。また、バーコード90aの読み取り漏れによる工数の増加を防止できる。また、一回の撮像において、複数の商品90のバーコード90aを読み取ることができる。検品台3は、検品処理や計上処理における作業時間(工数)や人件費を低減することができる。また、検品台3は、バーコード90aの読み取り漏れによる検品ミスや商品管理ミスを防止することができる。
【0074】
また、検品台3は、載置台12に配置されたトレー91上を撮像した画像データから、複数の商品90のバーコード90aを読み取ることができる。よって、検品台3を用いることで、処理装置5や管理サーバ100は、同じ画像データから読み取った複数の商品90の情報をグループとして紐付けることもできる。
【0075】
上述したように、本発明の一実施形態に係る検品台3によれば、撮像方向に対して載置台12及び撮像装置4を撮像装置4で複数の製品のバーコードを撮像できる。
【0076】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、撮像方向(光の照射方向)に対してバーコード90aが形成された商品90の上面の角度を変化させるために、載置台12を回転(傾斜)させる構成を説明したがこれに限定されない。即ち、検品台3は、載置台12を回転(傾斜)させずに、移動機構13によって撮像装置4を回転(傾斜)させて撮像装置4の傾斜角度を可変できる構成であってもよい。また、検品台3は、載置台12及び撮像装置4の双方を回転(傾斜)させることで、載置台12及び撮像装置4の傾斜角度を可変できる構成としてもよい。
【0077】
また、上述した例では、移動機構13による載置台12の傾斜(回転)を、モータ31により行う構成を説明したが、これに限定されない。例えば、
図6に示す他の実施形態に係る検品台3のように、載置台12を傾斜させる移動機構13Aは、作業者の操作によって載置台12を移動させる構成であってもよい。
【0078】
例えば、このような移動機構13Aは、作業者が操作する操作部81と、操作部81の操作を載置台12の傾斜(回転)に伝達する伝達機構82と、を備える。例えば、操作部81は、足により踏みつけるペダルである。伝達機構82は、操作部(ペダル)81が操作されると、回転又は移動して、載置台12の後方を上方に押しあげる。この伝達機構82の押し上げにより、載置台12は傾斜する。また、操作部(ペダル)81の操作が解除されると、初期位置に伝達機構82が復帰し、載置台12が初期位置に移動する。
【0079】
このような構成の移動機構13Aは、例えば、撮像装置4による撮像の開始前において、
図7のST1に示すように、操作部81は操作されない。そして、撮像装置4による撮像が開始されると、作業者は、
図7のST2に示すように、操作部81を踏むことで、操作部81を操作する。操作部81の操作によって伝達機構82が移動し、載置台12を傾斜させる。
【0080】
そして、作業者が操作部81から足を離すと、
図7のST3に示すように、操作部81の操作が解除される。これらのように、移動機構13Aは、作業者の操作によって、手動的に載置台12を傾斜できる。このような移動機構13Aを用いても、検品台3は、上述した移動機構13と同様に、撮像方向に対する商品90のバーコード90aの傾斜角度を変えることができる。
【0081】
また、上述した検品台3は、暗幕14を有する構成を説明したが、暗幕14を有さない構成としてもよい。また、検品台3は、暗幕14の代わりに遮光パネル等の遮光部材をフレーム本体21に有する構成としてもよい。
【0082】
また、上述した例として、移動機構13は、駆動部であるモータ31を有する構成を説明したが、駆動部はモータ31に限定されず、エアシリンダ及びコンプレッサ等を用いることもできるし、他の構成であってもよい。すなわち、駆動指令に基づいて、載置台12を駆動可能であれば、移動機構13の構成は適宜設定可能である。
【0083】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0084】
1…検品装置、2…検品システム(管理システム)、3…検品台、4…撮像装置、5…処理装置、11…フレーム、12…載置台、12a…ガイド片、13、13A…移動機構、14…暗幕、21…フレーム本体、22…キャスタ、23…載置部、24…支持部、25…固定部、31…モータ、32…ギアヘッド、33…伝達部材、34…操作ボックス、34a…操作釦、35…制御ボックス、51…入力部、52…表示部、53…通信部、54…インターフェース、55…記憶部、56…制御部、81…操作部(ペダル)、81…操作部、82…伝達機構、90…製品(商品)、90a…バーコード(コード)、91…トレー、100…管理サーバ、153…通信部、155…記憶部、156…制御部、200…ネットワーク。